平成28年7月10日発行 リプロダクションセンター泌尿器科 永尾 光一 教授(昭和63年・昭和大学大学院卒) 不妊治療は、妻だけでよいのでしょうか? 不妊症の原因、実は半分近くが男性側にあります!! 昭和大学で形成外科学を8年間専攻、その後、東邦大学で泌尿器科学を専攻し両の診療科部長を経験 しています(二つの基本領域専門医を取得)。得意な分野はマイクロサージャリーをはじめとする生殖 医学領域(主に陰茎・陰嚢)や尿道再建などの形成外科的手術です。 1981年に日本で最初の男女総合の生殖医療を担当するリプロダクションセンターが東邦大学医療セン ター大森病院に開設されました。リプロダクションセンター泌尿器科部門の診療内容は、男性不妊症と 性機能障害が中心となります。日本機能学会事務局、アジアパシフィック性医学学会日本事務局として 学会活動も活発に行っています。 1.男性不妊症 男性不妊症では、閉塞性無精子症に対する顕微鏡下精路再建手術、精巣内精子採取術(TESE)、特 発性(非閉塞性無精子症)に対する顕微鏡下精巣内精子採取術(Microdissection TESE)、精子凍結保 存、精索静脈瘤手術、内分泌検査や治療、染色体検査などを行い、さらに婦人科部門と一体となって人 工授精、体外受精、顕微授精を行っています。 2.性機能障害 性機能障害では、勃起障害、射精障害、先天性陰茎湾曲症、陰茎硬化症(ペロニー病)、顕微鏡下尿 道下裂手術、性腺機能障害などの診療。また、関連として女性相談外来や男性更年期外来(性機能症状 のみ)を行っています。 3.その他陰茎・陰嚢・尿道手術 難治性尿道狭窄に対して形成外科手技を応用して口腔粘膜移植術で尿道の修復手術を行いその他、小 児・思春期泌尿器科との連携を重視し子供から成人まで一貫して性機能を診療しています。 4.手術実績 2015年度の主な手術実績は、精巣内精子採取術147例、精索静脈瘤手術296例、陰茎形成術44例、顕微 鏡下精管吻合術11例、尿道再建術14例などです。 また、主な手術に関してはホームページ各疾患のところからメール相談も行っています。 診療日 永尾 光一 教授: リプロダクションセンター(完全予約制):月曜日 午前、水曜日 午前・午後 電話予約受付時間:平日14時∼16時(TEL 03−3762−4151) (代表) 尿道狭窄外来・小児泌尿器科:泌尿器科外来で 月曜日 午後 医療機関専用電話 パートナー 03−3762−6616(直通) (受付時間 平日 8:30∼17:00、土曜 8:30∼14:00) (休診日:第3土曜日・日曜日・祝祭日・年末年始・創立記念日6/10) 東邦大学医療センター大森病院 Toho University Omori Medical Center 〒143-8541 東京都大田区大森西 6-11-1 03−3762−4151(代表) http://www.omori.med.toho-u.ac.jp/ 発行元:地域医療支援センター 平成28年7月10日発行 不妊症看護認定看護師 永野 妙子 安宅 大輝 不妊症看護認定看護師の活動 ∼多様化した生殖医療を受けるカップルを支援する∼ 不妊症看護認定看護師とは、日本看護協会の定めた不妊症看護に関する教育を修め、認定審査に合格 した看護師であり、全国で145名(2016年5月現在)のみが資格を有しています。当院で活動している 不妊症看護認定看護師の特色としては、全国の病院で唯一、女性および男性の不妊症看護認定看護師が 活動していることです。 治療段階に応じた不妊症看護支援の充実 近年、少子化や晩婚・晩産化が社会問題として取り上げられるようになり、不妊治療への関心も高 まってきました。ただし、不妊治療といってもタイミング療法から体外受精・顕微授精といった高度生 殖医療に至るまで幅広い治療法が確立されています。また、妊娠へ向けて子宮筋腫や精索静脈瘤などの 外科的治療が推奨される場合もあります。さらに、高度生殖補助医療の発展は、がん治療前の精子・卵 子凍結といった妊孕性温存を可能としました。このように、不妊治療といっても各々の治療段階が存在 しますが、当院では不妊症看護認定看護師が外来(リプロダクションセンター)及び病棟(泌尿器科・ 婦人科)に配属されており、どのような治療段階においても個別のニーズに沿った相談や情報提供がで きるような体制を整えています。また、パートナーと共にカップルで取り組むという不妊治療の特性に 対し、不妊当事者と同性の不妊症看護認定看護師のみならず、パートナーの立場を理解できる異性の不 妊症看護認定看護師と連携することで、カップルにとって最良の選択ができるように支援することが可 能です。 不妊看護外来 不妊症看護認定看護師による看護実践の一つとして、不妊看護外来を実施しています。不妊看護外来 では、不妊に関する相談やカウンセリング、不妊治療の情報提供、時には子どもを持たないという選択 に対しても共に考え支援しています。また、なかなか良い結果が得られずに治療期間が長くなり、誰に も悩みを話せずに抱え込んでしまうこともあります。不妊看護外来においては、どのような悩みや不安 も真摯に受け止め、心の負担が少しでも軽くなるような時間にしていきたいと考えています。 医療機関専用電話 パートナー 03−3762−6616(直通) (受付時間 平日 8:30∼17:00、土曜 8:30∼14:00) (休診日:第3土曜日・日曜日・祝祭日・年末年始・創立記念日6/10) 東邦大学医療センター大森病院 Toho University Omori Medical Center 〒143-8541 東京都大田区大森西 6-11-1 03−3762−4151(代表) http://www.omori.med.toho-u.ac.jp/ 発行元:地域医療支援センター
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