Ⅳ.将来都市構造 1.将来人口フレームの基本的考え方 日進市都市マスタープランにおける人口推計については、平成 32 年を目標年次として推計を行う。 人口推計は、コーホート要因法※とトレンド推計積み上げ法※により行うこととし、その結果を下図 に示す。 ※ コーホート要因法 地域の将来人口を予測する際に、特定の社会的集団(=コーホート:通常は年齢階層 別男女別人口)ごとに人口予測を行う方法をコーホート法と呼ぶ。コーホート要因法は、 この各コーホートの人口を、地域の人口の将来自然増減要因(出生、死亡)と将来社会 増減要因(転入・転出)とに分けて推計する方法。 ※ トレンド推計積み上げ法 日進市内の町・丁目別で住民基本台帳ベースでトレンド推計を行い、積み上げること で将来人口を推計する方法。 実績値 推計値 (人) 140,000 コーホート 要因法 120,000 100,000 80,000 70,188 86,729 78,591 60,311 95,115 103,599 95,726 83,571 90,015 60,000 トレンド推計 の積み上げ 40,000 20,000 0 H7 H12 H17 H22 H27 H32 この2種類の推計結果から、上図のとおり幅を持った推計値を得ることができた。そこで、本マス タープランにおける目標年次の将来人口は、これらの中間値に近い概数を採用し、99,600 人≒約 10 万人と設定する。 表-将来人口の設定(中間値の採用) 実績値 平成 7 年 ※単位:人 推計値 平成 12 年 平成 17 年 平成 22 年 平成 27 年 平成 32 年 86,729 95,115 103,599 83,571 90,015 95,726 中間値 85,150 92,565 99,663 中間値(概数) 85,100 92,500 99,600 コーホート要因法 トレンド推計の積み上げ 60,311 70,188 48 78,591 平成 32 年の約 10 万人については、本市内の土地区画整理事業の施行や市街地内にみられる低・ 未利用地の活用など、現在の市街化区域内での施策により対応が可能であり、原則、住居系の新たな 開発に伴う市街化区域編入は行わず、現市街化区域の約 1 割を占める面的整備に備えて第一種低層 住居専用地域、容積率 50%、建ぺい率 30%が指定されている地域(いわゆる暫定用途地域)での 土地区画整理事業などの市街地開発事業を促進することとする。 2.将来商業・工業エリア設定の基本的考え方 ○「1.将来人口フレームの基本的考え方」から、目標年次(H.32 年)までの間は、 『新規の開発に 伴う住居系市街地の拡大は行わず、現在の市街地内にみられる低・未利用地の有効活用を図る』 ことを基本的な考え方とする。ただし、市街地内の低・未利用地の状況や今後の住宅・宅地の需給 バランス等の状況によっては、新たな住居系市街地の形成について検討を進めることとする。 ○非住居系市街地のうち商業系市街地については、『鉄道駅の周辺をはじめ現在の市街化区域内に おいて既存ストックの活用が可能な地域を中心に形成を図る』ことを基本的な考え方とする。ま た、工業系市街地については、今後の広域交通体系の整備状況や近隣市町における市街地整備の進 捗状況等を総合的に踏まえながら、『市街化区域編入の検討も含め適切な市街地誘導を進める』 ものとする。 <将来の商業・工業エリア規模の設定> ■商業地 グラフ-人口1人当り小売販売額の比較 ・本市の人口1人当りの小売販売額は 1,042(千円/ 1,600 人)となっており、周辺市町と比較すると中位で 1,400 はあるものの、愛知県平均を下回り、購買力が他 1,200 都市へ流出する傾向にある。 1,000 (千円/人) 1,427 1,325 1,128 1,042 943 787 800 1,031 998 765 728 600 400 200 0 愛知県 日進市 名古屋市 瀬戸市 豊田市 尾張旭市 豊明市 東郷町 長久手町 三好町 表-本市の商業指標 小売販売額 人口 人口1人当り 商業地面積 商業地 1ha 当り (百万円) (人) (千円/人) (ha) (百万円/ha) 日進市 84,016 80,626 1,042 66.1 1,271 愛知県 8,291,533 7,351,713 1,128 - - ※小売販売額は H.19 商業統計調査による ※人口は H20 年度愛知県統計年鑑による ※商業地面積は H.19 度愛知県都市計画基礎調査による 49 ・目標年次(H.32)においては、この購買力の流出を抑えることができるような商業地の形成を目指すものとし、 人口1人当りの小売販売額については現在の愛知県平均である 1,128(千円/人)を目指す。 ・H.32 における将来人口は約 100,000 人と設定することから、目標小売販売額は約 112,800(百万円)となる。 100,000(人)×1,128(千円/人)=約 112,800(百万円) ・現在の商業地 1ha当りの小売販売額は 1,271(百万円/ha)であることから、H.32 においても同程度であると想 定すると、H.32 における商業地規模は約 89haと設定される。 112,800(百万円)÷1,271(百万円/ha)=約 89ha ・したがって、商業地については、現在より約 23haの増加を図るものとする。 ■工業地 グラフ-人口1人当り製造品出荷額等の比較 ・本市の人口1人当りの製造品出荷額等は 1,459(千 (千円/人) 35,000 30,773 円/人)となっており、周辺市町の中では長久手町 30,000 に次いで低い状況にある。 25,000 20,000 16,669 15,000 10,000 6,275 5,000 1,525 1,833 3,412 3,246 2,427 3,631 515 0 愛知県 日進市 名古屋市 瀬戸市 豊田市 尾張旭市 豊明市 東郷町 長久手町 三好町 表-本市の工業指標 製造品出荷額等 人口 人口1人当り 工業地面積 工業地 1ha 当り (百万円) (人) (千円/人) (ha) (百万円/ha) 125,263 日進市 82,165 1,525 56.9 2,201 ※製造品出荷額等は H.20 工業統計調査による ※人口は H.21 年度愛知県統計年鑑による ※工業地面積は H.19 度愛知県都市計画基礎調査による ・周辺の市町に比べ本市は名古屋市のベッドタウンとして居住機能に特化する傾向にあることを踏まえつつも、今後 の財政基盤の維持・強化の観点からは一定の工業(生産)機能の確保が求められる。そこで、目標年次(H.32) においては現在をやや上回る工業(生産)機能の確保を目指すものとし、人口1人当りの製造品出荷額等について 1,700(千円/人)を目指す。 ・H.32 における将来人口は約 100,000 人と設定することから、目標とする製造品出荷額等は約 170,000(百万 円)となる。 100,000(人)×1,700(千円/人)=約 170,000(百万円) ・現在の工業地 1ha当りの製造品出荷額等は 2,201(百万円/ha)であることから、H.32 においても同程度である と想定すると、H.32 における工業地規模は約 77haと設定される。 170,000(百万円)÷2,201(百万円/ha)=約 77ha ・したがって、工業地については、現在より約 20haの増加を図るものとする。 50 3.土地利用ゾーンと都市軸 (1)土地利用ゾーンの配置 【現行市街地内(市街化区域)】 ○既成市街地ゾーン 主に現在の市街化区域の縁辺部(市街化調整区域との境界部)に広がる古くからの市街地において は、地区の特性に応じた土地利用を進めつつ、道路や公園等の生活基盤施設の整備・改善、低・未利 用地の保全・活用等を積極的に進めることにより、良好な居住環境を有する市街地の維持・形成を図 る。 ○計画的市街地ゾーン 主に土地区画整理事業等により計画的に整備され、住居系土地利用(低層、中高層住宅地)を主体 とした市街地においては、本市ならではの特徴である市街化調整区域等に広がる農業集落とのバラン ス・調和やコンパクトにまとまった生活圏の構築といった観点から、現在の土地利用及び居住環境の 維持を進めることにより、今後も現在の市街地形態を維持する。 ○低・未利用地活用ゾーン 現在の市街化区域内において一団の低・未利用地が残されている赤池箕ノ手地区、折戸鎌ヶ寿地区、 梅森中部地区、梅森東部地区等においては、森林等豊かな緑地空間が残されており、市街地に近接す る貴重な緑地としての機能を有することからも、その地形や植生等の特性を活かすなどの配慮のもと、 計画的に新たな市街地の形成を図る。 ○教育・研究ゾーン 研究施設や研修センター等が既に集積する米野木研究開発地区及び日進駅南側においては、今後と も現在の土地利用を維持する。 [地域生活拠点] 鉄道3駅周辺や土地区画整理事業等により計画的に整備された地区内の既存商業地においては、周 辺に立地する中高層住宅と一体となってコンパクトにまとまった生活圏の構築を図るため、最寄りの 商業施設等をはじめ日常的な生活利便施設等が集積した拠点地区の維持・形成を図る。 51 【現行市街地外(市街化調整区域) 】 ○森林保全ゾーン 本市北東部及び御嶽山周辺等に広がる森林においては、貴重な動植物が多く生息するなど本市の骨 格となる緑豊かな自然環境が残されている。また、これら森林は本市ならではの重要な景観資源であ るとともに広域的にみれば名古屋東部丘陵の一角を構成する緑地であることからも、積極的にその維 持・保全を図る。 ○森林活用ゾーン 三本木地区周辺や本市南部に広がる森林においては、保全を基本としつつも、豊かな自然環境の中 に立地することで魅力を高め、機能を発揮することができる研究開発施設等については、一定水準の 緑地確保等を条件にその立地を許容するなど、自然を活かしつつ、周辺の教育・研究ゾーンと一体と なった土地利用の施策を検討する。 ○農地・農業振興ゾーン 天白川、岩崎川沿いに広がる一団の農地と農地の中に点在する農業集落は、本市の都市構造上の大 きな特徴であると同時に、防災上の観点また都市生活(都市での暮らしやすさ)を支える良好な自然 環境の維持・保全といった観点からも、これら土地利用を一体のものとして維持していくことが重要 であることから、現在の土地利用の維持・保全を図る。 ○住宅団地ゾーン 主に昭和 40 年~50 年にかけ市街化調整区域において住宅地として開発がなされてきた地区にお いては、現在の居住者が今後も安心して快適に暮らし続けることができる居住環境を維持していくた めに、現在の低層住宅を主体とした土地利用の維持・保全を図る。また、人口の空洞化・高齢化が進 む地区においては、新たな住民の転入を促すような土地利用の施策を検討する。 ○工業ゾーン 機織池周辺や今後整備予定の(都)名古屋瀬戸道路 I.C 周辺等においては、広域交通体系等へのアク セス利便性を活かし、工業系土地利用(物流・業務施設、研究開発施設等)を主体としたゾーンの形 成を図る。 ○教育・研究ゾーン 市街地内の米野木研究開発地区に隣接する地区や市街地外に立地する大学周辺等においては、今後 とも現在の土地利用を維持する。 ○農地活用ゾーン (都)国道 153 号バイパス線以西に広がるまとまった農用地は、洪水時の防災機能等多面的な機能 を有していることから、保全していく。ただし、将来、河川改修等が完了し防災機能を確保した段階 で、優良農地の保全を含め、計画的な土地利用を検討していく。 52 [にぎわい・ふれあい拠点] 公共施設等を集約してきた市役所周辺地区をにぎわい・ふれあい拠点として位置づけ、拠点内を安 全・快適に移動できるよう歩道等の整備や公共施設等の緑化、広場の整備を進め、市民が集い、交流 できる場の形成を図る。 [北のエントランス拠点] 愛知高速交通東部丘陵線(リニモ)長久手古戦場駅周辺の市街地整備に伴い施設立地の優位性の高 まりが予想される北新地区等においては、現況の自然地形や植生等を継承しつつ、日常的な生活利便 施設をはじめ多様な都市機能が立地する拠点地区の形成を図る。 [レクリエーション拠点] 愛知県口論義運動公園、総合運動公園、上納池スポーツ公園及びスポーツセンターをレクリエーシ ョン拠点として位置づけ、現在の機能維持及び利用増進を図る。 [農の拠点(田園フロンティアパーク)] 農業後継者の営農意欲の向上と新たな農業従事者の育成を図り、市内全域の遊休農地を解消してい くため、農業振興拠点を整備し、優良農地の保全と農作物の地産地消を実現する。 また、本市の中央部にあるという地の利を活かした防災機能とリサイクル機能の形成を図る。 53 (2)都市軸 <都市交通軸> ○広域交通軸(高速道路等) 東名高速道路及び(都)名古屋瀬戸道路を本市と市外とを結ぶ広域的な交通軸として位置づける。 ○主要幹線道路 本市の骨格を形成し、南北方向、東西方向の通過交通及び都市間交通を円滑に処理する機能を有す る(都)国道 153 号バイパス線、(都)瀬戸大府東海線を主要幹線道路として位置づける。 なお、主要幹線道路等は、災害時の緊急輸送道路として利用されることからも、都市防災上の観点 も考慮に入れた整備・改善を促進するため、関係機関への協議・協力を行う。 ○幹線道路 (都)日進中央線(東延伸路線含む)、(都)名古屋豊田線、(県)岩作諸輪線、(仮称)野方三ツ池公園 線をはじめ、主要幹線道路を補完するとともに、市内に分散立地する市街地や集落地相互の交通流動 を円滑に処理することを目的とした幹線道路を適正に配置する。 ○公共交通軸 市域南部を東西方向に貫く名古屋市営地下鉄鶴舞線・名鉄豊田線を本市の公共交通軸と位置づける とともに、鉄道3駅についても、公共交通結節点として位置づける。また、本市の北側を通る愛知高 速交通東部丘陵線(リニモ)については、今後本市のまちづくりを進める上で、積極的な活用を検討 する。 <水と緑の軸> 天白川、岩崎川及びこれら河川沿いの農地を水と緑の軸と位置づけ、森林や公園等を活用しながら 緑の軸を形成するとともに、市街地や集落地等を結び、地域住民の交流を促進するための歩行者・自 転車ネットワークとしての活用を図る。 54 55 55
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