四日市港温室効果ガス削減方針

四日市港温室効果ガス削減方針
平成 24 年6月
四日市港温室効果ガス削減推進協議会
0
目
1.基本的事項
1-1 はじめに
次
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1
1
1-2
目的と位置づけ
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1
1-3
1-4
対象範囲
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対象とする温室効果ガス
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2
2
1-5
1-6
目標年次および期間
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取組体制
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2
2
2.四日市港の現況と課題
3.基本理念
3-1 基本理念
3-2
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3
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4
4
基本理念の展開
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4
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6
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7
4.温室効果ガスの排出状況
5.取組方針
1.基本的事項
1-1 はじめに
港湾においては、荷役や船舶の停泊時の港湾活動、港湾を経由する物流活動及び港
湾の周辺地域に立地する臨海部産業等の活動により、温室効果ガスが排出されていま
す。
地球規模で深刻な問題となっている地球温暖化の対策を進めるためには、国や県な
どによる広域的な取組だけでなく、港湾においても、その排出状況に応じた取組が必
要となります。
四日市港では、四日市港管理組合が平成 21 年に策定した「四日市港長期構想」にお
いて、地球にやさしい港づくりに取り組むとしており、港湾管理者や港湾関連企業の
理解と協力のもと、適切かつ確実な温室効果ガス削減対策を進めていくことが求めら
れています。
1-2
目的と位置づけ
四日市港温室効果ガス削減方針(以下「本方針」とする)は、四日市港の温室効果
ガスを削減していくための基本方針として、四日市港の地球温暖化対策の基本的な方
向性を定めるものです。本方針では、地球規模の課題である地球温暖化対策のうち四
日市港における取組を推進し、日本国内の温室効果ガス排出量の削減に貢献すること
を目的とします。
なお、本方針に基づいて実施する各種の削減対策については、港湾の長期的な開発、
利用及び保全の方針を示す「四日市港港湾計画」、国、三重県及び四日市市の関連計画
等との整合・連携を図るものとします。
温室効果ガス削減の
基本方針(協議会)
港湾整備の基本方針
(四日市港管理組合)
将来像
四日市港温室効果
ガス削減方針
ガス削減方針
四日市港長期構想
整合
整合
連携
四日市港港湾計画
四日市港港湾計画
各種対策
本方針の位置づけ
-1-
国、三重県、
四日市市
四日市市の
関連計画
関連計画 等
1-3
対象範囲
本方針においては、四日市港の港湾活動において発生する温室効果ガスを対象とし
て、排出量の削減を進めます。
1-4
対象とする温室効果ガス
京都議定書においては、温室効果ガスとして 6 種類(CO2、CH4、N2O、HFC、PFC、
SF6)のガスの削減が義務付けられていますが、港湾およびその周辺の活動により発生
する温室効果ガスは、主にエネルギーの使用に伴う CO2 であると考えられることから、
本方針では主として CO2 を対象とします。
1-5
目標年次および期間
本方針の目標年次は、四日市港長期構想とあわせ平成 40 年代前半(2030 年代前半)
とし、概ね今後 20 年間に取組む方針を定めるものとします。
なお、本方針は、その取組の効果や、温室効果ガス削減に関する情勢の変化をふま
え、必要に応じて見直しを実施します。
1-6
取組体制
本方針は、四日市港管理組合をはじめ、国、三重県及び四日市市といった行政機関、
四日市港に関係する事業者、団体等で組織した協議会で取組むものとします。
また、本方針の推進に向け、協議会において具体的な削減対策を進めるものとしま
す。
取組体制と期待される役割
構
成
役
割
協
実施主体
温室効果ガスの削減に寄与する港湾施策の推進
四日市港管理組合
事業活動に伴う温室効果ガスの発生抑制
協議会に関する事務
議
港湾関係事業者、団体
事業活動に伴う温室効果ガスの発生抑制
会
三重県トラック協会
輸送に関する温室効果ガス削減施策の推進
支援団体
国
三重県
本方針の実施に関する支援
四日市市
温室効果ガス削減施策の推進
四日市商工会議所
-2-
2
四日市港の現況と課題
四日市港は伊勢湾奥部に位置し、古くから伊勢湾地域の海陸交通の要衝として地域の
産業、経済発展に大きく貢献してきました。
四日市港の背後圏域は、産業の一大集積地域であり、今後も研究開発機能の充実によ
る産業構造の高度化、さらには高速交通ネットワークの整備に伴い、産業技術の中枢と
して、ますます発展することが期待されています。
一方、経済のグローバル化の進展等に伴い、今後の地域経済の発展のためには、物流
コストの縮減や即時性、定時性の確保による国際競争力の強化が求められており、四日
市港においても貨物取扱機能の強化や港湾施設の充実を図る必要があります。
また、近年、環境問題はますます多様化、グローバル化し、従来の生活環境の保全だ
けでなく、港湾分野における地球温暖化防止などへの対応が求められています。
このため、四日市港においても、生活環境保全と低炭素社会の実現に貢献する物流機
能の構築、さらには自然環境の保全、再生、創出が課題となっています。
また、生活に関するニーズの多様化に伴い、市民に親しまれる港づくりや安心・安全
の確保など、港湾整備にあたり、これら諸機能の拡充も求められています。
これらの課題に対応するため、四日市港管理組合は平成 21 年に「地域に貢献する、
なくてはならない存在としての四日市港づくり」を基本理念とする四日市港長期構想を
策定したほか、平成 23 年には四日市港港湾計画の改訂を行いました。
なお、四日市港における環境負荷削減への取組として「四日市港グリーン物流促進補
助事業」を平成 20 年度から実施し、フィーダー貨物の陸上輸送から海上輸送への転換
や最寄港である四日市港の利用促進によって陸上輸送距離の短縮を図り、コンテナ貨物
輸送時の温室効果ガス排出量を削減する試みを行っています。
-3-
3.基本理念
3-1 基本理念
本方針における基本理念は、四日市港長期構想の基本理念「地域に貢献する、なく
てはならない存在としての四日市港づくり」を受け、背後圏産業を支える港湾機能の
発展と、環境にやさしい港づくりの両立を図ることとします。
具体的には、臨港交通施設の整備、荷役機械の省エネ化、輸送手段の省エネ化等の
施策を進めることで、港湾機能の向上、荷役の効率化を図るとともに、環境負荷の低
減を目指します。また、環境にやさしいみなと・四日市港をアピールし、四日市港の
利用促進につなげることを目標とします。
【港湾整備における基本理念】
地域に貢献する、なくてはならない存在としての四日市港づくり
【本方針の基本
本方針の基本理念
基本理念】
理念】
背後圏産業を支える港湾機能の発展と、環境にやさしい港づくりの両立
3-2
基本理念の展開
(1) 持続可能な港づくり
我が国では経済のグローバル化に伴う港湾の国際的な地位の低下から、港湾整備
における「選択と集中」が進められています。四日市港が、こうした国内外との競
争や国の政策転換に的確に対応し、持続的に発展していくためには、港勢を着実に
高め、その存在価値をアピールすることが喫緊の課題となっています。また、港湾
の現状をみると、港湾機能の拡充(北ふ頭 W81・W82 号岸壁の整備、霞 4 号幹線
の整備等)や整備後数十年を経た港湾施設の老朽化対策が必要となっています。
なお、四日市港港湾計画では、取扱貨物量は、平成 30 年代前半に 6,770 万t(平
成 21 年実績 5,701 万t)
、うち外貿コンテナを 43 万 TEU(平成 21 年実績 16 万
TEU)としています。港湾における貨物取扱量の増加に伴い、入出港船舶数、荷役
機械の稼働時間、背後圏の輸送車両数が増加し、港湾から発生する温室効果ガス排
出量の増加が考えられます。
このため背後圏産業を支える港湾機能の発展に関する方針展開として、環境にや
さしい物流システムにより「温室効果ガスの排出量削減と背後圏産業の発展を実現
する、持続可能な港づくり」を設定し、港湾内の発生源や背後圏における温室効果
ガス排出量を削減するための環境施策を講じるものとします。
【方針展開(1):発生源・背後圏における対策】
背後圏産業を支える
港湾機能の発展
温室効果ガスの排出量削減と背後圏産業の
発展を実現する、持続可能な港づくり
-4-
(2) 地球環境にやさしい港づくり
四日市港には、楠・磯津地区や朝明地区に残る自然海岸、干潟等、貴重な自然環
境が残されています。
これらの自然環境を次世代に継承するために、親水性のある港空間の創出や、自
然海岸の保全が求められているほか、市民が親しみを持ち、安全・安心して利用で
きる環境を整備することも課題となっています。
一方、港湾における緑地は、港湾環境の改善とともに温室効果ガスの吸収源とし
ても期待されるほか、藻場や干潟についても、近年その温室効果ガス吸収効果が着
目されています。
多様化、グローバル化する環境問題への対応を図り、市民に親しまれる港空間を
目指すため、方針展開2として「自然とふれあえ、人々が憩う、地球にやさしい港
づくり」を設定し、緑地や干潟等の自然を活用した吸収源対策により温室効果ガス
の削減を目指すものとします。
【方針展開(2):吸収源対策】
環境にやさしい
港づくり
自然とふれあえ、人々が憩う、
地球にやさしい港づくり
-5-
4.温室効果ガスの排出状況
四日市港における各排出源からの温室効果ガスの排出量の現況(2009 年)は下表のと
おりです。温室効果ガスの排出量の内訳をみると、背後圏輸送からの排出量が最も多く、
次いで停泊中船舶となっており、これらの排出量が全体の 9 割以上を占めています。
これは、年間 17,000 隻の入港船舶があり、5,800 万tに上る総取扱貨物量を有する四
日市港の物流を要因とする温室効果ガス排出量が大きく、効率的な物流や停泊中船舶へ
の対策を促進することが重要であることを示しています。
その一方で、ゲート前渋滞および港内輸送は背後圏輸送に比べると排出量が少ない結
果となっています。これはゲート前渋滞が平均的には 10 数台、30 分前後の規模である
ことや、港内輸送は数量が年間約 5,000 台、輸送距離も約 1km 程度の規模であるためで
す。しかし、港内の渋滞の解消等が、背後圏も含めた交通全体の円滑化につながるとい
う観点から対策を行う必要があります。
そのほか、荷役機械・リーファーコンテナからの排出量が、背後圏輸送および停泊中
船舶に次ぐ排出量となっています。このため、荷役機械等の省エネルギー化を図るほか、
事務所内の空調や照明、ヤード照明等についても、対策を行っていく必要があります。
四日市港における温室効果ガスの排出実態
排
出
排出量
(t-CO2/年)
源
割合
(%)
40,684
42.8
5,984
6.3
320
0.3
ゲート前渋滞
60
0.1
港内輸送
23
0.0
47,892
50.4
94,963
-
停泊中船舶
荷役機械・リーファーコンテナ
管理棟・ターミナル照明
背後圏輸送
合
計
-6-
5.取組方針
温室効果ガスの削減に向けた取組方針として、港湾内の発生源からの排出を削減する
施策(発生源対策)、発生した温室効果ガスの吸収を図る施策(吸収源対策)、背後圏に
おける排出削減につながる施策に取組んでいきます。
(1) 発生源対策
港湾活動における温室効果ガスの発生源として、停泊中船舶、荷役、港湾施設およ
び輸送が考えられ、温室効果ガスの削減に向けて、それぞれ施策を進めていきます。
①船舶に関する排出削減施策
2011 年 7 月に船舶の燃費規制導入に向けた条約が IMO(国際海事機関)で採択され
たほか、港湾に停泊中の船舶に岸壁から電力を供給する「陸電供給設備」の国際規
格化が進められているなど、船舶から発生する温室効果ガスの排出削減のための国
際的な動きが始まっています。
四日市港においても、環境性能の優れた船舶に対するインセンティブ措置や、陸
電供給設備の整備について、国際的な動向もふまえて検討し、港湾競争力の強化と、
温室効果ガスの削減を目指します。
②荷役に関する排出削減施策
四日市港においてはコンテナ貨物を取り扱うため、トランスファークレーンやス
トラドルキャリア等の荷役機械を使用しているほか、バルク貨物を取り扱う荷役機
械も多く存在します。
これらの荷役機械等について、ハイブリッド化や電動化といった省エネルギー技
術の導入を推進し、荷役の効率化と温室効果ガスの削減を目指します。
③港湾施設からの排出削減施策
港湾施設の照明、空調等の省エネルギー化を図り、港湾施設から発生する温室効
果ガスの削減を目指します。
④輸送に関する排出削減施策
背後圏産業の活動を支える四日市港には、多くの輸送車両が出入りしているほか、
慢性的な渋滞が温室効果ガスの発生要因となっています。
関係機関と連携し、港湾で使用される車両の低公害車化やエコドライブを推進す
ることで、燃料消費量の削減と温室効果ガス排出量の削減を目指します。
また、霞4号幹線等の臨港交通施設を整備することで、物流の円滑化、渋滞の緩
和を図るとともに温室効果ガスの削減を目指します。
その他にも、陸上輸送が行われている横持ち輸送の海上輸送への転換や、鉄道輸
送の活用などについても検討します。
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(2) 吸収源対策
港湾内の吸収源の整備
沿岸域の干潟や藻場が持つ二酸化炭素吸収能力を活用するため、四日市港の港湾
区域に存在する高松干潟等の干潟を保全していくとともに、港湾区域内への藻場の
造成について、その効果等をふまえて検討していきます。
また、既存緑地の適正な管理を行い、二酸化炭素吸収効果の維持を図るとともに、
四日市港港湾計画に位置付けた緑地の整備についても検討します。
(3) 背後圏における排出削減対策
発生源対策、吸収源対策以外にも、背後圏において温室効果ガス排出量の削減に貢
献する施策が考えられ、これらの施策についても推進していきます。
①陸上輸送距離の短縮
四日市港背後圏企業から出荷される貨物について、最寄港である四日市港の利用
を促進することによって、四日市港の利用率向上と陸上輸送距離の短縮に伴う温室
効果ガスの削減を目指します。
②再生可能エネルギーの利用検討
港湾空間における風力、太陽光等の再生可能エネルギーの利用に向け、技術動向
や経済的な効果をふまえて検討を行います。
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