目 次 発刊にあたって・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 Ⅰ スーパー食育スクール事業の概要 1 2 3 4 5 Ⅱ 推進委員会組織・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2 久居農林高等学校の沿革・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3 久居農林高等学校におけるこれまでの食育の取り組みと現状・・・・・・・・3 スーパー食育スクール取り組みの概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・3 スーパー食育スクール実施計画・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5 スーパー食育スクール事業の実践内容 農業学科 1 植物コース・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8 2 食品コース・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20 3 環境保全コース・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24 生活デザイン科 4 食生活コース・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27 5 リビングコース・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・47 6 生活デザイン科 1 学年・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・49 7 8 先進地視察・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・51 協力校 誠之小学校からみた事業・・・・・・・・・・・・・・・・・・・53 スーパー食育スクール事業の調査結果及び考察 Ⅲ 1 2 3 研究主題と評価指標の設定・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・56 調査の目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・56 調査方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・57 (1)調査対象 (2)調査項目 (3)調査方法 (4)統計処理方法 4 調査結果および考察・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・57 (1)野菜嫌いになる要因や普段の食生活の実態―事業実施前― ①小学生・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・57 ②高校生・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・67 ③小学校保護者と高校生保護者の比較・・・・・・・・・・・・・・・・77 (2)野菜嫌いになる要因や普段の食生活の実態の変化―事業前後の比較― ①小学生・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・82 ②高校生・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・90 5 まとめ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・100 発 刊 に あ た っ て 本校は明治37年創立の県立農林学校からスタートし、112年の長い歴史がある学校です。現 在、農業学科4科では食品、植物、動物、環境保全、ガーデニング、土木・機械の6コースを、家 庭学科である生活デザイン科は食生活、衣生活、リビングの3コースを設定し、農業学科では1年 次よりコース単位でクラス編成を行っています。このような学校独自の少人数コース制を活かして、 生徒の可能性を引き出し地域社会を担う将来のスペシャリストを育成しています。 本校では、平成22年度より、それぞれのコースで専門的に学んだ知識や技術を生かし、生徒が 地域の子どもたちに教えるという「わくわく農林塾」を学校全体で実施しています。この取り組み を通じて高校生と地域の子どもたちとの結びつきが強固になり、小学生の時に指導を受けた児童が 本校に入学し、高校生になって指導する立場になるということにもつながっています。また、授業 や実習で野菜を教材としている学科・コースも多くあり、一般的な高校生より野菜は身近な存在と なっています。一方、健康のために摂取するのが望ましい野菜の1日当たりの摂取量は、350g とされていますが、三重県では男性が283gで全国35位、女性が262gで全国39位と全国 的にみて野菜の摂取量が少ない傾向にあります。(2012厚生労働省調査)実際に本校の生徒で 約2割、地域の児童で約3割の野菜嫌いがみられます。 このようなことから、「わくわく農林塾」の取り組みを通して地域の小学校と連携し、農業学科 と家庭学科の専門高校である本校が、学校全体で「食生活の改善と将来の食育リーダーの育成 ~ 野菜を好きになるプロジェクトを通して~」というテーマで研究を行うことにしました。 研究のプロセスは、まず1回目の食習慣実態調査・食生活意識調査では野菜嫌いになる要因や普 段の食生活の実態を探りました。次に各学科等の特色を生かした野菜を好きになるプロジェクトを 展開しました。最後は2回目の実態・意識調査等により、体験活動をする小学生と指導する高校生 の意識の変容などプロジェクトの成果の比較・検証を行いました。 これらの取り組みにより、児童生徒が自ら正しい食の選択ができるようになり、バランスのとれ た健康的な食生活送るようになることを目指しました。さらに生徒が地域や県内への啓発活動を行 うことにより、将来地域や家庭における食育リーダーとして活躍し、その結果、地域の食生活が少 しでも改善される効果を期待しています。本校のスーパー食育スクールの研究成果がより多くの方 の「食と健康」のお役に立てれば幸いです。 最後になりますが、三重大学教育学部の磯部由香教授には、推進委員会においてご助言・ご指導 をいただき、三重短期大学生活科学科の阿部稚里准教授には、研究全般にわたるご助言、データの 集計、分析で大変お世話になりました。また、協力校の津市立誠之小学校の馬場明生校長、栄養教 諭の小笠原容子先生をはじめ、わくわく農林塾等で交流した児童や保護者、教職員の皆様、この研 究でお世話になった皆様に御礼を申し上げます。 平成28年3月 三重県立久居農林高等学校 -1- 校長 齋藤 俊彰 Ⅰ 1 スーパー食育スクール事業の概要 三重県立久居農林高等学校スーパー食育スクール校内推進委員会組織 氏名 所属及び役職 連携内容 磯部 由香 三重大学教育学部教授 推進委員会助言 阿部 稚里 三重短期大学准教授 評価分析、出前授業等 小松 浩也 モクモク手作りファーム食育企画事業部キャプテン 体験活動、食育に関する講演等 中谷 秀也 生産者・指導農業士 地域の野菜生産者としての助言 服部しづ子 中央農業改良普及センター副参事兼課長 料理コンクールの開催等 馬場 明生 津市立誠之小学校長 協力校・生徒による体験指導・ 児童保護者調査の実施等、給食 実施 小笠原容子 津市立誠之小学校栄養教諭 協力校・生徒による体験指導・ 児童保護者調査の実施等、給食 実施 喜田 明美 県健康福祉部健康づくり課 推進委員会助言 藤島 弘幸 県農林水産部フードイノベーション課 給食の地産地消の推進 齋藤 俊彰 県立久居農林高等学校長 スーパー食育事業実施 中田 英幸 県立久居農林高等学校教頭 スーパー食育事業実施 佐藤 葉子 県立久居農林高等学校教諭(家庭部主任) スーパー食育事業実施 中村 正人 県立久居農林高等学校教諭(農業部主任) スーパー食育事業実施 宮原 伸代 県立久居農林高等学校教諭(食生活コース担当) スーパー食育事業実施 信藤 崇文 県立久居農林高等学校教諭(植物コース担当) スーパー食育事業実施 前田香穂里 県立久居農林高等学校養護教諭 スーパー食育事業実施 阿形 克己 県教育委員会事務局保健体育課課長 スーパー食育事業統括 小林 宏行 県教育委員会事務局保健体育課班長 スーパー食育事業統括 藪中 一浩 県教育委員会事務局保健体育課班長代理 スーパー食育事業統括 岡﨑 智子 県教育委員会事務局保健体育課指導主事 スーパー食育事業統括 宮田 絢子 県教育委員会事務局保健体育課指導主事 スーパー食育事業統括 -2- 2 三重県立久居農林高等学校の沿革 昭和 23 年に明治 37 年 3 月 11 日創立の元県立農林学校と大正 10 年 3 月 22 日創立の元県 立一志実業女学校を統合して、三重県立久居高等学校となる。昭和 30 年に三重県立久居農 林高等学校と校名変更した。その後、平成 9 年度に大きく学科改編し、現在農業学科は 4 学科 4 クラス 6 コース(「食品コース」、「植物コース」、「動物コース」、「環境保全コース」、 「ガーデニングコース」、 「土木・機械コース」)、家庭学科は 1 学科 2 クラス 3 コース( 「食 生活コース」、「衣生活コース」、「リビングコース」)を設置し、少人数教育を生かし、地域 に根差した専門高校として教育を行っている。 3 三重県立久居農林高校におけるこれまでの食育の取り組みと現状 本校は、農業学科と家庭学科が併設された専門高校である。平成 22 年度より専門的に学 んだ知識や技術を生かし、生産系および環境系農業学科の専門教科や生活デザイン科の生徒 が地域の子どもたちに教えるという「わくわく農林塾」といった食育の取組を進めている。 また、地域の幼稚園、小学校、特別支援学校、社会福祉協議会等と連携し、生産活動や調理 実習等の取組を積極的に行うとともに、学校行事等で地域の住民の方を対象とし、特色を生 かした食育活動に取り組んでいる。 生活デザイン科や生産系農業学科の生徒は食に関する安全・安心についての意識は高く、 それぞれ専門的な学習を行っているが、食生活の改善について組織的に体系的に取り扱って いない。また、専門的な学習を行っているにもかかわらず、 「野菜を食べるのが好きでない、 あまり好きでない」という生徒が約2割みられる。連携している小学校の児童についても約 3割が野菜が好きでないという実態がある。 4 スーパー食育スクール取り組みの概要 本校の生徒も地域の小学校の児童も野菜が好きでないものが相当数いることから、この課 題改善を切り口として、「野菜を好きになるプロジェクト」を通して地域の小学校と共に取 り組みを進めた。この研究を通して将来の食育リーダーの育成を図るとともに、子どもたち 自身がバランスのよい食生活を考え選択する力と、普段の生活のなかで実践できる習慣を身 に付けることを目指した。 (1)農業学科 植物コースは、栽培体験等により、意識変容を目指した。具体的には、野菜の栽培指導(種 まき、鉢上げ、定植、灌水、除草、施肥、収穫)、野菜を小学校の給食の食材に提供、小学 校の給食時に小学生と交流、小学生に対して野菜学習を実施などの課題研究を通して、野菜 -3- 嫌いを改善するプロジェクトに取り組んだ。 食品コースは、野菜のそのものの見た目等に由来する野菜嫌いの改善を目指した。具体的 には、野菜を使った加工指導、粉末及びドライ野菜利用の研究などの課題研究を通して、野 菜嫌いを改善するプロジェクトに取り組んだ。 環境保全コースは、野菜の中でもキノコ嫌いに注目し、改善を目指した。シイタケ・ヒラ タケ栽培の指導などの課題研究を通して、キノコ嫌いを改善するプロジェクトに取り組んだ。 (2)家庭学科 食生活コースは、野菜の調理等を通した改善を目指した。具体的には、野菜を使った料理 の指導、レシピづくり、料理コンクールの実施、地域への啓発活動などの課題研究を通して、 野菜を好きになるプロジェクトに取り組んだ。 リビングコースは、啓発で改善を目指した。具体的には、野菜摂取の啓発(クリアファイ ル)を通して、野菜を好きになるプロジェクトに取り組んだ。 1年生は、啓発で改善を目指した。具体的には野菜摂取の啓発(カルタづくり)を行った。 -4- 5 スーパー食育スクール実施計画 「野菜を好きになるプロジェクト」 久居農林高校 野菜をつくる 【農業科】 野菜を調理する 【生活デザイン科】 実施月 実施日 6 月 17 9 月 24 一緒に食べる 【生活デザイン科・農業科】 生活デザイン科 農業科 食生活コース 植物コース わくわく農林塾「農場大冒険」 わくわく農林塾「夏野菜のカレー」 【小学校学童生徒(含む3年生)】 30 10月 26 わくわく農林塾「野菜の栽培」 出前授業 栄養教諭による「給食について」 【高校生】 28 わくわく農林塾 「野菜の管理・観察」 11月 18 わくわく農林塾 「小学校訪問・給食交流」 24 地物野菜を使用した 「給食メニューコンクール」参加 【高校生】 27 わくわく農林塾(調理実習) 「収穫野菜を使った味噌汁つくり」 12月 10 わくわわくわく農林塾 「野菜の収穫」 未定 給食メニューコンクールより 【小学校】給食作成 【高校生】給食試食・交流 -5- -6- 10 月 9 月 8 月 7 月 出前授業 「野菜を使った料理」 27 28 出前授業 栄養教諭による 「給食について」 26 わくわく農林塾 「野菜の管理・観察」 小学3年生 わくわく農林塾 「キノコの栽培体験」 わくわく農林塾 「サツマイモの収穫」 幼稚園 わくわく農林塾 「野菜の栽培」 小学3年生 20 「食育」に関する 紙芝居・カルタの製作 三重県家庭クラブ 研究発表大会 出前授業 「画像処理講習会」 わくわく農林塾 「里山に関する事前学習」 わくわく農林塾「夏野菜のカ わくわく農林塾「にんじんクッ レー」 キー」 小学校学童生へ 小学校学童生へ 環境保全コース 15 14 8 30 25 24 農業科 第1回 食育に関するアンケートの実施 (誠之小学校3年生、久居農林高校生活デザイン科食生活コース2・3年生、リビングコース2・3年生、農業科植物コース2・3年生、保護者) 「体脂肪」測定開始 ホームプロジェクトの実施 わくわく農林塾 「サツマイモの観察」 幼稚園 植物コース 16 リビングコース2・3年生 わくわく農林塾 「農場大冒険」 小学3年生 1年生 17 食生活コース2年生 6 月 食生活コース3年生 わくわく農林塾 「サツマイモのつる植え」 幼稚園 実施日 生活デザイン科 5 月 実施月 久居農林高校実施報告 14日 3日 29日 ・先進校視察 (東京都杉並区立三谷小学校) 第1回校内食育推進委員会 第1回三重県食育推進委員会 (県栄町庁舎) 会議等 -7- 2 月 1 月 12 月 11 月 給食試食会 「三重の食フォーラム」参加 22 12 27 25 食育実践企業見学及び体験講習 「野菜の特性と病気予防」 14 クリアファイル作成・配布 実施報告書の完成・配布 析 分 第2回第1回 食育に関するアンケートの実施 (誠之小学校3年生、久居農林高校生活デザイン科食生活コース2・3年生、リビングコース2・3年生、農業科植物コース2・3年生) 出前授業「野菜の必要性」 11 わくわわくわく農林塾 「野菜の収穫」 小学3年生 10 幼稚園児への「食育」実施 わくわく農林塾 「サツマイモの加工」 幼稚園 わくわく農林塾 「お味噌汁を作る」小学校3 年生 8 3 27 25 24 20 出前授業 「高リコペントマトの作り方」 幼稚園児への「食育」実施 幼稚園児への「食育」実施 文化祭「展示」(一般公開) 19 「健康野菜たっぷり料理グラ ンプリ」応募 出前授業「食育について」 出前授業 「野菜を使ったお菓子」 わくわわくわく農林塾 「小学校訪問・給食試食」 小学3年生 地物野菜を使用した 「給食メニューコンクール」 参加 出前授業 「野菜を使った料理」 18 17 9 10 14 6 2 出前授業 「きのこはなかなかやるもん だ」 わくわく農林塾 「キノコの栽培体験」 わくわく農林塾 「キノコの栽培体験」 3日 全国連絡協議会 ・先進校視察 (大阪府立農芸高等学校) Ⅱ スーパー食育スクール事業の実践内容 農業学科 1 植物コース 植物コースは、栽培体験等により、意識変容を目指した。具体的には、野菜の栽培指導(種まき、鉢 上げ、定植、灌水、除草、施肥、収穫) 、野菜を小学校の給食の食材に提供、小学校の給食時に小学生と 交流、小学生に対して野菜学習を実施などの課題研究を通して、野菜嫌いを改善するプロジェクトに取 り組んだ。 【実施日時】 6月 17日 【テ ー マ】 農場大冒険 10 時 50分 ~ 12時40分 【実施内容】 10:50 ~ 11:00 開会式 11:00 ~ 11:40 クイズスタンプラリー 11:40 ~ 12:00 クイズの答え合わせ 12:00 ~ 12:10 閉会式 本校農場を利用し、 「野菜」や「久居農林高校」 「誠之小学校」に関する問題を高校生が1人1問出題し、 スタンプラリー形式で小学生が解答していく。小学生は農場マップを参考に、野菜の姿を見たりしなが ら、問題に答えていく。そして、その答を高校生にまるつけをしてもらう。その際に「野菜」等の答の 解説を聞くことで、野菜への興味・関心を深めることができる。 【小学生の感想】 ○農場はきれいで広い。高校生のお兄さん・お姉さんたちも優しくて親切でした。 ○たくさんの野菜をビニールハウスで育てているので、びっくりした。 ○クイズは難しいのと易しいのがあって楽しかった。お兄さんたちは優しかった。 ○クイズは本物の野菜を見たらすぐわかった。 ○たくさんの野菜を見た。難しいクイズもあったけど、面白かった。 ○トマトがいつも家で食べているのより、とても甘くてすっぱくなかった。 ○僕はトマトが大嫌いですが、農林のトマトはすごくおいしく食べることができた。 -8- 【高校生の感想】 ○クイズのヒントの出し方などに工夫をした。 ○クイズのときに10人くらいに囲まれて焦った。 【高校生の感想】 ○はじめは「小学生とうまくいくかな」「楽しくできるか」、すごく不安でしたが、時間が経つにつれ、 小学生とうまく関わることができて嬉しかった。 ○最初は交流って面倒くさいと思っていたけど、楽しかった。 ○小学生が「野菜のことに興味を持った」と言ってくれた。 ○野菜が嫌いな小学生も、「農林のトマトはおいしい」「嫌いだったけど食べれた」って言ってくれて 嬉しかった。 ○小学生がとても元気でこちらまで元気になった。 【教職員の感想】 ○小学生にとっては、実際に自分の目で野菜を見ることができ、果実だけでなく、花や葉の様子も知る ことができる。あるコーナーで、解答をした小学生にトマトを提供した。嫌いなトマトを、魔法をかけ られたように「農林高校のトマトはおいしい」と言って食べる姿を見ることができた。まさに「農業」 と「食」がつながる体験となった。 一方、高校生にとっては、 「自分たちが身につけた学習内容を小学生にいかにわかりやすく教えること ができるか」という学習の深化をはかると同時にコミュニケーション能力を磨く機会となった。 -9- - 10 - 久居農林高校 農場マップ 13 1 7 2 3 4 6 ビニールハウス 10 5 14 ビ ニ ールハウス 8 9 畑 畑 11 12 温室 15 16 温室 17 温室 18 水筒 倉庫 集合場所 校舎 今日の日程 11:00∼11:40 クイズを答えよう ◇◇◇ かねが鳴ったら答え合わせスタート ◇◇◇ 11:40∼12:00 クイズの答え合わせ - 11 - 【実施日時】 9月30日 10時50分 【テ ー マ】 野菜の種まき・植えつけ ~12時20分 【実施内容】 10:50 ~ 11:00 開会式(内容を説明) 11:00 ~ 11:10 班分け・移動 11:10 ~ 11:40 ハクサイの植えつけ 11:40 ~ 12:10 ダイコンの種まき 12:10 ~ 12:20 閉会式 高校生1人に対して小学生3~4人が1班となり、ハクサイの植えつけ・ダイコンの種まきを実施し た。高校生は、ハクサイの植えつけ・ダイコンの種まきの手順を小学生に実際に見せながら、作業上の 注意点を説明した。なお、ハクサイの苗は、交流の事前学習として、高校生が種まきし、準備したもの を使用した。 【小学生の感想】 ○あまり野菜に興味がなかったけど、この交流で野菜に興味が持てた。 ○ハクサイの苗植えで、できないところはやさしく教えてくれた。 ○ダイコンとハクサイを植えるのは難しいと思ったけど、わかりやすく教えてくれ、ほっとした。 ○最初、話すのにすごく緊張したけど、話したらとても話しやすかった。 ○植えたダイコンとハクサイは絶対においしいと思う。 ○ダイコンの種はアーモンドみたいな赤色なんだなと思った。 ○ダイコンは小さな種から、あんなに大きなダイコンになるとは始めて知りました。 【高校生の感想】 ○小学生は交流をとても楽しみだったみたいで、作業する度に色々な質問をしてきた。 ○1 人で3人を担当するので、難しそうだなと思っていたけど、実際に小学生とやってみると、きちんと 話を聞いてくれて本当に助かった。 ○自分が今までしてきたことを人に教えるのは、とても簡単なことではないと思った。 ○担当した小学生はとても元気で面白い子たちで、一緒にいると自然に笑顔になれた。 ○小学生をまとめるのは大変でしたが、小学生の名前 を覚えて、呼んであげるとすごく素直に集まってくれた ので、まず名前を覚えることが第一だと思った。 - 12 - 【教職員の感想】 ○小学生にとって、実際に「ダイコン」 「ハクサイ」を育てる「ワクワク・ドキドキ」のスタートになる。 ダイコンの種が小さくて、地面に落としてしまう小学生や、ハクサイの苗を見ても、食べるハクサイと は全く姿が違うため、 「これがハクサイ?」と言う小学生もいた。でも、この体験を通して、 「種」や「苗」 が畑の力を借りて、立派な野菜へ成長することを理解していく。 ○高校生は高校入学後、日常的に当たり前に実施してきた農業実習である。しかし、自分が簡単にでき る作業でも、小学生に教えることは簡単ではなく、小学生に対して「どういう言葉で説明すれば、わか りやすくなるのか」 、自分が今までに身につけてきた知識と技術を活かし、教える工夫が試される交流と なった。 - 13 - 【実施日時】 10月28日 10時50分 【テ ー マ】 野菜の管理・観察 ~12時20分 【実施内容】 10:50 ~ 11:00 開会式(実習内容の説明) 11:00 ~ 11:10 班分け・移動 11:10 ~ 11:40 ダイコンの間引き・除草・追肥 11:40 ~ 12:10 ハクサイ・ダイコンの観察 12:10 ~ 12:20 閉会式(野菜の成長の記録報告) 本日の実習内容を小学生に説明し、交流がスタートした。ハクサイやダイコンが大きく成長している 姿を見て、小学生にびっくりしてもらうために、成長記録の写真は閉会式の時に見せた。そして、前回 と同じ交流班で、畑に移動し、高校生は小学生に間引きするダイコンは「小さいもの」 「虫に食べられて いるもの」等を説明した後、間引き・除草・追肥の作業を実施した。その後、小学生はハクサイ・ダイ コンの観察として、持参したプリントにハクサイ・ダイコンの姿をスケッチし、気づいたことを記録し ていた。 【小学生の感想】 ○ダイコンの芽が出ていて、ほっとした。 ○ハクサイやダイコンの収穫がとても楽しみだ。 ○ダイコンが早く大きくなってほしい。早く食べたい。 ○野菜作りのことをくわしく教えてくれた。 ○植えたとき、ハクサイは小さかったのに急に大きくなってびっくりした。 ○メロン・ミニトマトなど、いろいろな食べ物があって、どれも全部おいしそ うでした。 - 14 - 【高校生の感想】 ○今回の交流では、小学生が前回よりスムーズに作業ができて、とても助かった。 ○作業の時に、その内容にうまく説明ができなかったので、次回はもう少しうまく説明できるようにし ておきたい。 ○小学生と同じ目線で楽しく話し、野菜の知識をわかりやすく伝えるよう心がけた。 ○野菜に対するワクワク感がこちらにも伝わってきた。 ○これからも交流があるので「お兄ちゃん、教えるのがうまい」と言われるように頑張りたい。 【教職員の感想】 ◯小学生は今回の交流を通して、野菜栽培の理解を深め、特に、自分が種まきや苗を植えた野菜が着実 に成長している姿を見て、 「農業」 「野菜」への興味・関心が深まり、自分が育てた野菜を早く収穫した いと考えるようになっている。 ◯高校生は前回の交流を振り返り、うまく教えることができなかった点を工夫し、少しでも小学生にわ かりやすくアドバイスしようと努力している。このように継続的に交流していくことで高校生もPDC Aサイクルが自ずと身についてくる。 - 15 - 【実施日時】 11月18日 【テ ー マ】 小学校訪問 10時50分 ~13時15分 【実施内容】 10:50 ~ 11:00 開会式 ・小学生手作りの名札を高校生がもらう 11:00 ~ 11:30 レクリエーション①(ドッチボール) ・桜組 対 ・小学生 対 橘組(高校生を含めた班編制) 高校生(桜組・橘組の2面で実施) 11:30 ~ 11:35 休憩 11:40 ~ 12:00 レクリエーション②(進撃の巨大○○) ・高校生1人、小学生3人の4人班を作り、棒の上に トマト・トイレットペーパーに見立てた荷物を運び、 クラス対抗でリレー 12:10 ~ 12:10 レクリエーション③(質問コーナー) ・小学生から高校生への質問 「なぜ農林高校に入ったのか」 「農林高校の生徒は野菜が好きですか」 など 12:10 ~ 12:20 移動 12:20 ~ 12:40 給食準備 12:40 ~ 13:05 給食・麦ごはん、焼きししゃも、味噌おでん、小松菜の和え物、 牛乳 (味噌おでんの味噌ダイコンは久居農林産) 13:05 ~ 13:15 閉会式 【小学生の感想】 ○高校生と楽しくドッジボールができた。 ○高校生とたくさんお話ししながら、一緒に給食が食べられて、うれしかった。 ○次の野菜の収穫が楽しみ。 - 16 - 【高校生の感想】 ○名札を作ってもらい、手作りで嬉しかった ○ドッチボールは加減が難しかった。 ○久しぶりの給食は美味しかった。 ○給食は、自分が小学校の頃を思い出してとても懐かしかった。 ○自分が担当した小学生たちは好き嫌いなく食べていたので感心した。 ○給食は農林で作ったものも入っていてよりおいしく感じた。 ○帰る際に高校生が見えなくなるまで手を振ってくれ、とても嬉しかった。 【教職員の感想】 ◯今までは久居農林高校本校農場を利用した交流であったが、今回は小学校に場所を移しての交流であ る。実施内容も小学生たちが考えた内容であった。それぞれのレクリエーション種目を実施する中で、 小学生・高校生ともに交流を深める機会になった。 ◯小学生が配膳してもらった給食を高校生が食べる機会となり、食農教育の1つとしても貴重な経験で あった。特に、味噌おでんに使用された食材(味噌・ダイコン)は久居農林で生産したものであり、畑 と食卓がつながりがわかる交流となり、高校生も美味しくいただくことができたことと思われる。 - 17 - 【実施日時】 12月10日 【テ ー マ】 野菜の収穫 10時50分 ~12時20分 【実施内容】 10:50 ~ 11:00 開会式(実習内容の説明) 11:00 ~ 11:10 移動 11:10 ~ 11:35 ダイコンの収穫(桜組) ・ハクサイの収穫(橘組) 11:35 ~ 12:00 ハクサイの収穫(桜組) ・ダイコンの収穫(橘組) 12:00 ~ 12:10 12:10 ~ 12:20 移動 閉会式 各班に分かれ、自分たちが播種・定植した野菜(ダイコン2本、ハクサイ2個)を収穫し、両手に野 菜を抱え、家に持ち帰った。また、小学生が播種・収穫したダイコンを翌日の小学校の給食食材として、 利用してもらった。 【小学生の感想】 ○ダイコンが抜けたときは、とても嬉しかった。 ○ダイコンは抜くときに足を踏ん張ってやらないと、抜けなかった。 ○小さいダイコンは楽にとれたけど、大きいダイコンはすべったり、固くて取りにくかった。 ○ダイコンを抜くときに「大きいのかなぁ、それとも小さいのかなぁ」とドキドキしました。 ○ハクサイは、とても大きくて、重かった。 ○ハクサイとダイコンを持ち帰るのは、とても重かった。 ○自分で取ったダイコンの給食はとてもおいしかった。 - 18 - 【高校生の感想】 ○小学生がダイコンを抜くのが大変そうだったけれど、抜けたときの達成感はとても気持ちよかっただ ろうと思った。 ○ダイコンを抜くときに苦労していたので、小学生同士で助け合いながら抜いていた。 ○ダイコンを洗う際に、最初は水が冷たそうだったけれど、慣れてくると積極的に洗っていた。 ○自分たちで作り、収穫したダイコンとハクサイは美味しいと思う。 ○野菜を収穫して、野菜のことが好きになってくれたらなと思った。 ○ていねいに細かく作業をしてくれたので、大きい野菜が収穫できたと思う。 ○あれだけ重いダイコンとハクサイは無事に家に持って帰れたのかと思った。 ○この経験を活かして、ご飯を食べる際に作ってくれた人に感謝をして食べてほしい。 【教職員の感想】 ○ダイコンは大地に深く根づき、成長しており、ダイコンを抜くには、小学生の力では容易ではない。 しかし、小学生が渾身の力を込め、ダイコンを抜き、抜けた瞬間に小学生は満面の笑みとなった。そし て、小学生はハクサイの大きさや重さも実感できたはずである。 ○小学生にとって、自分たちが播種・収穫したダイコンが翌日の給食の食材として利用されたことは「畑」 と「食卓」のつながりをより一層強く感じたはずである。 ○高校生は、小学生にわかりやすく、楽しく野菜栽培をしてもらおうと心掛けることにより、自分たち が野菜栽培への理解を深め、 「畑」と「食卓」のつながりを再確認できる機会になった。 ○継続的に交流することにより、 「思考力」「判断力」「表現力」「コミュニケーション力」が身について きたと感じた。 - 19 - 2 食品コース 食品コースは、野菜のそのものの見た目等に由来する野菜嫌いの改善を目指した。具体的には、野菜 を使った加工指導、粉末及びドライ野菜利用の研究などの課題研究を通して、野菜嫌いを改善するプロ ジェクトに取り組んだ。 【実施日時】 4月~12月 【テ ー マ】 野菜を使った食べやすいデザートを 商品開発する 【実施内容】 農業クラブプロジェクト活動として 野菜を加工し、野菜独特の風味や苦みを 克服し、おいしく食べられるデザートを 開発する。 3年生の月曜5,6限に実施している課題研究として、研究開発を行った。目的は子どもが野菜を好 きになるように野菜を使った製品開発で、12月に実施した生徒のプロジェクト発表原稿として掲載す る。 一般に子どもはお菓子が好きで、野菜が嫌いだといわれ ており、特にピーマンは嫌いな野菜ナンバー1である。 その嫌いな野菜が好きなお菓子の中に入ると、野菜に対す る抵抗がなくなるのではないかと考え、商品開発をするこ とにした。 課題研究では、コースの各班が分担して、野菜を使ったフ ィナンシェ、野菜のヨーグルトや野菜のプリン、ピーマンの 色を活かした餃子、ピーマンの苦みそのものを取ること、野 菜の色を活かしたカラフルな豆腐、そして昨年のドライフル ーツに続いてドライベジタブルに取組んだ。 - 20 - A班はピーマンフィナンシェに取り組んだ。ピーマンが嫌いな 人でも食べることができるピーマン入りのお菓子を作るためにフ ィナンシェにピーマンを入れることにした。ピーマンはミキサー で細かくつぶしてペースト状にし、それをフィナンシェ生地に混 ぜ込んだ。また、ピーマンを熱風で乾燥し、細かく砕いてつくっ たピーマン粉末をフィナンシェ生地に混ぜ込んだものも造った。 結果は粉末にしてもペースト状にしてもピーマンの苦みを取り切れなかった。ピーマンが好きな人に とってはピーマンの風味は良いものに感じるが、ピーマン嫌いの人にとってはピーマンの風味が残り、 どうしても好きになれないとの結果を得た。 B班は野菜ヨーグルトと野菜プリンに取り組んだ。目標は、野 菜の味をきちんと残しつつ、小さい子供でも美味しいと思えるよ うなヨーグルトやプリンにする事を目標であった。結果は苦味は なく、美味しかったが、肝心のピーマンの味も感じることができ なくなった。ただ色はピーマンの色を保つことができた。ピーマ ンプリンはピーマンの苦みを感じなかったがピーマンの味もしな いので、ピーマンが入っていることが分からないものになり、色 も緑色のものになった。 またホウレンソウを入 れたプリンは、ホウレンソウの味が強くするが、 比較的プリンとしては美味しいものになった。 色も抹茶のような濃い緑色のものになった。 C班はお菓子でなく餃子の皮に野菜を練り込み野菜を食べられる ような工夫をした。実験を進めていくなかでピーマンそのものの苦 みを取る方法を考えた。ホウレンソウを混ぜ込み餃子生地を造ると きれいな緑色の生地ができた。加熱しても少し色が変わえるだけで、 きれいなカラー餃子ができた。味は変わらず、きれいなカラー餃子 になったので子どもでもおいしく食べられると思う。 次にピーマンそのものの苦みをとる方法を考えた。ピーマンを 加工する方法を工夫し、いろいろ前処理の条件を変えて天ぷらに - 21 - 加工する方法を工夫し、いろいろ前処理の条件を変えて天ぷらにして苦みを比較した。 「ピーマンをゆでる」「フライパンで焼く」「オーブンで焼く」「直火で焼く」「薄皮をつけたまままか」 「むいて取り除くか」 結論としてピーマンは直火で焼いて表面の薄皮を取ると、苦くないことが分かった。 D班は野菜の色が付いた楽しいカラー豆腐ができないか試作し た。豆腐はほとんどの人が好き嫌いなく食べることができ、野菜 の色が付いていれば野菜に親しみが持てると考えた。 ナスや枝豆、トマトをすりつぶし豆腐の生地に混ぜることで色 をつけることができた。トマトはきれいに豆腐が固まらなかった が、カボチャやピーマン、豆腐は、製品として満足できる硬さに 作ることができた。 楽しいカラー豆腐ができた。トマトは酸味 が強いと、うまく固まらないよ うである。野菜は酸味があり、 豆腐を造るのは難しいようだ。 ただ 野菜を使うと色が付いた豆腐 になり、その豆腐は使った野菜 の味も残り、今までにない全く 新しい豆腐ができた。 E班では、新食感のドライフルーツを作ることができるかを考え た。最近市販されてものも多く、オリジナルの製品づくりに取り組 んだ。 製法として野菜を電子レンジにかけ、前処理したあと、乾燥させ ることで新しい食感になる。 初めての私たちでもーつドライフル ーツを作ることができる製法である。 ドライ野菜を試作するにあたり、たくさんある野菜の中でど の野菜を用いるか検討した。 野菜の中では水分をあまり含まれていない物がこの新製法に 適していると思われるので、 「玉ネギ」、「にんじん」、「ジャガイモ」、「ピーマン」、「パプ リカ」、「生姜」、「カボチャ」、「アボカド」、「エンドウ」で試作 を行った。 様々な試行を繰り返した結果、発表に値するものとして、 味・色などがいいものを選抜した。 - 22 - まず「玉ネギ」と「ジャガイモ」である。 「玉ネギ」・「じゃがいも」ともにレンジ処理をしたあとの方が見た目・味とも好評であった。 「玉ネギ」は試食した先生からビールのつまみに合うと好評であった。 また「パプリカ」 「エンドウ」もレンジ処理した方が良好であった。実験の結果、 「玉ネギ」 ・ 「パプ リカ」 ・ 「ジャガイモ」は見た目・味ともにとても良く製品には問題ないと思われた。しかし「エンド ウ」や「しょうが」、 「アボカド」、 「ピーマン」などは独特の味が残り試食の結果はあまりいいものと は言えなかった。 また見た目もあまり良いものにはならなかった。 その他として「パプリカ」は 味がはっきりせず製品化は困難だと判断した。 以上から、「玉ネギ」 ・ 「じゃがいも」を開発に用いることにした。 実験の結果、どんな製品を作るかを考慮したが「たまねぎ」・ 「じゃがいも」のドライ食品の味は、洋菓子には合わないので はと考え、和菓子を検討した。特に塩味・しょうゆ味に合うの ではと思い、四日市農芸高校でせんべいを商品化していると聞 いた。 そこでレシピを教えて頂き、参考にした。 「玉ネギ」 ・ 「ジャガイモ」のせんべいの試作品ができたがせ んべい生地を伸ばす機械が無く、うまく形を整えることが難し かった。 【結果・考察】 ○何回かせんべいを試作したが、生地をのばす機械、製麺機がないため、手作業で行った。手でのばす と厚さが一定にならず焼いた時に「むら」が出来た。味は美味しかったが、焼き加減に「むら」がある ため、食感がせんべいになっていない物が多かった。 ○ドライ野菜研究のまとめとしては、 「たまねぎ」、 「ジャガイモ」 、 「パプリカ」などは、レンジ処理で新 しい形の食品が出来ることがわかった。しかしそれをうまく使用し、商品開発するにはまだまだ多くの 課題がある。 食品コースによる野菜たくさん使った加工食品の研究には三重県工業研究所の協力もありドライフル ーツ野菜を試作することには成功したが、製品化には課題が残るため今後も継続した研究を行う予定で ある。 - 23 - 3 環境保全コース 環境保全コースでは、野菜の中でもキノコ嫌いに注目し、改善を目指した。シイタケ・ヒラタケ栽培 の指導などの課題研究を通して、キノコ嫌いを改善するプロジェクトに取り組んだ。 【実施日時】 【テ ー マ】 10月17日 13時20分 ~ 15時10分 10月20日 13時20分 ~ 15時10分 11月24日 13時20分 ~ 15時10分 「森からの贈り物 キノコ栽培を体験しよう」 13:20 ~ 13:45 リハーサル、準備 13:45 ~ 14:30 標記のテーマで里山に関する事前学習を本校生 【実施内容】 環境保全コース2年生代表が、誠之小学校5年生 83名(3クラス)スライドでプレゼンによる一斉 授業 14:30 ~ 14:50 片付けと反省まとめ ①本校環境保全コースの紹介 ②森林の機能 ③キノコ栽培の概要と体験内容の説明、質疑応答 【生徒の様子】 ○林業クラブ員と放送部員で説明者3名を選んだが、大勢の前で緊張して少し、戸惑いがあった。発表 を終えると、ホッとし児童に笑顔で答え、キノコ栽培体験交流への期待感を膨らませていた。 【教員の感想】 ○予め、小学校側と説明内容を打ち合わせて、スライドを準備したが、森林の役割やキノコの栽培方法 についての説明が、児童には少し難しく感じられた。 ○児童がしっかり聞いてくれたのでよかった。本校の環境保全コースの紹介をして、少し親しみをもっ てもらい森林の機能や体験内容についての理解を求めたのはよかった - 24 - 【実施日時】 12月 8日 10時30分 ~ 12時00分 【テ ー マ】 キノコ栽培に関する講演会「キノコはなかなかやるもんだ」 【実施内容】 10:30 ~ 三重県林業研究所 11:55 ~ 質疑応答、まとめ 主幹研究員 西井 孝文さんによる講演会 【講演内容】 ・キノコの役割と発生のしかた ・三重県内のキノコ生産の現況と栽培方法について ・キノコの有する機能性と利用方法について ・野生キノコについて 【その他】 ○キノコの栽培方法などの知識と、食育に関してキノコの成分や栄養についても専門家の立場から講演 をお願いする。林業研究所の出前授業と兼ねて実施。 ○キノコの生態や三重県内のキノコ栽培の実際について、見本を展示していただき、それぞれについて 特徴、栽培方法などを紹介していただく。 また、キノコの種類や毒性の見分け方や、代表的なキノコ の栽培方法などや、調理方法や、キノコの機能性(血圧やコレステロール低下作用など)について実験 風景などを交えて説明していただく。珍しいキノコの種類なども紹介して戴いた。 【感想】 ○本校では、シイタケやヒラタケなどの栽培をしているが、三重県内のキノコ栽培の様子や、様々なキ ノコの種類や特性が、スライドや現物見本を提示していただきよく分かった。食育と関連して、キノコ の機能性や調理方法についても説明していただき、よりキノコについての知識や関心が高まったように 思う。早朝より県内のキノコ栽培農家を廻って準備いただき、休憩時間には身近で実際キノコの見本を 見る機会もあり、よりキノコに対する興味関心が高まったと感じる。 - 25 - 生活デザイン科 4 食生活コース 食生活コースは、野菜の調理等を通した改善を目指した。具体的には、野菜を使った料理の指導、レ シピづくり、料理コンクールの実施、地域への啓発活動などの課題研究を通して、野菜を好きになるプ ロジェクトに取り組んだ。 【実施日時】 9月24日 【テ ー マ】 10時50分 ~12時20分 夏野菜を使ったカレーを作ろう 野菜を使ってクッキーを作ろう 【実施内容】 10:50 農場にて夏野菜カレーに使う 野菜の収穫および野菜の説明 (収穫の方法、育成法栄養価など) 11:30 調理室集合し、調理 12:30 カレー試食 13:20 子どもたちは調理室移動 子どもたち準備・手洗い 13:30 食生活についての学習 クッキー作り説明 14:20 挨拶 14:40 袋詰め完成 ①生地作り 時間 場所 9:20~9:40 農場 ハウス 野菜の収穫 10:00~12:20 1階 調理1号室 カレー作り 3・4・5年生(23) 2階 被服1号室 パソコン活用 2・6年生(21) 3階 被服3号室 小物作り 1 年生(17) 1階 調理1号室 クッキー作り 2・6年生(21) 2階 被服1号室 パソコン活用 1・5年生(17) 3階 被服3号室 小物作り 3・4年生(14) 13:20~15:00 内容 ②焼成 児童学年(人数) 誠之小学校学童保育(1~6年)の児童を対象として、運動会の代休を利用して、や野菜を使った夏 野菜を使ったカレーづくりとクッキーづくりをおこなった。本校は生活デザイン科2年生食生活コース の生徒で実施した。 午前中に、農場でビニルハウスにおいてカレーづくりに使用する野菜の収穫をおこなった。子どもた ちが収穫している間、カレーの下ごしらえを行う。 収穫後、調理室にてカレーづくり。 - 26 - カレー完成後、生徒と合同で試食会実施 午後は、野菜の栄養についての説明とお菓子作りの工程説明 野菜の調理の仕方(切り方など)野菜(本日はにんじん)の 栄養的特徴を分かりやすく、食べることにより健康になること を人参の絵やキャラクターなどで説明 【小学生の反応(事前・事後) 】 ○なす・きゅうり・トマトが育っているところを実際に見て、収 穫を体験することで野菜への関心が増した。 ○自分たちが収穫した野菜を使っての調理を楽しんでいた。 ○なす嫌いの子どもたちも、カレーに加えて煮ることで、食感や においが気にならなくなり苦労なく食べられた。 ○季節の野菜を知ることができた。 ○ランチョンマットに食事バランスガイドを印刷し、食材のバラ ンスが大切なことを学んだ。 ○昼食に使われた食材を食事バランスガイドに当てはめて考え、バランスを知ることができた。 【高校生の反応(事前・事後) 】 ○子どもたちが一生懸命調理する姿を見て、感動していた。 ○自分たちにとっては当たり前のことが、小学生の子どもたちにとっては大切な知識となることを知っ た。 ○自分の知識や技術をわかりやすく教えることの難しさと楽しさを知ることができた。 ○野菜と聞いて、少し不安そうな児童もいた。 ○野菜が身体にとても良いこと、健康になることを聞いてスゴイんだと納得している様子。 ○焼きあがったクッキーの良い香りに満足そうであった。 【教職員の気づき(事前・事後)】 ○高校生にとって当たり前の知識や技術を小学生にわかりやすく教えるためには、確実な知識や技術を 身につけていることが必要であり、さらに、小学生の目線での会話力なども必要になってくる。 ○安全面で十分な配慮が必要である。 - 27 - 【実施日時】 10月26日 9時50分 ~ 10時40分 【テ ー マ】 学校における給食の役割を理解する 「給食献立を考えるにあたってのポイント・注意点を理解する」 【実施内容】 生活デザイン科3年食生活コースに対して、 連携小学校・栄養教諭 誠之小学校 9:50 小笠原容子先生講演会 「学校給食と食育」について授業 - 28 - (1)学校給食とは (2)食育とは (3)給食の内容 ①献立は7校統一 ②自校方式 ③完全給食実施 (4)気を付けている事 ①安全第一 ②学校給食が『食の生きた教材』 スを考える ④日本食を中心 る ③学校給食摂取基準に基づき、栄養バラン ⑤野菜、いも、豆、海藻を多く ⑥旬の食材を多く取り入れ ⑦しっかりかんで 【高校生の反応(事前・事後)】 ○学校給食が教育の一環になっていることを知った。 ○4つの基準が法律で定められていることと3つの目標を立てて献立を作成しているのだとわかった。 ○食事の重要性は楽しむこと、心身の健康は噛むこと、社会性は食事のマナーなど、食文化は郷土料理 を教えるなど給食にはちゃんと意味があることを知りました。 【教職員の気づき(事前・事後)】 〇給食で生野菜が適さない事や、200食作る場合でも全て同じにつくるなどの話は事前にしていたが、 実際に4人の調理員さんで420食を作り上げる事を伺うことで、調理員さんの大変さを理解させる事 ができた。 〇地域食材を取り入れなくてはいけない点や、不足しがちな食材を考えながら、1食240円で献立を 考える事の大変さを実感させる事ができた。 【実施日時】 11月 2日 10時30分 【テ ー マ】 外部講師による栄養教育 ~ 12時30分 野菜を使った様々な調理の仕方をビストロに学ぶ 食物としての特性を知る 「野菜を使っておしゃれな一皿を作ろう」 【実施内容】 10:30 ~ 準備 10:00 挨拶 10:10 「野菜」を使った料理について説明 10:20 実習 12:00 試食 12:20 挨拶 12:30 後片付け - 29 - 【講演内容】 ・レストラン「土の中のSalad」ビストロオーナーシェフ 辻 陽平さんから、生活デザイン科3年食 生活コースの生徒に「野菜を使ったおしゃれな一皿を作る」というテーマにそって指導をいただいた。 10月27日(火)5.6時限に辻陽平シェフに師範していただいた料理を再度確認しながら、各班 で実際に調理し、試食した。 ①南瓜のポタージュ シナモン風味 ②野菜のケーク・サレとコルネ お花畑スタイル ③合鴨とイチジクのミルフィユ仕立て 以上の3皿であるが、調理の作業行程が複雑なため、2グループで1つが完成出来るように行程を分け て実施し、一皿が完成できるようにした。 【高校生の反応(事前・事後) 】 ○講義をしてから 1 週間後に実習をしたため、すぐに取り組むのが大変であった。2グループで一皿が 完成できるようにしたが手間取ったグループが多かった。 生徒の感想 ○少し難しかったけれど、他の班の人とも協力して出来 たので良かった。 ○見た感じ難しそうだったけれど実際に作ってみたら、 結構簡単に作ることができた。それにとても美味しかっ たです。 ○普段食べない食材が多く、扱わない分、処理の方法も 教えて頂けてとても勉強になり、楽しかった。 ○本格的な料理をつくったのは初めてだったので良い 経験になりました。 ○料理に果物を入れるの難しいが美味しくなると知った。 ○初めて見る野菜が多く、すごく新鮮だった。果物と組み合わせて、変わっていておい しかった。 生徒は大変だったが良い経験になったようである。 ○野菜料理がメイン料理になることにも驚いていた。 【 教職員の気づき(事前・事後) 】 ○外部講師の先生に来て頂くことがあっても、専門学校の先生の場合が多く、レストランのシェフに来 ていただくことは貴重な機会で、講師の先生生徒とも大変だったように思う。 ○しかし、野菜の旨味を引出し、別の野菜や果物と組み合わせことにより、美味しく作ることが出来る など大変勉強になった実習であった。 - 30 - ビストロとは [フランス語] 気軽に利用できる小さなレストランのこと 【実施日時】 11月 6日 8時50分 【テ ー マ】 外部講師による栄養教育 ~ 12時20分 野菜を使ったデザートの作り方をパティシエに学ぶ 【実施内容】 SWEET かえるはうす パティシエ 丸山佳代先生 による『野菜を使ったデザートつくり』 8:50 準備 9:00 挨拶・野菜を使ったデザートの指導 11:40 試食 12:10 挨拶 12:20 後片付け 久居農林高校生活デザイン科2年食生活コースが「野菜」を使ったデザートについて指導を受けた。 - 31 - ・野菜を使ったおかし「里芋のクラフティ―」作り ・野菜のおいしさや栄養について知る ・野菜と果物を組み合わせることにより、美味しいお菓子を 作ることが出来る。 ・ 「里芋のクラフティ―」について説明・師範をしていただく。 ・「里芋のクラフティ―」を作る。 ・試食 【高校生の反応(事前・事後)】 ○今日は里芋とバナナを使った焼き菓子を作りました。里芋とバナナは合うのかなと思いましたが、実 際食べてみると食感が似ているので抵抗なく美味しく食べることが出来ました。講師の先生にはお菓子 作りならではのお話や先生自身のお話を聞くことが出来て良かったです。とても貴重な体験をすること が出来ました。 ○最初、味が全然想像できなかったけれど、作って食べてみるとすごく美味しかったです。家に里芋が たくさんあるのでお母さんと一緒に作って食べたいです。 【教職員の気づき(事前・事後) 】 ○生徒は野菜をお菓子に使うこと、野菜と果物を組み合わせる ことにより、意外な美味しさを体験することが出来た喜びを感 想に書いている生徒が多かった。 ○野菜と果物を組み合わせることにより、野菜の美味しさを引 き出す方法のヒントを得ることが出来た。 ○生徒は野菜のおいしさを再確認し、作る喜び・食べる喜びを 得たようである。 【実施日時】 11月 9日 13時00分 ~15時10分 【テ ー マ】 食と農 若い世代に継承すること 【実施内容】 13:10 講演打ち合わせ 13:20 講演 15:10 講演 感想記入 生活デザイン科食生活コース2年30名を対象に、伊賀の里モク モク手づくりファーム 食育事業部・小松 浩也さんによる講演会を実施した。「食と農 若い世代に 継承すること」と題して生徒の食に関する意識をクイズ形式で質問され、生徒の現状の様子を踏まえて 講演していただいた。さらに、伊賀の里手づくりモクモクファームで取り組まれている「食育」につい て、現場のスライドを使いながら説明していただいた。伊賀の里手づくりモクモクファームの訪問前に 事前学習ができて、生徒の興味、関心を高めることができた。 - 32 - 【高校生の反応(事前・事後)】 事前: 伊賀の里手づくりモクモクファームでは、パンやソーセージを手づくりして いることぐらいの理解しかない生徒が多かった。 事後: 生徒感想 ○モクモクファームは来てくれたお客さんの会話や意見を聞き入れて事業を行っていることを知りま した。また、お客様だけでなく働いている側も楽しく、気持ちよくお仕事ができるように工夫されてい るのだと思いました。 ○食について考える機会をもてた。 ○モクモクは「美味しさと安全の両立」「環境に優しいモノづくり」が原点であることを知りました。 ○体験を通じて食についての大切さ、命をいただくことのありがたさを知ることが出来ることに感心し ました。 【教職員の気づき(事前・事後)】 ○もともと食に関心のある生徒ではあるが、自分の日々の食生活について具 体的に考える機会がない。今回の講演で親になった時に子どものために食に ついて考える機会が多くなることを聞いたり、「食育」とはその時その時に 必要な知識と選択する力をつけることだという事を知り、今後の学習の意欲 につながったと思われる。 【実施日時】 11月22日 【テ ー マ】 野菜を使った料理コンクール・食フォーラムへの参加 【実施内容】 三重県健康福祉部医療対策局 健康づくり課 食フォーラム やさいたっぷり食塩エコで健康生活 主催者 三重県 三重県教育委員会 公益法人三重県栄養士会 三重県食生活改善推進連絡協議会 第2回 健康野菜たっぷり料理グランプリ、通称 本校から2名入賞 - 33 - 『ベジ1グランプリ』に応募し、 - 34 - 【実施日時】 11月24日 13時20分 ~ 17時00分 【テ ー マ】 野菜をふんだんに使った給食メニューを考案 する 【実施内容】 13:20 ~ 久居農林高校 調理実習室にて津市主催の給食メニュー コンクールが行われた。 そこに、野菜を中心とした給食メニューを考えて出展。 ・小学生が喜ぶ野菜たっぷりの給食メニューを考案し、コンクールにレシピを出展する。 - 35 - 以下 毎日新聞記事より タケノコやキャベツなど津市の特産品を「津ぶっこ」としてブランド化する事業をPRし、食育や地 産地消の促進につなげる「第3回津ぶっこの美味しいレシピin久居農林高校」が、同校(津市久居東 鷹跡町)で開かれた。 「学校給食」をテーマに、同校生活デザイン科3年の生徒たちが創作料理を披露し た。 「津ぶっこ」は生産者や消費者へのアンケートなどをもとに、津市農林水産物利用促進協議会が2 008年度から選定を開始。現在は梨やこんにゃく、花ショウブなど13品がブランド化推進品として 指定されている。イベントは協議会などが同校と13年度から開催しており、同校は今年度、文部科学 省の「スーパー食育スクール」に県内で唯一指定されている。 イベントでは生徒25人が10班に分かれ、13品の中から「キャベツを使用する」 「タケノコ、原木 しいたけ、茶のいずれかを副材料に使う」などの条件でレシピを考 案。同校に隣接する市立誠之小学校の栄養教諭からも事前に指導を 受けるなどして工夫した料理を、審査員として参加した保護者や食 材生産者ら約35人にふるまった。会場には各食材の特徴なども掲 示し、審査員は「食材を生かしているか」などを評価した。 一度に多くの野菜を食べられるようにと考案されたお好み焼きを試食し たタ ケノコの生産に携わる山川徳美さん(68)は「タケノコをお好み焼きに入れる発想はなかった。食材 の食感が楽しめる」と生徒たちの柔軟な発想に感心しきり。子どもたちが親しみやすいようにとメンチ カツを作った松田華歩さん(18)と秋元愛さん(17)は「しっかりした味付けなのでソースなしで も食べられる」とおいしさをアピールしていた - 36 - 【実施日時】 11月27日 9時00分 ~ 【テ ー マ】 「久居農林高校の手作り野菜と味噌」を使って味噌汁づくりを教える 【実施内容】 9:00 ~ 誠之小学校に移動 9:10 ~ 誠之小学校3年生との交流 実習内容の説明 9:20 ~ 調理実習 ・調理の前の服装・手洗いなどに注意する。 ・味噌汁の作り方について説明する ・だしのとり方、野菜の切り方、煮方・あく取りの仕方の説明と実習 ・みその漉し方説明・一緒に盛り付ける ・味噌汁に入れる具材の栄養的特徴や身体への働きについて模造紙や画用紙を使って 説明 ・試食 ・後片付け・挨拶 【小学生の反応(事前・事後) 】 事前:初めての調理実習に少し不安そうな児童もいた。 野菜のお話を聞く前はにんじんは嫌だなと言っている児童もいた。 - 37 - 事後:野菜が身体にとても良いこと、健康になることを聞いてスゴイんだと納得している様子。どの児 童も出来た上がった味噌汁を美味しそうに食べていた。おかわりをする児童が多かった。 【高校生の反応(事前・事後) 】 事前:小学生との交流は2回目であったが1回目はクッキーづくりであり、調理は初めてで不安だった ようである。 事後:野菜の美味しさ、栄養的価値、身体への効用を含めて味噌汁の作り方を説明することにより、自 分たちの復習にもなり、自信を持ってスムーズに実習を進めることが出来たようである。各班に 分かれ、自分たちが播種・定植した野菜(ダイコン2本、ハクサイ2個)を収穫し、両手に野菜 を抱え、家に持ち帰った。また、小学生が播種・収穫したダイコンを翌日の小学校の給食食材と して、利用してもらった。 進んで生徒本人から話しかけが出来ない生徒でも小学生からの話しかけにより、きっかけをつか み、楽しい時間を過ごすことが出来たと感想に書いている。 久居農林自慢の食材を持ち込みます 小学生と協力してつくります。 味噌汁の作り方を説明します できるだけ小学生にしてもらいます できあがり 一緒に試食しました - 38 - 【教職員の気づき(事前・事後)】 ○野菜について模造紙に書かせ、生徒自身に児童たちの前で説明させることにより、実習の前の事前指 導として生徒・児童や一緒に参加あいていただいている先生方にも内容把握をすることが出来たのでは ないかと感じた。 ○見る・聞く・体験の3つにより、効果的に野菜の美味しさを知ってもらうことが出来たと思う。 ○小学校での出前実習は初めてであったが、得るものが多かったように思う。 ○生徒も初めての実習室で新鮮な感覚であったようである。 【実施日時】 12月11日 9時00分 ~12時20分 【テ ー マ】 「食育」についてもっと知ろうについて 出前授業の講習会 【実施内容】 講師 三重短期大学 阿部 稚里 准教授 演題 「食育」 「野菜の必要性」について 9:00 「食育」 「野菜の必要」について講演 10:30 謝辞 10:40 レポート記入・提出 講演会『野菜をしっかり食べて健康に!』を実施 【高校生の反応(事前・事後)】 ◯野菜の摂取量が 1 日350gなどについては検定の時に学びました。食事バランスガイドやビタミン・ ミネラルは授業の中で習ったので「ああ、これ知っているな」という風に聞くことが出来たと思います。 でも知らない事も沢山あったのでお話を聞いているうちに楽しいことも一杯ありました。 ・・・ビタミン に森鴎外が出てくるのも驚きました。 ◯個人的に今まで受けた食の講習会の中で一番分かりやすく、面白かった。最初の野菜の摂取量の話で は、実際に自分が「一日に野菜を350g摂取すれば健康になる」という考えだったので話を聞いて自 分の考えは間違っているんだなと思いました。野菜の特徴の話しはとても分かりやすく、今までの復習 にもなりました。 ◯私も野菜は好きじゃないし、サラダも嫌いだけれど 今日の話を聞いて苦手でも食べないといけないと思い ました。野菜ジュースは野菜の代わりにならないと聞 いてびっくりした。サプリメントについては聞いてい たけれど、野菜ジュースは良いと思っていたのでショ ックでした。 - 39 - 【教職員の気づき(事前・事後)】 ○1・2学期を通して「栄養」の基本について学んでいるがやっと無機質、ビタミンと消化について終 了したところである。まだまだであるが、専門で学習 しているところをさらに分かりやすく説明して頂き、 新しい発見から次に向けてかなり興味をもったようで ある。 【実施日時】 12月14日 9時00分 ~15時10分 【テ ー マ】 農業・自然から食を考える 【実施内容】 9:40 10:30 学校発 手づくり体験教室 企業における 「食育」に関する取組体験 11:30 ファーム内見学・案内「食育」に ついての説明 11:30 昼食 休憩 14:00 現地発 15:00 学校着 園内見学 生産・加工・販売まで一貫しておいしく安心の食べ物を提供している企業の見学。 手づくり体験教室を通して、食の安全性について考える。 手作り体験教室 企業における「食育」に関する取組体験 「豚まんづくり体験」および講演会 モクモク手づくりファーム内見学・案内「食育」につての説明 【 高校生の反応(事前・事後) 】 事前:事前学習として、モクモク手づくりファームで食育に取り組まれている小松さんからお話を伺い、 企業としての「食育」の取り組みについての理解を深めた。 事後:生徒感想 ○実際にモクモク手づくりファーム内を見学して、いたるところに食べ物がどのように育てられ たのかが展示されていて、よくわかった。 ○手づくりで豚まんを作りました。包む生地から手作りしたので時間をかかりましたが、丁寧に - 40 - 作ることにより、大切に食べなくてはという意識が強くなりました。 ○手づくりの良さを改めて実感しました。手づくり豚まんはとても美味しかったです。 教職員の気づき(事前・事後) 】 ○生徒は、事前に伊賀の里モクモク手づくりファームについて、食育担当者からお話を伺っていたので 企業の取り組みについて理解を深めることができたと思う。 ○今後、食材を考える時に、食材の作り手の事まで考えることができるきっかけを作ることができたと 思います。今後も食育について関心を持ち続けられるように授業等でも取り入れていきたい。 - 41 - 【実施日時】 12月 14日 8時30分 ~ 12時00分 【テ ー マ】 東洋大学 太田 昌子 准教授 による講演会 野菜の食物としての特性を知る 【実施内容】 8:30 ~ 「食育」「野菜の特性と病気予防」について講演 11:55 ~ 質疑応答、まとめ 野菜をしっかり食べて健康に! 「食育」 「野菜の必要」について アメリカの高校生は過剰摂取のためカロリーを750 kcal に制限しているが知識がないため、学生は味などに不満に思って50%が残されているが小学生は 学習しているため、受け入れているなどのビデオを視聴する。 (1)脱水防止 ①運動30分前に200~500ml 補給する。喉が乾いてからでは遅い。 ②夏は水に0.5%の食塩と5%の砂糖を入れて飲むのと脱水防止できる。 (2)必要な野菜 ①一日に必要な野菜の量は350g・・・野菜は加熱をするとたくさん食べられる。 ②脂溶性ビタミンは肝臓に悪い。野菜には食物繊維を多く含むが日本人には不足している。 ③野菜を食べると血糖値が上がらない。 【高校生の反応(事前・事後) 】 ○最初の動画では、アメリカの高校生がせっかくの野菜・果物を大勢の人が捨てていて驚きました。私 たちの普段が650Kcal と聞いて驚きました。 ○授業で習ったところを更に深めることが出来、興味深くて面白かった。1日350gの野菜をとるの は難しそうだと思いました。 ○1日3食をとる。時間は誤差、2時間以内。野菜は、1日350gとるとよい。野菜から食べる。野 菜は血糖値を下げる。 ○今日の講演会は自分の生活や健康に関わるとても大切なお話でした。栄養素の種類や機能性や大切な 栄養素が入った野菜など自分の身になる話ばかりで聞いていてとても面白かったです。 ○今日の講演で一番興味を持ったのは食事の回数やリズム、カロリーの話だった。野菜から食べ始める と良いことや1日3回食べなくてはいけないこと。1400kcal は生きるために最低限必要なエネルギ ーだということが分かった。 - 42 - 【教職員の気づき(事前・事後) 】 ○導入に使われたアメリカの高校生の肥満防止のために野菜を多く、薄味が気に入らなく、知識不足の ために50%も捨てられている様子を目の当たりにして「もったいない」 「知識を得よう」という気持ち でどんどん引き込まれていったように思う。また、1年生でも授業「フードデザイン」で学んでいる知 識があることにより、 「知っている」という自信が「学びたい」という前向きに学習していく様子が伺え た。1・2学期を通して「栄養」の基本について学んでいるがやっと無機質、ビタミンと消化について 終了したところである。まだまだであるが、専門で学習しているところをさらに分かりやすく説明して 頂き、新しい発見から次に向けてかなり興味をもったようである。 ○「フードデザイン」の授業でさらに生徒の学習意欲を高めていきたい。座学と実習を通して「野菜の 必要性」と「食の重要性」を学び、摂り方についても理解させていきたい。 ○「フードデザイン」の授業でさらに生徒の学習意欲を高めていきたい。座学と実習を通して「野菜の 必要性」と「食の重要性」を学び、摂り方についても理解させていきたい。 - 43 - 【実施日時】 1月 27日 12時00分 ~ 13時20分 【テ ー マ】 野菜をふんだんに使った久居農林高校開発の給食試食 【実施内容】 12:10 誠之小学校に集合 12:30 小学校 1 年生より3年食生活コース 28名は小学 校1年生の給食係の 皆さんから1人1人手渡しで配膳 された給食を頂く。 12:40 「しいたけと野菜のハンバーグ」を考案し た生徒2名から給食にしていただいたお礼 のあいさつ。 13:00 後片付け 「津ぶっこ」優秀作品「しいたけと野菜のハンバーグ」給食献立に! 給食献立:しいたけと野菜のハンバーグ、大根と白菜の味噌汁、麦飯、みかん、牛乳 - 44 - - 45 - 【小学生の反応(事前・事後) 】 ○1年生先生方の指導の下、一生懸命に高校生分の給食配膳を行っていた。 ○野菜の苦手な子どもたちも残食なしでお代わりをしている児童もいた。 【高校生の反応(事前・事後) 】 事前: ◯自分たちが考案したものが給食になることは「すごい」ことだと感じていた。 事後: ◯小学1年生が小さな手で配膳してくれたものを直接頂くだけでも「共に笑顔」がこぼれ、嬉しそうで あった。 ◯「このハンバーグ美味しんだよ」と言いながら、野菜の美味しさ、栄養的価値、身体への効用を含め て一緒に給食を頂き、ピーマンが苦手な生徒も、残さずに食べていた。 ◯本校の生徒はどのグループも楽しそうなランチタイムを過ごしていた。 ◯自分たちが考案した献立が給食となり、小さい子どもたちと共に味あうことが出来る素晴らしさと有 難さを実感していた。 【教職員の気づき(事前・事後) 】 ◯「津ぶっこ」と「スーパー食育スクール事業」どちらも最終「給食」にしていくことを目標に指導し ていたもので誠之小学校との交流のなかで実現出来、生徒たちも「給食になった」満足感を感じていた ように思う。 ◯見る・聞く・体験(味あう)の3つにより、効果的に野菜の美味しさを知ってもらうことが出来たと 思う。 - 46 - 5 リビングコース リビングコースは、啓発で改善を目指した。具体的には、野菜摂取の啓発(クリアファイル)を通し て、野菜を好きになるプロジェクトに取り組んだ。 【実施日時】 9月11日~12日 生活デザイン科 【テ ー マ】 「野菜の重要性を伝える方法を考える」 リビングコース 生活デザイン科3年リビングコースにおいて、野菜に対する啓発アイテムをつくる。 (1)画像処理講習会 9月25日 13時20分 ~ 15 時10分 13:20 本日のテーマ説明 13:20 イラストレーターを使って野菜のキャラクター作り 15:00 まとめ パソコンソフト「イラストレーター」を使用して、野菜に親しみやすいキャラクターを作る方法を学ぶ 【生徒の様子】 ○イラストレーターの使用方法につ いて学習した。 ○画像処理はできるようになったが、 野菜そのものを知らない生徒が多く 野菜に対しての興味関心を持たせる ことができた。 ○2時間で完成させることは難しい ため今後数時間かけ完成し、良い作 品2人分をクリアファイルに印刷し て小学校や校内に配布したい。 【教員の感想】 ○予想に反して、野菜に対しての情報交換の場となり、野菜に対する情報で盛り上がった。 ○クリアファイルにするためには相当の授業時間を要するので、今後の授業計画を変更せざるを 得ない点が難点である。 - 47 - (2)クリアファイル製作 食生活改善のためのアイテムとして、野菜のイラストを生徒に考えさせ、優秀作品をピックアップし 啓発のためのクリアファイルを作成した。 - 48 - 6 生活デザイン科 1学年 生活デザイン科 1 学年において、幼稚園児対象の食育を行う。 本校生徒も幼稚園児も食育に関して は、初歩でありスムーズな導入を計画した。教材として、生徒にカルタを自主制作させ食べ物の大切さ を視覚でわかりやすく説明できるようにした。 【実施日時】 11月10日 9時50分 ~ 11時40分 11月20日 11月25日 【テ ー マ】 幼稚園児にわかりやすく食べ物の大切さを教える 【実施内容】 食育カルタの制作について 幼稚園児に教えるために、 カルタでわかりやすく説明する。 計画 (1)巽ヶ丘幼稚園との交流で食育を指導するための教材として「紙芝居」 「絵本」 「食育カルタ」等を 作成する。 ①園児の生活や食生活について園児が目で見て、さらに聞いて理解できるように分かりやすくする ためにはどうしたら良いか考える。 ②スーパー食育認定校としてふさわしい教材をつくる (2)作成する園児の年齢などを考慮し・紙芝居・絵本・食育カルタグループに分ける。 巽ヶ丘幼稚園との交流 前半・・・幼児との交流(一緒に遊ぶ) 後半・・・紙芝居・大型絵本・手作りカルタを実施する。 ①導入(作る前に観察と交流) 対象は3・4・5歳のこどもたちで紙芝居・絵本・食育カルタを作成するために、子どもたちの様子を 見学に行かせる。子どもたちの様子をしっかり観察し教材作りに生かす。 日程:1年 7組 ・・・・9月 7日(月) 1時限目 1年 8組 ・・・・9月 9日(水) 2時限目 1年 9組 ・・・・9月11日(金) 1時限目 - 49 - ②作成 (1)試作品づくり(カルタは絵カルタと読みカルタの両方を考える) (2)画用紙へ下書き(カルタは厚紙に絵と読みを鉛筆で書く) (3)絵具をつかって完成。 (4)カルタは子どもたちが怪我をしないように周りを奉送しで包む。 作品を自分たちで発表・評価・自己評価する。 (5)巽ヶ丘幼稚園にて子どもたちに読み聞かせ。 カルタは5歳児のグループ全員で大型カルタ取りをする。 ○ 作品の殆どが「食育」に関する物であり、「食育カルタ」は多くの方々にも見て頂けるように文 化祭で展示した。 「食育」についての説明、「食育カルタの展示」「食育についての簡単なクイズ」「3クラスを回 るスタンプラリー」「折り紙」「風船アート」「お絵かき」など大勢の方々や小さいお子さんにも 楽しく参加していただき、「食育について学習」して頂いた。 - 50 - 7 先進地視察 全国のスーパー食育スクール先進地を視察し、研究の参考とした。 【実施日時】 10月14日 【テ ー マ】 スーパー食育スクール先進地を視察し、研究の参考とする 東京都杉並区立三谷小学校 (平成26年度文部科学省 スーパー食育スクール指定校) 【実施内容】 11:30 ~ 11:50 挨拶 11:50 ~ 12:30 施設見学 12:30 ~ 13:00 給食試食 13:00 ~ 13:30 平成 26 年度スーパー食育スクールについての説明 13:30 ~ 14:00 質疑応答 14:00 ~ 14:10 挨拶 担当教諭(栄養教諭)が出張のため学校長が対応 三谷小学校のテーマ 「学校、家庭での和食推進の取組みを通した社会性の向上と生 活リズムの改善」 (1)和食教育の充実 (2)関心を高める活動 (3)関係 を太くする活動の柱をもとに、自動の社会性の向上、生活リズ ムの改善などを図る実践であった。 【詳細】 ◯弁当の日、収穫祭などのイベントを通じて、小学校で実施されているコミュニティスクールを意識 した地域連携などを組み合わせた取り組みが行われていた。 ○様々な取組から生活リズムの変化と社会性の向上が確認された報告があった。その中で、「和食給 食」 「郷土料理づくり」など本校でも参考になる取組があったように思う。 ○本校と同じような形で農業高校との連携があると期待したが、小学生の作った人参を馬術部の馬に 食べさせる等の本校とは異なる連携であった。 ○取組の結果、家庭で和食を食べる機会が増えた。との報告は 興味深いものがある。和食には、挨拶の仕方や食器の置き方、 食べ物の旬など、文化的要素も多くあり、食育の教材としては 興味深いものがあった。 - 51 - 【実施日時】 12月 3日 【テ ー マ】 農業高校におけるスーパー食育スクール先進地を視察し、研究の参考とする 【実施内容】 13:50 ~ 14:00 挨拶 14:00 ~ 15:10 大阪府立農芸高等学校の現状説明 (平成27年度文部科学省 スーパー食育スクール指定校) 情報交換 質疑応答 15:10 ~ 15:00 施設見学 「なにわの伝統野菜」を活用した食育の推進による健康増進及び食文化の継承・発展がテーマで、地 域性が強く出た取組である。計画をお聞きすると本校同様に近隣の小学校等と連携し、様々な体験を支 援している。また食文化としては、大阪の伝統野菜を生産する農家などと連携し、交流学習を実施して いた。 【詳細】 ○数値目標としては当初全校生徒のBMI減少にしていたが、事業決定のタイミングが遅かったため、 希望者数名に変更していた。ノートを配布し保健室で血圧とBMIを測定し結果を記入させていた。 ○大学や外部の機関との連携は少ないように感じた。 ○推進委員会のメンバーは本校より少なく小回りが利くメンバーであった。 ○「食文化 なにわの伝統野菜」がテーマだったが、大阪で実際に伝統野菜を育てている人が少ないの で、学校主導で伝統野菜を活用しているようだ。 ○調理やレシピ開発はすべて辻調理師専門学校に依頼していた。 ○3年計画で、各科1年ずつの予定で計画しており教員の負担は分担されている。 ○講習会や出前授業については、費用が掛からないことが多く予算的配慮はあまり必要ないとの報告が あった。 ○事業内容についてはHP上にしっかり掲載しており、食育だよりを随時発行するなど本校でも取り入 れる必要があると思った。 - 52 - 8 協力校 誠之小学校からみた事業 協力校である誠之小学校は、学校教育目標を「笑顔いっぱい、楽しさいっぱい、やさしさいっぱい誠 之の子」 、目指す子ども像を、①健康で安全に過ごせる子、②学ぶ楽しさがわかり、たくましく生きる子、 ③仲間を大切にする子、とし日々教育実践を進めている。それらに向かって、多くの仲間との出会い一 人ひとりの子どもが、生き生きと生活できる場、友達の思いや願いを理解し、豊かな人間関係をつくる ための共感的な態度や生き方を学ぶ場を大切にしている。 その活動の一つとして、久居農林高校との交流を位置づけ取り組んでいる。 各学年の交流の内容、成果と課題についてまとめてみた。 1年 【実施内容】給食 津ぶっこ料理コンクール入賞メニュー(以下 津ぶっこ)による交流給食 【食育の観点】 食事の重要性 心身の健康 感謝の心 社会性 食文化 【成果】 ・野菜がたっぷりなハンバーグを美味しそうに高校生と交流しながら食べていた。 ・高校生からメニューの紹介があり、いつもは苦手なものも頑張って食べようとする様子があった。ま た、残した児童も申し訳なさそうにしていた。 ・美味しかったので、また作ってほしいという声があった。 2年 【実施内容】生活科 夏野菜の苗植え・野菜の引っ越し(ナス、ピーマン、トマト、きゅうり、オクラ) 【食育の観点】 食事の重要性 心身の健康 感謝の心 【成果】 ・高校生が優しく丁寧に説明してくれるとともに、児童ができるところは見守るなど適切に対応して もらったので、児童が「一人でできた!」という達成感を持つことができた。 ・高校の中に入らせてもらうことで、高校の様子を知るとともに、高校生への憧れ、将来の希望を持 つなど、キャリア教育の一環としての役目を果たした。 ・野菜の生長を間近で見ることで、生命の神秘さにも気づき、その後の自分たちの生い立ち学習を深 めることができた。 ・暑い中での水やりを毎日続けることで、仕事(労働)の喜びも感じることができた。 ・野菜への愛しさが育ち「嫌い、苦手」と言っていた野菜に対して、かわいさが募り、喜んで口にす る姿が多く見られるようになった。 【今後の課題】 ・苗の準備等、高校にお世話をおかけすることが多いので、来年度は年度当初より計画的に交流でき るよう、連携を進めていくことが望ましい。 3年 【実施内容】総合 農林大冒険 大根と白菜の栽培 大根と白菜のみそ汁作り 交流給食 【食育の観点】 心身の健康 食品を選択する能力 感謝の心 社会性 食文化 【成果】 - 53 - ・野菜の育ち方がよく分かるとともに、自分で育てることで、白菜や大根を身近に感じるようにな った。 ・植え方の丁寧な指導はもちろんのこと、遊びや身のまわりのお手伝いをしてもらうことで、より 高校生に親しみを覚えた児童が多かった。 ・授業に集中しづらい児童も熱心に草取りをする姿や収穫する姿や、表情が普段は硬い児童も高校 生と楽しくふれあう姿など、一人一人の新しい一面を発見することができた ・野菜嫌いの児童が頑張って食べるようになった。 ・ 「好き」とまではいかなくても、野菜に対する「嫌い」という気持ちが少し和らいだ。 【今後の課題】 ・高校生にまかせっきりにしてしまったことが多かったので、児童にもう少し、栽培の大変さが伝わ るとよかった。 4年 【実施内容】給食 久居農林高校の野菜やみそを使った給食 津ぶっこの給食 【食育の観点】 食事の重要性 感謝の心 食文化 【成果】 ・資料と給食を見比べて話したり、確認したりするなど、「食」への興味関心が高くなった。 ・産地がわかることで食材への愛着が湧き、給食をすすんで食べることができるようになった。 5年 【実施内容】家庭・総合 調理実習の食材購入 森林保護をテーマにした授業 ひらたけのビン栽培体験 収穫体験したひらたけを使った調理実習 【食育の観点】 心身の健康 食品を選択する能力 感謝の心 社会性 食文化 【成果】 ・久居農林高校で栽培・生産されたものを調理実習で使うことで親しみ、愛着の気持ちを育てること ができた。野菜やきのこが苦手な児童も残さず食べられ喜んでいた。 ・社会科の学習内容である森林保護を取り上げてもらったことで、森林についての児童の関心を深め ることができた。 ・きのこの栽培でつかわれているおがくずを触ることができたりきのこのにおいを感じたりすることが でき、きのこに対する愛着心を育てることができた。 ・給食の材料として農林高校のものを使ってもらうことで食材への興味が高くなった。 【今後の課題】 ・どんな野菜や加工品を栽培・生産しているのかを、普段の交流の中で知る機会があると よいと思った。 ・授業は、高校側と目標、内容、手立て等について事前に丁寧な打ち合わせが必要であった。 ・年間3回くらい交流を行うことができれば、高校生と小学生のつながりがより太いものになると考 える。 6年 【実施内容】家庭 給食 調理実習の食材購入 久居農林高校の野菜やみそを使った給食 津ぶっこの給食 【食育の観点】 心身の健康 食品を選択する能力 感謝の心 食文化 - 54 - 【成果】 ・新鮮で立派な玉ねぎや鶏卵を提供してもらうことで、久居農林高校の活動に興味を持つ児童が多く いた。 ・児童から久居農林高校の農場の話などがたくさん話題に上がるなど、6年間の交流で児童が多くのこ とを学んだり体験したり積み上げられていることがわかった。 ・野菜だけでなく、みそなどの加工食品も作っていることで、久居農林高校の授業や活動に興味をもっ た児童がいるなど、キャリア教育につながる活動とすることができた。 また、給食室で従事する調理員からもつぎのような意見があった。 給食室 【実施内容】給食 久居農林高校の野菜やみそを使った給食 津ぶっこの給食 【食育の観点】 食事の重要性 感謝の心 食文化 【成果】 ・ハンバーグをカップに入れ、その下にキャベツを敷くという発想は、調理員の視点ではないので、高 校生の新鮮なアイデアにふれ刺激をもらった。 ・久居農林高校で作られた大根や津ぶっこの原木しいたけ等を新鮮な食材を使用でき、よかった。 ・地元産の野菜を使ったハンバーグは、食を通じて地域等を理解する取り組みや勤労の大切さなどを理 解することができて素晴らしいメニューだと思った。 ・しいたけ、人参、玉ねぎ、ピーマン、キャベツなど新鮮なたくさんの野菜を使用しハンバーグにした ことで、野菜が苦手な児童にとっても食べやすいメニューとなった。 【今後の課題】 ・調理に日常の倍近く時間がかかるため、給食メニューに採り入れるためには調理内容の見直しや人員 の確保などの課題がある。 このように誠之小学校児童と久居農林高校各コースとの交流は、人との関わりはもちろんのこと、野 菜を好きになる、野菜への興味関心が高くなる、高校生になることの憧れを育むことなど、大変有意義 なものであった。 その一方、来年度以降の課題として、活動の時間を調整すること、事前の打ち合わせをしっかり行い 活動の目的を共有すること、学んだことを表現する機会を設けることなど、が挙げられる。 子どもたちの生活の乱れが深刻化するなか、食教育の重要性は今後増す一方である。小学生と高校生 のコラボレーションによって、お互いが「食」と「人」を大切にする心情や態度が育てられるよう今後 も連携を図っていきたい。 - 55 - Ⅲ スーパー食育スクール事業の調査結果及び考察 三重短期大学生活科学科 阿部 稚里 准教授 1 研究主題と評価指標の設定 本事業に取り組むに当たり、本校では食と健康のテーマから、野菜を好きになるプロジェクトを通し て食生活の改善と将来の食育リーダーの育成を行うことを、研究主題とした。この研究主題を達成する ために、 (1)野菜嫌いになる要因や普段の食生活の実態を探り、(2)野菜を好きになるプロジェクト (各学科等の特色を生かした研究)を行い、 (3)プロジェクトの成果の検証を行う(野菜を中心とした 食生活意識の変容についての比較・検証、生徒自ら行う地域及び県内への啓発活動)こととした。これ らをスーパー食育事業で行うことで、将来の食育リーダーの育成を図るとともに、児童生徒に食生活を 改善していこうとする実践力を身につけさせるという成果が見込まれた。 2 調査の目的 スーパー食育スクール事業において、小学生、高校生および小学生と高校生の保護者を対象に、野菜 を中心とした食意識調査を実施し、今後の食育実践活動の基礎資料とすることを目的とした。なお、ス ーパー食育スクール事業の効果を把握するために、小学生と高校生には事業の前後 2 回の食意識調査を 行った。小学生と高校生の食意識に対する家庭の影響力を把握するために、各保護者にはスーパー食育 スクール事業前 1 回の食意識調査を行った。 3 調査方法 (1). 調査対象 津市立誠之小学校 3 年生 61 名、小学生保護者 61 名、三重県立久居農林高等学校 210 名、高校生保護 者 210 名を対象とし、野菜を中心とした食意識調査を行った。食意識調査票を回収できた小学生(1 回 目:60 名、2 回目:61 名) 、小学生保護者 56 名、高校生(1 回目:208 名、2 回目:205 名) 、高校生保 護者 198 名を解析対象とした。解析対象割合は、小学生(1 回目:98.4%、2 回目:100%) 、小学生保護 者 91.8%、高校生(1 回目:99.0%、2 回目:97.6%) 、高校生保護者 94.3%である。 (2). 調査項目 食意識調査は三重県立久居農林高等学校の担当者で原案を作成し、津市立誠之小学校および三重短期 大学の担当者と協議したものを用いた。小学生および高校生には、食習慣と共に野菜の好き嫌いや理由 について尋ねた。保護者には、家庭での食生活・食習慣食習慣と共に、保護者自身の野菜摂取に関する 意識について尋ねた。 - 56 - (3). 調査方法 小学生と高校生は、スーパー食育スクール事業前後の比較を行うため、合計 2 回のアンケート調査を 行った。保護者はスーパー食育スクール事業前 1 回のみの調査とし、小学生または高校生を通して配布・ 回収を行った。小学生向けの食意識調査票は自記式とした。高校生および保護者向けの食意識調査票は、 選択項目についてはマークシート式、自由記述は自記式とした。なお、調査時期はスーパー食育スクー ル事業実施前が平成 27 年 9 月、スーパー食育スクール事業後が平成 27 年 12 月である。 (4). 統計処理方法 家庭での食生活・食意識については平均値±標準偏差で、その他の項目は人数および割合で示した。 有意差検定として、対応の無い名義尺度には X2 検定、対応の無い順序尺度には Mann-WhitneyU 検定、 対応のある名義尺度には McNemar 検定、対応のある順序尺度には Wilcoxon の符号付き順位検定を用い た。1回目の調査において、小学生および高校生は、野菜は好きですかという質問に対して、 「好き」ま たは「どちらかといえば好き」と回答した対象者を「野菜が好き」群に、 「どちらかといえばきらい」ま たは「きらい」と回答した対象者を「野菜が嫌い」群に分けて分析を行った。2 回目の調査において、小 学生および高校生は、スーパー食育スクール「事業前」と「事業後」に群を分けて分析を行う場合には、 両方とも回答している場合のみを対象とした。全ての統計解析には SPSS Ver21 for Windows を用い、 有意水準は p<0.05 とした。 4 調査結果および考察 (1). 野菜嫌いになる要因や普段の食生活の実態 ① 小学生スーパー食育スクール事業前(野菜が嫌い VS 野菜が好き) 野菜が嫌い群は 19 名、野菜が好き群は 41 名だった(表 1)。両群間で性別(p=0.408)および朝食の摂取 頻度(p=0.812)に差は見られなかった。一方野菜が嫌い群と比較して、野菜が好き群は、朝食での野菜の 摂取頻度が多い傾向が見られ(p=0.075)、さらに夕食での野菜の摂取頻度が多かった(p=0.001)。これらの 結果から、野菜の好き嫌いは性別や朝食の摂取頻度に影響を及ぼさないが、朝食や夕食での野菜の摂取 頻度や摂取量に影響を及ぼすことが示唆された。このことから、野菜嫌いの子どもは、野菜摂取量が少 ないことが推察された。 好きな野菜の給食メニューは、野菜の好き嫌いに関係なく、カレー、スープ類、サラダ類(野菜嫌い群 はビビンバが同率 3 位)と上位 3 位が同じだった(表 2)。給食は全員が同じメニューであることから、野菜 嫌いの子どもでも好んで食べるこれらのメニューを増やすことが、野菜摂取量を増やすことに繋がると 考えられた。また、これらのメニューは、比較的味付けがしっかりしているものが多い。子どもには薄 味の食事を提供することが基本ではあるが、他の献立と味付けや塩分を調整し、塩分量を適量にし、か つ味付けにメリハリのある給食を提供することも重要だと考えられた。 好きな野菜の家でのメニューも、野菜の好き嫌い関係なく、カレー、サラダ類と上位 2 位までが同じ だった(表 3)。この二つは好きな野菜の給食メニューでも上位だった(表 2)。そのため、給食でも家でも、 同じような料理を子どもが好んでいることが明らかになった。また、給食メニューに比べて、好きな野 菜料理の項目にバラつきが見られた。このことから、家庭では多種多様な料理が出ており、子どもの食 の好みや味覚形成に影響を与えていることが示唆された。 - 57 - 各種野菜の好き嫌いについては、オクラ以外の野菜において、野菜嫌い群と比べて野菜が好き群で好 きと回答していた(表 4;オクラ以外の野菜 p<0.05)。オクラは、野菜嫌い群と野菜好き群で差は見られず (p=0.313)、野菜嫌い群であっても半数以上が好きと回答していた。これらの結果から、オクラに関して は、野菜が嫌いであっても好きだと思っている子どもが多いことが明らかになった。さらに野菜嫌い群 において、知らない野菜はゴボウ、シイタケ、コマツナ、サヤインゲンが挙げられており、野菜好きな 群においても、コマツナ、サヤインゲンが挙げられていた。特にコマツナとサヤインゲンは各群 6-7 名 が知らないと答えており、日常でなかなか触れる機会が少ないことが推察される。これらの野菜につい て本物を見せたり、給食に入れていったりするなどの食育が重要ではないかと考えられた。 好きな野菜と嫌いな野菜は、順に 3 位までを記載してもらい、1 位を 3 点、2 位を 2 点、3 位を 1 点と して集計した(表 5、表 6)。好きな野菜は、野菜の好き嫌い関係なく、トマト、キュウリ、オクラと上位 3 位が同じだった。これらの野菜が好きな理由として、おいしいから、甘いからなどの味が多く書かれて いた。嫌いな野菜も、野菜の好き嫌い関係なく、ピーマン、ナスと上位 2 位が同じだった。3 位は、野菜 が嫌い群はゴボウ、野菜が好きな群はシイタケだった。これらの野菜が嫌いな理由として、苦い、まず いなどの味が多く書かれていた。これらの結果から、好きな野菜は夏野菜が多く、嫌いな野菜は苦みや 灰汁がある野菜であり、理由として味が挙げられることが示唆された。今回好き嫌いの上位に挙げられ たトマトやピーマンなどの緑黄色野菜に多く含まれるβカロテンは、皮膚や粘膜を正常にしたり、免疫 機能を維持するために重要な栄養素である。子どもにとっても重要な栄養素の為、その働きを知らせる などによって、これらの野菜摂取を促す食育が必要であると考えられた。 - 58 - 表 1 小学生:性別および摂取頻度の比較(野菜が嫌い VS 野菜が好き) 野菜が嫌い 野菜が好き n=19 n=41 人数 割合 人数 割合 n (%) n (%) 男子 11 57.9 18 43.9 女子 8 42.1 23 56.1 食べない 0 0.0 0 0.0 食べない日が多い 1 5.6 0 0.0 食べる日が多い 2 11.1 8 20.5 毎日食べる 15 83.3 31 79.5 朝食での 食べない 4 23.5 5 13.2 野菜の摂取頻度 食べない日が多い 6 35.3 9 23.7 食べる日が多い 4 23.5 8 21.1 毎日食べる 3 17.6 16 42.1 夕食での 食べない 0 0.0 1 2.5 野菜の摂取頻度 食べない日が多い 5 26.3 2 5.0 食べる日が多い 11 57.9 13 32.5 毎日食べる 3 15.8 24 60.0 性別 朝食の摂取頻度 p値 0.408 0.812 0.075 0.001 人数および割合(%)で示した。性別:X2 検定. 朝食の摂取頻度、朝食での野菜の摂取頻度、夕食での野 菜の摂取頻度:Mann-WhitneyU 検定. 欠損値は除いた。 - 59 - 表 2 小学生:好きな野菜の給食メニューの比較(野菜が嫌い VS 野菜が好き) 野菜が嫌い 野菜が好き n=19 n=41 人数 割合 人数 割合 n (%) n (%) カレー 6 40.0 12 29.3 スープ類 2 13.3 15 36.6 サラダ類 3 20.0 4 9.8 津餃子 0 0.0 3 7.3 みそ汁 0 0.0 3 7.3 野菜そのもの 1 6.7 2 4.9 ビビンバ 2 13.3 0 0.0 ポークビーンズ 0 0.0 1 2.4 シチュー 0 0.0 1 2.4 八宝菜 1 6.7 0 0.0 p値 0.107 X2 検定. スープ類:スープ、野菜スープ、冬野菜スープ、春雨スープ、トマトスープ サラダ類:中華サラダ、キャベツ昆布和え、キャベツ紫蘇和え 野菜そのもの:レタス、にんじん - 60 - 表 3 小学生:好きな野菜の家でのメニューの比較(野菜が嫌い VS 野菜が好き) 野菜が嫌い 野菜が好き n=19 n=41 人数 割合 人数 割合 n (%) n (%) カレー 4 26.7 10 25.6 サラダ類 4 26.7 9 23.1 スープ類 1 6.7 4 10.3 野菜炒め類 0 0.0 4 10.3 シチュー類 1 6.7 2 5.2 やきそば 1 6.7 1 2.6 酢の物類 0 0.0 2 5.2 ごま和え類 2 13.3 0 0.0 p値 0.524 2 名以上記載していたメニューを表にした。X2 検定. 1名だけのメニューは、天ぷら、ホットドック、ピーマンの肉詰め、キムチ鍋 ポトフ、オムライス、みそ汁、春巻き、野菜そのもの(ブロッコリー)であった。 サラダ類:サラダ、ポテトサラダ、ツナサラダ、イタリアンサラダ、じゃがりこサラダ、 キャベツ紫蘇和え スープ類:野菜スープ、カボチャスープ、トマトスープ 野菜炒め類:野菜炒め、ナス炒め、もやし炒め シチュー類:シチュー、ビーフシチュー 酢の物類:キュウリの酢の物、オクラポン酢 ごま和え類:コマツナのごま和え、ホウレンソウのごま和え - 61 - 表 4 小学生:各種野菜の好き嫌いの比較(野菜が嫌い VS 野菜が好き) キャベツ ハクサイ ホウレンソウ レタス ブロッコリー ネギ ニンジン 野菜が嫌い 野菜が好き n=19 n=41 人数 割合 人数 割合 n (%) n (%) 知らない 0 0.0 0 0.0 嫌い 4 21.1 4 9.8 普通 13 68.4 8 19.5 好き 2 10.5 29 70.7 知らない 0 0.0 0 0.0 嫌い 10 52.6 1 2.4 普通 6 31.6 17 41.5 好き 3 15.8 23 56.1 知らない 0 0.0 0 0.0 嫌い 12 63.2 3 7.3 普通 6 31.6 15 36.6 好き 1 5.3 23 56.1 知らない 0 0.0 0 0.0 嫌い 8 42.1 2 4.9 普通 7 36.8 9 22.0 好き 4 21.1 30 73.2 知らない 0 0.0 0 0.0 嫌い 7 36.8 3 7.3 普通 8 42.1 11 26.8 好き 4 21.1 27 65.9 知らない 0 0.0 0 0.0 嫌い 7 36.8 2 4.9 普通 10 52.6 22 53.7 好き 2 10.5 17 41.5 知らない 0 0.0 0 0.0 嫌い 4 21.1 1 2.4 普通 9 47.4 12 29.3 好き 6 31.6 28 68.3 - 62 - p値 <0.001 <0.001 <0.001 <0.001 <0.001 0.001 0.003 ダイコン タマネギ ゴボウ トマト ナス キュウリ ピーマン シイタケ オクラ 知らない 0 0.0 0 0.0 嫌い 6 31.6 1 2.4 普通 6 31.6 17 41.5 好き 7 36.8 23 56.1 知らない 0 0.0 0 0.0 嫌い 3 15.8 1 2.4 普通 11 57.9 14 34.1 好き 5 26.3 26 63.4 知らない 1 5.3 0 0.0 嫌い 8 42.1 2 4.9 普通 4 21.1 19 46.3 好き 6 31.6 20 48.8 知らない 0 0.0 0 0.0 嫌い 8 42.1 3 7.3 普通 4 21.1 6 14.6 好き 7 36.8 32 78.0 知らない 0 0.0 0 0.0 嫌い 13 68.4 7 17.1 普通 2 10.5 12 29.3 好き 4 21.1 22 53.7 知らない 0 0.0 0 0.0 嫌い 3 15.8 0 0.0 普通 8 42.1 6 14.6 好き 8 42.1 35 85.4 知らない 0 0.0 0 0.0 嫌い 11 57.9 9 22.0 普通 7 36.8 10 24.4 好き 1 5.3 22 53.7 知らない 1 5.3 0 0.0 嫌い 8 42.1 7 17.1 普通 7 36.8 16 39.0 好き 3 15.8 18 43.9 知らない 0 0.0 0 0.0 嫌い 5 26.3 7 17.1 普通 4 21.1 7 17.1 好き 10 52.6 27 65.9 - 63 - 0.031 0.004 0.010 0.001 0.001 <0.001 <0.001 0.007 0.313 カボチャ コマツナ サヤインゲン タケノコ 知らない 0 0.0 0 0.0 嫌い 5 26.3 2 4.9 普通 7 36.8 12 29.3 好き 7 36.8 27 65.9 知らない 6 31.6 6 14.6 嫌い 9 47.4 4 9.8 普通 3 15.8 14 34.1 好き 1 5.3 17 41.5 知らない 7 36.8 6 14.6 嫌い 9 47.4 4 9.83 普通 3 15.8 14 34.1 好き 0 0.0 17 41.5 知らない 0 0.0 0 0.0 嫌い 5 26.3 2 4.9 普通 11 57.9 15 36.6 好き 3 15.8 24 58.5 人数および割合(%)で示した。Mann-WhitneyU 検定. - 64 - 0.015 <0.001 <0.001 0.001 表 5 小学生:好きな野菜(野菜が嫌い VS 野菜が好き) 野菜が嫌い 野菜が好き n=19 n=41 点数 人数 点数 人数 点 n 点 n トマト 16 7 38 16 キュウリ 11 5 26 14 オクラ 10 5 24 14 ナス 1 1 19 8 キャベツ 8 5 18 9 カボチャ 8 4 15 8 レタス 8 4 9 5 タケノコ 6 2 18 7 ピーマン 2 1 14 6 ブロッコリー 0 0 14 7 ニンジン 7 3 12 6 タマネギ 3 1 12 7 ハクサイ 2 1 6 4 シイタケ 0 0 5 3 ネギ 5 2 3 2 ダイコン 3 1 3 1 ゴボウ 3 1 3 1 ホウレンソウ 2 1 3 1 コマツナ 1 1 0 0 サヤインゲン 0 0 0 0 1番目に好きな野菜を3点、2番目に好きな野菜を2点、3番目に好きな野菜を1点とし、合 計点と人数で示した。欠損値があるため、人数の合計と n 数は異なる。 - 65 - 表 6 小学生:嫌いな野菜(野菜が嫌い VS 野菜が好き) 野菜が嫌い 野菜が好き n=19 n=41 点数 人数 点数 人数 点 n 点 n ピーマン 26 11 21 8 ナス 14 7 16 6 ゴボウ 9 4 8 3 トマト 8 3 11 4 キャベツ 5 2 8 3 タケノコ 5 2 3 2 タマネギ 5 2 0 0 ハクサイ 5 2 0 0 ネギ 4 3 4 2 ニンジン 4 2 0 0 キュウリ 4 2 0 0 シイタケ 3 1 16 7 カボチャ 3 1 3 2 サヤインゲン 2 2 5 3 ホウレンソウ 2 2 3 1 オクラ 1 1 10 5 ダイコン 1 1 2 1 ブロッコリー 1 1 2 1 コマツナ 0 0 6 3 レタス 0 0 2 2 1番目に嫌いな野菜を3点、2番目に嫌いな野菜を2点、3番目に嫌いな野菜を1点とし、合 計点と人数で示した。欠損値があるため、人数の合計と n 数は異なる。 - 66 - ② 高校生スーパー食育スクール事業前(野菜が嫌い VS 野菜が好き) 野菜が嫌い群は 43 名、野菜が好き群は 165 名であり(表 7)、両群間で性別に差は見られなかった(p= 0.755)。野菜が嫌い群と比べて野菜が好き群では、食育関心度は高く(p=0.032)、スーパーやコンビニで 弁当や総菜を買うとき、健康のことを意識し(p=0.033)、夕食での野菜の摂取頻度が多く(p<0.001)、1 日 の野菜摂取皿数が多く(p=0.022)、野菜摂取自己評価が高く(p=0.018)、野菜摂取の意思も 1 か月以内に増 やそうと思う準備期以降の学生が多かった(p<0.001)(表 7)。一方で、月に1回以上、主食・主菜・副菜・ 汁物のそろった食事を自分で作るか(p=0.202)、食生活で困っている事(p=0.649)、食事の時刻(p=0.593)、 朝食の摂取頻度(p=0.529)、朝食での野菜の摂取頻度(p=0.131)については、野菜の好き嫌いで差は見られ なかった。これらの結果から、野菜が好きな学生は野菜に対する意識が高く、その意識の高さが中食時 や夕食時での野菜摂取量に繋がっていることが示唆された。しかし、食事を自分で作るまでのことはせ ず、家族に食を依存しているため、朝食での野菜摂取量に差が見られなかったことも示唆された。高校 生は十分調理ができる年代であり、卒業すると進学や就職などで家族に食を依存できなくなる学生もい る。そのため、在学時から野菜を多く摂取できるような料理を家でも行うように教育することが重要で あると考えられた。野菜嫌い群では、野菜摂取不足の理由として野菜が嫌いだからを挙げた学生が最も 多かった。野菜の栽培や産地での試食など、野菜が好きになるような取組が必要であると考えられた。 一方、野菜好き群では、野菜摂取不足の理由として、野菜の値段が高いから、野菜料理のレパートリー が少ないからが挙がっていた。これらの 2 つの理由は、家で料理をしない理由にも繋がる。野菜摂取量 をさらに増やすためには、野菜の値段と他の食品の値段の比較、季節ごとの値段の比較、野菜料理の調 理実習などの食育が必要であると考えられた。その他の理由として、家で野菜料理が出てこないと記載 した学生が多かった。野菜の摂取量を増やすためには、家庭との連携も重要であることが示唆された。 好きな野菜の家でのメニュー上位 3 位は、野菜の好き嫌い関係なく、サラダ、野菜炒め、みそ汁・豚 汁が挙がっていた(野菜好き群はスープが同率 3 位)(表 8)。これらは比較的簡単に料理ができることがで きるため、家庭の食卓に上がりやすいことが推察された。また、多種多様な料理名が挙がっており、家 庭での野菜料理が多岐に渡ることも推察された。各種野菜の好き嫌いの比較では、全ての野菜において、 野菜嫌い群と比べて野菜が好き群で好きと回答していた(表 9; p<0.05)。これらの結果から、野菜好き な学生は、野菜の種類に関係なく、野菜全般が好きだと思っていることが示唆された。さらに、知らな い野菜として、複数人がコマツナ、サヤインゲンを挙げていた。コマツナやサヤインゲンの実物を見せ る、調理に使うなどの工夫が必要だと考えられた。 好きな野菜と嫌いな野菜は、順不同に 5 つまでを記載してもらい、人数を集計した。好きな野菜は、 野菜の好き嫌い関係なく、トマト、カボチャと上位 2 位が同じだった(表 10)。嫌いな野菜は、野菜嫌い 群はピーマン、野菜好き群はシイタケだった(表 11)。どうしても食べられない野菜は、野菜嫌い群では、 ナス、ピーマン、野菜好き群では、シイタケ、トマトだった(表 12)。これらの結果から、好きな野菜は ある程度同じような傾向を示すが、嫌いな野菜は多岐に渡ることが示唆された。野菜の中でも、好きな 野菜にもどうしても食べることができない野菜にも挙げられているトマトは、好き嫌いがはっきり分か れる野菜であることが推察された。トマトにはビタミン C や、独自のポリフェノールであるリコピンが 含まれる。日本でも多種類の品種が出回っているため、その栄養価の違いや食べ比べるなどの食育をす ることによって、興味を持つことが重要であると考えられた。 - 67 - 表 7 高校生:属性および摂取頻度の比較(野菜が嫌い VS 野菜が好き) 野菜が嫌い 野菜が好き n=43 n=165 人数 割合 人数 割合 n (%) n (%) 男子 4 9.5 13 7.9 女子 38 90.5 151 92.1 関心がない 5 11.6 14 8.5 どちらかといえば 13 30.2 36 21.8 23 53.5 83 50.3 関心がある 2 4.7 32 19.4 スーパーやコンビ 意識していない 8 18.6 23 13.9 ニで弁当や総菜を どちらかというと 20 46.5 47 28.5 買うとき、健康のこ 意識していない 10 23.3 70 42.4 意識している 5 11.6 25 15.2 月に1回以上、主 ない 33 76.7 109 66.1 食・主菜・副菜・汁 ある 10 23.3 56 33.9 食生活で困ってい ない 35 81.4 138 84.1 る事 ある 8 18.6 26 15.9 食事の時刻 決まっていない 5 11.6 16 9.7 あまり 10 23.3 40 24.2 25 58.1 89 53.9 決まっている 3 7.0 20 12.1 全く食べない 3 7.0 5 3.0 時々食べない日が 12 27.9 46 27.9 毎日食べる 28 65.1 114 69.1 全く食べない 25 58.1 81 49.1 性別 食育関心度 p値 0.755 0.032 関心がない どちらかといえば 関心がある とを意識するか どちらかというと 0.033 意識している 0.202 物のそろった食事 を自分で作るか 0.649 0.593 決まっていない だいたい 決まっている 朝食の摂取頻度 0.529 ある 朝食での - 68 - 0.131 18 41.9 67 40.6 毎日食べる 0 0.0 17 10.3 夕食での 全く食べない 5 11.6 3 1.8 野菜の摂取頻度 時々食べない日が 29 67.4 79 47.9 毎日食べる 9 20.9 83 50.3 0-1 皿 27 62.8 62 38.3 1-2 皿 11 25.6 86 53.1 2-3 皿 5 11.6 14 8.6 不足している 23 53.5 56 34.6 少し不足している 16 37.2 74 45.7 ほぼ食べている 3 7.0 29 17.9 食べている 1 2.3 3 1.9 増やそうとは思わ 19 44.2 31 19.1 10 23.3 36 22.2 14 32.6 77 47.5 0 0.0 11 6.8 0 0.0 7 4.3 野菜が嫌いだから 27 69.2 9 6.8 野菜の値段が高い 3 7.7 51 38.6 4 10.3 43 32.6 5 12.8 29 22.0 野菜の摂取頻度 時々食べない日が ある <0.001 ある 野菜摂取皿数 野菜摂取自己評価 野菜摂取の意思 0.022 0.018 <0.001 ない 6か月以内に増や そうと思う 1か月以内に増や そうと思う すでに増やしたが 6 か月未満である すでに増やして 6 か 月以上たってい る 野菜不足の理由 <0.001 から 野菜料理のレパー トリーが少ないか ら その他 人数および割合(%)で示した。X2 検定:性別、食生活で困っている事、野菜不足の理由. Mann-WhitneyU 検定:食育関心度、スーパーやコンビニで弁当や総菜を買うとき、健康のことを意識するか、月に1回 以上、主食・主菜・副菜・汁物のそろった食事を自分で作るか、食事の時刻、朝食の摂取頻度、朝食で の野菜の摂取頻度、夕食での野菜の摂取頻度、野菜摂取皿数、野菜摂取自己評価、野菜摂取の意思. 表 8 好きな野菜の家でのメニューの比較(野菜が嫌い VS 野菜が好き) - 69 - 野菜が嫌い 野菜が好き n=43 n=165 人数 割合 人数 割合 n (%) n (%) サラダ 11 25.6 60 36.4 野菜炒め 4 9.3 20 12.1 みそ汁・豚汁 4 9.3 10 6.1 スープ 2 4.7 10 6.1 肉じゃが 3 7.0 7 4.2 ハンバーグ 0 0.0 8 4.8 ロールキャベツ 2 4.7 5 3.0 カレー 2 4.7 5 3.0 鍋 1 2.3 6 3.6 煮物 1 2.3 6 3.6 シチュー 0 0.0 5 3.0 ピーマンの肉詰め 2 4.7 3 1.8 お浸し 1 2.3 4 2.4 5 名以上記載していたメニューを表にした。複数回答があるため、合計は n 数と異なる。5 名未満のメニューは、冷しゃぶ、にんじん(しりしり、グラッセ)、オムライス、ゴーヤチ ャンプルー、チンジャオロース、マーボーナス、きんぴら(にんじん、ゴボウ) 、ポークビ ーンズ、ホイコーロ、焼そば、シチュー、サンドイッチ、ポトフ、八宝菜、田楽、酢の物、 焼き芋、餃子、お好み焼き、ラザニア、酢豚であった。 - 70 - 表 9 高校生:各種野菜の好き嫌いの比較(野菜が嫌い VS 野菜が好き) キャベツ ハクサイ ホウレンソウ レタス ブロッコリー ネギ ニンジン 野菜が嫌い 野菜が好き n=43 n=165 人数 割合 人数 割合 n (%) n (%) 知らない 0 0.0 0 0.0 嫌い 12 27.9 3 1.8 普通 25 58.1 58 35.2 好き 6 14.0 104 63.0 知らない 0 0.0 0 0.0 嫌い 6 14.0 3 1.8 普通 22 51.2 55 33.3 好き 15 34.9 107 64.8 知らない 0 0.0 0 0.0 嫌い 12 28.6 2 1.2 普通 12 28.6 57 34.5 好き 18 42.9 106 64.2 知らない 0 0.0 0 0.0 嫌い 6 14.3 5 3.0 普通 21 50.0 44 26.7 好き 15 35.7 116 70.3 知らない 0 0.0 0 0.0 嫌い 26 60.5 11 6.7 普通 12 27.9 59 35.8 好き 5 11.6 95 57.6 知らない 0 0.0 1 0.6 嫌い 13 30.2 25 15.2 普通 16 37.2 52 31.5 好き 14 32.6 87 52.7 知らない 1 2.3 0 0.0 嫌い 22 51.2 30 18.2 普通 15 34.9 74 44.8 好き 5 11.6 61 37.0 - 71 - p値 <0.001 <0.001 <0.001 <0.001 <0.001 0.009 <0.001 ダイコン タマネギ ゴボウ トマト ナス キュウリ ピーマン シイタケ オクラ 知らない 0 0.0 0 0.0 嫌い 7 16.3 7 4.2 普通 20 46.5 51 30.9 好き 16 37.2 107 64.8 知らない 0 0.0 1 0.6 嫌い 12 27.9 13 7.9 普通 15 34.9 57 34.5 好き 16 37.2 94 57.0 知らない 0 0.0 0 0.0 嫌い 8 18.6 9 5.5 普通 22 51.2 80 48.5 好き 13 30.2 76 46.1 知らない 0 0.0 1 0.6 嫌い 10 23.3 29 17.6 普通 15 34.9 31 18.8 好き 18 41.9 104 63.0 知らない 0 0.0 0 0.0 嫌い 18 41.9 31 18.8 普通 10 23.3 45 27.3 好き 15 34.9 89 53.9 知らない 0 0.0 0 0.0 嫌い 14 32.6 4 2.4 普通 11 25.6 46 27.9 好き 18 41.9 115 69.7 知らない 0 0.0 0 0.0 嫌い 22 51.2 29 17.6 普通 18 41.9 60 36.4 好き 3 7.0 76 46.1 知らない 0 0.0 1 0.6 嫌い 18 41.9 43 26.1 普通 14 32.6 47 28.5 好き 11 25.6 74 44.8 知らない 1 2.3 0 0.0 嫌い 14 32.6 14 8.5 普通 13 30.2 50 30.3 好き 15 34.9 101 61.2 - 72 - <0.001 0.003 0.013 0.030 0.004 <0.001 <0.001 0.017 <0.001 カボチャ コマツナ サヤインゲン タケノコ 知らない 0 0.0 0 0.0 嫌い 5 11.6 6 3.6 普通 19 44.2 37 22.4 好き 19 44.2 122 73.9 知らない 2 4.7 8 4.9 嫌い 15 34.9 13 7.9 普通 20 46.5 83 50.6 好き 6 14.0 60 36.6 知らない 1 2.3 7 4.3 嫌い 23 53.5 27 16.5 普通 14 32.6 76 46.3 好き 5 11.6 54 32.9 知らない 0 0.0 1 0.6 嫌い 10 23.3 13 7.9 普通 16 37.2 61 37.0 好き 17 39.5 90 54.5 人数および割合(%)で示した。Mann-WhitneyU 検定. 表 10 高校生:好きな野菜(野菜が嫌い VS 野菜が好き) - 73 - <0.001 <0.001 <0.001 0.023 野菜が嫌い 野菜が好き n=43 n=165 人数 割合 人数 割合 n % n % トマト 11 25.6 54 32.7 カボチャ 8 18.6 35 21.2 オクラ 6 14.0 31 18.8 レタス 6 14.0 27 16.4 ナス 4 9.3 24 14.5 キュウリ 7 16.3 21 12.7 ハクサイ 6 14.0 18 10.9 キャベツ 1 2.3 21 12.7 ホウレンソウ 5 11.6 16 9.7 ブロッコリー 1 2.3 20 12.1 ネギ 3 7.0 16 9.7 タマネギ 6 14.0 13 7.9 タケノコ 3 7.0 15 9.1 ピーマン 1 2.3 14 8.5 シイタケ 4 9.3 10 6.1 ダイコン 4 9.3 10 6.1 ゴボウ 4 9.3 7 4.2 ニンジン 0 0.0 3 1.8 コマツナ 0 0.0 2 1.2 サヤインゲン 0 0.0 2 1.2 複数回答がある為、合計は n 数と異なる。 - 74 - 表 11 高校生:嫌いな野菜(野菜が嫌い VS 野菜が好き) 野菜が嫌い 野菜が好き n=43 n=165 人数 割合 人数 割合 n % n % シイタケ 5 11.6 27 16.4 ピーマン 9 20.9 17 10.3 ニンジン 6 14.0 16 9.7 トマト 7 16.3 12 7.3 ナス 5 11.6 12 7.3 ネギ 3 7.0 11 6.7 タケノコ 3 7.0 11 6.7 サヤインゲン 2 4.7 9 5.5 タマネギ 3 7.0 7 4.2 ブロッコリー 4 9.3 5 3.0 キャベツ 4 9.3 3 1.8 コマツナ 1 2.3 6 3.6 キュウリ 5 11.6 1 0.6 ゴボウ 1 2.3 4 2.4 オクラ 0 0.0 5 3.0 ハクサイ 2 4.7 2 1.2 カボチャ 2 4.7 2 1.2 ダイコン 3 7.0 0 0.0 ホウレンソウ 1 2.3 1 0.6 レタス 1 2.3 1 0.6 複数回答がある為、合計は n 数と異なる。 - 75 - 表 12 高校生:どうしても食べる事ができない野菜(野菜が嫌い VS 野菜が好き) 野菜が嫌い 野菜が好き n=43 n=165 人数 割合 人数 割合 n % n % シイタケ 6 14.0 13 7.9 ナス 10 23.3 4 2.4 トマト 3 7.0 11 6.7 ニンジン 6 14.0 7 4.2 ピーマン 9 20.9 3 1.8 ネギ 6 14.0 3 1.8 オクラ 6 14.0 3 1.8 タマネギ 5 11.6 3 1.8 ブロッコリー 4 9.3 0 0.0 キュウリ 4 9.3 0 0.0 タケノコ 1 2.3 2 1.2 ゴボウ 1 2.3 1 0.6 コマツナ 2 4.7 0 0.0 サヤインゲン 1 2.3 1 0.6 ハクサイ 0 0.0 1 0.6 カボチャ 0 0.0 1 0.6 キャベツ 0 0.0 0 0.0 ホウレンソウ 0 0.0 0 0.0 ダイコン 0 0.0 0 0.0 レタス 0 0.0 0 0.0 複数回答がある為、合計は n 数と異なる。 - 76 - ③ 小学生保護者と高校生保護者の比較(スーパー食育スクール事業実施前) 小学生保護者の年代は 30 代と 40 代が大多数であり、 高校生保護者の年代は 40 代が大多数であった(表 13、p<0.001)。性別は、両者とも女性が 9 割以上であった(p=0.535)。このことから、子どもの食に直接 かかわっているのは大半が母親であることが示唆された。子どもに対する食育関心度は、関心がある、 どちらかといえば関心があると答えた保護者は 8 割以上であり、子どもに対する食育の関心が高いこと が伺えた。子どもの食生活に困っていると回答した割合は、高校生保護者に比べて小学生保護者に多か った(p<0.001)。特に小学生は成長期にあたり、なおかつ食を保護者に依存しているため、子どもの食生 活をよりよいものにしようとする意志がみられたのではないかと推察した。子どもの食生活で困ってい ることは、両者とも、1 位: 「好き嫌いがある」、2 位: 「野菜を食べない・苦手である」、3 位: 「偏食があ る」 (高校生保護者は「食べる量が増えない」も同率 3 位)であった(表 14)。小学生の保護者の方が悩む 割合は多いが、子どもが成長しても、保護者の悩みの内容は変化しないことが示唆された。なお小学生 保護者が回答した項目数は 13 項目、高校生保護者が回答した項目数は 16 項目であり、高校生の食生活 について困っていることは、より個別化していることも示唆された。 家庭での食生活・食意識として、小学生の家庭の方が、食事の時刻はほぼ決まっており(p=0.003)、調 理済み冷凍食品や市販の惣菜を使わない(p=0.001)ことが分かった(表 15)。小学生の家庭の方が規則正し く、より食生活に気を使って手作りをしていることが示唆された。一方、子どもと一緒に料理したり、 子どもの料理の手伝いをさせたりすることは、高校生の家庭の方が行っている傾向が見られた(p<0.1)。 小学生と比べて高校生は料理ができる年代である。そのため、家庭でも親子で一緒に料理する機会があ ることが示唆された。 小学生保護者と高校生保護者の 4 割以上が、家庭で子どもが食べている野菜料理皿数は、1-2 皿程度だ と答えた(表 16)。0-1 皿と答えた保護者も小学生保護者では 24.1%、高校生保護者では 30.1%おり、0-2 皿(0~140g 程度)の家庭が 7 割以上だった。野菜料理 5 皿がだいたい野菜 350g(成人に必要な野菜摂取量) に相当する。この結果より、家庭で食べている野菜摂取量は少なく、小学生では給食での野菜摂取にか なり依存していることが推察される。給食時での食育も重要であるが、それを家庭に還元することも重 要であることが示唆された。 小学生保護者と高校生保護者の 5 割以上が、自分自身の野菜摂取量が少し不足していると答えた(表 16)。 不足していると答えた保護者も、小学生保護者では 18.5%、高校生保護者では 19.9%おり、不足してい ると少し不足していると答えた保護者を合わせると 7 割以上だった。今後増やそうと思うと答えた保護 者は小学生保護者で 63.3%、高校生保護者で 53.7%おり(表 17)、野菜不足を自覚している保護者が多い ことから、家庭全体での野菜摂取量を増やす取り組みが必要だと考えられた。 野菜不足の理由として、両者とも 1 位: 「野菜の値段が高いから」 、2 位:「野菜料理のレパートリーは 少ないから」を挙げていた。小学生保護者の 2 割は、 「調理するのが大変だから」を挙げていた。高校生 と同様な理由だったことから、高校生の教育を通して保護者にも野菜摂取に関する教育の内容を還元す ることが重要であると示唆された。さらに、高校生保護者のみ、野菜不足の理由として自由記述の記載 があった。同率 1 位は「就労などで忙しく、調理や食事の時間が取れないため」、 「家族に合わせている と野菜量が減るため」だった。就労や家族の食の好みによって、保護者自身の野菜摂取量が左右される ことが推察された。 - 77 - 表 13 小学生保護者と高校生保護者の比較 小学生保護者 高校生保護者 n=56 n=198 人数 割合 人数 割合 n (%) n (%) 20 代 5 8.9 1 0.5 30 代 26 46.4 26 13.1 40 代 24 42.9 151 76.3 50 代 1 1.8 20 10.1 男性 2 3.6 14 7.1 女性 54 96.4 184 92.9 関心がある 9 16.1 55 27.8 どちらかといえば 40 71.4 112 56.6 7 12.5 28 14.1 関心がない 0 0.0 3 1.5 子どもの食生活で ある 32 59.3 54 27.8 困っていること ない 22 40.7 140 72.2 年代 性別 食育関心度 p値 <0.001 0.535 0.334 関心がある どちらかといえば 関心がない <0.001 人数および割合(%)で示した。X2 検定:性別、子どもの食生活で困っていること. Mann-WhitneyU 検 定:年代、食育関心度. - 78 - 表 14 子どもの食生活で困っていること(自由記述) 小学生保護者 高校生保護者 n=39 n=68 人数 割合 人数 割合 n (%) n (%) 好き嫌いがある 12 30.1 16 23.5 野菜を食べない・苦手である 9 23.1 10 14.7 偏食がある 3 7.7 7 10.3 いつもと違う味付けを嫌がる 2 5.1 2 2.9 米を食べない 2 5.1 0 0.0 食が細い 1 2.6 7 10.3 食べる量が増えない 1 2.6 5 7.4 おやつばかり食べる 1 2.6 2 2.9 朝ごはんを食べない 1 2.6 2 2.9 食べるのに時間がかかる 2 5.1 0 0.0 魚が苦手である 1 2.6 5 7.4 家族で食の好みが違う 1 2.6 0 0.0 食べむらがある 1 2.6 0 0.0 栄養バランスを考えられない 0 0.0 4 5.9 肉が嫌い 0 0.0 2 2.9 作った食事に文句が多い 0 0.0 2 2.9 体つくりの食事になっているか分からない 0 0.0 1 1.5 鉄不足である 0 0.0 1 1.5 牛乳が飲めない 0 0.0 1 1.5 海老が食べられない 0 0.0 1 1.5 人数および割合(%)で示した。小学生保護者と高校生保護者で、子どもの食生活に困っている事があると 回答した保護者を対象とした。複数回答があるため、合計が n 数と異なる。 - 79 - 表 15 家庭での食生活・食意識の比較 p値 小学生保護者 高校生保護者 n=56 n=198 食事の時刻はほぼ決まっている 3.43±0.71 3.10±0.80 0.003 同じ野菜でも調理方法を変えるように心がけている 3.05±0.75 2.99±0.71 0.557 栄養バランスを考えて料理をしている 3.09±0.61 2.91±0.73 0.130 子どもに食べ物や健康の話をしている 2.78±0.83 2.64±0.82 0.192 子どもと一緒に野菜を買いに行く 2.68±0.94 2.59±0.96 0.476 子どもの好みに合わせた料理を作る 2.91±0.69 2.86±0.70 0.702 子どもと一緒に料理をしたり、 2.43±0.83 2.67±0.88 0.064 2.25±0.86 2.65±0.76 0.001 子どもに料理のお手伝いをさせたりする 調理済み冷凍食品や市販の惣菜を使う 当てはまるを 4 点、まぁまぁ当てはまるを 3 点、あまり当てはまらないを 2 点、当てはまらないを 1 点 とし、値は平均値±標準偏差で示した。 (中央値で示すと 3 または 4 になり差が分かりにくいため); Mann-WhitneyU 検定 表 16 野菜摂取量の比較 小学生保護者 高校生保護者 n=54 n=196 人数 割合 人数 割合 n (%) n (%) 保護者から見た 0-1 皿 13 24.1 59 30.1 子どもの 1 日の 1-2 皿 25 46.3 97 49.5 野菜料理皿数 2-3 皿 16 29.6 34 17.3 (昼食を除く) 4 皿以上 0 0.0 6 3.1 保護者の野菜料理 不足している 10 18.5 39 19.9 摂取量の自己評価 少し不足している 29 53.7 101 51.5 ほぼ食べている 12 22.2 46 23.5 食べている 3 5.6 10 5.1 人数および割合(%)で示した。Mann-WhitneyU 検定 - 80 - p値 0.208 0.949 表 17 野菜不足と回答した保護者の比較 小学生保護者 人数 割合 人数 割合 n (%) n (%) n=30 野菜摂取量に対 する今後の意思 p値 n=108 少しずつ増やしている 10 33.3 44 40.7 今後増やそうと思う 19 63.3 58 53.7 増やす予定はない 1 3.3 6 5.6 n=29 保護者の野菜 不足の理由 高校生保護者 0.587 n=99 野菜が嫌いだから 1 2.9 5 4.3 野菜の値段が高いから 14 41.2 50 42.7 野菜料理のレパートリーが 12 35.3 35 29.9 調理するのが大変だから 7 20.6 11 9.4 その他 0 0.0 16 13.7 少ないから 人数および割合(%)で示した。Mann-WhitneyU 検定:野菜摂取量に対する今後の意思。保護者の野菜料 理摂取量の自己評価で、少し不足しているまたは不足していると回答した保護者を対象とした。複数回 答があるため、合計は n 数と異なる。 表 18 野菜不足の理由(自由記述) 高校生保護者 n=14 人数 割合 n (%) 就労などで忙しく、調理や食事の時間が取れないため 4 26.7 家族に合わせていると野菜量が減るため 4 26.7 元々食べる量が少ないため 2 13.3 食べるタイミングによって野菜量が少ない日があるため 2 13.3 前日の残り物など、同じものばかり食べたくないため 1 6.7 肉や野菜が好きなため 1 6.7 人数および割合(%)で示した。 - 81 - (2). 野菜嫌いになる要因や普段の食生活の実態の変化-スーパー食育スクール事業前後の比較- ① 小学生スーパー食育スクール事業前後の比較 朝食の摂取頻度、朝食や夕食での野菜の摂取頻度および野菜の好き嫌いは、スーパー食育スクール事 業の前後で変化は見られなかった(表 19;p>0.005)。この間 4 か月しか経っておらず、変化は今後見られ るのではないかと考えられた。好きな野菜の給食メニューは、上位 2 位であるカレー、スープ類には同 じであったが、3 位は事業前がサラダ類であり、事業後は津餃子が挙がっていた(表 20)。これは、給食に 津餃子を出し、キャベツがたくさん入っていることを伝えることで、子どもたちがより好んだのではな いかと推察された。好きな野菜の家でのメニューは、事業前後で変化が見られた(表 21;p<0.001)。事業 後には同率 1 位に野菜炒めが入っており、スーパー食育スクール事業の影響が見られたと考えられる。 野菜炒めは手軽であり、高学年になれば自分で料理することもできるようになる。スーパー食育スクー ル事業の一過性に終わらせることなく、今後に繋げていくことが重要だと考えられた。各種野菜の好き 嫌いの変化は、ハクサイ(p=0.003)、ニンジン(p=0.025)、ダイコン(p=0.014)、コマツナ(p=0.019)で見 られた(表 22)。その中でも、ハクサイ、ダイコンおよびコマツナは好きになった割合が多くなったが、 ニンジンは逆の結果であり、その理由は不明である。コマツナ、サヤインゲンは複数人が知らないと回 答しているが、スーパー食育スクール後には微減していた。これらの野菜を身近に感じる機会をもっと 作る事が大切だと思われた。好きな野菜も嫌いな野菜は上位 3 位までは変化がなく、小学生にはトマト、 キュウリ、オクラなどの夏野菜が好まれ、ピーマン、ナス、シイタケが好まれないのが明らかになった(表 23、表 24)。理由として味が挙げっているため、味付けに工夫をすれば、好まれない野菜でも食べられる ようになる可能性が示された。 - 82 - 表 19 小学生:食事や野菜摂取頻度の変化(事業前 VS 事業後) 事業前 事業後 n=60 n=60 人数 割合 人数 割合 n (%) n (%) 食べない 1 1.8 0 0.0 食べない日が多い 1 1.8 3 5.0 食べる日が多い 10 17.5 4 6.7 毎日食べる 45 78.9 53 88.3 朝食での 食べない 9 16.4 9 15.0 野菜の摂取頻度 食べない日が多い 15 27.3 21 35.0 食べる日が多い 12 21.8 15 25.0 毎日食べる 19 34.5 15 25.0 夕食での 食べない 1 1.7 2 3.3 野菜の摂取頻度 食べない日が多い 7 11.9 7 11.7 食べる日が多い 24 40.7 25 41.7 毎日食べる 27 45.8 26 43.3 嫌い 11 18.3 6 10.0 どちらかといえば 8 13.3 11 18.3 19 31.7 22 36.7 22 36.7 21 35.0 朝食の摂取頻度 野菜の好き嫌い 嫌い どちらかといえば 好き 好き 人数および割合(%)で示した。Wilcoxon の符号付き順位検定. 欠損値は除いた。 - 83 - p値 0.285 0.287 0.659 0.260 表 20 小学生:好きな野菜の給食メニューの比較(事業前 VS 事業後) 事業前 事業後 n=60 n=60 人数 割合 人数 割合 n (%) n (%) カレー 18 32.1 12 20.0 スープ類 17 30.4 13 21.7 サラダ類 7 12.5 7 12.5 津餃子 3 5.4 11 18.3 シチュー 1 1.8 5 8.3 みそ汁 3 5.4 2 3.3 野菜そのもの 3 5.4 2 3.3 ビビンバ 2 3.6 3 5.0 ゴマ和え類 0 0.0 2 2.2 p値 0.163 2 名以上記載していたメニューを表にした。Wilcoxon の符号付き順位検定. 1名だけのメニューは、ポークビーンズ、八宝菜、きんぴらゴボウ、チャーハン、酢豚で あった。 スープ類:スープ、野菜スープ、冬野菜スープ、春雨スープ、トマトスープ サラダ類:中華サラダ、キャベツ昆布和え、キャベツ紫蘇和え 野菜そのもの:レタス、にんじん 表 21 小学生:好きな野菜の家でのメニューの比較(事業前 VS 事業後) 事業前 事業後 n=60 n=60 人数 割合 人数 割合 n (%) n (%) カレー 14 25.9 10 17.2 サラダ類 13 24.1 4 6.9 野菜炒め類 4 7.4 10 17.2 スープ類 5 9.3 5 8.6 シチュー類 2 3.7 3 5.2 チャーハン 0 0.0 4 6.9 やきそば 2 3.7 1 1.7 p値 <0.001 3 名以上記載していたメニューを表にした。Wilcoxon の符号付き順位検定. 2 名以下のメニューは、天ぷら、ホットドック、ピーマンの肉詰め、キムチ鍋ポトフ、オム ライス、春巻き、野菜そのもの(ブロッコリー)、酢の物、ゴマ和え、おでん、ビビンバ、 きんぴらゴボウ、グラタン、回鍋肉、餃子、ハンバーグ、マーボー豆腐であった。 サラダ類:サラダ、ポテトサラダ、ツナサラダ、イタリアンサラダ、じゃがりこサラダ - 84 - 表 22 小学生:各種野菜の好き嫌いの変化(事業前 VS 事業後) キャベツ ハクサイ ホウレンソウ レタス ブロッコリー ネギ ニンジン 事業前 事業後 n=60 n=60 人数 割合 人数 割合 n (%) n (%) 知らない 0 0.0 0 0.0 嫌い 8 13.3 4 6.7 普通 21 35.0 20 33.3 好き 31 51.7 36 60.0 知らない 0 0.0 0 0.0 嫌い 11 18.3 4 6.7 普通 23 38.3 19 31.7 好き 26 43.3 37 61.7 知らない 0 0.0 1 1.7 嫌い 15 25.0 14 23.3 普通 21 35.0 15 25.0 好き 24 40.0 30 50.0 知らない 0 0.0 0 0.0 嫌い 10 16.7 5 8.3 普通 16 26.7 20 33.3 好き 34 56.7 35 58.3 知らない 0 0.0 0 0.0 嫌い 10 16.7 9 15.0 普通 19 31.7 17 28.3 好き 31 51.7 34 56.7 知らない 0 0.0 0 0.0 嫌い 9 15.0 9 15.0 普通 32 53.3 27 45.0 好き 19 31.7 24 40.0 知らない 0 0.0 0 0.0 嫌い 5 8.3 8 13.3 普通 21 35.0 25 41.7 好き 34 56.7 27 45.0 - 85 - p値 0.090 0.003 0.275 0.201 0.317 0.248 0.025 ダイコン タマネギ ゴボウ トマト ナス キュウリ ピーマン シイタケ オクラ 知らない 0 0.0 0 0.0 嫌い 7 11.7 2 3.3 普通 23 38.3 21 35.0 好き 30 50.0 37 61.7 知らない 0 0.0 0 0.0 嫌い 4 6.7 10 16.7 普通 25 41.7 18 30.0 好き 31 51.7 32 53.3 知らない 1 1.7 1 1.7 嫌い 10 16.7 12 20.0 普通 23 38.3 19 31.7 好き 26 43.3 28 46.7 知らない 0 0.0 0 0.0 嫌い 11 18.3 8 13.3 普通 10 16.7 10 16.7 好き 39 65.0 42 70.0 知らない 0 0.0 0 0.0 嫌い 20 33.3 20 33.3 普通 14 23.3 13 21.7 好き 26 43.3 27 45.0 知らない 0 0.0 0 0.0 嫌い 3 5.0 2 3.3 普通 14 23.3 17 28.3 好き 43 71.7 41 68.3 知らない 0 0.0 0 0.0 嫌い 20 33.3 20 33.3 普通 17 28.3 16 26.7 好き 23 38.3 24 40.0 知らない 1 1.7 0 0.0 嫌い 15 25.0 17 28.3 普通 23 38.3 19 31.7 好き 21 35.0 24 40.0 知らない 0 0.0 2 3.3 嫌い 12 20.0 13 21.7 普通 11 18.3 8 13.3 好き 37 61.7 37 61.7 - 86 - 0.014 0.340 1.000 0.107 0.813 0.782 0.796 0.439 0.458 カボチャ コマツナ サヤインゲン タケノコ 知らない 0 0.0 0 0.0 嫌い 7 11.7 5 8.3 普通 19 31.7 22 36.7 好き 34 56.7 33 55.0 知らない 12 20.0 7 11.7 嫌い 13 21.7 10 16.7 普通 17 28.3 23 38.3 好き 18 30.0 20 33.3 知らない 13 21.7 10 16.7 嫌い 13 21.7 12 20.0 普通 17 28.3 22 36.7 好き 17 28.3 16 26.7 知らない 0 0.0 2 3.3 嫌い 7 11.7 11 18.3 普通 26 43.3 20 33.3 好き 27 45.0 27 45.0 人数および割合(%)で示した。Mann-WhitneyU 検定. - 87 - 0.808 0.019 0.418 0.183 表 23 小学生:好きな野菜(事業前 VS 事業後) 事業前 事業後 n=60 n=60 点数 人数 点数 人数 点 n 点 n トマト 54 23 57 25 キュウリ 37 19 47 24 オクラ 34 19 33 16 キャベツ 25 13 24 12 タケノコ 24 9 20 10 カボチャ 23 12 21 11 ナス 20 9 19 9 ピーマン 16 7 17 8 ニンジン 17 8 16 7 ブロッコリー 14 7 15 8 タマネギ 15 8 11 6 レタス 14 8 10 5 ダイコン 6 2 19 9 ハクサイ 8 5 13 7 ネギ 8 4 12 6 シイタケ 5 3 7 3 ゴボウ 6 2 3 2 ホウレンソウ 5 2 5 3 コマツナ 1 1 1 1 サヤインゲン 0 0 0 0 1番目に好きな野菜を3点、2番目に好きな野菜を2点、3番目に好きな野菜を1点とし、合 計点と人数で示した。欠損値があるため、人数の合計と n 数は異なる。 - 88 - 表 24 小学生:嫌いな野菜(事業前 VS 事業後) 事業前 事業後 n=60 n=60 点数 人数 点数 人数 点 n 点 n ピーマン 47 19 43 18 ナス 30 13 31 14 オクラ 11 6 21 9 シイタケ 19 8 17 8 ゴボウ 17 7 15 7 トマト 16 6 18 7 キャベツ 13 5 10 4 タマネギ 5 2 11 8 ホウレンソウ 5 3 10 4 タケノコ 8 4 8 5 ネギ 7 4 8 5 カボチャ 6 3 6 3 ニンジン 4 2 7 4 コマツナ 6 3 4 3 サヤインゲン 7 5 2 2 ハクサイ 5 2 2 1 キュウリ 2 1 6 3 ブロッコリー 3 2 3 2 レタス 2 2 3 1 ダイコン 3 2 0 0 1番目に嫌いな野菜を3点、2番目に嫌いな野菜を2点、3番目に嫌いな野菜を1点とし、合 計点と人数で示した。欠損値があるため、人数の合計と n 数は異なる。 - 89 - ② 高校生スーパー食育スクール事業前後の比較 食育関心度、スーパーやコンビニで弁当や総菜を買うとき、健康のことを意識するか、月に一回以上 主食・主菜・副菜・汁物のそろった食事を自分で作るか、食生活で困っている事、食事の時刻、朝食の 摂取頻度、朝食および夕食での野菜の摂取頻度、野菜摂取皿数、野菜摂取の意思、野菜不足の理由にお いて、スーパー食育スクール事業前後に変化は見られなかった(表 25;p>0.05)。一方、野菜の好き嫌い および野菜摂取自己評価においては、向上する傾向が見られた(0.05≦p<0.1)。この間 3 か月しか経って おらず、なかなか意識や実践に繋がらなかったことが伺えるが、スーパー食育スクール事業を行うこと で、野菜を好きになったり、野菜摂取を増やそうとしたりしている学生の割合が少しずつ増えつつある ことが示唆された。今後も継続的に取り組んでいくことで、もっと多くの高校生が野菜を好きになり、 野菜摂取量も増える可能性が示された。好きな野菜の家でのメニューは上位 2 位であるサラダ類と野菜 炒め類は変化なかったが、スーパー食育スクール事業後では 3 位に鍋類が挙がっていた(表 26)。2 回目の アンケートを取ったのは 12 月であるため、季節柄、家で鍋類を食べる機会が多かったのかもしれない。 また、スーパー食育スクール事業前後によって 1 位、2 位の割合も減少し、多様な料理を選択する学生も 増えた。野菜について学ぶことで、家庭でも野菜料理に意識が向いた可能性も示された。各種野菜の好 き嫌いの変化では、コマツナ(p=0.009)およびサヤインゲン(p=0.007)で好きになった割合が増えた(表 27)。 これらの野菜は、スーパー食育スクール事業前には知らないと回答した学生も複数人いたが、事業後に はそれぞれ減っていた。スーパー食育スクール事業においてこれらの野菜を身近に感じることで、好き になった可能性が示された。また、キャベツは好きになった割合が増える傾向が見られた(0.05≦p<0.1)。 キャベツは三重県津市の特産物である。そのため、非常に身近に感じた学生が多くなったのではないか と考えられた。好きな野菜の上位 3 位までは、スーパー食育スクール事業前後で変化はなく、トマト、 カボチャ、オクラが好まれることが明らかになった(表 28)。一方嫌いな野菜は、スーパー食育スクール 事業前は上位 3 位までがシイタケ、ピーマン、ニンジンであったのに対し、事業後ではシイタケ、ニン ジン、トマトに変化していた。また、どうしても食べる事ができない野菜の上位 3 位まではシイタケ、 ナス、トマトであったのに対し、事業後ではシイタケ、ピーマン、ナス・トマトに変化していた。嫌い な野菜もどうしても食べられない野菜も、事業後にはその割合が減少していた。特にピーマンを好まな い学生が減ったのが伺える。嫌いな理由として、味や食感を挙げている学生が多いため、これらの野菜 の摂取量を増やす為には、味付けや料理方法の工夫が必要であると考えられた。 - 90 - 表 25 高校生:摂取頻度の変化(事業前 VS 事業後) 事業前 事業後 n=205 n=205 人数 割合 人数 割合 n (%) n (%) 関心がない 18 8.8 17 8.3 どちらかといえば 47 22.9 50 24.4 106 51.7 92 44.9 関心がある 34 16.6 46 22.4 スーパーやコンビ 意識していない 30 14.6 39 19.0 ニで弁当や総菜を どちらかというと 67 32.7 57 27.8 買うとき、健康のこ 意識していない 78 38.0 79 38.5 意識している 30 14.6 30 14.6 月に1回以上、主 ない 140 68.3 130 63.4 食・主菜・副菜・汁 ある 65 31.7 75 36.6 食生活で困ってい ない 170 83.3 175 85.4 る事 ある 34 16.7 30 14.6 食事の時刻 決まっていない 21 10.2 13 6.4 あまり 48 23.4 62 30.5 113 55.1 98 48.3 決まっている 23 11.2 30 14.8 全く食べない 8 3.9 11 5.4 時々食べない日が 55 26.8 43 21.0 毎日食べる 142 69.3 151 73.7 朝食での 全く食べない 105 51.2 106 51.7 野菜の摂取頻度 時々食べない日が 83 40.5 81 39.5 17 8.3 18 8.8 食育関心度 p値 0.386 関心がない どちらかといえば 関心がある とを意識するか どちらかというと 0.486 意識している 0.203 物のそろった食事 を自分で作るか 0.635 0.670 決まっていない だいたい 決まっている 朝食の摂取頻度 0.396 ある ある 毎日食べる - 91 - 0.994 8 3.9 12 5.9 105 51.2 98 47.8 毎日食べる 92 44.9 95 46.3 嫌い 13 6.3 11 5.4 どちらかといえば 30 14.6 25 12.2 86 42.0 89 43.4 好き 76 37.1 80 39.0 0-1 皿 86 42.6 88 43.3 1-2 皿 97 48.0 98 48.3 2-3 皿 19 9.4 14 6.9 4 皿以上 0 0.0 3 1.5 不足している 77 38.1 74 36.6 少し不足している 89 44.1 85 42.1 ほぼ食べている 32 15.8 33 16.3 食べている 4 2.0 10 5.0 増やそうとは思わ 50 24.8 47 23.2 46 22.8 50 24.6 89 44.1 76 37.4 10 5.0 19 9.4 7 3.5 11 5.4 野菜が嫌いだから 36 21.3 42 26.4 野菜の値段が高い 54 32.0 39 24.5 45 26.6 54 34.0 34 20.1 24 15.1 夕食での 全く食べない 野菜の摂取頻度 時々食べない日が 0.906 ある 野菜の好き嫌い 0.058 嫌い どちらかといえば 好き 野菜摂取皿数 野菜摂取自己評価 野菜摂取の意思 0.988 0.068 0.276 ない 6か月以内に増や そうと思う 1か月以内に増や そうと思う すでに増やしたが 6 か月未満である すでに増やして 6 か 月以上たってい る 野菜不足の理由 0.395 から 野菜料理のレパー トリーが少ないか ら その他 人数および割合(%)で示した。McNemar 検定:月に1回以上、主食・主菜・副菜・汁物のそろった食事 を自分で作るか、食生活で困っている事、野菜不足の理由. Wilcoxon の符号付き順位検定:食育関心度、 - 92 - スーパーやコンビニで弁当や総菜を買うとき、健康のことを意識するか、月に1回以上、主食・主菜・ 副菜・汁物のそろった食事を自分で作るか、食事の時刻、朝食の摂取頻度、朝食での野菜の摂取頻度、 夕食での野菜の摂取頻度、野菜摂取皿数、野菜摂取自己評価、野菜摂取の意思. 表 26 好きな野菜の家でのメニューの比較(事業前 VS 事業後) 事業前 事業後 n=208 n=205 人数 割合 人数 割合 n (%) n (%) サラダ類 70 47.6 57 29.7 野菜炒め類 24 16.3 24 12.5 みそ汁・豚汁 14 9.5 5 2.6 スープ類 12 8.2 9 4.7 肉じゃが 10 6.8 6 3.1 鍋 7 4.8 18 9.4 煮物 7 4.8 9 4.7 ロールキャベツ 7 4.8 8 4.2 カレー 7 4.8 8 4.2 ハンバーグ 7 4.8 5 2.6 ピーマンの肉詰め 5 3.4 7 3.6 お浸し 5 3.4 7 3.6 シチュー 5 3.4 5 2.6 きんぴら 3 2.0 3 1.6 餃子 3 2.0 3 1.6 5 名以上記載していたメニューを表にした。複数回答があるため、合計は n 数と異なる。5 名未満のメニューは、冷しゃぶ、にんじん(しりしり、グラッセ)、オムライス、ゴーヤチ ャンプルー、チンジャオロース、マーボーナス、ポークビーンズ、ホイコーロ、焼そば、 サンドイッチ、ポトフ、八宝菜、田楽、酢の物、焼き芋、お好み焼き、ラザニア、酢豚、 チャーハン、すき焼き、グラタン、コロッケ、素揚げ、パスタであった。 - 93 - 表 27 高校生:各種野菜の好き嫌いの変化(事業前 VS 事業後) キャベツ ハクサイ ホウレンソウ レタス ブロッコリー ネギ ニンジン ダイコン 事業前 事業後 n=205 n=205 人数 割合 人数 割合 n (%) n (%) 知らない 0 0.0 0 0.0 嫌い 15 7.3 13 6.3 普通 81 39.5 73 35.6 好き 109 53.2 119 58.0 知らない 0 0.0 0 0.0 嫌い 9 4.4 9 4.4 普通 76 37.1 66 32.2 好き 120 58.5 130 63.4 知らない 0 0.0 0 0.0 嫌い 14 6.9 16 7.8 普通 67 32.8 65 31.7 好き 123 60.3 124 60.5 知らない 0 0.0 0 0.0 嫌い 10 4.9 15 7.3 普通 64 31.4 56 27.3 好き 130 63.7 134 65.4 知らない 0 0.0 0 0.0 嫌い 36 17.6 36 17.6 普通 69 33.7 66 32.2 好き 100 48.8 103 50.2 知らない 1 0.5 1 0.5 嫌い 37 18.0 36 17.6 普通 67 32.7 58 28.3 好き 100 48.8 110 53.7 知らない 1 0.5 2 1.0 嫌い 51 24.9 47 22.9 普通 87 42.4 86 42.0 好き 66 32.2 70 34.1 知らない 0 0.0 0 0.0 - 94 - p値 0.052 0.114 1.000 0.881 0.655 0.124 0.478 0.297 タマネギ ゴボウ トマト ナス キュウリ ピーマン シイタケ オクラ カボチャ 嫌い 14 6.8 10 4.9 普通 70 34.1 70 34.3 好き 121 59.0 124 60.8 知らない 1 0.5 2 1.0 嫌い 25 12.2 20 9.8 普通 70 34.1 72 35.1 好き 109 53.2 111 54.1 知らない 0 0.0 0 0.0 嫌い 17 8.3 18 8.8 普通 100 48.8 92 44.9 好き 88 42.9 95 46.3 知らない 1 0.5 0 0.0 嫌い 39 19.0 38 18.5 普通 44 21.5 48 23.4 好き 121 59.0 119 58.0 知らない 0 0.0 0 0.0 嫌い 48 23.4 42 20.5 普通 53 25.9 63 30.7 好き 104 50.7 100 48.8 知らない 0 0.0 0 0.0 嫌い 18 8.8 15 7.3 普通 56 27.3 65 31.7 好き 131 63.9 125 61.0 知らない 0 0.0 0 0.0 嫌い 50 24.4 47 22.9 普通 76 37.1 75 36.6 好き 79 38.5 83 40.5 知らない 1 0.5 3 1.5 嫌い 59 28.8 57 27.8 普通 60 29.3 62 30.2 好き 85 41.5 83 40.5 知らない 1 0.5 0 0.0 嫌い 27 13.2 32 15.6 普通 62 30.2 58 28.3 好き 115 56.1 115 56.1 0 0.0 0 0.0 知らない - 95 - 0.466 0.303 0.869 0.739 0.674 0.262 0.590 0.639 0.384 コマツナ サヤインゲン タケノコ 嫌い 10 4.9 8 3.9 普通 55 26.8 54 26.3 好き 140 68.3 143 69.8 知らない 10 4.9 2 1.0 嫌い 28 13.7 27 13.2 普通 100 49.0 101 49.3 好き 66 32.4 75 36.6 知らない 8 3.9 3 1.5 嫌い 48 23.5 44 21.5 普通 89 43.6 90 43.9 好き 59 28.9 68 33.2 知らない 1 0.5 0 0.0 嫌い 23 11.2 19 9.3 普通 75 36.6 75 36.6 好き 106 51.7 111 54.1 人数および割合(%)で示した。Wilcoxon の符号付き順位検定. 欠損値は除いた。 - 96 - 0.009 0.007 0.115 表 28 高校生:好きな野菜(事業前 VS 事業後) 事業前 事業後 n=208 n=205 人数 割合 人数 割合 n % n % トマト 65 31.3 50 24.4 カボチャ 43 20.7 35 17.1 オクラ 37 17.8 24 11.7 レタス 33 15.9 23 11.2 キュウリ 28 13.5 22 10.7 ナス 28 13.5 18 8.8 ハクサイ 24 11.5 21 10.2 キャベツ 22 10.6 17 8.3 ホウレンソウ 21 10.1 18 8.8 ブロッコリー 21 10.1 20 9.8 ネギ 19 9.1 24 11.7 タマネギ 19 9.1 18 8.8 タケノコ 18 8.7 19 9.3 ピーマン 15 7.2 8 3.9 シイタケ 14 6.7 13 6.3 ダイコン 14 6.7 22 10.7 ゴボウ 11 5.3 12 5.9 ニンジン 3 1.4 5 2.4 コマツナ 2 1.0 2 1.0 サヤインゲン 2 1.0 1 0.5 5 つまで選択した。未回答、複数回答がある為、合計は n 数と異なる。 - 97 - 表 29 高校生:嫌いな野菜(事業前 VS 事業後) 事業前 事業後 n=208 n=205 人数 割合 人数 割合 n % n % シイタケ 31 14.9 27 13.2 ピーマン 26 12.5 11 5.4 ニンジン 22 10.6 19 9.3 トマト 19 9.1 16 7.8 ナス 17 8.2 6 2.9 ネギ 14 6.7 11 5.4 タケノコ 14 6.7 9 4.4 サヤインゲン 10 4.8 11 5.4 タマネギ 10 4.8 11 5.4 ブロッコリー 9 4.3 5 2.4 コマツナ 7 3.4 3 1.5 キャベツ 6 2.9 5 2.4 キュウリ 6 2.9 6 2.9 オクラ 5 2.4 5 2.4 ゴボウ 5 2.4 4 2.0 カボチャ 4 1.9 4 2.0 ハクサイ 4 1.9 2 1.0 ダイコン 3 1.4 2 1.0 ホウレンソウ 2 1.0 2 1.0 レタス 2 1.0 1 0.5 5 つまで選択した。未回答、複数回答がある為、合計は n 数と異なる。 - 98 - 表 30 高校生:どうしても食べる事ができない野菜(事業前 VS 事業後) 事業前 事業後 n=208 n=205 人数 割合 人数 割合 n % n % シイタケ 19 9.1 14 6.8 ナス 14 6.7 10 4.9 トマト 14 6.7 10 4.9 ニンジン 13 6.3 5 2.4 ピーマン 12 5.8 11 5.4 ネギ 9 4.3 4 2.0 オクラ 9 4.3 2 1.0 タマネギ 8 3.8 4 2.0 ブロッコリー 4 1.9 3 1.5 キュウリ 4 1.9 0 0.0 タケノコ 3 1.4 3 1.5 ゴボウ 2 1.0 2 1.0 コマツナ 2 1.0 1 0.5 サヤインゲン 2 1.0 3 1.5 ハクサイ 1 0.5 0 0.0 カボチャ 1 0.5 1 0.5 ダイコン 0 0.0 1 0.5 レタス 0 0.0 1 0.5 キャベツ 0 0.0 0 0.0 ホウレンソウ 0 0.0 0 0.0 5 つまで選択した。未回答、複数回答がある為、合計は n 数と異なる。 - 99 - 5 まとめ 本調査では、スーパー食育スクール事業において、小学生、高校生および小学生と高校生の保護者を 対象に、野菜を中心とした食意識調査を実施し、今後の食育実践活動の基礎資料とすることを目的とし た。なお、スーパー食育スクール事業の効果を把握するために、小学生と高校生には事業の前後 2 回の 食意識調査を行った。小学生と高校生の食意識に対する家庭の影響力を把握するために、各保護者には スーパー食育スクール事業前 1 回の食意識調査を行った。 スーパー食育スクール事業前、すなわち普段の食生活や野菜摂取に関する事項においては、小学生お よび高校生において、特に野菜嫌いの子どもは夕食時の野菜摂取頻度が少ないことが明らかになった。 保護者から見た子どもの野菜摂取量も不足しがちであり、なおかつ食生活に困っている事の上位には、 好き嫌いがあるや野菜を食べない・苦手であると考えている保護者が多い。これらの結果から、野菜嫌 いの子どもを如何に野菜好きにしていくかが、野菜摂取量を増やすカギであることが示唆された。子ど もたちの好きな野菜料理は、カレー、スープ類、サラダ類などであり、味付けがしっかりしている料理 が多い。他の料理とメリハリをつけ、このような料理を増やしつつ塩分量を控えていくことが望まれる。 小学生、高校生共に好きな野菜はトマト、オクラなどであり、嫌いな野菜はピーマン、シイタケなどで あった。理由として味が挙げられたことから、野菜そのものではなく料理方法や味付けによって摂取量 が増える可能性が示された。しかし、料理の味付けではなく、野菜そのものの味を知って好きになるこ とも重要である。野菜そのものに触れる機会、生産者との触れ合い、栽培などを通じ、野菜そのものの 魅力を子どもたちに伝えていくことも重要である。また、野菜不足の理由として、保護者は就労などで 忙しく、調理や食事の時間が取れないことも多いことが明らかになった。簡便な野菜料理レシピを配布 したり、休日などは子どもと一緒に料理する時間を取ったりするなどの対応が望まれる。また、家庭に 任せるだけではなく、野菜に関する取り組みの還元など、学校との連携も必要であると考えられた。 続いて野菜に関連したスーパー食育スクール事業を行い、その前後比較を小学生および高校生で行っ た。アンケート調査は4か月間しか時間が経っていなかったため、改善した項目は少なかったが、今後 継続的に野菜に関する取り組みを進めることによって、改善されていく可能性は示された。すなわち、 スーパー食育スクール事業によって、高校生では野菜の好き嫌い、野菜の摂取自己評価が改善した傾向 が見られ、小学生では好きな家での野菜料理に野菜炒めが入ったり、ハクサイ、ダイコン、コマツナな ど、個別の野菜においても好きになったりする子どもの割合が増えてきた。さらに、コマツナやサヤイ ンゲンなど知らなかった野菜を知る子どもも増え、野菜に興味を持つ子どもが増える可能性も示された。 人は、知らない食材になかなか手を出すことができない。そのため、野菜に関する知識や意識が向上し たことは、野菜摂取量を増やすことに繋がっていく可能性が示された。また、スーパー食育スクール後 に好きな野菜の料理名などが多岐に渡ったことから、野菜に対する関心が高まり、野菜の入っている料 理に注目した可能性も示された。一方で、朝食時での野菜摂取頻度は増えないなど、実際の食生活に反 映されなかったことも伺えた。このことから、今後は実際の食生活に即した取り組みも積極的に行って いくことが重要であると示された。 野菜は主にビタミン類や食物繊維の供給源になっており、人間の健康的な食生活の為に非常に重要な 食材である。しかし、その摂取量は若年層ほど低いことも明らかになっている。そのため、スーパー食 育スクールのような取組を積極的に行い、子どもの野菜摂取量を増やしていくことは勿論の事、家庭と の連携によって、家庭での野菜摂取量を増やしていくことも重要だと示唆された。 - 100 - 夢と感動の実現 ~目指せ地域のスペシャリスト~ 編集・発行 三重県立久居農林高等学校 平成 27 年度スーパー食育スクール推進委員会 〒514-1136 三重県津市久居東鷹跡町105番地 TEL 059-255-2013(代)FAX 050-256-7174 E-mail [email protected] HP www.mie-c.ed.jp/ahisai/index.html
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