PDF版

I N T E R C U L T U R E
N O V E M B E R
2 0 0 1
N o . 7 8
NO.78
2001年11月号
NOVEMBER
I N T E R C U L T U R E
■■ 学校法人 千里国際学園 Senri International School Foundation (SISF) ■■
千里国際学園中等部・ 高等部 Senri International School (SIS) 併設 大阪インターナショナルスクール Osaka International School (OIS)
〒562-0032 箕面市小野原西4丁目4番 16 号
TEL 0727-27-5050
FAX 0727-27-5055
URL http://www.senri.ed.jp
秋晴れの運動会
海外留学報告(前編)
卒業生教育実習で奮闘
投稿文が新聞掲載
APACテニス2種目優勝
運動会パフォーマンスより
1
I N T E R C U L T U R E
N O V E M B E R
2 0 0 1
N o . 7 8
導かれて
大迫弘和
SIS校長
「日本のことをもっと知っておけば
よかった!」
例えばSISの9年生が夏のオーストラ
リアホームステイを終えてそのような
感想を書いてくれることがあります。
「ね、もしみんながどこか外国で
ホームステイをして、『日本にはどん
な小説家がいますか?』って聞かれた
らどう答えるかな?」
8年生の教室で生徒たちに尋ねてみ
ました。
「夏目漱石!」
元気のよい答えが返ってきます。
「そうですね、夏目漱石がいます
ね。」
まだ、彼らの殆どは、漱石の作品を
読んだことはないかもしれない。高校
生になり、国語の授業で、今は多分名
前だけを知っている漱石と出会いま
す、「こころ」という不朽の名作で。
SISでは「国語Ⅱ−d」という授業、ご
担当は中村鏡子先生。
「漱石は明治の作家ですが、現在、
活躍している小説家はどんな人がいる
かな?ノーベル文学賞をもらった小説
家も、いるんだよ。知っています
か?」
そして私は、生徒たちに、次のよう
に話しました。
「もし、どこかで、日本にはどんな
小説家がいますか?って尋ねられた
ら、私たちは『日本には、大江健三郎
さんという、とても立派な小説家がい
ます』と、自信をもってこたえること
ができる、と私は思っています。」
◇◇◇◇◇
導かれる、というようにいつも感じ
てきました。
氏は近著『「自分の木」の下で』の
中で「私は、子供の時に、その人の振
る舞い方、態度について深く印象づけ
られるまま、あの人のようになりた
い、と決心するのは、良いことだと思
います。」と書きます。
おそらく、私にとって、それはもう
2
私が子供ではなくなっていた頃のこと
になるのですが、あの人のようになり
たい、と深く思っていた人といえば、
氏が間違いなくその一人であったと思
うのです。
私は大学ではロシア文学を学びまし
たが、露文の研究室は4階にあり、そ
の真下のあたりの3階のフロアーに氏
が学んだ仏文の研究室があり、ああ、
何年か前、大江健三郎さんがここで学
んでいたんだ、となにか身の引き締ま
るような思いでその研究室の前を通る
ことが何度もありました。
勿論私は氏に直接あったことはあり
ません。一読者であるに過ぎません。
そして、一読者として、これまでに幾
度となく、氏の言葉により、ありうべ
き生、というものについて導かれたと
思っています。
あらゆる表現者が、支持と同時に批
判をも受ける、そのように氏に対して
も一部批判的な意見が存在しているこ
とを知りつつ、私は、私の中に確かに
氏に導かれ形成された部分があり、そ
れが現在の自分にとって、たいへん大
切な部分であるこということを感じて
います。
◇◇◇◇◇
氏が『あいまいな日本の私』の中
で、望ましい日本人像として示した
"decent"ということ、氏が、品の良
い、あるいは上品な、という日本語を
あてているそのことは、私が子供たち
に何とか伝えたいものだと思うもので
す。気取った上品さ、とかそう言った
ことでは勿論なく、人間としての尊厳
を持った、他者に対する敬意を持った
ものとして。
此の頃の氏の言葉に、私は殆ど「 祈
り」に近いものを感じます。いえ、もし
かすると、氏は、もっともっと前から
祈っていたのかもしれません。
2001 年10月、世界は決して幸福でな
く、私たちは世界の幸福のために自分
たちに出来ることはなにかを模索しつ
つ、同時に心のどこかで、深く祈って
いると思うのです。私たちのその「祈
り」は、大江健三郎氏の「祈り」と、ど
こかでつながっているように思うので
す。
「そして私は、こうした医師、社会
学者、教師らの、専門家たち、経験者
たちを尊重します。私は、国の内外
で、そうした人たちの考え方を、子供
たちや若いお父さんやお母さんらにつ
たえる役割をあたえられれば、力をつ
くしてそれをやりたい、と思っていま
す。」
氏のそのような言葉に出会うことに
より、私たちは私たちなりに、どのよ
うに苦しくとも、教育という仕事に携
わるものとしての誇りを失わず、全力
で与えられた仕事に立ち向かわなけれ
ばならない、と思えるのです。
【参考文献】
『「子供の木」の下で』 大江健三郎(朝日
新聞社)「永い小説家の生活で初めて、私
は子供の皆さんに向けて一冊の本になる分
量の文章を書きました。」
『あいまいな日本の私』大江健三郎(岩波新
書)
I N T E R C U L T U R E
N O V E M B E R
2 0 0 1
N o . 7 8
2001年度 オールスクールプロダクション
All School Production 2001
オズの魔法使い
The Wizard of OZ
今年度オールスクールプロダクション、ミュージカル『オズの魔法使』The Wizard of OZ の公演予定をお知ら
せ致します。公演はすべて、校内シアターで行われます。今年もたくさんの生徒のみなさんが参加しています。10
月の時点ですでに約120名の参加がありました。この千里国際学園らしいイベントをぜひお友達やご家族といっしょ
にお楽しみください。どうぞ、お見逃しなく!
12月6日(木)
12月7日(金)
12月8日(土)
午後4:30開演
午後6:00開演
午後2:00開演 マチネー
午後6:00開演
チケットは、千里国際学園の生徒および12才以下の子供が500円、一般が1500円です。校内ブックストアにて、
11月13日(火)よりお求めになれます。シアターの席には限りがございますので、どうぞチケットはお早めにお求
めくださいますようご案内申し上げます。
<あらすじ>
カンザスの農家のおじさん宅にひきとられているドロシーは、大竜巻に巻き上げられ魔法の国へ迷い込んでしま
う。ドロシーの家が東の悪い魔女の上に落ち、オズの国のマンチキンたちは大喜び。しかし、ドロシーが故郷カン
ザスに帰るためには、遠い遠い所に住むオズの魔法使の力が必要だ。脳みそのないかかし、ハートのないブリキの
きこり、勇気のないライオンを従えたドロシーは、オズの魔法使が住むエメラルドシティへと向かう。黄色いレン
ガの道のかなた、ドロシーたちを待ち受けるのは...姉妹を殺されて怒り狂う西の悪い魔女の手から逃れられる
のか?
このミュージカルファンタジーは、楽しくて面白い場面がいっぱい!また、SIS英語科のストーリー先生(演出)
がここの学園のニーズに最も合うように台本に手を加えてくださいました。リハーサルは厳しく真剣ながらも、出
演者もスタッフも練習中ずいぶん笑いました。観客のみなさんがドロシーの冒険と夢の世界に没頭できるような作
品を、キャスト、オーケストラ、スタッフ一同で作り上げられるようがんばっています。どうぞお楽しみに!
大迫奈佳江(プロデューサー、日本語科/音楽科)
3
I N T E R C U L T U R E
N O V E M B E R
2 0 0 1
N o . 7 8
秋晴れの運動会
10月6日(土曜日)に運動会が行われました。幼児部・小学部を含むOISと合同で行う数少ない行事の一つです。10:45には、
プログラムを終えたOIS幼児部・小学部の生徒の閉会式とOIS/SIS中等部・高等部の開会式が同時に行われ、バンドの演奏と
澄んだ青空につつまれて各チーム色とりどりの行進がみられました。
各競技の前半は、中等部、高等部、それぞれに球技を行い、選手、応援団ともどもチームワークよく楽しめました。昼食
時には、中庭で恒例のパフォーマンス大会。本格的なダンスやチームワークのよい楽しいパフォーマンスにわきあがりまし
た。昼食後はフィールドでの各種運動会競技。この時間帯のフィールドは夏が戻ってきたのかと思う暑さでしたが、出場者
も応援も熱がこもっていて各チーム心をひとつにすごせた時間であったようです。
生徒会の皆さんには、運動会に向けての準備、当日の進行運営、本当にご苦労様でした。また、当日ボランティアとして
OIS幼児部・小学部の部を手伝ってくれた皆さんもおつかれさま。多くの人の努力と協力ですばらしい運動会の一日が無事終
わりました。
4
I N T E R C U L T U R E
N O V E M B E R
2 0 0 1
N o . 7 8
Sports Day
運動会プログラム
8:45‑10:45 OIS幼児部・小学部運動会
10:45‑11:00 OIS幼児部・小学部運動会閉会式
中等部・高等部運動会開会式
11:00‑12:45 中等部ドッジボール/インターセプタートーナメント
高等部ドッジボール/アルチメットトーナメント
12:45‑1:30 パフォーマンス(中庭)
1:30‑3:20
運動会競技
1.障害物競走 2.玉入れ競争 3.借り物競争
4.綱引き 5.リレー
3:20‑3:35
表彰式・清掃
5
I N T E R C U L T U R E
<特集>
N O V E M B E R
2 0 0 1
N o . 7 8
私の留学体験(前編)
毎年、多くの生徒が留学していますが、今年もこの9月に6
名、去る4月に1名が留学から帰ってきました。貴重な体験を次
号との2回にわたって報告していただきます。
多民族の小さな町で
加藤千尋
高等部2年
私は、カナダのリルエットという町に一年間留学しまし
た。「カナダ留学」を考え始めたのは、オールスクールプロ
ダクションに参加したのが大きなきっかけです。オールス
クールプロダクションには二回参加したのですが、その二回
とも英語のできる友達が私を支えてくれました。が、いつし
か私は英語のできない事に「歯がゆい」と思うようになり、
「自分も英語をマスターしたい。」せっかく千里国際学園と
いう英語をマスターするには最高に環境の整った学校にいる
のに…。と思い始めるといつしか、自分でインターネットや
学校のポスターで留学資料を集めていました。
私の母には、「一度しかないあなたの人生、後悔しないよ
うに、しっかり考えて自分の行動に責任を持ちなさい。」と
言われましたが、父は留学には猛反対でした。しかし、留学
する気持ちは、なぜか譲れない気持ちで、半年、父と留学の
ことで議論しましたが、まだ自分の気持ちは「留学した
い。」という気持ち一本でした。それと、留学前に父がいっ
た「一年で英語をマスターするのは無理。」という言葉が忘
れられなくて、それでもっとやる気になりました。
カナダに行って初めてのホストはドイツ人で、学校が始
まってすぐそのホストママに「あなたは日本人だから友達な
んかできないわよ。なぜなら、第二次世界大戦があったから
…。カナダ人なんか、あなたの事すぐ忘れてしまうのよ。」
と言われ、日本人でもカナダ人の友達はできるという事を証
明してやろうと思いました。それから、その家族には、
「Nativeの子とはしゃべってはだめ。」と言われ、初めて、
人種差別の事実を知りました。私は今まで日本で何も考えず
に過ごしてきたので人種差別というものが、未だに実在する
なんて知りませんでした。
しかし、その頃から私はその家族とは考え方が全く合わな
いと感じ、12月に中国系カナダ人の方に移ることになり、そ
れからは、すごく楽しい毎日でした。そのホストの家はリル
エットの町から車で一時間弱離れていて、360度自然に囲ま
れたログハウスで熊は何匹も出没するし、近所はたったの4
軒、しかも隣の家へ行くのに車で10〜15分かかるのです。そ
して、そこで、カナダの生活をenjoyしました。
友達という関係ができはじめたのは、12月頃からでしょう
か。みんなから「遊ぼう!」と誘いが来るようになり、私を
6
友達と感じてくれるようにになったんだ。と思うと、嬉しい
気持ちでいっぱいでした。私の学校は、スイス、ドイツ、
ニュージーランド、オーストラリアと日本から留学生を受け
入れていて、今年、初めて、日本人以外の留学生を受け入れ
たそうです。本当に、3ヶ月目ぐらいまでは、日本の方が良
いと思っていたけれど、3ヶ月過ぎてからは、カナダをすご
くenjoy していました。冬は、そり、カーリング、スケー
ト、雪合戦。それから、Whistlerにスキーに行き、夏は、カ
ヌー、ダイビング、ジェットスキー、ラフティング、
Tubing、shooting、camping、つり、cliffjumping などな
ど、この紙面上には書ききれない程、たくさんの楽しい事が
あったし、英語はともかく、この留学では日本にいたら絶対
できなかった田舎の生活を経験できたように思います。
今となったらカナダは、とても人種差別の少ない国だと思
えるのです。なぜなら、あんなに小さな町なのに多民族だっ
たし、留学生をすごい社会的に良い方に見てくれて、暖かく
受け入れてくれました。友達が世界中に出来たことが、とて
も嬉しいことです。カナダの家族と、この留学の機会を与え
てくれた両親に感謝の気持ちでいっぱいです。
私のオランダ留学記
井上五月
高等部2年
私は、2000年の8月から、この7月までの11ヶ月間をオラ
ンダで過ごした。それはとても私にとっては大きなことだっ
た。
まあ、まず オランダって、どこやねん!? と言う人が
たくさんいると思うけれど、そう言われる位とても小さな国
だ。地図上でいえば、西ヨーロッパ、海を隔てて、イギリス
I N T E R C U L T U R E
の下、ドイツの左側、そして、ベルギーの上にあたる。
そして、よく周りから言われたのは、 なんで、オランダ
やねん!? だった。簡単に言えば、きれいだから、それ
に、聞いたところによると私の好きなサッカーが有名だった
と。まあ、小さい国ながらも世界的に有名なオレンジ色の
サッカー大国だった。
やはり、 留学に行く というのだったら、 良い国に行
きたい! というのが、たぶん、大半の人の答えだろう。私
もその1人だった。だから、行ってみてかなりビックリする
事だらけだった。生活にも、天候にも。
私の住んでいたところは、近くに、Den Haag というとて
も大きな町があった。第2の首都といっても良いくらいの大
きさの町で、その町にはわざわざ自転車をこいで学校に通っ
たり、買い物したりに行った。しかし、私の住んでいた町と
言ってみれば、オランダの西の端のほうにある、Kwintsheul
という、とてもとても小さな町だった。半径1㎞ほどの村
で、あるモノといえば、小さなスーパーと隣り合う4つ位し
かないお店、銀行に教会、小学校しかない。見所は、なんと
いっても家の周り中、町の周り中あるビニルハウス。これに
はとても驚いた。見渡す限りビニルハウスだったのだ。しか
し、こんな小さな村にも、オランダ国一のハンドボールクラ
ブがあった。
さて、オランダと言ってみれば、チーズにチューリップ、
そして風車に木靴を思う人が多いだろう。まあ、木靴(ある
村ではいまだにはいているらしいが)以外は、普段日常によ
く見るものばかりだった。そして、1番驚いた事は、自転車
と雨量だった。オランダでは、自転車が日常生活には欠かせ
ない。もちろん学校へも、仕事へも、そして、買い物へも、
そして、雨の日も、風の日も、台風の日でも...どこに行く
のも自転車だ。そして、私ももちろん30分(8㎞)も(オラ
ンダでは異例のことらしい)かかったが自転車で通学した。
友だちもほとんどが、雨の日は、カッパを着込んで自転車通
学、もしくはビショ濡れだった。そしてまた、オランダは雨
が多い!その上、去年は異常気象。自転車30分通学の私は、
何度も雨にふられ、学校で1日中ビショビショということ
が、たくさんあった。もう1つ驚いた事は、自然のすごさ。
なぜなら、普通に運河には、白鳥、野鴨、土手にはリンゴや
ナシの木があるったりする。
そして、私の学校、Dalton Den Haagだ。どうやら、オラ
N O V E M B E R
2 0 0 1
N o . 7 8
ンダ航空KLMの機内誌によれば、いい学校らしいが、中身は
めちゃめちゃだった。とくにうちの学年、4HAVO。HAVOとい
うのは、高等職業コース、まあ、大学受験をするクラスの次
に良いコースの事だ。私は、この中でも2番目に難しい、理
系生物系に入った。それは、やはり難しいと言うだけあっ
て、とても大変だった。言葉も分からない私がいきなり入っ
たからといって、もちろん授業が英語になるわけでもなかっ
た。授業には、かなり苦労したが、友達の数は誰にも負けな
いだろう。友達にはオランダ語を教えてもらう代わりにフラ
ンス語(この時はじめて、フランス語に触れた)のテスト勉
強の手伝いをしたり。授業、とくにオランダ語、社会の授業
はほんとにわけが分からなかったが、その他のクラスに関し
ては、4ヶ月ぐらいたったあたりからだいぶ分かるように
なって、辞書を使いながらも、最終的には、クラストップの
点数をたまに取れるぐらいにはなった。
オランダに行ったおかげで、オランダ語、サッカー、そし
て、新しい価値観を学んだ。私にとって、これはとても大
変、そして、またとてもいい経験をする事ができた。はじめ
は、泣きそうなことが度々だったけれど、本当に、オランダ
にいけてよかった。そして、またオランダに行きたい。
アフリカでの1年間
野中 翔
高等部2年
僕はアフリカの南部にあるナミビアという国に1年間留学
していました。
最初は、ナミビアに行く事の期待や喜びなんて殆どなく、不
安で嫌になる事ばかりしか想像できませんでした。でも、そ
ういうのを乗り越えられればこれからの人生を生きていく上
で絶対に自信になると思い、行くのを決心しました。英語の
勉強といううのも一つの理由でした。
そして、僕の不安は的中し、着いた初日からナミビアでは
めったにふらない大雨でした。町へ出てみても東洋人はめず
ナミビアの砂漠・
小さく見えるのが野中翔君
7
I N T E R C U L T U R E
N O V E M B E R
2 0 0 1
N o . 7 8
らしいので、そこら中の人にジロジロ見られて、たまに声を
かけられてバカにされたり、こんな国に1年もいるのかと
思ったら本当に嫌になりました。
着いて三日後には学校に行き、やっぱりそこでも生徒にジ
ロジロ見られました。Windhoek Internationl School はじ
まって以来の日本人だったそうです…。
ナミビアという国は、僕が今までいってきた国、そして日
本とは雰囲気が全然違い、慣れるのに3ヶ月以上かかりまし
た。友達もしばらくの間全然できなくて、学校に通いはじめ
のころは学校が終われば家に帰ってボーっとしている毎日で
した。「もう友達なんていらねーや」と思ったことはたくさ
んありました。はっきりいって辛かったです。多分僕が16年
間生きてきた人生の中で一番苦労そして辛い思いをした3ヶ
月でした。
だけどそんな悩みも砂漠やサバンナを見にいった時には忘
れていました。今までテレビや写真でしかみた事のなかった
風景が自分の目の前に現れたら誰だって感動すると思いま
す。
そんなこんなで気がつけばもうすぐ日本に帰らないといけ
ない時になっていました。そのころには友達もできていて、
この国のことも大体わかり始めていました。さーこれから、
と言う時にもう帰らなければいけないというのは本当に自分
にとって残酷なものでした。もっと早く色んな事をやって、
色んな人と出会っておけばよかったとすごく悔しい思いをし
ました。
学校最後の日、あんなに行くのが嫌だった学校を離れるの
は本当に辛かったです。友達と別れた後、泣かずにはいられ
なかったです。もう多分この中の殆どの人とは一生会えな
い、と思ったらなんともいえない不思議な感情になりまし
た。
僕がこの国に1年間いて一番成長したと思うところは人間
関係だと思います。日本では気づかなかった自分というもの
がよく分かりました。だけどやっぱりこれは、僕の中では、
生きていく上で一番重要でそして難しいことだと思います。
そして、勉強になったことは、英語は勿論、今まであまり
考えたことのなかった人種差別の問題です。他の国に生きて
いると分かりませんが、実際その問題が起きている国に住ん
でみると本当に怖いものだと実感しました。
僕はナミビアに行って本当に正解だったと思います。自分
が今まで生きてきた中で一番中身の濃いものだったと思いま
す。この貴重な体験を活かしてこれからの人生を生きていき
たいと思います。
8
アメリカの「笑い」
小山クリストファー
高等部3年
高2の夏から1年間の間、アメリカのオレゴン州で留学し
てきた。なぜ留学していたのかというと母がアメリカに行く
ので付いて来るかと聞かれた所で、そんなおいしい機会があ
るのなら無駄にせずアメリカン・ハイスクールライフを経験
してしまおうという気持ちが自分の中に生まれたからであ
る。中2の頃にも1年間留学していたため、向こうに友達は
既に沢山いてて、その点ではまったく問題なかった。ただ今
回はハイスクールに通わなければいけなかったので中2の時
に通っていたミドルスクールとはわけが違った。
全校生徒数1600人の大きな学校で裕福な地区にあり金持ち
の親を持つ生徒が多く、マイカーのBMWに乗って登校して
いた生徒達もいた。1600人も生徒がいるということで私は異
なった人種の生徒の沢山いる高校を想像していたのだが、実
際は約90%が白人で後の10%がヒスパニック系かアジア系の
生徒達だった。黒人は3人しかいなかったので非常に残念
だった。
私を受け持ってくれた教師は皆いい人ばかりでなにか問題
があればすぐに助けてくれた。学校にはカウンセラーが6人
いて生徒達の授業選択から大学選び、人生相談までをこなし
ていて私なんかはよくお世話になっていた。特に向こうでは
家庭内に問題を持つ生徒が多く、学校で苦労してる生徒が多
く存在していたので大変役に立っていた。校内には警官が2
人いて生徒達の安全を確認していた。1学期間に2度ほどハ
イスクール・シューティングなどの万が一の場合に備えての
学校全体での訓練や警察犬による麻薬物質の検索などがあっ
た。
学校が始まって気付いたことはとにかく色々な人がいると
いうことだった。私は出来るだけ沢山の人達と友達になって
多くのことを学び、経験しようと決めた。おかげで人生観な
るものが変わった気がする。何事にもいくつかの違う目線で
物事をとらえ、一方的な考えを押し付けないようなったつも
りである。スポーツはサッカーとバスケットボールに専念し
た。サッカーはそうでもなかったが、向こうでやるバスケは
I N T E R C U L T U R E
最高におもしろかった。さすが本場といった感じで、日本で
はなかなか経験できないスタイルのバスケをした。勉強面で
は、英語力も上達し、1年を通しての成績も良かったので満
足している。しかし、アメリカだから数学はしょぼいと思っ
てかかった数学のクラスは逆に難しくて先生も厳しく大変
だった。週末は友達の家でだらだらしたり、友達のほとんど
が車の免許を持っていたので海へいっしょに連れていっても
らったり、買い物したり、映画を観にいったりだった。
一つだけ向こうで苦労したことがあった。それはアメリカ
の「笑い」だった。意味不明な場面で爆笑したり、これは絶
対100%オモロいやろというところでめちゃくちゃ冷めてた
りで大変だった。大学はアメリカに行くつもりだが、その時
には必ずアメリカの「笑い」を解明しようと考えている今日
この頃である。
たくさんの忘れられない思いで
小山亜里沙
中等部3年
私は、去年の夏から今年の夏まで一年間アメリカのオレゴ
ン州へ行ってきました。この1年間は、私にとって、とても
楽しい1年間でした。将来、忘れない思いでになると思いま
す。はじめは誰もが思うように、友達が出きるかとても心配
でした。でも、心配することは何もありませんでした。みん
なとても優しくて、喋りやすく、すぐに友達がたくさんでき
ました。たくさんの友達が出来たから、1年間を楽しく過ご
せたのだと思います。アメリカでの最後の日は、みんな大泣
きしてしまいました。私が日本に帰る少し前には、"Good‑
byeSurpriseParty"をしてくれました。その日、私だけが友
達の家に泊まると思っていたのですが、他に4人のベストフ
レンドが来ていて、遊園地へ行き、そのあと晩御飯を食べに
行って、私達が泊まるホテルまで借りてもらっていて、最高
のパーティーでした。そして、別れの時は、とても悲しく
て、つらかったです。
私が、行った現地校は、とても大きくて、私の学年は2つ
のチームで分かれていました。SISのように、アンスケな
どはなく、ランチも35分程度しかありませんでした。また、
放課後なども残れませんでした。学校では、クラブ活動がな
かったので、私はYMCAでサッカー、バスケ、ダンスなど
をしました。私が通っていた学校では、不思議ウィークみた
いなのがありましたが、一週間通してやるのではなく、一年
に7度ぐらいやったと思います。その中で一番面白かったの
は、男の子の日と女の子の日でした。女の子の日には、女子
は、みんな名前のついた紙をネックレスのようにしていて、
できるだけ男の子には喋らないのです。けれど、男の子達は
どうにかして、女の子達を喋らせるのです。そして、女の子
を喋らせられたら、その子のネックレスをもらえるのです。
だから、ネックレスをたくさんゲットしたらいいんです。男
N O V E M B E R
2 0 0 1
N o . 7 8
の子の日には、同じように女の子が男の子を喋らせなきゃい
けないんです。他には、ダンスパーティーを5回ほどしまし
た。D.J.などが学校に来て、すごく盛り上がりました。
また、誰かの誕生日だったりすると、その人のロッカーをプ
レゼントのラッピングペーパーで飾ったり、ケーキをランチ
の時間にプレゼントして、イスの上に立ってハッピバース
デーを歌ってあげたりしました。
私が行ってた学校は、いろんな国からの人たちがいたの
で、多くの国の人と友達になれました。どこの国の人、どこ
に住んでるか、どんな服を着てるとかまったく関係なく、み
んながみんなと仲良しでした。私は、アメリカは世界中から
来た人達が集まって出来た国ということを実感しました。私
は、そんなアメリカが大好きです。アメリカに行って本当に
よかったと思います。
9
I N T E R C U L T U R E
N O V E M B E R
<海外転校生寄稿>
2 0 0 1
N o . 7 8
It's All Up To You
角元正治
Northeastern University (Boston)・
現SIS高3からの転出生
今年僕はアメリカのワシントン州シ
アトルで1年早く高校三年生を修了し
た。『いいなぁ、早く卒業できて、大
学も決まっててさぁ、調子乗って
る?』とジョークながらにも、日本に
帰って来た時に友達から言われた一言
は少し胸を刺す様な気がした。
僕は去年のテキサスに引き続き、ク
ラブ活動を活発に取り組んだ。去年か
ら続けたチアーリーディングでは、
Most Valuable Cheerleader of The Year
に選ばれるなど、今年も色々な経験を
したわけだ。千里国際学園時代のよう
に、マシンガンのごとく喋るという事
は卒業した、と言いたいところであっ
たが、よく考えるとそれ以上にしてい
た記憶があるのでそれについては何も
言わない事にしておこう。
今回、僕の通ったJohn F. Kennedy
High Schoolには推定60名ほどの留学生
達がアジアを中心とした国々からやっ
てきていた。一年目の人、4年続けて
かよった人など、様々いたわけだ。し
かしランチの時間、カフェテリアに行
くと少し奇妙な風景が広がっている。
カフェテリアの隅っこには留学生の群
れが座っている。聞こえてくる会話は
英語ではないのだ。中国語、韓国語、
日本語、タイ語など。これに僕は納得
がいかなかった。太平洋を越え、心配
する両親のもとから離れてアメリカま
で来てなぜ自分と同じ国から来ている
人達を見つけ、同じ国の人と同じ国の
言葉で話し、同じ国の人と遊びたいの
か?正直に言うと、僕は『留学生組』
から退けられた一人である。アメリカ
人の友達を作り、英語で話しつづけた
僕が気に入らなかったのであろう。
今留学を考えている人達、あなたの
留学の本当の理由は何ですか?それが
一番大切な質問だと思う。太平洋を越
えてアメリカへ行くなら、一発地球2
周回るぐらいの勢いで行って下さい!
僕は、この1年を通し、将来何がし
たいのか、自分は何が得意なのか、そ
して自分が仕事としてやっていけるの
10
は何なのかという事を考えた結果、犯
罪心理学(Criminology/Criminal
Justice)を専攻する事にした。将来、
Profilerとして働けたら一番いいな、
と思っている。僕はマサチューセッツ
州、ボストンにあるNortheastern Uni‑
versityに今年から通う予定なのだが、
今回僕はテキサスに行った時やシアト
ルに行った時の様な緊張感はない。こ
の2年間を通し、習った自分のP h i ‑
losophy, "It's All Up To You"を信じ
ているからだ。そう、全ては自分自信
にかかっているのだ。それを信じて、
千里国際学園のみなさんには頑張って
行ってほしいと思う。
At last, I would like to thank all
my teachers from OIS and SIS
(Especially Ms.S) who supported me
through these years, and to my spe‑
cial friends(you know who you are)
who were always there for me when‑
ever I needed them. Thank you every‑
body and wishing you guys good luck,
OIS/SIS Class of 2002!
(以上2001年6月寄稿)
この9月からアメリカ、マサチュー
セッツ州ボストンにあるNortheastern
Universityで犯罪心理学専攻の大学生
としての勉強を始めたのだが、目が回
るスピードというより目が落ちると
言ったようなスピードで時が過ぎてい
ます。この夏帰国していた間、父がつ
ぶやいた『アメリカにも東北大学
(Northeastern University)があるんや
ね、ハハハ。』等という一言を浴び、
気が遠くなるような思いをしてから既
に数ヶ月経った。
9月11日。この2年間をアメリカで
生活していた自分にとって、そしてな
によりもアメリカの土の上で勉強し
て、アメリカ人の友達を持つ身として
この日を忘れる事は無いだろう。キャ
ンパスでチアリーディングの朝練習を
終え、寮へ帰る途中だった。カフェテ
リアの中から聞こえる悲鳴、そして
数々の人達が地面へと泣き崩れた。ボ
ストンは大学のハブとして知られる程
大学が多い。多数の生徒たちはニュー
ヨーク市、あるいは郊外の出身者であ
る。そして目の前にある大きいテレビ
のスクリーンに映し出されたWTCは
煙を上げその場から姿を消した。
このテロで僕の仲の良い友達の8人
が両親や兄弟、親戚、友人を亡くし
た。そして皮肉にも9月22日、ボスト
ンにはテロ脅迫があり、授業を中断、
キャンパスポリス(大学上の警察官)
にみんなエスコートされ自宅待機。全
ての店、モール、交通、ボストンが止
まった。
なぜ?それがアメリカ人の疑問だ。
日本人である僕も、『なぜそこまで無
関係な人達を巻き込んで・・。』と涙
を流した。そんな中で起こる暴動、中
近東出身の人達に対する暴力、そして
アメリカに住む中近東出身者達が踊っ
て喜んでこの悲劇を楽しむ姿…。アメ
リカは今とても深い悲しみ、怒り、疑
問の渦に巻き込まれた。
そんな中、僕の友人で自分の両親2
人共を亡くしたJulianne Barbettaは9
月2 8 日、キャンパス内でマイクを握
り、みんなの前に立った。『私達は無
くしてはいけない物を無くしました。
それはもちろん帰らないアメリカ人達
であり、私の素晴らしい両親です。し
かし、それ以上に私達は国としての団
結力を無くしました。今、みんなが怒
りにあふれ、悲しみにおぼれているの
は分かります。でも今こそアメリカ合
衆国は手を取り、テロに立ち向かいま
す。そして皆を愛する事を誓いま
す。』彼女は自分自身の両親がWTC
と共に崩れ去った事を口にした。しか
し彼女はあふれ出る涙を気にせず、僕
達に語った。溢れる拍手の中、彼女は
アメリカ国旗に向け、右手を左の胸に
当てその場にいた数百人の人々と共に
国歌を歌い出した。その場で僕はアメ
リカと一つになった。" G o d B l e s s
America"
(以上2001年10月寄稿)
I N T E R C U L T U R E
<卒業生寄稿>
N O V E M B E R
2 0 0 1
N o . 7 8
人の自由、人のモラル
吉川彰布
Pratt Institute (New York)・
第6期卒業生
いつもの平日のように朝起き、学校
に行く支度をしているときだった。友
人から国際貿易センタービル(以下W
TC)のタワーに飛行機が突っ込んだ
という。はじめは まさか と思っ
た。そう。阪神大震災、東京地下鉄サ
リン事件同様まず始めに思ったのは
まさか だった。マンハッタンでは戦
後直後に軍用機がWTCの次に高く、
映画に何度も出てくる有名なエンパイ
アーステートビルの80階ぐらいに突っ
込んでから飛行禁止空域になってい
た。それを知っていた自分はテロだと
すぐに思った。テレビをつけたときに
はもう一つ目のタワーが消えていた。
いつも見慣れていた2つ仲良く建って
いたのが1つになっていた。そうとわ
かるまでに結構時間がかかる。あのタ
ワーが崩れ落ちる現実を受け止めれず
にいた自分は必死にテレビの中になく
なったタワーを探していた。
私はマンハッタンを川で挟んだブ
ルックリンに幸いにして住んでいたの
で直接的な影響はなかった。映画のよ
うだとテレビを見る人は言う。しか
し、自分の目で見ない限りそれは 仮
想 現実である。現実ではない。私は
現実を見た。川の向こうにはいつも見
慣れていた街並みがなくなっていた。
悲しかった。向こう岸から次々と運良
く惨劇を逃れた人達が船に乗ってこっ
ちに来る。降りてきた人達はWTCの
瓦礫の埃まみれになっていた。彼らと
比べ、全くきれいな自分と対照的であ
る。神の存在を信じなかった人は突然
神様に助けてもらったと感謝してい
た。
あれから1ヶ月。ニューヨークは怖
ろしいくらいに静かになった。
ニューヨークのアイデンティティー
であるWTCが死んだのだ。テロとい
う政治的な野望に多くの人の命は失わ
れ、世界が悲しんだ。WTCを失うと
いうことはニューヨークの前歯2本を
とられた様なもの。日々マンハッタン
の街を歩くときには何かとWTCを南
の目印にしていた。東京タワーがなく
なるということ。大阪城がなくなると
いうこと、学校近くにある貯水棟がな
くなるということと感覚的には似てい
る。しかし、WTCには数千人の犠牲
者が出ているという。テロ後数日臭う
異臭も奇妙だった。
◇
さて、大変なのはアメリカがラディ
ン氏の引き渡しが成立しなかったため
にアフガニスタンとその近隣諸国を巻
き込んだ報復を始めるというとっても
矛盾的な、悪循環が繰り返されてし
まったこと。アメリカの宗教は変わっ
た。政治、経済、人権の 自由 であ
る。アメリカはその宗教をいいわけに
報復攻撃をしている。力の強い国が世
界をつくる。ここ何十年もアメリカは
この宗教のいいわけですでに殺戮を繰
り返している。朝鮮戦争、ベトナム戦
争、湾岸戦争とアメリカの生き方に対
抗するものに次々と潰しておく。実に
ずるい。傲慢だ。中国と台湾の関係で
もとてもずるい立場をとっている。戦
後直後は台湾を独立国として認めてい
たものの、ある年、中国本土がものす
ごい経済的可能性を秘めていることに
気づき、突如台湾は捨てられた。資本
主義の台湾。社会主義だが、資本主義
の餌になる中国。アメリカは両方に味
方しているがいつまで続くか。
一生懸命生きることが西洋諸国(日
本もその一つ)の宗教。死ぬために
(アラーのために)一生懸命なイスラ
ムという宗教。お互いがその 生き方
を 尊重しない限り両方が滅びるか、
片方が滅びるか、最悪は世界がまき沿
いに滅びるまで終わらない。
◇
人間の最大のモラルは私が思うに
は、「人の命を奪うという行為は何が
何でも正当化されない、してはいけな
い」ということ。日本の自衛隊がアメ
リカの報復軍事の後方支援に行くとい
うことは決してあってはならないこ
と。アメリカはもうテロと戦っていな
い。やられたからやり返して満足した
いだけである。どんなに批判されても
他国の軍事行事には関わってはいけな
い。日本は被爆国として強くなくては
いけない。過ちを犯して学んだはず
だ。土に、海に空に見えない国境がし
かれてしまった今は鎖国こそが一番の
平和。互いの生き方を尊重して生きる
のがいい。自分の生き方を他人にああ
だ、こうだと言われると腹が立つのは
当然のこと。思っても口にしてはいけ
ない。行動してはいけない。鎖国、自
分の中に閉じこめておく。難しいこと
ではない。スイスという例がある。日
本は世界に左右されずに自立した大人
になって欲しい。
この文章を通して私が相当アメリカ
を嫌っていると思う人がいると思う。
私はアメリカが大好きです。人生の半
分をこっちで過ごした。すばらしい
国。理想が高い国。日本では考えられ
ないくらい色んな文化を持つ人達で
いっぱい。ニューヨークは世界を凝縮
したようなすばらしい都市。文化、生
き方が色々あるだけにしょっちゅうぶ
つかるが、それが当たり前にし、それ
をこの街の文化そのもにしてしまって
いる。数ある小さな衝突はある意味お
互いの生き方を尊重して生きているこ
とでもある。 なんだよ! っと言え
たら満足なのだ。忘れることによって
許し、自分だけに納める。これを世界
のスケールに広げることが出来ないの
だろうか?
◇
タワーの光を失った
消えた光は追悼の光となり
良心な人の心を灯す
◇
今回のテロで被害にあ遭われた方々
に心からお悔やみ申し上げます。
これを読んで、反論、意見、感想を聞
かせてください。
[email protected]
11
I N T E R C U L T U R E
N O V E M B E R
2 0 0 1
N o . 7 8
<旧職員寄稿> ドイツ・フライジングからこんにちは 2001年秋
小さな国際社会から
山本美千代
Barbarian International School・
旧SIS国語科教員
9月8日、第3期卒業生の松浦由華さ
んのご招待を受けて、オーバーハウゼ
ンにある「ドイツ国際平和村」の「村
祭」におじゃましました。4 年ぶりに
会った松浦さんは、すてきな大人の女
性になっていましたが、野に咲く可憐
な花のような笑顔は、少しも変わって
いませんでした。インターカルチュア
で、ぜひ松浦さんと平和村のことを紹
介して欲しいと思っていたので、77号
の松浦さんの記事を読んで、とても感
銘を受けました。
実は、私も「平和村」で考えたことな
どをインターカルチュアに投稿しよう
と思っていたのですが、松浦さんとの
再会を喜びあった三日後、アメリカの
事件が起きて、投稿する時機を逸して
しまいました。
今回は、その後考えたことなどをあ
らためて投稿することにしました。
◇
9月11日、午後4時過ぎに自宅に戻る
と、ボストンにいる知人から電話があ
りました。「今すぐニュースを見るよう
に!」すぐにCNNを見はじめて、結局、
10時間、ニュースを見続けてしまいま
した。
乗っ取られた飛行機の乗客、乗員、
ワールドトレードセンターとペンタゴ
ンで働いていた万単位の人々の運命な
どはまったく捨象されて、ビルに吸い
込まれるように突っ込んで行く飛行機
の映像を何度も何度も見ていると、現
実感がどんどん薄れて行くのが恐ろし
いほどでした。千人単位の死傷者が出
ていることは確かなのに、そういうも
のは決して映し出されない。これもま
た、報道管制であり、情報操作だとわ
かっていても、やはり、目が離せず、
見入ってしまう映像でした。
◇
翌日、学校は朝から異様な雰囲気で
した。
12
スタッフ全員のメイルボックスに
は、CNNのサイトからコピーされた「前
日の事件の推移」が入っていて、6年生
以上のホームルームの資料にするよう
にということでした。
英語がよくわからない日本人の生徒
は、私のところに質問に来たので、あ
れこれ説明することになりました。
ところが、「ドイツのニュースではカ
ミカゼ攻撃と報じられている」と言って
も、オリジナルが日本の神風特攻隊の
ことだと知らないし、「 アメリカでは2
度目のパールハーバーだといわれてい
る」と言っても、最初のパールハーバー
を知らない生徒もいたのです。これ
は、かなりの驚きでした。
さらに、敬虔なイスラム教徒の生徒
が、その日、学校を休んだことについ
て、「彼女はもう学校をやめるとクラス
で話題になっているけれども本当か」と
いう質問もありました。
実は、私もこれが一番心配でした。
学校では「昨日の事件にショックを受
けたアメリカ人の生徒は、スクールカ
ウンセラーのところに行くように。」と
いう連絡はあっても、同じ学校で学ぶ
仲間であるムスリムの少女が学校に来
られないほど不安を感じていることに
ついては、ほとんど対応ができていな
かったのです。
おとなでさえ、まだ何の証拠もない
段階で、犯人はアラブ人でイスラム過
激派のテロリストだと断定し、だか
ら、イスラム教徒、アラブ人はみんな
過激派だと短絡的に思っている人がい
るのです。まだ充分に判断力が備わっ
ていない子どもたちが、常日頃敬虔な
ムスリムとして、黒い服にスカーフを
かぶった姿で目立っていた少女に対し
て、心ない言動をするおそれは、ない
わけではありませんでした。
◇
インターナショナルスクールは良か
れ悪しかれ「小さな国際社会」です。し
かも、「自由と民主主義」を標榜する「文
明国」、あるいは、「お金持ちクラブ」の
国際社会です。それは、圧倒的にキリ
スト教文化圏の影響が強いコミュニ
ティだということです。こんな時こ
そ、異文化の共存にも思いを馳せるべ
きだと思いましたが、未曾有の暴力が
もたらした破壊と殺戮に対する怒りと
悲しみの前には、異教徒の少数者への
配慮はかすんでしまいそうでした。
でも、「Hate Crime」はささいなきっか
けで、いつでも、どこでも起こりうる
のです。ドイツには300万人のイスラム
教徒が暮らしています。ムスリムに対
する無差別な暴力行為によって、ス
ケープゴートにされるようなことが
あってはならないと、マスコミも注意
を喚起しています。冷静な判断力を欠
いた熱狂的な「善人」たちが起こす犯罪
は、場合によっては自分もターゲット
にされてしまうかもしれないだけに、
本当に恐ろしいと思います。
◇
9月13日、午前10時、ドイツ全土で
「5分間の沈黙」が実施されました。ア
メリカの同時多発テロで犠牲者に哀悼
の意を表するためです。バイエルン州
では、州内の公立・私立の総ての学校
で、授業を中断し、10時から5分間、沈
黙の時間を持つよう指示がありまし
た。
集会では、教頭が短いメッセージを
述べました。
「みなさん、ここに集まった私たち
をよく見てください。みんな、ひとり
ひとりとても違っています。文化も信
仰も違います。でも、私たちはイン
ターナショナルなコミュニティに属し
ています。この5分間になんらかの信
仰を持つ人は、信仰に基づいて祈って
ください。信仰を持たない人は、静か
に考えてください。」
この日の集会で、「祈り」を強要され
なかったことに、私は少しほっとしま
I N T E R C U L T U R E
した。だれもが犠牲者を悼む気持ちで
いっぱいですが、それをひとつの「 神」
の名のもとに束ねられることには違和
感があるからです。だから、「信仰を持
たない人は、静かに考える」ということ
ばには、「異質なものへの寛容、配慮」
があるように感じました。そういう小
さな違いへの配慮の積み重ねこそ、「国
際社会」には欠かせないものだと思うの
です。
「We may be different in many as‑
pects, BUT we feel the same.」
これは、9月の事件の後、ミュンヘ
ンインターナショナルスクールの生徒
が校舎の壁に掲げたことばです。テロ
の犠牲になった人々を悼み、残された
人々に思いを馳せるという意味では、
確かに私たちは同じ気持ちだったと言
えるでしょう。
◇
でも、10月7日にアフガニスタンへの
軍事行動が始まってから、私はもう
「みんなが同じ気持ち」ではいられな
くなったと感じています。
◇
9月に「平和村」にお邪魔したとき、村
祭の会場にはアフガニスタンからの子
どもたちの姿もありました。まだ入院
中で、村祭には参加できない子どもた
ちもたくさんいたでしょう。
アフガニスタンから子どもたちを運
んできた飛行機は、「平和村」がチャー
ターしているアリアナ・アフガン航空
のボーイング727型旅客機です。この同
じ飛行機が、8月21日、すでに治療を
終えた子どもたち約100名を乗せて、ア
フガニスタンに向かって旅立ちまし
た。帰国した子どもたちはそれぞれの
家族が待つ故郷(アフガニスタン、カザ
フスタン、タジキスタン、アルメニア
などの紛争地域)に戻っていきました。
でも、この飛行機は、9月中旬、カ
ブールの空港で破壊されてしまいまし
た。
◇
松浦さんも懸念していたように、
今、「平和村」で治療に専念しているア
フガニスタンの子どもたちは、治療が
終わった時に、帰る場所がなくなって
いるかもしれません。子どもたちを迎
えてくれるはずの家族は、故郷は、ど
うなってしまうのでしょうか。
アフガニスタンの犠牲者は、すでに
何十年にもわたる戦争で傷ついてきた
人々です。その人々の命の重さは、
ニューヨークで、ワシントンで、ペン
シルバニアで失われた命よりも軽いは
ずはありません。でも、現実には、「お
金持ちクラブ」の仲間の命は重く、そう
ではない人々の命は軽く扱われている
ように見えます。
アフガニスタンの人々の命がどれほ
ど多く奪われても、世界中のメディア
がアフガニスタンの国旗を背景に連日
その死を悼み、涙することなどありえ
ません。「テロリストを支援した国の
人間」というレッテルを貼られて、殺
されてもなお、見捨てられたままなの
です。
アフガニスタン内戦の犠牲となった
子どもたちは、タリバーンが支配する
国で餓死するために、あるいは、「国際
社会の正義」を実現するという軍事行動
によって殺されるために帰国したので
はありません。
この不公平で、理不尽で、無慈悲な
世界に生まれてしまった子どもたちか
ら、生き延びるチャンスさえ奪ってし
まうとしたら、人間のすることという
のは、いったい何なのでしょうか。
◇
インターナショナルスクールという
「小さな国際社会」で暮らしている私た
ちは、お互いに「違っていること」を尊
重しながら、「共有できる何か」を大切
にしています。
その「共有できる何か」は「普遍的な価
値」と呼ばれることもあるでしょう。そ
れは、「 自由」 や「 民主主義」 であった
り、「 異質なものへの寛容」 、あるい
は、「 命の重さ」 であるかもしれませ
ん。少なくとも、「国」や「人種」や「宗
教」や「性差」を超えた「何か」であるはず
です。
未来に対して、暗く不安な気分で
いっぱいになってしまう現実の中で
も、「まだ人間を信じたい」と思えるの
は、勇ましい軍隊の映像や確信に満ち
た各国首脳のスピーチに接する時では
ありません。
混乱の極みにあっても、瓦礫の中で
黙々と働く人々の姿や、どんな状況に
あっても、互いに寄り添い、励ましあ
い、支え合って、生きていこうとする
N O V E M B E R
2 0 0 1
N o . 7 8
人々の姿を目の当たりにした時です。
むき出しの憎悪と暴力の前には、いか
にも無力な人間ですが、最悪の状況の
中でも、人はその最良の部分を失わず
にいられるということを知りました。
希望の芽は、互いに異なっているこ
とを尊重しながら、分かち合えるもの
をたいせつにするという人間の営みの
中にしか生まれないような気がしま
す。人間の殺し合いの歴史を見れば、
それが簡単なことではないことはよく
わかります。それでも、私たちには、
そのチャンスが与えられているので
す。この歪んだ世界で人として生きる
ことについて考える時間と場所が与え
られているのです。「今すぐ何ができる
のか」だけではなく、「これからどうす
ればいいのか」をじっくり考え、行動
にうつすために、私たちにできること
は、きっとたくさんあるはずです。
「小さな国際社会」は「大きな国際社会」
の縮小コピーではないはずです。歪み
も醜さも小さくできる、間違いも素早
く訂正できる、そんな利点を生かしな
がら積み重ねた経験は、「大きな国際社
会」で生きていく時の「知恵」になるかも
しれません。そうであってほしいと
願っています。
そして、ともすれば悲観的に、シニ
カルに世の中を見てしまいがちな私で
すが、相対的に恵まれた境遇にあるこ
との「負い目」を「人としてできることを
する力」に変えていきたいと思っていま
す。
13
I N T E R C U L T U R E
N O V E M B E R
2 0 0 1
N o . 7 8
教育実習を終えて
長谷川正和
立命館大学経済学部経済学科4回生・
第5期卒業生
千里国際学園の皆さん、お元気で
しょうか。私は、今年の9月10日から
21日までの2週間、皆さんの学校で教
育実習をさせていただいたので、授業
を受けた方は私のことを覚えていると
思います。そうでない人達も、そうい
えば何か見かけないサラリーマン風の
人がいたな、と記憶していることだと
思います。突然皆さんの学校にやって
きて、あっという間に去ってしまった
私ですが、私のことを知らない人がほ
とんどだと思いますので改めて簡単に
自己紹介します。
実は、私も皆さんと同じ千里国際学
園(以後S I S)で学びました。私は、
1998年の3月に当時のSIS高等部であっ
た大阪国際文化高等学校を卒業しまし
た。その後は、滋賀県の草津市にキャ
ンパスがある立命館大学経済学部に入
学しました。大学では、中学校と高校
の教師になるための教職課程を履修し
ています。そういうわけで、大学最後
の年である今年に教育実習を行うため
SISに戻ってきました。
さて、実習中の私の様子ですが、授
業では正直緊張の連続でした。私の授
業(世界史A3)を受けた12年生と11
年生の皆さんは、私が初めて皆さんの
前で授業を行った時に、私の話が緊張
で途切れ途切れになっていたことを覚
えているでしょう。そのせいもあって
か、いきなり板書の時に誤字をしてし
まいました。これは今でもはっきりと
覚えていることで、恐らく一生忘れら
れない思い出となるでしょう。後で生
徒の皆さんから聞いたことですが、皆
さんは私が誤字をしていたのをその時
点で気付いていながら気付かないふり
をしていたそうですね。なんでも実習
生ということで気を使って言わなかっ
たということでした。その時、私は自
分の教師としての未熟さを痛感し、実
習中はできるだけ教師としての経験を
積んで、今後は失敗しないようにしよ
うと強く決心しました。
14
教育実習を終えた今、私が感じている
ことは、教師という仕事の大変さとそ
のやりがいです。教師の仕事が大変だ
なと感じたのは、私が教育実習をして
いた2週間、ほとんど睡眠時間が無
かったからです。実際に授業をした経
験も無かったせいか、何から何まで一
から調べていたので頭の中で知識や授
業の構成を整理するのに非常に時間が
かかりました。実習中の睡眠時間は1
日2〜3時間くらいでした。私の場
合、授業は1日1回だけでしたが、SIS
の先生方は1日3〜4回もの授業を
行っており、なおかつ生徒指導や部活
動指導も行っているということで、改
めて教師の仕事の大変さを痛感しまし
た。一方、実習中に教師の仕事のやり
がいを感じたのは、実習最後の日に私
が担当した11年4組のホームルームの
皆さんが私に励ましの寄せ書きをくれ
たときでした。生徒の皆さんに がん
ばって と励まされて、改めてこれか
ら教師としてがんばっていこうという
強い気持ちを持つことができました。
それと同時に、時に生徒を励まし、時
に生徒から励まされる教師という仕事
のやりがいを感じ取ることができたと
思っています。
私がこの教育実習の中で一番緊張し
たのが、最終日の研究授業でした。研
究授業とは、教育実習生の授業を先生
方に見ていただき、その授業における
良かった点や反省点などを総合的に評
価していただく授業のことです。この
授業は最終日前日と最終日の2回行わ
れたのですが、研究授業初日はSISの学
校説明会と重なってしまい、見学して
いただいた先生はわずかに2名でし
た。少し残念だったという気持ちもあ
りましたが、この日に見つけた反省点
などを踏まえて、明日の最後の研究授
業はより良いものにしようと思いまし
た。最終日の研究授業は前日とは打っ
て変わって、校長先生、教頭先生をは
じめ多くの先生方が見学に来られまし
た。私は、嬉しい気持ちと同時にたく
さんの先生方に見られているという緊
張感でいっぱいでした。さすがに教育
実習最終日ともあって、今まで実習を
通して学んできたことを全て出し尽く
すことができたと思っています。授業
後に見学された先生方から良かった点
や改善点などを御指摘いただき、これ
からさらに自分の授業をより良いもの
にしていこうという強い思いを持ちま
した。
私は教育実習の期間中、生徒の皆さ
んが一生懸命に勉強やスポーツなどに
打ち込んでいる姿を目の当たりにし
て、改めて自分の巣立ったこの千里国
際学園の卒業生であることを誇りに
思っています。それと同時に、そんな
すばらしい学校で教育実習ができたこ
とも誇りに思っています。皆さんも将
来進む道はそれぞれ違えども、いつの
日かこの千里国際学園で学んだことを
誇りに思える日が来ると私は確信して
います。
最後になりましたが、教育実習中お
世話になりました校長先生、教頭先
生、担当教員の中村先生、そしてSIS、
OISの全ての先生方、生徒の皆さん、こ
の場をお借りしてお礼申し上げます。
2週間という短い期間でしたが、本当
に楽しく実習をさせていただきまし
た。本当にありがとうございました。
追伸:私に対して質問がある方は、どん
な些細なことでも構いませんので、私宛に
メールをお送りください。私の答えられる
範囲できちんとお答えします。メールアド
レスは、h̲[email protected]で
す。
I N T E R C U L T U R E
N O V E M B E R
2 0 0 1
N o . 7 8
「
新法を考える」新聞に載りました
高等部3年林奈緒美さん・
高見健太君
2001年10月12日付朝日新聞
「新法を考える」より
米軍の軍事行動を支持する新
法に反対だ。テロは許される行
為ではない。でも、米国の報復
は、テロリスト側と同じ次元に
立った、暴力以外のなにもので
もない。
亡くなった人への哀悼の意を
示すためにどうして、他の人間
の血が必要なのか。米国の報復
を支持し、自衛隊を海外へ派遣
することよりも、日本にしかできないことを考えてみたい。
米国とイスラムの対立は、それこそテロリスト達の思うつぼ
なのだから、日本はそれを防ぐべきではないか。日本には、
世界に誇れる憲法がある。飾りではないことを世界に示す
チャンスだ。憲法前文がいう国際貢献は、決して、暴力によ
る報復をあおることではない。
(大阪府高槻市、高校生林奈緒美さん・17歳)
【本人のコメント】
新法が樹立した今日、記事を投稿したきっかけを考えなが
らOIS の先生方の心配そうな顔、英語科でつけっぱなしに
なっていたニュースを思い出しました。千里国際学園は、私
に色んなことを考えさせてくれた場所で、世界を本当に近く
に感じさせてくれました。感謝。
2001年10月29日付朝日新聞
「新法を考える」より
「国際協調から孤立しないた
め」に自衛隊を派遣しなければ
ならないなんてばかげている。
なぜ、日本は「アメリカ」で
も、「イスラム」でもない視野
から見つめようとしないのか。
日本にしかできない事がきっと
あるはずで、それが自衛隊の派
遣だとは思わない。報復に燃え
るアメリカと、捨て身のアフガ
ニスタンの泥沼化を防ぐのは日本しかいない。政府の途上国
援助(ODA)だけではなくて、本当の意味で世界を救う時
が来たのではないか。「戦争の反省」等の前置きは、この際
どうでもいい。平和を願う日本を世界に示すのである。どさ
くさに紛れて憲法を捻じ曲げて解釈してはならない。
(大阪府高槻市、高校生高見健太さん・18歳)
【本人のコメント】
私の投稿が新聞に掲載されたことは、常日頃から新聞や
ニュースを見て、知識を深めるための努力の賜物であると自
負しています。本文には原文から削られている部分があり、
大変残念で仕方ありません。
さて先日、国会でテロ特措法が成立しました。果たしてこ
のままでいいのでしょうか?私にはこの法案が理解できませ
ん。この法案には期限があるものの、それによって自衛隊を
派遣してしまったのであれば、その責任はおそらく、ずっと
私達についてまわるでしょう。もっと知ってください。日本
が向かおうとしている方向を。もっと考えてください。なに
が世界平和なのかと。
最後になりましたが、こうして私が文章を書くようになっ
たのは、国語科の新庄先生の御指導があってのものだと思っ
ております。こうした投稿の機会を与えてくださった先生に
感謝します。
【国語科新庄佑三先生のコメント】
投稿が載れば自信もつくよ
――小論文の授業で奨めています――
私の小論文の授業では、前から「新聞に投稿しよう。載れ
ば自信がつくよ。新聞社も、高校生や中学生の投稿をとても
欲しがってるよ」と、投稿を奨めてきました。そのために、
毎学期、代表的な新聞社の「投稿規定」をプリントにして
配っています。これまでも、何人かの投稿が載りました。感
心するのは、生徒から「載りました」と聞くのと同じくらい
早く、図書館の方が切り抜きコピーをして掲示されているこ
とです。
小論文の講座では、最低合計八つの作品の提出で、評価を
つけることにしています。今学期、初めて「投稿が載れば、
その作品については即『A』の評価をつける」としました。
その第一号が高見君。普通の紙にサラサラと書いてFAXで
送ると、電話がかかってきて、掲載されたそうです。他の生
徒も、「そんなに気軽に書いてもいいんやな」と、意気込ん
でいます。
若者の新聞離れが言われて久しいですが、それは若者の責
任ではないのでは?今の若者もみずみずしい感性と思考力を
持っています。学期の最後ごろには、「私が新聞の編集長な
ら」というテーマで小論文を書いてもらうことにしていま
す。
さて、この原稿が「インターカルチュア」に載る頃まで
に、何人の投稿が載るでしょうか?
15
I N T E R C U L T U R E
N O V E M B E R
学年だより
●中等部1年生
初めて経験した運動会
志垣満理
1組担任・
生活科学科
9月に始まった秋学期もすでに半分
を過ぎ、中学1年という学年も、後半
に入ってきました。まずは学校になれ
る事を第1の目標にしていた時期も過
ぎ、徐々にこの学園生活の中で、自分
の居場所を見つけ、自分のペースを見
つけつつあります。放課後のクラブに
も積極的に参加しようとする姿も見ら
れるようになり、SISの7年生とし
ての生活を落ち着いた形で送れるよう
になってきました。
さて、10月6日にはSIS/OIS
合同の運動会がありました。天候にも
恵まれ、7年生はどの生徒も初めて経
験する運動会で、日本の小学校から上
がってきた生徒にとっては、行進の練
習も無く、予行演習も無い不思議な気
持で迎えた運動会だったと思います。
緑の服?どんな感じになるのだろう?
当日、それぞれの生徒が、それぞれの
感じ方で、運動会ってこんなものなん
だ!と理解してくれるといいなと思
い、特に細かい説明はあえてしません
でした。競技は午前と午後に分かれ、
その合計点で順位が出ます。ミドルス
クールの順位は1位が8年、そして、
7年、6年というようになりました。
この成長盛りの時期の1年の身体的、
体力的な差は大きいようで、午前中の
ドッジボール、フリスビー(?)で
は、苦戦を余儀なくされ、「絶対8年
には勝たれへんよー」「8年はむっ
ちゃ強いねん」と生徒達は半ば諦め気
味の発言。それでも、自分達の出番に
なると、「頑張ってくるわ!」と出て
ゆく姿が頼もしかったです。午後の
フィールドでの競技は、応援するだけ
でも暑くて大変でした。ぐったりとし
て応援もそれ程力が入っているように
は見えなかったのですが、運動会後の
反省会(?)では、応援席の場所を変
えよう(もっと応援しやすいよう
16
2 0 0 1
N o . 7 8
に)、開会式が面白かった、盛り上
がった等、運動会に対して意外と肯定
的、前向きな感想が多くて内心少し驚
きました。今回は初めての運動会で、
全く様子が分からなくて、準備も何も
できなかったけど、来年はミドルス
クールの最高学年として、活躍を期待
しています。生徒の口振りも、来年
は、自分達が優勝するぞ!と言わんば
かりのものでした。頑張ろうね。
●中等部2年生
25億回
馬場博史
1組担任・
数学科
10/6 に開催された運動会では中等部
2年生(8年生)は順当にM i d d l e
School(6〜8年)で優勝しました。
来年はHigh School(9〜12年)に仲間
入りです。また頑張りましょう。でも
HS生徒会では縦割りのチーム対抗も一
案として考えているみたいなので、来
年は学年対抗ではなくなるかもしれま
せん。それもまた面白いのではないで
しょうか。
先日は9月にボリビアのインターナ
ショナルスクールに転校して行った塩
水流幹洋くんから学年にe‑mailが届き
ました。「英語とスペイン語に大混乱
の日々」を送っていますが元気だそう
です。2年間の予定だそうなのでまた
帰って来てくれたらいいですね。
さて、夏休みに少し大きなトライア
スロンの大会に出るためハワイに行っ
たときのことです。牛乳を買ってその
紙パックをよく見ると、「ヒトは一生
の間に2.5billion回の鼓動を打つ」と
書かれてありました。米国でbillionと
いう単位はmillion(100万)の1000倍
で10億を意味するので、2.5billionは
25億になります。これをもとに計算す
れば、仮に70歳まで生きた場合、25億
÷70÷365÷24÷60=67.9…。つまり1
分間に約68回ということになります。
ということは、逆に自分の脈拍数を調
べれば何歳まで生きられるかがだいた
いわかります。私は朝起きたときの最
も平静な状態で約50なので、25億÷x
÷365÷24÷60=50を解くと、x=95.1
…。95歳−α(αは脈拍数が運動で上
がっている状態)まで生きられること
になります。あのマラソンの高橋尚子
は平常時で35回だそうで、同じように
計算すると、なんと135.8…−β(βは
上のαと同意)。みなさんも一度計算
してみてください。
単純に考えれば、脈拍の遅い人は長
生きし、早い人はその逆だということ
になります。では、鼓動数が25億回と
限られている心臓を長持ちさせるには
どうしたらいいのでしょう。なるべく
興奮したりしないで平静を保ち、脈拍
数を上げないようにすればいいので
しょうか。運動をすると脈拍数が上が
るのでしないほうが良いということで
しょうか。
実は運動するとそのときだけ脈拍数
は上がりますが、心肺機能が鍛えられ
ることによって、平常時の脈拍数はか
えって下がるそうです。運動する時間
より平常時の方がずっと長いわけです
から、運動によって心臓や肺を強くす
る方が良いというわけです。というわ
けで、健康のためそして長生きのた
め、適度な運動を欠かさないようにし
ましょう。
●中等部3年生
what the students wanted
to say
Mark Avery
2組担任・
英語科
For this edition of Interculture, the
students in 9-2 were given a piece of paper
in short homeroom and asked to write
about one of these four things: after school,
the sports day, our grade level or course
selection. They had five minutes. These
are all equally important things. This is
what the students wanted to say.
放課後
N a m i :うちの学年は放課後みんな
残っている。(先生の監督のない生徒
の下校時刻が)4時半になったのでみ
んながっかりしているけど、あたしは
かえって良いところもあるかもと思っ
I N T E R C U L T U R E
ている。家に帰って寝るとか宿題がで
きるので。けど、それは下校6時でも
できることだし。6時がいいと思って
いる人が多いと思うから、やっぱ6時
がいい。Junya:授業が終わって気楽に
なれる。したい事ができたり、友達と
いっぱい遊べるから楽しい。ただ、
(先生の監督のない生徒は)4時半下
校になったから、することが少し限ら
れたり、時間が足りなくてつまんない
とこも増えた。Tina:(先生の監督の
ない生徒の下校時刻が)4時半になっ
たから貴重になったけれど放課後はみ
んなが好きなことできるからうれしい
し、楽しく明るい時間だと思う。Ted:
(先生の監督のない生徒の)下校時刻
が4:30 になってから、教室の使い方は
マシになったと思います。後、宿題が
多い日とか6:00 まで学校にいると、ど
うしても勉強する気にならないけど、
家に帰ったら何もすることがなくなる
から、なんとなく宿題をしてしまう。
でもやっぱり(先生の監督のない生徒
の)下校時刻は6:00の方が良い。(注)
先生の監督のある活動等で残る生徒の下校
時刻は6時です。
私達の学年
Rikako :私達9年生は、すごく色ん
な個性がある人達が集まっていて、常
に新鮮でいられる、めっちゃ楽しい学
年だと思います。これから卒業まで、
後3年ぐらい一緒に学校生活を過ごし
ていくので、これから、もっともっと
楽しい学年にして色んなコトをみんな
で力を合わせてがんばっていきたいで
す。Ryo:うちの学年は、野球をする人
が少ない。Alisa:うちの学年は、元気
があって色んな個性の人がいて、みん
な仲がいいと思う。Rihito:うちの学
年は、女子がすごく多く1クラスには
男子がだいたい5〜6人に対して、女
子は10人ぐらい。もっと男子がうちの
学年にほしいです。Ayaka:いつもにぎ
やかで、お互いいろんなことで助け
合ったりしています。またランチタイ
ムやアンスケの時間にはテニスコート
やフィールドでいろいろなスポーツを
したりします。Misako :とことん明る
い。私はこの学年に居て、よかったと
思う。
体育祭
Yoshiyuki:パフォーマンスがおもし
ろい。あとは学年全体が一致団結でき
ていいと思った。それに自分がそれに
自分が参加していない競技でも自分の
チームが勝てばうれしくなる。バンド
で間違えまくって悲しくなった。
Kenji:運動会はもっと運動するべき
だ。Sayaka:It was fun on the sports
day because 7種目中5種目中出れたの
はすごく嬉しかった。特に借り物競走
と障害物競走が良かったbecause、借り
物はなかなか「ドレッドの人」が見つ
からなくて泣きそうになったけれど見
つかった時は「天国だ^^^!やっと
ゴールできる^^^!!」と思った
し、障害物は小麦粉の中からアメと探
すのは難しかったし、顔は粉だらけで
真っ白になったけれど良い思いでに
なった。Yuki :運動会で私にとって一
番おもしろかったのはフリスビーで
す。うちのチームは一戦目で勝てまし
たが2戦目で負けてしまいました。上の
学年の人はとてもうまく、ジャンプし
てとったりしてすごかったです。結局
3位でしたが楽しかったので良かった
です。来年もがんばりたいです。
科目選択
Mika :自分に好きな科目を選べるか
ら好きです。自分で選ぶ責任もあるけ
ど、こっちの方が良いです。Aiko :選
んでいくのは楽しい。でも組み合わせ
るのは、時々ごちゃごちゃして分から
なくなってくる。後のことを考えると
選ぶのが難しくなっていくけど、とっ
た後、早くこのスケジュールにならな
いかなぁ。と次のterm が待ちどおしく
なります。Chison :うまく選択できた
と思います。早いうちに必修をぜんぶ
とって、これから自分のしたいことを
考えていきたいです。Satoshi:科目選
択は好きな科目がとれるからいい。
Mariko:必修をとらないといけないけ
ど、自分の興味のある授業もとってい
きたいから、その調整で悩む。もっと
自分はどういう事について勉強したい
か、将来につながる様に考えないとい
けないんやなぁと思うと、もうそんな
年か!!ってあせる。悩む。
◇
ちょっと長くなってすみません。
The students wrote their responses
without any guidance at all. However, I
think it's nice to read what the students
N O V E M B E R
2 0 0 1
N o . 7 8
think about what is going on their own
grade level. Maybe next time, we could
hear some opinions about preparations
and hopes for our grade trip and
graduation... 以上です。
●高等部1年生
人生の「たね」
田中 守
4組担任・
理科
僕が高校1年生だった頃。あれは確
か夏休み明けの朝礼(アセンブリ)
で、校長先生が何やら話していまし
た。他の話はいっさい覚えていませ
ん。高校3年間の校長先生の話で覚え
ていたのはこのことだけでした。それ
は校長先生の夏の思い出話で、ドイツ
に行ったこと、そこで日本人の一人の
青年にあったこと、その青年のことを
たいへん誉めていたことでした。当時
16歳の僕は、ただ何となく、「いつか
僕も」と思っていた…。ただそれだけ
です。この記憶はなぜか消えることは
ありませんでした。心のどっかで生き
ていた、そんな感じです。その後、大
学生となり、でもまだ生き方に迷って
いた僕は、思いあまって大学を休学。
結局1年間の貧乏旅行に出かけること
にしました。最初に思いついたのはド
イツに行くこと。でもどんどん広がっ
て、どうせならヨーロッパ全部。せっ
かく行くならシベリア鉄道で。インド
も行きたい。そうだシルクロードでつ
なげば一筆書きだ。というわけで、
ちょうどユーラシア大陸を左回りに1
周。飛行機を使わない地べたをはいず
り回る旅となりました。横浜港大桟
橋。ロシア船バイカル号の出航を前
に、怖くて怖くて乗船口をくぐれず
に、ベンチに最後まで座っていた情け
ない20代の僕がいました。ほんとに死
ぬんじゃないか。二度と帰ってこれな
い気がしていました。でも行ってしま
えば何とかなるものです。お陰様で今
でも生きています。あの出発前の恐怖
を何とか乗り越えて、旅に出たこと
が、その後の僕に大きな自信を与えて
くれたようです。
17
I N T E R C U L T U R E
N O V E M B E R
僕が高校2年生だった頃。親戚のお
じさんの家に遊びに行っていました。
その時何の話をしていたのかぜんぜん
覚えていないのですが、そのおじさん
に、なぜか僕が都会育ちのへなちょこ
で何にもできないみたいなことを言わ
れて、ムキになって言い返していまし
た。この時、話の筋がつながらないの
ですが、とにかく最後に僕は「自分の
家は自分の手で作る」と宣言したこと
だけはっきり覚えています。へなちょ
こではない証なわけですが、特に強い
理由があったわけではなく、大工仕事
にあこがれていたわけではありませ
ん。ただ売り言葉に買い言葉。それと
鳥とか動物は自分の家(巣)を自分で
作るし、大昔の人も自分で作ってただ
ろうし、けっこう人間の原点に返ると
いう意味でおもしろいか…。ぐらいの
気持ちだったと思います。そしてそれ
はやっぱり心のどこかに生きていまし
た。今、もう6年目になりますが、滋
賀に丸太小屋を作っています。まだ
作ってるの?と笑われてしまいます
が、けっこうおもしろいものです。新
しい発見があります。勉強すること
ばっかりです。電気工事はマスターし
ました。生コン練りも上手くなりまし
た。最近は水道工事の腕を上げていま
す。出来かけの丸太小屋を見上げて
は、自分の力だけでこんなでっかいも
んが作れるんやなぁと妙に感心してい
たりします。完全に自己満足の世界で
すが。
高校生の頃、なにげなく過ごしてい
た毎日の中に、意外と自分のその後の
人生・生き方につながる「たね」がこ
ろがってることは結構あるものなのか
もしれません。別に人生を考えようと
して考えたことではなく、覚えておこ
うと意識したことでもない、ただの日
常の中の何気ない生活の中に。
大学を選ぶことが人生の始まりでは
ないでしょう。もうその前から始まっ
ているはずです。何が始まりにつなが
るか予想もつきません。たくさんの
「たね」から、ぼちぼち芽がふき始め
ている。どれが大きく育って花を付け
るのでしょうか。意外と隅っこの気が
つかないところに、本命の「たね」が
まだ隠れてるかもしれません。遅咲き
というのもあるのだし。せめて枯らさ
18
2 0 0 1
N o . 7 8
ないように水だけはあげてやってくだ
さいね。普通の平凡な毎日の生活のな
かにも、きっと宝物がいっぱいあるの
です。
人生っておもしろいものです。楽し
みなものです。僕はけっこう人生を楽
しんできたなぁって思います。そして
僕にもまだ隠れた「たね」があってそ
のうちに…なんて本気で思ってもいま
す。
…少しだけ人生を考え始めた10年生
のみなさんへ。
●高等部2年生
ご挨拶
見島直子
3組担任・
国語科
9月から担任団に加わりました。皆
さんにとっては高校時代後半の大事な1
年半をご一緒させていただくことにな
ります。よろしくお願いします。
9月当初は、なにやら余所様の家に足
を踏み入れたようで、朝のホームルー
ムに行くのも、もぞもぞと落ち着かな
い毎日でした(こういう気持ちっての
は、生徒にはなかなかわかってもらえ
ないんだろうなア)。それでも、10月
に入り、「新見先生Tシャツ」で高2が
グランドを圧倒した(?)スポーツ・
デイが終わる頃には、私もようやく
「高2の空気」に馴染んできたようで
す。スポーツ・デイが終わってから
は、来春の学年旅行の準備が本格的に
滑り出しました。これからは皆でアイ
ディアを出しあい、旅行委員がとりま
とめ役となって、細部をつめていくこ
とになります。「学年旅行としてベト
ナムに出かけること」の意味を問いか
けながら、プログラムを練り上げてく
れることを期待しています(禅問
答!?)。
ところで、今回、皆さんが学年旅行に
向けてたくさんの事前プログラムを用
意していることに、私はいたく感心し
ています。第1回目の先日は、日本の
大学で勉強されているベトナム人留学
生の方を招いての座談会で、なごやか
な時間を過ごすことが出来ました。こ
れからもベトナムを様々な角度から知
るための事前学習が企画されていて、
私自身とても楽しみです。というの
も、学校によっては、海外への修学旅
行をとりやめにするところが出てきて
いる現在の状況があります。ベトナム
に関しては特に問題がないとの判断か
ら、私たちは準備を続行することを決
定しています。が、事情が大きく変わ
れば中止ということもあり得るかもし
れません。だからこそ、今からの準備
時間をうんと大切にしていきたいと
思っています。
さて、そのテロ関連事件をはじめ、
世界の未来は、多くの課題と緊張を背
負ってあえいでいるように見えます。
私たちは、しっかりと目を見開き、心
のバランスをとりながら、事態を打開
していかねばなりません。物事を大局
的に正しく見据える力と、個人として
「私に出来ること」を見つけ出し、そ
れを忍耐強く継続していく力こそが必
要とされています。みなさんには、高
校2年という時期にあって、そろそろ
世界との関わりを考える視点を持ち始
めて欲しいと思います。17・18歳とい
うかけがえのない「今」を存分に楽し
むと同時に、自分の未来と世界の未来
とをどのように関わらせていくのかと
いう、「遠近両用」の視点を持ち合わ
せてほしいと思うのです。「私に出来
ること」は必ず誰にもあるはずです。
「私に出来ること」をするのが「社会
参加」であり、「私に出来ること」の
寄せ集めが「社会」なのです。「社
会」に「国際」を冠すれば、「国際社
会」=世界。世界に対して出来ること
は、意外と身近にあるかもしれませ
ん。
I N T E R C U L T U R E
N O V E M B E R
2 0 0 1
N o . 7 8
●高等部3年生
立つ鳥跡を濁さず
創立10周年記念同窓会開催
山本靖子
4組担任・
英語科
さわやかな10月の秋晴れの絶好の
運動会日和に今年もスポーツデイが行
われ、12年生チームは去年に引き続
き、そして今年は 圧倒的勝利 を収
めました。最終結果発表の瞬間はなかな
か感動的で、これで高校 最後 のス
ポーツデイなのだから楽しみたいと言
う思いが伝わってくる勝利でした。
このところ色んなことに 最後の
が付くことが多くなるのはやはりとて
も寂しい気分ですが、そんな感傷に
浸っていられるひまなどなく、出願や
受験勉強に追われる日々が続き、疲れ
た顔や逆に変に騒ぎすぎてる顔、様々
です。とにかくこれからが本番、体にだ
けは気をつけて欲しいものです。
自分の大学受験を思い出してみる
と、やはり「つらかった、精神的に不安
定」という言葉がどうしても浮かんでく
るし、あまりポジティブなことは浮か
んでこないのですが、今の高校3年生
を見ているとすごいなと思えることが
1つあります。それは例えば、推薦で課
せられる課題をやったり、池田先生や
他の先生方に何度も面談をしていただ
いたり、志望理由書をまとめたりして
いく中で、もちろん葛藤やイライラは
たくさんあるのでしょうが、自分とい
うものそして進路についてたくさん考
え、一回り成長したなと感じられる人
が少なからずいることです。これから短
い受験生活になる人、3月までがんば
りつづける人色々です。 そんなときこ
そ、5つのリスペクトの1つ「他人をリ
スペクトする」をもう一度考え、お互い
の選択を尊重し、他人の幸せをも願え
る心の広さを持っていて欲しいと思い
ます。
題に使わせてもらった言葉は大学の
先輩が4年生のときによくおっしゃっ
ていた言葉です。先輩は1年生のときか
ら私のロールモデルのような人で、見
事そのまま卒業していかれました。そし
て今、その言葉を高3生にも送りたい
と思います。なかなか勉強がはかどらな
9月23日(祝)、創立10周年記念同窓会が本学園にて開催されました。
第1期卒業生から昨年の卒業生まで総勢100名以上が集まり、思い出話に
花が咲きました。
体育館で全体会
カフェテリアでパーティ
懐かしい教室で同期生集合
くてイライラしたり、自分だけ進路が
早く決まって嬉しいけどなんとなく複
雑だったり、もう後半年で卒業と思う
となんか感傷的になったり、漠然と将
来が不安だったり、色んな感情をかか
えて不安定になることもある多いと思
います。でも、そんな時だからこそ、最
上級生として、「立つ鳥跡を濁さず」、
そして残すならば何か後輩が引き継い
でゆけるいいものを残せるような半年
を送って欲しいと思います。(本人たち
はそうは思ってないかもしれません
が)受験のポジティブな一面を私に見
せてくれた彼らだからこそ期待せずに
はいられません。
千里国際学園基本方針
千里国際学園では、自分の
行動に責任を持ち、よい人間
関係を維持していく能力が、
生徒各自に備わっていると信
じます。この考えにもとづい
て、次のような行動の目安が
つくられています。
<5つのリスペクト>
自分を大切にする
他の人を大切にする
学習を大切にする
環境を大切にする
リーダーシップを大切にする
19
I N T E R C U L T U R E
N O V E M B E R
話題
情報
連絡
寒くなるにつれ鼻水をすすり、咳を
して、しんど〜いと保健室へ来るかぜ
の生徒が増加中です。かぜももちろん
ですがこれからはインフルエンザには
要注意です。毎年インフルエンザは12
月下旬から3月上旬まで流行します。
ふつうのかぜと違い39℃以上の発熱が
続き、頭痛、筋肉痛、関節痛など全身
に症状があらわれるのがインフルエン
ザの特徴です。インフルエンザの予防
は普通の風邪と同様に手洗い・うがい
ですが予防接種も考えてみたいところ
です。残念ながらインフルエンザの予
防接種を受ければ絶対インフルエンザ
にかからないわけではありません。で
も、予防接種のいい点は仮にインフル
2 0 0 1
N o . 7 8
インフルエンザ予防接種のすすめ
弥永千穂
保健室
エンザにかかっても重い合併症、例え
ば肺炎や脳炎それによる死亡を予防し
健康障害を最小限におさえることがで
きる事です。一言で言えば軽くてすむ
と言うことです。
この冬に大切な試験があるとか喘息
をもっている人は予防接種を受ける事
をおすすめします。予防接種は1回あ
たり3000〜5000 円位かかり、一般的に
1〜4週間の間隔をあけて2回の接種
が必要です。(ただし昨年インフルエ
ンザにかかった事がある、去年インフ
ルエンザの予防接種を受けた場合は1
回でも効果があるようです。)インフ
ルエンザの流行までにインフルエンザ
の接種をすませることが肝心なので遅
くても12月中旬までには受けておきま
しょう。かかりつけのお医者さまへイ
ンフルエンザの予防接種を行っている
か確認して受けに行ってください。
今回予防接種を受けない人はくれぐ
れも毎日の手洗い、うがいを行いま
しょう。もちろんしっかりバランスよ
く食べてしっかり眠ることもかぜ・イ
ンフルエンザの予防には重要です。も
しもインフルエンザかな(高熱がでた
り、いつもの風邪とちがう)と思った
場合はすぐに内科を受診しましょう。
15歳以上の場合だとインフルエンザに
よく効くお薬も医師から処方してもら
えます。それでは元気に冬をのりきり
ましょう。
2002年夏の海外研修説明会(TI
P、その他海外夏期プログラムについて)のお知らせ
栗原真弓
カウンセリングセンター
冬の到来もまだなのに、来年の夏をどう過ごそうかと
考えている人は少ないと思いますが、海外の研修などに
参加する場合は早目の準備が必要です。そこで、来年度
「TIP(デューク大学才能開発プログラム)」やその
他の海外の夏期プログラムについての説明会を行ないま
す。関心のある人は、下記の日時にお集まり下さい。海
外研修への参加は、経済的にも安全面でも保護者の同意
が不可欠ですので、保護者の方々も是非ご参加くださ
い。
TIPとは、アメリカ東部にあるデューク大学主催の
中・高生のための才能開発プログラムです。大学レベル
のさまざまな科目の中から一つを選択し、3週間集中し
て学びます。そのためには、ある程度の英語力が必要に
なりますので、参加資格を得るために認定試験がありま
す。参加対象は、試験を受ける時点で、中学1年生〜高
校1年生に在籍中のSIS/OISの生徒です。来夏T
IPに参加を希望する人は、1月26日(土)に本校で
SAT試験を受けなければなりませんので、必ず説明会
にご出席ください。もしクラブ活動等でどうしても都合
20
がつかない場合は、カウンセリングセンターにご連絡く
ださい。資料をお渡しいたします。
TIP以外で、参加資格を問わない英語研修や芸術・
スポーツキャンプなどについてのお問い合わせも増えて
きましたので、合わせてご紹介いたします。
日時:2001年11月21日(水)
3:45pm〜5:00pm
(前半はTIP関連、後半は他のプログラムの紹介)
場所:3階会議室
(注)TIPがどのようなプログラムであるか具体的に
お知りになりたい方は、本誌10月号13〜14頁の大津留聡
美さん(Adovanced Lab Science 専攻)と山田啓志君
(Psychology 専攻)の生き生きとした体験記をお読み下
さい。加えて、昨年10月号13頁に掲載された現高3の植
田奈穂子さんの記事「三度かなった夢−私のTIP体験
記」も合わせてご覧ください。
カウンセリングセンター直通電話番号:0727‑27‑5061
I N T E R C U L T U R E
N O V E M B E R
2 0 0 1
N o . 7 8
Fall Concert Schedule
Steve Bonnete
Music Department
After enjoying a long summer holiday,
students have returned to their respective
music classes with a renewed enthusiasm
for music making. Orchestra members have
removed the cobwebs from their bows,
brass and woodwind specialists have
resurrected their embouchures, and choral
students have rediscovered their collective
voice. It is truly an exciting time in our area
of the school as returning students from
each ensemble take on more of a leadership
role, younger students rise up to the
challenges of a more sophisticated
repertoire, and new students are eager to
make their mark.
Each ensemble is now in the process of
preparing an exciting and varied program
for the upcoming Fall Concert Series.
Choral works that are the focus of Ms.
Heather McLaughlin's classes include Nou
Nobi Domine, Utsukushi Toki, and
"Heidenroslein" by Franz Schubert. Mr.
Bill Marocco's Wind Ensemble is busy
polishing the Concert Variations by noted
arranger Claude T. Smith and Music from
The Gladiator, a student favorite. They will
also perform Karl King's Host of Freedom,
which was memorized by students for the
recent Undokai. String Ensemble students
have been reading a wide range of works
for string orchestra with Mr. Stephen
Bonnette, and are currently focusing on
Peter Warlock's Capriol Suite, Rigadon by
Edvard Greig and the fourth movement of
Benjamin Britten's Simple Symphony,
entitled Frolicsome Finale. Literature is
chosen by the faculty for performance
because it reflects specific concepts
covered in the curriculum, and showcases
the development of both individual and
ensemble skills. We encourage you to
attend any or all of the following events and
witness for yourself the evolution of our
young student musicians.
* Genkan Concert Series
Tuesday, 11/6
Wednesday, 11/7
Thursday, 11/8
Friday, 11/9
1:00 pm
3:00 pm
9:15 am
1:00 pm
1:00 pm
2:00 pm
9:15 am
1:00 pm
MS Int/Perf. & HS Concert. Strings
HS Wind Ensemble
HS Chorus
MS Chorus
MS Symphony
HS Con. Band
HS Strings
MS Int. Band
* Block 1 Kotogakko
Saturday, 11/10
Time - TBA
H.S. Wind Ensemble
Azalia Hall, Ikeda
* APAC Choral Festival
Thursday - Sunday, November 15 - 18 Selected H.S. Choral Students
Shanghai International School
* All School Production
Thursday - Saturday, December 6 - 8
"The Wizard of Oz"
Senri Foundation Theater
* High School Holiday Concert
Tuesday, December 18, 6:30 pm
All High School Ensembles
Maple Hall, Minoh
2001.2.11.大阪府高等学校芸術文化祭より
21
I N T E R C U L T U R E
N O V E M B E R
2 0 0 1
N o . 7 8
Caringという事
青山比呂乃
図書館
皆さんは、この学園のパンフレット
の表紙などに、"Informed, Caring, Creative Individuals Contributing to a Global
Community"と書かれているのを、読ん
だことがあるだろうか。この学園の卒
業生が、こういう人物になってほし
い、ということで書かれているのだ
が、この中の"Caring"という事につい
て、すこし気がついたことを書いてみ
たい。
先日、OIA/SISの10周年同窓会が開か
れた。OIAは開校3年目から6回、SISに
なってから2回高等部卒業生を送ってい
るが、その全体の卒業生が一同に会
し、150名ほど集まったそうだ。その時
に、卒業以来6年ぶりぐらいで会った一
人が、「学校がすごく汚くなっちゃって
るのに、びっくりした。悲しい。」 と
言っていた。
ずっと、ここで暮らしているとあま
り気がつかないのだが、久しぶりに訪
れた卒業生の目には、大きく違って映
るのだと思う。学園ではこのところ、
校長からの呼びかけや生徒会や学年な
どの取り組みで、学園をきれいにしよ
う、という動きが時々あるが、裏を返
せば、汚くなってきているということ
なのだ。十年一昔という言葉がある
が、それはその通りで、最初は何もか
もが新しくピカピカだったものが、汚
れたり壊れたりしてきてしまうこと
は、仕方のない面もある。しかし仕方
がない、では済ませたくないから、
時々いろいろな取り組みがなされるの
だが。
図書館を見ても、気がつくことがあ
る。最初の数年は全くなかった埃が結
構分厚くたまっていたり、良く手に取
られている本は、随分とぼろぼろだ。
百科事典なども、内容が古くなってい
て、買い換えなければならない時期に
来ていると思う。一方別な面からいえ
ば、やっとそれなりの蔵書を持ってい
るといえるようになってきた。日本語
の本だけでも2万3千冊、ようやく、皆
22
が例えば比較文化の授業など、さまざ
まな教科のさまざまな授業で各自の興
味関心に合わせたいろいろなレポート
を書こうという時に、それなりに本が
見つかるようになってきたのではない
かな。
これだけの本をいろいろと集めるの
は、結構大変なのだ。一度に良い本が
見つかるわけではないし、学園全体の
先生方のやろうとしている授業や生徒
の興味関心の傾向や、社会情勢や出版
状況といったことをにらみながら、毎
年の状況に合わせて、少しづつコレク
ションしていかないとならないので
ね。もちろんそれこそが、私たちの仕
事のひとつであり、古くなった物を
チェックして、置き換えていくこと
も、11年目に入った今、いよいよ本格
的にやらなければならない仕事になっ
てきている。これは、植物を育てるよ
うな作業で、一度にガッとやってお終
い、というわけにはいかない根気の要
る仕事だ。枯れたいらない枝を取り除
いたり、様子を見て肥料をやったり、
というのと似た作業をして毎日毎日い
かに手をかけるか、ということだと思
う。
図書館では、机や椅子の乱れ、書架
の乱れなどは、原則としては当然乱し
た人に責任を持って整頓してもらう。
また、SISでは図書委員、OISではCASの
ボランティアに、使った人の代表とし
て、返却本の配架整頓をやってもらっ
ている。しかし、誰がやったかわから
ない乱れや、誰がやったかわかってい
ても「戻ってきて整頓して」といって
もなかなかやってもらえない場合、図
書委員がなかなか来てくれない日など
は、スタッフが整頓してしまうことに
している。それは、そうした整頓が図
書館スタッフの当然の仕事だからでは
なく、きちんときれいに気持ち良く
整った図書館に常に保つように心がけ
ていなければ、汚く散らかっているの
が当たり前になってしまうからだ。そ
れでは、図書館は図書館として機能し
なくなってしまう。
欲しい時に欲しい人のもとに欲しい
本(情報)がさっと手に届くように出来
る限り環境を整えていたい、と私たち
は思っている。だから、本当は使った
人がするべき後始末、と思っても、毎
日後始末の作業に手をかけるのだ。
ちょうど、親が、何時かは自分でちゃ
んとできるようにと思いながら、小さ
い子のやったいろいろな事の後始末を
するように。
例えば学園全体の教室や廊下が汚
い、という事も、同じように手をかけ
ることが必要なのではないだろうか。
最初のうちはピカピカだったからあま
り汚さなかった壁や机でも、薄汚れて
くればもうちょっと汚すことに抵抗が
無くなる。ごみ一つ落ちていなくてき
れいさっぱりしている場所に、ごみを
ポイっと捨てることは結構抵抗がある
物だけど、ごみだらけのところに、も
う一つポイ捨てするのは、何気なく
やってしまうのではないかな。(もちろ
ん、どういうところでもまったく気に
せずごみを捨てる、という困った感覚
の持ち主もたまにいるとは思うけれ
ど。)
自分が捨てたんじゃないゴミを拾う
なんて損だ、と思う人も多いだろう。
図書委員になって、自分が乱したわけ
でもない棚の整理をしたりしなくちゃ
いけないのは、理不尽だ、と思う人も
いるのかもしれない。でも、そういう
作業をすること、ちょっとした面倒な
事で本当は自分がしなくてもよいのか
もしれない事を、その方が良いことだ
からあえてする、という人々がいるお
かげで、大げさかもしれないが、世界
は平和を何とか保っているのではない
かと私は思うのだ。
そんな、どういう関係があるの?と
思うかもしれない。でも、最近のテロ
に怯える社会情勢を見ていても、良い
志を持った人々のやっている、地道
I N T E R C U L T U R E
な、日々の気の遠くなるような細かな
気遣い、小さな自己犠牲の積み重ね
が、平和を作り出しているのだとつく
づく思う。早急な変革を求める運動も
ある、そしてそうしたアクションが必
要な時ももちろんあるけれど、そうし
た大きな転換点−機が熟した時に本当
の変革がもたらされるかどうかは、日
頃の過ごし方、日常の日々をどれだけ
大事に(caring)誠実に(respectful)歩
んでいるかどうかにかかっているので
はないだろうか。
そしてそれは、誰かにやれといわれ
たから仕方なく、とか、他の人がやっ
ているから、またはやっていないか
ら、という理由でもなく、本来、自発
的(voluntary)になされることであり、
そこにこそ人間の尊厳の一端があると
私は思う。
図書館利用に関してのお知らせ
図書館では、図書館を利用するすべ
ての人が気持ちよく、効果的に、図書
館を利用できるように常に心がけてい
ます。特に生徒に対しては、小学生、
中学生、高校生を問わず、「図書館です
るとよいことをする」場所であることを
オリエンテーションを始め、折にふれ
て強調してきました。具体的には、本
を読む、勉強する、調査研究すること
です。
つまり、静かにしていても、ゲーム
で遊ぶ、メールするなどは「するとよ
いこと」とは、みなさないし、調査研
究の際に、多少のざわつきがあること
はある程度までは、仕方のない事と考
えますが、調べた事についてディス
カッションするなどの作業は、授業の
為であっても教室で行ってもらってい
ます。
しかしこのところ、図書館全体に利
用している人の数が増え、自然とざわ
つきが大きくなり、それでまた話して
いる声が大きくなったり、笑い声など
を立てたり、という事が多くなってき
ています。また、何度注意しても、何
人かの友達とダベるだけという使い方
を止めないでいる人たちも出てきまし
た。
一方で貸出デスクに置いてあるリク
エストノート兼なんでも帳に、「最近図
書館がうるさいので、別な所で勉強す
る人もいるくらいだ、何とかしてほし
い」と書いている人もいて、困った事態
と受け止めています。
まずは、こうして皆さんに改めてお
願いします。図書館の「静かに読書や
勉強する場としての雰囲気」を保つよ
うに特に注意してください。同じお願
いは、OISの皆さんにもEDUCATORですで
にしてあります。
保護者の図書館利用について
以前にも書いている通り、保護者の
皆さんも図書館に登録して、生徒同
様、本を借りることができます。家族
の方々が、生涯を通じて、図書館をよ
く利用し、読書に励む姿は、生徒たち
にもよい影響を与えるものと思うから
です。
ただし、図書館は、知人とのおしゃ
べりを楽しむ場ではありませんので、
必要に応じて、玄関や、ラウンジに移
動をお願いします。上記のような図書
館の方針を生徒たちにもわかってもら
うための、良い模範になるよう、ご配
慮下さい。また、小さいお子さんをお
連れになる場合にも、下記のことと合
わせて、ご配慮下さい。
小学生の図書館利用のこと
OIS のECP ・小学生は、特別に校長先
生の許可をもらっている場合を除き、
保護者と一緒でなければ、放課後の長
時間の図書館利用は出来ません。必要
な場合(迎えに来る時間が4時を過ぎる
など)は、キャフィン校長にきちんと
話して許可をもらうことになっていま
す。いずれにしても、図書館では、上
記のような図書館の雰囲気を壊すこと
なく、「図書館でするとよいこと」をす
る場として、図書館を使うよう、小学
生のお子さんに働きかけていただいて
います。
N O V E M B E R
2 0 0 1
N o . 7 8
ほしい、また学園としても、安全管理
も大事だが、生徒の自主的な学習活動
は支援したいという気持ちがあり、大
迫校長、平尾教頭と図書館ワット、青
山でいろいろと話した結果、下記のよ
うな形で、開館時間の延長に踏み切り
ました。
ただし、これは、とりあえず、いつ
どの程度実際の利用があるのか、また
どの様にしたら本当に生徒の役に立つ
システムになるかを見るための試行で
あり、次以降の学期でどの様にするか
は、状況を見て、実施していくことに
なります。この件に関して何か意見が
ある人は、是非きかせてください。
図書館利用時間延長(試行)
1. 日程:10/11 以降の10 月中の火曜
日、木曜日(10/11、16、18、23、25、
30)
2.時間:4:30‐6:00pm
出入り自由ではない。途中で下校する
際は、監督者に告げてすぐに下校す
る。
3. 手順:各教員が持っていて、図書館
にも備え付けてある用紙 "Extended
library hours permission"に、必要事
項、特に、どの授業の何の為に必要か
(比較文化の発表、英語のテスト、受
験勉強etc. )をきちんと記入し、担当
教員のサインをもらう。当日4:30pmに
監督者にそれを見せ、退出時には提出
する。
4.対象:OIS/SISの9年生以上の生徒
5. 監督者:当分の間、大迫校長、平尾
教頭が交替。図書館としては、火:ワッ
ト、木:青山
高校生のための開館時間延長(試行)
について
9月から、(教員の監督のない生徒
の)4:30pm下校が徹底され、図書館も
実質的にそこで閉館となっています。
一方で図書館を利用出来る時間が短
い、伸ばしてほしい、という要望が以
前から強くありました。図書館として
は折角の図書館を是非もっと利用して
23
I N T E R C U L T U R E
N O V E M B E R
2 0 0 1
N o . 7 8
APACテニスは2種目優勝
Tennis 2001 in Shanghai
Mark Avery
Tennis Coach, English
This year was as much fun as ever, and our most successful
tournament ever. Unfortunately, there had to be some restrictions
on the student's movements due to the September 11 terrorist
attacks, but we got to play a lot of tennis and experience a little of
life in Shanghai. Here is a list of all the events we received medals
and awards for, and the people who won them. I'm going to start
with the award we were all most happy to receive. I think the
student's surprise when it was announced and their delight to
receive it proves how important this particular award is to them.
The Sportsmanship Award: THE WHOLE TEAM. As the
tennis coach, I have always allowed my students to nominate the
team they would like to award this to, and they didn't even
consider themselves (seriously) for a moment. This year, for the
first time, all the coaches agreed to let their players do the same, so
I believe it is a particularly special award this year. In addition,
tennis is an individual sport, making the award even more difficult
to win. The players are out there on their own, and the way they
conduct themselves as individuals and as supporters is
particularly important. Our students were generally very popular
with the other teams. Congratulations everybody.
Mixed Doubles: GOLD MEDAL: Matthew Waterhouse and
Sayoko Nakamura (both OIS 12, and both captains). This was
Matthew and Sayoko's last year as members of the tennis club.
What a great way to finish and 本当に、お疲れ様でした。
Girls Number 1 Singles: GOLD MEDAL: Shoko Masago (SIS
11). This was Shoko's fourth APAC and she has been so close to
winning before, but never actually has. This year she did. It was a
wonderful performance from a wonderful athlete. We are all very
proud of you. Good luck as captain next year.
Girls Doubles: SILVER MEDAL: Ayaka Nishikimi and Ayako
Mizoguchi (both SIS 9). It was the first APAC for both of these
players and they did brilliantly. They were the most popular
players at the tournament and always pulled a very big crowd.
During the tournament, their best match was against Seoul when
they fought back from 6-2 down to win the match and seal the girls
team championship.
Girls Team Event: 1st Place.
All the girls contributed to this trophy. Well done girls.
Overall Team Placing: 3rd Place. EVERYONE contributed to
this trophy. Well done Matthew, Sayoko, Nobuya Ando, Shoko,
Jiseki Kobayashi, Azumi Sugano, Ou Yang Kei and Motoki
Matsumura, Ayako and Ayaka. I'd also like to say a special thank
you to Ami Maeda for all her help this season. As a coach, I'd
never known the value of a manager before. I certainly do now.
You were a fantastic help! On behalf of the whole team, I want to
24
thank Ms. Entwhistle for looking after us all while we were away.
That was way too much adding up for me!
Congratulations everyone, and don't let your racquet get
dusty!
APAC女子バレーボール
平井太佳子
バレーボールコーチ・
保健体育科
実に6年ぶりのホーム開催となったAPAC女子バレー
ボールトーナメントは、多くの方々の支えによって無事終え
ることができました。
選手、コーチをホストしてくださったご家庭の皆様、あり
がとうございました。ホスピタリティールームに、常におい
しい食事を用意してくださった保護者会の皆様、ありがとう
ございました。トーナメント開催に対し理解と協力をして下
さった管理職の先生方、事務局の方々、ありがとうございま
した。
応援に来て下さったご家族、先生、選手の皆さん、ありが
とうございました。皆さんの絶大な声援のおかげで、強豪相
手にも臆することなくプレーできました。プログラム、ポス
ターのデザインをしてくれた生徒の方々、ありがとうござい
ました。ポスターは人気で、トーナメントの後に欲しがる選
手が大勢いました。ラインズパーソン、スコア、ボールキー
パーをしてくれた皆さん、ありがとうございました。寒い
中、きっちりと仕事をしてくれた皆さんに対して、参加した
チームからたくさんのお褒めの言葉を頂いています。トーナ
メントディレクターのサール先生、コートマネージャーの加
納先生、ありがとうございました。審判を派遣して下さっ
た、大阪バレーボール協会、仲介の労をとって頂いた伊藤先
I N T E R C U L T U R E
N O V E M B E R
2 0 0 1
N o . 7 8
生、ありがとうございました。
そしてすばらしい試合をしてくれた選手の皆さん、そして
それを支えたマネージャーの皆さん、ありがとうございまし
た。インターナショナルスクール北京に快勝し、3位を獲得
した皆さんの、そしてなによりもスポーツマンシップアワー
ドに選ばれた皆さんの努力を称えたいと思います。おめでと
う!
APAC Boys Volleyball
Simon Parker
Volleyball Coach, P.E.
This years APAC Boys Volleyball tournament was held at CA
in Kobe and the standard was very high throughout. After
progressing through the round robin stages SIS had recorded
two wins against Seoul Foreign School and Shanghai American
School. We suffered defeats against very strong teams from CA,
Brent and Beijing despite playing well. This left us to play Beijing
again in the 3rd place/ 4th place play off game. It was a thrilling
game and despite being defeated 3-0 in sets, every set was very
close and our team gave every ounce of effort they had. So overall
we finished the tournament in a respectable 4th place. It was a
great experience for all the boys involved and they deserve our
praise for their effort and commitment over the three days. A
particular mention for Harsha De Costa and Robin Sato (OIS
Grade12) who were voted on to the all APAC team as two of the
best 8 players in the tournament.
Squad Members: Harsha De Costa, Robin Sato, Shinichi
Iriyama, Ken Matsuda, Masahito Ono, Yasunori Shin, Hiroshi
Kibata, Ian Sawyer, Yoshiyasu Ogawa, Taku Fujimoto, Tokichi
Yamada
Giulia Kishino - Manager
Tamaki Kuribayashi - Manager
Varsity Baseball
Donald Gagner
Baseball Coach, Science
The Varsity Baseball team participated in a Tournament at
Canadian Academy last Thursday, Friday, and Saturday.
In the first game, the very strong pitching and good hitting of
Shuhei Naruse and Sukchan Kim led us to a very close victory
over Beijing, 2-1. The team played excellent defense, especially
catcher Ryuhei Okamoto.
On Friday, we played two games. The first game was against
Canadian Academy, and we lost a very well-played game, 2-0.
Sukchan Kim pitched a great game, but we could not get enough
hits against the strong C.A. pitching. In the second game, we
played E.J. King, and we won, 12-8. In this game, strong pitching
by Ted Cork and Takahiro Nagao, as well as good team hitting, led
the way to victory.
On Saturday, we played C.A. again for the championship.
Once again, Shuhei Naruse pitched an excellent game, but we
made some mental mistakes, a few errors, and failed to get the big
hit when we needed it. Also, some bad luck hurt us, as many good
hits were caught for good plays by C.A. Joel Heiman got a big hit,
and Ryuhei Okamoto once again played an excellent game at
catcher.
It is a very young team, and I know that the experience of the
tournament will help us next year. We had only two games before
the tournament, while the other teams had many more, especially
C.A. I am so very proud of this team and how well they played and
conducted themselves. Thank you to Mr. Pekin for his help, and
especially to our two wonderful, capable managers, Sayuri
Ishibashi and Natsuka Sueyoshi. Also, thank you to the parents
who supported us this season, especially on Saturday.
千里国際学園のチームスポーツは千里国際学園中等
部・高等部(SIS) と大阪インターナショナルスクール
(OIS)の2校で1チームを編成しており、APAC(Asia
Pacific Activities Conference)の公式試合や、近
隣のインターナショナルスクール、日本の中学・高校
との交流試合等に参加しています。
< APAC 参 加 校 >
北京インターナショナルスクール(中国)、上海ア
メリカンスクール(中国)、ブレントインターナショ
ナルスクール(フィリピン)、ソウルフォーリンス
クール(韓国)、カナディアンアカデミー(神戸)、
千里国際学園(大阪)
( 注 ) 「セイバース(The Sabers)」は千里国際学園
スポーツチームの愛称です。
25
I N T E R C U L T U R E
N O V E M B E R
2 0 0 1
N o . 7 8
陸上競技で活躍
馬場博史
数学科
この秋もランニングクラブ・トライ
アスロンクラブは各種大会で活躍して
いますのでご報告します。それぞれの
大会で応援に来てくださったご家族・
生徒の皆さん、ありがとうございまし
た。
中学総体陸上競技・
全大阪府で
18位と25位
大阪中学校総合体育大会陸上競技の
部が10月14日に万博記念陸上競技場で
行われ、大阪府の各地区から選ばれた
生徒たちによりレベルの高いレースが
繰り広げられました。
中学1年女子800m
18位新見まゆ子(SIS7) 2分38秒6
(自己新記録)
中学2・3年女子1500m
25位吉田芙美(SIS8)5分20秒1(学
園新記録)
阪神クロスカントリー・高校生の
記録を上回る
10月28日に西宮市の甲山森林公園で
第12回「阪神クロスカントリー大会」
が開催され、出場した4名がいずれも
入賞しました。平坦なところはほとん
どなく、階段や坂ばかりのとてもタフ
なコースで、途中転んだ人もいました
が、全員が良い成績を残しました。特
に中2の吉田芙美さんは高校女子の優
勝タイムを上回る好記録でした。
中学女子の部3.6km
1位吉田芙美(SIS8) 、2位新見まゆ
子(SIS7) 、3位細谷花(SIS9)
40才以上男子の部7km
4位馬場博史(教員)
吹田市長杯陸上競技大会・
21名
出場8名入賞
11月3日は吹田市総合運動場で恒例
の「秋季吹田市長杯陸上競技大会」が
行われました。本校所在地はは吹田市
ではありませんが、これまでの実績で
26
吹田市陸上競技連盟から出場を認めて
いただいています。当日はあいにくの
雨でしたが、SIS/OISから中高合わせて
21 名が短距離・長距離・跳躍に出場
し、うち8名が各種目で入賞しまし
た。
<入賞者>
中学1年女子800m
1位新見まゆ子(SIS7) 2分41秒
中学共通女子800m
1位吉田芙美(SIS8) 2分36秒(学園
タイ記録)
中学共通女子1500m
2位吉田芙美(SIS8)5分29秒
高校男子1500m
2位藤本卓(SIS10)5分00秒
3位平沢拓(SIS11)5分07秒
高校女子1500m
1位長みさき(SIS11)6分48秒
高校女子リレー4×100m
1位井上五月/小池絵理子/高尾知佳/
長みさき
高校女子総合 13点2位
<他の参加者>
SIS
Gr.7 深井瑛子、永田悠太、Gr.8 朝倉理
恵、Gr.9 細谷花、富田健二、新見眞
史、西名亮、菅野雄太、長尾貴博、
Gr.10 ソーヤーイアン
OIS
Gr.9 Aya and Miki Waterhouse, Gr.11
Yoshiaki Hagiwara
吹田市長杯陸上競技大会の入賞者
本校は、1998年度より、そ
れまでの4学期制から各学期同
授業日数の3学期制(60日×
3)へと移行しました。4月〜
6月を春学期、9月〜11月を
秋学期、12月〜3月を冬学期
と呼んでいます。
また1999年度には、大阪国
際文化中学校・高等学校 (OIA)か
ら千里国際学園中等部・高等部
(SIS)へ校名変更。同時に、中
3以上の授業は一部を除いて
「学期完結制」となり、高等部
では学期ごとに単位が認定され
るようになりました。このた
め、各学期で履修科目、時間割
が変わります。
I N T E R C U L T U R E
<授業より>
N O V E M B E R
2 0 0 1
N o . 7 8
環境にやさしいプロジェクト
廣田文野
生活科学科
中等部3年生が生活科学3の中で取
組んでいる「環境にやさしいプロジェ
クト」もそろそろ校内の皆さんに定着
してきたでしょうか?何のことか分か
らなくても、色とりどりの掲示を貼り
付けたごみ箱、「サラット君」や「エ
コクッキング」は皆さんの目や耳に届
いていることでしょう。
この授業では自分達をとりまく環境
に目を向け、実践的に環境保護に取組
むことを目的としています。毎年、生
徒のみなさんの様々なアイディアと熱
意にあふれた(ホント、すごいで
す。)行動によって充実した内容に
なっています。「実践的に取組む」と
は、「いつ、何を、どうやって、どん
な風に」をすべて自分達で考えて取組
むことを意味します。2001 年度春学期
も20人のメンバーによって「企画→実
践→反省」のプロセスを経て、やっと
のことでプロジェクトを終了すること
ができました。
さて、春学期の授業のことをなぜ今
更報告しているのか?その理由は以下
に杉原さんが書いてくれています。
今回、もっとも印象的だったことは
「企画」の段階にいつもの倍以上も時
間をかけたこと。
毎回の授業では「何をするか」を決
めるために激しい議論(ホント激し
い。)が展開し、なかなか結論に至り
ません。アイディアが豊富な人材が多
かったこと、そして、誰もが臆せずど
んどん意見を言える雰囲気だったこ
と、しかし、相手の意見に耳を傾ける
気持が少し足りなかったことがこのよ
うな状況を生んだ背景としてあげられ
ます。勿論、私自身の力不足のために
議論がスムーズに進行しなかったこと
も理由の一つでしょう。しかし、皆の
意識が高まったり、クラスにいる人達
の意外な一面に触れたり、、、活発な
意見交換の中で私を含め、それぞれが
得たことは大きいと言えます。
そして、プロジェクトを2つ同時平
行で行ったことも今年度初めての試み
と言えます。大きな目標を達成するた
めに、また、皆の考えをなるべく多く
取り入れるために皆が自分達で選んだ
道でした。一つは再生紙の材料となる
割り箸を学校近辺のお店から回収し、
製紙会社に送るグループ。もう一つは
リサイクルやリメイクによって「不必
要なもの」をよみがえらせ、フリー
マーケットに出店するグループ。結
局、フリーマーケットに出店すること
は出来ませんでした。ここまで辿り着
くために必要とした時間や労力を考え
るとがっくり肩を落としたくなる結果
かもしれません。しかし、この授業は
「環境にやさしい」生活への一段階に
すぎません。ここから得たことを是非
今後の生活に活かしてくれたら…と
思っています。
最後になりましたが、快くお手伝い
を引き受けて下さった保護者の時政さ
んと西名さんに深くお礼を申し上げた
いと思います。お二人のお父様は、フ
リーマーケット当日、車で荷物を運
び、せっかく準備できたと思いきや雨
に降られて…また学校まで荷物を届け
て下さいました。その他にも、色々な
ものを寄付して下さった方、お忙しい
中割り箸を保管しておいて下さったお
店の方々などなど、様々な人にお世話
になりました。本当にありがとうござ
いました。
杉原末里子
中等部3年
私達HFL3 は春学期、環境問題に取り
組む活動として割り箸回収とフリー
マーケットを考えました。
最初皆でどういう事をすれば環境保
護になるのかディスカッションしまし
た。1人1人が自分の意見を言い合
い、また反論し、度々話の方向が脱線
しましたが、その分多種多様な案が飛
び交って、結局6時間という膨大な時
間を費やし、とても白熱したディス
カッションは、割り箸を回収して王子
製紙に送り、紙やティッシュペーパー
にリサイクルする班と、いらなくなっ
た衣類をリメイクしてフリーマーケッ
トに出店する班の2つに分かれて活動
する事でやっと皆が納得しました。
割り箸班は、学校の近くの飲食店4
軒(音羽ずし、太鼓亭、フォルクス、
餃子の王将)に今回の取り組みを説明
し、協力を依頼したところ快く引き受
けてくださったので、それぞれの店に
週3回程度割り箸の回収に行きまし
た。カフェテリアにも回収BOXを設けま
したが私達の宣伝不足と不注意でBOXは
あまり目立たず、最後にはBOX自体が行
方不明になってしまうという事がおこ
りました。それでも私達は各お店から
回収の度にゴミ袋1〜2袋分を回収し
ていたので、それを洗って乾かして箱
詰めする作業に追われました。ちなみ
に割り箸6本でA4用紙1枚に再生でき
ます。200本で週刊誌1冊、5000
本集まると、ティッシュペーパー15
箱になります。私達は最終的に、ダン
ボール4箱分の割り箸を王子製紙に送
ることができました。
フリマ班は、学校にポスターをはっ
てリメイクの材料を集め、足りない布
などは買い出しに行き、毎回毎回ひた
すらリメイクに没頭して、とてもかわ
いい服ができあがりました。裁縫の苦
手な人は英字新聞での袋作りに一生懸
命でした。フリマは6月24日に予定され
ていましたが、当日の早朝まで悪天候
だったため9月30日に延期されました。
しかし学期が変わってしまい、皆時間
が合わずなかなか連絡をとるのも難し
くなってしまった事から、結局、作っ
た服は学校側に寄付するという形にな
り、残念ですがこのフリーマーケット
に出店するという案は幻になってしま
いました。皆出店を楽しみにして頑
張っていたただけに、少ししっくりこ
ない終わり方でしたが、バラエティー
に富んだ作業を楽しく、忙しく、かつ
一生懸命に取り組んでいた姿は、同じ
作業をひたすら繰り返す割り箸班の私
(
次ページ★へ続く)
27
I N T E R C U L T U R E
<授業より>
N O V E M B E R
2 0 0 1
N o . 7 8
数学Ⅰαでの授業風景
田中憲三
数学科
2001年度秋学期の数学Ⅰα(高橋、田中担当)で、バスケットボールをバウンドさせた時の様子を解析してみました。
各グループがグラフ電卓に距離センサーを接続して実験開始。バスケットボールのバウンドの様子をグラフ電卓にとりこ
みます(図1:横軸が時間、縦軸が地面からの距離)。次にこの図中の1つの"山"を切り出すプログラムを走らせると、図2
のような散布図が得られました。さてここからが数学です。散布図に表れた四角い点を通るグラフの式を求めます。これま
での授業で習った知識を総動員して何とかがんばった結果、図3のような2次関数の式が求まりました。プロットされた点
を上手に通る式が出来たことに感激しました。
(生徒のみなさんからの感想)
・ もっといろんなボールを落として実験してみたい。
・ ややこしすぎてよく分からなかった。でもまあまあ楽しかった。またやってみたい。
・ グラフ電卓でこんな実験が出来るとは知りませんでした。びっくりした。ほんとうにきれいにグラフがでてきたから。
図1
図2
図3
(
★前ページの続き)
達にはあまり多くなかった話で、とて
も印象に残りました。それに、作った
服は無駄にはならなかったし、第1
に、この約1学期半もひきずってし
まっていたフリマ案の行方がやっと決
着して、皆ほっとしたのが事実です。
6月27日、最後のクラスでの反省会も
また内容の濃いものでした。
今回私達はこの取り組みに100% 満足
したわけではありません。それは、環
境保護のために取り組んでいた行動
が、別の環境破壊を引き起こす原因に
なってしまっていたからです。例え
ば、洗った割り箸を乾かすために使用
していた乾燥機の電力や、布の無駄使
い、通常なら回収されて再生紙になる
28
新聞をわざわざ使用して作った袋、そ
してそれに使われたノリやホッチキス
などがあげられます。もちろん、週2時
間で1学期間の授業という短い時間し
かなかったと言うのも理由の1 つでし
た。確かに、初めてのことだらけで後
からの反省はできたけれども実際の自
分達を振り返って見れば精一杯で、反
省点を途中で気付き、それを解決して
いく時間や余裕はありませんでした。
しかし決して「不成功」だったという
わけではありません。私達はこれらの
問題点を出し合い反省する事で、より
一層「環境保護」という事の難しさを
実感しました。そしてこのプロジェク
トは、これからも自分の生活の些細な
ことで良いので環境保護を実行しよう
と思えるきっかけを作ってくれまし
た。多分皆が実感しているし、この
きっかけを潰さずにささやかながらも
生かして行けると思います。このプロ
ジェクトに関わったメンバーはもちろ
ん、皆で今一度、[R e s p e c t f o r
environment]を考え、行動していきた
いものです。
最後になりましたが、このプロジェ
クトでお世話になった全ての人達に感
謝します。ありがとう!!
A
selection
Time to Reflect
Bill Pearson
OIS Head
Being an American, I just wasn't sure
how others felt about the horrific events
that unfolded last months in the United
States and didn't know if they were
experiencing the same emotions that I was
experiencing. Now that it has been a month,
I have had some time to reflect on how I feel
and have been able to observe others, both
at school, in the community and around the
world via television. I have also thought
long and hard as to how these events might
affect your children as well as my own. I
realize each and every one of you is
different and come from many different
backgrounds, but maybe you sense or
share some of the same feelings I do.
I have always said that I am very
blessed to have had the opportunity to
raise my two daughters in an international
setting. They were born in Saudi Arabia. In
addition to living there, they have lived in
Singapore and the United States. The vast
majority of their life has been outside the
U.S. Thus I believe they have grown up
with a different way of thinking than most
young adults who have only experienced
life in America. One of the primary reasons
my wife and I have continued to live
overseas is that we truly value the
international perspective gained by this
experience. We believe our children have
gained tremendously from these
experiences and have grown up with a
greater understanding and tolerance for
other people's cultures and ways of life.
They have visited over 20 countries and
have had the opportunity to work on
volunteer relief efforts to support people
suffering from famine, earthquakes and
poverty. Through all this they have gained
an appreciation for the many freedoms they
have which so many people in the United
States seem to take for granted. I'd like you
to take a minute and reflect on your own
country and experiences. I have a feeling
you will be able to say the same thing as it
relates to you or your children.
My heart goes out to the families of the
many victims lost in the series of despicable
from
O I ISN
weekly
" E dN Ou Vc EaMt BoE rR "
T E R C U L T U R E
attacks by the terrorists. What troubles me,
and what many journalist have begun to
write about, is why do these people hate so
much? I am sure there are many reasons
including but not limited to: religion,
economics, freedom of speech,
governmental policies, etc. The purpose of
my article is not to debate all possible ideas
but to offer an element of hope that might
someday help to diffuse this hatred before
it boils over.
I don't know what the answers are for
explaining this hate or these differences.
However, the one thing that I have learned
and for which I believe you as parents, with
the school's support, should teach all of our
children is to strive for tolerance and an
honest effort to understand other people's
differences and points of view. If we can
achieve this level of maturity and pass it on
to our children, then perhaps one day we
can find better ways to solve our problems
and reach healthy compromises.
In closing, if you have not taken the time
to speak with your own children regarding
these events, I encourage you to do so with
an effort to help them understand that there
are other ways to address and solve
problems and that hatred is an evil that only
fosters more hatred.
MIDDLE/HIGH SCHOOL UPDATE
John Searle
OIS Middle and High School Principal
By now you would have had a couple of
weeks to digest the information from the
Progress reports. While it is easy and to a
certain extent understandable, the grade at
the end of the term is the one that we tend to
concentrate on, but we should not
overlook the potential of the progress
report.
The aim of this report is to provide clear
information on the strengths and areas to
improve for each student in each course,
and then to suggest suitable remedial
action should it be necessary. This may be
a simple suggestion to read every night, or
it may involve something more elaborate in
terms of an approach to learning. It is an
essential part of the reporting system as it
2 0 0 1
N o . 7 8
gives us all an opportunity to reflect on
how well a course of study is going and
what can be done to improve, in good time
before the end of term assessment is made.
The students have reviewed their own
reports with their advisors. If you have had
an opportunity to do the same at home this
will be of great help in the overall process.
On Wednesday October 24th, we had
our first guest speaker of the year - Amanda
Suttari from Amnesty International. She
talked with the High School students about
human rights issues and Amnesty's work
around the world. We are looking to
develop this connection as a possible
service programme for the tenth grade. This
also fits nicely in with their curriculum work
on world issues and Model United
Nations. With the guest speaker
programme, one other aim is to give the
Student Learning Results a tangible and
real life perspective. Part of Ms. Suttari's talk
was on the courage that people show to
stand up for their beliefs even when this
may mean real physical danger. 'Courage' is
of course listed as one of our learning
results - the ability to respond to challenges
with wisdom, confidence, and conviction.
Wednesday's talk contributed to
promoting this goal.
At the same time the Middle School met
by advisory group to help contribute to a
bullying policy for our school. Although
this is probably the fourth time I have
mentioned this in a public forum this year, it
is not an issue I have to deal with very
often. If bullying occurs at all at our school,
it is generally in the area of name-calling and
more likely to be in the lower grades. Whilst
it does not sound so serious, it obviously
could be for a student involved, if it were
persistent and meant to hurt. We are
interested in keeping a level of awareness
up, so that students feel a sense of
empowerment to act positively should they
experience such actions.
Elementary Update
Karin Caffin
OIS Elementary School Principal
It seems that I have devoted quite a bit
of time to writing about the concerns I have
29
A
I N T E R C U L T U R E
sN Oe Vl eE cM Bt iE oR n
about how much time children spend in
front of the TV, either watching movies, or
playing video games, many of which are
violent. I have also tried to share with you
some of the reading I have done about
brain research, and last weekend I read
about the links between exercise and the
brain. Exercise does more than burn off
calories or burn up energy, and the brain
research indicates that the more children
move their bodies, the more they stimulate
the brain. Teachers have known for years
that children need time during the day to
exercise, and one rainy day is manageable,
but missed recess times for a period of days
ensures that we have inattentive, noisy and
frustrated kids. Research has shown that
children are better able to pay attention
after they exercise. One researcher claims
that 'hanging from monkey bars actually
helps reading skills', because it stimulates
the cerebellum, which is responsible for
balance as well as language and higherlevel thinking skills. Other research is
focused on the fact that exercise changes
the chemical balance in the brain, to make it
more efficient, and that may explain why
children are happier after exercise. Even
solitary exercise is beneficial, and is
interesting to analyze what is going on
when a child is simply throwing a ball
against a wall:
Since he's probably playing an
imaginary game in his head, there's selfmonitoring going on, which builds the
frontal lobes, a big part of the attention
system. As he tries to calibrate his
movements to change the way the ball
goes, he's helping to coordinate sensory
systems in the back of the brain, which are
important for reading, writing and math
skills. If he messes up, there's an immediate
consequence, so he's learning cause and
effect, which involves the brain's
association areas. If he's enjoying it, he
feels successful and powerful, which
means chemicals in the brain are flowing in
a positive way, which will influence mood
and make him feel better when he comes
inside to do his homework.
At a very young age children can
30
from
2 0 0 1
OIS
N o . 7 8
weekly
"Educator"
develop sedentary habits that set a pattern
for the rest of their lives, affecting weight
patterns and mental acuity. If your child
goes to after school lessons, are they only
academic, and if they are, do they get
enough time to exercise? Look at the
following questions, and consider that 'yes'
is the correct answer. Does your child get at
least an hour of exercise each day? Does
he/she have fun? In the course of a week, is
at least some play child directed, not
teacher or coach directed? Is at least some
of it what may be considered as 'oldfashioned' play: climbing a tree, jumping
rope, riding a bike, chasing, running,
throwing?
If your children need to get more
exercise, now is a good time to begin, for
both parents and children.
For Parents
Regina Studzinski
This information and other articles
pertaining to this subject can be found on
the American Psychological Association's
website: www.apa.com. Please contact me
if you would like a list of additional websites
or articles related to this subject.
The teachers as well as myself are
keeping an eye on our students, but if you
feel your child is having an especially
difficult time coping with recent world
events, please feel free to call me and make
an appointment.
I also would be willing to run a group for
parents after school at which time we could
discuss issues related to how to help
children understand recent world events.
Children will often bring questions to their
families and often it may be difficult to know
how to respond. If you would be interested
in such a group, please contact the
counseling center and give Fumie Onodera
or myself your name and phone number.
OIS Counselor
- Guidelines regarding the recent
disaster in the U.S.
In light of the recent events in the United
States last week, I wanted to give parents
some useful resources to refer to in case
any of you were struggling with how to
discuss these issues with your children.
What seems to be apparent in most of the
literature that I have read on the subject is
that parents are encouraged to "limit your
child's exposure to the news and other
television programs about the tragedy. If
you choose to have your child see this
information on the television, keep it brief,
watch it with your child, and talk to your
child after to clarify miscommunication.
Protecting the children from re-exposure
includes limiting exposure to adult
conversations about the events-even
when you think they are not listening, they
often are. However for teenage children,
find time to include them in age appropriate
discussions about the events and resulting
thoughts and feelings." (Reactions and
Guidelines for Children Following Trama/
Disaster. Gurwitch, Department of
Pediatrics at the University of Oklahoma
Health Sciences Center.)
千里国際学園中等部・高等部
(SIS)ではこの広報誌"インターカ
ルチュア" が発行されています
が、併設の大阪インターナショナ
ルスクール(OIS)では毎週金曜日
に"Educator" が発行されていま
す。
ここでは"Educator"の記事の中
で、OISの様子がよく分かるもの
やSIS と関連する話題等をセレク
トして掲載しています。
保護者会だより
L T T
U R SE
PI N AT E RR CE U N
N O V E M B E R
2 0 0 1
N o . 7 8
保護者会だより
第5回定例会報告
*学校側からの報告
1)学校周辺の工事の件
9月12日学校会議室にて箕面市との
話し合いは済んでいます。着工の時期
については、近隣住民の反対により未
定で、決定すれば学校側に連絡が来ま
す。
2)カフェテリアに関して
本日4時から会議。カフェテリア業
者更新に関することなどについて、出
席者はSIS校長、河野氏、事務局
長、SIS保護者。明日9時からOI
S関係者との会議予定。
3)インターナショナルフェアについ
て
1 0 月2日寄付関係の依頼をしまし
た。11月15日までに振込み依頼をして
いるので、結果はインターナショナル
フェア委員会に報告します。
4)駐車場について
小野原住宅販売センター北側駐車場
(阪急電鉄の土地)の使用許可を得ま
した。約20台程置けます。
配布します。生徒出店に関しての手紙
を3通配布します。玄関ホールに贈答
品等の寄贈を受け付けています。
<ボランティア委員会>
10月25、26、27日に、フィリピン・
CA・中国・韓国、との女子バレー
ボールトーナメントがあります。その
際、3日間のコーチへのランチサービ
スをします。(パン、シチューなど)
フルーツ、スナック類の寄付をお願い
します。10月23、24日に玄関にてダン
ボールを用意しますので、AM11:00から
PM12:00 までの間にお持ち下さい。ま
た、子供に持たせる場合はAM8:00 から
8:30までにお願いします。
尚、ピーキン先生より、『海外から
のバレーボール部員のホストファミ
リーを募集しています』との事です。
引き受け可能な方は、インフォメー
ションセンターまでご連絡下さい。電
話での問い合わせも受け付けていま
す。
<執行部>
10月6日土曜日、スポーツデイの子
供達へのランチサービスをします。S
ISからは焼きおにぎりと唐揚げ・O
ISからはドリンク類です。
*各委員会活動報告
<広報委員会>
10月号のインターカルチャーの内容
報告。次号では、大迫校長へのインタ
ビュー,プラネタリウムの紹介などを予
定しています。
<フォーラム委員会>
12月中旬にコンサートを予定してい
ます。内容については、定例会後の
フォーラム委員会で話し合います。
<ネットワーク委員会>
転出入に伴う名簿を作成中です。
<インターナショナルフェア委員会>
毎週火曜日にクラフトを制作中で
す。出店の締め切りは9月末まででし
た。SISからは35店ほどの出店申し
出がありました。
10月2日から備品についての手紙を
*各学年活動報告
<7年生>
9月12日に5名の編入生を交えて親睦
会をしました。先生方は3時45分か
ら参加されました。その際、学校の様
子がよくわからない(特に春学期)と
いう意見が出ましたのでクラフト制作
の紹介など、学校に関わるようにアド
バイスしました。
<8年生>
第2回懇親会を10月5日金曜日、千
里中央チャイナテーブルでのランチを
兼ねて予定しています。インターナ
ショナルフェアに関する話し合いと定
例会報告をする予定です。
<9年生>
10月2日、第1回親睦会を2時から
4時まで2名の編入生を交えてカフェ
平成13年10月4日木曜日午後1時30分より
会議室にて
テリアにて催しました。3時半から担
任の先生も参加され、手作りのお菓子
(月見団子)などを食べました。
<10年生>
10月9日、会議室にて進路説明会を
開きます。その後茶話会を予定してい
ます。
<11年生>
インターナショナルフェアへの取り
組みをしています(ビーズ作り)。出
店はビーズアクセサリーの販売と駄菓
子屋をします。11月8日懇親会を予定
しています。午前は池田先生より一般
入試について・午後は来年の修学旅行
(ベトナム)についての話し合いで
す。
<12年生>
10月11日11時から会議室にて懇親会
の予定。卒業式後の謝恩会の件と進路
に関しての話し合いを予定していま
す。
8年生学年懇親会報告
10/5(金)11:30〜千里中央AHビ
ル22F チャイナテーブルにて23名と少々
少なめの参加でしたが、眼下に箕面の
山々、新御堂を見おろせるロケーショ
ンの中、和やかに食事会が進められま
した。学年長より、定例会報告、編入
生紹介がありました。当日のメイン
テーマである『インターナショナル
フェア学年出店について』の話し合い
も、去年の初めての試みであった
『ゲームコーナー』が楽しく好評のう
ちに終える事が出来た事を受け、ま
た、ゲーム機を自宅で製作して、心良
く提供して下さる保護者の方の御好意
もあり、有効に活用できるように話し
あった結果、学年出店として恒例のも
のに発展させていきたい旨を、満場一
致で決定しました。お手伝いの方も複
数の立候補の手が挙がり、スムーズに
決まり、インターナショナルフェアに
向け、よいスタートを切る事ができま
した。また残りの時間を利用して、編
(
次ページ★へ続く)
31
I N T E R C U L T U R E
N O V E M B E R
0 0会1 だ よN り
o .
保 護2 者
7 8
P A R E N T S
インターナショナルフェア
異文化との出会いを求めて
世界各国のクラフト、フード、コンサート、ラッフル、ガレージセールe
t
c
11月23日(祝)
AM10:30〜PM3:30
於:千里国際学園
熱烈歓迎 千客万来 ようこそ WELCOME
皆さんのお出でをお待ちしています。
SI
S/OI
S保護者会主催
(
★前ページの続き)
入の方へ各委員会の活動内容をご説明
する事もできました。次期委員候補の
方もすでに申し出があり、積極性に富
んだ8年生保護者会の今後の活動が楽
しみな筆者でした。
(文責 小池)
9年生学年懇親会報告
秋学期から新しいクラス編成となっ
た9年生は、10月2日、カフェテリ
アにて午後2時から4時まで、担任の
先生方をお招きして、学年懇親会を開
きました。カフェテリアのテーブルに
は 手作りのおいしいお菓子が多数用
意され、クラスごとにテーブルを囲ん
だ保護者は和やかな雰囲気で談笑して
いました。
先生方の目を通した当学年の生徒達
32
の様子や今後の予定についてのお話
を、以下にまとめさせて頂きました。
「今回とても好評だったオーストラリ
アへのホームスティ体験後、9月に
なって生徒達の成長が見られ、良かっ
たと思っています。9年生は、全体の
雰囲気を見て行動する事ができるしっ
かりしている学年で、各授業の先生達
からも、教えやすいと良い評判を受け
ています。この学校の特徴として、中
2の終わり頃から問題が起きやすいの
ですが、学年のチーム ワークが良く、
良い状態でやっています。今後の予定
としては、内部進学調査の個人面談が
ありますから、各家庭でよく話し合っ
て決めて下さい。卒業式直後に学年旅
行があります」とのことでした。
尚、保護者の方々より、防犯面での
心配事が話題にあがりましたが、この
点に関しては校長室インタビューにも
載せましたとおり、 箕面警察の御理解
を得て、パトロールに力を入れても
らっている事、SISらしさを失わない方
向で、今後共対処していく予定であ
る、というコメントを後日校長先生か
ら頂いております。
また、保護者会学年委員長さんより
次のようなお願いがありました。緊急
の重大事以外はなるべく連絡網を使わ
ず、プリントでお知らせするので、子
供達へ『プリントもらっていない?』
という声がけを、各家庭でして欲しい
とのことでした。
(文責 大桑)
保護者会だより
<校長室>
9月4日、広報部7人で校長室に大
迫校長先生をおたずねしました。イン
フォメーションセンターまではよく行
くものの、その奥にある校長室はやは
り敷居が高い感じでちょっと緊張して
出かけましたが、居間を思わせるよう
に棚に置かれたご家族の写真や本箱に
並んだ文学全集などに囲まれた部屋で
リラックスしてお話をうかがう事がで
きました。出張からお帰りになったば
かりなのにお疲れの様子もなく、終始
和やかにお話をされる先生からは、SIS
の教育に対する理想と熱意、生徒一人
一人へ寄せられる愛情がひしひしと感
じられ、私達も学校への理解と信頼を
一段と深める事ができました。
1.先生のプロフィール(先生自身に
書いていただきました。)
東京で生まれ横浜で育ちました。今
年年男です。小中高は地元の公立に通
いました。高校時代の早い時期から文
学に強く惹かれました。文学を通して
「生の意味」のようなものをつかみた
いと。大学ではロシア文学 (20世紀詩)
を学びました。大学卒業後、大きな夢
と希望と理想を持って、国語教師とし
て、私学の教壇に立ちました。87年に
英国に。91年、SISの開校に合わせ帰国
しました。教頭、副校長を経て99年か
ら校長を務め、本年度で校長3 年目で
す。家族は妻(OIS勤務)と子供二人で
す。二人の子供は英国からの帰国後OIS
で学び、既に二人とも卒業していま
す。
2.先生へのインタビュー
最近、保護者が一番気になっている
安全対策をはじめ、子供たちの様子、
5つのリスペクトについてお尋ねしま
した。
Q 学校の防犯対策について現行以外の
対策を何か考えていらっしゃいます
か?
A まず池田付属小学校の事件以来、学
校が実施した防犯対策については十分
ではないし完了もしていないという認
識をもっています。皆さんもよく御存
PI N AT E RR CE U N
L T T
U R SE
知のように、この学校は様々な所から
出入りでき、インフォメーションセン
ターが2階にあるなど最も防犯対策が
とりにくい構造になっているので、塀
に囲まれた校舎をお持ちの学校がどん
なにうらやましく感じられることか…
(笑)。また、幼稚園から高校までと
生徒の年齢に幅があり、外部からも多
くの方が来られます。そういう特徴が
ある中で、とにかく現実に今できる事
からやっています。保護者の方からも
何かアイデアがあれば学校としても参
考にして考えさせていただきたいと思
います。安全対策は始まったばかりで
これからですが、どこまでやればいい
のか迷いも多く、こういうことを常に
考えなければいけなくなったという悲
しい現実を私としては非常に辛く感じ
ています。
対策の一つとして決定した(教員の監
督のない生徒の)4時半下校も想像以上
にすんなりと生徒たちは受け入れてく
れ守られていますが、今までと比べて
友人と過ごしたり図書館を利用したり
する時間も限られ、ストレスもあるか
もしれません。今後、生徒たちとも話
し合ってやわらかく対応していく必要
を感じていますが、限られた時間を有
効に使う方法を生徒自身にも考えてほ
しい気持ちがあります。校長室に生徒
からダイレクトにリクエストも来てい
ますが、ルールはきちんと守りながら
自分の意見を言ってくる生徒たちには
感心させられています。対策を始めて
まだ数ヶ月、学校としては生徒の安全
を守る事とSISらしさを失わないという
2つのテーマを何とか両立させながら
進めていきたいと思っています。(注)
クラブ活動等の教員の監督のある生徒の下
校時刻は6時です。
Q 防犯対策とも関連しますが、バスの
便数や学校前が暗いなどの通学上の安
全についてはいかがですか?
A (教員の監督のない生徒が)4時半下
校になってから4時32分のバスに積み
残しが出ていることについては、生徒
の安全を守る意味から協力をして欲し
いということで阪急バスに便数を増や
N O V E M B E R
2 0 0 1
N o . 7 8
してもらうよう要望を出しています。
まもなく回答が来るのではないかと思
います。
学校の周囲の安全については箕面警察
にこの学校の特殊性を説明し、特別の
パトロールを頼んでいますので、パト
カーがまわってくれたりしています。
街灯などについても保護者の希望があ
れば学校としてリクエストを箕面市に
出すことができます。ただ要望はさま
ざまな所から出ていて市の予算の関係
もあるので実現するのは年1〜2ヶ所と
いうことですが、できるだけプッシュ
していきたいと思います。とにかく問
題があればそれを解決したいし、問題
に対してどういう風な答えを出すかが
その学校を表していると考えていま
す。
Q 先生からご覧になった子供たちの現
状と先生ご自身からの生徒や保護者に
対する要望があればお聞かせくださ
い。
A SISの子供たちは話せば分かるし、
きちっとしなければならない時はでき
るし、一人一人が信頼するに足る子供
たちだというのがぼくの認識です。も
ちろん課題はあります。バックグラン
ドがさまざまな生徒が集まっているSIS
では、自分と違う文化や価値観、経験
を持つ人を認めて協力し合っていこう
というのが学校の出発点でもあるの
で、他人を配慮し、困っている人がい
たらサポートできるようになってほし
いと思っていますが、残念ながら悪気
はないにしても問題が起こることもあ
33
I N T E R C U L T U R E
N O V E M B E R
ります。しかし、もし問題が起こった
時にはカウンセラーの栗原先生、学年
の先生方、そして私自身も加わり、
チームで解決していく体制がきちんと
できているので対応力は強いです。学
校としては受身ではなく働きかけてい
く事が根本だと思いますし、勉強以外
の子供たちの成長にも当然のことなが
ら、責任を持って関わっていかなけれ
ばならないと考えています。
保護者の皆様に対しては、出発の時
点から強い個性を持った学校なので、
基本的な価値観は学校と保護者の皆様
との間で一緒でありたいと思っていま
す。教育は学校だけがやるものではな
く皆様の協力なくしてはできないの
で、機会があるごとに学校の考えを伝
えていきたいと考えています。
Q 5つのリスペクトの由来と目的につ
いて聞かせてください。
A この学校は91年にスタートしました
が、前年の9 0 年の1年間には大事な
ディスカッションが何度も行われまし
た。世界中に散らばっていた学校立ち
上げのスタッフが集まり、どういう学
校にするのか、どういう教育内容にす
るのかなどを話し合う合宿をしたと
き、校則に替わる何かが必要なのでは
ということになり、その中で5つのリス
ペクトが生まれてきました。さまざま
な価値観を持つ生徒が集まる学校なの
で、どこの国でも通ずる普遍的な内容
のものをと考えて挙げていったらたま
たま5つになったわけで、最初から5つ
と決めていたのではありません。これ
らは学校内だけで通じる校則ではな
く、生徒の生活全てに対する行動の目
安になっています。もっとも生徒にい
つも言っているので、今では自分が何
かをしている時にも「これは5つのリ
スペクトの何かな?」と考えるように
なりました。
生徒に対しては言葉だけにならず実
際の生活の中で意味のあるものにして
いきたく、今の10年生が入学した時か
らぼく自身が7、8年生に対して5つの
リスペクトの授業をしています。授業
内容もただ「5つのリスペクトはこうい
うことですよ」、と教え込むのではな
く彼らなりに話し合いながら考えても
らう獲得参加型の授業をしています。
9年生には卒業までに5つのリスペク
34
保 護2 者
0 0会1 だ よN り
o .
7 8
P A R E N T S
トについてのエッセーを書いてもら
い、下書きの段階から生徒一人一人と
書面を通じてですが話し合い、中学卒
業の区切りにしています。
最後に、ぼくはトレーニングが何事
においても大事で、SISにいる間は勉強
だけでなく他者を理解するトレーニン
グ期間、考えることについてのトレー
ニング期間だと思っています。子供た
ちは卒業する頃には、自分と違う他者
を認め理解する姿勢、自分で物事を考
える姿勢をしっかり身につけてくれて
いるのを感じています。
3.アンケートへの回答
アンケートにお寄せいただきました
ご意見に対して先生から回答をいただ
きましたので紹介させていただきま
す。
広報委員会より、アンケート用紙に
記入されていたご意見として、二つの
文章をお預りしました。 その文章に対
してのお答えを以下に書いておきま
す。
一つは、学校の安全対策に関連して
の長いご質問でした。この件は、今回
のインタビューでもお話させていただ
いておりますが、これからも、家庭−
学校が、考え方を 一つにしながら、粘
り強く取り組んでいかなければならな
い課題と考えています。 様々な意見に
丁寧に耳を傾けていきたいと思ってい
ます。ご質問への回答は長くなってし
まい、この紙面上では難しいように思
いますので、どうぞお気兼ねなく、校
長室 の方にお出かけ下さいませ。
もう一つは「英会話教室( 保護者向
け)」についてでした。学園も10年を迎
え、次の10年の展開を模索していると
ころです。ご指摘の件、アイディアと
しては存在していますが、具体的なプ
ランには至っていません。このような
アイディアも含め、これから の「広が
り」を皆様と一緒に考えていければと
願っています。
お忙しい中、快くインタビューに応
じてくださいました大迫校長先生に紙
面を借りてお礼を申し上げます。
(文責 荒木)
<プラネタリウム>
千里国際学園のプラネタリウム。話
には聞いたことがあるが、どこにある
の?というのが多くの保護者の反応で
はないでしょうか。プラネタリウム
は、学園の西側3階にあり、外から見る
と尖がった屋根が目印です。今回は、
学園創設時からプラネタリウムに関
わってこられた田中守先生にお願い
し、満天の星の輝きに心を癒されなが
らお話をうかがいました。また、先生
にご指導いただきながら、広報スタッ
フもプラネタリウムの操作に挑戦して
みました。保護者会主催で星座鑑賞会
を開催することも夢ではないかもしれ
ません。
Q まず、田中先生のプロフィールをう
かがえますか?
A 大学卒業後、公立の中学校で教えて
いましたが、たった2年で退職。青年
海外協力隊に参加し、アフリカ・ケニ
アの現地の高校で、ケニア人の子供た
ちに物理、化学と数学を教えていまし
た。帰国後、ある広告代理店で求人誌
編集の仕事を少ししてから、この学校
の設立準備委員になり、開校時からは
理科・地学を教えています。
Q やはり星がご専門ですか?
A 大学では星の観察にでかけたりもし
ましたが、専門は地震学です。
Q プラネタリウムがある学校というの
は、珍しいですよね。
A 他にはないでしょうね。プラネタリ
ウムのある学校にしたい、というのが
初代校長の藤沢先生の希望で、設立準
備室の時に設計図の直径4 メートルの
ドームにあうプラネタリウムを捜しま
わりました。この装置そのものは300万
円くらいで、コンピュータ制御などで
はなく手作業の部分が多いのですが、
それだけに生徒が触っても壊れないの
がいいですね。
Q 主にどういう授業に使われているの
でしょう?
A 授業では、冬学期に開講している宇
宙科学が一番メインです。授業で学ん
だことのまとめとして、生徒自身が発
表をします。大人が思っているプラネ
タリウムとは全く違った発想なので、
おもしろいですよ。あとは、9年生の授
業でも使いますが、これは見せるだけ
保護者会だより
です。OISの小学校の授業でも使いたい
ということで、英語のマニュアルも揃
えましたが、担当の先生が頻繁に代わ
られるので、あまり続かないようで
す。理科の授業に限らず、星の話がで
てくる日本語の授業で使われることも
あります。
Q 授業のほかにはいかがですか?
A 生徒が中心の活動は理科部で、もう
自分たちだけで十分使いこなせます。
ぼくは開校すぐに理科部の顧問をして
いましたが、プラネタリウムの使い方
は後輩にしっかりと伝わっています。
ドームの地平線の部分がありますね。
そこに実感を持たせようと、理科部の
創設メンバーが学校から見える景色を
影絵にして貼りました。西から北はと
ても正確に作っています。そこから先
は疲れてしまって、実際と違っていま
すが(笑)。
Q プラネタリウムを使えることは、生
徒たちにどんな影響を与えています
か?
A プラスの側面はあります。ただ、本
当に影響を受けるのは数名ですね。プ
ラネタリウムというのは、実際にさ
わって自分たちで何かする素材なんで
す。操作している本人が一番楽しめる
わけです。例えば、昨年卒業した広瀬
くんは、6年間プラネタリウムに打ち込
んで、ここに映し出されている星座を
全て覚えました。ぼくなんか、とても
太刀打ちできないくらいでした。
Q 私たちがプラネタリウムを使いたい
と思ったら、どうすればいいのでしょ
うか?
A ぼくのところに言ってきていただけ
れば、それでOKです。スケジュールが
混んでくれば、調整が必要になります
PI N AT E RR CE U N
L T T
U R SE
が。理科部の連中に
は、保護者会がライバ
ルになるかもしれない
ぞ、と発破をかけてい
ます。
Q いよいよ体験コー
ナーです。まず、この
プラネタリウムはどう
いうしくみになってい
て、どうやって操作す
ればいいのでしょう?
A 球の中に電球が
入っていて、表面にあ
けられた無数の穴をドームに映し出し
ているんです。6等星以上で、肉眼で
見える程度の星が数千個あります。装
置の主軸は北極星の方向を向いていま
す。ダイアルを回すと、1日の星の動き
や、季節ごとの星の位置がわかるよう
になっています。夕焼けを作る装置、
星に星座の絵を重ねあわせるスライド
もあります。重ねた星座の絵をゆっく
り消すと、ばらばらの星が星座として
つながって見えてきます。
Q 星座の名前は書いてないのですか?
A 書いてありません。星座表でみつけ
て、それを映し出された星の中から捜
すしかないですね。秋の星座はみつけ
にくいですが、夏や冬の星座はわかり
やすいです。天道線の日付のところに
太陽を合わせ、今度は太陽が沈むとこ
ろまで動かすと、今の星座が見えはじ
めます。
Q 太陽が沈む前に映し出されている星
は、実際には見えないわけですね。
A そうです。例えば、生まれ月の星座と
いうのは、その時太陽の位置にある星
座を指していますが、日食でもない限
り本当は見えない星なんですね。昔の
人は天体のしくみがわかっていたか
ら、見えないにもかかわらず、太陽の
位置にある星座をその月の星座とする
ことができた。すごいですよね。これ
から、冬の星座を覚えて、保護者会で
もぜひ星座鑑賞会をしてみてはいかが
でしょう。
Q こうやって、音楽をバックに星の動
きをただ見ているだけでもいいかもし
れませんね。保護者会での星座鑑賞
会、ぜひ実現したいものです。今日
は、本当にありがとうございました。
**余談**
N O V E M B E R
2 0 0 1
N o . 7 8
流れる星のもとでのインタビュー
は、田中先生が千里国際学園と生徒た
ちをどう見てこられたかへと展開しま
した。「中1から担任をしていると、
生徒たちが個性のぶつかりあいの中で
自分とは何かをみつけていく過程が見
えます。帰国生と一般生のせめぎあい
の中で、SISらしい生徒がうまれてきま
す。SISでは理想が口先に留まらず、い
まだに主流として実行されている。例
えば、小人数教育も教室の狭さに助け
られて、財政難の中でも守られていま
す。ただ、理想を求めるために、試行
錯誤の繰り返しにはなっていますが、
私学の柔軟性が生かせているのではな
いでしょうか。卒業生がよく遊びにく
るのはいいのですが、後ろ向きになる
のではなく、新しい生活に馴染んでも
らいたくもあります。」
**取材班からひとこと**
BGMが静かに流れる中で満天の星を見
ていると、いつしか自分が学校にいる
事さえ忘れてしまったほどでした。心
身ともに癒され、しばらく忘れていた
ロマンチックな気分になり、いつもは
うるさい私もその日は家族にちょっぴ
りやさしくできた気がします
(M.A. )。ただただ空に散らばってい
る星に、形をあたえ、物語りを生んだ
昔の人々の想像力に感銘しました。星
を見ながら、固くなっている脳をほぐ
してみるのもいいですね(C.O.)。
35
I N T E R C U L T U R E
N O V E M B E R
2 0 0 1
N o . 7 8
11 〜 2 月 行 事 予 定
月 日 曜
11 23 金
26 月
27 火
28 水
12 06〜08
18 火
21 金
1 08 火
30 水
2 05 火
09 土
インターナショナルフェア
秋学期終了
教員研修日‑休校
冬学期開始
ミュージカル「オズの魔法使い」公演
高等部ホリデーコンサート
冬季休暇開始
授業再開
中等部入学選考(一次)
中等部入学選考(二次)
高等部入学選考
高等部
ホリデーコンサート
12 月 1 8日 6:30〜
箕 面 市 メイプル ホ ー ル
編集後記
陸上競技大会での活躍(P.26)をお知らせしていますが、今回の吹田市長杯はトライアスロンクラブ・ランニン
グクラブに所属していない生徒で運動会の短距離走で活躍した人たちにも声をかけて出てもらいました。でもさす
がに他校の陸上競技部は強くてなかなか勝てませんでした。これに懲りずにこれからも対外試合に積極的に参加し
てほしいと思っています。毎年2月11日(祝)は箕面市民マラソンがあります。クラブ以外の人も挑戦して下さい。
さてインターカルチュア次号は2月上旬発行予定ですが、原稿提出締め切り日は例年12月15日にさせていただいて
います。ご協力よろしくお願いします。(馬場博史)
9月11日以来いろんなことを考えさせられます。今回のインターカルチュアでも、NYからの声、ドイツからの声、
とともに、日本にいる私たちができることとは…、との問いかけの声がたくさん聞かれ、私たちの「小さな国際社
会」SISにおいて何ができるのか?についてあらためて感じ入る機会になりました。(井藤真由美)
インターカルチュアへの記事・ご感想等は、e-mail で[email protected] までお送り下さい。インターカル
チュアはバックナンバーも含めて本学園ホームページ www.senri.ed.jp/interculture でもご覧いただけます。また学園
ホームページにつきましてのご意見ご感想などは、[email protected] までお願いします。
編集:SIS広報センター
保護者会だより記事:保護者会広報委員
カット:イラストレーションクラブ生徒
Senri International School Foundation (SISF)
Senri International School (SIS)
年間発行予定と主な内容 ( )は発行時期
Osaka International School (OIS)
4‑4‑16, Onohara‑Nishi, Minoh‑shi, Osaka 562‑0032, JAPAN
TEL 0727‑27‑5050 FAX 0727‑27‑5055
春 学 期 5 月 号 ( 上 旬 ) 卒業式、入学式、大学等合格状況、APAC
6 月 号 ( 中 旬 ) 学園祭、スポーツ表彰式
秋 学 期 1 0 月 号 ( 上 旬 ) 夏の宿泊行事、夏の諸活動報告
学校法人千里国際学園(SISF)
千里国際学園中等部・高等部(SIS)
大阪インターナショナルスクール(OIS)
〒562‑0032 大阪府箕面市小野原西4丁目4番16号
電話0727‑27‑5050 FAX 0727‑27‑5055
1 1 月 号 ( 中 旬 ) 運動会、APAC、玄関コンサート
冬 学 期 2 月 号 ( 上 旬 ) オールスクールプロダクション
3 月 号 ( 中 旬 ) APAC、入試結果、卒業生へ贈る言葉
[注] "APAC" はスポーツ公式試合
千里国際学園は、帰国生徒を中心に一般日本人生徒や日本の教育を希望する外国人生徒も受け入れて日本の普通教育を行う千里国際学
園中等部・高等部 Senri International School (SIS) と、4 歳から18 歳までの主に外国人児童生徒を対象とする大阪インターナショナルスクー
ル Osaka International School (OIS) とを、同一敷地・
校舎内に併設しています。
両校は一部の授業や学校行事・クラブ活動・生徒会活動等を合同で行っています。チームスポーツはこの2校で1チームを編成しており、こ
の形態での参加を認めるAPAC(Asia Pacific Activities Conference)の公式試合や、近隣のインターナショナルスクール、日本の中学・高校
との交流試合等に参加しています。このため、校内ではインターナショナルスクールの学校系統に合わせて、6年生〜8年生(日本の小学6年
生〜中学3年生春学期)をミドルスクール(MS)、9年生〜12年生(日本の中学3年生秋学期〜高校3年生)をハイスクール(HS)と呼んでいます。
36