PDFはこちら - 生活協同組合パルシステム東京

「今さら聞けない」
「ちょっと気になる」
…
食についての基本のキを、毎月1回紹介します。
2016年
1月18 日 発行
2 月1 回
FOOD
NAVIGATER
58
vol.
私たちの身のまわりには、プラスチック素材が数多くあります。朝起きて
から、食卓のテーブルクロス、朝食のパンの袋、マーガリンの容器、歯ブラシ、
携帯電話のケース、電車のつり革、ボールペン等々…。私たちが着ているポ
リエステルなどの
「合成繊維」
は、実は細長いプラスチックなのです。
「プラスチック」
は石油から得られるエチレンなどを原料に、化学合成反応
によって作られる材料で、
「合成樹脂」
ともいいます。
アメリカで初めてプラスチックが工業生産されたのはおよそ100 年前。軽
くて丈夫、水に強く、成型加工しやすい、そして安い、というような多くの特
長が買われて、今では生活のすみずみまで使われています。
ホントに
い
い
こと
だけなの∼
?
安い!
丈夫! !
軽くて
すい
しや
加工
カメさん、
おいしいよ!
あ、
!
だめ
カメを
助けてくれて
ありがとう
お礼の玉手箱、
帰ったら
あけてね
え、開けて
大丈夫?
食べもの
じゃないよ
プラスチックごみ問題
プラスチックがあふれる現代生活
プラスチックは生物にとって
「異物」
ありがとう
ございます
お礼にどうぞ、
竜宮城へ
12
34
目を え!
せ
覚ま
海の私たちは、
プラスチックごみと
汚染物質で困って
います。このままで
は人にもきっと災い
となるでしょう
海洋生物に危険なプラスチック
しかし、化学的に合成されたプラス
チックは生物にとって、栄養にならない
「異物」
です。環境に排出されると、光
(紫
外線)
や酸素、熱などの作用でボロボロ
になって砕けますが、生物が分解するこ
とはほとんどできません。光が当たらず
酸素も少ない土中や海中では、プラス
チックは長い間残ります。
そして近年、海に流れ込んだプラス
チックごみが沿岸だけでなく、外海にも
大量に漂流していることが問題になっ
ています。
太平洋などの大洋の中心付近
には、大量のプラスチックごみ
が溜まっている
プラスチックの使用を減らすには
プラスチックは世界で年間約 3 万トン作られているということですが、大
部分は使い捨てまたは寿命の短い製品です。その半分は容器包装用といわ
れます。私たちが使うプラスチック製品を減らせば、原料の石油の消費も減
り、プラスチックごみも減ります。
海を漂うプラスチックごみは、餌と
間違って海鳥や海亀、鯨などが食べ
て消化管が詰まったり、栄養不良に
なって死ぬケースが出ています。海
鳥がヒナに与える餌にも、プラスチッ
ク片が多数混入していることが報告
されています。
◉買い物袋を持参
◉繰り返し使える商品を利用
(使い捨て商品を減らす)
ふた付容器
プラスチックは環境中で砕けて、
「マイクロプラスチック」
と呼ばれる、
小さな粒になります。そしてプラス
チックごみやマイクロプラスチックは
海を漂ううちに、PCB のような海水
中の汚染物質を吸着します。
汚染されたマイクロプラスチック
紫外線や熱で分解され、小さな
などは、プランクトンと共に貝類や小
マイクロプラスチックに
魚などの小生物が食べ、食物連鎖で
大きな魚や鳥、哺乳類などに汚染物
質が移って濃縮されていきます。
「今、現在プラスチックによってヒ
トに害が出ているとはいえないが、
害がわかってからではなく、予防原
則の考え方で、今、プラスチックの使
用・排出を減らすべきだ」
とマイクロ
プラスチック問題の
研究者、東京農工
大学の高田秀重
教授は言います。 汚染物質は
食物連鎖で
濃縮される
(ラップ、ポリ袋の代りに)
※シリコンラップやチャッ
ク付き冷凍袋なども繰
り返し使えますが、製品
によっては添加剤が溶
出することがあります。
◉包装の少ない
商品を買う
過剰包装の
商品を
買わない
(ペットボトル
飲料の代りに)
ステンレス
有害物質の「運び屋」、マイクロプラスチック
レジ袋や過剰
な包装は断る
水筒
◉マイクロプラスチック排出を減らす
メラミンスポンジは
使わない
(細かいプラスチック
が排出される)
衣類は
できるだけ
天然繊維を
マイクロビーズ入り
の化粧品を使わない
パルシステムは容器包装の削減に取り組みます
パルシステムは容器包装の
「3R」
に取り組んでいます。
「3R」
とは
「リデュー
ス」
「リユース」
「リサイクル」
の頭文字をとったもの。
この順番の優先順位で取り組みます。ご協力をお願いいたします。
R educe R euse R ecycle
❶リデュース
❷リユース
(削減)
(再利用)
リユースびんは
必ずお返しください
❸リサイクル
(再生利用)