研究紀要 すばる Vol.23 広島市こども文化科学館 は じ め に 広島市こども文化科学館の平成 26 年(2014 年)度の事業をまとめた「すばる」 23 号の発刊にあたり、ご支援いただいた皆様に心より感謝申し上げます。 昭和 55 年(1980 年)5 月に“おどろき・夢・ロマン”をテーマに開館して以来 35 年、広島市こども文化科学館は、広島市民をはじめ、多くの関係者のご支援 を得て,広島の「こどもの文化と科学」を支える一翼を担ってまいりました。 その歴史の上に新たな一ページを加えることができましたことを、職員一同、心 から喜んでおります。 平成 26 年度早々には、開館以来の入館者数 1500 万人を達成し、財団の再生 公益法人化記念事業としての、国際科学映像祭ドームフェスタ市民公開など、 多くの事業も実施いたしました。 また、平成 26 年度には広島市議会において承認されたプラネタリウム更新が、 設計入札まで進み、平成 27 年度に画像投影機のデジタル化と椅子の改修工事が 行われることとなりました。関係各位の皆様のご支援、ご協力に心より感謝して おります。同時に、今後職員一同全力を挙げて、工事完成に向かって参りたいと 思っております。 広島市こども文化科学館のますますの充実のため、皆様には、今後もご支援・ ご協力を賜りますよう,心からお願いいたしまして、発刊のご挨拶といたします。 館長 幾田 擁明 も く じ Ⅰ 教室事業 科学教室・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・01 創作教室・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・05 ワークショップ「たのしい工作室」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9 サイエンスショー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11 大人の科学談話室・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13 びっくりサイエンスショー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15 Ⅱ プラネタリウム・天文普及事業・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17 Ⅲ クラブ活動 プラネタリウムクラブ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21 アマチュア無線クラブ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22 発明クラブ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24 スーパーサイエンスミュージアム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・26 Ⅳ ホール事業・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・30 Ⅴ 企画展 科学捜査展・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・33 青少年のための科学の祭典 第20回広島大会 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・35 ミニ企画展・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・38 Ⅵ 外部との連携 共催事業・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・40 市民企画型事業・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・41 Ⅶ 人材の育成 博物館実習・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・42 ユース・サイエンスボランティア・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・43 然博物館編) 』を使用した。当日は,干潮時間(13:28) にあわせるために 10:30 からの講座となった。また、 受付場所など「グランドプリンスホテル広島」の協力 を得て実施した。 Ⅰ 教室事業 科学教室 矢野宏和・山脇一幸・國宗治子 1 概要 こどもたちの科学に関する興味・関心を高め, 身近な事象について科学的に考えることができる ようにすることを目的に開催している。単に講義を 聞くだけではなく,実験やモノ作りなどを通して, 科学の不思議や楽しさを感じられるようにする。 対象は広島市及び近郊に住む小学生と中学生で, 往復はがきでの事前申し込みとしている。定員は原 則 16 人(内容や場所により変更する)であり,応募 者の数が超えた場合には抽選により決定する。逆に 定員に達していない場合は,メールなどで追加募集 を行い,先着順に受け付けている。 ミクロ生物の観察(6月8日) 1人1台の顕微鏡を使って,広島湾の微生物を観察 した。今回のテーマは「赤潮」で、参加者は歓声をあ げながら観察していた。そのほかプラスチック粘土を 使用して,微生物モデルを製作した。 2 実施内容 タンポポ大捜査線(4月6日) 広島城の二の丸表御門に集合し,在来種と外来種の タンポポの見分け方を説明した後,広島城内でポイン トを決めた地域に咲いているタンポポを調べた。当日 は途中,雨が降り出したため雨宿りをしながらの観察 会となったが、開花しているタンポポの数も多く観察 しやすかった。 ミョウバンの結晶をつくろう(6月 22 日) 飛行の科学①大型スチレングライダー(4月 29 日) スチレンペーパーとヒノキ棒などを使ってグライダ ー飛行機を作り,調整をして飛ばした。手作りの風洞 装置を用いて揚力についての実験などを行い、主翼や 尾翼の役割を科学的に説明した。製作後,ハノーバー 庭園で飛行実験をおこなった。 ミョウバンの結晶を作成した。時間がかかる実験で はあったが変化する様子が面白く、こどもたちは興味 深く観察していた。ただ製作するだけでなく,条件に よって結晶のでき方が変わることを観察した。 不思議な色水であそぼう(7月 21 日) 卵の空きパックに紫キャベツの汁を入れ,その中に いろいろな水溶液を入れて色の変化を調べた。こども たちは自分でピペットを操作し上手に実験していた。 水溶液は家庭に身近にあるレモン水・酢・重曹水・石 けん水・ホウ酸水などを用意した。また紫キャベツの 汁などを持ち帰らせることにより,家庭でもいろいろ な水溶液について自主的に調べてみることができるよ うにした。 偏光ってなんだろう?(5月 11 日) 身の回りに使われている偏光板の実物(電卓・偏光 めがね・デジタル時計等)を見せながら説明した後, 偏光板の特性について実験を行った。2枚重ねて暗く なった偏光板にもう1枚加えると光が通ることや,偏 光板を使った3D画像を観察するなど,こども達は驚 きを持って実験をしていた。実験以外に,偏光板を使 った簡単な科学工作も実施した。 海の生き物と友達になろう(5月 25 日) ~元宇品海岸の生き物調査~ 海岸の動物と海藻の観察を行った。海岸動植物に精 通した 3 人の講師に引率されながら,こども達は熱心 に生き物を採集し,講師に名前や生態などを質問して いた。資料は『元宇品自然観察マップ(広島生きた自 瀬戸内うらわざマリンピック(7月 30 日) 1 講師が採取してきた瀬戸内海の水生生物の観察を行 った。観察するだけでなく,生物とふれあいながらの ゲームも取り入れた講座のため,参加者はあきること なく学習することができた。 全員が放送を受信することができるようになった。 お菓子の科学(8月 12 日・2月8日) お菓子づくり(カルメ焼き・バター・アイスクリー ム・チーズ)を通して,重曹の働き,氷の溶解する温 度,たん白質の凝固などを学習した。身近なテーマで あったため,参加者にはとても好評であった。 飛行の科学②ジョット機型プロペラ飛行機(8月2日) 光の科学(8月 19 日) 発泡スチロール板とヒノキ棒を組み合わせてプロペ ラ飛行機を作った。講師があらかじめ要となる部分を 組んでいたこともあり,こどもたちは順調に飛行機を 作り上げることができた。完成後,午前の部は市民球 場跡地,午後の部は雨天のためアポロホールで飛行実 験を行った。 新規題材で,分光シートを利用して様々な種類の光 を観察した。 分光シートを使った簡易分光器を製作し, 実験観察を行い,スペクトルをデジカメで撮影する参 加者もいた。後半は偏光シートを利用して光の不思議 な性質を観察したり,科学工作を行った。 貝の標本作ってみないカイ?(8月5日) はじめに,海岸で貝を採取する際の装備や手順,安 全面での注意事項等をわかりやすく説明し,講座後に 参加者が貝採取に行くことへの動機付けを行った。今 回は,アサリ・ナミ貝・シジミ・サザエ・ハマグリ・ アワビを用意し,身の取り出し方など標本作りの方法 を実習した。 化石の世界とレプリカ作り(8月 22 日) 型取り剤と石膏を使ってアンモナイトのレプリカを 作製した。工作の前後に,地球の歴史と化石について の解説をした。多くの化石を持ち込み,実物を提示し ながらの説明であったため,参加者は興味深く話を聞 くことが出来た。 自然の芸術~葉脈標本(8月 26 日) 始めに植物観察をしながら,キンモクセイ・ヒイラ ギモクセイ・クスノキの葉を採集した。採集した葉を 水酸化ナトリウム水溶液で溶かし,葉脈を取り出して 標本にした。こども達は自然が作り出した美しい造形 に感心していた。フィルムケースとカバーガラスを使 った簡単なルーペも作り、それを使って観察したこと も好評であった。 君も技術者!①ペットボトルラジオ(8月7日) ドライアイスで遊ぼう(9月6日) ドライアイスを使った様々な科学実験をおこなった。 ただ実験するだけでなく.予想をさせながらおこなっ たため参加者は興味深く参加していた。 ゲルマニウムダイオードやクリスタルイヤホンを使 用してシンプルなラジオを作った。電波,交流と直流 の仕組み,ラジオで番組を聴くことができる仕組みに ついて解説を受けた後, ラジオを組み立てた。 完成後, こども図書館屋上にて受信実験を行った。最初は聞こ えなかったこどももいたが、講師と一緒に調整をし, 二葉山シリブカガシの森へ行こう(10 月 19 日) 日本有数のシリブカガシ群生林のある東区二葉山で 自然観察を行った。講師は山の植物に関する知識が大 2 静電気の科学「静電気で妖怪を飛ばそう」(1月 25 日) 新規題材である。静電気をテーマとした教室で,風 船に発生させた静電気を使って様々な実験を行った。 ただ実験をするだけでなく,ゲーム性もあったので, 参加者はあきることなく学習することができた。 また, 静電気の発生の原理や,静電気に関する歴史などの話 もあった。 変豊富であり,こどもたちの質問に的確に答えながら 森を散策していた。テキストとして, 『緑の回廊すぽっ と東区(東区役所区政振興課発行) 』を使用した。 手作り豆腐はおいしさふっとう(11 月 16 日) 国産大豆(広島県産)と天然にがり,天然水を使っ て豆腐を作った。白大豆を材料に使い,にがりも適量 だったため、おいしい豆腐を作ることができた。 めっきにチャレンジ(2月 21 日) 君も技術者② 虹色に光るオブジェ(11 月 30 日) LEDや発光ロッドの解説や,3色(RGB)のLED の組み合わせで, 色々な色ができる演示実験を行った。 その後LED・発光ロッドなどを材料として,7色に 輝くオブジェを製作した。ただ製作するだけでなく, 実験もおこなったため,興味深い電子工作となった。 光ファイバーでイルミネーションリース (12 月7日) 空中から水中へ,または水中から空中へと光が進む とき,入射角によって屈折や全反射という現象をおこ すことを大型実験装置で演示した。また,光ファイバ ーは,この光の全反射の現象を利用して光の信号を 色々な所に送るために使われていることを説明した。 さらに,底の絵が浮き上がって見える実験(浮き上が り現象)などを行い,光の屈折について理解させた。 その後,光ファイバーとLEDで輝くクリスマスリー スを作成した。 新規題材である。尿素・ミョウバン・チオ硫酸ナト リウムの結晶を作製した。ただ作製するだけでなく, 温度や湿度などの条件によって結晶のでき方が変わっ てくることを実験した。 虹色を見てみよう ~CD分光器~(3月8日) ロボットカーのプログラミング(12 月 14 日) パソコンでロボットを制御するプログラムを制作し た。プログラミングが初めてのこどもたちがほとんど であったが,講師の事前準備で操作が分かりやすくで きるように工夫されており,すべてのこどもたちがや りとげることができた。 飛行の科学③プロペラハングライダー (12 月 21 日) ゴム動力でプロペラを回転させて飛行する飛行機を 作った。本体はビニールとヒノキ棒を組み合わせて製 作した。講師の事前準備によって複雑な工程を省くよ うにしたので,全員が時間内に作ることができた。製 作前には,飛行機の歴史や種類,技術革新の話などを 行い,飛行の原理やいろいろな形の飛行機について理 解するようにした。機体完成後,アポロホールで飛行 実験をおこなった。 新規講座である。CDを利用した分光器を製作し, 太陽光と蛍光灯を比較しながら観察を行った。製作す るだけでなく,光の性質やスペクトルについても学習 した。 天文学習~天体望遠鏡づくりと星空観察~(3月 27 日) 望遠鏡の原理や歴史を学習した後,天体望遠鏡を製 作した。その望遠鏡を使用し,天体観望を行う予定だ ったが曇天のためできなかった。また,今年おこる天 文現象を紹介した。 手作りこんにゃく(1月 18 日) こんにゃく芋は広島県産のものを手配した。こんに ゃく作り(食品加工)が中心となった活動であるが, 講師にこんにゃくいもの体のつくりや成長についての 話をしてもらい,食品を通じて原料である植物にも興 味を広げることができた。 3 参加人数等 申し込み 延べ 1,200 人 参加者 延べ 584 人 3 4 アンケート(n=358) (1) 参加者の学年 (6) 教室は楽しかったか? 0.0% 20.0%40.0%60.0%80.0%100.0% 2年 19.7% 3年 19.2% 4年 20.5% 5年 80.2% ②楽しかった 9.9% ③まあまあだった 9.1% ④つまらなかった 0.3% ⑤とてもつまらなかった 0.0% 17.8% 6年 中学 ①大変楽しかった 14.8% 1年 5 所感 (1) 今年度の参加者は小学1年生~5年生までほぼ同 じぐらいの割合の参加となり,6年生以上は少な かった。また例年と比べて5年生が増えている。 これは新規題材が高学年向けのものがあったため であろう。 (2) 参加者のほとんどは,「大変楽しかった」「楽しかっ た」と答えており,講座の内容も参加者の期待にこ たえる内容であったといえる。さらに, 「何か新し いことがわかったか」という質問については, 90%以上の参加者が「はい」と答えていることか ら,講座の内容が知識や技術の獲得につながって いると考えられる。来年度以降もこのレベルを保 てるように運営していきたい。 (3) 今年度の新規講座は, 「光の科学」 「静電気の科学」 「めっきにチャレンジ」 「虹色を見てみよう」の4 講座である。新規講座を実施するためには,様々 な困難があるが,講師と十分に内容(メニュー) を検討しながら来年度も引き続き開催していきた い。 (4) 参加者のはがき申込状況については,今年度は増 えており,ここ数年の申し込みの減少傾向に歯止 めをかけることができた。来年度以降も開催時期, 内容や広報方法を工夫して増やしていきたい。 5.8% 2.2% (2) 説明やプリントは理解できたか? 0.0% 20.0% 40.0% 60.0% 80.0% ①よくわかった 62.6% ②大体わかった 30.9% ③あまりわからなかった 5.7% ④全然わからなかった 0.8% (3) 内容や作業は難しかったか? 0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0% ①大変難しかった 13.4% ②難しかった 35.9% 35.3% ③ふつう ④簡単だった 11.3% 4.2% ⑤とても簡単だった (4) 作品や実験はうまくできたか? 0.0% 20.0% 40.0% 60.0% ①上手にできた 55.1% ②大体できた ③あまりできなかった ④全然できなかった 38.3% 6.1% 0.5% (5) 何か新しいことがわかったか? 0.0% 20.0% 40.0% 60.0% 80.0%100.0% ①はい ②いいえ ③わからない 90.4% 2.9% 6.6% 4 以下,新規講座ついて簡単な内容とその結果につ いてまとめ, 特記事項のある講座について詳述する。 創作教室 森川公泰・佐藤篤正 (1)操り人形 自然素材を使った操り人形を作った。始めに持ち手 を作り,ひもの取り付けにヒートンを用いた。次に人 形の胴体,手足をそれぞれヒートンでつなぎ合わせ, 思い思いの木製人形を完成させた。最後に操り用の糸 付けに入ったが,調節に時間がかかり,作業時間を過 ぎた参加者がいた。しかし,作品の出来に満足してい る様子で,嬉しそうに持ち帰っていった。 今回が初めての講座のため時間配分にミスがあり, 時間オーバーとなってしまったが,作業内容としては 単純であるため,作業手順を再考することで改善され る。今後は,事前に作業手順及び,対象年齢等を講師 と十分検討を行い実施していきたい。 1 概要 (1)目標 小・中学生を対象とした様々な創作活動を通して 創作する喜びを味わうとともに,教室に参加した他 の参加者の作品のよさに気づき,さらに工夫してよ りよいものを作ろうとする意欲と態度を育てる。 (2)募集形態 ① 対象 ・広島市および近郊に住む小学1年生から中学3年 生。 (小学4年生以下は,保護者と一緒に参加。但 し,講師の要望で子供だけ参加の講座もある。 ) ・講座の内容と講師との相談により,講座ごとで対 象とする年齢を決定する。 ・対象とする年齢以外であっても, 特に希望があり, 講師も認める場合には受講を認める。 ② 定員 ・原則 20 人(内容や場所により,変更もある) ・定員を超えた場合には,抽選により決定する。 ③ 実施場所 広島市こども文化科学館 3階 創作室 ④ 実施日時・講座名・参加状況・教材費 教材費は材料の実費分 (3)参加データ ① 実施時期 平成 26 年 4 月 12 日~平成 27 年 3 月 15 日 ② 実施回数 合計 33 講座・47 回 ③ 参加延べ人数 760 人 (2)パステルアート パステルを使ってリスの絵をポストカードに描い た。パステルを茶こしでこすり,粉末にしたものを指 でポストカードにこすりつけていく。まずは背景をこ すり合わせて彩色し,次に事前に用意していたリスの 型抜きをあてて,消しゴムで色ぬきを行う。その白く なった場所に色付けをしていくという手順であった。 参加者は,初めての手法に戸惑っていたが,慣れて くると,集中して作品づくりをしていた。完成後の感 2 実施内容 今年度の創作教室も,これまでの方針に基づき, できるだけ新しい内容を設けるよう,新規の講座を 4講座開設した。 5 想は,全員楽しく作業ができて嬉しそうであった。 テーブルを四つに分けて実施し,講師は大まかな説 明は全体で,細かな説明は各テーブルごとに行い,丁 寧な対応を心掛けていた。また,リスの型抜きとポス トカードの枠づくりを事前に人数分用意しており,ス ムーズに作業できるように配慮していた。 本講座は二回目の実施となったが,大変人気の講座 となり(特に女子)この時期にしては,応募は満員で あった。このことを通して,来年度も継続開催をして いきたい。 作業は難しかったですか? とても簡単だった 4% 簡単だった 8% ふつう 31% 大変難し かった 13% 難しかった 44% (3)木琴づくり 教室は楽しかったですか? まあまあだった 3% 楽しかった 17% 手作りの木琴づくりにチャレンジした。始めに台 座作りを行った。音がよく響くよう糸を張るととも に,長さを調整してある木材の真ん中を,音を確認 しながら削った。削り加減により微妙に音がずれる ので,仕上げを慎重にする様に注意を促した。調整 に必要な時間を充分に確保したので、全員完成させ ることができた。完成後は喜んで曲を弾いていた。 講師は,音の調整用の削り台として大きな桶の中 に紙管に紙やすりを貼り付けた専用工具を用意して, 参加者が削りやすいように工夫していた。また,削 り粉対策にマスクを用意し,参加者が作業しやすい ような配慮をした。 作業時間を終日とったことで,時間に余裕を持っ て取り組めたので,完成度も高く,参加者の満足度 の高い作品になった。来年度も継続開催をしていき たい。 とても楽しかった 80% この質問の結果, 「大変難しかった」 「難しかった」 と回答した参加者がおよそ57%であった。 しかし,講座についての感想については「とても 楽しかった」 「楽しかった」が 97%とほぼ全員が満 足していた。 この結果から, 参加者が達成感を味わっ て講座を終えたことがうかがえる。 家庭において,ものづくりができる時間や環境を 整えることがなかなか難しい昨今,本講座はものづ くりの楽しさを味あわせる重要なファクターである。 3 アンケート集計 本事業では,各講座で参加者にアンケート調査 を実施している。その結果をもとに本年度の創作 教室が参加者の期待に応えるものであったかを検 証することにする。 講座の内容に関しては,以下の質問に対する回 答を集計して検証した。 6 4 所感 今年度は,参加率が 9 割を超えており,広報物 やメールマガジンの追加募集等が効果的に行うこ とができたと思われる。 新規講座においても定員の 9 割となっていた。 特に初めて参加するという者が 36%と例年に比 べて増えていたのも参加率の向上には良い傾向で ある。 来年度の新規講座開催において,大人向けの講 座を 1 講座開設予定で,こどもの保護者へ向けて のサービスを充実できるような取り組みも図って いきたい。 恐竜づくり 次にスキルアップに関する回答は下のグラフのよ うであった。 新しくできることが増えましたか? できるこ とは増え なかった 5% わからな い 12% できることが増えた 83% 「できることが増えた」の回答が83%と学校や 家では経験することができない講座の内容であるこ とが,今後のものづくりへの興味関心を高めていく のは違いないと思われる。 こども木工教室 7 8 ワークショップ「たのしい工作室」 休業中は 80 名分)を事前準備している。参加者が準 川橋奈織・髙土尚子・山脇一幸 備数を超えた際は,可能な限り材料を作り足して対応 し,追加が不可能な場合は,午後3時 30 分より前に 受付を終了することもある。 ② 工作の指導体制 インストラクターは通常2名とし,多くの参加者が 見込まれる夏期休業中は3名体制(26 年度は7日間) で実施した。いずれの回も1名がチーフ,他はサブと して役割分担し,事前の連絡はインストラクター同士 で自主的に行っている。 また,工作室内には様々な道具を用意し,参加者が 1 概要 「切る・貼る・塗る」など工作を進める中で可能な限 ワークショップ「たのしい工作室」は,主に幼児・ り多様な用具体験ができるよう指導にも配慮してい 小学校低学年とその保護者を対象とし,幼児・児童の る。なお,道具使用の際は参加者の年齢を考慮し,同 自由な発想を重視しながら次代を担うこどもたちの創 伴の保護者を含めて使用上の注意喚起を行っている。 作活動の場を拡大するとともに,より多くのこどもた ③ 工作の題材の決定 ちの豊かな創造性と幅広い興味を育てることを目的と 各工作担当インストラクターが主体となり,対象年 している。 齢を考慮して決定している。紙・木・ペットボトルな 身近な素材を用い,動く工作・飾れる工作・季節感 どの身近な素材を用い,動きや仕掛けがあるもの・季 のある工作・科学工作など多彩な題材で実施しており, 節にちなんだものや飾れる工作・科学工作など多岐に 26 年度は,年間 48 回延べ 3,105 名の親子が工作に参 わたる。また,色塗りや絵を描いたり好きな形に切る 加した。 など,できるだけ参加者の自由な発想で作れるように 2 実施概要 心がけている。 (1) 開催日 (3) インストラクターの活動状況 主として日曜日・土曜日・祝日のいずれか。なお, ① 登録について 多くの参加者が見込まれる夏期休業中は平日も実施。 26 年度は登録者 45 人で運営した。20 代から 80 代 (2) 受付時間 まで幅広い年齢層が登録,活動している。なお,イン 午後 1 時~午後 3 時 30 分。空席状況や制作時間を ストラクターの新規登録は通年で受け付ける。 勘案しながら随時受け付ける。 ② 打ち合わせ会 (3) 実施場所 年間4回の打ち合わせ会を実施し, 3ヶ月分の担当 3階 工作室 者を決めている。このほか,インストラクターの技術 (4) 対象 向上や情報交換を目的とした技術講習会や懇親会, 工 主に幼児・小学校低学年とその保護者 作室内の材料・道具類の棚卸しと整備を行った。26 年 (5) 定員 度の各打ち合わせ会実施内容は以下のとおり。 通常約 60 名,夏期休業中は約 80 名 ・4/6(日) (6) 参加申し込み 7~9月の担当者決定 講習会「発達障がいについて」 不要 ・7/6(日) (7) 参加費 10~12 月の担当者決定 科学の祭典出展概要紹介 30 円 「おもしろ鑑定団~広島県の真珠を捜査せよ!」 ボランティアフェスティバル出展について 3 実施・運営状況 ・10/12(日) 1~3月の担当者決定 (1) 26 年度の実施状況 技術講習会「親がめ子がめ」 年間 48 回実施し, 参加者は 2,412 組 3,105 名であっ ・1/18(日) 4~6月の担当者決定 た。各実施日時・工作内容・参加状況は表1のとおり。 技術講習会「羊毛にまつわる講習会」 (2) 教室運営 ③ インストラクター通信 ① 材料準備 毎月作成し,当月の担当者の確認・打ち合わせ会 インストラクター主体で,各回原則 60 名分(夏期 9 やその他の活動の予定や報告・必要な材料収集の呼 5 所感 びかけ・通信発行の2ヶ月前に実施した各工作手順 こどもたちが試行錯誤し自分の手で工作を作り上げる の紹介などを郵送やEメールで情報提供している。 創作活動は非常に関心が高く,リピートでの参加者も多 ④ 青少年のための科学の祭典・ボランティアフェス い。一方,多様な工作の体験や道具の使用を通じての達 ティバルへのブース出展 成感や新たな発見は,インストラクターの創意工夫やき 科学の祭典では,10 月 25 日(土) ・26 日(日)に め細かい事前準備・指導によるところが大きい。 1ブース5名のインストラクターの協力のもと, 「お 参加するこどもたちの年齢層は低年齢化の傾向がある もしろ鑑定団~広島県の真珠を捜査せよ!」を出展し, が,ものづくりの魅力と自分で創造する喜びを感じるこ 県内外の養殖真珠を通して真珠の様々な特徴の紹介 とができるよう,多彩な内容と対象年齢に見合った事前 やパールビーズを用いたミサンガづくりを実施した。 準備・指導方法の工夫について,各工作を担当するイン また,10 月 25 日(土)に科学の祭典と同時開催の ストラクターとともに今後も検討を重ねていきたい。 広島市文化財団ボランティアフェスティバルでは, 「たのしい工作室」はインストラクターに支えられた インストラクター4名と当館ユース・サイエンスボ 事業でもある。インストラクター一人ひとりが,より主 ランティア2名との合同で工作「とびだせ!びっく 体的に工作の企画や指導に携われるよう,インストラク りバネヘビくん」を出展,工作指導を行った。 ター同士の連絡体制や科学館とインストラクターとの 連携を図りやすい環境整備にも留意し,工作室の運営の 4 アンケート結果(n=625) 充実に努めたい。 (1) 対象年齢 年齢層は,概ね当事業 の対象となる幼児・小学 校低学年が占めている。 一方,約1割が1~3歳 の参加で,対象年齢の参 [表1]平成 26 年度「たのしい工作室」実施内容一覧 1(1) 年齢 10歳以 上 3% 1~3歳 11% 4 7~9歳 31% 4~6歳 55% 加者と兄弟での参加と推 測され,この傾向は今後 も続くと予想される。 6 (2) 工作参加者の感想 参加者の9割以上が 「とても楽しかった」 ・ 「楽しかった」と回答 しており,本事業が概 ね参加者のニーズに応 える内容であったとい 5 4 参加しての感想 つまらな かった 1% まあまあ 1% 楽しかっ た 20% とてもつまらな かった 0% 7 わからな い・無回答 2% 8 とても楽 しかった 76% 9 える。 10 当事業は参加者の対象年齢からみて,工作を通して道具 実施日 内容 工作数 5日 とべ!ロケット ゆめのせて 55 月計 13日 いもむしくん 52 19日 カープがんばれ! 35 27日 はしれ!ダンボールカー 57 74 4日 かざぐるま 46 59 5日 ちいさいこいのぼりボックス 46 11日 かあさんおかたをたたきましょう♪ 38 17日 のぼるトリ 33 42 25日 サッカーPKゲーム 43 55 1日 毛糸であそぼう! 30 14日 六角パズル 56 22日 たなばたかざり 61 29日 とびだすおりづるカード 42 54 48 参加者数 199 67 45 49 72 79 5日 ぴょんぴょんがえる 37 13日 毛糸であそぼう!~ミサンガ編 72 19日 なつみぃつけた! 54 25日 おひさまブローチ 65 84 30日 ビーズあそびPart1-ストラップをつくろう 81 105 7日 偏光板のまんげきょう 104 135 10日 パタパタふくろう 66 16日 むしちゃん 73 20日 ビーズあそびPart2-ブレスレットをつくろう 80 104 24日 あさがおさいた 62 80 7日 コスモスのお花がさいたよ♪ 47 21日 毛糸であそぼう!~コースターづくり 52 27日 ごそごそザリガニ 41 13日 おやこのゆらゆらイルカ 19 18日 スーパーボールロケット 37 2日 ぴょん太のロケット 45 65 94 67 56 24 48 ンストラクターから指導を受けながら, 実際に自分で作る楽 とりぶえ 73 94 6日 ひつじちゃん 28 36 しみを実感することが達成感につながっていると思われる。 13日 めえめえレース 33 14日 毛糸であそぼう!-クリスマスのボンボン 41 21日 モコモコひつじ 51 66 23日 ミラクルまんげきょう 57 74 11日 おりがみでコマをつくろう! 40 17日 UFOフリスビー 44 25日 ちゅうがえりおに 49 1日 くるくるゆきだるま 57 8日 いとのわクルクル 52 14日 びーだまのおひなさま 35 22日 おひなさまのかべかざり 46 1日 どうぶつのおてがみポケット 48 8日 どうぶつトコトコきょうそう 40 14日 えてがみでいろいろかいてみよう! 34 22日 クルッとパズル 45 けられる。 一歩踏み込んだコツやヒントを伝え工作内容に関心を持 2 つことで,親子で工作に親しむきっかけの場となるよう,イ ンストラクターとともに内容や指導の充実にも努めたい。 3 組: 10 72 58 23日 1 181 53 42 なく保護者も一緒に楽しみ, 新たな発見する様子も多く見受 498 61 140 68 込まれている仕組みなどを説明するなど, 工作参加者だけで 395 85 385 もどりコロコロ さらに, 同伴の保護者へインストラクターが工作の中に盛り 244 93 309 くるくるやじろべえ 12 264 39 189 9日 11 252 59 206 15日 に触れ正しく使うコツ,工作のコツを教わる機会も多い。イ 月計 66 228 88 54 294 42 210 53 271 52 133 57 172 63 74 190 67 45 246 60 62 167 52 44 216 58 2,412 人数: 3,105 サイエンスショー 國宗治子・山脇一幸・村上聡 1 概要 以下の4点を目的として事業をおこなってい る。 (1)科学実験を通して科学に対する興味・関心 を喚起する。 (2)科学的な体験を通して科学的な物の見方や 考え方を育てる。 (3)「なぜ,どうして」という疑問をもたせ,好 奇心を抱かせる。 (4)身のまわりには,いろいろな科学技術が応 用されていることに気付かせる。 なお,当日気軽に誰でも自由に参加できる形態 とし,1日2回(1回 30 分) ・年間計 10 テーマ 実施した。 「風船で科学」 (5)アンケート調査の結果(n=180) 実施したほとんどのサイエンスショーにおい て,アンケートを実施した。 サイエンスショーに参加してどう思ったかの 問いには, 「とてもおもしろかった」 ・「おもしろ かった」を合わせると9割以上の回答があった。 サイエンスショーを見て, 「なにか新しいこと がわかりましたか」の問いには,8割を超える肯 定的な回答があり,参加することで,何かを感じ たことがうかがえる。 また,今後もサイエンスショーを見たいかの問 いには,9割以上の「見たい」との回答があり, 楽しんで参加してもらったことが分かるととも に,期待の高い事業であることがうかがえる。 2 実施内容 (1) 実施場所:1 階サイエンススタジオほか※ ※「光の科学」は2階会議室, 「爆発実験 カウ ントダウン」は1階たんけんとりで前で実施。 (2)実施回数:26 日 1 日 2 回 計 52 回 (3)年間参加者数:5,460 人 1 日(2 回)の平均参 加者数は 133 人 (4)各タイトル参加者 人数 日数 (回) 人数/日 ためして実験!電波のなぞ 270 4(8) 68 おもしろ実験アラカルト 297 3(6) 99 光の科学 142 2(4) 71 シャボン玉の科学 715 4(8) 179 熱い世界と冷たい世界 210 1(2) 210 爆発実験 カウントダウン 625 3(6) 208 火の科学 374 3(6) 125 空気のおもしろ実験 100 1(2) 100 電気のいたずら 317 3(6) 106 風船で科学 197 2(4) 99 3,247 26 (52) 125 タイトル 合計 「爆発実験 カウントダウン」 おもしろさ ふつう 4% とてもおもし ろくなかった 1% おもしろく なかった 0% 無回答 4% おもしろ かった 24% とてもおも しろかった 67% わからな い 3% いいえ 5% 新たな発見 無回答 6% はい 86% (平均) 11 観覧継続希望 無回答 4% 思わない 2% また見た い 94% 学年 高校生・大人 11% 中学生 2% 無回答 1% 保育園・ 幼稚園 31% 小学4年生 ~6年生 15% 小学1年生 ~3年生 40% 3 所感 アンケートの回答や演示中の参加者の表情や 歓声などから,今年度もサイエンスショーの内容 はおおむね,好評であったことがうかがえる。同 じものがまた見たいという声も多く聞かれた。 年々,参加するこどもたちの年齢層が低くなる 傾向がみられていたが,今年度は特に未就学児の 参加が多かった印象がある。空気の存在など,イ メージさせることの難しさを感じるが,実験その ものは目を輝かせて見ている姿が多く,実験の結 果には, 「笑う(喜ぶ) 」 , 「声をあげる」 , 「驚く」 などの大きな反応を示しており,楽しく参加して いる様子を感じ取ることができた。 また,サイエンスショーの実施について, 年々館へ遊びに来て知り,参加したという割合が 高くなってきている。 科学館を訪れ,また,サイエンスショーへの参 加が,身近な科学のふしぎやおもしろさを感じ, 興味・関心を抱くきっかけになるよう,実験内容 や見せ方,参加者との雰囲気づくりなど,工夫を していきたい。 12 内した。 大人の科学談話室 加藤 一孝・矢野 宏和 1 概要 こどもだけではなく大人を対象に,科学の世界 に親しむ場を提供することで,市民に対する科学 技術への啓発普及を進めていくことが目的であ る。さらにこの事業を通して,大人の科学館の利 用促進を図っていくことも目的である。 上記の目的を達成するために,例年事業の実施 を後期に4回ほど実施してきたが,今年度は5回 実施した。1回目は,11 月 15 日に「バクテリア の話」を広島大学の守口先生にしていただいた。 2回目は 12 月7日に大阪大学寺田先生による 「太 陽系の物質科学」 ,3回目は1月 25 日に「おもし ろ物理実験」のテーマで基町高校の池永先生,4 回目は2月 14 日に「宇宙の進化を探る」と題し て広島大学宇宙科学センターの川端先生に,そし て5回目は3月 14 日に, 「研究者から聞くとって おきのウニの話」を広島大学の坂本先生にしてい ただいた。その結果5回で計58人の参加があっ た。 寺田先生の談話室の様子 (3)2015 年1月 25 日(日)参加者 16 名 「おもしろ物理実験」 広島市立基町高等学校 池永寛 参加型の談話室として,演示実験で定評のある 池永先生にお願いをした。今回は“光”に関する 実験とともに,一般的な光の定義やスペクトルの 話をされた。自ら工夫して作成した実験装置など を用いて多彩な実験を行い,参加者を飽きさせる ことはなかった。身近な光について,多くの「ふ しぎ」や「面白さ」学ぶことができた。 2 実施内容 (1) 2014 年 11 月 15 日(土)参加者 3 名 「バクテリアの話」 広島大学大学院理学研究科 守口和基 「科学わくわくプロジェクト」(広島大学・マ ツダ財団:以下『わくプロ』とする)との共催で 実施した事業である。 バクテリアの最新の研究の話をもとに,遺伝子 の譲渡がどの様になされているかの話であった。 生命という定義は厳密にみると,どのようになっ ているかよくわからなくなる印象を受けるが、3 人の参加者はいつもにもまして,質疑応答を熱心 に行っていた。 (4)2015 年2月 14 日(土)参加者 12 名 「宇宙の進化を探る」 広島大学宇宙科学センター 川端弘治 広島大学にある口径 1.5m の「かなた」望遠鏡 を使ってγ線バーストの研究をされている先生 に,その研究の先にある宇宙の進化の話をしてい ただいた。最初はHR図を用いての一般的な恒星 の進化の話から始まり,赤色巨星の終焉であるベ テルギウスの話まで,興味深く話題の尽きない内 容が盛りだくさんの話であった。 参加した人たちは宇宙の話題には敏感で,質疑 応答は大いに盛り上がった。 (2)2014 年 12 月7日(日)参加者 20 名 「太陽系の物質科学」 大阪大学大学院理学研究科 寺田健太郎 隕石などを独自の手法で研究している寺田先 生に,最近の太陽系科学についてお話をしていた だいた。実物の隕石を使って話を進めていただい たので,参加者の興味関心も高く,質疑応答も活 発に行われた。小惑星探査機「はやぶさ」が持ち 帰った微粒子についても研究が進んでいるとい うことであった。この日,16:00 からのプラネタ リウムの星空投影において「はやぶさ2」の解説 を行うので,予定より早めに終了し,参加者に案 (5)2015 年3月 14 日(土)参加者 7 名 「研究者から聞くとっておきのウニの話」 広島大学大学院理学研究科 坂本尚昭 今年度最後の科学談話室は,わくプロとの共催 で行われた。講師の先生は生きているウニをたく さん持参され,顕微鏡もモニター付きのものを用 意されて,受講者によくわかるような工夫がされ ていた。生物の進化から始まり,ウニに関するい ろいろなお話があったが,その中でも生きたバフ ンウニから,精子と卵子を取り出し,顕微鏡のモ 13 ニターの中で受精の瞬間を見せていただいたと きには,参加者全員から感嘆の声が出ていた。実 際のものに勝るものはないということがよくわ かる講座であった。 3 所感 アンケートは実施していないが,ほぼ毎回参加 者は全員満足しているように思われる。その証拠 にほとんどの方が何らかの発言(質問を含め)を 行っており,参加性の強い事業だということを示 している。 大人が科学にふれあえる機会を,もっと増やし て行きたいが,利用できる部屋の問題などがあり, なかなか難しい。しかし講演会となると小回りが 利かず,謝礼金の問題も生じ度々は開催できない。 今回はわくプロ所属の協力により,例年に比べて 1回多い開催となった。このように外部の支援 (たとえばKEKの職員派遣事業)を受け入れる ことにより,充実した内容とすることができると 思われる。 14 公益財団法人移行記念事業 (5)広報 チラシ 11,000 枚作成し,市内小中学校及び社 会教育施設を中心に配布した。特に近隣の小学校 へは全児童数分配布し,多くの人の目に留まり, 足を運んでもらえるようにした。 また,4日午前開催のこども図書館主催の講演 会チラシ等にも掲載してもらい,来場者がより多 くなるよう努めた。 その他,館内数か所に告知ポスターを大判プリ ンターで印刷したものを掲示し,事前告知に力を 入れた。 びっくりサイエンスショーフェスティバル 山脇一幸・矢野宏和・加藤一孝 國宗治子・川橋奈織 1 概要 当館を管理・運営する広島市文化財団が公益財 団法人へ移行したことを記念し,全国の博物館 等においてサイエンスショーで活躍中の講師を 招へいして,通常実施しているサイエンス ショーと違う内容のショーを開催した。 また,アポロホールのステージ上という広いス ペースを使い,大人数を前にして普段なかなか 見ることができない実験ショーを行った。 2 内容 (1)実施場所:1 階 アポロホール (2)日時及び実施回数:10 月 4 日(土)・5 日(日) 1)10:00~,2)11:30~ 3)13:30~,4)15:00~ 計6回 ※10/4 は午後のみ開催 (3)講師(出演順) ・科学技術館 学芸員 中村隆氏(①) ・大阪市立科学館 館長 齋藤吉彦氏(②・③) (4)各演目タイトル及び参加人数 タイトル 人数 回数 人数/回 ① 見える光?見えない光? 348 321 3 2 116 161 97 1 97 766 6 ② ロケットのドキドキ実験 ③ スーパー磁石 ~アルミが動く?~ 合 計 3 準備等 まず実施時間の検討を行った。当館で通常行っ ているのは 13:30~,15:00~の午後 2 回だが,本 事業のうち 10 月 5 日は1日実施する計画となっ ていた。演目については,連続して同じものを行 うことを避けるようにしたため,それぞれ準備と 撤収に要する時間が必要となった。撤収にはあま り時間がかからないが,準備には仕込みや調整・ 確認等に時間を要する危険性が伴っている。そこ で,各回毎の間隔を 1 時間開けるようにスケ ジュールを組むこととした。また,来館者の動向 を考えると開館直後は少ないため,10 時を最初の 開始時間とした。 次に如何にして多くの来館者に観てもらえるよ うにするかを検討した。 ショーの構成・展開については各講師がこれま で培って来られたもので,それぞれの持ち味を活 かした大変魅力あふれる内容となっている。 しかし会場であるアポロホールは,館の奥まっ た場所で,しかも部屋の中に入らなければならな いため,来館者がちょっと立ち寄って観るという ことが難しい。そこで,チラシ配布といった事前 告知等に力を入れることとした。また館内では, 128 (平均) 各演目の内容の詳細については,掲載を割愛し たい。なお,齋藤氏の演目については,大阪市立 科学館研究報告(2012,2013)を参照していただき たい。 15 ホールまでの誘導に,会場入り口の貼り紙や入口 の照明等を工夫し,サイエンスショーの楽しそう な空間を演出した。 あった。 ただし,各講師の個性的で絶妙な進行だったお かげで,多くの参加者が大いに楽しんでいたと 人々の笑顔や歓声から感じることができた。 実施については,ステージ上でショーを行うた め,細かい実験や手元作業,解説画像などを広い 会場内でもよく見えるよう,ビデオカメラやCC Dカメラ,ビデオプロジェクターとスクリーン, 大型テレビモニターを用意した。なおビデオプロ ジェクターは,機材が観覧の邪魔になってしまう ことを避けるため,透過型スクリーンを用意して, プロジェクターを後方から投影するようにし,ス テージの前方に障害物が無いよう留意した。 4 所感 各演目とも大がかりな実験道具を用いるだけ でなく,当館では普段見ることのない高精細サー モグラフィー装置や大きなネオジウム磁石など 貴重な機材を使用し,魅力あふれる内容となった。 さらに,限られたものではあったが,参加者のう ちステージに上がって実験を手伝うなど一体感 を演出する工夫もなされていた。 しかしながら当館の特色でもあるが,参加者の 多くが幼児・小学校低学年とその保護者のためか, 実験そのものには大いに注目していたが,その原 理などの説明部分になると集中力を欠いたよう になり,若干ざわつき感が生じたりする場面も 16 1 実施事業概要 (1)季節番組 ①概要 年間を通してメインとなる全編オート番組。一貫 したストーリーの中で,テーマに応じた内容や季節 の星空を紹介する。3か月ごとに入れ替え。所要時 間約 40 分。 Ⅱ プラネタリウム・天文普及事業 松本佳也・加藤一孝・髙土尚子・伴香久子 当館では,プラネタリウム事業を中心に各種天文普 及事業を実施している。平成 26 年度は通例の事業に 加え,夏休みにプラネタリウム特別投影と講演会,9 月に国際科学映像祭とそのプレイベントを実施した。 以下,その概要を報告する。 ――― プラネタリウム設備概要 ――― ・光学式投影機:コニカミノルタプラネタリウム MS-20AT ・補助投影機:フル HD プロジェクター,スパイスシス テム(オールスカイ) ,パノラマ,流星,人工衛星, 各種スライド投影機等 ・音響:4ch サラウンド(各 ch フルレンジ SP+サブ ウーハー) ,補聴用ヘッドホン5セット ・座席数:340 席 ・ドームスクリーン径:20m 平成 26 年度観覧実績 総観覧者数 72,417 人 総投影回数 1,469 回 <内訳> 季節番組 春(H26/4/1~6/1) 6,176 人(198 回) 季節番組 夏(6/7~8/31) 15,393 人(248 回) 季節番組 秋(9/6~11/30) 10,804 人(232 回) 季節番組 冬(12/6~H27/3/1) 6,126 人(246 回) 季節番組 春(3/7~3/31) 3,073 人( 85 回) 星空投影 1,674 人( 35 回) 星空ミニライブ 1,106 人( 10 回) リフレタリウム 1,083 人( 40 回) 学習投影 小学校 4 年 8,196 人( 57 回) 小学校 6 年 117 人( 2 回) その他 510 人( 3 回) 幼児向け投影 9,577 人( 32 回) 夏休み特別投影 6,995 人( 37 回) ドームフェスタプレイベント 833 人( 8 回) こどもの日投影 186 人( 1 回) 天体観望会〜星空解説〜 121 人( 2 回) 七夕星空投影 夏休みの星空観察 b.夏の番組(No.137) ・タイトル:ゼウス家の食卓~星占いのヒミツ~ ・投影期間:6月7日~8月 31 日 ・脚本・演出:景山淳史 ・声の出演:大塚弘・近藤宜子・福田恵 ・音楽:国本佳宏 ・美術:村上麻紀 ・内容:ギリシャ神話のアポロン,アルテミス, ゼウスを登場人物に,黄道十二星座と星 占いについて紹介。 99 人( 1 回) 125 人( 1 回) こども講演会(TMT) 46 人( 1 回) コスミックコンサート 96 人( 1 回) クリスマス投影 ②各番組の概要 a.春の番組(No.136) ・タイトル:星空からの手紙 ・投影期間:3月8日~6月1日 ・脚本・演出・美術:太田しのみ ・声の出演:太田哲朗・岡田美絵・北村恵 ・音楽:国本佳宏 ・内容:春を中心に,四季の星空を手紙形式で紹 介する内容。季節の行事や天文現象等を まじえながら進行。 103 人( 2 回) 17 c.秋の番組(No.138) ・タイトル:ぼくの銀河鉄道 ・投影期間:9月6日~11 月 30 日 ・脚本:福田卓郎 ・声の出演:柬理晴哉・越村友一 ・作画:いなざわ友恵・八木大 ・制作:コニカミノルタプラネタリウム(株) ・協力:広島電鉄(株) ・内容:少年と路面電車を登場人物に, 「銀河鉄 道の夜」になぞらえつつ,秋の星座を紹 介するファンタジー。 ③使用 CD 2014 年春「アンドレ・ギャニオンのすべて」 2014 年夏「 『QUARTET』加古隆クァルテット」 2014 年秋「私の孤独~ジョルジュ・ムスタキ・ベ スト・コレクション」 2014 年 12 月「EMI ホワイト・クリスマス~クリ スマス・ベスト」 2014-15 年冬「WEST LIFE『WHERE WE ARE』 」 (4)星空ミニライブ ①開催日 毎月最終日曜日 16 時から ②概要 星空の生解説とあわせて音楽演奏や朗読を実施。 星空解説 20 分程度,ゲスト出演 30 分程度を目安と する。 ③各月のテーマ ※10 月,2月は休止 4月「音楽のおもちゃ箱」 出演:藤原幸来(エレクトーン) 5月「山のうた・森のうた」 出演:青木紀子(ピアノ) 6月「映画ミュージカルソング大集合!」 出演:小岩実由・森井友(トランペット),折 坂裕子(ホルン),山根智子(トロンボー ン),藤井晶(チューバ) 7月「アニメソング大集合!」 出演:青木紀子(ピアノ) 8月「打楽器タタタン♪」 出演:金石あずさ,國狹育絵,甫出絵里沙, 川本恭子(パーカッション) 9月「秋の夜長の月のしらべ」 出演:青木紀子(ピアノ) 11 月「初霜の星祭り」 出演:Key-TO(竹内ふみの(二胡) ,佐々木 行(ギター) ) 12 月「みんなでメリークリスマス♪」 出演:青木紀子(ピアノ) 1月「スポーツテーマソング大集合」 出演: 三浦ひろみ(朗読) ,内海由美子(絵) 3月「星月夜の奏で」 出演:Teppei (ギター・ボーカル) d.冬の番組(No.139) ・タイトル:太陽系のおしゃべりな夜 -はるか冥 王星へ。長い冒険のゴールと始まり- ・投影期間:12 月6日~3月1日 ・脚本・絵・デザイン:沢田妙 ・声の出演:木村知恵美・三浦ひろみ・福田恵 ・音楽:国本佳宏 ・内容:ニューホライズンズ探査機の冥王星到着 を前に,その経緯などを紹介するファン タジー。 (2)星空投影 ①開催日 毎週日曜日 16 時から(星空ミニライブ開催時を 除く) ②概要 職員の生解説による投影。季節の星座や惑星と あわせて,天文宇宙関係のトピックスなどを紹介。 ③各月のテーマ 4月「火星を見よう」 5月「水星が今年いちばんの見ごろ」 6月「惑星のとおりみち」 7,8月は特別投影のため休止 9月「皆既月食を見よう!」 10 月「太陽系の仲間たち」 11 月「15 歳になったすばる望遠鏡」 12 月「飛べ!はやぶさ 2!!」 1月「宇宙のキョリのはかりかた」 2月「ニューホライズンズ冥王星到着!」 3月「太陽系探査最前線」 (5)夏休み特別投影 ①期間 7月 19 日(土)~8月 31 日(日) ②概要 プロジェクター3台構成の仮設フルドーム映像 システムによる番組投影。 ③設置機器 ・プロジェクター:JVC DLA-X30 3台 (3)リフレタリウム ①開催日 毎週水曜日 12 時 30 分から ②概要 解説なしにプラネタリウムの星空とBGMを ゆったりと楽しむ,大人向けのヒーリング投影。 唯一の大人向け定例プログラム。 所要時間約 20 分。 18 ・映像送出:専用 PC 1台 ・再生用ソフトウェア:リブラ HAKONIWA PLAYER ・解像度:2Kフルドーム(2048×2048 pixel) ④上映番組 銀河鉄道 999 赤い星ベテルギウスいのちの輝き (星空生解説 20 分+本編約 25 分:コニカミノ ルタプラネタリウム制作) 学映像祭ドームフェスタに先立ち,その一般公 開イベントとして実施。ドームフェスタ用に持 ち込まれた4Kデジタルプラネタリウム(コニ カミノルタプラネタリウム SUPER MEDIAGLOBEⅡ-4K)により, 全天周映画 20 作品を上映する予 定であったが, 機器トラブルのため初日は中止, 二日目は2K解像度での上映となった。 (6) こども講演会「直径 30m のひとみ~超大型望遠鏡 をつくっています~」 ①実施日 8月 24 日(日) ②講師 家 正則(国立天文台TMT推進室室長) ③概要 建設の始まった TMT(Thirty Meter Telescope) について,すばる望遠鏡の事例とあわせて紹介。 フルドーム映像システムによる解説映像や現地 の全天画像などもあわせて紹介。 (7) 第5回国際科学映像祭ドームフェスタ ①期間:9月 16 日(火)~17 日(水) ②主催:国際科学映像祭実行委員会 公益財団法人広島市文化財団 ③概要 当館プラネタリウムを会場に実施され,二日 間で約 130 名のドーム映像関係者が集った。国 内外のフルドーム映像,ショートプログラムあ わせて 49 作品が2日間で上映され,アメリカ 自然史博物館のカーター・エマート氏による特 別講演会も行われた。また海外から3m仮設ド ームと映像システムの出展があり,こちらも賑 わった。 (9)クイズ!クリスマス×プラネタリウム ①実施日 12 月 20 日(土)~21 日(日)各日 16:00 から ②概要 クリスマスや天文に関するクイズを出題しな がら星空解説を進行。参加者は赤色 LED ライトで 回答。 (10)バレンタイン・コスミックコンサート ― 大切な人と,特別な星空を ― ①日時:2月 14 日(土)18:30〜19:30 ②出演:トリオ・カナール:井上恭子(ヴァイオリ ン) ,山口里美(オーボエ) ,木岡祥子(ハ ープ) ③概要 広島の演奏家によるプラネタリウムでのコン サート。演奏と星空・映像演出を中心に,簡単な 星座紹介も実施。 (8) 公益財団法人移行記念事業 国際科学映像祭ドームフェスタ・プレイベント 「全天周映画3days スペシャル上映会」 ①期間:9月 13 日(土)~15 日(祝・月) ②概要 (11)天体観望会 ①会場 広島市こども文化科学館正面玄関前 ※9/28 は3階太陽望遠鏡前 ②概要 プラネタリウムでの当日の星空案内と,屋外で 当館を管理・運営する広島市文化財団が公 益財団法人へ移行したことを記念し,国際科 19 の観察を実施。いずれかのみの参加も可。学生や 社会人のボランティアもスタッフとして参加。 ③各回の状況 a.4月 12 日(土) ア)星空解説(プラネタリウム)18:30~19:20 イ)星空観察 19:30~20:30 参加者数:ア)57 人 イ)天候不順中止 b.8月2日(土) ア)星空解説(プラネタリウム)18:30~19:20 イ)星空案内 19:30~20:30 参加者数:ア)64 人 イ)天候不順中止 c.9月 28 日(日)「土星食観察会」 時間:11:50~13:30 参加者数:20 人 ※薄曇りで土星は観測できず。 d.10 月8日(水)「月食観望会」 時間:18:00~21:00 参加者数:400 人 インターネット中継 19071 件 参加者数:40 人 b.だいち2号打ち上げ 会場:1階アポロホール 日時:5月 24 日(土)11:15~12:30 参加者数:107 人 c.はやぶさ2打ち上げ 会場:1階サイエンススタジオ 日時:12 月3日(水) 第一部(打ち上げ)12:25~13:40 第二部(分離)14:55~15:25 参加者数:90 人 2 所感 平成 26 年度の最も大きなイベントは,国際科学 映像祭ドームフェスタとそのプレイベントで,4K デジタルプラネタリウムを持ち込み,50 本近い作品 を流すという,非常に大きなイベントであった。残 念ながら大きなトラブルが発生し,プレイベントは 当初予定通りの実施は出来なかったが,その対応を 含め,通常垣間見られない技術的な知見を得ること ができたことは幸いであった。 インターネットを活用した映像利用については, 今年もその有効性が確認された。インターネット中 継によるパブリックビューイングには,各回とも諸 条件を考えれば多数の来場があった。いずれも自宅 で見ることのできる映像であるが,パブリックビュ ーイングには,多くの人とともに観て,感動を共有 できる魅力がある。その場を当館が提供することに は大きな意義があり,今後も是非継続していきたい。 また 10 月8日の皆既月食においては,当館から配 信したインターネット中継に2万件近いアクセス があり,大きな成果を得られた。日時の定まった天 文現象を全国同時に中継することには,天候面など で大変意義があり,こちらも積極的に実施していき たい。その他にも,動画のリアルタイム配信にはま だまだ可能性があると考えられる。新たな展開も考 えていきたい。 その他では,小学校6年生の学習投影の件数が大 幅に減少しており(H25=9件 ⇒ H26=2件)現時点 では判断が難しいが,今後の推移が気になるところ である。 (12)広島大学東広島天文台見学会 ①日時:10 月4日(土)17:30〜19:30 ②参加者数:55 人 ③内容 広島大学宇宙科学センター東広島天文台の一 般向け見学会を,同センターの協力により実施。 県内最大の 1.5m望遠鏡による天体観察や, Mitaka を利用した同センタースタッフによる宇 宙解説など。 (13)パブリックビューイング ①概要 JAXA が配信する中継映像の放映を実施。事前募 集に応募し,公認パブリックビューイング会場専 用サイトによる配信映像を使用。 ②各回の状況 a.若田宇宙飛行士帰還 日時:5月 14 日(水)9:45~11:15 会場:1階サイエンススタジオ 20 7・8月 番組制作合宿(7/31-8/1) 10 月 青少年のための科学の祭典(25 日,26 日) 11 月 発表会(16 日) 1月 反省会(18 日) 3月 天体観望会(広島大学東広島天文台) (28 日) Ⅲ クラブ活動 プラネタリウムクラブ 松本佳也・村上 聡 5 番組制作と発表会 (1) 内容 班 タイトル A MOKUSEI★ B 5人が見た不思議な夢の世界 C OB 天体観測ペルセウスとぎょしゃ -4人の子どもと2つの星座- 銀河のカタチのエトセトラ (2) 発表会 発表会は,部員の保護者などを招き,実施して いる。また一般来館者も,自由に観覧することが できる。観覧無料。観覧者 74 名 ○日時 平成 26 年 11 月 16 日 17:30~19:00 ○アンケートから ・良く練習してあるのが分かる,チームワーク が光った作品でした。 ・ストーリーもイラストも音声も,一生懸命さ が伝わってきました。 ・手作り感たっぷりで,とても温かい作品でし た。 1 概要 プラネタリウムクラブは,小中学生のこども達 だけで行い,プラネタリウムのオート番組を制作 する,全国でも珍しいクラブである。昭和 56 年 から続くもので,シナリオ,原画作成,スライド 作成,音声録音編集,プログラミングなど,ほぼ すべての作業を児童生徒自身の手で行う。以下, 平成 26 年度の活動を報告する。 2 目的 異年齢の児童生徒が広い地域から学校外の場 に集まり,自らの意思により主体的に活動し,ま た集団行動することを通して,児童生徒の健全育 成を図る。 プラネタリウム番組の共同制作を通して,天文 学に関する学習・研究を深めるとともに,人間関 係・コミュニケーション・プレゼンテーション・ 自己実現などの能力を高める。 6 所感 平成 26 年度は,映像制作を全面的にノンリニ ア編集に移行した。前年度まではパワーポイント で映像制作し,投影もプラネタリウムにパワーポ イントを連動させて使用していた。ノンリニア編 集を利用することで,音声との同期を直接確認し ながら作り込めるので,編集の精度を大幅に高め ることができる。一方で,同種のソフトウェアの 経験者は大人でも少なく,いかにして作業に慣れ させるかが大きな課題だった。前年度末に講習会 を開き,新規のクラブ員には適宜指導することで, 大きな問題なく新しい手法に移行できた。プラネ タリウムのデジタル化に向け,大きな課題をひと つクリアすることができた。 27 年度は,現行システムで最後のクラブ活動と なる。映像制作のワークフローを,よりしっかり としたものにしていきたい。 3 部員の構成 現役部員(小学校5年~中学校3年) :17 名 ※うち新規加入 6 名,継続者 11 名 OB・OG(高校生以上で活動に参加した者) :1 名 4 活動状況 3月 新入部員募集 4月 進級進学お祝い会(7 日) 発足式(13 日) 5月 新入部員講習会(19 日) (プラネタリウムの仕組,番組制作方法など) 21 3 平成 26 年度の活動内容 ⑴ 南極昭和基地との交信 日本アマチュア無線連盟と連携し「こどもの日特 別運用」を行う南極昭和基地のアマチュア無線局と の交信を行った。 当日は電離層の状態が不良で 19 時 近くになってようやく,3級の資格をもつクラブ員 3名が,約 14,000km 離れた場所にある南極昭和基 地と交信することができた。 アマチュア無線クラブ 佐藤篤正・山脇一幸・髙土尚子 1 概要 電子工作や無線機の操作,無線コンテストへの参加 を通して電気や電波に対する興味・関心を高め知識を 深めることを活動の目的として新しく 24 名のクラブ 員が活動を行った。 2 平成 26 年度の活動方針 ⑴ 活動内容 ① 電気や電波に関する学習 ② 電子工作を通した電波への理解を深める学習 ③ 無線従事者免許取得のための支援 ④ アマチュア無線局(JH4YIL)の運用 ⑵ 活動のねらい ① 電気や電波に関する学習を通して,学ぶことの 楽しさを味あわせる。 ② 免許取得を目的とした特別講座を夏期休業中 に開設し,受験者の全員合格を目指す。 ③ 無線交信技術の向上を目的として各種のコン テストや記念局交信に参加させる。 南極昭和基地(8J1RL)との交信 (5/5) ⑵ フォックステーリングとフォックスハンティング 第1回目のフォックステーリング (ARDF) は, フォックステーリング専用の発信器や受信機等の 機材の準備とクラブ員への指導を日本アマチュア 無線連盟呉支部よりの指導をいただき,中央公園 で実施した。指向性をもったアンテナで電波を探 るという本格的なARDFについて実体験をする ことができた。 第2回目のフォックスハンティングは,県立総 合体育館・ハノーバー庭園周辺で実施した。FM ラジオ周波数帯の発信装置を持って移動する2人 のフォックスを各自が持参したFMラジオで探し 出す競技を行った。 前回のフォックステーリングの経験からか,全 員が設定時間内でフォックスを見つけることがで きた。 ⑶ 活動計画 実施月日 タイトル 講師名 4/20(日) 発足式・オリエンテーション 科学館職員 4/26(土) アマチュア無線の運用1 猶崎 光 4/27(日) ALL JA コンテスト参加 中本 稔 5/5(祝・月) 南極との交信 科学館職員 5/18(日) フォックステーリング(ARDF) 藤川 正克 5/26(日) フォックハンティング 藤川 正克 6/1(日) アマチュア無線の運用2 吉岡 秀明 7/19(土) ~8/3(日) 電子工作1 モールス信号解読器 国家試験対策講座 (1~10) 8/2・3(土・日) フィールドデーコンテスト参加 科学館職員 10/6(日) 全市全郡コンテスト参加 7/6(日) 10/25~26(土・日) 「科学の祭典」 12/21(日) 2/1(日) 電子工作2 2石電信トランシーバー 電子工作3 7MHz受信機 3/1(日) 広島市 WAS コンテスト 3/1(日) 終了式 厚海 慶太 佐藤 道雄 神保 勝利 科学館職員 坂井 宏行 浴野 稔一 佐藤 道雄 猶崎 光 科学館職員 数か所の発信場所をつきとめる フォックステーリング (5/18) 年間参加者数:のべ 364 人 22 ⑶ 電子工作 講師による指導のもと,①モールス信号解読器 ②2石電信トランシーバー③7MHz シングルコンバ ージョン受信機を製作した。いずれの講座も多数の ボランティアの支援のもとに機器を製作した。しか し,どの題材もこどものレベルより高いものだった。 来年度はこどものレベルを考えて題材を選定する 必要がある。 国家試験対策講座 (7/21~8/2) ⑹ 青少年のための科学の祭典 無線クラブのボランティアとクラブ員がアマチ ュア無線のブースを担当し,モールス信号練習機を 準備して参加者に指導した。 はんだ付けも初めて,電子工作 (7/6) ⑷ 「フィールドデーコンテスト」参加 広島市似島臨海少年自然の家で1泊2日の日程 で移動運用を行ないフィールドデーコンテストに 参加した。当日は無線クラブ員 17名がボランティ ア5名の支援のもと日本全国の無線局と交信を行 った。 $ フ ィ ー ル 科学の祭典ブース (10/25・26) 4 反省と課題 年間に合計 23 回の活動を行ったが,学校でのクラブ デ 活動や家庭行事等のために出席率が低い活動が少な ー からずあった。また出欠席の連絡が必要な活動に対し コ て,連絡が無いことも多く有り参加者の把握が難しい ン 面があった。事前連絡の徹底を計りたい。 テ アマチュア無線クラブとして,交信を行うには免許 ス が必要となる。26 年度はクラブ参加をしたこどもの中 ト に,アマチュア無線交信をしたいという強い目的意識 を持った者が少なく,従事者免許試験合格者も少ない 結果となった。今後は募集段階からアマチュア無線交 信を行うことを強調するなどして,本来の目的に沿う 意欲を持ったこどもを集めたい。 ド フィールドデーコンテスト参加 (8/2・3) ⑸ 国家試験対策講座 市販の既出問題集や参考書等を用いて指導した。 26 年度は,入部時調査から,どうしても資格を取 りアマチュア無線通信がしたいという強い動機を 持つこどもが少なく,その結果か新たに3名が4級 アマチュア無線技士の資格を取得するにとどまっ た。 アマチュア無線通信への興味喚起や,対試験指導 をさらに充実させていきたい。 23 なお,発明くふう展では以下のとおり入賞した。 市くふう展:PTA協議会会長賞1名(中2男子) , 優秀賞1名 県くふう展:発明協会会長賞(中2男子)1名 (4)その他の活動 ・参観日 7月 21 日(日) ・県内発明クラブ交流会 7月 24 日(水) 株式会社ディスコ桑畑工場見学及び工作教室 (5)第 5 回チャレンジ創造コンテスト参加(完成コース) 発明協会が主催する大会で,課題は「からくり・ パフォーマンスカー」(台車がからくりを施した山 車を引っ張る)である。当クラブでは正規のカリキ ュラム外事業として位置付け,完成コースから希望 者を募り活動した。 今年度は「広島折鶴隊」 が全国大会へ出場し,見事 に全国1位(文部科学大臣 賞受賞)と大変好成績を収 めることができた。 ① 実施状況 ・4チーム 10 人参加 ・説明会 6 月 1 日(日) ・創作指導会 6 月 22 日,7 月 19 日・31 日, 8 月 1 日・7 日・8 日 広島県大会 8 月 26 日(火)広島市工業技術センター 全国大会 11 月 29 日(土)東京工業大学 ② 活動状況 昨年度と同様,デザインや仕掛けを重視する方向 で二度目のチャレンジとなった。その甲斐あって, 昨年の車両の反省を生かし,完成度の高い作品作り をテーマとして取り組んだ。その甲斐あって各チー ム,県大会において十分な成果を収めることができ, 全国大会においても好成績を出す結果につながっ た。 発明クラブ 森川公泰・佐藤篤正 1 概要 科学的興味,関心を追求できる場を提供し,学校 を離れた異年齢の集団で工作活動をすることを通 して「作品を自ら完成する喜びを体得させる。 」 「 科 学的発想に基づく生活態度を育成する。」「 創造性 豊かな人間形成を図る。 」を目的としている。 (1)主催 広島市こども文化科学館, 公益社団法人発明 協会,一般社団法人広島県発明協会 (2)会場 主にこども文化科学館 3階創作室 (3)期間 平成 26 年 5 月 17 日~平成 27 年 2 月 14 日 (4)対象と目標 ①基礎コース(定員:32 名) ・小学4~6年生で初めて参加する者 課題工作の製作を通して,工具の使い方や工作の 仕方など,ものづくりの基本を身につける。 ②完成コース(定員:32 名) ・小学校5年生~中学生で基礎コースを修了した者 自分のアイデアや工夫を実際の作品に仕上げる。 ・ 「チャレンジ創造コンテスト」への作品制作及び大会参加 2 事業内容 (1)クラブ員参加状況 基礎コース:32 名(内 27 名修了) 完成コース:27 名(内 23 名修了) (2)基礎コース活動概要(別表) 近年のこども達の基礎工作力低下に対応するた め,1年間課題工作を製作し,基礎的な工作技術の 習得を目指す。 また,アイデア開発として,知財及び特許につい ての学習を進め,発明くふう作品出展への足掛かり とする。 (3)完成コース活動概要(別表) 夏の発明くふう展出展作品の製作を中心に,アイ ディア開発カリキュラム・実用工作・電子工作,及 び期末の自由工作を実施した。 3 所感 基礎コースは例年通りの運営体制で進めた。カリ キュラムに対してクラブ員及び保護者からも非常 に評価が高い。しかし,途中でやめるケースが増え, 参加率が 7 割を切る日もあった。そのため,来年度 は定員 40 名とし8名増やし,常時 30 名以上が参加 できるように変更することとしたい。 完成コースにおいては, 「チャレンジ創造コンテスト」への 参加について指導講師と協議の結果,来年度は,好 成績を目指すためにも,カリキュラムの中に組み込 み,選択制でより作業時間の充実を図ることを確認 した。また,発明くふう作品出展に関して,全員出 品目指して,本年度より手厚く支援できるよう検討 していきたい。 24 平成26年度 広島少年少女発明クラブ 1 活動内容 基礎・完成コースの活動 日時 時 基礎コース活動内容 時 完成コース活動内容 5/17(土) P ①発足式・オリエンテーション P ①発足式・オリエンテーション 5/ 24(土) A ②初歩の工作 P ②アイディア発想トレーニングと工作 6/1(日) 6/7(土) A ③タングラム P ③便利なペン立て製作 6/15(日) A ④ジグソーパズル P ④発明くふう作品の企画・製作 6/22(日) 6/ 28(土) A ⑤マジックハンド P ⑤⑥ 7/12(土) A ⑥アイディア開発の基礎① P 発明くふう作品の企画・製作 7/19(日) 7/21(月)参観 A 7/23(水) 全 ⑦前期のまとめ P 時 その他の活動 P ★チャレコン説明会 A ★チャレコン製作① 全 ★チャレコン製作② ⑦発明くふう作品の企画・製作 ※県内交流会、呉(予定) 7/31(木) ③④⑤⑥ 8/1(金) 全 ★チャレコン製作 A ★最終調整 P ★チャレコン県大会 8/7(木) 8/8(金) 8/12(火) 全 ⑧⑨発明くふう作品の企画・製作 8/21(木) 全 ※自由活動日 8/22(金) 8/26(火) ⑧⑨アイディア開発の基礎 8/30(土) 全 「ボールコースター」 9/15(月・祝) A ⑩⑪⑫ P ⑩⑪⑫⑬ 9/28(日) A モーターを使った工作 P 初歩の電子工作 10/13(月・祝) A 「手回し発電カー」 P LEDを使った工作 11/9(日) A ⑬アイディア開発の基礎 P A ⑭広島県発明くふう展の見学 A ⑭広島県発明くふう展の見学 11/22(土) P ※自由活動日 12/ 7(日) A ⑮アイディア開発の基礎③ P ⑮⑯⑰⑱ 12/20(土) A ⑯⑰⑱ P からくり工作 12/23(火・祝) A カムやクランクを使った動く工 P パフォーマンスカーづくり 1/10(土) A 作 P 1/18(日) A ⑲工具箱 P ⑲⑳ 2/ 1(日) A ⑳後期のまとめ P 自由工作 2/14(土) P ㉑修了式・表彰式・反省会 P ㉑修了式・表彰式・反省会 但し、★チャレコン(チャレンジ創造コンテスト)及び※自由活動日は参加自由とする。 25 スーパーサイエンスミュージアム (7)経費 380万円(参加費16万円含む) 山脇一幸・村上聡 2 本年度参加者概要 小学5年生 6名 (男子3名 女子3名) 6年生 10名 (男子5名 女子5名) 応募総数 36 名 (昨年度 39 名) 3 事業日程 1 概要 (1)目 的 こどもの科学に対する知的好奇心を高め,未来に向か って夢と希望を持ってわくわくしながら探求活動にチ ャレンジできる豊かな感性と創造性を育てる。 (2)主催など 主催:スーパーサイエンスミュージアム実行委員会 共催:広島市こども文化科学館 後援:広島市,広島県教育委員会,広島市教育委員会 一般社団法人広島県発明協会 協賛:広島ガス株式会社,一般財団法人多山報恩会 協力:岡山大学,九州大学大学院,比治山大学,広島 大学,広島市安佐動物公園,戸田工業株式会社 (3)期 間 平成26年6月~平成27年2月 4 講座実施内容 第1回 科学の扉を開いていこう まずスポイトなど実験器具類の使用方法について 学んだ。また,初回講座であることから,受講生同士 の交流を図るため,一人一人に液体が入った容器を配 り,その液体を交換した後,試験紙を使って始めにア ルカリ性の液体が入っていたのを持っていた人を当て るのをゲーム感覚で行った。 (4)場 所 広島市こども文化科学館 比治山大学 広島ガス株式会社(技術研究所) 広島大学 広島市安佐動物公園 岡山大学 第2回 物質の状態変化と化学変化 物質が温度変化などによって,固体から液体へと変 わる状態変化について学んだ。ガスバーナーなどを使 い,物質によって変化する温度(融点・沸点)の違い についても確認した。 (5)内 容 小学5・6年生対象,公募・選考で16名。 開催回数年間17回:1回通常2.5時間。 体験・実験を中心とした理科。 (6)事業コンセプト 高度性 継続性 教育性 第3回 燃焼と冷熱実験 安芸郡海田町にある広島ガス株式会社技術研究所 へ行き,燃焼に必要な熱・可燃物・酸素の三要素につ 地域性 26 いて学ぶとともに,圧気発火実験や燃焼の際に金属を 炎の中に入れるとその種類によって異なる色を発する 炎色反応も実験を行った。 また冷熱実験では,液体窒素を使って酸素や二酸化 炭素の状態の変化を観察したり,テニスボールやスー パーボールを冷却すると衝撃に対してもろくなる実験 や超電導磁石の実験などを行った。 って病気に強くおいしいものになっているという説明 を受けた後,代表的な品種であるコシヒカリ・ひとめ ぼれ・あきたこまちのうちのどれかを各自配られ,品 種を解析していった。PCRという方法で遺伝物質で あるDNAを増幅させた後, 電気泳動によって観察し, その結果を撮影してプリントアウトするとともにコメ の品種を特定する作業を行った。 第8回 江戸のバイオテクノロジー -よみがえる変化朝顔-(オープン講座) 九州大学大学院講師 仁田坂英二氏を特別講師に変 化朝顔に関する講演会を実施した。受講生は細胞の構 造とメンデルの法則について事前学習をした後,講演 会に臨んだ。現在身近な植物のひとつとしてよく見か ける朝顔だが,江戸時代にも園芸ブームの中,多くの 変化朝顔が栽培されていた。その後,一時期廃れたり したが,近年ブームが再来し注目されている。この変 化朝顔の様々な品種紹介とともにその研究の歴史を江 戸時代中心に紹介があった。 また科学的に,動く遺伝子(トランスポゾン)がどの ように関わって変化朝顔が生まれるかという変化の過 程についても詳しく解説があった。 第4回 科学的思考力を鍛えよう -マインドマップ講座- 通常行われる実験主体の講座とは少し趣を変え,考 えを整理して,発想を豊かにし,記憶力を高めるため にマインドマップを活用することによって今後の活動 におけるレポートのまとめ方に参考となる内容となっ た。マインドマップの概要と利点,作成方法について 説明を受けた後,保護者も一緒に参加してテーマに対 して各々個性的な発想のもと,マップ作りを行った。 第5回 プラスチックの不思議 台風 11 号の広島接近に伴い,市に大雨等警報が発 令されたため,受講生の会場までの移動の安全性を考 慮して実施を見送ることとした。本講座は次年度以降 実施する予定である。 第9回 からだのつくり -カエルの解剖- アフリカツメガエルの解剖を行い,生き物のからだ のつくりを内臓中心に観察した。修了生 2 名が実習の 手伝いを行ってくれた。受講生は一人一匹ずつ解剖を 行った。解剖用ハサミを使って腹部を切り開き,心臓 や肝臓といった内臓をそれぞれの位置関係や形,大き さなどを取り出しながら確認を行った。そのほか,心 臓は取り出した後もしばらく動き続けていることや足 の神経に電気刺激を加えると,反応して足が動く様子 も観察した。 第6回 科学捜査 犯人は誰だ? .. .科学研究家 牧原正記氏を特別講師に招いて,めだ かが誘拐されたというストーリーから科学捜査(化学 実験)によって犯人を割り出していくという講座が行 われた。 指示薬を使って酸とアルカリを区別する実験やサ インペンの色を分けていくペーパークロマトグラフィ ー実験,あぶりだしを行うなど,科学捜査の面白さを 体験した。 第7回 おいしいお米をDNAで見分ける 広島大学教授 田中伸和氏を特別講師として同大の 教授の実験室におもむき,コメを使ってDNAに関す る実験を行った。受講生は現在のコメは品種改良によ 27 れた。受講生は,前回,前々回の講座で学んだことを ふまえ,動物の身体のつくりに関することだけでな く,生き物の生死についてなど哲学的な観点からの質 問もあり,それに対して氏は今までの経験などを踏ま えて丁寧に答えて行った。後半は,氏が先日訪問した ブータンについて,写真を見ながら,日本にあまりな じみのない風土や風俗などの紹介があった。 第 12・13 回 ルビーの単結晶をつくろう 二回講座で実施した。初回は結晶やルビーに関する 基礎知識を学び,次回行う人工ルビー作成のための試 料棒づくりを行った。原料である酸化アルミニウムと 酸化クロムを乳棒と乳鉢を使って根気よく混ぜ合わせ た後, シリコンチューブに入れて加圧成形まで行った。 二回目講座は岡山大学に赴き,同大教授 池田直氏 を特別講師に,ルビーについての復習を行った後,早 速試料棒を浮遊帯域溶融(FZ)法で焼成させてルビー づくりを行った。ルビーを溶かすのに長時間かかるた め,観察の合間に大学内の教授の研究に関わる実験機 器について教授から説明を受けながら見学した。 第 10 回 動物のからだと骨格 広島市安佐動物公園の協力のもと,同園を会場に動 物の生態によって骨格の特徴を見ていく講座を行った。 実際に本物のシマウマの骨格2体を受講生は二つのチ ームに分かれて組み立てて行った。最初はヒントが無 い状態で組み立てて行ったので,手探り状態での作業 となった。その後参考となる骨格標本が出てきて,受 講生はそれを熱心に見比べるとともに,園の職員から 指導を受けながら無事完成させることができた。 その後,組み立て作業を踏まえて,肉食・草食など 生態によって身体のつくりの違いを人間の骨格と比較 しながら園の職員からの解説があった。 第 14 回 ラジオ製作に挑戦 -エレクトロニクス入門- ゲルマニウムラジオとICトランジスタラジオを製 作した。周波数を含め電波に関することやAM・FM といったラジオ放送のしくみについて説明を受けた後, 実際にラジオ作りを行った。組み立てキットを使って のものだったが,トランジスタやダイオードなどの部 品を基板にはんだ付けしなければならなかったため, はんだ及びはんだごての取扱い方法も解説があった。 なお,受講生の大部分が時間内に完成できなかった ため,次回講座の時に1時間程度を製作にあてること とした。 第 11 回 養老先生の解剖学講座 東京大学名誉教授である養老孟司氏を特別講師とし て,動物の身体の仕組みについて講座を行った。受講 生が質問し,氏が答えるという質疑応答形式で進めら 第 15 回 活きている地球 地球上の火山活動について,御嶽山の噴火や小笠原 諸島西之島付近の噴火など,最新の事例とともに噴火 のメカニズムの解説があった。それに伴って火山灰の 観察を行った。火山灰に含まれている鉱物を双眼実体 28 顕微鏡で観察し,鉱物の特徴を確認しながらスケッチ 及び同定の作業をした。 後半は溶岩流の硬さ(粘度)によって,流れ出す様子 の違いを見るための実験を行った。紙粘土で火山の模 型を作り,その中央から注射器で 2 種類の粘度の違う ホウ砂と洗濯のりを混ぜたものを溶岩に見立てて押し 出し,その流れ出る様子を確認した。 せるなどの工夫がなされ,座学だけでなく実験を含め た内容の濃いものを実施した。 受講生においても,ただ講座への参加だけでなく, 講座の後にレポートを作成し,次回の講座時に提出・ 掲示を行うようにしており,これを他の受講生等が評 価したり,講師が添削することにより,科学への興味 や理解度をより深めて行けるような工夫もされている。 これによって,受講生にとって高度な講座内容で理解 困難なものでも,ある程度フォローアップされるよう になっており,全員熱心に講座に取り組んでいた。こ ども達の知的好奇心を十分満足させる一助となったこ とが考えられる。その成果は,修了式の際,思い出に 残った講座についての発表で講座内容を詳細にかつ熱 く発表していたことに如実に表れていた。また,著名 な科学者や科学の専門家,研究家などと直接関わった り,大学などの研究機関の実験機器を直接目にする機 会があったことは,受講生たちに刺激を与え科学に対 する興味関心をより高めるものにしたと思われる。 今後も,講師をはじめ外部講師と連携を図りながら, より充実した活動内容となるよう,受講生の知的好奇 心を満足させる活動を模索していきたい。 第 16 回 生命と地球の歴史 地球の誕生から今日までの年月を紙テープの長さで 確認し,人類の歴史がいかに短いものであるかを確認 した。また,古生代・中生代・新生代の代表的な生き 物とともに年表づくりを行った。さらに,屋外に出て 栃木県塩原で採取した石からたがねとハンマーを使っ て化石を取り出す作業を行った。ほとんどがシダ類の 植物が見つかるのだが,昆虫を確認することができた 受講生もいた。 第 17 回 修了式 式に先立って受講生はこの一年間を通じて印象に残 った講座を取り上げて, 2分程度のスピーチを行った。 短時間の発表ではあったが,受講生が一年間講座の中 で特に印象に残ったものを簡潔にまとめて自分の意見 も交えながらスピーチを行った。 その後,実行委員長から受講生全員に修了証書の授 与が行われた。 (3) 経費 広島ガス株式会社,一般財団法人多山報恩会両者か らの協賛金及び参加者負担金によって本事業は運営し ている。 5 事業のまとめ (1) 選考 受講生の選考は, 「応募した理由」について 600 字 程度の作文と4~5名ずつのグループ面接によって行 った。面接は応募者全員に対して行い,企画運営委員 会によって受講生を選んだ。 応募者は各々非常に意欲を持って参加しており,こ の事業に対する期待の高さがうかがえた。16 名の定員 に対して,36 名の応募があり,書類及び面接の両選考 結果から総合的に判断した。 (4) 総括 本事業は 10 年以上経て,長い実績のうえに成り立 っており,講座内容も今までの蓄積から魅力的なもの を積極的に採り入れるようにしているが,同じテーマ を扱ったものでも,新たな要素を加えるなど,より充 実したものとなるよう努められている。 しかしながら,今日学校教育を取り巻く環境は大き く変化しようとしている。今後,事業発展を進めるに は人員体制も含め新しい視点を取り入れた講座展開も 必要となるであろう。 本事業は,地元企業と大学機関などの科学教育専門 家,博物館の三者の協力で成り立っている。これから も三者の足なみを揃え,より良い事業を受講生等へ提 供できるよう進めて行きたい。また,他の類似事業等 との連携やさらに多くの研究機関,企業との連携を図 りたい。 (2) 講座の日程及び内容 大学及び企業等と連携して6月~2月の期間,物 理・化学・生物・地学の4つの分野を 17 回にわたって 充実した内容の講座を実施することができた。今年度 は,オープン講座として変化朝顔研究の第一人者であ る,九州大学大学院講師 仁田坂英二氏の変化朝顔に 関する講演会を開催し,園芸に興味のある人だけでな く,バイオテクノロジーに注目している人も多く参加 し,所定時間いっぱいまで積極的に質疑応答が行われ るなど,盛況のうちに終了した。 このほか各講座とも,魅力に富んだテーマを取り上 げるだけでなく,それぞれ複数の講座と関連性を持た 29 Ⅳ ホール事業 演を開催した。また,継続して開催している共催事業 髙土尚子 ・ 川橋奈織 である「科学技術映像祭入選作品発表会」を8月に行 った。出演者についてはボランティアとして出演が可 能な団体を模索し出演を依頼する場合と,活動の場を 求めて出演者から交渉を受ける場合とがある。 今年度ホール事業の実施内訳は次の通りである。 内容 日数 回数 人数 こども劇場 5 8 2044 こども音楽会 7 12 2116 科学技術映像祭入選作品上映会 2 2 174 (1) こども劇場 1 概要 人形劇やミュージカル,手品や日頃観覧する機会の ホール事業は当館内で最も文化的側面の強い事業で, 少ない日本の伝統芸能などを行った。 主に「こども劇場」 , 「こども音楽会」に分けて公演を 内容について,公演を見るだけでなく,こどもたち 開催している。今年度は 22 回の公演があり、総参加者 が体験することや一緒に声掛けをすることなど,参加 数は 4312 人であった。1回当たりの平均参加者数は 型の内容を取り入れることで,より伝統芸能や舞台に 196 人であり、アポロホールの客席数のおよそ8割を 興味を持ってもらえるよう出演者の可能な範囲での協 占めることから、満足度の高い事業の一つである。 力を求めている。 2 事業の目的 日時 アポロホールにおいて,こどもとその保護者を主な 5月5日(日) 対象とし,演劇・人形劇・クラシック音楽・手品・伝 ①正午~ 統芸能・邦楽等,幅広い芸術文化に触れる機会を提供 ②14:30~ する。また,様々な年齢層に音楽や舞台芸術に触れ親 6月 22 日 しむ機会を通じて,各種芸術,文化活動を支援・育成 (日) ①正午~ する場としての役割を果たす。 ②14:30~ 実施内容・出演者 「マジックショー」 出演:広島奇術クラブ 参加者数 445 名 音楽紙芝居 「プリムとリズムの青い鳥」 440 名 出演:プ・リズム 8月 24 日 3 募集・参加形態 (日) ①正午~ ・幼児から年齢を問わず 人形劇「動物たちのカーニバル」 出演:人形劇団なかよし 470 名 ②14:30~ ・入場無料 1月 18 日 ・自由参加(原則として予約・整理券配布はしない) (日) ・座席 250 席 ①正午~ ・原則として開場は開演 15 分前 ②14:30~ 3月8日 (日) ①正午~ 4 実施内容 ②14:30~ 主に「こども劇場」と「こども音楽会」に分けて公 30 「新春おたのしみ会」 出演:南京玉すだれ広島保存会, 275 名 安芸奇術同好会 「デボラおばあちゃんと ワン・メェ・ブゥ」 出演:劇団テアトル広島 414 名 (2) こども音楽会 の高精細な映像は視覚的にも見る者の興味を引きつけ 金管・木管楽器による演奏や声楽によるコンサー るものが多い。科学館の立場として,優れた科学技術映 ト,和太鼓をはじめとする邦楽などジャンルを問わ 像の活用を通じて,最新の科学技術に関する情報及び ず様々な音楽に触れてもらうことを目標としてい 親子で科学技術に対する興味関心の向上や,知識を深 る。 める場を提供することが重要であることから,広報の周知 内容については,単に楽器の演奏を聴くだけで や実施方法などの工夫を検討したい。 なく,楽器に関するクイズや一緒に歌うなどこども たちが公演に参加できるよう出演者に可能な範囲 実施日 での協力を求めている。 実施内容・出演者 参加者数 (土) 4月 20 日 (日) ①正午~ 「春いっぱい♪フラワーコンサート」 出演:あんさんぶる きまぐれ。 8月 30 日 ①正午~ ②14:30~ (土) 出演:佐々木愉規,下岡寛, 1 119 名 ・考えるカラス~科学の考え方~♯1 との闘い~被爆者と医師の 68 年~ ・未来の科学者たちへ 1 55 名 ・アジアゾウの誕生~東山動植物園~ 「声楽コンサート vol.4 夏だ!!わくわくコ ンサート」 ~生命を見つめる植物写真家~ ・NHK スペシャル 終わりなき被爆 221 名 ②14:30~ 7月6日(日) 上映 参加者数 回数 ・NHK スペシャル 足元の小宇宙 8月 16 日 日時 作 品 名 281 名 (4) その他-ホールを使用した共催事業 飯島聡志, 篠原恵美 詳細については,「Ⅶ 共催事業」を別途参照のこと。 8月 10 日 (日) ①正午~ ②14:30~ 8月 17 日 (日) 13:00~ 11 月3日 (祝・月) ①正午~ ②14:30~ 「ゾリステン・ドライエックのわくわく!夏 やすみコンサート」 出演:ゾリステン・ドライエック 361 名 5 考察 (1) 参加者の年齢層について(n=648) 「消防音楽隊がやってくる! ジェリービーンズコンサート」 出演:広島市消防音楽隊 228 名 ジェリービーンズ 「聴いて♪歌って♪楽しもう! ヴァイオリン・オーボエ・ハープの ほのぼのコンサート Vol.3」 337 名 出演:トリオ・カナール 12 月 14 日 (日) ①正午~ 「クリスマスコンサート 2014」 出演:広島シティハーモニー吹奏楽団 4~9歳までが7割を占めており,ホール事業における 500 名 対象は幼児から小学校低学年とその保護者が中心とい ②14:30~ 1月 11 日 (日) 14:30~ える。一方で,0~3歳および 10 歳以上の来場の割合が 「新春和太鼓たたき初め」 出演:文教太鼓 3割程度あることから,ホール事業は幅広い年齢層が気 188 名 軽に立ち寄り,親子で楽しく音楽や演劇を観覧する場と なっている。 今後も対象となる年齢層を中心に,年齢を問わず (3) 第 54 回科学技術映像祭入選作品発表会 様々な音楽や演劇に触れ親しむ場として,事業内容の 財団法人日本科学技術振興財団主催の「科学技術映 一層の充実に努める。 像祭」入選作品のうち 5 作品を上映した。 内容が難解なものもあるが,映像祭入選作品ならでは 31 持つ割合が高いようである。また, 「生の楽器の演奏 (2) 参加者の動向と事業周知について(n=693) を聴くことができた」 ということも参加者にとって楽 しかった要因としても挙げられる。 このように,公演を通じて楽しかったと感じること ができると,次回の事業への興味を引きつけることに も繋がることから, 多様な楽器を見る, 知った曲を色々 な楽器で聴く, 見たまま感じるままに演劇を観るなど, 一緒に体験をして音楽や演劇の興味関心を持ってもら うよう引き続き実施内容を検討・充実に努める。 参加者の所在地を見てみると,約9割が広島市内を 占めている。これは,館へのアクセスが参加者にとっ (4) 再来性について(n=682) て比較的容易であること,あるいは「催しの周知」に 見えるように,館発行のチラシや「市民と市政」など で情報入手し来館していることなどが要因として挙げ られる。 また「その他」の情報収集手段として,館のホーム ページや「いくちゃんメールマガジン」などの電子媒 体を利用した参加者が多い傾向である。だが一方で, ホールへの来場頻度について,5割以上が複数回 当日のイベントを「ここに来て」知った参加者が約2 来場している一方で, 初めてホールに足を運んだ参加 割おり,より多くの人に情報を入手してもらうために 者も約4割見られる。 も,これまでのようにホールのちらしの配布やインタ (2),(3)で述べたように,事業内容の周知や出演者 ーネットやメールマガジンといった電子媒体を利用す との内容協議を進めながら, より多くの参加者に興味 る等,より効果的な広報手段の検討に努める。 を持ってもらえるよう魅力的な事業内容および広報 手段の工夫・検討を行っていきたい。 (3) 満足度について(n=680) 6 今後の展望と課題 ホール事業は科学館の中において最も文化的な側 面が強く,実施事業の存在をより多くの方に知っても らうことが必要である。 対象は,前述の通り幼児から小学校低学年とその保 護者が中心であるが,幅広い年齢層に実施内容を周知 実施内容については,ジャンルを問わず「楽しか してもらえるよう,従来行っている市内の保育園・幼 った」という感想を持つ参加者がほとんどであり,各 稚園・小学校への情報発信に加えて,市外からの来館 出演団体が観ていて飽きないよう演出の工夫を行っ 者も視野に入れた広報の工夫検討に努める。 てもらっていることが参加者の満足度の高さに直結 また,事業内容において,参加者に色々な楽器の演 しているように思われる。また,満足した理由につい 奏や舞台など多種多様な舞台芸術に気軽に触れ親しん て見ていくと, 「知っている曲がある」 , 「一緒に歌を でもらえるよう出演団体の検討・開拓を進め,こども 歌う」 , 「体を動かす」など,座って鑑賞するだけでな たちに興味関心を持ってもらえるよう出演者と連携し く参加者が参加できるものほど楽しいという実感を ながら事業内容の充実を図っていきたい。 32 Ⅴ 企画展 展示会場図 「科学捜査展」 1 概要 企画展は,こどもたちの科学や技術への興味・関心 を高めることを目的に実施している。例年,夏期学校 休業期間中に実施しているが,今年度は,5月の大型 連休にあわせて開催した。 テレビドラマなどでの影響もあり,関心の高い「科 学捜査」に関する展示をとりあげた。公益財団法人日 本科学技術振興財団より借用した展示物に当館が作成 した展示を加え,科学捜査における鑑定方法の紹介等 の体験型の展示をおこなった。 事件現場 筆跡鑑定 実習室 國宗治子・川橋奈織・矢野宏和 犯人の服装は? 指紋鑑定 科学捜査とは 科 学捜査紹介コーナー 声紋分析 DNA鑑定 画像解析 成分分析 靴跡探し 科学 捜査体験コーナー 受付 クイズ 受付 2 事業内容 ⑴ 期間 平成 26 年 4 月 18 日(金)~5 月 6 日(振休・火) (休館日を除く) ⑵ 会場 広島市こども文化科学館 3階展示ホールおよび実習室 ⑶ 主催 広島市こども文化科学館 ⑷ 協力 公益財団法人日本科学技術振興財団 ⑸ 期間中の入館者数 27,886 人(16 日開催) 以下に各展示コーナーおよびイベントについて簡単に紹 介する。 ① 科学捜査紹介コーナー 指紋鑑定,筆跡鑑定,声紋・音声鑑定,DNA鑑定, 画像分析,成分分析など,科学技術を使用した鑑定方 法をパネルや映像,体験装置で紹介した。 指紋の照合体験のようす 画像解析のようす このほか,当館独自の展示2点を追加した。 ・足跡探し:スタンプされた数種類の靴跡と同じ模様 の靴底を持つ履き物を探し出す。 ・犯人の服装は?:複数の繊維見本の中から犯人の 着衣から落ちたと想定する繊維と同じ特徴のものを見 つけ,犯人の服装を推測する。 ⑹ 内容 犯罪に対する事件を解決するための物的証拠の収 集,分析など科学捜査の手法を通して,科学的な知 識,考え方を身につけるきっかけをつくる趣旨として, 2つのコーナーで構成した。なお,本展示会は,通常 おこなっている展示会よりスペースが必要であったた め,実習室も使用した。 靴跡探しのようす 33 犯人の服装は?のようす ② 科学捜査体験コーナー 捜査手帳にみたてたタブレット型情報端末を 使用し,事件ストーリーにそって模擬事件現場で 証拠品採取や証言聴取後,証拠品の照合をおこな い犯人を特定する犯罪捜査を体験する。 3つのストーリーを展示期間中入替えて実施し た。 なお,運営の関係から,平日は9時から 16 時 30 分まで随時受付,土・日・祝日は9時 30 分か ら 16 時 30 分の各回 30 分毎の時間制(定員:10 組・先着順)にし,整理券を配布しておこなった。 館で作成した展示物を加えたり,既存の展示の内容 を一部差替えて出題した。来場者にどこまで受け入 れてもらえる手法かという不安もあったが,大変好 評で,ほとんどの親子が参加し,保護者と会話をし ながら一緒に考える姿や,長時間,展示室に滞在し ている姿が多く見受けられ,ねらいどおりの効果を 得ることができた。また,答え合わせ時,不正解で あった問題については,再度確認してみることを促 すと,真剣な眼差しで答えを考えている姿は印象的 であった。 展示を通して,科学に対する興味をもってもらう ことはもとより,こうした体験や時間を共有するこ とで,家庭等でのコミュニケーションが深まる場に なるとともに,当館外でも身近な科学についての会 話のきっかけの一助になればと思っている。 なお,本展示会を運営するにあたり,来場者の誘 導や案内,体験受付や補助,展示物の管理等に従事 するスタッフを配置する必要があった。そこで,平 日は2名,土・日・祝日は6名の人員を配置した。 また,科学捜査体験は,土・日・祝日は時間制で 運営したため,体験を希望する来館者の参考になる よう,会場入り口に受付状況を表示するモニターを 設置した。 今後も,来場者の立場にたった展示手法や事業運 営を心掛けながら,身のまわりにある科学や,さま ざまな分野に活用されている科学技術等に関心を もってもらえるよう事業を展開していきたい。 ③ その他関連イベント 期間中の2日間(4月 26 日・5月6日)に「自 分の指紋をとってみよう」と題してイベントを実 施した。実施時間中は随時受付で対応した。 幼児でも安全に体験しやすく,なおかつ自宅で も試せる方法として,ベビー パウダーと耳かきの梵天を使 用した。ガラスコップにつけ た自分の指紋を検出後,虫眼 鏡で観察し,主な指紋の型と 比較した。希望者は,検出し た指紋を粘着シールに移しと り,黒画用紙に貼り付けたも のを持ち帰った。 3 まとめ 例年と異なる時期の実施であったが,関心を持っ ていた小学生や中学生,大人の方が企画展を目指し て来館している姿が見受けられた。 借用した展示物を中心に展示をおこなったが,当 館の利用者として幼児や小学校低学年が多いこと を考えた場合に,展示内容の難しさやとっつきにく さを感じたため,基本的には借用した展示物を題材 とした内容を中心に,捜査手帳にみたてたアイテム を使用してクイズに挑戦する方法を取り入れた。当 34 青少年のための科学の祭典第 20 回広島大会 矢野宏和・森川公泰・山中浩 1 概要 市内の小,中,高,大学,企業などの指導者がこ どもたちに,様々な実験や科学工作,サイエンス ショーなどを行う科学イベントである。 最近の科学技術の急速な進展に鑑み,青少年に科 学実験や科学工作などを直接体験できる機会を提 供し,科学に対する興味や関心を高めるとともに, 地域社会における科学教育の一層の振興を図るこ と目的としている。 今回は 20 回記念大会のため,感謝状を贈呈した り,サイエンスショーの回数を増やす等の特別なイ ベントをおこなった。 出展タイトル 熱い世界と冷たい世界(サイエンスショー) 家にあるものを使って電気を体験しよう! ニュートンとゲーテの物語(サイエンスショー) 岩石なんでも鑑定相談室 電子レンジでマジック!(サイエンスショー) ルミノールの化学発光:これであなたも科学捜査班 くっつく?はなれる?電気の力(サイエンスショー) 人工イクラを作ろう 科学大好き!(サイエンスショー) 命をふきこめ!! 不思議なタマゴ 物が燃えるということ(サイエンスショー) 〈わくわくEスクール〉放射線を見てみよう 水は科学の実験宝庫! 電子顕微鏡でミクロの世界にふれよう! 変化球入門 ~マグヌスコップ~ 天までとどけ!スーパーボール 光でいろいろ? 光の色々? 鉄さびを使って実験しよう! 色の変わる白黒ごま&種パラシュート 木の葉の化石を掘り出そう レーウェンフックの顕微鏡をつくろう うきうきわくわく オリジナルプラスチックタグづくりに挑戦! 煮干しを解剖しよう 風ぐるまを作ろう!! 声色をかえる楽器(カズー)つくりとその仕組み トライサイエンス ”ゆかいなクラクション” 実験ブース(3枚羽根ブーメラン&浮沈子) 「広島の木でオリジナル・マイ・箸(はし)を作ろう」 親子でチャレンジ!火おこし! 遺伝子の不思議 江戸の変化アサガオ 文教科学部のお姉さんと実験しよう ペーパークロマトグラフィ- 不思議な振れかたをする振り子をつくろう -ウィルバーホース振り子の製作ー スーパーサイエンスハイスクール 広島国泰寺高校生と遊ぼう!! 電磁波ってなに? 基高生と「科学」を「芸術」しよう 【立体でんぐり】を作ろう! 自分の指のレプリカをつくってみよう 安佐動物公園 あにまるさいえんす ピコピコカプセルで遊ぼう! めっきにチャレンジ! おっ!?広島学院高等学校化学部!! おもしろ鑑定団~ 広島県の真珠を捜査せよ! ひろしまコンピュータサイエンス塾「コンピュータのしくみを使った手品」 月球儀を作ろう 一級を目指せ!!スーパー土だんご モールス通信に挑戦! 世界に一つだけのMYスーパーボールをつくろう! 偏光を使った3Dを体験しよう! ぶんぶんごまで遊ぼう! ふしぎな動きをするこまを作ろう 色が変わる不思議なドレッシング 35 2 実施内容 (1) 期間および会場 平成 26 年 10 月 25 日(土),26 日(日) 館内とハノーバー庭園 チームグルービー(広島ガス㈱) (2) 入場者数 茭口 公喜(広島学院中高等学校) 池永 寛(広島市立基町高等学校) 井山 朝之(修道中高等学校) 鹿江 宏明(比治山大学) 19,947 人 ※10 月 25 日(土) 8,977 人 10 月 26 日(日) 10,970 人 梅田 広晴(広島市立志屋小学校) (3) 記念Tシャツの作成 (3) 総出展数 51 出展 25 日(土) 38 ブース(サイエンスショー3含む) 26 日(日) 36 ブース(サイエンスショー3含む) 記念Tシャツを作成し,出展参加者や事務局が着用 し大会を盛り上げた。 作成枚数・・・130 枚 (4) 主催 「青少年のための科学の祭典」第 20 回広島大会実行委員会 公益財団法人日本科学技術振興財団・科学技術館 公益財団法人広島市文化財団・広島市こども文化科学館 (5) 協賛企業 中国電力株式会社 コニカミノルタプラネタリウム株式会社,新広島ヤ クルト販売株式会社,株式会社ケミカル山本,教育 出版株式会社,北辰映電株式会社,クリエイティヴ アーツ ウエノブ,株式会社振興出版社啓林館 (6)協力 広島電鉄株式会社 4 アンケート (1) 来館者所属 3 20 周年記念事業 (1) 感謝状贈呈 過去の広島大会のすべての回に参加 (役員含む) し, 大会を支えた以下の方々に感謝状を贈呈した。 贈呈者(3名) 武村 重和 (広島大学名誉教授・広島大会実行委員 名誉顧問) 林 政蔵 (広島市立祇園中学校・広島大会推進委員) 茭口 公喜 (広島学院中高等学校・広島大会推進委員) (2) サイエンスショー 過去の広島大会に参加されていた方にも依頼して, 6種類のサイエンスショーを開催した。 演示者 36 (2) すんでいる場所 4 所感 (1) 今年度の特徴と成果 ・今回も,2日間でのべ2万人近くの方々に参加いた だいた。より多くの青少年の皆さんに科学への興味 関心を高めるという目的は達成できたものと考え る。今後も実行委員会をはじめ各委員会や関連機関 と協力しながら,より一層の盛会を目指したい。 ・本大会は第 20 回記念大会であったため,様々な取り 組みを行った。これは大会を盛り上げるための一定 の役割を果たすことができた。とくに例年より回数 を増やしたサイエンスショーは好評で,出展スタッ フの刺激にもなったようである。 ・昨年度に比べて小中学校所属の指導講師のブースが 増えたことにより,バランスがよくなった。また, 出展スタッフの半数近くが学生ボランティアであ り,学生たちが意欲的に参加していることは,祭典 全体に活気を与えていた。 (3) 今まで,何回くらい来ましたか ・参加者の多くは小学生で, 「はじめて」及び「2回目」 であった。80%以上の方々が科学の祭典を目的に参 加しており,ほとんどは学校に配布したチラシによ り情報を得ていた。最近はホームページに見ての参 加者が増加傾向にある。 (2) 課題,来年度に向けて ・毎年のことであるが経費の削減及び企業からの協賛 者の新規開拓に努めるなどが必要である。 ・引き続き広島市周辺地域への広報を図る。 (4) 何ブース参加しましたか ・本大会は 「第20回記念大会」 をテーマとして実施し, 特徴を出すことができた。来年度もテーマを設ける ことで,また特色のある大会になるのではないか。 ・今年度も,1日目は2日目に比べると参加者が少な かった。事故対策などの管理面や,さまざまな科学 を体験してもらうことなどを考えると,2日間にわ たりバランスよく参加してもらうために,広報など での対策が必要である。 (5) 参加してどう感じましたか 37 を借りて展示を行った。このパネルは,同協会に所 属する会員が撮影したもので,地上から見た星空と 地上の風景をあわせた写真は,非常に美しく親しみ やすい印象を受けるものであった。パネル以外に, 星景写真を撮影する道具や手法に関する展示も併せ て実施した。 ミニ企画展 村上聡・矢野宏和・森川公泰 (3)きみもあなたも科学研究をやってみよう 期 間:平成 26 年 7 月 19 日(土)~8 月 31 日(日) ※8月2日(土),3日(日)をのぞく 入館者数: 113,920 人 ※宇宙線のヒミツと同時開催 内容・目的: 秋から冬にかけて,広島市小中学校の理科部会主 催による小中学校の科学研究作品展が当館にて開催 されている。しかし科学研究が行われる時期は夏休 みであり,過去にどんな科学研究が行われているか を知りたいという問合せが多い。この問合せに答え る形で始めたものが本展示会である。前年度の広島 県の審査会に出品した広島市内の作品の写しを該当 者の許諾を得て,氏名を非表示にしたうえで展示し た。併せて科学研究に関連する図書も展示した。3 階の比較的静かな会場で行ったことから,じっくり 眺める人も多かった。 1 概要 当館の常設展示は, 既に設置後 10~20 年を経ている が,現在のところ大幅な更新は予定されていない。そ こで,常設展示を補完し,展示全体としての魅力を維 持・向上させることを目的とした当館主催のミニ企画 展を実施している。P33 で述べている企画展との違い は,経費をかけずに時事問題や話題性のある出来事な どを積極的に取り入れることであり,今年度は8回実 施した。なお,ゴールデンウィークを中心に企画展を 実施したため,昨年度と同様,夏休みには2つのミニ 企画展を同時並行で実施した。8回の延入館者数は 531,338 人であった。 (4)宇宙線のヒミツ 期 間:平成 26 年 7 月 19 日(土)~8 月 31 日(日) ※8月2日(土),3日(日)をのぞく 入館者数: 113,920 人 ※「きみもあなたも科学研究をやってみよう」と同 時開催 内容・目的: 当館では, 前年度末に新展示として霧箱を設置し, 自然放射線を検出する様子を紹介している。 そこで, 自然放射線の中でも, 宇宙からやってくる「宇宙線」 に関する解説パネルを作成し,宇宙に対する興味・ 関心を高める目的で実施した。また,当館の霧箱以 外に,国内の科学館等で大型霧箱を作成している, (株)ラド技術研究所の富井氏および(株)e‐サイ エンス コミュニケーションの舟生氏の協力を得て, 大型霧箱も展示した。 2 内容 (1)第 34 回 SSP 展「自然を楽しむ科学の眼 2013-2014 広島展」 期 間:平成 26 年 4 月 1 日(火)~4 月 6 日(日) 入館者数: 11,215 人 主 催:広島市こども文化科学館・日本自然科学写真協会 内容・目的: 日本自然科学写真協会が 1979 年以来, 全国で行っ ている巡回写真展で, 当館では平成 23 年度から行っ ている。協会に所属した会員が国内外で撮影した動 植物や自然現象などの自然科学に関する高品質な写 真を展示し,市民に対して自然に対する興味関心を 促すとともに,自然を観察し研究する動機を呼び起 こすことを目的とした。 (5)植物画の世界~ボタニカルアートの世界 期 間:平成 26 年 10 月 2 日(木)~10 月 13 日(月) 入館者数: 19,317 人 協 力:花も実もある会 内容・目的: 広島の植物画愛好会“花も実もある会”の協力に より,会員が描いた細密な植物画を展示した。生物 系の展示が少ない中で,異色の展示であるが来館者 (2)星景写真展 〜星のある風景〜 期 間:平成 26 年 6 月 7 日(土) ~7 月 6 日(日) 入館者数: 52,359 人 協 力:日本星景写真協会 内容・目的: 星空,ひいては宇宙への関心を高めることを目的 に,日本星景写真協会が所有する星景写真のパネル 38 には好評であった。 入館者数: 15,955 人 主 催:広島市こども文化科学館・日本自然科学写真協会 内容・目的: 先述した第 34 回 SSP 展と同じ。 (6)毛利宇宙飛行士の部屋 期 間:平成 26 年 11 月 1 日(木)~ 平成 27 年4月 5 日(日) 入館者数: 164,506 人 内容・目的: 日本人の宇宙飛行士として初めて宇宙へ行った毛 利衛氏に関する展示である。毛利宇宙飛行士の紹介 パネルや,解説ビデオ,宇宙服等から構成されてい る。現在では日本人宇宙飛行士も増え,最新の情報 ではないが,毛利宇宙飛行士の知名度は高いことか ら,熱心に眺める人も多かった。 3 まとめ 今年度のミニ企画展では、科学研究の参考にするた めに過去の研究を調べる観覧者,霧箱でみられる自然 放射線の飛跡をじっと観察する観覧者など,多くの人 でにぎわった。 平成 26 年度は, ノーベル物理学賞に日本人が3名受 賞し(うち1名は現在米国籍) ,全国科学館連携協議会 の作成したパネルを活用した展示を行ったことは,最 先端科学を伝える上で意義のある展示となった。 (6)ネイチャー写真展・菅原博カメラコレクション展(5) 期 間:平成 26 年 12 月 23 日(火) 平成 27 年 1 月 8 日(日) 入館者数: 10,766 人 内容・目的: レベルの高い自然写真(ネイチャーフォト)を展 示することで,市民に対して自然に対する興味関心 を促すとともに,自然を観察し研究する動機を呼び 起こすために,日本芸術出版社写真部内「A.M.A.ア マテラスの会」により主宰された第 18 回 AMATERAS 展写真公募展に入選した作品および招待作品の中か ら,約 60 点の写真パネルを展示した。あわせて、広 島在住の菅原博氏が所有するカメラコレクションか ら、マミヤブランドのカメラを約30点展示した。 2014 年ノーベル賞展 (7)2014 年ノーベル賞展 期 間:平成 26 年2月 17 日(火) 平成 27 年3月 15 日(日) 入館者数: 29,380 人 内容・目的: ノーベル賞は,科学分野の中で最も権威のある賞 として,広く一般にも知られている。しかし,受賞 者自身に大きな関心を持たれることは多いが,その 功績について深く知る機会は少ない。2014 年のノー ベル物理学賞が3人の日本人(うち一人は現在米国 籍)に授与され,受賞理由が我々の生活に深い関わ りのある青色発光ダイオードに関することであるこ とから,全国科学館連携協議会はノーベル物理学賞 を含む,2014 年のノーベル賞に関する解説パネルを 作成した。当館でも,ノーベル賞を通して科学に対 する興味・関心を高めるために,これらの解説パネ ルを利用する展示を行った。 当館は常設展示が古く,近い将来の更新も見込めな いため,科学を伝えるために企画展等に注力する必要 がある。そのためにも,パズル等の常設展示にもなり うる展示物の作成や,全国科学館連携協議会等の関連 団体が持っている資料等を活用することを考えながら, ミニ企画展を実施していきたい。 (8)第 35 回 SSP 展「自然を楽しむ科学の眼 2014-2015 広島展」 期 間:平成 27 年 3 月 21 日(土) - 3 月 31 日(火) 39 (2) ホール等を使用した事業 Ⅵ 外部との連携 共催事業 山脇一幸・森川公泰・川橋奈織 開催日 事業名 4 月 27 日(日) 平成 26 年度こども読書まつり事 業「音を楽しもう たたく楽器編」 広島市こども図書館 31 人 5 月 22 日(木) 広島市心身障害者福祉センター 文化教室「天文教室」 広島市心身障害者福祉セン ター 10 人 ロボカップジュニア体験会 ロボカップジュニア広島ブロ ック運営委員会 233 人 6 月 15 日(日) 第 34 回広島県中学校放送コン テスト 広島県中学校教育研究会 視聴覚部会 200 人 7 月 10 日(木) 広島市心身障害者福祉センター 文化教室「天文教室」 広島市心身障害者福祉セン ター 7 月 13 日(日) 第 10 回ぴょん太杯アイディアロ ボットコンテスト 広島県中学校教育研究会 技術家庭部会 7 月 17 日(木) 比治山短期大学全天周映像上 映会 広島市・比治山大学 7 月 25 日(金) 鉄の不思議教室 一般社団法人日本鉄鋼連 盟 51 人 8 月 3 日(日) 歴史体験オリンピック 公益財団法人広島市文化 財団 文化財課 5,500 人 8 月 7 日(木) 夏休み電波教室 総務省中国総合通信局 8 月 19 日(火) 平成 26 年度学校図書館支援講 座 第1回 広島市こども図書館 9 月 15 日(月) サイエンスカフェ「宇宙創成の謎 に挑む、国際リニアコライザーの 挑戦」 広島大学大学院先端物質 科学研究科 15 人 9 月 16 日(火)、 17 日(水) 国際科学映像祭ドームフェスタ 第 5 回国際科学映像祭実 行委員会 130 人 9 月 20 日(土) 第 53 回地図ならびに地理作品 展表彰式 広島県地理作品展運営委 員会 70 人 9 月 23 日(火) 文化財講演会「江戸のバイオテ クノロジー」 公益財団広島市文化財団 文化財課 150 人 6 月 7 日(土)、 8 日(日) ロボカップジュニア広島ブロック大会 [共催:ロボカップジュニア広島ブロック運営委員会] 1 ねらい 他の機関との協力・連携によって,当館へより多く の方が来館してもらえる機会を提供する。そして,こ どもの文化・科学への関心を向上させる。 2 内容 (1) 展示関係(一部,主催展示事業を含む) 期 間 4 月 1 日(火) ~6 日(日) 9 月 6 日(土) ~20 日(土) 事 業 名【共催・協力団体】 (主催事業)第 34 回 SSP 展 「自然を楽しむ科学の眼 2013-2014 広島展」 第 53 回地図ならびに地理作品展 【広島県地理作品展運営委員会】 9 月 27 日(土) (主催事業)鉄道模型と遊ぼう! ~28 日(日) 【鉄道友の会 中国支部】 10 月 2 日(木) (主催事業)植物画の世界~ボタニカルアートの ~13 日(月) 世界~ 【花も実もある会】 10 月 4 日(土) ~13 日(月) 広島市児童生徒発明くふう展 11 月 20 日(木) ~24 日(月) 広島県児童生徒発明くふう展 【広島県 外 9 団体】 11 月 28 日(金) ~12 月 7 日(日) 第 19 回海の図画展 12 月 12 日(金) ~23 日(火) 【広島市】 【広島海上保安部】 広島市小・中学校科学研究作品展 【広島市小学校教育研究会理科部会・ 広島市立中学校研究会理科部会】 8人 140 人 13 人 20 人 110 人 児童文化講演会「「科学界のイン ディ・ジョーンズ」ができるまで」 6 日 11,215 人 10 月 11 日(土) 広島市児童生徒発明くふう展 (表彰式) 13 日 13,452 人 10 月 12 日(日) 広島市科学賞表彰式 広島市立中学校研究会理 科部会 10 月 19 日(日) 第 8 回文化の祭典(中学校の 部)放送コンテストの部予選大会 広島市教育委員会 10 月 25 日(土) ボランティアフェスティバル 公益財団法人広島市文化 財団 文化財課 11 月 9 日(日) 「がたちゃんのまんがトーク!」 広島市まんが図書館・あさ閲 覧室・広島市こども図書館 101 人 11 月 15 日(土) 第 4 回ひろしま紙芝居祭 広島市立中央図書館・広島 市こども図書館等 910 人 11 月 18 日(火) 平成 26 年度ボランティアネット ワーク事業 広島市こども図書館 124 人 7,258 人 11 月 22 日(土) 広島県未来の科学の夢絵画展 表彰式 一般社団法人広島県発明 協会 100 人 10 日 13,545 人 11 月 22 日(土) 広島県児童生徒発明くふう展 (表彰式) 広島県 外 9 団体 150 人 11 月 24 日(月) 第 35 回西区子ども文化祭 西区子ども会連合会 340 人 12 月 6 日(土) IBM トライサイエンス実験教室 IBM 40 人 12 月 7 日(日) ロボカップジュニア広島ノード大 会 ロボカップジュニア広島ブロ ック運営委員会 64 人 12 月 10 日(水) 平成 26 年度学校図書館支援講 座 第3回 広島市こども図書館 62 人 1 月 24 日(土) 公開講座「宇宙への大冒険 き みの部屋から宇宙へ行ってみよ う!」 広島市・比治山大学 130 人 2 月 1 日(日) ロボカップジュニア広島ブロック 大会 ロボカップジュニア広島ブロ ック運営委員会 87 人 2 月 28 日(土) ドイツのことばとあそびにふれよ う 広島市こども図書館 27 人 3 月 26 日(木) 春休み電波教室 総務省中国総合通信局 37 人 2日 300 人 11 日 19,317 人 9日 5日 9日 8,558 人 5,679 人 11 日 10,766 人 12 月 23 日(火) (主催事業)菅原博カメラコレクション展(Ⅴ) ~1 月 8 日(木) 11 日 10,766 人 1 月 10 日(土) ~1 月 30 日(金) 第 15 回マルチメディア作品展 【広島市小学校教育研究会視聴覚教育部会】 17 日 11,550 人 2 月 3 日(火) 発明クラブ作品展 【一般社団法人広島県発明協会】 3 月 21 日(土) (主催事業)第 35 回 SSP 展 ~31 日(火) 「自然を楽しむ科学の眼 2014-2015 広島展」 広島市こども図書館 (公益財団法人移行記念事 業) 広島市工業技術センター・ 一般社団法人広島県発明 協会 参加者数 10 月 4 日(土) 開催日 観覧者数 数 12 月 23 日(火) (主催事業)ネイチャー写真展 ~1 月 8 日(木) ~14 日(土) 共催・協力団体 10 日 5,346 人 8 日 15,955 人 40 205 人 70 人 45 人 150 人 2,739 人 市民企画型事業 第1回 5月10日(土) 「エコタングラムを作って遊ぼ!」 第2回 7月26日(土) 「ミウラ折りで全天星座表を作ろう!」 第3回 10月19日(土) 「折り紙版“知恵の輪”づくり」 第4回 12月1日(日) 「クリスマスリースを作ろう!」 森川公泰・加藤一孝 (2) 街角かがく広場 本講座は,市立中学校教諭が企画・運営する 講座である。仮説実験授業の手法を取り入れ, こども達に身の周りの事象の不思議さや意外 性を体験させ,科学に興味を持たせることを目 的とする。 第 1 回 7 月 5 日(土) 「水が出るとき、出ないとき」 第 2 回 9 月 7 日(日) 「食べ物とイオン」 (3) 落語塾 本講座は、落語愛好家から高座や演目など落 1 概要 本事業は,こどもたちの「科学する心」や「文化を 創造する心」の育成に関心のある市民の力により,こ どもたちの継続的・系統的な体験学習の場や豊かな 感動体験の場を新たに創り出そうとするものである。 また,本事業を契機にできるだけ多くの市民が科学 館の事業に参画し,市民のニーズに応える事業展開 を図ろうとするものである。 語に関する指導を受け,参加者が落語の演目を 披露できるようになることを目標とする。講座 を行うことで,落語に親しみ,伝統芸能に対す る理解を深める機会を提供する。 練 習 リハーサル 2 月 15 日(日) 発表会 「こども落語会」 2 月 22 日(日) (1) 市民スタッフ 科学館だより・市民と市政および公民館などの各 施設に企画応募用紙を配付し市民に企画を募集し た。 (2)参加者 4 所感 広島市及び近郊に住む小学1年生から中学生。 往復はがきでの申し込み受付 (3) 人数 原則20人(内容や場所により変更もある) 定員を超えた場合には,抽選により決定する。 (4) 実施場所 3階 工作室 創作室 実習室 本事業は, 「能力を活かし,自分のできる分野で 地域や社会に貢献したい」 「仕事や趣味とは異なる 活動を通じて仲間を作りたい」といった市民の要 望を実現する場を提供するものである。 科学館に市民の視点からの新しい事業を取り入 れるよい機会となっている。本事業で活動した団 体は非常に意欲的に活動し,企画を実施した側も, 参加した側も大きな喜びを感じる事業となった。 2 事業内容 (1) 紙ニュケーション講座 本講座は,市民団体「紙ニュケーションn etノキロ」が企画した講座である。紙を 折ったり切ったり並べたりする作業に科学 的・数学的思考を分かりやすく取り入れるこ とで,折り紙を通して科学に興味を持たせる ことをねらいとする。 特に、紙ニュケーション講座、街角かがく広場両 講師は本事業に加え「科学の祭典」にも出展するな ど本館の事業に積極的に参加してもらっている。 41 を利用して実習に携わった。 期間については,それぞれ以下のとおりである。 ・8月5日(火)~8月 10 日(日) ・8月2日(土)~8月8日(日) 実習内容は,天体観望会,創作・実習教室, 楽しい工作室,ホール事業への運営補助が主な ものであったが,館外の文化財課のイベントの 手伝いや,交通科学館や江波山気象館への見学 も実施した。 Ⅶ 人材の育成 学芸員実習 加藤一孝・山脇一幸 1 概要 学芸員資格の取得を目指す人のために,博物館 法施行規則第 1 条に定められた博物館実習を行い, 科学館の役割や,生涯学習の手法,学芸員として の知識・技術・態度などを身に着けることを目的 として実施している。 今年度は,見学実習3校計 66 名,館務実習 2 名の実習生を夏季に受け入れた。館内外を実習場 所として,かなり密度の濃い実習を行った。詳細 は以下の通りである。 3 所感 毎年行っている見学実習も,少し変化が起き ている。平成 24 年度から博物館法施行規則が 変わり,大学において学芸員となる資格を得る ための科目および単位数が改正され,学芸員取 得のためのコースを取りやめる大学がある一 方,逆にそのコースを新たにスタートさせた大 学もあるという点である。また,受け入れる当 館に対しても,対応の変化が必要となってきて いる。来年度からの受け入れが新しい施行規則 に対応したものになるため,スムーズに新方式 になることが期待される。 2 実施内容 (1) 見学実習 大学で学芸員資格取得を目的として行われる講 座の施設見学を受け入れている。 ① 受け入れ内訳 今年度の受け入れ実績は以下の表の通り 平成 26 年度見学実習受け入れ一覧 学校名 人数 日時 広島修道大学 9名 安田女子大学文学部 40 名 日本文学科 安田女子大学家政学 17 名 部生活デザイン学科 合計 9:30~11:00 13:30~15:00 14:00~16:00 66 名 ② 実習内容 実習内容は,当館の概要説明(沿革,運営方 針などの概説,事業内容の概説)施設見学,プ ラネタリウム見学などが中心である。なお,プ ラネタリウムの見学の有無はそれぞれの大学 の担当者の判断による。 概要では,当館が 1980 年に我が国初のこど ものための博物館として設立されたことや,ハ ンズオンの考えにより運営されていることを 重点に説明した。 (2)館務実習 昨年度は館務実習を希望する学生はいなか ったが,今年度は2名の学生が夏季休暇の期間 42 ・年度立ち上げ,電車まつり出展工作について ユース・サイエンスボランティア(YSV) (5・6月) 川橋奈織・國宗治子・村上聡 ・ボランティアフェスティバル工作出展, 科学の祭典運営補助について(8~10 月) 1 概要 ・YSV 工作デー実施について(11~1月) ユース・サイエンスボランティア(以下,YSV)は, 18 歳から概ね 29 歳の学生・青年を対象に,科学お (2) 科学館事業への参画(計4回) よび文化活動を通じてこどもたちの豊かな体験交 ① ボランティアフェスティバル 流の場と機会の充実を図るとともに,青年とこども たちが触れ合う中で,互いに豊かな人間性を育み成 長していくことを目的としている。 平成 26 年度は,登録者8名(うち学生4名,社会 人4名)で年間 17 回の打ち合わせ会と科学館内外で の活動を行った。 2 事業内容 (1) 活動内容 ① こども文化科学館の実施する各種事業の企画 運営および補助 広島市文化財団の所属施設で活動するボラ ② こども文化科学館の事業に参加する参加者へ ンティアが一同に会し,各館の特徴を活かし の指導・助言 たブースを出展した。 ③ YSV としての資質向上のための研修への参加 ・日時:10 月 25 日(土) 9:30~16:00 ④ その他,こども文化科学館事業推進に関わる活 ・場所:ハノーバー庭園 動への参画 ・参加者数:YSV 2名 工作参加者数 205 組 267 名 (2) 対象 ・内容: 「とびだせ!びっくりバネヘビくん」 18 歳から概ね 29 歳の学生・青年 牛乳パックと輪ゴムの反発を利用 (3) 報酬 した工作を実施。たのしい工作室イ 原則無償 ンストラクター4名と合同で材料 (4) 保険 準備と工作指導を行った。 万一事故が発生した場合は, 次の保険で対応する。 ② 青少年のための科学の祭典運営スタッフ ① 公立文化施設賠償責任保険 ・日時:10 月 26 日(日) 9:30~16:00 ② 広島市市民活動保険 ・場所:こども文化科学館・ハノーバー庭園 (5) 募集および登録方法 ・内容:祭典出展ブース運営補助 以下の方法でメンバー募集の周知を図った。 ・参加者数:YSV 2名 ① 館内,広島市および近郊の大学,公民館等社 ③ YSV 工作デー 会教育施設にチラシ兼申込用紙を設置 実施する内容から当日指導までを YSV が ② 当館ホームページへの掲載 主体となって具体的に検討を行い実施した。 なお,受付時間・材料費・定員等については, 3 平成 26 年度の活動 たのしい工作室の運営方法に準じて実施し (1) 打ち合せ会(計7回) た。 年間の活動内容に応じて, 活動に関する提案や意 ・日時:1月 31 日(土) 13:00~15:50 見交換を基に,工作指導の検討等,事業運営に関す ・場所:3階工作室 る話し合いや準備を行った。 ・参加者数:YSV 3名 43 工作参加者数 38 組 49 名 実施において,メンバーの創意工夫が活動を支えた。 ・内容: 「紙コップロケット」 毎回の打ち合わせ会に参加可能な顔ぶれや人数が ビニール袋を取り付けた紙筒と紙 異なる中で,活動内容を具体的にどのように方向付 コップを用いた工作。こどもに対 けるかが課題であったが,企画・準備・運営の各内 する全体説明や指導する際に配慮 容を各メンバーが把握し活動に臨めるよう情報の する点や指導の仕方など,互いに 周知と共有化に努めた。 アイデアを出し合い,工作指導を 一方,近年の当館のボランティア希望者のニーズ 実施した。 は年々変化している。当館におけるボランティア活 動の中で個々がより自発性を発揮できるように,方 (3) 科学館事業の運営補助(計5回) 針や運用のあり方・受入態勢などについて、ニーズ YSV メンバー自身で活動日を選択し,創作・ に合わせた内容の検討と整理が必要である。 科学の各教室事業の運営に参加した。 今後は,たのしい工作室や天文普及事業等,活動 (6~10 月) 範囲をより具体的に絞ることで活動ビジョンを明 確にし,各事業の中で活動に深く参画することに (4) 館外活動 (計1回) よって自発的に活動に取り組むとともに,活動で得 られた達成感をさらに充実した活動に発展させる ① 路面電車まつりイベントスタッフおよび ことができるよう,支援に努めたい。 広島市博物館 PR コーナー工作指導 第 19 回路面電車まつり内の広島市博物館 群 PR コーナーにおいて,工作ブースを出展, 指導にあたった。同時にイベントスタッフと して他ブースの運営補助にも携わった。 ア 広島市博物館 PR コーナー工作指導 ・日時:6月8日(日) 15:00~16:00 ・場所:広島電鉄千田車庫 ・参加者数:YSV 4名 工作参加者数 45 組 58 名 ・内容: 「鳴きコップ」 路面電車まつり内の広島市博物館群 PR コーナーにおいて,紙コップとた こ糸を使った工作ブースを出展,指 導にあたった。 イ 路面電車まつりイベントスタッフ ・日時:6月8日(日) 10:00~15:00 ・場所:広島電鉄千田車庫 ・参加者数:YSV 4名 4 所感 YSV では学生主体のボランティア活動として,メ ンバー間の横のつながりを通じた意見交換と創意 工夫に基づき,活動内容の検討実施を進めてきた。 具体的には,前述(2)~(4)を活動の柱として1回 の打ち合わせ会で実施内容や指導方法などの検討・ 44 表紙の写真は広島市こども文化科学館内のとある場所を撮影したものです。 科学するということは、自分で考えて答えを見つけていくことです。 この研究紀要を手にされた皆さんも、表紙の写真はどこなのか、 ぜひ考えて答えを見つけてください。 広島市こども文化科学館研究紀要 すばる vol.23 平成27(2015)年3月 編集・発行 広島市こども文化科学館 広島市中区基町5番83号
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