『ライフ・イズ・ビューティフル』でアカデミーऩ3൉๖を受ऩしたロベルト

『ピノッキオ』 2002年イタリア=アメリカ合作/アスミック・エース配給/1時間51分 監督・主演=ロベルト・ベニーニ
脚本=ヴィンチェンツォ・チェラーミ&ロベルト・ベニーニ 撮影監督=ダンテ・スピノッテイ ASC−AIC 音楽=ニコラ・ピオヴァーニ
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『ライフ・イズ・ビューティフル』でアカデミーऩ3൉๖を受ऩしたロベルト・ベニーニの最新作は、2月で生誕 120 周年
を‫ڗ‬えた、フィレンツェ生まれのファンタジー『ピノッキオ』。同作品は、巨匠フェデリコ・フェリーニがベニーニを主役に映
画化を構想していたが、98 年に逝去。このЋ志を引き継いで、ベニーニが監督・脚本・主演をこなし、フェリーニの夢を実現さ
せた。総製作費は 4500 万ドル(約 54 億円)と、イタリア映画では過去最大֩模。昨年 10 月の封切り後は 1000 以上の映画պで
上映され、イタリア全土を愛と感動の渦に巻き込んだ。
『ライフ・イズ・ビューティフル』のニコレッタ・ブラスキが、োい妖
精役で共演している。吹き替え版でユースケ・サンタマリアがピノッキオ役に選ばれた(初挑戦)のも話題。
(濱坂浩司)
子供の頃、童話を読むのが怖かった。ハッピーエンドが待っ
『ライフ・イズ・ビューティフル』から4年、ロベルト・ベ
ている最後まで悲しい展開が続くから。
『ピノキオ』を読んで「嘘
ニーニ待望の新作Áと書きたいところだが、これがう
をついたら೶が伸びる」とは信じられなかったが、内心は怯え
う出来。元々『ボイスオブムーン』(90 年)でベニーニを֬用
ていたような気もする。それが道徳を教える童話の役目だから
したフェリーニ(故)監督がベニーニ主演で実写の『ピノッキ
仕方無いけれど。
オ』を撮ってみたいと思いついたのがきっかけだったが、その
生誕 120 周年を記念して製作された『ピノッキオ』
。
『ライ
フェリーニ監督が亡くなり、暫くしてピノッキオ生誕120周
フ・イズ・ビューティフル』のロベルト・ベニーニが明るく、
年という時に、ベニーニ自ら監督・主演で完成させたという代
おしゃべりなピノキオ役を演じる。ただ、丸太から生まれた悪
物。
戯好きの子供を演じるには、現在 50 歳のベニーニでは少々無謀
前作では、ナチと戦争というシリアスなテーマが背景にあり、
かも知れない。どうも馴染まないのだ。
ベニーニのコミカルな演技(彼はイタリアの人気コメディアン)
んとい
原作に忠実な作品に仕上げたという本作。ファンタジーの要
がスパイスとなり効果的だったが『ピノッキオ』では〝ドラマ
素が強く、それがベニーニの個性とミックスされ、物‫܃‬の暗い
性〟が殆ど無い分、彼の1人芝居に重点が置かれており、彼の
側面を感じさせない。童話の主人公は、いつまでも読者の心に
演技(もしくは彼の演ずるピノッキオ)が駄目と思う人には苦
生き続ける。120 年の時をѠえて映画化された『ピノッキオ』
痛な映画であり、楽しいと思う人にはうってつけの映画である。
は老輩・ベニーニによって、新たな〝お調子者〟伝説を創り出
個人的には、多分湯水のごとくお金をつぎこまれたセットより
し、ସく‫܃‬り継がれるだろう。
(濱坂浩司)
も、ニコラ・ピオヴァーニ(イタリアを代表する映画音楽家)
のスコアがただただ美しかった。
(舟口聡)