ビール市場に若者を引き込むには ①―――はじめに 1.研究背景 2.研究目的 ②―――現状分析 1.市場調査 2.ビール業界各企業の取り組 み ③―――事前調査 ④―――仮説 ⑤―――結論 加藤 秀樹 井上 彰 尾形 碧海 宮崎 梨紗 平成 24 年国民健康・栄養調査から ①―――はじめに 参照 1.研究背景 若者はアルコールの中でも特にビールを飲まなく 近年若者の飲酒離れが話題となっている。居酒屋 なっている。飲酒には「慣れ」の要素があるが特に 大手のワタミが 1996 年に上場以来初め手の赤字 ビールにおいてはそれが顕著であると考えられる。 に転落した。主力の外食事業の既存店売上高は前 若者がビール好きになる機会が減少していること 期比で 7%減、連結最終損益は 49 億円の赤字。今 が若者のビール離れの一番大きな原因であるとい 期は同社の居酒屋の 1 割にあたる 60 店を閉店する えるだろう。多くの人が人生で初めてビールを飲 と発表している。このほか「甘太郎」などを運営す むのは大学などサークルやクラブ、コンパなどか るコロワイドは前月比で 3%減、「はなの舞」など 会社での飲み会の席であろう。誰もが思うことで を運営するチームニーも4%減となるなど居酒屋 あるだろうが、最初からビールがおいしいと感じ チェーンは総じて苦戦している。 る人は少ない。最初は苦くて何がおいしいのかわ 居酒屋にとって、かねてから経営課題は「若者の酒 からずに飲んだり、飲まされたりという形から字 離れ」だ。国民健康・栄養調査によると、20 代の 始まった人も少なくないはずだ。先輩や上司から 8 割は飲酒習慣(1 日に 1 合以上飲む日が週 3 日以 無理矢理すすめられて、徐々にその苦さがおいし 上)を持っておらず、飲まない人は徐々に増えてい さと感じられるようになる。今の若者がビールを る。 飲まなくなったのは、儀式のような最初の体験が 必要ないからであると考える。 「とりあえずビール」 という決まり文句も通用しなくなってしまったの である。 2.研究目的 本研究の目的は自分たちと同年代である若年層 の危険性も考えられる。ビール業界は厳しい局面 を迎えているようだ。 の選好を理解しながら若年層をビールの市場とし て開拓するにはどうすればいいのかを模索するこ 2.ビール業界各企業の取り組み とである。 「若者のビール離れ」という言葉が世間 私たちが若者向けのビールを開発するにあたっ でささやかれはじめて久しいが、もしこの言葉が て、ビール業界の大手企業であるアサヒ、サッポロ 確かであれば逆に考えれば若者に受け入れられる の近年のターゲットを若者に設定したビールのマ 商品・売り方を考えれば若者をビールの新たな市 ーケティングの事例を参考にしてみたいと思う。 場として開拓できるのではと考えた。 またマーケティングの参考の一つとしてキリンが 行った酒類全般の若者への販売促進の例も挙げて ②―――現状分析 みた。 1.市場調査 (1)アサヒ ビール市場の現状を把握するために市場調査を行 アサヒは若者にビールを飲む機会を与えるとい った。平成 24 年から 25 年にかけてのビール業界 うマーケティングの方法を採用している。リクル の規模は 2 兆 6,232 億円である。 ートライフスタイルと提携し 2014 年2月から「ビ アマジ!21」という企画のもと、若者のビール消費 拡大に向けた集客に乗り出した。この企画は 21 歳 の男女をターゲットに設定している。なぜ 21 歳な のかというと、リクルートライフスタイルの調査 によって、ビールがおいしいと感じ始めるのは 21 歳が最も多いというデータが得られたからだ。 「ビ アマジ!21」のサービスはビール1杯無料の特典 や交流の場を提供するというものだ。これによっ 上のグラフは、近年のビール業界の規模の推移を て、若者に酒文化や酒場の魅力を伝え、需要を掘り 表したものである。平成 17 年から 19 年にかけて 起こす狙いがある。この企画は2月3日から5月 若干増加しているものの平成 20 年以降は減少し続 末まで実施されており、東京の神田や新橋、有楽町 けている。この減少の背景に、消費者の節約志向、 などにある居酒屋やバーなど約 120 店が協力した。 少子高齢化、若者のビール離れがあると考えられ 具体的な「ビアマジ!21」のシステムは次のように る。また、ビールだけでなく比較的安価な発泡酒の なっている。利用者はまず会員登録し、専用アプリ 出荷量・販売量が減少していることや、ノンアルコ 「マジ☆部」をダウンロードする。次にリストから ールビールや第三のビールの伸び率が鈍化してい 行きたい店を選び、訪れた際にチェックインをす ることが市場の規模の縮小に拍車をかけていると る。本人確認が完了すると、生ビールが1人1杯無 考えられる。こういった流れの中で大手メーカー 料でもらえるほか、店舗によっては割引クーポン がセブン&アイホールディングスと提携しプライ が使えるメニューが出される。実はこの企画より ベートブランドの商品の販売を始めたが、大手各 前にリクルートでは「ビアマジ!21」のようなター 社が参入したことで差別化ができなくなり共倒れ ゲットの年齢を限定した企画を実地している。全 国のスキー場が 19 歳限定でリフト券が無料になる ビールの味に抵抗がある人でも飲めるようになっ 「雪マジ!19」や、20 歳限定でJリーグの試合に ている。 無料招待する「Jマジ!20」などだ。これらは累計 またその他の要因としては、本場ベルギーのビー 数十万人規模の利用実績を挙げている。しかし「ビ ル賞受賞というニュース性、オシャレなパッケー アマジ!21」を含むこれらの企画はキャンペーン ジ、購入しやすい価格があげられる。パッケージは 期間だけの利用になってしまうこと、商品を無料 全体が爽やかなグリーンで、ライオンのシルエッ にするので必然的にコストが高くなってしまうこ トが描かれている。従来のビールとは違うイメー とが問題点として挙げられる。 ジを連想させるようなデザインで、ビールになじ (2)サッポロ みのない若者も思わず手に取ってみたくなるだろ サッポロはビールという商品そのものを若者向 う。価格はスーパーでは 105 円と非常に低価格で けにするというマーケティングをしている。その 購入できる。これはホワイトベルクが発泡酒のジ 商品が 2014 年 5 月 13 日にビールを飲まない若者 ャンルに分類される為である。 をターゲットにした「ホワイトベルク」である。こ ここでなぜ発泡酒また第三のビールは通常のビー の商品はベルギーのビール賞を受賞している最近 ルに比べて価格が安いのか、整理してみる。まずビ のビール業界のヒット商品だ。見た目はビールそ ールと発泡酒の違いは、麦芽使用率と使用原料か のものだが、コリアンダーシードとオレンジピー ら定められている。酒税法においてビールに分類 ルを使用し、従来のビールとはちがった華やかな されるためには、麦芽を原料の 3 分の 2 以上使用 香りとマイルドな味わいが人気になっている。製 し、副原料においても麦芽や麦、ホップ、米、とう 造面では、日本の大手メーカーが従来から行って もろこし、でんぷん等使用できるものが限定され いた製法とは異なり、ベルギービールのような製 ている。一方、発泡酒は麦芽使用率が 3 分の 2 未 法を取っている点が特徴である。 満、ビールとしては使用できない原料を使用して この従来のビールとは違う「ホワイトベルク」がヒ いる場合で、麦芽、麦を原料の一部とした発泡性を ットした要因を考え、挙げてみたいと思う。 有する酒類とされている。そして第三のビールと やはり第一の要因としては味だろう。 呼ばれているものは麦芽や麦を全く使用していな いものだ。 酒税法によりビールには酒税という税金がかけら れている。そしてその金額は麦芽の使用率に対し て変動する。麦芽使用率 3 分の 2 以上のビールは 1L あたり 222 円、350ml 缶だと 77 円の酒税がか けられている。発泡酒にかけられる酒税は麦芽使 用率 50%以上のものはビールと同じで、50%未満 参照 http://dime.jp/genre/8152/ ~25%以上のものは 1L あたり 178 円、350ml 缶 上の図から、若者のビールが嫌いな理由は「苦いか だと 62.4 円になる。しかし現在市場に出ている発 ら」で全体の半数以上を占めている。この苦みを克 泡酒は麦芽使用率が 25%以下のものがほとんどで 服したのが「ホワイトベルク」である。さわやかな ある。これは同じ発泡酒に分類されるなら、なるべ 柑橘系の香りと苦みの少ないスッキリとした後味。 く安く作りたいという製造者側の意図がある為で ある。市場に出ている麦芽使用率 25%以下の発泡 各社のそれぞれ異なったマーケティング方法を 酒は 1L あたり 134 円、350ml 缶だと 46.9 円の酒 取り上げたが、その中で私たちの班は若者のビー 税がかけられている。そして第三のビールは 1L あ ル離れ解決のために、サッポロが行った商品その たり 80 円、350ml 缶だと 28 円である。 ものを若者向けにする方法を採用したい。これは ホワイトベルクの場合は原材料が麦芽・ホップ・大 ゼミの授業で題材にしているSPSSを活用した 麦・コリアンダーシード・オレンジピール・スピリ 統計解析の知識を活かせると考えたからだ。そし ッツとなっており、麦芽使用率 25%以下の発泡酒 てSPSS以外にもアンケートを取り、若者のニ に分類されている。だから通常のビールより安い ーズを満たす商品を考案していく。 価格で提供できるのだ。 発泡酒は糖質何%off、プリン体何%off などビール ③―――事前調査 にはない特徴がある商品があるが、味に関しては 先ほどビールの出荷量の減少の理由に、消費者 ビールに劣るという意見が一般的だ。麦芽の使用 の節約志向や少子高齢化をあげたがこの 2 点は私 率がビールより少ないのでビールに負けてしまう 達の力では解決することが難しいので、若者がビ のは仕方ないといえる。しかしその麦芽使用率が ールを飲むようになればビールの市場拡大につな 少ないことを逆手に取ったのがホワイトベルクだ。 がると考え、ターゲットを若者(20~23 歳)に決定 麦芽が少ない分、風味をフルーティーにしビール し、新製品を開発することにした。新製品を開発す の劣化版という発泡酒の枠組みから脱したのだ。 るうえで、まずは 20 代前半の男女 44 人にビール (3)キリン に関するアンケートを実施した。 キリンは時代に沿ったマーケティングの仕方を している。それはアイフォーンを活用した取り組 みである。2011 年 9 月下旬から、アップルが開発 した新型広告「アイアド」を導入し、販売促進効果 を期待している。 「アイアド」は、アイフォーン のアプリを使用中に表示される。キリンが提供し ているアイアド「みんなカンパイ~ナ」では、画面 に表示された広告を指でなぞると、タレントが出 演する動画に続き、5つの無料コンテンツから選 べる画面に切り替わる。そこで飲んだお酒の量を 入力して酔い加減をチェックできる「飲みすぎ計 算機」などを利用できる。 このアイアドにより、 アイフォーンの主な利用者層である若者にお酒に 触れる機会を増やし、より身近に感じてもらうこ とが期待できる。しかし問題点としてはアプリを 起動中にしか効果を発揮しないので、まずアプリ をダウンロードしてもらわなければならないこと だ。 普段ビールを飲むか・飲まないかという質問に対 そして味わいに対しては、爽快感を最も重視して して、飲まないと答えた人が半数以上の 26 人で飲 いることが分かった。 まない理由の多くが、苦味があるというものであ 値段や容器に関するアンケートも実施した。 った。また普段ビールを飲まない人を対象にどの ようなビールを飲みたいかというアンケートを実 施した結果、 苦味が少ないビールを挙げた人が 1 番 多く、次にフルーツフレーバーのビール、アルコー ル度数の低いビールなどがあげられた。 缶ビールと瓶ビールではどちらを購入するかとい 多かった。350ml よりも少量の容器のビールを開 う質問では缶ビール、350ml と 500ml ではどちら 発した場合、普段ビールを購入しない消費者が購 を購入するかという質問では 350ml を選択する人 買する可能性がある。 がそれぞれ半数以上を占めた。価格に関しては、ビ 次に価格設定に関する考察である。アンケート ー ル の 市 場 平 均 値 段 か ら 考 慮 し て ¥ ~ 180 、 結果から、普段ビールを購入する消費者がビール ¥180~200、¥200~220、¥220~250 の 4 つの選択 の市場価格で平均的な価格である¥200~220 に選 肢をつくりこの中でどの価格なら購入したいかを 択が集中している点から普段ビールを購入する消 聞 い た と こ ろ 、 ¥200~220 が 1 番 多 く 、 次 が 費者が現在のビールの価格設定に満足しているこ ¥180~200、¥~180、¥220~250 という順番にな とがわかる。しかし、この結果に対して普段ビール った。 を購入しない消費者の回答は市場の平均価格より ここで注目したいのが、普段購入しない消費者 低めの集中している。このことから普段ビールを の値段設定と容量に関する意見である。ビールを 購入しない消費者は安めの価格を望む傾向にある。 普段購入しない消費者の方が、ビールを購入する これらの結果から容量が少なく、低めの価格設定 際、350ml を選ぶ割合が高かった。普段ビールを にすれば消費者の購買意欲を駆り立てることがで 購入しないが 350ml を選択した消費者の意見の中 きるのではないかと考えた。 で 350ml だと量が多く飲みきれないというものが ④―――仮説 現状分析、事前調査を踏まえて以下の仮説を設 ス)、オリオン(オリオン))のビールのブランド(銘 柄)に対して行った。回答方法は、五段階のリッカ 定する。 ート尺度(1.全くそう思わない、2.そう思わない、3.ど 仮説 1:事前調査から導き出した従来のものより苦 ちらでもない、4.少しそう思う、5.強くそう思う)で評 みが少なく、爽快感があるビールが若者に受ける 価してもらうものである。この他に性別と年齢(20 だろう。 歳から 23 歳) 、普段ビールを飲むか(1.飲む、2.飲 仮説 2:ビールに馴染みがない若者に対しては、現 まない)とそれぞれのビールのブランド(銘柄)に対 在販売している 350ml より少ない量で価格も低い する評価を 100 点満点で評価してもらった。実際 ビールを販売すれば、より売れるのではないか。 に使用したアンケートは図表 1、2、3、4 の通りで ⑤―――仮説の検証 ある。因子分析の前に、アンケート回答者の男女比 仮説 1 の検証 (図表 5)、ビールの消費状況(図表 6)、男女別のビ 調査対象者は 20 歳から 23 歳の男女 21 人であ る。アンケートの内容は、ビールの選好に関する質 問項目 15 個である。その 15 個の質問を、5 つ(ス ーパードライ(アサヒ)、キリン(キリンラガービール)、 サントリー(ザ・プレミアム・モルツ) 、サッポロ(ヱビ ールの消費状況(図表 7)を確認した。 問4 1 2 3 4 5 キリン(キリンラガービール) 1 2 3 4 5 サントリー(ザ・プレミアム・モルツ) 1 2 3 4 5 サッポロ(ヱビス) 1 2 3 4 5 オリオン(オリオン) 1 2 3 4 5 スーパードライ(アサヒ) 1 2 3 4 5 キリン(キリンラガービール) 1 2 3 4 5 サントリー(ザ・プレミアム・モルツ) 1 2 3 4 5 サッポロ(ヱビス) 1 2 3 4 5 オリオン(オリオン) 1 2 3 4 5 問5 ■図表―――1 ビールの選好に関するアンケート(1 枚目) 泡もちが良い スーパードライ(アサヒ) のど越しが良い ご協力のお願い この調査は、ビールに関する調査でありゼミの授業で利用することを目的として実施する 問6 ものです。調査結果はすべて統計的に処理いたしますので個人名の公表など皆様に迷惑を スーパードライ(アサヒ) 1 2 3 4 5 おかけすることは一切ございません。 キリン(キリンラガービール) 1 2 3 4 5 誠にお手数ではありますが、ご協力をお願いいたします。 サントリー(ザ・プレミアム・モルツ) 1 2 3 4 5 サッポロ(ヱビス) 1 2 3 4 5 オリオン(オリオン) 1 2 3 4 5 調査上の注意 苦味がある せっかくのご協力が無駄にならないためにも、必ずすべての質問に答えてください。 問7 パッケージがおしゃれ あなた自身のお気持ち、意見についてお伺いします。 スーパードライ(アサヒ) 1 2 3 4 5 あなたの考えに一番近い数字をひとつだけ選んで○をしてください。 キリン(キリンラガービール) 1 2 3 4 5 ※該当のビールを実際に飲んだことがない方はイメージでお答えください。 サントリー(ザ・プレミアム・モルツ) 1 2 3 4 5 サッポロ(ヱビス) 1 2 3 4 5 オリオン(オリオン) 1 2 3 4 5 1.全くそう思わない 問1 2.あまりそう思わない 3.どちらでもない 4.少しそう思う 5.強くそう思う 問8 キレ・爽快感がある 価格が適切である スーパードライ(アサヒ) 1 2 3 4 5 スーパードライ(アサヒ) 1 2 3 4 5 キリン(キリンラガービール) 1 2 3 4 5 キリン(キリンラガービール) 1 2 3 4 5 サントリー(ザ・プレミアム・モルツ) 1 2 3 4 5 サントリー(ザ・プレミアム・モルツ) 1 2 3 4 5 サッポロ(ヱビス) 1 2 3 4 5 サッポロ(ヱビス) 1 2 3 4 5 オリオン(オリオン) 1 2 3 4 5 オリオン(オリオン) 1 2 3 4 5 スーパードライ(アサヒ) 1 2 3 4 5 ■図表―――3 キリン(キリンラガービール) 1 2 3 4 5 サントリー(ザ・プレミアム・モルツ) 1 2 3 4 5 サッポロ(ヱビス) 1 2 3 4 5 オリオン(オリオン) 1 2 3 4 5 スーパードライ(アサヒ) 1 2 3 4 5 キリン(キリンラガービール) 1 2 3 4 5 サントリー(ザ・プレミアム・モルツ) 1 2 3 4 5 サッポロ(ヱビス) 1 2 3 4 5 オリオン(オリオン) 1 2 3 4 5 問2 後味が良い ビールの選好に関するアンケート(3 枚目) 問 9 香りが良い スーパードライ(アサヒ) 1 2 3 4 5 キリン(キリンラガービール) 1 2 3 4 5 サントリー(ザ・プレミアム・モルツ) 1 2 3 4 5 サッポロ(ヱビス) 1 2 3 4 5 オリオン(オリオン) 1 2 3 4 5 スーパードライ(アサヒ) 1 2 3 4 5 キリン(キリンラガービール) 1 2 3 4 5 ■図表―――2 サントリー(ザ・プレミアム・モルツ) 1 2 3 4 5 サッポロ(ヱビス) 1 2 3 4 5 ビールの選好に関するアンケート(2 枚目) オリオン(オリオン) 1 2 3 4 5 スーパードライ(アサヒ) 1 2 3 4 5 キリン(キリンラガービール) 1 2 3 4 5 サントリー(ザ・プレミアム・モルツ) 1 2 3 4 5 サッポロ(ヱビス) 1 2 3 4 5 オリオン(オリオン) 1 2 3 4 5 スーパードライ(アサヒ) 1 2 3 4 5 キリン(キリンラガービール) 1 2 3 4 5 サントリー(ザ・プレミアム・モルツ) 1 2 3 4 5 サッポロ(ヱビス) 1 2 3 4 5 オリオン(オリオン) 1 2 3 4 5 スーパードライ(アサヒ) 1 2 3 4 5 キリン(キリンラガービール) 1 2 3 4 5 サントリー(ザ・プレミアム・モルツ) 1 2 3 4 5 サッポロ(ヱビス) 1 2 3 4 5 オリオン(オリオン) 1 2 3 4 5 問3 コクがある 問 10 カロリーが適切である 問 11 家で飲みたい 問 12 平日に飲みたい 問 13 休日に飲みたい ■図表―――4 アンケート回答者のビールの消費状況は、普段 ビールの選好に関するアンケート(4 枚目) からビールを飲む人 9 名、普段はビールは飲まな 問 14 お風呂上りに飲みたい い人 12 名であった。普段はビールを飲まない回答 スーパードライ(アサヒ) 1 2 3 4 5 キリン(キリンラガービール) 1 2 3 4 5 サントリー(ザ・プレミアム・モルツ) 1 2 3 4 5 サッポロ(ヱビス) 1 2 3 4 5 オリオン(オリオン) 1 2 3 4 5 者の方がやや多かった。 ■図表―――7 アンケート回答者の男女別ビールの消費状況 問 15 味に飽きない(何度でも飲みたくなる) スーパードライ(アサヒ) 1 2 3 4 5 キリン(キリンラガービール) 1 2 3 4 5 サントリー(ザ・プレミアム・モルツ) 1 2 3 4 5 サッポロ(ヱビス) 1 2 3 4 5 オリオン(オリオン) 1 2 3 4 5 それぞれのビールは 100 点満点で何点くらいか、お答えください。 スーパードライ(アサヒ) ( )点 キリン(キリンラガービール) ( )点 サントリー(ザ・プレミアム・モルツ) ( )点 サッポロ(ヱビス) ( )点 オリオン(オリオン) ( )点 8 10 8 6 4 2 0 54 4 飲む 飲まない 男性 女性 最後にあなたについて教えてください。 性別 男性 年齢 ( 女性 )歳 ご協力ありがとうございました。 ■図表―――5 アンケート回答者の男女比 男性の方が普段からビールを消費している割合 が高く、女性の方が低いということが確認出来た。 因子分析 次にアンケート調査の結果を元に、因子分析を 実行し、その結果を確認した。因子抽出は主因子法、 回転はバリマックス回転で因子分析を行った。そ の結果として得られた共通性は図表 8 の通りであ る。尚、表記されている質問項目は短縮されたもの になっているため、正式なものについては、実際に 使用したアンケートの資料(図表 1、2、3、4)を参照 していただきたい。まず、共通性の確認を行った(図 アンケート回答者の性別の内訳は、男性 9 名、女 表 8)。 性 12 名の総勢 21 名であった。女性の方がやや多 ■図表―――8 かった。 共通性の確認 ■図表―――6 アンケート回答者のビールの消費状況 た。併せてスクリープロットも確認した(図表 10)。 共通性 初期 因子抽出後 ■図表―――10 スクリープロット キレ .580 .626 後味が良い .554 .470 コクがある .580 .632 泡もちが良い .635 .734 のど越しが良い .645 .622 苦みがある .503 .597 パッケージがおしゃれ .511 .521 価格が適切である .518 .625 香りが良い .633 .555 カロリーが適切である .486 .460 家で飲みたい .776 .746 平日に飲みたい .795 .796 休日に飲みたい .668 .686 ることが確認出来た。次に回転後因子行列(図表 11) お風呂上りに飲みたい .794 .806 を確認した。この回転後因子行列は便宜上、サイズ 味に飽きない .631 .580 による並び替えがされてある状態である。 スクリープロットからも 4 つの因子に分けられ 因子抽出法: 主因子法 0.4 以下の共通性の値の低い項目はないという ことが確認できた。 「お風呂上りに飲みたい」が一 番共通性が高く、 「カロリーが適切である」が一番 低いという結果になった。次に説明された分散の 合計を確認した(図表 9)。 ■図表―――9 ■図表―――11 説明された分散の合計 回転後因子行列 説明された分散の合計 因子 初期の固有値 合計 分散の % 抽出後の負荷量平方和 累積 % 合計 分散の % 回転後の負荷量平方和 累積 % 合計 分散の % 累積 % 1 5.303 35.356 35.356 4.968 33.119 33.119 3.597 23.982 23.982 2 2.539 16.924 52.280 2.151 14.342 47.461 2.326 15.504 39.486 3 1.888 12.587 64.868 1.523 10.152 57.613 1.918 12.788 52.274 4 1.190 7.936 72.804 .816 5.437 63.050 1.616 10.776 63.050 5 .778 5.187 77.991 6 .680 4.534 82.525 7 .556 3.705 86.230 8 .433 2.885 89.115 9 .362 2.412 91.527 10 .319 2.125 93.652 11 .255 1.701 95.354 12 .222 1.479 96.833 13 .212 1.414 98.247 14 .147 .983 99.230 15 .116 .770 100.000 因子抽出法: 主因子法 固定値 1 以上は 4 つで、因子は 4 つに分けられ 回転後の因子行列a 報告書 因子 1 点数 2 3 4 ブランド名 お風呂上りに飲みたい .863 .043 .097 .223 平日に飲みたい .836 .124 .162 .236 平均値 スーパードライ(アサヒ) キリン(キリンラガービー 度数 標準偏差 74.90 21 13.572 68.76 21 10.733 72.71 21 13.554 21 12.172 家で飲みたい .809 .223 .165 .118 休日に飲みたい .771 .236 -.039 -.184 味に飽きない .725 .117 .174 .103 泡もちが良い .177 .791 .277 -.016 コクがある .130 .776 -.114 .031 サッポロ(ヱビス) 72.57 香りが良い .162 .712 -.075 .131 オリオン(オリオン) 70.48 21 12.671 パッケージがおしゃれ .177 .523 -.187 .426 合計 71.89 105 12.519 苦みがある .018 .087 .763 .089 キレ .249 -.269 .686 .143 のど越しが良い .225 -.030 .660 .368 価格が適切である .049 -.006 .177 .769 カロリーが適切である .133 .169 .258 .589 後味が良い .374 .268 .328 .388 因子抽出法: 主因子法 ル) サントリー(ザ・プレミア ム・モルツ) 平均値は、スーパードライ(アサヒ)、サントリー (ザ・プレミアム・モルツ)、サッポロ(ヱビス)、オリ オン(オリオン)、キリン(キリンラガービール)の順 に高かった。 回転法: Kaiser の正規化を伴うバリマックス法 次に、これらの平均点の結果が、ブランドごとに a. 6 回の反復で回転が収束しました。 回転後因子行列から赤い枠線の通りに 4 つの因 非常に似通っていて、僅差であったため、一元配置 子に分けた。第一因子を「リラックス因子」 、第二 分散分析をして確認することにした(図表 14)。 因子を「濃厚因子」 、第三因子を「爽快因子」第四 ■図表―――14 因子を「家庭的因子」とそれぞれ名付けた。次に、 一元配置分散分析 單因子變異數分析 選好回帰分析を用いて、これらの 4 つの因子の有 点数 意確率を確認した(図表 12)。 平方和 ■図表―――12 選好回帰分析 係数a モデル 標準化されていない係数 B (定数) REGR factor score 1 for analysis 1 REGR factor score 1 .766 9.153 .808 1.115 t 値 有意確率 ベータ 3 for 4 for analysis 1 4 115.586 グループ内 15836.286 100 158.363 合計 16298.629 104 F 値 .730 有意確率 .574 分散分析の有意確率が 0.574 と 0.05 より大きい ので平均点に有意差が無いということが分かった。 .000 .698 11.332 .000 しかし、ここでは有意差が見られなかったが、アン .834 .082 1.336 .184 ケート調査対象者の数が 21 人と少ないのもあり、 3.014 .868 .215 3.474 .001 差を見逃してしまった可能性も十分に考えられる。 3.112 .895 .215 3.477 .001 次に、前述の選好回帰分析で、有意であると確認 analysis 1 REGR factor score 平均平方 462.343 93.879 2 for analysis 1 REGR factor score 標準誤差 71.886 標準化係数 自由度 グループ間 a. 従属変数 点数 出来た第一因子、第三因子、第四因子に着目して、 第二因子以外、有意確率が 0.05 以下で、有意性 知覚マップを作成した(図表 15、16、17、18)。ここ が確認出来た。この結果から、第二因子以外の第一 で作成した知覚マップは、選好回帰分析(図表 12) 因子、第三因子、第四因子に着目して、知覚マップ によって得られた数値(図表 12 の青い枠線)を利用 を作ることにした。次に、アンケートで質問した各 して作られた理想ベクトル付きのものである。し ブランド(銘柄)の点数の結果を確認した(図表 13)。 かし、選好回帰分析によって得られたそのままの ■図表―――13 数値を用いると、理想ベクトルと各ブランドの位 各ブランド(銘柄)の点数の結果 置が離れすぎてしまうため、全て 100 で割った数 値を使用して作成している。 ■図表―――15 三次元の知覚マップ ■図表―――18 知覚マップ 3 ■図表―――16 知覚マップ 1 平均値が最も高く、人気であったスーパードラ イ(アサヒ) は、爽快因子が最も高かった。また、 リラックス因子は高めであった。このことから、爽 快感が味わえ、リラックスしているときに飲みた くなるビールが人気を集める傾向にあるのではな いかと考えた。同じく、2 番目に人気であったサン トリー(ザ・プレミアム・モルツ)もリラックス因子 は 1 位のスーパードライ(アサヒ)と同様に高めで、 最も高かった。しかし、爽快因子はかなり低めであ った。このことから極端に爽快感がある、あるいは 極端に濃厚であるビールは人気が出ると考えた。 しかし、リラックス因子はスーパードライ(アサヒ) より高めであるのに、サントリー(ザ・プレミアム・ ■図表―――17 モルツ)の方が低い評価であったことから、濃厚で 知覚マップ 2 あるよりかは爽快感があると人気が出る傾向にあ るのではないかと考えた。次に、最も人気がなかっ グループ統計量 普段ビールを飲むか たキリン(キリンラガービール)と次いで人気のなか N 平均値 標準偏差 平均値の標準誤差 飲む 45 75.91 8.415 1.254 飲まない 60 68.87 14.206 1.834 点数 ったオリオン(オリオン)は、共通してリラックス 因子が低かった。このことからもリラックス因子 普段からビールを飲む人の平均値は 75.91 で、 がビールの人気と大きく関わっていることが分か 飲まない人の平均値は 68.87 となっていることか る。これらのことから、前回のアンケートから導き ら、普段ビールを飲まない人は飲む人と比べて、低 出した仮説である「爽快感があるビールが若者に めの点数を付ける傾向にあることが分かった。次 受ける」という仮説が証明されたと考えた。また、 に、男女間での差を確認した(図表 21、22)。 新たにリラックス因子の重要さも発見された。 ■図表―――21 次に t 検定をすることで、普段からビールを飲 t検定(男性、女性) む人と飲まない人の間(図表 19、20)と男女間(図表 独立サンプルの検定 等分散性のための Levene の検定 21、22)で、ビールのブランド全体に対して付ける F 値 点数に差があるのかということを確認した。 等分散を仮定する。 有意確率 .564 2 つの母平均の差の検定 t 値 .455 自由度 3.689 103 3.697 95.670 点数 等分散を仮定しない。 ■図表―――19 t検定(普段ビールを飲む人、飲まない人) 独立サンプルの検定 2 つの母平均の差の検定 有意確率 (両側) 独立サンプルの検定 等分散性のための Levene の検定 F 値 等分散を仮定する。 有意確率 23.673 差の標準誤差 差の 95% 信頼区間 下限 2 つの母平均の差の検定 t 値 .000 平均値の差 自由度 上限 等分散を仮定する。 .000 8.600 2.331 3.976 13.224 等分散を仮定しない。 .000 8.600 2.326 3.982 13.218 点数 2.958 103 3.170 98.275 点数 等分散を仮定しない。 等分散性のための Levene の有意確率を見ると、 0.455 と 0.05 より高いため、有意ではない。従っ 独立サンプルの検定 2 つの母平均の差の検定 有意確率 (両側) 平均値の差 差の標準誤差 差の 95% 信頼区間 下限 て、等分散を仮定する。T 検定の有意確率(両側) 上限 等分散を仮定する。 .004 7.044 2.382 2.321 11.768 等分散を仮定しない。 .002 7.044 2.222 2.635 11.454 点数 の結果は 0.000 であり、0.05 より低いので平均値 に有意差があるということが分かった。つまりビ 等分散性のための Levene の有意確率を見ると、 ールのブランド全体に付ける点数の平均は、男女 0.000 と 0.05 よりも低いため、有意であり、等分 間で差があるということが分かった。次に、グルー 散を仮定しない。T 検定の有意確率(両側)の結果 プ統計量の平均値を確認した(図表 22) 。 は 0.002 であり、0.05 より低いため平均値に有意 ■図表―――22 差があるということが分かった。つまりビールの グループ統計量(男性、女性) グループ統計量 ブランド全体に付ける点数の平均は、普段からビ 性別 ールを飲む人と、飲まない人の間で差があるとい うことが分かった。次に、グループ統計量の平均値 を確認した(図表 20) 。 N 平均値 標準偏差 平均値の標準誤差 男性 45 76.80 11.721 1.747 女性 60 68.20 11.898 1.536 点数 男性の平均値は 76.80 で、女性の平均値は 68.20 となっていることから、女性は男性と比べて、低め ■図表―――20 の点数を付ける傾向にあることが分かった。前述 グループ統計量(普段ビールを飲む人、飲まない人) の普段からビールを飲む人と、飲まない人のビー ルのブランド全体に対して付ける点数の差の結果 と似通っていることが分かる。この結果は単純に スーパードライ(アサヒ) 男性の方が、普段からビールを飲んでいる人が多 グループ統計量(普段ビールを飲む人、飲まない人) いためであると考えた。 グループ統計量 普段ビールを飲むか 次に、ブランドごとに、同じく t 検定をすること 平均値 N 飲む 標準偏差 平均値の標準誤差 9 79.78 7.530 2.510 12 71.25 16.114 4.652 点数 飲まない で、普段からビールを飲む人と飲まない人の間と 男女間で、ビールのブランドそれぞれに対して付 普段からビールを飲む人の平均値は 79.78 で、 ける点数に差があるのかということを確認した(図 飲まない人の平均値は 71.25 となっていることか 表 23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、 ら、普段ビールを飲まない人は飲む人と比べて、低 35、36、37、38、39、40、41、42) 。最初に、スーパー めの点数を付ける傾向にあることが分かった。次 ドライ(アサヒ)から確認することにした(図表 23、 に男女間での差を確認した(図表 25、26)。 24、25、26)。 ■図表―――25 ■図表―――23 スーパードライ(アサヒ) スーパードライ(アサヒ) t検定(男性、女性) t検定(普段ビールを飲む人、飲まない人) 独立サンプルの検定 等分散性のための Levene の検定 独立サンプルの検定 F 値 等分散性のための Levene の検定 F 値 有意確率 2 つの母平均の差の検定 t 値 自由度 2 つの母平均の差の検定 有意確率 t 値 自由度 等分散を仮定する。 .081 .779 2.149 19 2.084 15.203 点数 等分散を仮定しない。 等分散を仮定する。 8.363 .009 1.465 19 1.613 16.423 点数 等分散を仮定しない。 独立サンプルの検定 2 つの母平均の差の検定 独立サンプルの検定 有意確率 (両側) 2 つの母平均の差の検定 有意確率 (両側) 平均値の差 差の標準誤差 平均値の差 差の標準誤差 下限 差の 95% 信頼区間 下限 差の 95% 信頼区間 上限 上限 等分散を仮定する。 .045 11.833 5.507 .307 23.360 等分散を仮定しない。 .054 11.833 5.678 -.255 23.921 点数 等分散を仮定する。 .159 8.528 5.820 -3.654 20.709 等分散を仮定しない。 .126 8.528 5.286 -2.654 19.709 点数 等分散性のための Levene の有意確率を見ると、 等分散性のための Levene の有意確率を見ると、 0.009 と 0.05 よりも低いため、有意であり、等分 0.779 と 0.05 より高いため、有意ではない。した 散を仮定しない。t検定の有意確率(両側)の結果 がって、等分散を仮定する。T 検定の有意確率(両 は 0.126 であり、0.05 より高いため平均値に有意 側)の結果は 0.045 であり、0.05 より低いので平 差がないということが分かった。しかし、ここでは 均値に有意差があるということが分かった。つま 有意差が見られなかったが、アンケート調査対象 り、スーパードライ(アサヒ)に付ける点数は、男 者の数が 21 人と少ないのもあり、差を見逃してし 女間で差があるということが分かった。次に、グル まった可能性も十分に考えられる。また、グループ ープ統計量の平均値を確認した(図表 26)。 統計量では、平均値に差が出ていたため確認する ことにした(図表 24)。 ■図表―――24 ■図表―――26 スーパードライ(アサヒ) キリン(キリンラガービール) グループ統計量(男性、女性) グループ統計量(普段ビールを飲む人、飲まない人) グループ統計量 性別 平均値 N グループ統計量 標準偏差 平均値の標準誤差 男性 9 81.67 13.919 4.640 女性 12 69.83 11.336 3.273 点数 普段ビールを飲むか 平均値 N 飲む 標準偏差 平均値の標準誤差 9 73.22 8.423 2.808 12 65.42 11.373 3.283 点数 飲まない 男性の平均値は 81.67 で、女性の平均値は 69.83 普段からビールを飲む人の平均値は 73.22 で、 となっていることから、男性は女性と比べて、かな 飲まない人の平均値は 65.42 となっていることか り高めの点数を付ける傾向にあることが分かった。 ら、普段からビールを飲まない人は飲む人と比べ 図表 23 の普段ビールを飲む人と飲まない人との間 て、低めの点数を付ける傾向にあることが分かっ には有意差が見られず、差があることは確定的で た。次に男女間での差を確認した(図表 29、30)。 はない上に、平均値(図表 24)にもそれほどの差が ■図表―――29 見られなかったことから、男性は女性に比べて極 キリン(キリンラガービール) 端にスーパードライ(アサヒ)の様なビールを好ん t検定(男性、女性) でいる傾向にあると考えた。次にキリン(キリンラ 独立サンプルの検定 等分散性のための Levene の検定 ガービール)について、確認した(図表 27、28、29、 F 値 30)。 等分散を仮定する。 2 つの母平均の差の検定 有意確率 .005 t 値 .943 自由度 1.487 19 1.475 16.862 点数 等分散を仮定しない。 ■図表―――27 独立サンプルの検定 キリン(キリンラガービール) 2 つの母平均の差の検定 有意確率 (両側) t検定(普段ビールを飲む人、飲まない人) 等分散性のための Levene の検定 等分散を仮定する。 差の 95% 信頼区間 下限 2 つの母平均の差の検定 有意確率 1.361 差の標準誤差 上限 等分散を仮定する。 .153 6.833 4.596 -2.785 16.452 等分散を仮定しない。 .159 6.833 4.632 -2.945 16.612 点数 独立サンプルの検定 F 値 平均値の差 t 値 .258 自由度 1.729 19 1.807 19.000 等分散性のための Levene の有意確率を見ると、 0.943 と 0.05 よりも高いため、有意ではない。し 点数 等分散を仮定しない。 側)の結果は 0.153 であり、0.05 より高いため平 独立サンプルの検定 2 つの母平均の差の検定 有意確率 (両側) 平均値の差 たがって、等分散を仮定する。t検定の有意確率(両 差の標準誤差 差の 95% 信頼区間 下限 上限 等分散を仮定する。 .100 7.806 4.513 -1.641 17.252 等分散を仮定しない。 .087 7.806 4.320 -1.236 16.847 均値に有意差がないということが分かった。しか し、今回も差を見逃してしまった可能性が考えら 点数 分散性のための Levene の有意確率を見ると、 れる。次に、グループ統計量を確認した(図表 30)。 ■図表―――30 0.258 と 0.05 よりも高いため、有意ではない。し キリン(キリンラガービール) たがって、等分散を仮定する。t検定の有意確率(両 グループ統計量(男性、女性) グループ統計量 側)の結果は 0.100 であり、0.05 より高いため平 性別 均値に有意差がないということが分かった。しか し、前述のスーパードライ(アサヒ)と同様に、差 を見逃してしまった可能性が考えられる。次に、グ 平均値 N 標準偏差 平均値の標準誤差 男性 9 72.67 10.735 3.578 女性 12 65.83 10.188 2.941 点数 男性の平均値は 72.67 で、女性の平均値は 65.83 ループ統計量を確認した(図表 28)。 となっていることから、男性は女性と比べて、高め ■図表―――28 の点数を付ける傾向にあることが分かった。次に、 サントリー(ザ・プレミアム・モルツ)について確認 サントリー(ザ・プレミアム・モルツ) した(図表 31、32、33、34)。 t検定(男性、女性) ■図表―――31 独立サンプルの検定 等分散性のための Levene の検定 サントリー(ザ・プレミアム・モルツ) F 値 t検定(普段ビールを飲む人、飲まない人) 等分散を仮定する。 2 つの母平均の差の検定 有意確率 3.210 t 値 .089 自由度 2.010 19 2.138 18.696 点数 等分散を仮定しない。 独立サンプルの検定 等分散性のための Levene の検定 F 値 2 つの母平均の差の検定 有意確率 t 値 独立サンプルの検定 自由度 2 つの母平均の差の検定 有意確率 (両側) 等分散を仮定する。 7.766 .012 1.063 19 1.135 18.534 2 つの母平均の差の検定 平均値の差 差の 95% 信頼区間 上限 等分散を仮定する。 .059 11.194 5.568 -.460 22.849 等分散を仮定しない。 .046 11.194 5.236 .223 22.166 点数 等分散性のための Levene の有意確率を見ると、 独立サンプルの検定 有意確率 (両側) 差の標準誤差 下限 点数 等分散を仮定しない。 平均値の差 差の標準誤差 差の 95% 信頼区間 下限 上限 等分散を仮定する。 .301 6.333 5.957 -6.136 18.802 等分散を仮定しない。 .271 6.333 5.579 -5.363 18.029 0.089 と 0.05 よりも高いため、有意ではない。し たがって、等分散を仮定する。t検定の有意確率(両 点数 等分散性のための Levene の有意確率を見ると、 側)の結果は 0.059 であり、0.05 より高いため平 均値に有意差がないということが分かった。しか 0.012 と 0.05 よりも低いため、有意であり、等分 し、今回も差を見逃してしまった可能性が考えら 散を仮定しない。t検定の有意確率(両側)の結果 れる。次に、グループ統計量を確認した(図表 34)。 は 0.271 であり、0.05 より高いため平均値に有意 ■図表―――34 差がないということが分かった。しかし、今回も差 サントリー(ザ・プレミアム・モルツ) を見逃してしまった可能性が考えられる。次に、グ グループ統計量(男性、女性) グループ統計量 ループ統計量を確認した(図表 32)。 性別 ■図表―――32 グループ統計量(普段ビールを飲む人、飲まない人) 飲む 平均値 平均値の標準誤差 9 79.11 9.400 3.133 女性 12 67.92 14.532 4.195 男性の平均値は 79.11 で、女性の平均値は 67.92 となっていることから、男性は女性と比べて、高め グループ統計量 N 標準偏差 男性 点数 サントリー(ザ・プレミアム・モルツ) 普段ビールを飲むか 平均値 N 標準偏差 平均値の標準誤差 9 76.33 9.798 3.266 12 70.00 15.667 4.523 の点数を付ける傾向にあることが分かった。今回 点数 飲まない は、有意差こそ見ることが出来なかったが、ある程 普段からビールを飲む人の平均値は 76.33 で、 度大きな差を確認出来たため、男性は先ほどのス 飲まない人の平均値は 70.00 となっていることか ーパードライ(アサヒ)に加え、サントリー(ザ・プ ら、普段からビールを飲まない人は飲む人と比べ レミアム・モルツ)の様なビールも好んでいる傾向に て、低めの点数を付ける傾向にあることが分かっ あるのではないかと考えた。次に、サッポロ(ヱビ た。次に男女間での差を確認した(図表 33、34)。 ス)について、確認した(図表 35、36、37、38)。 ■図表―――33 ■図表―――35 サッポロ(ヱビス) サッポロ(ヱビス) t検定(普段ビールを飲む人、飲まない人) t検定(男性、女性) 独立サンプルの検定 独立サンプルの検定 等分散性のための Levene の検定 F 値 等分散を仮定する。 有意確率 4.007 等分散性のための Levene の検定 2 つの母平均の差の検定 t 値 .060 F 値 自由度 1.204 19 1.307 17.545 点数 等分散を仮定しない。 等分散を仮定する。 .029 .867 等分散を仮定しない。 自由度 1.487 19 1.483 17.234 独立サンプルの検定 2 つの母平均の差の検定 平均値の差 t 値 点数 独立サンプルの検定 有意確率 (両側) 2 つの母平均の差の検定 有意確率 差の標準誤差 2 つの母平均の差の検定 差の 95% 信頼区間 下限 有意確率 (両側) 平均値の差 差の標準誤差 上限 等分散を仮定する。 .244 6.389 5.308 -4.721 17.499 等分散を仮定しない。 .208 6.389 4.887 -3.898 16.676 点数 等分散性のための Levene の有意確率を見ると、 差の 95% 信頼区間 下限 上限 等分散を仮定する。 .153 7.750 5.212 -3.159 18.659 等分散を仮定しない。 .156 7.750 5.224 -3.261 18.761 点数 等分散性のための Levene の有意確率を見ると、 0.060 と 0.05 よりも高いため、有意ではない。し 0.867 と 0.05 よりも高いため、有意ではない。し たがって、等分散を仮定する。t検定の有意確率(両 たがって、等分散を仮定する。t検定の有意確率(両 側)の結果は 0.244 であり、0.05 より高いため平 側)の結果は 0.153 であり、0.05 より高いため平 均値に有意差がないということが分かった。しか 均値に有意差がないということが分かった。しか し、今回も差を見逃してしまった可能性が考えら し、今回も差を見逃してしまった可能性が考えら れる。次に、グループ統計量を確認した(図表 36)。 れる。次に、グループ統計量を確認した(図表 38)。 ■図表―――36 ■図表―――38 サッポロ(ヱビス) サッポロ(ヱビス) グループ統計量(普段ビールを飲む人、飲まない人) グループ統計量(男性、女性) グループ統計量 グループ統計量 普段ビールを飲むか 飲む 平均値 N 標準偏差 平均値の標準誤差 性別 男性 9 77.00 11.927 3.976 女性 12 69.25 11.741 3.389 9 76.22 7.742 2.581 12 69.83 14.377 4.150 点数 飲まない 平均値 N 標準偏差 平均値の標準誤差 点数 普段からビールを飲む人の平均値は 76.22 で、 普段からビールを飲む人の平均値は 77.00 で、 飲まない人の平均値は 69.83 となっていることか 飲まない人の平均値は 69.25 となっていることか ら、普段からビールを飲まない人は飲む人と比べ ら、普段からビールを飲まない人は飲む人と比べ て、低めの点数を付ける傾向にあることが分かっ て、低めの点数を付ける傾向にあることが分かっ た。次に男女間での差を確認した(図表 37、38、39、 た。最後に、オリオン(オリオン)について、確認 40)。 した(図表 39、40、41、42)。 ■図表―――37 ■図表―――39 オリオン(オリオン) オリオン(オリオン) t検定(普段ビールを飲む人、飲まない人) t検定(男性、女性) 独立サンプルの検定 独立サンプルの検定 等分散性のための Levene の検定 F 値 等分散を仮定する。 2 つの母平均の差の検定 有意確率 6.829 t 値 .017 等分散性のための Levene の検定 自由度 F 値 1.110 19 1.193 18.210 点数 等分散を仮定する。 2 つの母平均の差の検定 有意確率 .132 t 値 .721 自由度 .963 19 .970 17.825 点数 等分散を仮定しない。 等分散を仮定しない。 独立サンプルの検定 独立サンプルの検定 2 つの母平均の差の検定 有意確率 (両側) 平均値の差 差の標準誤差 2 つの母平均の差の検定 差の 95% 信頼区間 下限 有意確率 (両側) 上限 等分散を仮定する。 .281 6.167 5.555 -5.461 17.794 等分散を仮定しない。 .248 6.167 5.168 -4.682 17.016 平均値の差 差の標準誤差 差の 95% 信頼区間 下限 上限 点数 等分散を仮定する。 .348 5.389 5.598 -6.327 17.105 等分散を仮定しない。 .345 5.389 5.558 -6.295 17.073 点数 等分散性のための Levene の有意確率を見ると、 0.017 と 0.05 よりも低いため、有意であり、等分 等分散性のための Levene の有意確率を見ると、 散を仮定しない。t検定の有意確率(両側)の結果 0.721 と 0.05 よりも高いため、有意ではない。し は 0.248 であり、0.05 より高いため平均値に有意 たがって、等分散を仮定する。t検定の有意確率(両 差がないということが分かった。しかし、今回も差 側)の結果は 0.348 であり、0.05 より高いため平 を見逃してしまった可能性が考えられる。次に、グ 均値に有意差がないということが分かった。しか ループ統計量を確認した(図表 40)。 し、今回も差を見逃してしまった可能性が考えら ■図表―――40 れる。次に、グループ統計量を確認した(図表 42)。 オリオン(オリオン) ■図表―――42 グループ統計量(普段ビールを飲む人、飲まない人) オリオン(オリオン) グループ統計量(男性、女性) グループ統計量 普段ビールを飲むか 飲む 平均値 N 9 74.00 標準偏差 8.746 平均値の標準誤差 グループ統計量 2.915 点数 飲まない 性別 12 67.83 14.782 4.267 普段からビールを飲む人の平均値は 74.00 で、 平均値 N 標準偏差 平均値の標準誤差 男性 9 73.56 12.340 4.113 女性 12 68.17 12.946 3.737 点数 飲まない人の平均値は 67.83 となっていることか 普段からビールを飲む人の平均値は 73.56 で、 ら、普段からビールを飲まない人は飲む人と比べ 飲まない人の平均値は 68.17 となっていることか て、低めの点数を付ける傾向にあることが分かっ ら、普段からビールを飲まない人は飲む人と比べ た。次に男女間での差を確認した(図表 41、42)。 て、低めの点数を付ける傾向にあることが分かっ た。 ブランドごとの t 検定結果のまとめ アンケート調査対象者のサンプル数が少ないこと から、あまり確証的な結果を得ることが出来なか った。全体的な結果としては、やはり普段からビー ルを飲む人と飲まない人では、飲む人の方が高め の点数を付ける傾向にあり、したがって男性の方 が、普段からビールを飲んでいる割合が高いとい ■図表―――41 うのもあって、女性よりも高めの点数を付ける傾 向にある。5 つのブランドの内、スーパードライ(ア 共通性の確認 2(普段ビールを飲む人) サヒ)の男女間の点数だけは、有意差が確認できた。 共通性 更に、 男性の平均値は 81.67、 女性の平均値は 69.83 初期 因子抽出後 とかなりの差が確認出来た。このことから、スーパ キレ .729 .666 ードライ(アサヒ)は男性から非常に好印象を受け コクがある .794 .619 ていると考えた。 泡もちが良い .799 .830 のど越しが良い .802 .616 苦みがある .654 .718 パッケージがおしゃれ .538 .550 価格が適切である .647 .750 香りが良い .859 .700 次に、普段からビールを飲む人と飲まない人、そ れぞれに分けて因子分析をすることで、両者にど のような違いがあるのか分析することにした。因 子分析の方法は、先ほどと同じ、因子抽出は主因子 法、回転はバリマックス回転である。まず、普段か カロリーが適切である .573 .382 らビールを飲む人から因子分析をし、共通性を確 家で飲みたい .733 .595 認した(図表 43)。 平日に飲みたい .797 .795 ■図表―――43 休日に飲みたい .743 .749 共通性の確認 1(普段ビールを飲む人) お風呂上りに飲みたい .852 .941 味に飽きない .704 .527 共通性 初期 再度、因子分析をした結果、0.4 以下という共線 因子抽出後 キレ .759 .727 性の低い項目は見られなかった。次に説明された 後味が良い .500 .279 分散の合計を確認した(図表 45)。 コクがある .806 .643 ■図表―――45 泡もちが良い .838 .844 説明された分散の合計(普段ビールを飲む人) のど越しが良い .821 .833 苦みがある .683 .632 説明された分散の合計 因子 初期の固有値 合計 パッケージがおしゃれ 価格が適切である .555 .648 .591 .630 香りが良い .861 .832 カロリーが適切である .573 .470 家で飲みたい 平日に飲みたい 休日に飲みたい .746 .798 .744 .841 .789 .786 お風呂上りに飲みたい .852 .947 味に飽きない .733 .574 共通性を確認したところ、 「後味が良い」という 項目の数値が 0.4 以下であったため、これを削除 して、再度因子分析を実行した(図表 44)。 ■図表―――44 分散の % 抽出後の負荷量平方和 累積 % 合計 分散の % 回転後の負荷量平方和 累積 % 合計 分散の % 1 4.797 34.261 34.261 4.498 32.126 32.126 3.213 22.950 2 3.079 21.990 56.252 2.761 19.719 51.845 2.781 19.866 3 1.625 11.604 67.855 1.291 9.220 61.066 1.790 12.788 4 1.140 8.143 75.998 .889 6.351 67.416 1.654 11.813 5 .899 6.420 82.419 6 .561 4.011 86.429 7 .445 3.181 89.610 8 .380 2.715 92.325 9 .319 2.280 94.605 10 .302 2.154 96.758 11 .200 1.426 98.184 12 .110 .787 98.971 13 .082 .582 99.554 14 .062 .446 100.000 ■図表―――47 説明された分散の合計 因子 回転後の負荷量平方和 累積 1 22.950 2 42.815 3 55.603 4 回転後因子行列(普段ビールを飲む人) % 回転後の因子行列a 因子 1 67.416 2 3 4 5 泡もちが良い .894 .071 .117 .111 6 コクがある .772 .111 -.075 .070 7 香りが良い .764 .233 -.234 .083 8 休日に飲みたい .711 .429 -.116 -.214 9 パッケージがおしゃれ .455 .143 -.378 .424 10 お風呂上りに飲みたい .105 .924 .006 .275 11 平日に飲みたい .143 .838 .111 .244 12 家で飲みたい .357 .660 .157 .087 13 味に飽きない .355 .470 .353 .236 14 苦みがある .035 .001 .845 -.060 キレ -.432 .344 .601 .006 のど越しが良い -.193 .291 .568 .414 価格が適切である .003 .123 .013 .857 カロリーが適切である .106 .272 .044 .544 固定値 1 以上は 4 つで、因子は 4 つに分けられ た。併せてスクリープロットも確認した(図表 46)。 ■図表―――46 スクリープロット(普段ビールを飲む人) 回転後因子行列から赤い枠線の通りに 4 つの因 子に分けた。第一因子を「濃厚因子」 、第二因子を 「リラックス因子」 、第三因子を「爽快因子」第四 因子を「家庭的因子」とそれぞれ名付けた。次に、 選好回帰分析を用いて、これらの 4 つの因子の有 意確率を確認した(図表 48)。 ■図表―――48 選好回帰分析(普段ビールを飲む人) 係数a モデル 標準化されていない係数 標準誤差 B (定数) スクリープロットからも 4 つの因子に分けられ REGR factor score ることが分かった。次に回転後因子行列を見る(図 REGR factor score 標準化係数 t 値 有意確率 ベータ 75.911 1.017 74.657 .000 .657 1.069 .075 .614 .542 4.638 1.063 .535 4.363 .000 2.174 1.125 .236 1.932 .060 1.689 1.139 .182 1.484 .146 1 for analysis 1 1 2 for analysis 1 表 47)。この回転後因子行列も同じく便宜上、サイ REGR factor score ズによる並び替えがされてある状態である。 REGR factor score 3 for analysis 1 4 for analysis 1 今回は残念なことに、第二因子以外すべて、有意 確率が 0.05 以上であり、有意性が確認出来なかっ た。この結果から、第二因子と、一番 0.05 に近か った第三因子に着目して知覚マップを作ることに した。次に、アンケートで質問した各ブランド(銘 柄)の点数の結果を確認した(図表 49)。 ■図表―――49 平均点が一番高く人気であったスーパードライ 各ブランドの点数の結果(普段ビールを飲む人) クス因子は最も高かった。このことから、爽快感が 報告書 味わえ、リラックスしているときに飲みたくなる 点数 ブランド名 スーパードライ(アサヒ) (アサヒ)は、爽快因子が高かった。また、リラッ 平均値 度数 標準偏差 ビールが人気を集める傾向にあるのではないかと 79.78 9 7.530 73.22 9 8.423 76.33 9 9.798 分析をした。まず、共線性の確認をした(図表 51)。 サッポロ(ヱビス) 76.22 9 7.742 ■図表―――51 オリオン(オリオン) 74.00 9 8.746 合計 75.91 45 8.415 考えた。 キリン(キリンラガービー ル) サントリー(ザ・プレミア ム・モルツ) 次に、普段ビールを飲まない人のデータで因子 共通性の確認(普段ビールを飲まない人) 共通性 初期 平均値は、スーパードライ(アサヒ)、サントリー (ザ・プレミアム・モルツ)、サッポロ(ヱビス)、オリ 因子抽出後 キレ .663 .636 後味が良い .739 .673 オン(オリオン)、キリン(キリンラガービール)の順 コクがある .707 .789 に高かった。これは、普段ビールを飲まない人も含 泡もちが良い .699 .807 のど越しが良い .768 .831 苦みがある .566 .549 ある。次に、知覚マップを作成した(図表 50)。ここ パッケージがおしゃれ .551 .445 で作成した知覚マップは、選好回帰分析(図表 48) 価格が適切である .617 .597 香りが良い .610 .455 によって得られた数値(図表 48 の青い枠線)を利用 カロリーが適切である .673 .659 して作られた理想ベクトル付きのものである。し 家で飲みたい .857 .823 平日に飲みたい .857 .809 休日に飲みたい .805 .756 数値を用いると、理想ベクトルと各ブランドの位 お風呂上りに飲みたい .864 .750 置が離れすぎてしまうため、全て 100 で割った数 味に飽きない .774 .706 めた全体のデータで分析したときの結果と同じで かし、選好回帰分析によって得られたそのままの 値を使用して作成している。 ■図表―――50 知覚マップ(普段ビールを飲む人) 0.4 以下の共通性の値の小さい項目は無かった。 次に説明された分散の合計を見る(図表 52)。 ■図表―――52 ズによる並び替えがされてある状態である。 説明された分散の合計(普段ビールを飲まない人) ■図表―――54 回転後因子行列(普段ビールを飲まない人) 説明された分散の合計 因子 初期の固有値 合計 分散の % 抽出後の負荷量平方和 累積 % 合計 分散の % 回転後の負荷量平方和 累積 % 合計 回転後の因子行列a 分散の % 1 5.730 38.199 38.199 5.451 36.341 36.341 4.017 26.779 2 2.495 16.631 54.830 2.190 14.601 50.943 2.371 15.807 3 2.193 14.617 69.447 1.848 12.323 63.265 2.272 15.148 4 1.084 7.229 76.676 .795 5.299 68.565 1.625 10.830 5 .724 4.826 81.502 休日に飲みたい .866 -.063 -.037 -.024 6 .694 4.626 86.127 家で飲みたい .861 .185 .074 .203 7 .518 3.451 89.578 8 .384 2.557 92.135 平日に飲みたい .841 .224 .197 .112 9 .306 2.041 94.176 お風呂上りに飲みたい .837 .083 .193 .073 10 .243 1.619 95.794 11 .176 1.177 96.971 味に飽きない .830 .035 .120 .038 12 .158 1.054 98.025 後味が良い .500 .391 .369 .365 13 .134 .893 98.918 コクがある .019 .842 -.264 .105 14 .095 .632 99.550 15 .067 .450 100.000 泡もちが良い .109 .696 .527 -.182 香りが良い .032 .661 .110 .067 パッケージがおしゃれ .199 .613 .064 .159 のど越しが良い .237 .147 .833 .242 キレ .194 -.171 .695 .293 苦みがある .007 .143 .602 .407 カロリーが適切である .169 .210 .213 .736 価格が適切である .053 .010 .299 .710 説明された分散の合計 因子 回転後の負荷量平方和 累積 % 1 因子 1 2 3 4 26.779 2 42.586 3 57.735 4 68.565 5 6 回転後因子行列から赤い枠線の通りに 4 つの因 7 8 子に分けた。因子名は、普段からビールを飲む人も 9 10 含めた全体のデータで因子分析をした時と同様に、 11 12 13 第一因子を「リラックス因子」 、第二因子を「濃厚 14 15 因子」 、第三因子を「爽快因子」、第四因子を「家庭 固定値 1 以上は 4 つで、因子は 4 つに分けられ 的因子」とそれぞれ名付けた。次に、選好回帰分析 た。併せてスクリープロットも確認した(図表 53)。 を用いて、これらの 4 つの因子の有意確率を確認 ■図表―――53 した(図表 55)。 スクリープロット(普段ビールを飲まない人) ■図表―――55 選好回帰分析(普段ビールを飲まない人) 係数a モデル 標準化されていない係数 標準誤差 B (定数) REGR factor score 68.867 1.048 10.765 1.092 3.285 標準化係数 t 値 有意確率 ベータ 65.744 .000 .733 9.855 .000 1.117 .219 2.942 .005 3.545 1.134 .233 3.125 .003 2.732 1.200 .170 2.276 .027 1 for analysis 1 REGR factor score 1 2 for analysis 1 REGR factor score 3 for analysis 1 REGR factor score 4 for analysis 1 すべての因子の有意確率が 0.05 以下で、有意性 を確認することが出来た。この結果から、すべての スクリープロットからも 4 つの因子に分けられ 因子に着目して知覚マップを作ることにした。次 ることが分かった。次に回転後因子行列を確認し に、アンケートで質問した各ブランド(銘柄)の点 た(図表 54)。この回転後因子行列は便宜上、サイ 数の結果を確認した(図表 56)。 ■図表―――56 ■図表―――58 各ブランドの点数の結果(普段ビールを飲まない人) 三次元の知覚マップ 2(普段ビールを飲まない人) 報告書 点数 ブランド名 スーパードライ(アサヒ) 平均値 度数 標準偏差 71.25 12 16.114 65.42 12 11.373 70.00 12 15.667 サッポロ(ヱビス) 69.83 12 14.377 オリオン(オリオン) 67.83 12 14.782 合計 68.87 60 14.206 キリン(キリンラガービー ル) サントリー(ザ・プレミア ム・モルツ) 平均値は、スーパードライ(アサヒ)、サントリー (ザ・プレミアム・モルツ)、サッポロ(ヱビス)、オリ ■図表―――59 オン(オリオン)、キリン(キリンラガービール)の順 知覚マップ 1(普段ビールを飲まない人) に高かった。これは、普段ビールを飲む人も含めた 全体のデータと、普段ビールを飲む人のみで分析 したときの結果と同じである。これらの事から、普 段からビールを飲む人も、飲まない人も好みのブ ランドの順位は同じであるということが分かった。 次に知覚マップを作成した(図表 57、58、59、60、61、 62、63) 。ここで作成した知覚マップは、同様に選好 回帰分析(図表 55)によって得られた数値(図表 55 の青い枠線)を 100 で割って作られた理想ベクトル 付きのものである。 ■図表―――57 ■図表―――60 三次元の知覚マップ 1(普段ビールを飲まない人) 知覚マップ 2(普段ビールを飲まない人) ■図表―――61 知覚マップ 3(普段ビールを飲まない人) 平均点が最も高く、人気であったスーパードラ イ(アサヒ)は、爽快因子が最も高く、また、リラ ックス因子も高めであった。しかし、濃厚因子は最 も低かった。このことから、濃厚でなく、すっきり していて爽快感の味わえるビールが、普段ビール を飲まない人からは好印象を受けているのではな いかと考えた。しかし、2 番目に平均点が高く、人 気であったサントリー(ザ・プレミアム・モルツ)は 爽快因子が最も低く、濃厚因子は最も高かった。対 して、平均点が低く、人気でなかったキリン(キリ ンラガービール)とオリオン(オリオン)は、両者と も爽快因子は低めで、濃厚因子は中間に位置して ■図表―――62 いた。これらのことから、中途半端にさっぱりして 知覚マップ 4(普段ビールを飲まない人) いたり、濃厚であるよりは、極端にさっぱりしてい るか、濃厚であると人気が出るのではないかと考 えた。以上のことから、普段ビールを飲まない人か らは、かなりさっぱりしていて爽快感が味わえる ビールが、人気がでるのではないかと考えた。 次に、男性と女性でも、それぞれに分けて因子分 析をすることで、両者に違いがあるのか分析する ことにした。因子分析の方法は、先ほどと同じ、因 子抽出は主因子法、回転はバリマックス回転であ る。まず、共通性を確認した(図表 64)。 ■図表―――63 知覚マップ 5(普段ビールを飲まない人) ■図表―――64 ■図表―――65 共通性の確認(男性) 説明された分散の合計(男性) 説明された分散の合計 共通性 因子 初期 .835 .751 後味が良い .696 .666 コクがある 泡もちが良い のど越しが良い 苦みがある .728 .783 .896 .806 合計 因子抽出後 キレ .451 .712 .815 .568 初期の固有値 分散の % 抽出後の負荷量平方和 累積 % 合計 分散の % 回転後の負荷量平方和 累積 % 合計 分散の % 1 7.454 49.694 49.694 7.156 47.706 47.706 5.466 36.441 2 2.899 19.329 69.023 2.531 16.870 64.576 4.220 28.135 3 .940 6.269 75.293 4 .861 5.740 81.033 5 .599 3.994 85.027 6 .498 3.321 88.348 7 .460 3.068 91.416 8 .327 2.179 93.595 9 .274 1.829 95.423 10 .248 1.655 97.078 11 .127 .846 97.924 12 .116 .773 98.697 13 .097 .645 99.342 14 .054 .359 99.701 15 .045 .299 100.000 パッケージがおしゃれ .684 .584 価格が適切である .593 .402 香りが良い .861 .734 因子 カロリーが適切である .878 .765 1 36.441 2 64.576 説明された分散の合計 回転後の負荷量平方和 累積 % 家で飲みたい .921 .891 平日に飲みたい .860 .781 休日に飲みたい .525 .289 お風呂上りに飲みたい .883 .756 味に飽きない .677 .522 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 0.4 以下の共通性の値の小さい項目は無かった。 13 14 15 次に説明された分散の合計を確認した(図表 65)。 固定値 1 以上は 2 つで、因子は 2 つに分けられ た。併せてスクリープロットも確認した(図表 66)。 ■図表―――66 スクリープロット(男性) スクリープロットからも 2 つの因子に分けられ ることが分かった。次に回転後因子行列を確認し た(図表 67)。この回転後因子行列は便宜上、サイ ズによる並び替えがされてある状態である (図表 の因子両方に着目して知覚マップを作ることにし 67)。 た。次に、アンケートで質問した各ブランド(銘柄) ■図表―――67 の点数の結果を確認した(図表 69)。 回転後因子行列(男性) ■図表―――69 各ブランドの点数の結果(男性) 回転後の因子行列a 因子 報告書 1 点数 2 ブランド名 のど越しが良い .902 -.029 スーパードライ(アサヒ) キリン(キリンラガービー キレ .863 -.074 平日に飲みたい .819 .333 お風呂上りに飲みたい .768 .406 苦みがある .752 -.046 家で飲みたい .703 .630 平均値 度数 標準偏差 81.67 9 13.919 72.67 9 10.735 79.11 9 9.400 サッポロ(ヱビス) 77.00 9 11.927 オリオン(オリオン) 73.56 9 12.340 合計 76.80 45 11.721 ル) サントリー(ザ・プレミア ム・モルツ) カロリーが適切である .688 .540 味に飽きない .627 .359 平均値は、やはり前述と同じで、スーパードライ 価格が適切である .623 .115 (アサヒ)、サントリー(ザ・プレミアム・モルツ)、サ 香りが良い .121 .848 ッポロ(ヱビス)、オリオン(オリオン)、キリン(キ 泡もちが良い .163 .828 リンラガービール)の順に高かった。次に、知覚マッ パッケージがおしゃれ .132 .753 プを作成した(図表 70)。ここで作成した知覚マッ コクがある -.086 .666 プは、選好回帰分析(図表 68)によって得られた 後味が良い .506 .641 数値(図表 68 の青い枠線)を利用して作られた理想 休日に飲みたい .099 .528 回転後因子行列から赤い枠線の通りに 2 つの因 ベクトル付きのものである。全て 100 で割った数 値を使用して作成している。 子に分けた。因子名は、第一因子は項目同士に共通 ■図表―――70 点が見いだせず、名前が思いつかなかったため、 知覚マップ(男性) 「多様性因子」と名付けた。第二因子は「濃厚因子」 と名付けた。次に、選好回帰分析を用いて、これら の 2 つの因子の有意確率を確認した(図表 68)。 ■図表―――68 選好回帰分析(男性) 係数a モデル 標準化されていない係数 標準誤差 B (定数) REGR factor score 1 標準化係数 t 値 有意確率 ベータ 76.800 .727 105.625 .000 8.796 .756 .730 11.633 .000 6.333 .764 .520 8.286 .000 1 for analysis 1 REGR factor score 2 for analysis 1 2 つの因子両方が、有意確率が 0.05 以下で、有 平均点が最も高く、人気であったスーパードラ 意性を確認することが出来た。この結果から、2 つ イ(アサヒ)は、多様性因子が最も高く、濃厚因子 は最も低かった。 ■図表―――72 次に、女性のみのデータを因子分析した。因子分 共線性の確認 2(女性) 析の方法は、先ほどと同じ、因子抽出は主因子法、 共通性 回転はバリマックス回転である。まず、共通性を確 初期 因子抽出後 認した(図表 71)。 キレ .460 .430 ■図表―――71 コクがある .704 .828 共通性の確認 1(女性) 泡もちが良い .635 .919 のど越しが良い .522 .592 苦みがある .429 .491 パッケージがおしゃれ .553 .605 価格が適切である .521 .601 香りが良い .621 .578 カロリーが適切である .564 .749 家で飲みたい .774 .833 平日に飲みたい .789 .771 休日に飲みたい .833 .920 お風呂上りに飲みたい .782 .829 味に飽きない .583 .573 共通性 初期 因子抽出後 キレ .491 .498 後味が良い .530 .374 コクがある .706 .802 泡もちが良い .645 .929 のど越しが良い .552 .527 苦みがある .435 .478 パッケージがおしゃれ .573 .628 価格が適切である .521 .546 香りが良い .623 .584 カロリーが適切である .616 .830 家で飲みたい .821 .848 が確認出来た。次に説明された分散の合計を確認 平日に飲みたい .796 .793 した(図表 73)。 休日に飲みたい .840 .919 お風呂上りに飲みたい .784 .822 味に飽きない .617 .526 「後味が良い」という項目の共通性が 0.4 以下 と低かったため、これを排除して再度因子分析を 実行した。まず、共通性を確認した(図表 72)。 共通性の値が 0.4 以下の項目は無くなったこと ■図表―――73 (図表 75)。この回転後因子行列は便宜上、サイズ 説明された分散の合計(女性) による並び替えがされてある状態である。 ■図表―――75 説明された分散の合計 因子 初期の固有値 合計 分散の % 抽出後の負荷量平方和 累積 % 合計 分散の % 回転後の負荷量平方和 累積 % 合計 分散の % 回転後因子行列(女性) 1 4.205 30.034 30.034 3.980 28.428 28.428 3.557 25.409 2 2.405 17.177 47.210 2.112 15.087 43.515 2.428 17.339 3 2.129 15.209 62.419 1.774 12.674 56.190 1.506 10.760 4 1.427 10.190 72.609 1.087 7.762 63.952 1.141 8.149 5 1.056 7.543 80.152 .766 5.470 69.422 1.087 7.765 6 .646 4.612 84.764 休日に飲みたい .901 .182 .101 .121 -.226 7 .483 3.452 88.216 家で飲みたい .880 .043 -.041 .157 -.175 8 .421 3.006 91.222 お風呂上りに飲みたい .845 -.013 -.010 -.294 .172 9 .344 2.454 93.676 10 .268 1.913 95.589 平日に飲みたい .816 .173 .083 -.222 .135 11 .202 1.444 97.033 味に飽きない .693 .053 .193 .001 .230 12 .186 1.330 98.363 コクがある .120 .882 .163 .040 -.089 13 .117 .834 99.197 香りが良い .214 .704 -.160 .104 -.014 14 .112 .803 100.000 泡もちが良い .096 .641 -.142 .501 .477 パッケージがおしゃれ .081 .571 .260 -.362 .272 キレ .064 -.568 .008 .210 .242 カロリーが適切である .122 -.013 .819 .250 .005 価格が適切である .072 .056 .732 -.074 .227 -.102 -.044 .161 .657 .144 .037 -.147 .277 .167 .682 説明された分散の合計 因子 回転後の因子行列a 因子 1 2 3 4 5 回転後の負荷量平方和 累積 % 1 25.409 2 42.748 3 53.508 4 61.657 5 69.422 6 苦みがある のど越しが良い 回転後因子行列から赤い枠線の通りに 5 つの因 子に分けた。しかし、第四因子と第五因子はそれぞ 7 8 れ 1 つの項目しか含んでいなかったため、因子数 9 10 を 4 つに固定して、再度因子分析をやり直すこと 11 12 にした。まず、共通性を確認した(図表 76)。 13 14 ■図表―――76 固定値 1 以上は 5 つで、因子は 5 つに分けられ 共線性の確認 3(女性) た。併せてスクリープロットも確認した(図表 74)。 共通性 ■図表―――74 スクリープロット(女性) スクリープロットからも 5 つの因子に分けられ ることが確認出来たが、4 つの因子という捉え方も 出来ると考えた。次に、回転後因子行列を確認した 初期 因子抽出後 キレ .460 .415 コクがある .704 .794 泡もちが良い .635 .657 のど越しが良い .522 .352 苦みがある .429 .543 パッケージがおしゃれ .553 .504 価格が適切である .521 .690 香りが良い .621 .611 カロリーが適切である .564 .417 家で飲みたい .774 .793 平日に飲みたい .789 .753 休日に飲みたい .833 .801 お風呂上りに飲みたい .782 .743 味に飽きない .583 .571 「のど越しが良い」 という項目の共通性が 0.4 以 下と低く出てしまったが、今回はこのまま分析を ■図表―――78 スクリープロット 2(女性) 続けることにした。次に、説明された分散の合計の 確認をした(図表 77)。 ■図表―――77 説明された分散の合計 2(女性) 説明された分散の合計 因子 初期の固有値 合計 分散の % 抽出後の負荷量平方和 累積 % 合計 分散の % 回転後の負荷量平方和 累積 % 合計 分散の % 1 4.205 30.034 30.034 3.920 28.001 28.001 3.509 25.067 2 2.405 17.177 47.210 2.042 14.583 42.584 2.337 16.695 3 2.129 15.209 62.419 1.658 11.842 54.426 1.633 11.662 4 1.427 10.190 72.609 1.024 7.311 61.737 1.164 8.313 5 1.056 7.543 80.152 6 .646 4.612 84.764 7 .483 3.452 88.216 8 .421 3.006 91.222 9 .344 2.454 93.676 10 .268 1.913 95.589 11 .202 1.444 97.033 12 .186 1.330 98.363 13 .117 .834 99.197 14 .112 .803 100.000 スクリープロットからは、このように 4 つに分 けた。次に、回転後因子行列を確認した(図表 79)。 この回転後因子行列も便宜上、サイズによる並び 替えがされてある状態である。 説明された分散の合計 因子 ■図表―――79 回転後の負荷量平方和 回転後因子行列 2(女性) 累積 % 1 25.067 2 41.762 3 53.424 4 61.737 回転後の因子行列a 因子 5 1 6 7 2 3 4 休日に飲みたい .878 .163 -.008 家で飲みたい .876 .016 -.111 .117 お風呂上りに飲みたい .833 .010 .087 -.202 .060 8 9 10 11 平日に飲みたい .823 .186 .142 -.143 13 味に飽きない .695 .051 .285 .065 14 コクがある .129 .873 .069 .104 香りが良い .222 .697 -.183 .204 パッケージがおしゃれ .094 .591 .330 -.192 キレ .055 -.591 .131 .215 価格が適切である .061 .094 .819 -.080 カロリーが適切である .115 -.006 .619 .145 のど越しが良い .026 -.135 .504 .282 -.116 -.111 .189 .694 .093 .536 .056 .598 12 因子数を固定したことで、因子は 4 つに分けられ た。併せて、スクリープロットも確認した(図表 78)。 苦みがある 泡もちが良い 回転後因子行列から赤い枠線の通りに 4 つの因 子に分けた。因子名は、第一因子を「リラックス因 子」 、第二因子を「濃厚因子」、第三因子を「家庭的 因子」 、第四因子はネーミングが思いつかなかった ため、「苦味・泡もち因子」とそれぞれ名付けた。 次に、選好回帰分析を用いて、これらの 4 つの因子 の有意確率を確認した(図表 80)。 ■図表―――80 いう印象を持たれているという結果が出ている。 選好回帰分析(女性) このため、女性は濃厚な味わいのビールは苦手で あり、爽快感のあるビールを好んでいる傾向にあ 係数a モデル 標準化されていない係数 標準誤差 B (定数) REGR factor score 68.200 1.157 7.596 1.209 -1.437 標準化係数 t 値 有意確率 ベータ 58.943 .000 .617 6.285 .000 1.247 -.113 -1.152 .254 3.215 1.297 .243 2.478 .016 -1.830 1.359 -.132 -1.347 .184 1 for analysis 3 REGR factor score 1 利用して作られた理想ベクトル付きのものである。 3 for analysis 3 REGR factor score ここで作成した知覚マップは、選好回帰分析(図表 80)によって得られた数値(図表 80 の青い枠線)を 2 for analysis 3 REGR factor score ると考えた。次に、知覚マップを作成した(図表 82)。 全て 100 で割った数値を使用して作成している。 4 for analysis 3 ■図表―――82 第一因子と第三因子の有意確率が 0.05 以下で、 知覚マップ(女性) 有意性を確認することが出来た。この結果から、第 一因子と第三因子に着目して知覚マップを作るこ とにした。次に、アンケートで質問した各ブランド (銘柄)の点数の結果を確認した(図表 81)。 ■図表―――81 各ブランドの点数の結果(女性) 報告書 点数 ブランド名 スーパードライ(アサヒ) 平均値 度数 標準偏差 69.83 12 11.336 65.83 12 10.188 67.92 12 14.532 クス因子は最も高かったが、家庭的因子は最も低 サッポロ(ヱビス) 69.25 12 11.741 かった。家庭的因子が極端に低いことも順位が下 オリオン(オリオン) 68.17 12 12.946 がってしまった原因の 1 つになっているのではな 合計 68.20 60 11.898 女性のみの分析結果では、順位が落ちてしまっ キリン(キリンラガービー ル) サントリー(ザ・プレミア ム・モルツ) たサントリー(ザ・プレミアム・モルツ)は、リラッ いかと考えた。 平均値は、スーパードライ(アサヒ)、サッポロ(ヱ ビス)、オリオン(オリオン)、サントリー(ザ・プレ 仮説 2 の検証 ミアム・モルツ)、キリン(キリンラガービール)の順 少ない量のほうが好まれると仮定したので、20 に高かった。この結果は今までの分析と違った結 歳から 23 歳の男女 53 人に以下の選択肢の中から 果となっている。スーパードライ(アサヒ)が最も どのビールを一番購入したいかを聞いてみた。そ 高いのには変わりがないが、どの分析でも 2 番目 してこの 53 人の内 30 人は普段ビールを飲まない に平均点の高かったサントリー(ザ・プレミアム・モ と回答した人である。 ルツ)は 4 番目の平均点となってしまった。これま ① 200ml 150 円 ② 275ml 180 円 での分析の結果から、スーパードライ(アサヒ)は ② 350ml 201 円 ④ 500ml 272 円 すっきりした爽快感のある味わいで、サントリー (ザ・プレミアム・モルツ)は濃厚な味わいであると どのビールを購入したい か 20 10 0 200ml 150円 275ml 180円 普段ビールを飲む 350ml 201円 500ml 272円 普段ビールを飲まない 仮説どおり普段ビールを飲まないと答えた人は、 一番容量が少なく、価格も安い商品を選んでいる ことが分かった。 ⑤―――結論 仮説 1 検証の結果から、濃厚でなくさっぱりし ていて、爽快感の味わえる、リラックスしていると きに飲みたくなるようなビールが求められている のではないかと考えた。スーパードライ (アサヒ) のような、爽快感の高い印象のあるビールは男性 から非常に好印象で、更に女性にとっても、同じく 爽快感の味わえるビールが人気である。女性はビ ールを飲まない人の割合が高いので、爽快感の味 わえるビールを開発すれば、ビール市場を拡大出 来るのではないかと考えた。また仮説 2 検証から その際に容量を 200ml にするなど少なくすると、 より若者に購入してもらいやすくなるだろう。 参考文献 恩藏直人・富岡健司[2011] 『1 からのマーケティング分 析』 硝学舎出版
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