「人間の尊厳」の基礎を問い直す ― 大学教育の指導理念の基礎づけを

識別番号
L1
研究課題
「人間の尊厳」の基礎を問い直す
― 大学教育の指導理念の基礎づけを志向する、精神史的・思想史的
研究 ―
研究代表者
長町 裕司(文学部哲学科)
共同研究者
永井敦子 教授(文学部仏文学科)高山貞美 専任講師(文学部人間学研究室)
大島 晃 教授(文学部長・文学部国文学科)瀬間 正之 教授(文学部国文学科)
湯川 嘉津美 教授(人間総合科学部・教育学科)井上 茂子 教授(文学部史学
科)菅野 カーリン 教授(文学部ドイツ文学科)ヨゼフ・オレアリー 教授(文
学部英文学科)大橋 容一郎 教授(文学部哲学科)田中 裕 教授(文学部哲学
科)ミカエル・デュプレ 専任講師(文学部仏文学科)北條 勝貴 専任講師(文
学部史学科)瀬本 正之 教授(文学部人間学研究室)
Summary
This collaborative research project is based on the Sophia - spirit, and aimed
at developing materials to improve education. Respect for “Human Dignity” is
one of the central ideas of our University and the most important theme of
2008 年度完了学内共同研究
the Humanities.
1.本研究の目的及び背景
文学部の開設による「文学部共通専門科目」を、本学創立以来の教育上及び学究上の指導理
念との密接な関連・連繋における長期的視野において、その内容とプログラムを準備すること
を意図しての学内共同教育研究をプロジェクトとする。この教育研究の企図は、複数の諸学科
及び他の関連諸学部(特に、神学部、総合人間科学部、等)からの共同研究者の参加をいただ
いて、広い視野に立つ徹底した研究を実施できることによって前進をみるものと考える。
「人
間の尊厳の基礎」を今日的視圏から考究するこの研究成果を、学内の教育活動において最大限
に活用できるよう計画すると共に、合わせて学外へ向けても本学創立の精神的理念に則って一
歩明確に呈示することに寄与することを推進する。
2.研究の方法・内容と共同研究員の役割分担
「人間の尊厳」を西洋・東洋の思想・文芸・社会‐法制史的な歴史的伝統を通して探求・吟味
すると共に、今日の精神状況において診断し問い直すという課題は、極めて学際的な土壌を必
要とする研究課題である。更にこの研究課題を数年度にわたって連続して取り組み研究を徹底
化することを通して、最終年度には授業実践の具体的プログラム化と共に、この研究課題が息
の長い射程において大学教育に貢献する内実を十全に反省・熟慮することができると考える。
文学部諸学科から参加をいただく共同研究員メンバーがそれぞれの専門領域をベースに役割
を分担し、この共同研究のための個別的テーマー内容を受け持ってゆくと共に、更に他学部か
ら参加する諸研究者の設定する問題構制を大幅に取り込む方向でプログラムを錬成すること
を企画した。
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(共同研究員の役割分担)
大島晃 教授(文学部長・文学部国文学科)
中国思想における人間の尊厳
瀬間 正之教授(文学部国文学科)
国学における人間の尊厳
湯川 嘉津美 教授(人間総合科学部教育学科)日本教育史における人間の尊厳
井上 茂子 教授(文学部史学科) 第二次世界大戦と人間の尊厳
菅野 カーリン教授(文学部独文学科) ラテン中世における聖書解釈
ヨゼフ・オレアリー教授(文学部英文学科) 近代英文学における人間の尊厳
大橋 容一郎教授(文学部哲学科) 近代日本の国民道徳における人間の尊厳(教育勅語
と国体)
田中 裕 教授(文学部哲学科)
西田哲学とキリスト教
永井 敦子教授(文学部仏文学科) 20 世紀フランス文学における人間の尊厳の問題
ミカエル・デュプレ専任講師(文学部仏文学科)ヨーロパのフマニスムスと人間の尊厳
瀬本 正之 教授(文学部人間学研究室)
キリスト教ヒューマニズムと尊厳
高山 貞美 専任講師(文学部人間学研究室)親鸞の仏教思想と人間の尊厳
増田 祐志 専任講師(神学部神学科)
現代キリスト論と人間の尊厳
長町 裕司 准教授(文学部哲学科)
20 世紀の哲学とキリスト教的尊厳の理念
3.研究の成果
研究成果は、2008年度秋学期に既に開講され、及び2009年度春・秋両学期に目下開講されて
いる「文学部共通専門科目」の内『人間尊厳を問い直す Ⅰ:人間の尊厳の歴史的研究』『人間
の尊厳を問い直すⅡ:人間の尊厳を巡る宗教思想と倫理的諸問題』の授業計画プログラムとそ
の教育実践において具体化されている。また数年内に、これらの科目を受講する学生たちのた
めの教科書作成が近年内に図られている。更に、2013年までに学外研究者の寄稿をも含めた『今
日の世界状況における人間の尊厳』の論文集が企画されている。
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