健康ドームトレーニングルームの取り組みについて

健康ドームトレーニングルームの取り組みについて
トレーニング室では、平成 18 年度のオープン以来、平成24年度に初めて年間の利用者数
が 20,000 人を超えました。運動継続・実践の場だけでなく、市民の皆さんが集い仲間づくり
の場としても多くの方に利用していただきました。
平成24年度の 7 月から、トレーニング室利用定期券の購入条件・利用時間が変更になり
ました。「エクササイズパス(メタボ予防改善目的)」は、購入条件が「半年以内の健診結果
が、腹囲:男性 85cm 以上、女性 90cm 以上または BMI≧25 の該当者」から「1 年以内の健診
結果の同該当者」、利用期限が「初回購入後連続 3 カ月間」から「6 カ月間」になりました。
「シニアパス(65 歳以上の方対象)
」は、平日利用時間が「9 時 15 分から 13 時まで」から「17
時まで」となりました。これにより、午前中の混雑が緩和されてきています。トレーニング
室の利用者を対象として行っているヘルスアップ教室では、従来から実施している「お手軽
ボール運動教室」
「やさしいエアロビクス教室」に加え、介護予防を目的とする「はつらつ元
気教室」が始まりました。
健康づくり教室では、
「メタボ予防教室(3 カ月間:年 2 回)」
「シニアヘルスアップ教室(3
カ月間:年 8 回)」
、高齢者が参加しやすいように市内各地の公的施設で実施する「運動手はじ
め教室(1 ヵ月:年 4 回)
」と、糖尿病治療者を対象とした「糖尿病予防教室~糖尿病に負け
ない講座~(6 ヶ月/回)」の全部で 4 種類の教室を実施しました。
特に「糖尿病予防教室」は、医療機関と連携をし、保健センターとあいち健康プラザと健
康ドームトレーニング室が協力し、糖尿病の悪化対策について取り組みました。
平成 24 年度全体の実績は以下のとおりです。
<全体の実績>
1)トレーニング室及び元気測定室の運営
事業内容
トレーニング室施設利用
元気測定「かんたんコース」
(参考)
平成 24 年度実績
男性
女性
合計
平成 23 年度
実績
15,496 名
7,101 名
22,597 名
19,448 名
621 名
604 名
1,225 名
1,336 名
・トレーニング室利用定期券
平成 23 年度購入者
パス名(対象者)
有効利用期間
平成 24 年度購入者
実人数(延べ人数)
実人数(延べ人数)
エクササイズパス(メタボ予防改善)
1ヵ月
:92 名(280 名)
66 名(130 名)
シニアパス(65 歳以上高齢者)
1ヵ月
173 名(776 名)
89 名(495 名)
(1)ヘルスアップ教室(トレーニング室利用者
教
室
名
再掲)
平成 24 年度
平成 23 年度
参加者数
780 名
参加者数
623 名
48 回
924 名
583 名
22 回
123 名
(平成 24 年度から開催)
開催日
開催回数
お手軽ボール運動教室
毎週火曜日
45 回
やさしいエアロビクス
毎週木曜日
元気はつらつ教室
第 2・4 月曜日
1
(2)健康セミナー
講
座
名
開
催
日
平成 24 年度
平成 23 年度
参加者数
参加者数
食事バランスガイドを使ったかしこい食事法
平成 24 年 6 月 30 日(土) 32 名
あなたのウォーキングが変わる講座
平成 24 年 9 月 22 日(土) 16 名
あなたの健康づくりに活かす「お口」元気作戦
平成 25 年 1 月 12 日(土) 10 名
58 名
59 名
(3)かんたんコース+骨密度測定
開
催
日
平成 24 年度
平成 23 年度
参加者数
参加者数
第1回
平成 24 年 7 月 14 日(土)
35 名
第2回
平成 24 年 9 月 29 日(土)
15 名
第3回
平成 25 年 1 月 26 日(土)
50 名
100 名
108 名
2)健康づくり教室
教
室
名
開催様式
1)メタボ予防教室
2)運動手はじめ教室
3)シニアヘルスアップ教室
4)糖尿病予防講座
「~糖尿病に負けない講座~」
3 か月間 全 6 回
年間 2 教室
週1回 全5回
年間 4 教室
週 1 回 全 12 回
年間 8 教室
6 か月間 全 10 回
年間 1 教室
平成 24 年度
平成 23 年度
参加者数
参加者数
計 20 名
20 名
計 83 名
77 名
計 35 名
40 名
22 名
20 名
平成 24 年度
平成 23 年度
参加者数
参加者数
3)特定保健指導
対
象
支援形式
内
容
65 歳未満:ヘルッチェを
使用して実施する。
北名古屋市民
(国保対象者)
動機づけ支援
(個別支援)
1名
13 名
65 歳以上:かんたんコー
スの結果を支援ツールと
12 名
して使用し実施する。
2.開館から 7 年間の利用状況の推移
図1:トレーニング室利用者数年次推移(人)
2
9名
<トレーニング室の様子>
<ヘルスアップ教室の様子>
(お手軽ボール運動教室)
(やさしいエアロビクス教室)
(元気はつらつ教室)
(結果説明の様子)
<健康セミナーの様子>
(医師講義の様子)
3
リスク管理
1.リスク分類別の利用状況
トレーニングの利用者は、あいち健康プラザから導入した「健康管理システム」を活用す
ることにより、スタッフ間の情報共有を行い、開館以来事故のない運営を実施しています。
元気測定の結果によって健康状態によるリスクの階層化を行い、より安全に運動が実施で
きるように努めています。
表7:身体状況によるリスク分類
分類
0
1
状況
疾患なし
運動に障害となる
疾患なし
2
若干の注意を要する
3
運動実施上注意を要する
4
運動中絶えず注意が必要
5
運動による病状の悪化、
事故をきたす恐れがある
例
トレーニング室での対応
危険因子なし
軽度の危険因子を 1 個保有
脂質異常症単独、白衣性高血圧
脂肪肝、肥満(BMI<30)
中等度の危険因子を 1 個保有
高度肥満、コントロール良好な
糖尿病
危険因子 2 個以上保有
治療中の糖尿病、高血圧
合併症のある糖尿病、コントロー
ル不良な糖尿病、高血圧症、
大血管障害の既往あり(安定期)
進行した合併症をもつ
心血管イベントの直後等
100%
5
一般的な説明と管理
服薬状況の確認、コントロ
ール状況の確認、運動種
目・強度の管理、運動後の
状況確認
原則としてトレーニング
不可
100%
週2回以上
4
3
80%
2
週1~2回未満
月2~3回
80%
月1回以内
1
0
60%
60%
40%
40%
20%
20%
0%
0%
~19 20~2930~3940~4950~5960~69 70~
0
1
2
3
4
図 10:リスク別利用回数の比率(%)
図9:年代別リスク保有者の比率(%)
年代が上がるほどハイリスク保有者の割合が高くなっています。60 代では約 5 割、70 代で
は、約 7 割の利用者がリスク 3 以上(運動実施上注意を要する方)の状況でした。
また、
リスクが 3 以上のうち、
約 3 割の方に 1 回/週以上の運動を実践していただきました。
4
2.医療機関との連携と事例
トレーニング室では、運動の実施にあたり、利用者の方が安全に運動できる環境づくりを
行うために、医師、保健師、運動スタッフによる運営体制とともに、医療機関との連携を図
り、リスク管理による事故のない効果的な運動を提供できるよう努めています。
【事例紹介】73 歳
男性
3 年前の血液検査において血糖値が高いことを指摘され、4 か月に一度の割合で血液検査を実施
していました。
今年度の健診で糖尿病だけでなく、中性脂肪も高い値であることを指摘されトレーニング室に
来館されました。
○検査データの推移
空腹時血糖
160
6.7
6.5
112 120
6.6 6.6
145 140
HbA1c
(%)
(mg/dl)
115 106 6.4
6.4 6.4 6.3
100 100
6.2 6.2
6.1
80
運動開始
60
6.0 6.0
運動開始
5.9
5.8
40
2012/3/1
2012/4/1
(mg/dl)
250
200
2012/6/1
2012/7/1
2012/8/1
5.7
2012/9/1 2012/10/1
2012/3/1 2012/4/1 2012/5/1 2012/6/1 2012/7/1 2012/8/1 2012/9/1 2012/10/1
中性脂肪
350
300
2012/5/1
<トレーニングの内容>
324 ・有酸素運動
230 トレッドミル 30 分
195 141 150
・筋力トレーニング
140 :30 分
・週に 3 回、1 回約 90 分の来館
100
50
エアロバイク 20 分
運動実施の前後には体調確認(血圧測定)
運動開始
とストレッチを行った。
0
2012/3/1 2012/4/1 2012/5/1 2012/6/1 2012/7/1 2012/8/1 2012/9/1 2012/10/1
運動を始めて 2 回目の診察の時に、主治医の先生から診察に入るや否や「どうしたのですか?」
と血液検査の結果が良好であったことに驚かれ、握手をしてもらったと嬉しげにお話をされてい
ました。主治医から「ぜひ、続けてくださいと。」言われたとのことです。「効果も数値に現れた
ので、このまま続けます。」と現在も継続中です。(ご本人の了解により掲載)
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