養父市基本計画(PDF文書)

基本計画
1
産業集積の形成または産業集積の活性化に関する目標
(1)地域の特色と目指す産業集積の概要について
(地理的条件、既存の産業集積の状況、インフラの整備状況等地域の特色について)
【地理的条件】
立地・自然条件
養父市は、兵庫県北部の但馬地域の中央に位置し、平成16年(2004年)4月1日に旧養
父郡4町(八鹿町、養父町、大屋町、関宮町)が合併し誕生した。人口28,306人(平成1
7年国勢調査)、面積422.78k㎡で兵庫県の5%、但馬地域の20%を占める広大な土地
を有する。市内には、一級河川円山川が南東から北東の方向に流れ、その支流の八木川に沿って
八鹿・関宮地域が、大屋川に沿って養父・大屋地域が位置する。
本市には、県下最高峰の氷ノ山や鉢伏山があり、ハチ高原、若杉高原等は、山岳高原地帯とし
て自然環境に恵まれている。気候は日本海側気候で、冬季は積雪もあり、1年を通じて寒暖の差
が大きいのが特徴である。
これらの自然条件が水量豊富な清流・地下水を育み、渇水に強く、年間を通じた水需要に対応
することを可能としている。
さらに、地震に対するリスクも少なく、気象庁地震データベースによる1926年以降の地震発
生状況をみても、震度4以上の地震は1回も観測されておらず、観測エリアによっては、この8
3年間に震度1の地震観測が6回されているのみ、といった地域もあるほどで、地震発生頻度の
少ない地域であることがわかる。
また、国の天然記念物に指定されている巨木「樽見の大桜(県下最大のエドヒガン桜・樹齢1,
000年以上、別名 仙桜)」
、
「能座のヒダリマキガヤ(カヤの珍種・樹齢800年・同種のカヤ
は日本に4箇所のみ)」を始め、口大屋の大アベマキといった樹齢500年~1000年を越え
る大木古木、日本の滝100選、森林浴の森日本100選に選ばれる名瀑「天滝」は落差98m
と、まさに天から降るかのように水が流れ落ちる。これらの山々は四季折々の表情を持ち、新緑
のハイキング、子供たちの声が躍動する自然学校、1,000m級の山々から飛び立ち上空を散
策するパラグライダー、そして冬にはスキーリゾートへと刻々と変化し、年間の観光入込み客数
は100万人に達する。近年の観光入込み客数は微増傾向にあり、幅広い年代層に対する集客力
も備えた地域である。
【既存の産業集積の状況】
1.養父市の産業の概要
養父市は、日本を代表するブランド牛である「但馬牛」(神戸牛、松阪牛の素牛にもなる)の
生産地でもあり、市内には但馬牛の取引が行われる家畜市場が設置されており、但馬地域の全て
の牛が集まる。ブロイラーについても、兵庫県下で生産される30%余りを生産するなど畜産業
-1-
が盛んである。
農業についても、早くから有機無農薬栽培に取り組むなど先進的な栽培方法や技術確立を目指
した産官学連携も積極的に進めており、コープこうべと提携して販売している「おおや高原のほ
うれん草」は、全国農林水産祭において天皇杯を受賞した。このほかにも、「轟ダイコン」、
「蛇
紋岩米」など農産物のブランド化への取組みを行っている。
また本市では、廃校となった学校跡地を工場用地として設定しており、活用希望企業を募って
いるところである。8箇所ある学校跡地は5,000㎡から20,000㎡まで規模も様々で、
用途に合わせた学校施設の有効活用を図ることができれば、操業までの初期コストを低額に抑え
られる等、多くのメリットがある。
現在までに、2企業(教育関連業、食品製造業)が進出している。
2.主な企業の立地状況
養父市に立地している企業のうち、株式会社NEOMAX近畿では、現在実用化されている中
で最強の磁石「ネオジム磁石」を発明し、製造及び販売を手がけている。この磁石は、携帯電話、
エアコンを始めとした家電製品、工場や車両等のモーター、医療用等、世界中で使用されている。
兵庫ナカバヤシ株式会社では、印刷、合冊製本、修理製本、軸装といった分野で大きな支持を受
けており、合冊製本分野においては、国内最高の処理能力を有している。株式会社上杉輸送機製
作所では、ハンドトラック、ワークテナー等の製造を行っており、国内で50%以上のシェアを
有する。八鹿鉄工株式会社では、農業機械、除雪機をはじめとした分野で新製品の研究開発・製
造を一貫して行っている。これらの企業においては、それぞれの分野で大きなシェアを持つとと
もに、海外においても需要が高いものもある。これらの、製造業を中心として国内有数の技術力
を持つ企業が立地している。
このように、製造業においては中小・小規模企業が大部分を占めているものの、優れた技術を
有した企業が多く存在し、経営の規模拡大や雇用の増進に寄与している。
3.統計データ(平成19年工業統計調査)
平成19年の養父市の製造品出荷額と製造品付加価値額は490億円と137億円であり、当
地域に集積する主な業種は、製造品出荷額が212億円で養父市全体の43%余りを占める電気
機械器具製造業を筆頭に、食料品製造業、一般機械器具製造業、金属製品製造業、印刷・同関連
業、木材・木製品製造業の順番となっている。この上位6業種の製造品出荷額は、養父市全体の
73%を占めており中心的な産業となっている。
(表1)養父市の製造業(全業種)に関するデータ
面
積(ha)
42,278
人
口(人)
28,306
製造品出荷額(億円)
490
事業所数(所)
87
付 加 価 値 額(億円)
137
従業員数(人)
2,115
-2-
(表2)養父市において主たる製造業種が占める割合
製 造 業 種
事業所数(所) 従業員数(人)
割合(%)
製造品出荷額(億円) 付 加 価 値 額 (億 円 )
割合(%)
割合(%)
割合(%)
市
全
体
87
-
2,115
-
490
-
137
-
食
料
品
15
17
291
14
41
8
12
9
木材・木製品
6
7
65
3
13
3
4
3
印刷・同関連業
5
6
252
12
14
3
9
7
金 属 製 品
10
11
182
9
38
8
7
5
一般機械器具
11
13
295
14
40
8
16
12
電気機械器具
4
5
388
18
212
43
39
28
上記6業種計
51
59 1,473
70
358
73
87
64
【インフラの整備状況】
1.交通環境
市内には、京都市を起点に山陰地方を縦断する主要な幹線道路である国道9号が東西に、姫路
方面と京都府宮津市を結ぶ国道312号が南北に通っている。また現在、北近畿豊岡自動車道和
田山八鹿道路の整備が進んでおり、市内には養父インターチェンジ(仮称)と八鹿インターチェ
ンジ(仮称)の2箇所が設置される予定である。この高規格道路の整備により、大阪市内まで約
2時間、神戸市内まで約1時間30分と大幅に交通アクセスが向上する。
円山川に沿っては、JR山陰本線が通っており、八鹿駅、養父駅から京阪神(大阪、京都、神
戸)及び山陰地方(鳥取)への所要時間はそれぞれ2時間となる。
養父市の北約10kmには但馬飛行場があり、大阪国際空港まで約30分で結ばれている。
2.工場用地
農村地域工業等導入促進法による地域指定によって、工場用地(養父市大藪地区
約7ha)
を確保するとともに、中小規模の工場用地についても、本市の遊休施設・土地、民間所有の遊休
施設、土地を企業誘致対象用地として登録する制度を設けており、企業の要望に沿った規模の物
件を即座に紹介できる体制を整備している。
また、養父市では、企業振興・立地促進方策として、これまでに地域産業支援工場(レンタル
工場)の建設、現在は廃校校舎等への誘致を行っている。
地域産業支援工場は、平成16年に地域産業支援工場として5棟のレンタル工場を完成させ
た。約20,000㎡の敷地に1,100㎡から1,700㎡の工場を養父市が建設し、企業が
賃貸借によって入居するもので、操業中の5社ほとんどが数年の間に従業員数を倍増させる等、
大きな効果を発揮している。
廃校校舎等への誘致は、統合により廃校となった学校施設や遊休化した市有施設を活用すべく
企業誘致活動を進め、現在までに学校跡地2校への企業(教育関連業、食品製造業)進出があっ
た。
-3-
養父市が、平成19年に構造改革特別区域法の認定を受け、平成20年に株式会社ナビが広域
通信制高等学校ウィザスナビ高等学校を開校した。
同じく平成19年に地域再生計画の認定を受け、調味料等の製造工場である但馬醸造株式会社
が立地し、体育館を醸造場として改装し、平成21年から操業を開始し、食酢の製造販売を行っ
ている。
3.教育機関
養父市には、兵庫県立八鹿高等学校(自然科学コース、普通コース)と兵庫県立但馬農業高等
学校(農業科、畜産科、生活科)の2校があり、両校とも地元企業に多くの就職者を輩出する貴
重な人材供給源であり、地域社会の発展向上、地域農林畜産業の後継育成といった大きな役割を
担っている。
また本市には、商工業系の高等学校や専門学校はないものの、近隣の豊岡市や朝来市の高等学
校等へ通学している状況であり、これらの機関で専門的な技術や知識を習得した卒業生らが、本
市においても就職し活躍している。
4.情報環境
養父市には、兵庫県が整備した「兵庫情報ハイウェイ」(高速大容量の情報通信基盤)のアク
セスポイントが整備されている。兵庫情報ハイウェイは、動画や大量のデータ伝送など高速大容
量の通信が可能な情報インフラであり、県内の諸地域と多様なネットワークを効率的に構築する
ことができる。
また、市内全域で市営ケーブルテレビサービスが提供されており、加入者はデジタル放送の視
聴や災害時の緊急告知放送サービス、インターネットサービス、加入者間同士の通話無料電話サ
ービス等を受けることができる。
同時に民間通信事業者による高速通信、光ブロードバンドサービスも提供されており、グロー
バルな市場競争を勝ち抜くための情報化戦略も可能となる。
【目指す産業集積の概要について】
養父市では、当地域が持つ資源の特性、強みを最大限に活かした新たな産業の集積及び創出を
図ることで、地域の経済の活性化と雇用の創出を図る。
(1)地域資源活用型関連産業
養父市は中山間地域という立地にあり、都市部にはない自然環境がある。これらの環境を資源
として捉えると、①良質で豊富な水量を有する水、②CO2削減効果が高く評価されている森林、
③川、山が創り出す澄んだ空気がある。これらの資源活用が期待される産業の集積を図る。
(2)地域産業活用型関連産業
養父市には既存する主な地域産業として、①農林畜産業、②生産用機械器具製造業、③電気機
械器具製造業、④輸送用機械器具製造業などがある。本市に存在するこれらの産業と関連性が高
く、相乗効果が期待できる畜産食料品、醤油等の調味料を始めとする食料品関連産業や医療用機
-4-
器、農業用機械、鉄道車輌用部品、舶用機関などの機械器具関連産業の集積を図る。
このように、地域産業と関連性のある企業を誘致することで、産業の集積と高度化、また、産
業の多様化によるさらなる地域経済の基盤強化が期待される。
(2)具体的な成果目標
現
集積区域における集積
業種全体の付加価値額
状
計画終了後
135億円
伸
147億円
び
率
8.8%
(3)目標達成に向けたスケジュール
取組事項
(取組を行う者)
企業ニーズ応じた用地等の整備
21年度
22年度
23年度
24年度
25年度
企業立地に必要なインフラ整備
(養父市)
工場用地等候補地調査
民間未利用地等の掘起し調査
(養父市、養父市商工会)
工場用地等情報提供
(養父市、兵庫県、養父市商工会)
廃校を活用した企業誘致
廃校活用企業の PR と新たな活用企業の誘致
(養父市)
人材発掘及び確保
流出傾向のある若年層人材の確保対策
(養父市、兵庫県、養父市商工会、関係機関)
新製品開発等に対する支援
(養父市、兵庫県)
交通アクセス整備
(養父市、兵庫県、関係機関)
通信インフラの整備
(養父市、兵庫県)
企業立地促進に係る優遇措置
(養父市、兵庫県)
企業間連携の強化
地元企業の連携による新たなビジネスチャンスの創出支援
(養父市、養父市商工会、企業)
既存企業の拡充に対する支援
既存企業の規模拡大への迅速な対応、支援
(養父市、養父市商工会)
既存企業の関連(取引)会社への誘 既存企業の関連(取引)企業の誘致
致活動(養父市、兵庫県)
-5-
2
集積区域として設定する区域
(区域)
養父市全域
養父市
至豊岡市・北但馬地域
至香美町・山陰地域
至鳥取県
至朝来市・丹波地域
北近畿自動車道(H23 年度開通予定)
至宍粟市
至播磨・京阪神地域
至宍粟市
氷ノ山後山那岐山国定公園
鳥獣保護区
但馬山岳県立自然公園
設定する区域は平成21年10月1日現在における地番により表示したものである。
ただし以下の地域を除く。
・自然公園法(昭和32年法律第161号)に規定する自然公園地域
・鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律(平成14年法律第88号)に規定する鳥獣保護区
・兵庫県立自然公園条例(昭和37年条例第80号)に規定する県立自然公園地域
-6-
(集積区域の可住地面積)
6,700ha
(各市町村が集積区域に指定されている理由)
養父市は、平成16年の合併以前から、広域的な組織を形成し連携を図ってきた経過がある。
また、自動車専用道路、主要国・県道及び鉄道などの交通網整備が進んできたことにより、効率
的かつ効果的に一体性をもった企業立地の推進、産業振興を図ることが十分可能であることか
ら、市域全体を集積区域として指定する。
3
集積区域の区域内において特に重点的に企業立地を図るべき区域
【区域】
現時点で、集積区域の区域内において特に重点的に企業立地を図るべき地域は、設定しない。
実施する際には基本計画を変更し、区域を明示する。
4
工場立地法の特例措置を実施しようとする場合にあっては、その旨及び当
該特例措置の実施により期待される産業集積の形成または産業集積の活性化
の効果
【工場立地法の特例措置を実施しようとする区域】
現時点で、集積区域の区域内において、工場立地法の特例措置を実施しようとする区域は、設
定しない。実施する際には基本計画を変更し、区域及び効果を明示する。
5
集積業種として指定する業種(以下「指定集積業種」という。)
(1)業種名
【業種名または産業名】
①地域資源活用型関連産業
(日本標準産業分類上の業種名)
09
食料品製造業
10
飲料・たばこ・飼料製造業(たばこ、酒を除く)
11
繊維工業
12
木材・木製品製造業
13
家具・装備品製造業
14
パルプ・紙・紙加工品製造業
20
なめし革・同製品・毛皮製造業
27
業務用機械器具製造業
28
電子部品・デバイス・電子回路製造業
-7-
②地域産業活用型関連産業
(日本標準産業分類上の業種名)
09
食料品製造業
10
飲料・たばこ・飼料製造業(たばこ、酒を除く)
15
印刷・同関連業
16
化学工業(塩を除く)
18
プラスチック製品製造業
21
窯業・土石製品製造業
22
鉄鋼業
23
非鉄金属製造業
24
金属製品製造業
25
はん用機械器具製造業
26
生産用機械器具製造業
29
電気機械器具製造業
31
輸送用機械器具製造業
32
その他の製造業
44
道路貨物運送業
52
飲食料品卸売業
55
その他の卸売業
56
各種商品小売業
60
その他の小売業
(2)(1)の業種を指定した理由
【地域資源活用型関連産業】
京都議定書の発効がされ、CO2の削減や自然エネルギーの活用等が求められている現在にお
いて、年間を通して良質で安定した水量の確保できる河川、豊富な森林資源等の自然環境は、本
市にとって大きな地域資源となる。また、これら自然環境が醸し出すランドスケープは、食料品、
飲料品、医療用品など商品の付加価値を高めることを可能とする。
この豊かな自然環境を最大限に活かす業種として、①水資源の活用が期待される業種(食料品
製造業、飲料・たばこ・飼料製造業)、②森林資源の活用が期待される業種(繊維工業、木材・
木製品製造業、家具・装備品製造業、パルプ・紙・紙加工製造業、なめし革・同製品、毛皮製造
業)、③空気資源の活用が期待される業種(業務用機械器具製造業、電子部品・デバイス・電子
回路製造業)を選定し、自然環境との調和を図りながら持続可能な産業として発展させることを
目指す。また、地域(自然)資源が豊かであること、自然環境との調和を重視した地域であるこ
とを全国に積極的にPRすることで地域イメージを高めることが可能となり、本市産業の発展に
大きく寄与することが期待できることから集積業種に指定する。
【地域産業活用型関連産業】
養父市は、古来より農林畜産業(養蚕業)を中心に発展し、日本を代表するブランド牛「但馬
牛」を生産するなど、高い技術とそれを支える様々な経験が蓄積されている。この農林畜産業の
発展により農産品の流通、小売業が活発化するとともに、製造業分野においても国内有数の高い
技術力を有した企業が既存企業との連携、誘致により立地するようになった。
現在では、養父市に進出した但馬醸造株式会社(食料品製造業)が地域農産物の活用を図るべ
く農業者との連携、株式会社NEOMAX近畿(電気機械器具製造業)においては、既存企業と
の取引により、地域産業の活性化に寄与している事例などが見られる。このように、養父市にお
いては、地域産業(農林畜産業含む)・既存企業と新規立地企業との連携により産業活性化が図
-8-
られてきたことに大きな特色があり、今後、交通アクセスが大幅に向上していく中で、さらなる
広範な分野からの企業進出が期待できる。例えば、本市企業には、鉄道車両の関連部品を作る企
業が数社ある。それぞれの企業が持っている能力・技術などを活かすことによって、より一層の
企業連携や進出促進を可能とする。また、新規・既存企業間連携、農商工・産学官連携などによ
り、これらの企業が、より密接で重厚な連携を図ることができる。
企業立地の地域産業・地域雇用への波及効果を効率的、迅速に実現するため、①農林畜産業に
関連する業種(食料品製造業、飲料・たばこ・飼料製造業、プラスチック製品製造業)
、②本市
に存在する産業と関連性が高く、相乗効果が期待でき、立地企業及び既存企業同士が支え合える
業種(印刷・同関連業、化学工業、窯業・土石製品製造業、鉄鋼業、非鉄金属製造業、金属製品
製造業、はん用機械器具製造業、生産用機械器具製造業、電気機械器具製造業、輸送用機械器具
製造業、その他製造業)を集積業種とする。
また、上記全ての業種(農林畜産業を含む)がより円滑に、かつ、効率的に活動することを可
能とするため、道路貨物輸送業、飲食料品卸売業、各種商品小売業、その他の卸売業、その他の
小売業を集積業種とする。
6
指定集積業種に属する事業者の企業立地及び事業高度化の目標
目
標
項
目
目
指定集積業種の企業立地件数
数
値
5件
指定集積業種の製品出荷額の増加額
25億円
指定集積業種の新規雇用創出件数
7
標
100人
工場または事業場、工場用地または業務用地、研究開発のための施設また
は研修施設その他の事業のための施設の整備(既存の施設の活用を含む。)、
高度な知識または技術を有する人材の育成その他の円滑な企業立地及び事業
高度化のための事業環境の整備を実施する者及び当該事業の内容
【産業用共用施設の整備等に関する事項】
・企業ニーズに応じた用地等の整備(養父市)
円滑な企業誘致を進めていくため、企業のニーズを把握し、そのニーズに応じた工場用地の開
発支援を行っていくとともに、企業立地に必要な水資源確保、下水道整備等、インフラ整備につ
いても積極的な支援を行う。
大規模な企業立地に関しては、企業の進出決定の意向を受けた後、必要に応じて工場団地の整
備、インフラ整備等初期投資に対する支援についても関係機関と協力しながら迅速な対応を行
う。
-9-
・工場用地等候補地調査(養父市、養父市商工会)
民間企業・個人等の所有地(工場跡地・遊休地等)、市有地で企業立地等が可能な用地情報を
収集するとともに、市内全域の調査を行い適地情報の収集に努める。
併せて、所有者の利活用に対する意向等についても調査する。
・工場用地等情報提供(養父市、兵庫県、養父市商工会)
工場用地等候補地調査により得た情報をデータベース化し、立地を希望する企業に対して迅速
な情報提供を行うとともに、企業と土地所有者との調整やその他必要となる条件整備等、様々な
場面において積極的な支援を行い、立地要望に即応できる体制を整える。
・廃校を活用した企業誘致(養父市、兵庫県)
現在、廃校となった学校跡地を利用した企業誘致を進めている。学校跡地は、造成済みの土地
(運動場)や校舎、体育館といった施設があり、企業立地の規模や業態が適合すれば、施設建築
に係る初期投資と建築にかかる時間を大幅に削減して、企業進出が可能になるというメリットが
ある。これらのメリットをPRするための素材(ホームページ、パンフレット等)を作成し、誘
致体制の強化に努める。
【人材の育成・確保に関する事項】
・人材発掘及び確保(養父市、兵庫県、養父市商工会等)
企業誘致と同時に人材確保等にも積極的な支援を行う。
本市では兵庫県とともに、平成20年度から若者の定着やUターン促進により人材を確保し、
地域の活性化を図るため、「ふるさと人材確保ネットワーク事業」を、各関係機関と連携して実
施している。この事業は、ハローワークや経済団体、各種関係団体が人材確保に必要な情報の共
有をする等ネットワーク化を行い、その機能を強化することで、立地検討企業への積極的な人材
や労働力に関する情報提供ができる体制整備を行うものである。
(主な取組み)
・地元高等学校等との連携による求人者の情報把握
・就職支援セミナーやインターンシップ企業説明会及び面接会の実施
・地域求人情報の集約とUターン、Iターン就職希望者に対するタイムリーな情報提供
以上のように、地域雇用開発促進のための措置を実施することで、地域における人材確保の円
滑化を図る。
【技術支援等に関する事項】
・新製品開発等に対する支援(養父市・兵庫県)
兵庫県立工業技術センターの移動工業技術センターや技術コーディネーターなどを活用する
ことで、新製品開発等に関する技術的な相談等の支援を行う。
また、養父市は、企業の技術向上、技術および製品の開発が積極的に行われるよう新製品開発
- 10 -
等に係る補助金制度を設け支援を行う。
【その他の円滑な企業立地及び事業高度化のための事業環境の整備に関する事項】
・交通アクセス整備(養父市・兵庫県)
現在、整備が進んでいる北近畿豊岡自動車道は、平成18年度の春日-和田山間供用開始に続
き、本市に至る和田山-八鹿間の本工事が着手されており、平成23年度に供用が予定されてい
る。これらの供用により養父-神戸間が、これまでより30分程度短縮され、1時間30分程度
となる。養父市と京阪神間との人や物の交流・連携が強化され、企業間のアクセスが格段に向上
する北近畿豊岡自動車道の早期実現を促す。
・通信インフラ整備(養父市・兵庫県)
本市には、兵庫県が整備した「兵庫情報ハイウェイ」
(高速大容量の情報通信基盤)のアクセ
スポイントが整備されている。兵庫情報ハイウェイは、動画や大量のデータ伝送など高速大容量
の通信が可能な情報インフラであり、県内の諸地域と多様なネットワークを効率的に構築するこ
とができる。
地域情報格差の是正と、地域産業の情報化を目指して、行政・民間を問わず各分野での総合的
な活用を推進している。
・企業立地促進に係る優遇措置(養父市・兵庫県)
養父市、兵庫県とも企業立地に関する条例を制定し、税負担の軽減や設備投資及び雇用に対す
る補助金、低利融資等の優遇措置を設けている。
養父市の優遇措置①(対象企業:投下固定資産1億円以上、かつ従業者数30人以上(工場)、そ
の他8人以上であること。優遇措置②との併給はできない)
条
例
区
分
内
容
固 定 資 産 税 の 助 工場等の新設に伴う固定資産税の
成
相当額
本市居住者を 1 年以上継続して雇
雇用補助
用した場合(1人当たり10万円)
事業に使用する土地に緑地を設け
緑化補助
養父市企
るのに要した費用の30%を補助
業等誘致
市営上水道使用した場合、使用料
水道料助成
条例
の30%を助成
用地取得助成
工場等を新設するために取得した
土地の取得額(造成費含)の10%
を 5 年間に分割して交付
- 11 -
交付期間
交付限度額
5年間
-
5年間
-
5年間
5年間
年間
200万円
300万円
年間
100万円
本市の斡旋で
取得の場合
3,000万円
それ以外
2,000万円
養父市の優遇措置②(対象:常時2名以上を雇用している商工業者。優遇措置①との併給は不可。)
条
例
区
分
内
容
固定資産税課税標準額が500万
工場・店舗等の新
年以上の新増設部分に係る固定資
増設助成
産税の相当額
工場・店舗等の用 直接操業に使用する土地の売買契
地取得助成
約額の3%以内
従 業 員 住 宅 の 新 新設した従業員住宅の固定資産税
設助成
の相当額の50%
養父市商
設備の近代化を図るための機械設
工業振興
機 械 設 備 の 新 増 備等(固定したものに限る)の導
条例
入事業費が500万円以上のもの
設助成
の導入額の10%以内
単独または共同で実施する新製品
新製品開発研究
等開発で事業費100万円以上を
助成
対象にし、事業費の50%以内
開業して1年経過したもので、開
新規創業助成
業経費が500万円以上のもの
交付期間
交付限度額
3年間
-
-
150万円
3年間
-
-
200万円
-
150万円
-
一律50万円
兵庫県の優遇措置(産業集積促進地区(大藪地区)が対象)
条
例
産業の集
積による
経済及び
雇用の活
性化に関
する条例
(産業集
積条例)
区
分
内
容
不動産取得税の不 不動産取得税の 1/2 軽減(土地の範囲は新規成
均一課税
長事業用家屋の垂直投影部分に限る)
①新規地元雇用者に対する補助:60万円/人
②補助要件:(ア)新規地元雇用者6人以上(正社
雇用補助
員に限る)(イ)土地を取得又は賃貸する場合は設
備投資額(土地を除く)5,000万円以上
①補助率:設備投資額(土地を除く)の3%以内
設備投資補助
②補助要件:先端技術型事業に係る設備投資額
(土地を除く)10億円以上
①補助率:1/2(国等からの補助がある場合
には併せて補助率が1/2)
(太陽光発電、コー
新エネルギー設備 ジェネレーション等)
補助
②補助要件:設備投資額(土地を除く)5,0
00万円以上
①補助率:3%以内
研究開発型企業向
②補助要件:設備投資額(土地を除く)5億円
け設備投資補助
以上
拠点地区進出貸付
①利率:年1.30%(固定金利)
②期間:15年以内(据置2年以内)
③要件:地元雇用者6人以上
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交付限度額
2億円
3億円
-
3億円
-
25億円
(特認50
億円)
・企業間連携の強化(養父市、養父市商工会等)
本市に立地する企業が、相互に連携することで直面する諸問題や新たなビジネスチャンスを創
出する機会を作る。
「養父市産業フェア」を開催し、立地企業の相互交流、市外企業との新たな
取引き機会の創出を行う。
・既存企業の拡充に対する支援(養父市、養父市商工会)
本市に立地する企業が、規模拡大などの意向を示した場合は、迅速に対応し、各種申請、補助
金交付等において支援する。
・既存企業の関連(取引)企業への誘致活動(養父市・兵庫県)
本市に立地する企業と関連(取引)企業がより緊密な企業連携を実現させるために、積極的な
誘致活動を展開する。
8
産業集積の形成等に密接な関係を有する者と市町村及び都道府県との連携
に関する事項
①企業誘致における関係機関との連携
養父市産業経済部商工観光課及びひょうご・神戸投資サポートセンターが、企業進出に係る総
合的な支援サービス窓口として、進出候補地への案内、優遇措置の紹介等の支援を一元的に提供
するとともに、民間企業等とも連携した企業誘致のためのネットワーク形成も行い、きめ細かな
企業誘致支援を行う。
また、兵庫県との連携による情報収集と情報交換、用地情報提供等を行う。
②産学連携事業推進
平成17年度より兵庫県立大学経営学部と養父市商工会が事業連携を行い、「地域ビジネスモ
デル創出」事業への調査研究を行っている。
また、大学が有する研究成果や経営学というノウハウ・知的財産を活用するため、インターン
シップの実施等を通じ、経営者育成・企業育成を進めている。
今後は、企業間の異業種交流、兵庫県立大学と養父市商工会の連携事業強化及び産学官連携等
幅広い分野での連携体制の構築を図る。
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9
市町村及び都道府県における企業立地及び事業高度化に関する手続きの迅
速な処理を図るための体制の整備に関する事項
①企業誘致体制(市長)
市内の主要企業を中心に、企業ニーズ、経営状況等の把握を行うべく市長が指揮を執り企業訪
問の実施を行う。
今後、企業立地促進のため、市長自らが誘致活動を行い、行政手続きの簡素化等の体制整備を
行う。
②企業誘致体制(職員)
近年の企業投資、特に新規立地については、企業の進出決定から操業開始までの意思決定期間、
工事期間等がどんどんと短縮されている傾向がある。このような企業ニーズに対応するため、養
父市では様々な行政手続き、人材確保情報及び技術支援等ワンストップで行うために横断型組織
として、養父市企業誘致プロジェクトチームを設置している。
プロジェクトチームには、様々な行政手続きや住民対応に関係する担当職員を配置させ、企業
要望等に対応すべく方策の検討を行っている。また、窓口がプロジェクトチームの事務局を担当
する商工観光課に一元化されるため、企業担当者も戸惑うことなく立地計画をスムーズに進捗さ
せることが可能となっている。
今後、体制強化を行うとともに、フォローアップ体制の充実を図る。
③企業立地に向けた誘致活動
本市では、企業立地の促進のため「頑張る地方応援プログラム」において、企業誘致プロジェ
クトを提案し、パンフレットの作成、配布及びホームページへの掲載等情報発信と企業訪問等積
極的な誘致活動を行っている。今後、さらに誘致体制を充実させ、企業訪問等を行うエリアを拡
大させ積極的な活動を行う。
④企業立地後の支援体制
企業立地が行われ、操業が開始された後も継続的に企業を訪問し、様々な情報の収集、提供及
び共有を行い、積極的な支援を行う。
今後も、市長を始めとし、企業訪問等を行い、日々変化する企業ニーズの把握を行うとともに、
立地企業の安定化に向けた支援を実施している。また、立地企業の再投資(規模拡大等)や関連
企業及び取引企業の近隣への立地に向けた情報提供・共有等を行う。
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10 環境の保全その他の産業集積の形成または産業集積の活性化に際して配慮
すべき事項
【環境保全に関する事項】
環境保全面では、健全な地域環境を保ちながら立地事業者の円滑な操業を確保する観点から、
工場設置に係る事前協議等を充実するとともに、大気汚染、水質汚濁、騒音、振動、悪臭等に関
する国の環境法令、兵庫県が定める「環境の保全と創造に関する条例」及び本市が定める「環境
保全条例」等に即した立地を行うものとし、環境に関する法令に基づく指導・助言等を行い遵守
の徹底を行う。
なお、住民の理解を得るために、事業者の立地に当たり住民説明会等を開催し、住民の健康保
護、快適な生活環境の保全及び自然環境の保護を図るため、事業活動において発生する公害等の
防止について、立地事業者、地域(住民、各種団体等)、市が公害防止協定等を締結して監視・
指導に努めており、今後も引き続き実施する。
また、立地事業者が環境負荷の低減や産業資源の有効活用に努め、自然環境との調和を目指し
た省エネルギー施設・新エネルギー施設の導入促進や、エコドライブ運動等の事業活動や環境貢
献活動を展開できるように配慮する。
【安全な市民生活の確保】
①
兵庫県では、県民一人ひとりが、自らの安全の確保に対する意識を高めることはもとより、
県民、地縁団体等、事業者がともに連携し地域の絆を一層強め、地域ぐるみで犯罪を防止する
ための活動が必要であり、また、その他安全で快適な暮らしを実現するため、平成18年 4
月に「地域安全まちづくり条例」を施行した。養父市ではこの条例の趣旨を踏まえ、企業立地
を通じた地域の産業集積によって、犯罪及び事故を増加させ、又は地域の安全と平穏を害する
ことがないようにするため、住民の理解を得ながら次の取組みを推進する。
ア.防犯に配慮した環境の整備
養父市は、道路、公園等の公共空間における犯罪を防止するため、防犯灯、街路灯等
を設置するように努める。
養父市は、道路・公園、立地企業は事業所等における植栽の適切な配置により見通し
を確保するように努める。
イ.事業所における防犯設備等の整備
養父市は、立地企業に事業所内外に防犯カメラや防犯ベル等の緊急通報装置を設置す
るほか、防犯マニュアルの策定、防犯設備の点検整備等を実施するよう促す。
ウ.防犯責任者の設置
養父市は、立地企業に事業所ごとに防犯責任者を設置し、防犯マニュアルの整備、定
期的な防犯訓練を実施する等防犯体制を整備するよう促す。
エ.警察への通報体制の整備
養父市は、立地企業に犯罪や事故等が発生した場合の通報体制を整備するよう促す。
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オ.地域住民との連携
養父市は、立地企業に地域住民が行う自主防犯ボランティア活動への参加・協力をす
るよう促す。
②
廃校の活用及び産業団地の新設整備にあたっては、道路等への街灯の設置、進出企業の要望
を受けた歩行者専用道路の設置等を行うほか、所轄の警察署と協議を行い、歩行者が安全に通
行できるように、歩道の設置、信号機の設置、駐車禁止対策等の防犯対策を進める。
③
企業立地にあたって、歩行者の安全確保のための出入り口の位置の制限、路上駐車対策とし
て敷地内駐車設備の設置等の履行を通じて住民生活の安全確保を図る。
④
上記事業を実施するにあたり、兵庫県警察本部、所轄の警察署等と連携をはかりながら、安
全で安心して暮らすことができる社会の実現を図る。
⑤
養父市の取組み状況としては、きめ細かな防犯等の取組みを進めている。
ア.市役所職員が業務中や移動時に市内をパトロールする体制整備を行い、全公用車による
防犯や交通安全に努める。
イ.住民の自主的な取組みも実施されている。各地域で児童の下校を見守る「見守り隊」、
地域の安全・安心を守る「防犯グループ」等が活動している。
また、地域が一体となった防犯体制を確立させるため、養父市CATV告知音声放送を
活用することで、全戸へ児童等の下校時刻のお知らせ及び防犯への呼びかけ等を行ってい
る。
【その他各種計画との整合】
企業立地による産業集積の形成、活性化にあたっては、養父市の各種計画(総合計画、過疎地
域自立促進計画、企業立地推進計画、農業振興地域整備計画、都市計画等)の総合的な土地利用
計画及び財政的な計画との整合性を十分に配慮し、各種事業を進める。
11 法第5条第2項第3号に規定する区域における同項第7号の施設の整備が、
農用地等として利用されている土地において行われる場合にあっては、当該
土地を農用地等以外の用途に供するために行う土地の利用の調整に関する事
項
該当なし
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12
その他の産業集積の形成または産業集積の活性化の促進に関する重要事項
今般設置した養父市地域産業活性化協議会をはじめ、養父市内における企業誘致関連団体と協力
しながら、地域の各主体が連携した企業立地施策を実施、推進する。
養父市地域産業活性化協議会において、引き続き、本地域の産業集積の形成及び活性化の実現に
向けて、それぞれの専門的見地から検討、議論することによって合意形成を図り、計画変更の協議、
目標の進捗状況の確認を行うほか、本市の産業振興方針の検討を行う。
13
計画期間
本計画の計画期間は、同意の日から平成25年度末日までとする。
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