Australian Food Industry Industry Capability Report - July 2011 免責事項: 本情報の信憑性に関するご判断はすべて個人の自由裁量に委ねられます。従って、 オーストラリア 貿易促進庁としてはこの情報を元に読者が行動を起こされる前に専門家によるアドバイスを受けることを強くお奨 めします。 企業ならびに投資活動に関する参照記事は説明目的に限り掲載されたもので、当該企業や投資活動を 推奨するものではございません。連邦政府はこの報告書内容の信憑性に関して生じる一切の損害についてその責め を負いかねます。 本報告書の内容に関する情報をお知りになりたい場合はこちらまでご連絡ください。 オーストラリア大使館 マーケティング事務所 Tel. 03-5232-3930 (代) WEB: www.austrade.or.jp Australian Trade Commission Australian Food Industry > 1 オーストラリアの食品・飲料産業 オーストラリア最大の産業分野 オーストラリアの食品・飲料産業は、一次産業の農場、漁業生産、食品加工から成り立っております。 これはオーストラリア最大の生産分野で、売上・サービス収入の21パーセントを計上しています。産 業全体では約 227,000 人を雇用 -オーストラリア全製造業雇用者数の約18パーセント-国内総生産 (GDP)の4パーセントに貢献しています。 食品・飲料産業は主にオーストラリア東の沿岸地域に位置し、製造拠点の80パーセント以上はヴィク トリア、ニュー・サウス・ウェールズ、クイーンズランドに分布しております。 2009-2010 年の食品・飲料の輸出総額は243億豪ドルで、15年前の 1994-1995 年時の総額130 億豪ドルと比較して大幅に増加しました。 世界企業のニッチ企業の混在 オーストラリアの食品製造業は、アーノッツ・ビスケット、ペンフォールズ・ワイン、サンライス・ラ イス・プロダクツのような世界のどこでも知られるような著名なブランド商品を生産しています。同様 にグルメ商品やオーガニック食品のような専門商品やニッチな商品の成長市場を大切にしております。 食品・飲料産業は、大規模・中規模・小規模ローカル企業と国際企業から成り立っています。ネスレ、 キャドバリー、ユニリーバ、キャンベルといった大手の多国籍食品企業は、オーストラリアの食品加工 業の確立された存在となっております。多くの小規模企業は幅広いレンジの製品を生産しており、観光 業のような他産業と重要な関わりをもつ事例も見られます。 全体として、オーストラリアの食品製造登録企業数は 12,300 社を超え、92,000 社は農水産品の製造に 関わっています。製品は穀物、牛、羊、その他の家畜、砂糖、ブドウ、果実、野菜それに水産品です。 最も注目すべきは、オーストラリアには 25,600 軒の牛肥育農家がおり、約 13,000 軒は羊・牛の混合飼 育を行っていることです。 オーストラリアの可能性 食品および農業生産と貿易の世界的なリーダー オーストラリアは食糧生産の世界的なリーダーであり、小麦・大麦・乳製品・牛肉・羊肉といった主要 一次産品の大手サプライヤーであります。. オーストラリアの農産品・水産品の総生産額は367億ドル(2009-2010)で、同年の食品輸出額は2 43億豪ドルを超えています。2009-2010 年度には、オーストラリアは大麦の世界第2位の輸出国とな り、世界第2位のビーフ輸出国、世界第2位のワイン供給国(EU全体に次ぐ)、世界第5位の小麦輸 出国となりました。 Australian Trade Commission Australian Food Industry > 2 多様性のある生育環境 良質な食品の世界的な生産国、供給国、輸出国としての成功は、单半球におけるオーストラリアの位置 に後押しされています。この地理的特性が真逆の時季の生産を通して北半球の大規模な市場に供給する ことを可能にし、オーストラリアの輸出企業に北半球の生産者に対する優位性を与えています。 オーストラリア北部のクイーンズランド州は、気温と湿度の異なる5つの気候帯を有し、(オーストラ リアの他の地域とは異なり)豊富で安定した水源を得ております。熱帯・亜熱帯・半乾燥地帯における 農業生産に関する専門知識は世界的に著名です。 島の州であるタスマニア州は、单緯 40 度に位置し、 多くの雨量と良い生育条件を備えた冷涼な気候に恵まれています。 オーストラリア单東のヴィクトリ ア州は温暖な気候に恵まれ、国土全体の耕作地面積の僅か3パーセントからオーストラリアの農業生産 の実に26パーセントを産出する良質な牧草地を有しています。 ニュー・サウス・ウェールズ州は 広 範囲の沿岸地域、内陸地域、高山帯、熱帯地域、森林、平原地帯、砂漠のような環境が多種多彩な食品 生産のためのいろいろな生育環境を生み出しています。 单オーストラリア州は地中海に似た気候で、温 暖で湿り気のある冬場と高温で乾燥した夏場に特徴づけられ、ワインや大麦生産に適しています。 そし て、西オーストラリア州は穀物産業、特に小麦に理想的な温暖な気候を 有しています。 確実な供給を約束する原料手配 オーストラリアは食品・飲料の供給と原料手配に関して、その「卓越した安全性」を強みとしておりま す。オーストラリアの食品加工業は、大規模かつ多岐にわたる農業分野より上質な作物を低い原価で入 手可能で、オーストラリアの様々な土壌・気候や広い沿岸地域と海洋資源といった優位性を生かしてい ます。進歩した信頼性の高い物流ネットワークを通じての手配は容易で、かつ比較的安価での原料手配 が可能となっています。 進歩的な規制構造を通じた品質・安全性の保証 オーストラリアは、潤沢な原料・高度の食品安全性・疫病対策を具備し、恵まれた自然環境から食品を 製造することで国際的に高い評価を受けています。 厳格な検疫政策、良識ある環境活動、そして低い人 口密度が意味するところは、オーストラリアには害虫や疾病、世界の他の国々に影響を及ぼすような汚 染物質が多くないということです。 世界でも進歩的なオーストラリアの規制構造は、ビジネスが容易にできることを保証し、検疫体制・食 品衛生基準・食品表示を通じて業界に固有の保護を与えております。 オーストラリア検疫検査局 (AQIS) は、オーストラリアに入り込む外来害虫・疾病のリスクを最小化する ために検疫管理ならびに輸出入の検査、認証を統制しています。豪州・ニュージーランド食品基準機関 (FSANZ) は守られるべき食品安全の高い水準を保証する規制制度を提唱しており、これによって安全で 正しい食品表示が生まれ、消費者は食品安全性に関する理解を深めております。 オーストラリアは食品・農産物の製造・加工における高い品質保証を表明しており、動物保護と倫理規 範は全世界の消費者から信頼され、評価されています。 開かれた海外投資市場 オーストラリアでは外国からの投資を歓迎し、外国投資がもたらした貢献に対し表彰し、さらに自国で もオーストラリアの開発を推進しております。オーストラリアでの事業設立後は、投資企業に対する平 等な取り扱いが約束されております。一定額を超える投資計画だけが外国投資審査委員会(FIRB) によ Australian Trade Commission Australian Food Industry > 3 る審査対象となり、国益に反するとの決定を下されたものは、外国投資審査委員会(FIRB)による政府評 価に基づいて承認を却下されることとなります。 食品飲料の多国籍企業の多くはオーストラリア市場での事業拡大で成功を収めています。例えば、日本 の飲料大手のキリンは今や乳製品メーカー(ナショナルフーズ)、大手ジュース企業(ベリー)と併せ てオーストラリア第二の醸造企業(ライオンネイサン)を傘下に収めています。 近代的かつ革新的な支援インフラ オーストラリアは190億豪ドルの付加価値を創出している食品加工業のサプライチェーンを支援する 洗練されたインフラ制度を有しています。その近代的で革新的な梱包・輸送システムは重要な製造業を サポートしています。 オーストラリア食品飲料産業のトレンドと ビジネスチャンス 成長を続ける多様化市場 オーストラリアは食品飲料製品にとって市場機会が拡大しており、人口増加はOECD諸国の中で最高 (2009 年度 2.0 パーセント)です。多様な民族構成からなる22百万の人口は異なる食文化を持ち、 食品の幅広い分野にわたって需要の伸びが見られます。こうした事実は、様々な新商品や市場チャンネ ルの マーケティングにとって効果的な「テスト販売機会」になっております。 近年の経済発展と消費者の豊かさが、「食生活のシェア」が専門小売店や飲食業、とくに外食へのシフ トとなって表れています。 アジア新興市場への玄関口 アジアとの距離的近さゆえ、オーストラリアは日本のような先進国や急速に拡大している北部アジア市 場(韓国、中国)に対して、加工食品・生鮮食品のサプライヤーとなっております。これらの市場での 食糧需要は将来にわたる収入・人口増加に伴って引き続き増加傾向にあります。 増大しつつある市場参入機会 アセアン・チリ・ニュージーランド・シンガポール・タイそしてアメリカとの自由貿易協定(FTA)は食 品産業にとっての継続的な新市場開拓に寄与しています。貿易交渉は中国・インドネシア・インド・日 本・韓国・マレーシアといった他の重要市場と現在進行中であります。 健康関連は活気溢れる分野 オーストラリアは健康食品に関して増加基調にある市場についてもビジネスチャンスを提供しています。 オーガニック農産物、機能性食品、それに「カラダに良い」といわれる食品・飲料の売上はここ数年著 しい伸びを示しております。オーガニック市場では、しばしば需要が供給を上回るとさえ期待されてい ます。 健康関連産業は依然として小規模でニッチではあるものの、製品開発と農場管理システムの点で革新的 です。オーストラリアの持つ、潤沢な原料・高度の食品安全性・疫病対策を具備した自然環境から食品 を作り出すイメージは、将来に成長していくビジネスチャンスを得るのに理想的です。特に注目すべき 事項として、オーストラリアの農産物のダイオキシン・レベルは世界で最も低い水準にあります。 Australian Trade Commission Australian Food Industry > 4 大手企業とブランド オーストラリアの加工食品産業は、世界的ブランド商品を生産する大手の多国籍企業と小規模のユニー クなオーストラリアのブランド製品を生産する数多くのローカル企業によって特徴づけられています。 著名ブランドは、乳製品・ベーカリー・菓子・アイスクリーム・スナック・調理済み食品・スープ・パ スタ・食用油・缶詰まで幅広く網羅しております。以下の一覧表は主だった大手企業とそのブランドを オーストラリアの食品・飲料産業における商品カテゴリー別に示したものです。 商品カテゴリー別大手企業一覧表 商品カテゴリー 菓子類 企業名 Cadbury Australia; Nestle Australia; Mars Australia/Wrigley, Ferrero Australia, Darrell Lea シリアル・パン類 George Weston Foods; Goodman Fielder; Arnott’s Biscuits; Kraft Foods; Kellogg Australia; Sanitarium; Viterra; Patties; Sara Lee Bakery (Australia) 乳製品 Lion/National Foods; Fonterra Brands (Aust); Murray Goulburn; Warrnambool Cheese and Butter; Parmalat; Tatura Milk Industries, Bega Cheese ナチュラルフーズ (スナックバー) Nestlé Australia; Kellogg (Australia); Cadbury Australia; Weight Watchers International; Musashi アイスクリーム Nestle Australia; Unilever Australia; Bulla Dairy Foods (Regal Cream Products); Sara Lee Bakery (Australia); Smiths Snackfoods (PepsiCo Australia Holdings); Snack Brands Australia; Arnott's Snackfoods; Sakata Rice Snacks Australia; スナック ソース、ドレッシ ング、調味料 Mars Australia/MasterFoods; Unilever Australia; Goodman Fielder; Cerebos Australia; Simplot Australia; Kraft Foods; Green Foods; パスタ・麺類 San Remo Macaroni Co; General Mills Australia; Heinz Co Australia; Rinoldi Pasta; Nestlé Australia; Food Holdings (Manassen); Hakubaku Australia ノン・アルコール 飲料 アルコール飲料 Coca Cola Amatil; Schweppes (Asahi); Lion/National Foods (Kirin) ; Heinz Co Australia; Pure and Natural Beverages (P and N) 食肉加工品 穀類 Fosters Group; Treasury Wine Estates; Lion; Diageo Australia; Coopers Brewery; Orlando Wyndham (Pernod); Casella Wines; De Bortoli Wines; McWilliams Wines; Tyrells Wines; Accolade Wines; Brown Brothers Swift Australia, Teys Bros, Cargill Australia, Fletcher International; Nippon Meat Packers Australia; Bindaree Beef; Northern Meat Coop; OSI International; Devro; Primo; Rivalea; BE Campbell; Beak & Johnson; Baiada; Inghams; Red Lea Chicken; Cordina Chicken Cooperative Bulk Handling (CBH); Grain Corp; AWB Limited; Cargill; Sunrice; Viterra; Manildra 水産品 Geraldton Fishermen’s Cooperative (GFC); Kailis Brothers; Austral Fisheries; A Raptis; Tassal; De Costi Seafoods; Petuna; 園芸作物 Costa Exchange; Moraitis; Holman Fresh; One Harvest; Montague Fresh; Simplot; Perfection Fresh; Windsor Farm Foods; Tolson Group; SPC Ardmona 調理済み食品 McCain, Simplot, Patties, Vesco Foods; Salad Fresh Australian Trade Commission Australian Food Industry > 5 州卖位で見た食品企業 世界で著名な多国籍企業はもとより、多くのオーストラリアの大規模食品・飲料企業はオーストラリア の本社もしくは実際の生産施設をニューサウス・ウェールズ州 に設けております。主要企業としては 以下のものがあります。 Baiada Poultry, BE Campbell, Beak & Johnston, Bega Cheese, Bindaree Beef, Campbells/Arnott’s, Casella Wine, Cerebos, Coca-Cola Amatil, Darrell Lea, De Bortoli Wines, Devro, Ferrero Australia, Fletcher International, Freedom Nutritional Products, , George Weston, Goodman Fielder, Graincorp/Allied Mills, Green’s General Foods , Inghams, Kellogg Australia, Manildra, Mars/Masterfoods/Wrigley, McWilliams Wines, Moratis Group, Nestle Australia, Nippon Meat Packers, Norco, Northern Cooperative Meat, OSI International, P&N, Pace Farms, Pepsico/Smiths Snackfoods, Perfection Fresh, Primo, Rivalea Australia, Sanitarium Foods, Sara Lee Bakery, Snack Brands Australia, Sunrice, Tolson Group, Tyrrells Vineyards, Unilever, and Windsor Farm Foods. クイーンズランド州 に操業拠点をもつ大手食品・飲料企業は以下のとおりです。 Bundaberg Brewed Drinks, Castlemaine Perkins Brewery, Barrett Burnston Malting, Coca-Cola Amatil, Food Spectrum, Tate & Lyle, Heinz (Golden Circle), Gourmet Garden, Grove Fruit Juice, Swift Australia, Kerry Ingredients, Salad Fresh, National Foods (Berri Juice packaging facility -owned by Kirin Brewery), Parmalat, and Snap Fresh. 单オーストラリア州 の大手大手食品・飲料企業は以下のとおりです。 Constellation Wines, Southcorp and Penfolds, Coopers Brewery, T&R, AgriExchange , d’ Vine Ripe, Cleanseas Tuna, Lion/National Foods, B-d. Farm Paris Creek, San Remo, Vili’s and Balfours , Bellis Fruit Bars, Beerenberg, Maggi Beer and Bickfords and Viterra/ABB. タスマニア州 の主要な食品加工企業は以下のとおりです。 McCain, Simplot, Field Fresh Tasmania, Cadbury, Fonterra, Tassal, Tasmanian Seafoods. 主要飲料メーカーとし ては次の企業があります。Carlton and United Breweries, Lion Nathan, Cascade Beverage Company and Juicy Isle. ヴィクトリア州 の大手生産者を含む食品加工企業は以下のとおりです。 Brown Brothers, De Bortoli Wines (Yarra Valley Estate), Cargill, Costa Group, Foster’s Group, Fonterra, General Mills, H.J. Heinz, Hakubaku, Kraft Foods, Mars Australia Limited, Murray Goulburn, National Foods, Ridley Corporation, Schweppes (Asahi), Simplot, and Top Cut Foods Limited (meat products), Warnambool Cheese and Butter, Tatura Milk Industries, SPC Ardmona and McCain. 首都特別地域(ACT) にはライオンとベガ・チーズのジョイント・ベンチャーによる Capitol Chilled Foods (dairy) があって、首都特別地域と单部ニューサウスウェールズの生産者兼ディストリビューター となっています。. 西オーストラリア州 には小規模ながら活力ある食品加工業があって、国内外の企業買収に見舞われた ものの、 市場動向に敏感に対応して生き残っている企業は西オーストラリア州の人気の象徴として位 置づけられています。 Anchor Foods, Craig Mostyn, Lynley Valley Pork, Kailis Brothers, Vesco Foods, Sea Lanes Seafood Pty Ltd, Catalano Seafood, Wescobee Honey Pty Ltd, Western Australian Meat Marketing Co-operative (WAMMCO), Western Meat Processors Group, Goodchild Meats, V & V Walsh etc. 調理済み食品のビジネスチャンスは急速に増えつつあって、小規模から中規模の食品会社の数も増加 し、遠く離れた鉱山や老人介護施設向けのケータリングサービスを営んでおります。このような中小規 模の企業には以下のものがあって、外食分野のビジネスチャンスに対応しています。 Gourmania, Village Kitchen, Past Fresca, Goan Cuisine, Mughal Foods, Turkish Bakeries, JusBurgers Sources: State government contributions Australian Trade Commission Australian Food Industry > 6
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