第3回 東海産業競争力協議会・配布資料(抜粋) 「東海産業競争力協議会 報告書 TOKAI VISION ~世界最強のものづくり先進地域を目指して~」 (H26.3 第2回協議会) http://www.chubu.meti.go.jp/somu/topics/pdf/kyougikai2/2-1kyogikaihoukokusyo.pdf) ○地方産業競争力協議会の位置づけ(日本再興戦略 25.6抜粋) 全国各地の地域に根ざした「生の声」を反映していくため、地域ブロックごとに、 ・・・「地方産業競争力協議会(仮称)」を設置する。同協議会においては、地域ごとの戦略産業を特定し、地域に眠る資源の掘り 起こし、地域に必要な産業人材の育成に係る戦略等を定め、本戦略の地域における展開状況と併せて、定期的にフォローアッ プする。 ○協議会委員(計 11名) 座 長:名古屋大学総長 自治体:長野県知事、岐阜県知事、静岡県知事、愛知県知事、三重県知事、静岡市長、浜松市長、名古屋市長 経済界:中部経済連合会会長、名古屋商工会議所会頭 オブザーバー:国の地方支分部局等 (11名) ○作業部会(WG)(計 22名) 天龍ホールディングス(株)福西代表取締役、(株)和田製作所 和田 代表取締役等企業経営者(13名)、自治体、大学 第3回 東海産業競争力協議会 ・日時:平成27年4月23日(木) 15:30~17:37 ・場所:ウェスティンナゴヤキャッスル2階「銀の間」 ○東海産業競争力協議会報告書(TOKAI VISION) アクションプランの取組と成果及び 今後の展開(Next Action) 1 Ⅰ-② 戦略産業の推進 (航空機産業) 〔アジアNo.1クラスターを形成し、世界三大拠点の一つに〕 12 13 14 15 人材の確保、定着、育成に向けた取組 サプライチェーンの強化 新市場開拓の促進 新技術の創出、支援機能の向上 2 (Action12)人材の確保、定着、育成に向けた取組 ○地域としては、「人の供給が航空機産業成長のボトルネックにならない」ことが前提。 ○これまで、重工メーカーや当該サプライヤー企業は、自社内にて人材育成や確保に取り組んできた。しかし、ボーイング機の増産やMRJの開 発・量産化に伴い、自社内のみでの人材育成や確保が困難になってきている。とりわけ労働集約型である現業・技能者の供給は喫緊の課題。 課題の克服には、会社の垣根を超えた業界横断的な取組を進めると共に、産学官が一体となり、人材を供給できる体制を早急に構築(2016年 4月から、年間約600人規模の育成を目途)(特に、人材の「量」の確保が必要)。 ○更に、生産技術者、設計・開発技術者、生産管理者、特殊技術者においても、近年の環境変化に対応する人材育成も展開。(特に人材の 「質」の確保が必要)。 実施期間:2014年度~2018年度+α 推進主体:自治体、名大、中経連、労働局、経産局、C-ASTEC 2014年度の取組 ①現場技能者育成に向けカリキュラム・テキスト作成、育成拠点整備、運営 手法等の検討の場を設置。構造組立の初級者のテキストを作成した (労働局、経産局、自治体、中経連、 C-ASTEC)。 ②航空機業界への新規参入を促進する取組として、CATIA研修、5軸加工 専門研修等を実施した(愛知県)。組立技能者、非破壊検査技術者研修 を随時実施。一貫生産人材育成研修を実施した(~3月)(岐阜県)。 ③高度専門人材の育成として、グローバルプロジェクトリーダー育成を実施 した(名大)。 ④工業高校生向けセミナー及び企業見学を9回実施した(岐阜県)。子ども 航空宇宙教室、JAXA宇宙1日出前事業を実施した(名古屋市)。工業高 校教員向けの理解増進・現場体験事業実施し、工業高校生向け航空機 産業講座を実施した。(労働局、経産局、愛知県)。かがみがはら航 空宇宙博物館リニューアルに関する意見交換会を実施し、将来の人材育 成・確保についても検討(岐阜県)。 県営名古屋空港周辺において、MRJ完成機、生産工場の見学など産業 観光に係る受け入れ体制の検討を実施(愛知県)。 2014年度の成果・課題 ①現場技能者育成のためのカリキュラム・テキストを作成した。これに より、現場技能者育成に向けとりわけ資源やノウハウが限られている 中小企業における人材育成コスト低減等の効果が今後期待される。課 題としては講師、機材、材料の確保や、次年度の試行や人材育成拠 点運営のための財源確保である。 ②業界への新規参入を目指す中小企業の社員30名に対して研修を実 施し、航空機部品の高度な加工技術に対応できる技術者育成を支 援した(愛知県)。 企業のニーズに合わせた施策について一層の検討が必要。 ③主に航空宇宙関係企業社員計25名を対象に15日、75時間の講 義 を実施。国際開発プロジェクトのリーダーとして世界の航空機産 業界 とのビジネスに取り組むことができる人材が育成された。 ④小中高生に対し、航空宇宙産業に対する関心を醸成した。 航空機産業の人材育成・確保に向けたハード・ソフト整備の具現化 が検討課題である。愛知県では、年度内に県営名古屋空港におけ る最適な施設配置、航空機をテーマとした施設整備の方向、空港へ のアクセス充実など、受入体制のあり方(案)をまとめる。今後、検討 結果を踏まえ、具体化に向けさらなる検討が必要。 目指す成果(将来像) 技能人材システムの本格稼働(2016.4) 航空機産業人材育成・確保仕組み構築 組立技能者研修 グローバルプロジェクトリーダー育成 工業高校生向けセミナー 3 (Action13)サプライチェーンの強化 ○グローバルな競争環境が激化する中、低コストと短納期の両立につながる一貫生産体制の構築は極めて重要な課題。 ○当該体制の構築には、重工メーカーが生産管理のノウハウを中小企業やクラスターに提供することが必要。 ○複数社が連携する際には、ハード面とソフト面の両方で「機能する」一貫生産体制を構築していく。 ○一貫生産体制構築には、系列を超えた協力、自動車産業で培われた効率的量産技術の活用、国際ビジネス展開の機会拡大等を進めなが ら、競争力を持って市場につながる取組とする。 ○個社単位でも、国際的なサプライチェーンへの参入拡大を図る。 実施期間:2014年度~2018年度+α 推進主体:自治体、中経連、名商、経産局、C-ASTEC 2014年度の成果・課題 2014年度の取組 ①サプライチェーン強化に向け、ミニクラスター毎(川協、飯田、MASTT、松 阪)の進捗に応じた課題、対応策を支援関係者が共有し、共通課題の抽出、 クラスター連携等による克服策実施の可能性を検討した。 (経産局、自治体、中経連、C-ASTEC)。 ②航空機部品の特殊工程を行うための貸工場整備支援を実施(長野県)。 特区制度の活用を含め、税制及び利子補給金制度等による設備投資を支 援(経産局、自治体)。 ③20名程度の一貫生産人材育成研修を実施した(~3月)(岐阜県)(再掲) ④仏国BCIエアロスペース社主催のエアロマート名古屋(9/24~26)を開催し、 162社・機関(国内115社、海外44社・3機関)の参加を得て商談会を実施した (名商)。また、関係機関が連携し、中小企業の出展支援を実施した(自治 体、C-ASTEC等)。 開催に先立ち、航空機産業知的財産セミナーを開催し、 ノウハウの面から支援を行った(経産局)。 エアロマートトゥールーズ出展支援を行った(岐阜県、愛知県、C-ASTEC)。 ⑤7月のファンボロー・エアショーにあわせて欧米のクラスターのコア機関との 面談を通じて連携強化を図った(経産局、C-ASTEC)。 ⑥MROに焦点を当てた国、企業の担当者によるセミナーを開催し、当地域の 発展に向けた示唆を得た(2015.2月)(経産局、C-ASTEC)。 ①ミニクラスター形成時における共通課題の解決にあたり、引き続き 国・県が支援することに加え、これまでノウハウを保有してきた重工 等Tier1企業によるサプライヤー育成の促進も必要である。 ②一貫生産体制のボトルネックとなる熱処理や表面加工に係る特殊 工程設備の整備をはじめ、最新設備の導入により、低コストや短納 期化を実現するための体制構築に向けた取組が進んでいる。 ③一貫生産体制の構築に向け、システム化、IT導入による省力化、人 材確保・育成、経営資源強化等への継続した支援が必要である。 ④エアロマート名古屋については、国内外の企業から新たな受注を獲 得する機会が設けられた(商談件数約4,000件)。今回は海外企業 の参加が想定より少なかったことが課題である。将来にわたっては、 エアロマート名古屋2017が開催される見込となった。今後も数多くの 国際商談会の機会を設けることが必要である。 ⑤独国ハンブルグアビエーション等欧米の機関とのネットワークを 形成した。今後はクラスターに属する企業交流など、一歩踏み込ん だ具体的なクラスター連携強化事業の検討が必要。 ⑥ビジネス規模の大きいMROについての検討を加速する。 目指す成果(将来像) 松阪クラスターの円滑な立ち上げを含め、航空機部材の一貫 生産体制(ミニクラスター)を構築し、サプライチェーンを強化 エアロマート名古屋 エアロマートトゥールーズ 4 (Action14)新市場開拓の促進 <装備品ビジネス拡大> ○C-ASTECにおいては、民間機に活用できるポテンシャルのある装備品及びその技術について2013年度までに整理するとともに、ネックとなる 認証取得のノウハウを共有する取組を実施してきた。国産で活用できるものを見定め、足りない機能は誘致も含め、地域としての装備品供給能 力の強化を図る。 ○短期的には、この取組の継続・深化を行いつつ、中長期的には国産機のFTB化も含めた環境整備が実現されるように働きかける。 ○国産装備品は、防衛部門では多く開発されているものの、それらの技術や製品が民間機には十分に活かされていないのが現状であり、今後は、 これらの技術の活用が促進され得る。 実施期間:2014年度~2018年度+α 推進主体:GNI、自治体、経済団体、経産局、C-ASTEC 2014年度の成果・課題 ①当地域の装備品企業3社が提示したニーズと全国20社の中小企 業とのマッチングが図られた。技術競争力を有する企業の参入によ り、装備品メーカーのサプライチェーン強化が期待される。 ①航空機産業・他産業からの技術参入を促進する機会創出のため、各装備品 メーカーから技術ニーズを開示する逆見本市形式のマッチング事業を継続 ②ミッション派遣やセミナー・交流会を通じて、当地域の企業と海外企 開催した(2015.1月)(経産局、 C-ASTEC)。 業とのネットワーク強化が期待される。 ②MRJの量産フェーズに向けた生産機能拡充を検討する海外の装備品等企 業を選定・調査し、当該企業に対するニーズ調査及び投資環境等のPRを現 ③今後も各社が共通する課題を抽出し、克服する活動を継続すること 地で実施(2015.1月)。また、当該企業を招聘してセミナー及び交流会を開 が必要である。とりわけ、装備品システム開発に不可欠であるソフト 催した(3月)(GNI、C-ASTEC)。 ウェア開発や認証の取得などの活動に対し、継続的な支援を行い、 ③航空機の電動化(モア・エレクトリック)に向けた新たな装備品市場の獲得に 今後も引き続き装備品等新市場開拓の促進を図ることが必要である。 向け、ソフトウェア開発工程を保証するプロセスに係る基礎情報に関するセ ミナーの開催や国産旅客機等におけるソフトウェア開発・認証のノウハウ等 の関係者間の情報共有を図った(12/2) (経産局、C-ASTEC)。また、ソフト ④本調査により収集した装備品ビジネス動向の情報を元に、装備品 メーカーが今後の具体的なプロジェクト組成・支援に向けて活動を ウェア開発プロセスの効率化の支援を実施(愛知県)。 展開することが期待される。 ④先進的な装備品技術の獲得と実用化に向けた「航空機関連技術動向調 査」を実施し、国内外の先進的な装備品技術の情報収集を実施した (経産局、C-ASTEC)。 目指す成果(将来像) 2014年度の取組 装備品の研究開発環境の整備 装備品メーカーによるモア・エレクトリックシステム分野への参入 ソフトウェア認証セミナー 逆見本市形式のマッチング(昨年度の様子) 5 (Action15)新技術の創出、支援機能の向上 ○当地域が世界の主要クラスターに比肩する地域となるためには、前述の人材供給やサプライチェーン高度化に加え、先端研究機能や空港等関連 インフラの強化等が大きく影響。 ○産業の規模と質を高める上では、自動車産業等の強みを活かした産業の高度化が効果的であり、新規参入企業へのハードルを低くすることも有効。 ○中長期的に、JAXA機能の誘致活動やインフラ強化要望を進めることが必要。 実施期間:2014年度~2018年度+α 推進主体:自治体、中経連、名商、経産局、C-ASTEC 2014年度の成果・課題 ①国内外の企業から新たな受注を獲得する機会が設けられた。 当地域の産学官がアジアNo.1クラスターを実現するための諸課題を 共有した。引き続き課題克服に向けた活動を行うことが必要。 2014年度の取組 ①6月に航空宇宙産業フォーラム推進会議を実施し課題の共有や今後の取組 方針の検討をおこなった(経産局、 C-ASTEC)。人材、サプライチェーン強化 ②一貫生産体制のボトルネックとなる特殊工程設備の整備をはじめ、 などアジアNo.1クラスター実現のための課題や対応策の検討の場を設置し、 最新設備の導入により、低コストや短納期化を実現するための体制 産学官連携による支援策の協調展開に向けた検討を実施した(経産局、自 構築に向けた取組が進んでいる(再掲) 。 治体、中経連、C- ASTEC) エアロマート名古屋(9/24~26)を開催し、162社・機関(国内115社、海外44 ③既参入企業を含め、 延べ23社(経産局支援9社、岐阜県支援2社、 社・3機関)の参加を得て商談会を実施した(名商)。また、関係機関が連携し、 静岡県支援5社、愛知県支援7社)が制度を活用し、品質保証や特 殊程の認証獲得や社内体制の強化を図っている。今後も継続した 中小企業の出展支援を実施した(自治体、C-ASTEC等)。(再掲)。 支援体制を構築することが必要である。 ②航空機部品の特殊工程を行うための貸工場整備支援を実施(長野県)。特 区制度の活用を含め、税制及び利子補給金制度等による設備投資を支援 ④MRJ最終組立工場の立地により、全機インテグレーション能力の獲 (経産局、自治体)(再掲)。 得と、国内サプライヤーへの新規需要につながっている。今後は ③JISQ9100やNadcap取得支援(受講料等の補助、専門家派遣)を実施。 MRJの量産体制に向けた空港施設の整備・再編が必要となる。 (経産局、岐阜県、静岡県、愛知県) ⑤独国ハンブルグアビエーション等欧米の公的機関とのネットワーク ④県営名古屋空港隣接地の航空宇宙産業クラスター拠点推進に当たり、三菱 を形成した。今後はクラスターに属する企業交流など、一歩踏み込 重工業(株)を事業者に選定し、用地売却を図った。また、MRJの量産体制に んだ具体的なクラスター連携強化事業の検討が必要(再掲)。 向けた空港の施設整備を順次実施(愛知県) ⑥ボーイング社の製造拠点であるワシントン州と相互の技術高度化や ビジネス拡大に資する取組を進めるためのMOU締結が実現。 ⑤7月のファンボロー・エアショーにあわせて欧米のクラスターコアである公的 機関との面談を通じて連携強化を図った(経産局、C-ASTEC)。 (再掲) 目指す成果(将来像) ⑥ワシントン州とMOU締結、テキサス州サンアントニオ市とLOI締結(三重県) アジアNo.1クラスター検討の場欧米のクラスターコア機関との面談 MOU締結 周辺インフラ整備等を含めた、物流、人流等、最終組立を遅滞 なく進める環境整備 継続的な航空機開発のための環境整備 海外クラスターとのビジネス連携 6 TOKAI VISIONの強化に向けた新たな視点(素案) ~NEXT ACTION~ ■戦略産業の更なる強化・推進 1.航空機クラスターの育成・機能強化 ○一貫生産体制の構築支援、現場・技能者育成支援等によりサプライチェーンを強化するとともに、研究開発から現 場技能者の人材育成や若手人材の確保、定着を支援する。また、松阪地区等の航空機クラスターの早期立ち上げ支 援を強化する。 2.東海・北陸コンポジットハイウエイ構想の着実な実施 ○東海・北陸両地域が一丸となった国際交流事業や産学官連携事業の実施。公設試における試作加工・評価機器の 整備や広域的利活用の促進。 3.戦略産業分野の地域中核企業と裾野の拡大支援 ○戦略産業分野の中核企業を支援することにより、戦略産業クラスターの裾野を強化・拡大する。また、地域のも のづくりとサービスやITとの融合、ロボットの利活用の促進について検討する。 ■時代や環境変化に応じた新たな視点 4.ものづくりの技術・ノウハウの農業への活用による地域の製造業・農業の競争力強化 ○農商工連携を深化させ、当地域の製造業の高い技術・ノウハウを農業に活用することにより、地域の製造業・農業の競争力 強化、新たなビジネスチャンスの創造等を図る取組について検討を進める。 5.中小企業の人材確保、育成支援 ○地域と都市部の多様な人材の中から、地域の中小企業のニーズに即した優秀な人材を発掘し、紹介・定着まで一貫支援する。 ○カイゼン活動の指導者を育成して中小企業等へ派遣することで、ものづくり現場を支える人材の育成を支援する。 ■産業防災・減災 6.地域連携BCPの実現 ○今後、30年以内に70%の確率で発生が予想される南海トラフ地震等の大規模災害に対する防災・減災、早期の産業復興 を念頭において地域連携BCPを推進する。 7
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