増築等工事に係る既存不適格建築物の取り扱いの概要について

増築等工事に係る既存不適格建築物の取り扱いの概要について
富山県土木部建築住宅課
既存不適格建築物に増築等を行う際には、建築基準法施行令第137条の2により、小規模な増築等工
事を除き、既存部分について、既存面積の 1/2以下の増築等を行う場合は耐震診断により安全を確認し、
既存面積の1/2超の増築等を行う場合は現行法令の規定に適合させることとされています。
一方、昨年6月の改正建築基準法の施行に伴い、昭和 56 年 6 月に施行された改正建築基準法の構造規定
(いわゆる新耐震基準)に適合する建築物であっても現行法令に適合しない不適格建築物となり、増築等
を行う際には既存不適格建築物の大規模な改修工事が必要なため増築等の工事を断念せざるを得ない場合
があるなどの不都合が生じているとの指摘があったところです。
このたび、国土交通省において、いわゆる新耐震基準に適合している既存不適格建築物(耐震改修済み
のものや増改築に併せて耐震改修を行うものを含む)に係る増築等が円滑に行われるよう、既存建築物の
改修を段階的に行える全体計画認定に係るガイドラインの改正、全体計画認定の申請に係る図書省略の大
臣認定により、下記のとおり現行法令の遡及適用を猶予する措置が講じられましたのでお知らせします。
全体計画認定を活用した既存不適格建築物の増築の取扱い(エキスパンションジョイント等を用いて増築する場合)
増築面積/ 対象部分 新耐震基準(S56 基準) 全体計画認定を用いない場合
への適合状況 ※1
既存面積
(現行法令が遡及適用される場合)
1/2以下 既存部分 昭和56年6月1日時点で 直ちに
施行されている法 20 条 耐震改修法に基づく耐震診断基準を満
の規定に適合する場合 たしていることを証明すること ※2
1/2超
昭和56年6月1日時点で 直ちに
施行されている法 20 条 耐震改修法に基づく耐震診断基準を満
の規定に適合しない場合 たしていることを証明すること ※2
増築部分
直ちに
最新の建築基準法令の規定に適合させ
ること ※3
既存部分 昭和56年6月1日時点で 直ちに
施行されている法 20 条 最新の建築基準法令の規定に適合させ
の規定に適合する場合 ること ※3
昭和56年6月1日時点で 直ちに
施行されている法 20 条 最新の建築基準法令の規定に適合させ
の規定に適合しない場合 ること ※3
増築部分
全体計画認定を用いた場合
(現行法令の遡及適用が猶予される場合)
当面は
耐震診断、耐震改修をする必要なし
最終的に(今後20 年のうちに)
耐震改修法に基づく耐震診断基準を満た
していることを証明すること ※2、※4
直ちに
耐震改修法に基づく耐震診断基準を満た
していることを証明すること ※2、※5
直ちに
最新の建築基準法令の規定に適合させ
ること ※3
当面は
耐震診断、耐震改修をする必要なし
最終的に(今後20 年のうちに)
最新の建築基準法令の規定に適合させ
ること ※3、※6
直ちに
耐震改修法に基づく耐震診断基準を満た
していることを証明すること ※2、※5
最終的に(今後20 年のうちに)
最新の建築基準法令の規定に適合させ
ること ※3、※6
直ちに
最新の建築基準法令の規定に適合させ
ること ※3
直ちに
最新の建築基準法令の規定に適合させ
ること ※3
※1 原則として、確認済証(旧確認通知書)及び検査済証で確認する。
※2 平成 18 年国土交通省告示第 185 号に定める基準によって地震に対して安全な構造であることを確かめる。(耐
震改修を実施済みの場合及び耐震改修によって安全な構造とする場合を含む。)
※3 最新の建築基準法令の規定には、平成 19 年 6 月 20 日に施行された構造関係規定を含む。
※4 図書省略大臣認定を活用すれば、全体計画認定申請書に耐震診断又は耐震改修に係る図書の添付は不要
※5 全体計画認定申請書に耐震診断又は耐震改修に係る図書の添付が必要
※6 図書省略大臣認定を活用すれば、全体計画認定申請書に最新の構造関係規定に適合させるために必要な改修工事
に係る設計図書の添付は不要
○ 詳細は次の国土交通省ホームページをご覧ください。
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/zentaikeikakunintei.html