§11.エネルギーギャップ とBrillouinゾーン(ブリルアン領域) ( 領 )

11,12th_20080112
§11.エネルギーギャップ
とBrillouinゾーン(ブリルアン領域)
(
領 )
§11.1.周期ポテンシャル中の電子とエネルギーギャップ
簡単のため、1 次元に間隔 a で原子が並んでいる結晶を考える。右方向に進行している電子の波は、間隔 a で規則正しく並んでい
る原子が作る格子によ て散乱され、左向きに進行する波となる。波長 λ が 2a の時、Braggの反射条件(1)式を満たし、両者の波が
る原子が作る格子によって散乱され、左向きに進行する波となる。波長
互いに強め合い、定在波を作る。つまり、(1)式、(2)式を満たす波は、進行波としては存在しない、禁止されているのである。
エネルギーバンド
E
2a
⎧
(n = 1,2,3L) ・・(1)
⎪2a = nλ ⇔ λ =
n=1
⎪
⎨
⎪k = 2π = nπ
λ
a
⎩⎪
a
許容帯
・・(2)
ϕ+
ϕ−
2
2
π
⎧
ikx
−ikx
⎪⎪ϕ + ( x ) ∝ e + e = 2 cos kx = cos a x ・・(3)
⎨
⎪ϕ ( x ) ∝ e ikx − e −ikx = 2i sin kx = 2i sin π x ・・(4)
−
a
⎩⎪
⎧ 2
2 π
⎪⎪ ϕ + ∝ cos a x
⇔⎨
⎪ ϕ 2 ∝ sin 2 π x
−
a
⎩⎪
許容帯
禁止帯
禁止帯
許容帯
・・(5)
・・(6)
禁止帯
禁止帯
定在波は、(3)、(4)式で表され、
その確率密度は(5)、(6)式で示される。
n=2
図1:1次元のBragg反射
n
−
2π
a
−
π
a
0
π
a
2π
a
k
図2:周期ポテンシャルによるエネルギーギャップの発生
§11.2.ブロッホ関数とブリルアンゾーン(領域)
ブロッホ関数を(7)式に示す。ブロッホ関数は自由電子の波動関数 exp(ik‧r) が、結晶格子の周期性を持つ関数で変調された形を
している
している。
ik ⋅ x
⎧ψ k (r ) = e ik⋅r uk (r ) ・・(7)
1次元に書き直すと、 ⎧ψ k ( x) = e u k ( x) ・・(9)
⎨
⎨
⎩uk (r ) = uk (r + t m ) ・・(8)
⎩u k ( x) = u k ( x + na ) ・・(10)
2π
2π
ただし、 k =
tm:任意の基本格子並進ベクトル
n=
n ・・(11)
L
Na
ところで、位置 x から基本格子分、1次元の場合は変
位 a ずれた場所での波動関数は、(12)式となる。
ψ k ( x + a) = eik ⋅( x + a )uk ( x + a) = eik ⋅a eik ⋅ x uk ( x + a)
= e ik ⋅a e ik ⋅ x uk ( x) = eik ⋅aψ k ( x)
⇔
ψ k ( x + a) ik ⋅a
=e
ψ k ( x)
§11.3.周期ポテンシャル中の
電子の電気伝導
~金属・半導体・絶縁体~
金属 半導体 絶縁体
・・(12)
・・(13)
周期ポテンシャル
エネルギーバンド
エネルギーギャップ
ここで k → k ′ = k + 2πn a と置く。
ここで、
と置く
(14)式に示すように、波動関数の位相差に変化はない。
つまり、kを任意に2πn/aずらして±π/aの範囲に移動でき
ることを意味する。これを第一ブリルアンゾーンという。
ψ k ( x + a) ik ⋅a
=e
ψ k ( x)
→ eik ′⋅a = e
i(k +
2π
n )⋅ a
a
E
金属
= e ika ei 2πn = eika
伝導帯
・・(14)
E
(2π / a )
= L/a
(2π / L)
個 状態数
= N 個の状態数
伝導帯
E
半導体
価電子帯
伝導帯
E
絶縁体
−
π
π
a
a
図3:第一ブリルアンゾーン
k
価電子帯
図4:周期ポテンシャルによる金属、半導体、絶縁体の違い
E
§11.4.群速度と有効質量
物体の電気伝導を考える時、いくつかの電子に伴う波を重ね合わせた
波束を点電荷として扱う。そのときの電子の速度は群速度vgとなる。
dω 1 dE
=
dk h dk
(Q E = hω )
vg =
(
m* ≡ h 2 d 2 E / dk 2
周期ポテンシャルによる
エネルギーギャップ
定在波の違いによる
・・(14)
)
π
・・(15)
vg
h 2k 2
自由電子の場合、エネルギーは、 E =
と表せるので、
2m
1 dE 1 d ⎛ h 2 k 2 ⎞ hk p
⎜
⎟=
vg =
=
= =v
h dk h dk ⎜⎝ 2m ⎟⎠ m m
h2
h2
・・(17)
m* = 2
=
=m
d E / dk 2 h 2 / m
a
・・(16)
π
a
となって、古典力学の概念と一致する。
ここで、負の質量について考察する。
伝導帯にいる電子が満たす運動方程式は
伝導帯にいる電子が満たす運動方程式は、
dv − e
=
E (m > 0, e > 0)
d
dt
m
Bragg反射が起こる波数k
では、速度がゼロとなり、
速度がゼ とな
波が進行しないことを示
す。また、その周辺でも
影響を受けている。
・・(18)
( )
m*
となって、電界とは逆向きに加速されることがわかる。
一方、価電子帯上部にいる電子が満たす運動方程式は、
dv − e
dv − e
=
E (m < 0, e > 0) ⇒
=
E (m > 0, e > 0)
dt
m
dt − m
となって、マイナス同士が打ち消すと考えれば、
正の電荷を持った粒子が電界と同じ向きに加速されることがわかる。
電荷を持 た粒子 電界と同 向きに加速される と わ る。
これを正孔という。
・・(19)
π
a
価電子帯の上部で、質量
が負になるエネルギー状
態がある 散乱された時
態がある。散乱された時
に、進む向きが逆になる。
図5:周期ポテンシャル中のエネルギー、群速度、有効質量
§12.真性半導体と不純物半導体
Si
§12.1.半導体概要
§
半導体概要
Si
伝導電子
(伝導帯)
(価電子帯)
kBT~0.04eV << Eg~1eV
ホール
半導体のエネルギーバンドは、ほとんど満たされた価電子帯と、ほとんど空の伝導体
とからなり、そのバンドギャップは約2eV以下である。そのため、絶対零度では、導電率
は絶縁体的となり、高温では相当に大きくなって、金属の値に近づく。室温では、半導
体の導電率は、金属と絶縁体の中間の値をとり、103~10-10[1/Ωcm]である。
C Si Geは sp3なる混成軌道を作り、原子価が4となる。この電子は、結合の手とな
C、Si、Geは、sp
なる混成軌道を作り 原子価が4となる この電子は 結合の手とな
り、隣り合う4つの原子と共有結合する。
Si
Si
図6:真性半導体のキャリア
§12.2.真性半導体のキャリア密度とフェルミ準位
C Si G のような 不純物を含まない半導体を真性半導体という この物質の温度を上昇させ熱 ネルギ を与えると 価電子帯の電子は伝導体
C、Si、Geのような、不純物を含まない半導体を真性半導体という。この物質の温度を上昇させ熱エネルギーを与えると、価電子帯の電子は伝導体
に励起される。伝導体に励起された電子は自由電子の様に振る舞い電気伝導に寄与する。一方、価電子帯にできた電子の抜け穴(正孔 or ホール)もま
た電気伝導に寄与する。このように、真性半導体では、電子数密度 n と、正孔数密度 p が等しい。また、電子とホールを区別なくキャリアと呼ぶ。
電子、ホールとも電気伝導に寄与するため、導電率は、それぞれを足し合わせた形となる。
・・(20)
n= p
σ i = σ e + σ p = neμ e + peμ p = ni e( μ e + μ p )
・・(21)
( )
Q ni ≡ n = p
E
E
E
E
次に、電子数密度を求める。
伝導体の上端
n=
∫ f (E)g
C
( E )dE
・・(22)
伝導帯
(22)式を計算する際に、以下の二つの近似を用いる。
近似①
( E − EF ) >> k BT とき、
f F .D. ( E ) =
1
1
≅
= f M . B. ( E )
⎧ (E − E F ) ⎫
⎧ (E − E F ) ⎫
exp⎨
⎬ + 1 exp⎨
⎬
・・(23)
⎩ k BT ⎭
⎩ k BT ⎭
近似②
Eの増加につれて、f(E)は急速にゼロに近づくので、積分
の上限を∞に置き換えても誤差は少ない。
f(E)gC(E)
gC(E)
EC
EC
EF
n
f(E)
フェルミ準位
1-f(E)
EV
(a)
p
gV(E)
価電子帯
(b)
g(E) 0
1/2
(c)
1 f(E)
(1-f(E))gV(E)
キャリア数密度
(d)
図7:真性半導体の(a)エネルギーバンド、(b)状態密度、
(c)フェルミ分布関数、(d)キャリア数密度
イメージを表示できません。メモリ不足のためにイメージを開く こ とができないか、イメージが破損している可能性があります。コンピュータ を再起動して再度ファイルを開いてください。それでも赤い x が表示される場合は、イメージを削除して 挿入してください。
∞
伝導体の上端
n=
∫ f (E)g
C
EC
( E )dE ≅ ∫ e −( E − EF ) / k BT
EC
4π
(2me* ) 3 / 2 ( E − EC )1/ 2 dE
h3
・・(24)
∞
=
4π
(2me* ) 3 / 2 e EF / k BT ∫ e − E / k BT ( E − EC )1/ 2 dE
h3
EC
ここで、
( E − EC ) / k BT = x と置くと、
E = k BTx + EC ⇒
dE
= k BT より、
dx
・・(36)
・・(25)
・・(37)
・・(26)
・・(38)
・・(27)
(39)
・・(39)
∞
4π
n = 3 (2me* ) 3 / 2 e EF / k BT ∫ e −( k BTx + EC ) / k BT (k BTx)1/ 2 k BTdx
h
0
・・(28)
・・(40)
∞
4π
= 3 (2me* ) 3 / 2 e ( EF − EC ) / k BT (k BT ) 3 / 2 ∫ e − x x1/ 2 dx
h
0
・・(29)
・・(41)
(41)
ここで、ガンマ関数Γ(n)の性質を利用する。
∞
⎧
− x n −1
⎪Γ(n) = ∫ e x dx
0
⎪
⎪
⎨Γ(n + 1) = nΓ(n)
⎪
⎪Γ(1 / 2) = π
⎪⎩
∞
・・(30-1)
・・(42-1)
・・(30-2)
・・(42-2)
・・(30-3)
・・(42-3)
∞
⎛3⎞
⎛1 ⎞ 1 ⎛1⎞ 1
x dx
d = ∫ e − x x 3 / 2−1dx
d = Γ⎜ ⎟ = Γ⎜ + 1⎟ = Γ⎜ ⎟ =
π
⎝2⎠
⎝2 ⎠ 2 ⎝2⎠ 2
0
0
・・(31)
4π
* 3 / 2 ( E F − EC ) / k B T
3/ 2 1
∴ n = 3 (2me ) e
π ・・(32)
( k BT )
h
2
∫e
− x 1/ 2
・・(43)
・・(44)
3/ 2
⎛ 2πme*k BT ⎞
⎟⎟ e −( EC − EF ) / k BT
= 2⎜⎜
2
h
⎠
⎝
− ( EC − E F ) / k BT
= NC e
= N C f ( EC )
⎛ 2πme*k BT ⎞
⎟⎟
ここで N C = 2⎜⎜
ここで、
h2
⎝
⎠
・・(33)
・・(45)
・・(34)
・・(46)
3/ 2
・・(35)
(35)
NV:価電子帯における実効状態密度
・・(47)
NC:伝導体における実効状態密度
(24)、(33)式を見比べるとわかるように、伝導電子の下端E=ECにNC個
の状態が集中していると考えて計算したのと同等である。
(36)、(47)式を見比べるとわかるように、伝導電子の下端E=ECにNC個
の状態が集中していると考えて計算したのと同等である。
(34)、(46)式より、
⎛ 2πme*k BT ⎞
⎟⎟
np = 2⎜⎜
h2
⎠
⎝
3/ 2
e
− ( EC − E F ) / k BT
= N C NV e ( EV − EC )/ k BT = N C NV e
(Q E
g
⎛ 2πmh* k BT ⎞
⎟⎟
× 2⎜⎜
h2
⎠
⎝
3/ 2
e ( EV − EF ) / k BT
− E g / k BT
= EC − EV )
また、真性半導体では、価電子帯の電子が励起されて伝導電子
になり、これと同数の正孔が価電子帯に残るので、n = p となり、
これをni(真性密度)と置けば、
ni = N C NV e
− E g / 2 k BT
・・(48)
となる。さらに、n = p から、
n= p
⎛ 2πme*k BT ⎞
⎟⎟
⇔ 2⎜⎜
h2
⎝
⎠
3/ 2
e
− ( EC − E F ) / k B T
⎛m ⎞
⇔ e −( EC + EV − 2 EF ) / k BT = ⎜⎜ ⎟⎟
⎝m ⎠
*
h
*
e
⇔ ln e
− ( EC + EV − 2 E F ) / k BT
⎛ 2πmh* k BT ⎞
⎟⎟
= 2⎜⎜
h2
⎝
⎠
3/ 2
⎛ m* ⎞
= ln⎜⎜ h* ⎟⎟
⎝ me ⎠
e ( EV − EF ) / k BT
・・(49)
( 9)
・・(50)
3/ 2
3 ⎛ mh* ⎞
⇔ −( EC + EV − 2 EF ) / k BT = ln⎜⎜ * ⎟⎟
2 ⎝ me ⎠
⇔ EF =
3/ 2
⎛ m* ⎞
1
(EC + EV ) + 3 k BT ln
l ⎜⎜ h* ⎟⎟
2
4
⎝ me ⎠
・・(51)
・・(52)
・・(53)
となって、右辺第1が禁制帯の中央の値を示しており、第2項がそこか
らのずれ分を示している。通常、第2項は第1項に比べて非常に小さいの
で無視すると フェルミエネルギーE
で無視すると、フェルミエネルギ
EFは禁制帯の中央にあることがわか
る。
§12.3.不純物半導体概要
E
Si
E
P
gC(E)
ED
n
f(E)
+ 正に帯電し動かない
+
EV
Si
1-f(E)
(a)
図8:不純物(n型)半導体の概念図。この場合、
Pをドナーと呼ぶ
p
gV(E)
価電子帯
(b)
g(E) 0
(1-f(E))gV(E)
1/2
(c)
1 f(E)
ホール
ホ
ル
E
E
E
伝導帯
f(E)gC(E)
gC(E)
Si
B
Si
EF
EV
f(E)
アクセプタ準位
価電子帯
図10:不純物(p型)半導体の概念図。
この場合、Bをアクセプタと呼ぶ
n
EC
負に帯電し動かない
Si
キャリア数密度
(d)
図9:n型性半導体の(a)エネルギーバンド、(b)状態密度、
(c)フェルミ分布関数、(d)キャリア数密度
E
Si
f(E)gC(E)
ドナー準位
EF
Si
E
伝導帯
ドナー電子
EC
Si
E
(a)
EA
gV(E)
(b)
g(E) 0
1-f(E)
p
(1-f(E))gV(E)
1/2
(c)
1 f(E)
キャリア数密度
(d)
図11:p型半導体の(a)エネルギーバンド、(b)状態密度、
(c)フェルミ分布関数、(d)キャリア数密度
§12.4.不純物半導体のキャリア密度とフェルミエネルギー
伝導体、価電子帯の実効状態密度はそれぞれNC、NVである。
また、ドナー密度、アクセプタ密度をND、NAとする。
ドナー準位、アクセプタ準位でのフェルミディラック分布則は、そのままの形では使用できず、以下の
ようになる。(1個の電子しか収容できないため)
E
f FD _ D ( ED ) =
EC
NC
ED
ND
EA
NA
EV
NV
1
1 {( ED − EF )/ k BT }
+1
e
2
1
f FD _ A ( E A ) = {( E A − EF )/ k BT }
2e
+1
・・(54)
(54)
・・(55)
n型半導体を考える。NA<<NDであり、ND個のドナー電子のいくつかはアクセプタに落ちており、さらに
n個の電子が伝導体に励起されているとする。ドナー準位にはnDこの電子が励起されずに残っているとす
ると、
(a)
nD = N D − N A − n + p
・・(56)
n型半導体であるので、NA<<ND、n>>p であるので、
nD = N D − n
nD = N D − n =
・・(57)
ND
(34)式より、
となる。
⇔ e{−( EC − ED )/ k BT } ⋅
・・(58)
1 {( ED − EF )/ k BT }
+1
e
2
2N
・・(59)
⇔ N D − n = {( ED − EF )/ kDBT }
e
+2
2N D
2n
(60)
・・(60)
⇔ e{( ED − EF )/ k BT } =
−2=
ND − n
ND − n
⇔ e{−( EC − ED )/ k BT }e{( EC − EF )/ k BT } =
2n
ND − n
・・(61)
NC
2n
=
n
ND − n
また EC − ED = ΔED とすると、
また、
とすると
⇔
N
n2
= C e (− ΔED / k BT )
2
ND − n
・・(63)
・・(62)
§12.4.1.不純物領域(温度が非常に低い場合)
温度が非常に低い場合、n<<NDであるので、
n2
N
= C e (− ΔED / k BT ) ⇔ n =
ND − n
2
N C N D (− ΔED / 2 k BT )
e
2
・・(64)
温度上昇と共に、電子密度はexp的に増加することがわかる。
また、(34)式を(64)式に代入してEFを求めると、
N C N D {−( EC − ED )/ 2 k BT }
e
= N C e − ( EC − E F ) / k B T
2
n=
⎛ N
⇔ ln⎜⎜ D
⎝ 2NC
⇔ EF =
1/ 2
⎞ {−( EC − ED )/ 2 k BT }
E − ED 1 ⎛ N D
⎟⎟ e
= ln e −( EC − EF )/ k BT ⇔ − C
+ ln⎜⎜
2
k
T
2 ⎝ 2NC
B
⎠
EC + ED k BT ⎛ 2 N C
−
ln⎜⎜
2
2
⎝ ND
⎞
⎟⎟
⎠
⎞
E − EF
⎟⎟ = − C
k BT
⎠
・・(65)
絶対零度では、EFはドナー準位EDと伝導体の底ECの中間にあ
る。温度上昇と共に、減少する。
§12 4 2 飽和領域(温度がある程度低 場合)
§12.4.2.飽和領域(温度がある程度低い場合)
ドナー準位の電子がすべて伝導体に励起されている領域であるので、
n ≅ ND
・・(66)
となって 一定値となる また (34)式より (66)式を用いてEFを求めると、
となって、一定値となる。また、(34)式より、(66)式を用いてE
を求めると
n = N C e − ( EC − EF )/ k BT ≅ N D ⇔ ln N C e − ( EC − EF )/ k BT = ln N D
⇔−
EC − EF
N
N
= ln D ⇔ EF = EC − k BT ln C
k BT
NC
ND
・・(67)
温度上昇と共にE
度上昇
減 す
Fは減少する。
§12.4.3.真性領域(温度が高い場合)
温度が高い場合、価電子帯から伝導体に励起される電子が急激に増加
しn≈pとなって、真性半導体と同じ事になる。よって、
しn
pとなって、真性半導体と同じ事になる。よって、
n = p = ni = N C NV e
− E g / 2 k BT
EFは禁制帯の中央に移動していく。
・・(68)