iRIC チュートリアル

iRIC チュートリアル
目次
3.0 はじめに ............................................................................................................................................................................ 2
3.1 課題................................................................................................................................................................................ 2
3.1.1 課題 1 ...................................................................................................................................................................... 2
3.1.2 課題 2 ...................................................................................................................................................................... 7
3.1.3 課題 3 ...................................................................................................................................................................... 9
3.2 チュートリアル ........................................................................................................................................................... 15
3.2.1
FaSTMECH:チュートリアル 1 – 基本的な流れ .......................................................................................... 15
3.2.2
FaSTMECH チュートリアル 2 – 粗度分布と GIC Coverages....................................................................... 34
3.4.1 Morpho2D チュートリアル 1 – 混合砂,植生などを考慮した流れと河床変動解析 ............................................ 43
第 1 の方法 ..................................................................................................................................................................... 44
第 2 の方法 ..................................................................................................................................................................... 53
モデルを拡張して、粒度と植生を追加する .................................................................................................................. 59
3.5.1 Nays チュートリアル 1 – 周期的な蛇行水路の河床変動解析 .............................................................................. 65
3.5.2 Nays チュートリアル 2 – グリッド生成と洪水ハイドログラフを使用した解析 ................................................. 77
1
3.0 Getting Started
3.0 はじめに
iRIC の使い方を習得するには、3.1 項に記載の課題をこなしながら 3.2 項のチュートリアルに進み、このユーザーズ
ガイドのトピックを個別に参照して不明な点を明確にする方法が最も効果的です。これらの課題には、解析を構築、
実行し、解析結果を描画するために不可欠な要素の詳しい説明が記載されています。チュートリアルでは、特定の問
題を始めから終わりまで説明します。
• 課題
• チュートリアル
3.1 課題
次の課題は、チュートリアルを詳しく学習する前に、ユーザーに iRIC を簡単に紹介することを目的としています。
この課題に必要なデータ セットは、すべてユーザーのコンピュータの iRIC ディレクトリに入っています。ガイド内
のリンクをクリックしたり、その他の該当箇所を参照して詳細を確認してください。
1. 課題 1 - データのインポートについての紹介
2. 課題 2 - 直交曲線座標系グリッドと前処理についての紹介
3. 課題 3 - FaSTMECH モデルと後処理についての紹介
3.1.1 課題 1
この課題では、各種データを iRIC へインポートするプロセスについて学びます。データには、地形データ、補助ス
カラー/ベクトル データ、背景に配置する画像があります。データ ファイル、画像ファイルはすべて iRIC
Exercises\Exercise 1 ディレクトリに入っています。
地形をインポートする
1. 未加工の (計測済み) 地形ファイルは、該当する河川領域の数値モデル構築に必要な最重要情報です。地形は
[File] メニューから [File]->[Import]->[Topography] の順に選択してインポートすることができます。
2. [Select File to Import] ダイアログで、iRIC Exercises\Exercise 1 フォルダに入っている embrk.tpo ファイルを
選択します。[Filter Topography] ダイアログに「1」と入力します。Triangle アプリケーション(データの三
角形ポリゴンによる分割化)の進捗状況を知らせるコンソール ウィンドウが表示されます。このアプリケー
ションの初期設定では、iRIC にインポートする地形ファイルの TIN が作成されます (図 3.1.1A)。データの三
角形ポリゴンによる分割化を終了するには、コンソール ウィンドウにも表示されているとおり、キーボード
の 任 意 の キ ー を 押 し ま す 。 フ ァ イ ル ブ ラ ウ ザ で iRIC Exercises\Exercise 1 フ ォ ル ダ を 開 く と 、
Elevation.1.poly、Elevation.1.node、Elevation.1.ele、Elevation.1.poly などのいくつかのファイル (図 3.1.1B)
がデータの三角形ポリゴンによる分割化によって追加されたことがわかります。最初のファイルは iRIC によ
って作成された Triangle 入力ファイルで、残りの 3 ファイルは出力ファイルです。Triangle 入力ファイルと
出力ファイルの形式設定の詳細については、ユーザーズ ガイド(iRIC ホームページからダウンロード可)の
1.4.6.1 項を参照してください。コントロール バーにある [Ancillary Data | Scatter Sets] ブランチの左側の
ボックスをマウスで選択すると、地形の表示/非表示を切り替えることができます。チェックマーク (図
3.1.1C) が付いていると、分布データセットが表示されることを意味し、付いていない場合は分布データセッ
トの表示がオフになっていることを示します。凡例を追加するには、最初の [Data Legend | Data Legend]
のチェックボックスをオンにします。次に [| Data Legend] を右クリックし、ポップアップ メニューで
[Ancillary] を選択します。
2
3.0 Getting Started
3. コントロール バーでチェック ボックスを有効にして、 [Ancillary Data | Scatter Sets] オブジェクトをオン
) を選択し、 データをグラフィックス
にします。グラフィックス フレームで必要に応じて更新ボタン (
ビューの中央に表示します。
4. 2D グラフィックス ビューア – 平面ビューア
• メニューから [View] メニューを選択します。[View]->[Plane Viewer] がオンになっているはずです
が、オンになっていない場合は選択します。
• 左マウス ボタンで、X 方向、Y 方向 および前後のローラーを回転させます。
•
) を選択します。マウスを左クリックし、上下にドラッグして、ズームインまたは
表示ボタン (
ズームアウトします。画像をパンニングするには、Ctrl キーを押しながら左クリックしてドラッグし
ます。
5. コントロール バーの [Ancillary Data | TINs] ツリーをオンにして、地形の TIN を表示します。
6. 3D グラフィックス ビューア – 診断ビューア
• メニューから [View]->[Examiner Viewer] の順に選択します。
• 左マウス ボタンで、X 軸、Y 軸 および前後のローラーを回転させます。
•
) を選択して、左ボタンでマウスをドラッグし、画像を回転させます。回転は、画
表示ボタン (
像の中央に中心が来るボールで制御していると考えてください。
• 画像をパンニングします。Ctrl キーを押しながらマウスを左クリックしてドラッグします。
7. 平面ビューアに戻ります。メニューで [View]->[Plane Viewer] の順に選択します。
8. プロジェクトを保存します。メニューで [File]->[Save] の順に選択します。
図 3.1.1B Triangle によって追加された
Elevation_1.* ファイルが表示されている課題 1 の
ディレクトリ
図 3.1.1A Triangle 出力
3
3.0 Getting Started
図 3.1.1C. 地形の表示
4
3.0 Getting Started
分布データセットの属性
1. 分布データセットのグラフィック属性を変更するには、コントロール バーの [Ancillary | Scatter Sets] ブラ
ンチから [Scatter Sets] をダブルクリックします。
• TIN をオフにします。
• 属性でいろいろな操作を試してみてください (ユーザーズ ガイドの 2.4 項「Scatter Attributes (分布
データの属性)」を参照してください)。
補助データをインポートする
1. 新しいプロジェクトを作成します。
• メニューで [File]->[New] の順に選択します。
• 既定のフィルター値と Tolerance Value を使用して、platt.tpo 地形ファイルをインポートします。
• [Ancillary Data | Scatter Sets] ツリーをオンにし、必要に応じてグラフィックスを更新します。
2. 補助データ セット (粒度など) をプロジェクトにインポートします。
• メニューで [File]->[Import]->[Ancillary Data]->[Scalar] の順に選択して、[Import Ancillary Data] ダ
イアログを表示します。
•
) をクリックしてデータ ファイルを開きます。[File Open] ダイアログが表示されま
参照ボタン (
す。platt_D50.anc. を選択します。[File to Import] フィールドに、platt_D50.anc ファイルへのパスが
表示されます。
• ダイアログのデータ ツリーで[Sediment Data Types | Grainsize_D50] データ型をダブルクリック
して [Grainsize_D50] データ型を選択します。「Grainsize_D50」と言うテキストがダイアログの
[Data Type] フィールドに追加されます。
• [Data Type] と [File To Import] が確定すると、[OK] ボタンが有効になります。[OK] ボタンをクリッ
クしてデータをインポートします。
• 上記手順に従って、platt_D84 ファイルを開きます。[Ancillary Data] ダイアログで Grainsize_D50 が
選択され、[Data Type] フィールドに追加できなくなっていることがわかります。データ型がプロジ
ェクトに入力されてはじめて、チェック ボックスにチェック マークが付きます。
3. コントロール バーで表示するデータ セットのオプション ボタンを選択し、さまざまな補助データ セットの
表示を切り替えます。
4. ファイルを保存します。
画像をインポートする
1. 新しい別のプロジェクトを作成します。
• メニューで [File]->[New] の順に選択します。
2. Cotlower.tpo 地形ファイルをインポートします。ここでも[Ancillary Data | Scatter Sets] をオンにし、必要
に応じてグラフィックスを更新することを忘れないでください。
3. データの背景に配置する画像をインポートします。
• メニューで [Select File]->[Import]->[Ancillary Data]->[Image] の順に選択します。[File Open] ダイ
アログから output_mosaic.jpg ファイルを選択します。
• コントロール バーで[Image Sets] をオンにすると、画像が表示されます。
4. ファイルを保存します。
測定した速度データをインポートする
5
3.0 Getting Started
1. 測定した速度データ ファイルをインポートします。
• 同じプロジェクトを使用し、メニューから [Select File]->[Import]->[Ancillary Data]->[Vector] の
順に選択します。
• vel3.anv ファイルを参照し、開きます。
• [Ancillary Data | Scatter Sets | Elevation] をオフにします。
• [Ancillary Data | Vector Sets] をオンにすると、データが表示されます。
分布データのベクトル属性
1. 分布データセットのグラフィック属性を変更するには、コントロール バーの[Ancillary Data| Vector Sets]
ブランチから [Vector Sets] をダブルクリックします。
• 属性でいろいろな操作を試してみてください (ユーザーズ ガイドの 2.5 項「Scatter Vector Attributes
(散布ベクトルの属性)」を参照してください)。たとえば [Vector Scale] フィールドを 30 に設定し、
[Update Scale] ボタンを押してみたりします。
• ファイルを保存します。
図 3.1.1D 位置参照画像に対して測定した速度をベクトルで表したもの
6
3.0 Getting Started
3.1.2 課題 2
この課題では、iRIC を使用して直交曲線座標系グリッドを作成するプロセスについて学びます。この課題は、課題
1 が完了していることを前提に進めます。
地形データを開く
1. [File]->[New] の順に選択し、新しいプロジェクトを作成します。
2. blind.tpo 地形ファイルをインポートします。
• 分布データ (Scatter) オブジェクト、TIN オブジェクトまたはその両方のデータを表示します。更新
ボタン (
) のクリックが必要な場合があります。
グリッドを作成する
次の手順はグリッドを作成するために必要です。最初に上流から下流に向かって水路の中心線を設定し、次に流下方
向のメッシュ数と横断方向のメッシュ数、グリッドの幅を指定して、グリッドを設定します。
中心線
•
•
•
コントロール バーの [Grid and Input Conditions | Create Grid] オブジェクトをオンにします ([Grid] と
[Input Condition] をオンにしてから、[Create Grid] をオンにします)。
[Create Centerline/Grid] ツールバーにアクセスできるようになります。 ユーザーズ ガイドの 1.4.1 項
「Create Centerline/Grid Toolbar (中心線の作成/グリッド ツールバー)」のデモをご覧ください。
[Create Centerline] ツール ( ) で中心線を描画します。中心線は流下方向に描画する必要があります。この
場合、水は上流から下流の方向に流れています。左マウス ボタンで中心線を設定し、描画が終わったらキー
ボードの Enter キーを押します。
グリッドを作成する
•
•
メニューから [Preprocessing]->[Set 2D Curvilinear Grid Parameters] の順に選択します。ダイアログにグ
リッドの寸法と幅を入力します。流下方向のメッシュ数は 101、横断方向には 51、幅には 400 を指定し、
[Apply] ボタンを押してください。[Apply] ボタンを使用すると、ダイアログを閉じずに変更を確認すること
ができます。マウスでスライダを動かすと、中心線が変化します (中心線の曲率が少ない場合、大きい変化
は見られません)。
プロジェクトを保存します。
標高をマッピングする
1. Map w/TIN 方法を使用して、グリッドに標高をマッピングします。
• Map w/TIN 方法は、現在選択中の入力条件と補助データ セットに使用することが可能です。
• [Elevation] が現在選択されている [Ancillary Data | Scatter Set] であることを確認します。
• メニューから[Preprocessing]->[Set Current Input Condition]->[Map w/TIN] の順に選択します。
標高がグリッドにマッピングされるたびに、粗度入力条件も既定で作成されます。コントロール バ
ーの [Grid and Input Conditions | GIC Scalar Set] オブジェクトをオンにして、マッピングした標
高を描画します。
7
3.0 Getting Started
2. Map w/Template 方法を使用して、グリッドに標高をマッピングします。
• メニューから [Preprocessing]->[Set Current Input Condition]->[Map w/Template] の順に選択し
ます。曲線テンプレートのダイアログが表示されます。
•
[Ancillary Data Set] のドロップ ダウン メニューで [Elevation] を選択します。
•
テンプレート寸法を選択します (長さを 100、幅を 10 で指定してみてください)。テンプレート
拡張番号は既定値のままにします。
•
[OK] を選択し、終了したら新しい地形マッピングを表示します。
•
さまざまなテンプレート寸法を試し、マッピングに違いが出ることを確認してください。
3. プロジェクトを保存します。
データを編集してマッピングの精度を高める
1. 上流の川の右岸にデータ ポイントを追加して、テンプレートのマッピングで作成された湾状の部分を修正し
ます。
• 補助データを編集する各種オプションの詳細については、ユーザーズ ガイドの 1.4.2 項「Ancillary
Toolbar (補助ツールバー)」を参照してください。
• マッピングされた数値グリッドに右岸が正確に設定されるように、地形データを追加します。[GIC
Scalar Sets] をオフにすると、ポイントの追加場所を確認しやすくなります。
• ファイルを保存します。
新しいデータで操作を繰り返す
1. embrk.tpo 地形ファイルで前述の手順を繰り返します。eminence_rgb.jpg 画像を背景としてインポートする
こともできます。
2. 他のデータ セットをいくつか使用して同じ操作を試します。
• bend2k41deep.tpo – シミュレーションされた/人工の蛇行河道
• Suzy.tpo および suzy_island_rgb.jpg –河道内に島を持つ河川(アイダホ州スネーク リバー)
8
3.0 Getting Started
3.1.3 課題 3
既存のプロジェクトを開く
1. メニューから[File] -> [Open] の順に選択し、Exercise 3 フォルダに入っている blind.riv プロジェクト ファイ
ルを選択します。
2. 実行するシミュレーションを作成します。
• メニューで [FaSTMECH]->[New Simulation] の順に選択し、シミュレーションの名前を入力しま
す (「b1」など)。ファイルの拡張子はインターフェイスによって処理されます。すべてのシミュレ
ーションには .cgn と言う拡張子が付いていることに注意してください。b1.cgn シミュレーションは
コントロール バーの [Solutions | Simulations] オブジェクトに追加されています。
3. モデル パラメータ入力ファイルを作成します。
• メニューで [FaSTMECH]->[Edit Input File] の順に選択します。図 3.1.3 A-J のパラメータを
[Generate Model Input File] ダイアログに入力します。ただし、擬似 3D の解析結果と流砂の解析結
果をパラメータ化する K と L はこの課題には必要ありません。
4. メニューで [FaSTMECH]->[Run] の順に選択します。
5. コントロール バーの [Solutions | 2D Solution] データ ツリーのブランドを確認します。
FaSTMECH モデル パラメータの詳細については、1.5.5 項「FastMECH Menu (FastMECH メニュー)」を参照して
ください。
A
B
9
3.0 Getting Started
I
C
D
E
F [Create 1-D Solution] オプションが選択されてい
ることに注意してください
G
H
J
10
3.0 Getting Started
L
K
図 3.1.3a 次のパラメータを [FaSTMECH Parameters] ダイアログに入力します。(A) Discharge (流量)、(B) Stage
(水位)、(C) Roughness (粗度)、(D) Lateral Eddy Viscosity (横断方向の渦粘性)、(E) Grid Extension (グリッド拡張)、
(F) Water Surface Elevation (水位)、(G) Topography (地形)、(H) Wetting and Drying (水域と陸域)、(I) Solution
Properties (ソリューション プロパティ)、(J) Output (出力)、(K) Quasi-3D Solution (擬似 3D の解析結果)、(L)
Sediment-Transport Parameters (流砂パラメータ)
スカラー結果を描画する:
1. [Solution | 2D Sol. Scalar Sets] オブジェクトをオンにします。
• さまざまなスカラー セットの表示を切り替えます。陸域点は透明になるようにマスクされています。
2. スカラー属性を変更します。
• [Solution | 2D Sol. Scalar Sets] をダブルクリックすると、[Scalar Attributes] ダイアログが表示さ
れます (図 1 3.1.3b)。
• 属性でいろいろな操作を試します。
図 3.1.3b. [Scalar Attributes] ダイアログ。属性のオン/オフの表示は [General] タブで指定します。他のタブには各
属性のパラメータが表示されます。
3. 現在の [Solution | 2D Sol. Scalar Sets] の凡例を作成します。
• コントロール バーの隣のチェック ボックスをオンにして、最初の [Data Legend | Data Legend] を
オンにします。
11
3.0 Getting Started
•
ポップアップ メニューで [Data Legend | Data Legend] を右クリックし、[2D Sol. Scalar Sets] を
選択します。
4. [Data Mapping: Color Map] 属性と [Isovalue] 属性でいろいろな操作を試してみてください。
• [Legends | 2D Sol. Scalar Sets] をダブルクリックすると、[Data Mapping] ダイアログが表示され
ます (図 1 3.1.3c)。
図 3.1.3c. [Data Mapping] ダイアログは、現在選択されている凡例データ セットのカラー マップと、等高線間隔
(ここでは [Solution | 2D Sol. Scalar Set]) を制御します。
スカラー属性の詳細については、2.1 項「Scalar Attributes (スカラー属性)」を参照してください。データ マッピン
グの詳細については、2.8 項「Legend Attributes (凡例属性)」を参照してください。
流速ベクトルの結果を描画する:
1. いったんコントロール バーの[Solution | 2D Sol. Scalar Sets] をオフにします。[Solution | 2D Solution
Vector Sets] をオンにします。
• 流速ベクトルの既定値は調整が必要になることが多いため、[Solution | 2D Solution Vector Sets]
をダブルクリックして、[Vector Attributes] ダイアログを表示します (図 3.1.3d)。
• ベクトル属性でいろいろな操作を試してみてください。
12
3.0 Getting Started
図 3.1.3d. [Vector Attributes] ダイアログ
2. [2D Sol. Scalar Sets] 凡例をオフにします。
3. 2 番目の [Data Legend | Data Legend] をオンにします。
4. 上記でオンにした [Data Legend | Data Legend] を右クリックし、ポップアップ メニューで [2D Sol.
Vector Sets] を選択します。
5. [Data Mapping: Color Map] 属性と [Isovalue] 属性でいろいろな操作を試してください。
• コントロール バーで [Data Legend | 2D Sol. Vector Sets] をダブルクリックすると、[Data
Mapping] ダイアログが表示されます。
ベクトル属性の詳細については、2.2 項「Vector Attributes (ベクトル属性)」を参照してください。
流線を描画する
1. [Solutions | 2D Solution | Streamlines] をオンにします。流線は、現在選択されている [Solution | 2D Sol
Vector Set] を使用して描画します。流線を描画する方法には、さまざまなバリエーションがあります。指定
の流線数とユーザー定義の原点、またはユーザー定義のランダム ソース数を使用して、線源を指定すること
ができます。流線自体は静的な線として描画することも、粒子追跡アニメーションとして描画することもで
きます。以下の項では、静的流線について紹介します。他の表現方法についてもいろいろ試してみてくださ
い。
• グラフィック ビューに「Jack Dragger」というグラフィック オブジェクトが表示されます。これは
) をクリ
「jack」に赤い点が付いているように見えます。グラフィックス ビューで選択ツール (
ックします。[Jack Dragger Translation Plane] の上でマウスをクリックし、グリッドの上部を図
3.1.3e に示すようにドラッグします。赤い点 (流線の開始点) がグリッドの上流境界部と並行にな
るように、アームの 1 つを選択して Jack Dragger を回転させます。
13
3.0 Getting Started
図 3.1.3e. Jack Dragger を使用して流線の原点 (赤い点) を特定
2. [Solutions | 2D Solutions | Streamlines] をダブルクリックすると、[Streamlines] ダイアログが表示されま
す。ここで、図 3.1.3f と図 3.1.3g で示すようにパラメータを設定します。結果としてできあがった流線は、
Jack Dragger を移動して新しいソースに移動することができます。流線源属性 (図 3.1.3f) をランダムに設定
すると、ランダムな開始場所で流線がプロットされます。詳細については、2.3 「Streamline Attributes (流線
属性)」を参照してください。
図 3.1.3f. [Streamline Attributes] ダイアロ
グ。ここでは [Type] が [General] タブで
[Streamline] に設定されています。
図 3.1.3g. [Solution Attributes] タブ。
ここでは [Max. Lifetime] と [Max Length]
が両方とも 10000 に設定されています。
データを検討 する
14
3.0 Getting Started
Jack Dragger を使用して、初期条件や 2D の解析結果を検討 することができます。iRIC GUI の一番下にあるプロー
ブ バーには、空間位置、x、y、z の値、および現在選択されているスカラー セットとベクトル セットが表示されま
す。プローブ バーの詳細については、1.6 「Probe Bar (プローブ バー)」を参照してください。
1. [Solutions | 2D Solution | Streamlines] をオフにします。
2. コントロール バーの [Data Objects | Probe] をオンにします。
3. "+" を選択して [Probe] ツリーを展開し、[Probe | Solution Sets] オプションを選択します。
4. アプリケーションの最下部のステータス バー (図 3.1.3h) に、現在の [2D Sol. Scalar Set] とその値、および
現在の [2D Sol. Vector Set] およびそのコンポーネント値が表示されます。
図 3.1.3h. [2D Sol. Scalar - Set Elevation] と [2D Sol. Vector Set – Velocity] の Jack Dragger でのプロービング
3.2 チュートリアル
チュートリアルでは、典型的な問題をユーザーに最初から最後まで処理する手順を具体的に示すことを目的としてい
ます。チュートリアルでは、ユーザーが 3.1 の課題をすでに終了したものとして説明を進めます。チュートリアルを
読んでいただければ、個々の問題を順を追って処理するために十分な解説が得られると思いますが、場合によっては
チュートリアルで使用するツールを説明した個別セクションを参照してください。
チュートリアルの内容:
1. チュートリアル 1 – 基本的な流れ
2. チュートリアル 2 – 粗度分布と GIC Coverages
3.2.1 FaSTMECH:チュートリアル 1 – 基本的な流れ
このチュートリアルでは、実測された地形および水位データを用い、対象河川の流れを再現します。このチュートリ
アルが実行する基本ステップは次のとおりです:(1) 地形および水位データを iRIC へインポートする、(2) 地形デー
タに基づいて数値グリッドを作成する、(3) モデルを実行して結果を可視化する、(4) 最後に、モデルが予測した水位
15
3.0 Getting Started
と実測値の比較を行い、最良の較正が得られるまで必要に応じてステップ(3)、(4)を繰り返します。簡単にまとめ
ると、このチュートリアルでは以下の作業を最初から最後まで実行します:
チュートリアル 1 のステップ
•
•
•
•
•
•
地形データのインポート
数値グリッドの構築
境界条件およびモデルパラメータの決定
結果の可視化
3D での結果の可視化
結果の検証
Part A – 地形データのインポート
•
•
•
•
未加工の (計測済み) 地形ファイルは、該当する河川領域の数値モデル構築に必要な最重要情報です。地形は
[File] メニューから [File]->[Import]->[Topography] の順に選択してインポートすることができます。
[Select File to Import] ダイアログで、iRIC Exercises\Exercise 1 フォルダに入っている embrk.tpo ファイルを選
択します。[Filter Topography] ダイアログに「1」と入力します。Triangle アプリケーション(データの三角形ポ
リゴンによる分割化)の進捗状況を知らせるコンソール ウィンドウが表示されます。このアプリケーションの初
期設定では、iRIC にインポートする地形ファイルの TIN が作成されます (図 3.1.1A)。データの三角形ポリゴン
による分割化を終了するには、コンソール ウィンドウにも表示されているとおり、キーボードの任意のキーを押
します。ファイル ブラウザで iRIC Exercises\Exercise 1 フォルダを開くと、Elevation.1.poly、Elevation.1.node、
Elevation.1.ele、Elevation.1.poly などのいくつかのファイル (図 3.1.1B) がデータの三角形ポリゴンによる分割化
によって追加されたことがわかります。最初のファイルは iRIC によって作成された Triangle 入力ファイルで、
残りの 3 ファイルは出力ファイルです。Triangle 入力ファイルと出力ファイルの形式設定の詳細については、ユ
ーザーズ ガイド(iRIC ホームページからダウンロード可)の 1.4.6.1 項を参照してください。コントロール バ
ーにある [Ancillary Data | Scatter Sets] ブランチの左側のボックスをマウスで選択すると、地形の表示/非表示
を切り替えることができます。チェックマーク (図 3.1.1C) が付いていると、分布データセットが表示されるこ
とを意味し、付いていない場合は分布データセットの表示がオフになっていることを示します。凡例を追加する
には、最初の [Data Legend | Data Legend] のチェックボックスをオンにします。次に [| Data Legend] を右ク
リックし、ポップアップ メニューで [Ancillary] を選択します。
メインメニューから [File]->[Save] の順に選択してプロジェクト(たとえば Tutorial 1)を保存します。
[Ancillary Data] の三角形ポリゴンによる分割化後のグリッドを表示させることも可能です。コントロール バー
の中にある [Ancillary Data | TINs] を選択すると三角形ポリゴングリッド表示がオンになります。初期設定では、
未処理の水位データが三角形ポリゴンによる分割化がされています(図 3.2.1e)。TIN のグラフィック属性を変
更したい場合は、コントロール バーの [Ancillary Data | TINs] ブランチをダブルクリックしてください。TIN そ
の他のグリッド処理されたスカラーのグラフィック属性については、セクション 2.1「スカラー属性」で詳しく
説明されています。
16
3.0 Getting Started
図 3.2.1c
図 3.2.1b
図 3.2.1d. 地形表示
17
3.0 Getting Started
図 3.2.1e. 地形表示:三角不規則ネットワークグリッドとして表示
Part B – 数値グリッドの構築
iRIC の直交曲線座標系グリッドツールを使用してグリッドを作成する手順は、次の 3 段階の基本ステップから構成
されます:グリッド中心線の定義、グリッドに含まれるポイントの幅と密度の定義、およびグリッドの曲率と位置の
補正。中心線の作成、および中心線の曲率を補正する指針については、MD_SWMS ユーザーズ ガイドの 1.4.1「中
心線/グリッドの作成」で詳しく説明されています。グリッド幅を定義するときの目標はアクティブチャンネルの外
部に作成されるグリッド数を最小にすることであり、すなわち、解析結果に寄与できるグリッドのノード数を最大化
することです。
グリッド空間座標を作成する:
•
•
•
コントロール バーの [Grid and Input Conditions | Create Grid] の横にあるチェックボックスをオンにして
[Create Centerline/Grid ] ツールバーをアクティブにします。
数値モデルは直交曲線座標系グリッド(「チャンネルフィッティング」グリッド)を使用します(図 3.2.1f)。
を選択します。中心線を描くため、
水路中心線を対話的に描くために [Create Centerline/Grid ] ツールボタン
希望する位置をマウスで上流から下流へ向けてクリックしてゆきます(図 3.2.1g)。図 3.2.1d に示した上流側の
端がこの図の底の部分になります。水路中心線は右下から左上へ向けて描かれます。描画が終了したら、キーボ
ードの Enter を押してください。
さらに詳しくは、ユーザーズ ガイドの 1.2.3 を参照してください。
18
3.0 Getting Started
図 3.2.1f. 直交曲線座標系の定義(Nelson 他、2003)。ここでは、水路中心線によってグリッドが定義されていま
す。中心線を 2 ポイントのみで定義した場合は、自動的に直線座標系と一致します。
•
•
[Preprocessing] メニューで [Preprocessing] -> [Set 2D Curvilinear Grid Parameters] の順に選択します。
[Curvilinear Grid Parameters] ダイアログが表示されます。[Grid Width] を 450 m に設定し、流れ方向およびその
直角方向の広がりにおけるポイント数を定義します(増分が 10 m 程度となるようにしてください)。ダイアロ
グには中心線に沿った流れ方向および流れに直交する方向のノード間距離が表示されます(すべてのグリッド上
で一定の値を示します)。ダイアログの [Apply] ボタンを押すと表示が動的に変化しますから、表示を参照しな
がら流れ方向および流れに直交する方向で希望するノード間隔を見つけ出すことができます。
さらに詳しくは、ユーザーズ ガイドの 1.2.3 を参照してください。
図 3.2.1g. 中心線描画位置。流線は下端から上端へ向かいますから、チャ
ンネルの下端からスタートして、最後のポイントがチャンネル上端で終了
するようにして 3 ポイントを選択します。
•
[Create Centerline/Grid] ツールバーには、グリッド位置を微調節するための数多くのツールが用意されています。
を使用します。グリッドの曲率を微
たとえば、グリッドの位置を微調節するには、[Move Centerline] ボタン
19
3.0 Getting Started
•
調節し、流れ全体の向きへ直交する上流/下流境界線を設定するには、[Move Control Point] ボタン
す。図 3.2.1h とよく似た表示が得られるまで、これらのツールを使用して調節を行ってください。
さらに詳しくは、ユーザーズ ガイドの 1.2.3 を参照してください。
を使用しま
図 3.2.1h. [Create Centerline Grid] ツールを使用して次の作業を行うことができます:左右両方
のバンクがグリッドで適切に覆われるようにグリッド位置を調節し、中心線の中央部のポイント
を適宜移動させてグリッドの曲率を調節して上流および下流の境界線が流れにほぼ直交するよう
に調節します。[Grid and Input Conditions] および [Create Grid] ブランチの両方がオンになっ
ていることを確認してください。
測定された水位をグリッドへマッピングする:
•
[Preprocessing] メニューから [Preprocessing] -> [Set Current Input Condition] -> [Map w/Template] の順に
選択します。これにより、[Map Values with Curvilinear Template] ダイアログが開きます(図 3.2.1f)。テンプ
レートをマッピングするアルゴリズムは最近傍検索に類似しており、グリッドの局所的な曲率にしたがって指定
される長さと幅を使用してビンまたはテンプレートで検索が行われます。この場合、長さの値として 100、幅と
して 5 を使用してください。[Ancillary Data Set] として [Elevation] を選択します。水位をグリッドへマッピング
しない場合は、デフォルトとして自動的に [Elevation] が選択されます。
20
3.0 Getting Started
•
•
変更の結果を表示させるには、コントロール バ
ー か ら [Grid and Input Conditions | Input
Conditions | GIC Scalar Sets] を選択し、それに
続いて [Input Conditions] として [Elevation] を選
択します(図 3.2.1j)。次の方法で凡例を追加し
ます:4 個の [Data Legends] のいずれか 1 つに
チェックマークを付け、それに対応する [Data
Legend] ブランチをマウスで右クリックすると表
示されるポップアップ メニューの中から [Input
Conditions] を選択します。
プロジェクトを保存します。
図 3.2.1i. 直交曲線座標系テンプレートを使用して水位
測定値をグリッドへマッピングするためのパラメータ
を入力します。
図 3.2.1j. 計算により生成されたグリッド:水位測定値がグリッドにマッピングされています。
21
3.0 Getting Started
Part C -
境界条件およびモデルパラメータの定義
数値グリッドを作成し、地形測定データがグリッドへマッピングされたら、次のステップは FaSTMECH モデルの実
行です。
シミュレーションを新規作成する
•
•
•
新しいシミュレーションファイルを作成します。メインメニューから [FaSTMECH] -> [New Simulation] の順に
選択してください。これにより、[Save As] ダイアログが表示されてシミュレーションファイル名の入力を要求
してきます。「cigar1」と入力してから Return を押してください。
ツリービューの Simulations ブランチの下のコントロール バーに cigar1.cgn ファイルが登録されたことを確認し
てください。「.cgn」は 2D モデリング I/O ファイルのデフォルト拡張子です。
結果は実際に測定された水位と比較して検証されます。実際に測定された水位データをインポートするため、メ
インメニューから [File] -> [Import] -> [Ancillary Data] -> [Scalar] の順に選択して [Import Ancillary File] ダイア
ログを呼び出します(図 3.2.1k)。ツリーの [Hydrologic Data Type] をダブルクリックし、データファイルのタ
イ プ と し て [WaterSurfaceElevation] を 選 択 し て く だ さ い 。 こ れ に よ り 、 [Data Type] 属 性 が
をクリックして水位ファイルを検索し、[File
WaterSurfaceElevation と定義されます。次に、参照ボタン
Open] ダイアログに表示される「cigar_wse.anc」を選択してください。OK をクリックしてファイルをインポー
トします。
図 3.2.1k. [Import Ancillary File] ダイアログ:データタイプと
インポートファイル属性を設定します。
22
3.0 Getting Started
境界条件を定義する:
•
シミュレーションファイルが作成されたら、次に境界条件とモデルパラメータを定義します。メインメニューか
ら [FaSTMECH] -> [Edit Input File] の順に選択し、表示されるウィンドウ(図 3.2.1l)に値を入力します。
A
B
D
C
E
F [Create 1-D Solution] オプションが選択され
ていることに注意してください
23
3.0 Getting Started
G
H
I
J
図 3.2.1l. [FaSTMECH Parameters] ダイアログを使用して以下のパラメータを入力します。(A) Discharge(流量)、
(B) Stage(水位)、(C) Roughness(粗度)、(D) Lateral Eddy Viscosity(横断方向の渦粘性)、(E) Grid Extension
(グリッド拡張)、(F) Water Surface Elevation(水位)、(G) Topography(地形)、(H) Wetting and Drying(水域
と陸域)、(I) Solution Properties(ソリューションプロパティ)、(J) Solution Output(ソリューション出力)。
•
ダイアログの OK を選択し、メインメニューから [FASTMECH] -> [RUN] の順に選択します。モデルの実行が成
功したら、[FASTMECH] -> [View Convergence] の順に選択して収束した分布の状態をチェックします。収束
プロットはグリッドの個々の「断面」における流量の正規化された値からの偏倚をパーセント値で表示します。
すなわち、ある断面における予測流量を指定された流量で除算した値に 100 を乗算した値が表示されます。一般
的には ±3% 程度が許容範囲とされています。図 3.2.1m に示す例では各断面の予測流量が約±0.4% の範囲に収
まっています。
24
3.0 Getting Started
図 3.2.1m. シミュレートされた流量が指定された流量へ収束してゆく状態を示すプロット
(モデルグリッド各断面ごとに表示)。
•
[Convergence] ダイアログのメニューを [Convergence] -> [Convergence History] の順に選択すると、断面に
おける質量保存の RMS 変動が収束してゆく過程が表示されます。
図 3.2.1n. 解析結果が収束して行く過程を示すプロット:シミュレートされた流量と指定
流量とのモデルグリッドの断面ごとの RMS 誤差を、反復計算のたびにプロットしてい
ます。
25
3.0 Getting Started
Part D -
結果の可視化
iRIC はモデリングの結果を描画するためのツールを完全なセットとして提供しています。2D の解析結果の表示につ
いては、コントロール バーの [Solutions | 2D Solutions] ブランチに 3 種類の方法が配置されています。スカラー
値の結果は等高線プロットを使用して値の大きさを表し、ベクトル値の結果は値の大きさと方向を示します。流線の
解析結果は静的な流線または粒子アニメーションを用いて流れ全体の動きを表します。以下、これらの描画方法を順
次説明してゆきます。
スカラー値の結果
デフォルト設定では、コントロール バーの [2D Solution | 2D Sol. Scalar Sets] ブランチを選択することにより 2D
モデルを実行して得られたスカラーデータセットが表示されます。水位予測値の表示例を図 3.2.1o に示します。解
析結果のスカラー値の表示ではドライノードがマスクされることに注意してください。スカラーセットの属性値を設
定するには、コントロール バーの [2D Sol. Scalar Sets] ブランチをダブルクリックします。
図 3.2.1o. モデリングされた解析範囲の水位プロット。[Solutions] の下の [2D Solution Scalar
Set] が選択された状態で [WaterSurfaceElevation] を指定することにより得られるプロット。
26
3.0 Getting Started
ベクトル値の結果
デフォルト設定では、サブ項目 [2D Solution | 2D Sol. Vector Sets]を選択することにより 2D モデルを実行して得
られたベクトルデータセットが表示されます。解析範囲の一部(島の先端部分)における流速ベクトル場の一例を図
3.2.1p に示します。解析結果のベクトル値の表示では陸域部分がマスクされることに注意してください。ベクトルセ
ットのグラフィカル属性値を設定するには、コントロール バーの [2D Sol. Vector Sets] ブランチをダブルクリック
します。
図 3.2.1p. モデリングされた解析範囲の流速をベクトルとしてプロット。ベクトルには速度の大
きさに応じてスケーリングと色分けが施されます。
流線および粒子追跡結果
シミュレーションの結果として得られるベクトル データセットを流線および粒子追跡アニメーションのセットとし
て表示することができます。これらの表示は、現在選択されているベクトル場の移流成分のみを抜き出した表現であ
ることに注意してください。図 3.2.1p に示したベクトル場に対応する流線を図 3.2.1q および図 3.2.1r に示します。
流線および粒子追跡の属性値を設定するには、コントロール バーの [2D Solution | Streamlines] ブランチをダブル
クリックします。
27
3.0 Getting Started
流線および粒子追跡の両方を描画した例を図 3.1.2n および図 3.1.2o に示します。
図 3.2.1q. 流速の結果(現在選択されている [2D Vector Set])は [Jack Dragger] をソースとする静止流線
として表現されます。流線はすべて同じ色で描かれます。
図 3.2.1r. 単 一フレームの粒子追跡アニメーションとして表現された速度の解析結果。ここで は 、
[Streamline Type] 属性が「stream-motion」に設定され、かつ [Randomize] 属性は選択されていません。
この設定により、すべての粒子はソースポイントから同時刻にスタートします。粒子がソースから下流に
28
3.0 Getting Started
向かって移動するにしたがい、主流路(右岸側)の横断方向のせん断力が大きくなってゆくことが分かり
ます。
Part E -
3D による結果の描画
地形:
地形表示には [Boundary Conditions] の地形スカラーセットが使用されます。それ以外のレイヤをその上に被せて表
示することも可能です。次に説明する課題は、地形の上にスカラー、ベクトルおよび流線の解析結果をレイヤとして
重ね表示させる方法を説明します。
• 最初に、メインメニューから [View] -> [Examiner Viewer] の順に選択して [Examiner Viewer] へ移動します。地
形を希望する方位へ回転させてください。
• [Grid and Input Conditions] をオンに切り替え、[Elevation] の入力条件をセットしてから [GIC Scalar Sets] を
オンにしてください(図 3.2.1s)。
図 3.2.1s. モデルの解析結果をオーバーレイするための背景として使用する地形入力条件。
•
[View] -> [Set Vertical Scale] を選択して垂直スケールを設定します。表示されるダイアログにスケール値とし
て 5.0 を入力してください。
29
3.0 Getting Started
•
以下に説明する手順にしたがって、カラーマップをデフォルト設定されているレインボーとは異なるタイプへ変
更してください。コントロール バーで [Grid and Input Conditions] ブランチがオンになっていることを確認し、
[GIC_Scalar Sets] ブランチのチェックボックスを選択します。また、[Input Condition] のラジオボタンで
[Elevation] が選択されていることを確認してください。凡例タブのいずれか 1 つをオンにしてそのラベルをクリ
ックし、表示されるポップアップ メニューの中から [Input Condition] を選択します。この凡例ラベルをダブル
クリックすると [Data Mapping] ダイアログが表示されます。[Color Mapping Attributes] の設定を、最高値が暗緑
色で表示され、それが緑色へ変化して最終的に最低値が黄色で表示されるように変更します(図. 3.2.1t)。変更
後の設定を有効にするために [Apply Color Map] ボタンを押してください。
図 3.2.1t. 図 3.2.1s に示す地形の表示色と等高線レベルは、この図([Data
Mapping] ダイアログ)に示す属性設定値を適用して描画されました。
•
メインメニューから [View] -> [Light Editor] の順に選択して入射光の方位を変更します。ボール上の矢印マーク
を移動させることによって光の向きを変更してください。
30
3.0 Getting Started
スカラー値の解析結果:
[Solution Z-Index] に計算された水位をセットすることにより、水位の解析結果を地形上にオーバーレイとして描画す
ることができます。それ以外の任意のスカラー/ベクトルの解析結果についても同様の描画が可能です。3 次元では、
スカラー/ベクトルの解析結果の垂直座標を地形または水位に重ねて表現することができます。
• コントロール バーから [2D Solutions | 2D Sol. Scalar Sets | WaterSurfaceElevation] を選択します。
[Solutions] と [2D Sol. Scalar Sets] の両方がオンになっていることを確認してください(図 3.2.1u)。
• 解析結果のスカラーの値をセットするため、メニューを [View] -> [Solution Z Index] ->
[WaterSurfaceElevation] の順に選択します。これにより、水位を表すスカラーセットに真の値が設定されます。
• 上で説明したと地形と同様に、[Data Mapping] 属性値を変更します。凡例(Legends)のいずれか 1 つを選択し、
凡例ラベルを右クリックすると表示されるポップアップ メニューの中から [2D Sol. Scalar] を選択します。[2D
Sol. Scalar Sets] ラベルをダブルクリックすると [Data Mapping] ダイアログが表示されます。最も高い値が濃い
青色で、最も低い値が明るい青色で表示されるように 3 種類の色を選択してください。
図 3.2.1u. 水位の解析結果が地形の上にオーバーレイ表示されています。
31
3.0 Getting Started
ベクトル値の解析結果:
解析結果の高さの値を水位と同じ値に設定することにより、水面へのベクトル描画が可能になります。
•
•
•
コントロール バーの [2D Solutions | 2D Sol. Vector Sets | Velocity] をオンにしてください(図 3.2.1v)。
ベクトル属性値へアクセスするために [2D Sol. Vector Sets] ラベルをダブルクリックします。必要ならば、ここ
でベクトルのスケール変更、[Arrow End] の変更(デフォルトの [Chevron] から [Triangle] へ)を行ってください。
カラーマップに希望する変更を行い、[2D Sol. Vector] に凡例を追加します。
図 3.2.1v. 水位の解析結果に速度ベクトルを追加して描画した例。すべての解析結果は水面に合
わせて表示されます。
32
3.0 Getting Started
流線の解析結果:
流線を水面近傍に表示することができます。そのためには、ソースをドラッグして水面まで移動させます。
•
•
•
コントロール バーで [2D Solutions | Streamlines] を選択します(図 3.2.1w)。
流線をドラッグして希望する位置まで移動します。
コントロール バーの [2D Solutions | Streamlines] のテキスト部分をダブルクリックして [Streamline Attributes]
へアクセスします。[General Attributes] タブに以下のパラメータを設定してください:
1. ドラッガーソースの幅を設定します。[Dragger Source Width] スライドバーをドラッグしながらソースポ
イント位置の変化を可視化します。幅を 180 m 程度(流水領域の幅)に設定してください。
2. [Dragger #Pts] を 20 に設定します([Apply] ボタンを押す必要があります)。
3. [Type] として [Streamlines] を選択します。
•
•
[Solution Attributes] タブを選択し、[Max Length] の値を 10000、[Max Lifetime] の値を 10000 に設定します。
[Stream Motion] タブを選択し、[Length Factor] の値を 50、[Time Step] の値を 10 に設定して [Randomize Start]
オプションのチェックマークを消しておきます。
図 3.2.1w.ソースドラッガーを画面に表示されている位置まで対話操作で移動させたことによ
り、流線ソースの標高が水面と一致するように設定されています。
33
3.0 Getting Started
Part F -
結果の検証
iRIC はモデル予測値を実測値と比較検証するためにツールを備えており、水位と流速を何通りもの異なる形式で比
較することができます。ここでは、実際に測定された水位データセットが使用できる場合の例を示します。モデルの
実行が終了したら、メインメニューから [Verification] -> [WS Verification] の順に選択します。デフォルト設定では、
これにより水位の予測値と観測値を比較したプロットが表示され、これと併せて、断面平均の水位が流れに沿っての
縦断分布としてプロットされます。これとは異なる方法で検証を描画した例が図 3.2.1 x-aa に示されています。それ
ぞれの検証方法へアクセスするには、[Verification] ダイアログの [Water Surface] メニューを使用します。検証ツー
ルの使用法についてさらに詳しくは、1.5.8「Verification メニュー」を参照してください。
図 3.2.1x. 縦断分布として表示した水位予測
値と観測値。粗度の較正を行うときに有用な
表示方法です。水位勾配はある程度まで粗度
によって決まるので、解析水位の勾配を観測
値と比較することにより粗度に適切な値を設
定するための指針が得られます。たとえば、
粗度設定値が大きすぎると解析水位の勾配が
観測値よりも大きくなります。
図 3.2.1y. 縦断分布として表示した解析水位の
残差(予測値から観測値を減算)。
図 3.2.1z. 水位解析値と観測値の相関。
図 3.2.1aa. 解析水位から観測された水位を減
算した残差。
3.2.2 FaSTMECH チュートリアル 2 – 粗度分布と GIC Coverages
34
3.0 Getting Started
実際に測定された粒径をモデリングシステムに適用することにより、計算グリッドに対話的に粗度をマッピングする
ことができます。このチュートリアルは以下の 3 つの基本ステップから構成されています:(1) 一定の粗度係数を使
用して解析を実行し、測定された水位と比較してモデルを較正します、(2) 実測された粒径(グリッドへマッピング
する値)を使用してグリッド上で使用する粗度分布を作成します(河床の粒径分布を反映したもの)、(3) 新しい粗
度分布を適用したモデルを実測された水位と比較してモデルの再較正を行います。これらの操作を行うことにより、
モデルによる水位分布の実測値に対する精度が向上します。このチュートリアルはユーザーがすでに課題 1 を実行し、
iRIC の基本操作を理解されているものと仮定しています。このチュートリアルでは以下のタスクを最初から最後ま
で行います:
チュートリアル 2 のステップ:
•
•
•
•
•
地形とグリッドのインポート
シミュレーションを実行し、粗度を一定としてモデルを較正する
粒径の入力条件を作成する
粗度をグリッドへマッピングする
モデルを粗度分布に合わせて較正する
Part A -
地形とグリッドのインポート
地形と補助データをインポートする
iRIC ディレクトリの iRIC Tutorials\FaSTMECH\Tutorial 2 フォルダから地形ファイル Trinity.tpo をインポートします。
これに加えて、(1) 実測水位データファイル WSE_4000cfs.anc および (2) 実測された平均粒径サイズファイル
D50_040326.anc をインポートしてください。
作成済みモデルグリッドをインポートする
メニューから [File] -> [Import] -> [Curvilinear Grid] -> [XY] の順に選択します。[File Open] ダイアログが開くので、
その中の Tutorial 2.riv を選択します。これにより、グリッドのノードポイントがインポートされますが、グリッドに
地形や補助データはまだマッピングされていません。iRIC のプロジェクトが切り替わってもモデルグリッドの一貫
性を保てるという意味で、上の手続きにしたがってグリッドをインポートするのが良い方法です。コントロール バ
ーの [Grid and Input Conditions] および [Grid and Input Conditions | Create Grid] データオブジェクトをオンにし
てください(図 3.2.2a)。直交曲線座標系グリッドの中心線が複数のポイントによって定義されており、これらのポ
イント間の隔たりがほぼ水路幅に等しいこと、および水路の平均的な曲率を可能な限り忠実に追っていることに注意
してください。
35
3.0 Getting Started
図 3.2.2a. 実測された地形と直交曲線座標系グリッド。
図 3.2.2b. TIN 方法にしたがってグリッドにマッピングされた標高。
標高をグリッドへマッピングする
この例で使用する実測標高値は一般的にほぼ一様に分布していますから、Map w/TIN 方法を用いて標高をマッピング
する良い例となっています。メニューから [Preprocessing] -> [Set Current Input Condition] -> [Map w/Tin] の順
に選択します(図 3.2.2b)。Map w/TIN 方法を使用する場合、TIN 境界の外部のグリッド上のすべてのポイントに
TIN の最高標高を与えます。
36
3.0 Getting Started
Part B -
シミュレーションを実行し、粗度を一定としてモデルを較正する
メニューから [FaSTMECH] -> [New Simulation] の順に選択してください。[Save As] ダイアログにシミュレーショ
ンの名前(例:example, sim1)をタイプ入力します。メニューから [FaSTMECH]->[Edit Input File] の順に選択し、
図 3.2.2c に示す値を入力してください。ダイアログの OK を選択し、メニューから [FASTMECH] -> [RUN] の順に
選択します。モデルの実行が完了すると、[Grid and Input Conditions | Input Conditions] に Depth が追加されてい
ます。水位の検証結果が図 3.2.2d および図 3.2.2e に示されています。粗度として一定の値を使用した結果として、
解析範囲の上流端での解析精度が低いことに注意してください。
A
B
C
D
37
3.0 Getting Started
F [Create 1-D Solution] オプションが選択され
ていることに注意してください
E
G
I
H
J
図 3.2.2c. [FaSTMECH Parameters] ダイアログを使用して以下のパラメータを入力します。(A) Discharge(流量)、
(B) Stage(水位)、(C) Roughness(粗度)、(D) Lateral Eddy Viscosity(横断方向の渦粘性)、(E) Grid Extension
(グリッド拡張)、(F) Water Surface Elevation(水位)、(G) Topography(地形)、(H) Wetting and Drying(水域
と陸域)、(I) Solution Properties(ソリューションプロパティ)、(J) Solution Output(ソリューション出力)。
38
3.0 Getting Started
図 3.2.2d. 水位解析値および実測値をグリッド中心線
に沿った縦断分布として表示。上流端では水位解析値
の方が高い値を示していることに注意。
Part C -
図 3.2.2e. 水位解析値の残差。
粒径の入力条件を作成する
Part B でも触れたように、解析結果では,解析領域の上流端付近において水位予測値と実測値とのマッチングが悪く
なっています。この領域で解析水位が実測値よりも急峻になっており、これは、一定の粗度係数の使用が解析範囲の
下流部分では良好な予測を可能にしているものの、上流部分では値が小さすぎることを示唆しています。すなわち、
一定の粗度係数が良好な解析結果を与える範囲が存在する一方で(たとえば Tutorial 1)、良い予測値が得られない
解析範囲も存在します。ここでモデリングを行った解析範囲の場合は、広い領域をカバーする粒径データセットが存
在しますので、このデータを使用して粗度係数を決定します。
粒径入力条件を作成する
•
•
コントロール バーのデータツリーの中から [Grid and Input Conditions | Input Conditions] ブランチの位置を
確認し、[Input Conditions] データオブジェクトを右クリックして表示されるポップアップ メニューの中から
[Create Input Condition] -> [Grainsize_d50] の順にメニューを選択します。
[Set Grainsize_d50 Default] ダイアログが表示されますので、値を変更せずに OK をクリックしてください。
実測粒径データをグリッドへマッピングする
実測された粒径データを [Grainsize_D50] 入力条件にマッピングします。実測データでカバーできないグリッド領域
を説明するための 2 個の値もインポートされます。
• コントロール バーのデータツリーの中にある [Grid and Input Conditions] ブランチを選択してオンにします
)。
(例:
• 現 在 選 択 さ れ て い る 入 力 条 件 が [Grainsize_d50] で あ る こ と を 確 認 し て く だ さ い 。 メ ニ ュ ー か ら
[Preprocessing] -> [Import Current Coverage] の順にクリックし、表示される [Import Coverage Data] ダイア
ログから Grainsize_Cov.anc を選択します。[Grid and Input Conditions | GIC Coverage] データオブジェクト
をオンにして Coverages を表示します(図 3.2.2f)。Map w/TIN 方法を用いて実測された粒径データをマッピン
グ す る こ と が で き ま す 。 現 在 選 択 さ れ て い る 入 力 条 件 が Grainsize_D50 で あ り 、 か つ [Ancillary Data |
39
3.0 Getting Started
Grainsize_D50] で現在選択されているのが Grainsize_D50 であることを確認してください。Map w/TIN 方法は
現在選択されている Ancillary Data セットをマッピングしますから、正しく選択されていることの確認が重要で
す。メニューから [Preprocessing] -> [Set Current Input Condition] -> [Map w/TIN] の順に選択します(図
3.2.2g)。インポートされた Coverages の値を表示させるには、[GIC Coverages | Right Bank D50] を右クリッ
クすると表示されるポップアップ メニューの中から [Properties] を選択してください。
図 3.2.2f. 2 つの粒径 Coverages ポリゴンと実測された粒径データが表示されています。
Coverages ポリゴンは実測されたデータの限界値にできるだけ近づけて描かれます。
図 3.2.2g. 粒径 Coverages ポリゴンと、TIN 方法を用いてマッピングされた
Grainsize_D50 入力条件。
40
3.0 Getting Started
Part D -
粗度をグリッドへマッピングする
粒径を使用して粗度分布をグリッドへマッピングする
Part C で作成した粒径入力条件と、Part B のシミュレーション(一定の粗度係数を使用)で得られた水深を使用して、
新たな粗度入力条件を作成します。
• メニューから [Preprocessing] -> [Set Roughness Input Condition] -> [Map w/Grainsize] の順に選択します。
図 3.2.2h(下)に示す [Create Roughness - Grain size] ダイアログにパラメータを設定します。この設定には粒
径分布と、初回シミュレーション(一定の粗度係数使用)から得られた水深の解析結果を用い、これらのパラメ
ータをもとにしてグリッドの各ノードごとの粗度を粗度係数として計算します。次に、この粗度係数を使用して
モデルの較正を行います。
図 3.2.2h. Grainsize_D50 で指定される入力条件と前回の実行で得られた水深(Depth)の解析結果を使用して粗度分
布をマッピングします。
41
3.0 Getting Started
Part E -
粗度分布に合わせてモデルを較正する
新しいシミュレーションを作成し、粗度の分布に合わせてモデルを較正する
•
•
•
シミュレーションファイルを sim2 という名前で新規作成します。
図 3.2.2c と同様の方法で入力ファイルを作成し(図 3.2.2i に示すように [Hydraulic Properties | Roughness]
のみが異なっていることに注意)、モデルを実行します。
水位の検証結果を図 3.2.2j および図 3.2.2k に示します。全体としては、特に解析領域の上方部分において、
一定の粗度係数を使用した前回のシミュレーション(図 3.2.2d)よりもはるかに良好な一致を示しています。
解析全体としての RMS 誤差は、粗度の分布を考慮した場合は 0.02、一定の粗度を使用した場合は 0.4 でし
た。
図 3.2.2i. 新しいシミュレーション(sim2)で使用する入力ファイルパラメータ。
図 3.2.2j. 水位予測値および実測値をグリッド中
心線に沿った距離の関数として表示。
図 3.2.2k. 水位予測値の残差。
42
3.0 Getting Started
3.4.1 Morpho2D チュートリアル 1 – 混合砂,植生などを考慮した流れと河床変動解析
このチュートリアルでは、iRIC v.1.0b モデリング システムを使用して、Morpho2D を用いて解析を行います。この
問題へのアプローチ方法は 2 種類あります。1 つ目は、iRIC 以外のソフトウェアで作成されたテキスト ファイルか
らグリッドと地形データをインポートする方法です。2 つ目は、地形をインポートしてから、iRIC で提供されている
一般座標グリッド生成ツールでグリッドを構築する方法です。いずれの場合も、所定のパラメータ セットと境界条
件に対してモデルが実行され、結果が出力されます。最後に、モデルを拡張して、表層、下層の河床材料の粒度、植
生、および固定床領域を考慮する方法を紹介します。
このチュートリアルでは次の表記方法を使用して、コントロール バー項目、ブランチ、メニュー項目を区別します。
メニュー項目は太字で表示し、パスを矢印で示します。コントロール バーのブランチは斜体太字で表示し、ブラン
チのパスを縦線で示します。次に例を示します。
メニュー: [File]->[Import]->[Topography]
コントロール バー: [Grid and Input Conditions | Create Gen. Coord. Grid]
チュートリアル 1 の手順:
第 1 の方法 – 一般座標グリッドをインポートする
•
•
•
•
•
Morpho2D.xml ファイルを読み込んで、Morpho2D モデルを初期化します。
グリッドと関連地形をインポートします。
粗度を決定します。
シミュレーションを作成し、計算条件を編集します。
Morpho2D モデルを実行し、結果を描画します。
第 2 の方法 – iRIC モデリング インターフェイスで一般座標グリッドを作成する
•
•
•
•
新しいプロジェクトを作成し、地形をインポートします。
iRIC の一般座標グリッド ツールでグリッドを作成します。
地形をグリッドにマッピングします。
第 1 の方法の手順 3 番目~5 番目 を繰り返します。
モデルの拡張
•
•
•
植生密生度、河床からの植生高さ、固定床領域の河床位などの補助データ セットをインポートします。
TIN 方法を用いて、新しい補助データ セットをグリッドの入力条件にマッピングします。
新しいシミュレーションを作成し、モデルを実行して結果を描画します。
43
3.0 Getting Started
第 1 の方法
1. Morpho2D モデルを使用するために iRIC を初期化する
コンピュータのデスクトップから iRIC のショートカットをダブルクリックして、アプリケーションを起動します。
[File] メ ニ ュ ー で [File]->[Initialize] の 順 に 選 択 し ま す 。 [Open XML Definition File] ダ イ ア ロ グ で iRIC
Tutorials\Morpho2D\Tutorial 1 フォルダを参照し、Morpho2D.xml ファイルを選択します。このファイルを選択する
と 、 iRIC イ ン タ ーフ ェイ ス が Morpho2D モ デル に 必要 な計 算 グリ ッド と グリ ッド 条 件で 初期 化され ます 。
Morpho2D.xml ファイルと iRIC モデリング インターフェイスとの連携、および iRIC モデリング インターフェイス
の初期化方法については、このチュートリアルの後半で詳しく紹介します。
2. 既存のモデル グリッドをインポートする
メ ニ ュ ー か ら [File]->[Import]->[Gen. Coord. Grid]->[.ini Format] の 順 に 選 択 し ま す 。 [Locate and Select
Morpho2D Grid File] ダイアログで、Xini、Yini、Zbini.dat ファイルのいずれかを選択します。グリッドに関連した標
高がインポートされ、標高の TIN が作成されます。グリッドの形状がインポートされ、標高がグリッドにマッピン
グされます。図 3.4.1.1 A&B に示すような一連のダイアログが表示されます。質問ダイアログが表示されたら、すべ
て「はい」の答えを選択します。インポート操作の結果はコントロール バーで確認できます (図 3.4.1.1 C)。コント
ロール バーの [Ancillary Data] ブランチに標高の [Scatter Set] と [TIN] が表示されていることに注意してください。
さらにコントロール バーの [Grid and Input Conditions] ブランチを展開すると、[General Coord. Leftedge]、
[General Coord. Leftedge] および [General Coord. Centerline] のブランチが表示されます。ここではこの存在を
確認するだけに留めます。チュートリアル後半の第 2 の方法で、それぞれの機能について説明します。なお、
Morpho2D.xml ファイルで定義された複数の値 (Elevation、FixedBedElevation、Roughness など) が入力条件に読み
込まれていることも確認してください (図 3.4.1.2)。
コントロール バーで、隣接するチェックボックスをオンまたはオフにしたり、オプションがある場所では表示対象
の値を選択して、[Ancillary Data]、[TIN]、[Grid and Input Conditions] などのデータ オブジェクトの表示/非表示
を指定することができます。たとえば、[Ancillary Data | Scatter Sets] の横のボックスをオンにすると、標高デー
タがオンになります。データ セット全体を表示するには、iRIC インターフェイスの右側の更新ボタン( ) をクリッ
クす ると、図 3.4.1.3 に示 すように標 高の 平面分 布が中央に 表示されま す。 [TIN] 、および [Grid and Input
Conditions] についても、それぞれの横のボックスをオン/オフにして表示/非表示を指定できます。
3. 粗度を決定する
メニューから [File]->[Save] の順に選択してプロジェクトを保存し、「Tut1.riv」というプロジェクト名を付けます。
コントロール バーの[Grid and Input Conditions] ブランチの各[Input Condition] に、[GIC Coverage]、[GIC
Nodes] および [GIC Scalar Sets] の 3 つのデータ型があります。最後の 2 つは[Input Condition] の値を表示するた
めのもので、最初の [GIC Coverage] は以下に示すように [Input Condition] の値を対話的に定義するためのもので
す。植生、固定床領域、障害物の効果についてはモデリングせず、これらの入力条件の既定値をそのまま使用します。
[Input Condition] ごとに [GIC Coverage] があり、[GIC Coverage] ごとに、ユーザーが描画した多角形と関連プロ
パティを使用して 1 つ以上の [Regions] を設定できます。グリッド全体を囲む多角形を作成し、次の手順に示すよ
うに GIC Coverage Tool を使用して、グリッドのすべてのノードの粗度の値を設定します。
• [Grid and Input Conditions] と [Create Gen. Coord Grid] をオンにします。
• [Grid and Input Conditions | Input Conditions] で [Roughness] を選択します。
44
3.0 Getting Started
•
チ ェ ッ ク ボ ッ ク ス を 選 択 し て 、 [GIC Coverage] を オ ン に し ま す 。 [Input Condition] ご と に [GIC
Coverage] があります。ここには、ユーザー定義の多角形でグリッドに描画され、多角形に含まれる各グリ
ッド ノードの値を規定するプロパティを持つ 1 つ以上の[Regions] が含まれています。1 つのグリッド ノー
ドに複数の多角形が存在する場合は、最後に描画された多角形によって下層の多角形がすべて上書きされま
す。
•
を選択し
新しい [GIC Coverage | Region] (多角形) を作成するには、GIC Coverage Tools ツールバーの
ます。図 3.4.1.4 に示すような多角形を作成します。左マウス ボタンで多角形ノードの場所を設定し、Enter
キーを押して終了します。
多角形の粗度の値を設定するには、必要に応じて最初に [GIC Coverage] ブランチを展開し、コントロール
バーで [GIC Coverage | Region_0] ブランチを右クリックして、表示されたポップアップ メニューで
[Properties] を選択します。マニングの n 値 (粗度係数)としてダイアログに「0.035」と入力します。
•
[Coverage Region] 多角形の任意の点の場所を編集するには、左マウス ボタンで [GIC Coverage | Region_0] などの
ように編集対象地域を選択します。選択すると、多角形の編集対象領域が赤くペイントされます。多角形の点を移動
ツールを使用します。他のツールバーにも外観が似たボタンがあ
するには、GIC Coverage Tools ツールバーの
るので、必ず GIC Coverage Tools ツールバーから選択するようにしてください。移動する多角形の点を選択し、左
マウス ボタンを押しながら、新しい場所にドラッグします。新しい点を移動する必要が生じたら、その都度
択します。
を選
A
B
C
図 3.4.1.1 A) デフォルトでは標高の TIN が作成されます。コンソール ウィンドウにはその TIN の結果が表示されま
す。任意のキーを押すとウィンドウが閉じます。B) デフォルトでは、標高は標高データの TIN を使用して、インポ
ートしたグリッドにマッピングされます。C) コントロール バーに、一般座標系グリッドをインポートしたときに作
成された [Data Objects] が表示されています。
45
3.0 Getting Started
<GridRelatedCondition>
<Item name="aelevation" caption="Elevation">
<Definition position="node" valueType="real" default="0" />
</Item>
<Item name="roughness" caption="Roughness">
<Definition position="node" valueType="real" default="0" />
</Item>
<Item name="fixed_bed_elevation" caption="FixedBedElevation">
<Definition position="node" valueType="real" default="0" />
</Item>
<Item name="vegetation_density" caption="VegetationDensity">
<Definition position="node" valueType="real" default="0" />
</Item>
<Item name="vegetation_height" caption="VegetationHeight">
<Definition position="node" valueType="real" default="0" />
</Item>
<Item name="obstacle" caption="Obstacle">
<Definition position="node" valueType="integer" default="1" option="true">
<Enumerations>
<Enumeration value="1" caption="Normal" />
<Enumeration value="2" caption="Obstacle" />
</Enumerations>
</Definition>
</Item>
図 3.4.1.2 コントロール バーの [Grid and Input Conditions] ブランチで入力条件を設定した GridRelatedCondition
ノ ー ド が 表 示 さ れ て い る Morpho2D.xml フ ァ イ ル の 一 部 。 項 目 は 「 Elevation 」 、 「 Roughness 」 、
「FixedBedElevation」、「VegetationDensity」、「VegetationHeight」および「Obstacle」で、これらすべてが動的
に iRIC モデリング インターフェイスに読み込まれていることに注目してください。
図 3.4.1.3 更新ボタン
を押して中央に配置した標高の補助散布セット。水流は左から右に流れています。
46
3.0 Getting Started
図 3.4.1.4 粗度を示す Coverage Region の多角形。Roughness (粗度) が現在選択されている入力であり、コントロ
ール バーの [Grid and Input Condition] と [GIC Coverage] ブランチが両方ともオンになっていること、また [GIC
Coverage] ブランチに、グリッド周辺を囲むユーザー定義の多角形を表す [Region_0] が表示されていることに着目
してください。
4. シミュレーションを作成し、計算条件を編集する
メニューで [iRIC]->[Create New Simulation] の順に選択します。[Save As] ダイアログにシミュレーションの名前
を入力します (例: 「Tut1a」など)。メニューで [iRIC]->[Edit Calculation Conditions] の順に選択します。最上位
レベルのグループは、[Stage-Discharge Boundary Condition] です。[Discharge] と [Stage] の両方にダイアログの
[Edit] ボタンを選択し、表示されたダイアログで [Import] ボタンをクリックします。[Discharge] でインポート対象に
「Discharge1.txt」ファイルを選択し、 [State at Downstream] ではインポート対象に「Stage1.txt」ファイルを選択
します。図 3.4.1.5 (B および C) に示すように、各項目の表に値が入力されます。残りの [Groups] については、図
3.4.1.5 (D~H) のように値を入力します。
47
3.0 Getting Started
A
B) [Import] を選択し、Discharge1.txt ファイルを開きま
す。
C) [Import] を選択し、Stage1.txt ファイルを開きます。
48
3.0 Getting Started
D
E
F
G
49
3.0 Getting Started
H
I
図 3.4.1.5: (A) 該当する Enter ボタンをそれぞれ選択して、[Discharge] と [Stage at Downstream] を編集します。ダ
イアログが表示されたら、それぞれ [Import] ボタンをクリックし、「Discharge1.txt」と「Stage1.txt」を選択します。
表示されるダイアログは、それぞれ (B)、(C) のようになります。次のグループごとに、(D-I) に示すようにパラメー
タを入力します。
50
3.0 Getting Started
[Calculation Condition] ダイアログが Morpho2D.xml ファイルから動的に作成されます。図 3.4.1.6 に示されているのは、
[Parameter] グループの Morpho2D.xml ファイルの一部です。ダイアログと xml ファイルを調べることで、パラメータ グ
ループがどのように構築されているかがはっきり確認できます。
<Tab name="parameters" caption="Parameters">
<Content>
<Items>
<Item name="calculation_type" caption="Calculation Type">
<Definition conditionType="constant" valueType="integer" option="true" default="0">
<Enumerations>
<Enumeration value="0" caption="Flow Only" />
<Enumeration value="1" caption="Bed Variation" />
</Enumerations>
</Definition>
</Item>
<Item name="start_time" caption="Start Time">
<Definition conditionType="constant" valueType="real" option="false" default="0" min="0"
/>
</Item>
<Item name="end_time" caption="End Time">
<Definition conditionType="constant" valueType="real" option="false" default="0"
min="start_time">
<Dependency>
<Condition type="always" target="start_time" />
<Action type="setMinimum" target="start_time" />
</Dependency>
</Definition>
</Item>
<Item name="computational_timestep" caption="Computational Timestep">
<Definition conditionType="constant" valueType="real" option="false" default="0" min="0"
/>
</Item>
<Item name="output_timestep_for_file" caption="Output Timestep for File">
<Definition conditionType="constant" valueType="real" option="false" default="0" min="0"
/>
</Item>
<Item name="output_timestep_for_screen" caption="Output Timestep for Screen">
<Definition conditionType="constant" valueType="real" option="false" default="0" min="0"
/>
</Item>
<Item name="bed_evolution_time" caption="Bed Evolution Time">
<Definition conditionType="constant" valueType="real" option="false" default="0" min="0"
/>
</Item>
</Items>
</Content>
</Tab>
図 3.4.1.6 [Parameters] タブに表示された Morpho2D.xml ファイルの一部 (図 3.4.1.5D) とその内容。
5. Morpho2D モデルを実行し、結果を描画する
メニューから [iRIC]->[Run] の順に選択します。モデルが実行されると、新しいコンソール ウィンドウが表示されます。
図 3.4.1.7 にスナップショットを示します。[Edit Calculation Conditions] ダイアログの [Parameters Group] で設定したと
おり、コンソール ウィンドウは進捗状況を確認できるように、10 秒間隔の情報が更新されます。
51
3.0 Getting Started
図 3.4.1.7 モデルを実行中の [Morpho2D] コンソール ウィンドウのスナップショット
計算が完了すると、コンソール ウィンドウは自動的に閉じられ、コントロール バーの [Solutions] ブランチに、使用可
能なスカラー値とベクトル値が表示されます。[2D Solutions | 2D Sol. Scalar Sets] は [Velocity] に、[2D Solutions |
2D Sol. Vector Sets] は [Velocity] に設定されています。保存されている解析結果をスクロールするには、Time Step
Tools ツールバーのドロップダウン リストを使用して、表示する解析結果を選択します。現在のタイム ステップは、シ
ミュレーションの前回のタイム ステップである 101 に設定されています。[File]->[Save] の順に選択してプロジェクト
を保存し、「Tut1」のように名前を付けます。
図 3.4.1.8 タイム ステップが 101 に設定されているときの解析結果。スカラー セットとベクトル セットの両方で
[Velocity] が選択されていることに注意してください。マウスの左ボタンでコントロール バーの [Solutions | 2D Sol
Vector Sets] をダブルクリックして、ベクトル属性を設定します。一般属性は主流部と下流部に一定色 (黒) を使用
し、矢印の終点属性は、一定色と三角形を使用するように設定されています。
52
3.0 Getting Started
第 2 の方法
6. 新しいプロジェクトを作成し、地形をインポートする
最初にメニューから [File]->[New] の順に選択します。インターフェイスが再初期化され、新しいプロジェクトが開
始されます。いったん iRIC アプリケーションが閉じてから再起動した場合は、メニューから [File]->[Initialize] の順
に 選 択 し 、 iRIC Tutorials\Morpho2D\Tutorial 1 フ ォ ル ダ で Morpho2D.xml フ ァ イ ル を 選 択 し て 、 モ デ ル の
definition.xml ファイルを再初期化する必要があります。メニューから [File]->[Import]->[Topography] の順に選択
します。[Select Topography File to Import] ダイアログが表示されたら、保存してある .riv ファイル (例「Tut1.riv」な
ど) を選択します。こうすると、前のプロジェクトで保存した地形が読み込まれます。第 1 の方法のときと同じよう
に、TIN アプリケーションのコンソール ウィンドウが表示されますが、前述したとおりにコンソール ウィンドウの
任意のキーを押すと閉じます。これとは別に、Tut1.riv へのパスを示すプロジェクト ファイルのフォルダも表示され
ます。これはプロジェクトに必要なすべてのデータがこのフォルダに入っていること、また iRIC アプリケーション
で作成したすべてのデータ ファイルがこのディレクトリに保存されることを示します。[OK] を選択して既定のディ
レクトリをそのまま使用します。コントロール バーでは、[Ancillary] ブランチにのみデータ (ここでは標高のデータ
セットと標高の TIN) が関連付けられていることに着目してください。
7. iRIC の一般座標系グリッド ツールでグリッドを作成する
本バージョンの iRIC には 3 種類の異なるグリッドを生成するツールが用意されています。このうち 2 つは構造格子
であり、1 つは非構造格子です。Morpho2D は一般座標系の構造格子を使用できます。メニューから [Grid/Mesh]>[2D General Coordinate Grid] の順に選択します。Create GC Grid Tool ツールバーの中にある一般座標系グリッド
生成ツールが起動します (図 3.4.1.9)。
図 3.4.1.9 コントロール バーの [Grid and Input Condition] と [Create Gen. Coord Grid] ブランチがオンになり、
[Create GC Grid Tools] で 2 つのボタンが使用可能になっていることに注目してください。最初のボタンは多角形を
作成してグリッドの境界を設定するために、2 つ目のボタンは中心線を作成するために使用します。
53
3.0 Getting Started
8. iRIC の一般座標グリッド ツールでグリッドを作成する
次の手順では、iRIC に付属のツールを使用して一般座標系グリッドを作成する方法を紹介します。ここで使用する
ツールはすべて Create GC Grid Tools ツールバー (図 3.4.1.10) に揃っています。ツールバー ボタンの上にマウスを
置くと、iRIC インターフェイスの最下部のステータス バーにそのボタンについての情報が表示されます。Create
GC Grid Tools にアクセスするには、コントロール バーで [Grid and Input Condition] と [Create Gen. Coord Grid]
ブランチの両方がオンになっていることを確認してください。
注)以下の説明において,氾濫原を有する場のメッシュ形成を想定して言葉を使用しています.つまり,左端線・右
端線とは,解析領域の左端線・右端線となり,氾濫原の端を示します.左岸線・右岸線とは,河道の左岸線・右岸線
を示します.一方,解析領域の左端線・右端線を河道の左岸線・右岸線と捉えれば,以下の説明の左岸線・右岸線は,
低水路の左岸線・右岸線となります.
左端作成ツール
右端作成ツール
中心線作成ツール
左岸作成ツール
右岸作成ツール
図 3.4.1.10 Create GC Grid Tools。これらのツールを使用して、一般座標系グリッドの形状と範囲を設定します。
A. 左端線を作成する: 上流から下流に続く左端線 (この場合は左から右) を作成します。左右の位置は下流を
向いた方向を基準にして決定します。左端作成ツールを選択し、マウスの左ボタンで個々の点を設定しなが
ら、モデル領域の左端を定義します。左端線を終了するには Enter キーを押します。図 3.4.1.11 に示すよう
な、測定地形の上流から始まり、下流で終わる左端線ができあがります。多角形作成時に地形データをズー
ム、またはパンニングするには、X 方向、Y 方向 および前後のローラーを回転させます。または、左マウス
ボタンで Alt キーを押してズームし、マウス ボタンで Alt + Ctrl キーを押してパンニングすることもできま
す。
B. 右端線、左岸線、右岸線を作成する: 右端線、左岸線、右岸線についても上記の左端線作成と同じプロセス
を繰り返します。図 3.4.1.11 を個々の線を配置する際の目安に使用してください。または地形を目安にする
こともできます。
C. 中心線を作成する: 上流から下流に続く中心線 (この場合は左から右) を作成します。中心線作成ツールを
選択し、左マウス ボタンで中心線の点を選択し、Enter キーを押して終了します。図 3.4.1.11 および
3.4.1.12 に示すような中心線ができあがります。中心線の点は、左岸線と右岸線内に収める必要があります。
中心線から左右岸線に垂直な横断面が描画されます。
D. グ リ ッ ド の パ ラ メ ー タ を 定 義 す る : メ ニ ュ ー か ら [PreProcessing]->[Set 2D General Coord. Grid
Parameters] の順に選択して、流下方向のメッシュ数と横断方向を設定します。[Num. Streamwise Nodes]
を「149」に設定します。[Set with Boundary Fitted Coordinates] ボックスは、この段階ではオフのままにし
ておきます。各流下方向のメッシュ数と河岸線および解析領域端線との交差点が表示されます。グリッドの
編集時にこれを目安にして、境界線が地形データ内に収まっているか、グリッドの境界線と流入方向・流出
方向との角度を確認できます。
54
3.0 Getting Started
E. 中心線の点を編集する: 作成した線を編集する前に、手順 D を完了する必要があります。上流部または下流
部の境界に、図 3.4.1.12 に示すようにグリッドが測定地形からはみ出てしまっている問題があることにお気
づきかもしれません。まずマウスでコントロール バーの [Gen. Coord. Centerline] ブランチを選択して、中
心線を編集します。中心線が赤くなります。これは中心線が編集モードであることを示します。これにより
中心線編集ツールが使用可能になります。中心線編集ツールを使用して、左のマウス ボタンで中心線の点を
選択し、ボタンを押したまま点を新しい位置にドラッグします。新しい位置に点をドラッグしているときは、
グラフィックの更新間隔が遅くなることがあります。マウスを押したまま、ゆっくり新しい位置にドラッグ
します。使用するたびごとにツールを選択し直す必要があります。グリッドの形状には、図 3.4.1.14 に示す
ように上流と下流の境界部に平行した列ができます。
F. 境界適合グリッドを作成する: メニューから [PreProcessing]->[Set 2D General Coord. Grid Parameters]
の順に選択します。図 3.4.1.15A に示すようにパラメータを入力し、[OK] をクリックします。メッシュ数や
境界形状により,グリッドの生成には 5 ~ 10 分かかることがあります。できあがったグリッドを図
3.4.1.15B に示します。
55
3.0 Getting Started
下流
上流
図 3.4.1.11 [Gen Coord. Left Edge]、[Gen Coord. Right Edge]、[Gen Coord Left Bank]、[Gen Coord. Right
Bank]、[Gen Coord. Centerline] が表示されています。解析境界端線と河岸線はグリッドの上下境界からはみ出
し、地形の境界内に中心線が描画されています。
図 3.4.1.12 左端線、左岸線、中心線、右岸線、右端線が上流から下流へ向かって (この場合は左から右に) 描画され
ています。左右の解析境界端線で氾濫原(または,堤防)の境界を設定します。左右の河岸線は、氾濫原内の蛇行水
路(または,低水路)の設定に使用します。中心線で、上流と下流のグリッド範囲を設定します。このグリッドでは
境界適合オプションは使用されていません。
56
3.0 Getting Started
図 3.4.1.13 上流または下流の境界で [Gen Coord. Centerline] を編集して、グリッドの列が流下方向に垂直で、境界
にほぼ平行になるようにしなければならないことがあります。図 3.4.1.14 のような結果になるように、上記手順 4
の説明に従ってグリッドを編集してください。
図 3.4.1.14 [Gen Coord. Centerline] を編集したため、下流境界近くのグリッド列が流下方向に対してほぼ垂直に、
境界に対してほぼ平行になりました。
57
3.0 Getting Started
A
B
図 3.4.1.15 (A) 境界適合一般座標グリッドパラメータ、および (B) 完成したグリッド。
58
3.0 Getting Started
9. 地形をグリッドにマッピングする
これまでの手順で、一般座標系グリッドを作成しました。これでグリッドの空間位置が定義されましたが、まだこの
グリッドに関連付けられている入力条件がありません。次の手順では、測定した地形をグリッドにマッピングします。
地形の TIN を使用して、各グリッド ノードの位置の標高を TIN から補間することによって、グリッドの各ノードに
地形をマッピングすることができます。
メニューから[Preprocessing]->[Set Current Input Condition]->[Map w/TIN] の順に選択します。上記に記載したマ
ッピング操作が行われます。できあがったグリッドとマッピングされた地形は、図 3.4.1.14 で表示できます。 [Grid
and Input Conditions | GIC Scalar Sets] がオンになっており、 [Input Condition] が [Elevation] に設定されている
ことを確認します。
図 3.4.1.14 グリッドにマッピングされた標高が表示されています。このビューを表示するために、コントロール バ
ーの [Grid and Input Condition] ブランチがオンになっていることに注意してください。
10. 第 1 の方法の手順 3 ~ 5 を繰り返す
第 1 の方法の手順 3 ~ 5 を繰り返し、新しいシミュレーションの結果を新しいグリッドを使用して描画します。 新
しいシミュレーションに「Tut1b」と名前を付けます。
モデルを拡張して、粒度と植生を追加する
ここでは、植生高さ、植生密生度、固定床河床位などの補助データを使用して、それぞれを該当するグリッドおよび
入力条件にマッピングします。さらに表層、下層の粒度分布を使用します。ここでは,72 時間の複数のピークを含
むハイドログラフでのシミュレーションを紹介します。また,地形と流れの変化だけでなく,粒度の変化も解析でき
ます。
59
3.0 Getting Started
11. 固定床河床位と植生高さなどの補助データ セットをインポートする
メニューから [File]->[Import]->[Ancillary Data]->[Scalar] の順に選択し、[Import Ancillary File] ダイアログでデータ
ツリーの [Vegetation Data Types | Vegetation Height] ブランチをダブルクリックし、[File to Import] テキスト ボ
ックスの横のボタンを選択して、「Vegetation Height.anc(河床位からの植生高さ)」というファイルを参照します。
[VegetationHeight] がコントロール バーの [Ancillary | Scatter Set] ブランチに追加されていることに注意してくだ
さい。前述の手順を繰り返して、Vegetation Density.anc(植生密生度) ファイルをインポートします。もう一度繰
り返して、Fixed Bed Elevation.anc (固定床河床位)ファイルをインポートします。FixedBedElevation データ型は、
[Import Ancillary File] ダイアログの [Sediment Data Types | FixedBedElevation] にあります。
12. 新しい補助データ セットを該当するグリッド入力条件にマッピングする
以下の植生高さデータの例に従って、手順 10 でインポートした各補助データ ファイルをマッピングします。
•
[Ancillary | Scatter Set | VegetationHeight] 、 [Grid and Input Condition | Input Condition |
VegetationHeight] の順に選択し、データ型のようにマッピングします。
•
メ ニ ュ ー か ら [Preprocessing]->[Set Current Input Condition]->[Map w/TIN] の 順 に 選 択 し ま す 。
VegetationHeight 補助データの TIN が生成されます。これで TIN からの各グリッド ノードの位置の
VegetationHeight を補間して、グリッドの各ノードをマッピングします。
VegetationDensity と FixedBedElevation についても,使用する場合は上記の手順を繰り返します。
12. 新しいシミュレーションを作成し、モデルを実行して結果を描画する
メニューから [iRIC]->[Create New Simulation] の順に選択します。[Save As] ダイアログにシミュレーションの名
前を入力します (例: 「Tut1c」など)。メニューから [iRIC]->[Edit Calculation Conditions] の順に選択します。図
3.4.1.17 のように値を入力します。
A
60
3.0 Getting Started
B) [Import] ボタンを選択し、Discharge2.txt ファイルを
C) [Import] ボタンを選択し、Stage2.txt ファイルを参
参照します。
照します。
D
E
61
3.0 Getting Started
F
G) [Import] ボタンを選択し、SurfaceGS.txt ファ
H) [Import] ボタンを選択し、SubsurfaceGS.txt フ
イルを参照します。
ァイルを参照します。
I
62
3.0 Getting Started
J
K
図 3.4.1.5: (A) 該当する [Enter] ボタンをそれぞれ選択して、[Discharge] と [Stage at Downstream] を編集します。ダ
イアログが表示されたら、それぞれ [Import] ボタンをクリックし、「Discharge2.txt」と「Stage2.txt」を選択します。
表示されるダイアログは、それぞれ (B)、(C) のようになります。表層と下層の粒度分布は、[Bed Material] グループ
(F) のそれぞれの [Edit] ボタンを選択して入力します。[Import] ボタンをクリックし、それぞれ「SurfaceGS.txt」と
「SubsurfaceGS.txt」を選択します。次の各グループについて、(残りの図) に示すようにパラメータを入力します。
63
3.0 Getting Started
2 つのシミュレーションの結果 (植生あり/植生なし) は、コントロール バーで 2 つのシミュレーションを切り替える
ことによって描画できます。
速度分布 (植生なし)
速度分布 (植生あり)
図 3.4.1.18 解析結果ごとに、メニューの [File]->[Save Special]->[JPEG] の順に選択することで、速度分布の JPEG
画像が生成されます。
64
3.0 Getting Started
3.5.1 Nays チュートリアル 1 – 周期的な蛇行水路の河床変動解析
このチュートリアルでは、iRIC モデリング システムと Nays ソルバーを使用して、理想化された単純な蛇行水路の
流れと土砂流送をモデリングします。グリッドと地形は、RIC-Nays アプリケーションからエクスポートしたコンマ
区切りファイルからインポートします。グリッドのインポートが完了すると、その後はモデルの計算条件を指定し、
モデルを実行して結果を描画するだけです。
チュートリアル 1 の手順:
1. Nays.xml ファイルを読み込み、Nays モデルを初期化します。
2. RIC-Nays アプリケーションからエクスポートしたコンマ区切りグリッド ファイルと関連したグリッド地形をイ
ンポートします。
3. シミュレーションを作成し、計算条件を編集します。
4. Nays モデルを実行し、結果を描画します。
5. 障害物を追加し、セルを変更します。
6. 新しいシミュレーションを作成し、モデルを実行して結果を描画してから、事前に作成した障害物のないシミュ
レーションと比較します。
1. Nays.xml ファイルを読み込み、Nays モデルを初期化する
コンピュータのデスクトップから iRIC のショートカットをダブルクリックして、アプリケーションを起動します。
[File] メ ニ ュ ー で [File]->[Initialize] の 順 に 選 択 し ま す 。 [Open XML Definition File] ダ イ ア ロ グ で iRIC
Tutorials\Nays\Tutorial 1 フォルダを参照し、Nays.xml ファイルを選択します。このファイルを選択すると、iRIC イ
ンターフェイスが Nays モデルに必要な計算グリッドとグリッド条件で初期化されます。Nays.xml ファイルと iRIC
モデリング インターフェイスとの連携、および iRIC モデリング インターフェイスの初期化方法については、この
チュートリアルの後半で詳しく学習します。
2. RIC-Nays からエクスポートしたコンマ区切りグリッド ファイルと関連したグリッド地形を
インポートする
メニューから [File]->[Import]->[Gen. Coord. Grid]->[Nays .csv Format] の順に選択します。[Locate and Select
RIC-NAYS Grid File] ダイアログで「meander.csv」を選択します。グリッドに関連した標高がインポートされ、標高
の TIN が作成されます。グリッドの形状がインポートされ、標高がグリッドにマッピングされます。図 3.5.1.1 A&B
に示すような一連のダイアログが表示されます。質問ダイアログが表示されたら、すべて「はい」の答えを選択しま
す。インポート操作の結果はコントロール バーで確認できます (図 3.5.1.1 C)。コントロール バーの [Ancillary
Data] ブランチに標高の [Scatter Set] と [TIN] が表示されていることに注意してください。さらにコントロール
バーの [Grid and Input Conditions] ブランチを展開すると、[General Coord. Leftedge]、[General Coord.
Rightedge ] および [General Coord. Centerline] が表示されます。ここではこの存在を確認するだけに留めます。
Nays チュートリアル 2 で、それぞれの機能について説明します。なお、Nays.xml ファイルで定義された必要な値
(Elevation および Cell Condition) が入力条件に読み込まれていることも確認してください (図 3.5.1.1 D)。
コントロール バーは、データ オブジェクトのオンとオフを切り替え、オプションがある場合に表示対象の値を選択
するために使用します。たとえば、[Ancillary Data | Scatter Sets] の横のボックスをオンにすると、標高のデータ
セットがオンになります。データ セット全体を表示するには、iRIC インターフェイスの右側の更新ボタン(
) をク
65
3.0 Getting Started
リックすると、図 3.5.1.2 に示すように標高のデータセット全体が中央に表示されます。[TIN]、および [Grid and
Input Conditions] についても、それぞれの横のボックスを選択してオン/オフを指定することができます。
A
B
C
図 3.5.1.1: A) デフォルトでは標高の TIN が作成されます。コンソール ウィンドウにはその TIN の結果が表示されま
す。任意のキーを押すとウィンドウが閉じます。B) デフォルトでは、標高は標高データの TIN を使用して、インポ
ートしたグリッドにマッピングされます。C) コントロール バーに、一般座標系グリッドをインポートしたときに作
成 さ れ た [Data Objects] が 表 示 さ れ ま す 。 Nays.xml フ ァ イ ル で 定 義 し た グ リ ッ ド 条 件 「 Elevation 」 と
「CellCondition」に着目してください。
<GridRelatedCondition>
<!-RMCD changed Bed Elevation to Elevation for consistency in MD_SWMS
-->
<Item name="aelevation" caption="Elevation">
<Definition position="node" valueType="real" default="0"/>
</Item>
<Item name="cell_condition" caption="CellCondition">
<Definition position="node" valueType="integer" default="0" option="true">
<Enumerations>
<Enumeration value="0" caption="Normal"/>
<Enumeration value="1" caption="Obstacle"/>
<Enumeration value="2" caption="Unerodible"/>
<Enumeration value="3" caption="LWC_Erodible_without_vegetation"/>
<Enumeration value="4" caption="HWC Unrodible without vegetation"/>
<Enumeration value="5" caption="HWC fix-bed vegetation rough"/>
<Enumeration value="6" caption="HWC fix-bed vegetation middle"/>
<Enumeration value="7" caption="HWC fix-bed vegetation dens"/>
<Enumeration value="8" caption="LWC moveable-bed vegetation rough"/>
<Enumeration value="9" caption="LWC moveable-bed vegetation middle"/>
<Enumeration value="10" caption="LWC moveable-bed vegetation dens"/>
<Enumeration value="11" caption="LWC fix-bed vegetation rough"/>
<Enumeration value="12" caption="LWC fix-bed vegetation middle"/>
<Enumeration value="13" caption="LWC fix-bed vegetation dens"/>
</Enumerations>
</Definition>
</Item>
</GridRelatedCondition>
66
3.0 Getting Started
図 3.5.1.2 コントロール バーの[Grid and Input Conditions] ブランチで入力条件を設定した GridRelatedCondition
ノードが表示されている Shimizu.xml ファイルの一部。項目は Elevation および CellCondition で、これらすべてが動
的に iRIC モデリング インターフェイスに読み込まれていることに着目してください。
図 3.5.1.3 更新ボタン
を押して中央に配置した標高の補助データセット。
正方形ビューが選
択されています。
図 3.5.1.4
を選択することで、ビューが透視投影ビューから正方形ビュー
に変わります。このビューにする
と、どこからでも真上から見下ろすように表示されるため、グリッド、境界線、中心線など、相互に異なる標高でプ
ロットされた、垂直方向に標高の異なるグラフィック要素が完全に重なるように表示されます。
67
3.0 Getting Started
3. シミュレーションを作成し、計算条件を編集する
メニューから [iRIC]->[Create New Simulation] の順に選択します。[Save As] ダイアログにシミュレーションの名
前を入力します (例: 「sim1」など)。メニューから [iRIC]->[Edit Calculation Conditions] の順に選択します。 最
上位グループは「File Names」となっています。図 3.5.1.5 のように値を入力します。
A
B
68
3.0 Getting Started
C
D
E
69
3.0 Getting Started
F
G
H
70
3.0 Getting Started
I
J
図 3.5.1.5 グループごとに、図のようにパラメータを入力します。流量の時系列を入力するには、[Time] グループ
(B) で [Discharge Time Series] の値で [Edit] を選択し、ダイアログが表示されたら (C)、[Import] ボタンを選択して
Nays\Tutorial 1 ディレクトリの Discharge.txt ファイルを参照します。
71
3.0 Getting Started
4. Nays モデルを実行し、結果を描画する
まずメニューから [File]->[Save] の順に選択してプロジェクトを保存し、ファイルに「Tut1.riv」という名前を付けます。
メニューから [iRIC]->[Run] の順に選択します。モデルが実行されると、新しいコンソール ウィンドウが表示されます。
図 3.5.1.6 にスナップショットを示します。[Edit Calculation Conditions] ダイアログの [Time Group] で設定したとおり、
コンソール ウィンドウは進捗状況を確認できるように、10 秒間隔で更新されます。
図 3.5.1.6 モデルを実行中の [Shimizu Console] ウィンドウのスナップショット。3 つの列は、左から右に、時間、流
量、水位を表します。
計算が完了すると、コンソール ウィンドウは閉じ、コントロール バーの [Solutions] ブランチに、使用可能なスカラー
値とベクトル値が表示されます。[2D Solutions | 2D Sol. Scalar Sets] は [Velocity] に [2D Solutions | 2D Sol. Vector
Sets] は [Velocity] に設定されています。保存されている解析結果をスクロールするには、Time Step Tools ツールバー
のドロップダウン リストを使用して、表示する解析結果を選択します。現在のタイム ステップは、シミュレーションの
最終タイム ステップである 24 に設定されています。[File]->[Save] の順に選択してプロジェクトを保存し、「Tut1」の
ように名前を付けます。
72
3.0 Getting Started
図 3.5.1.6 タイム ステップが 24 に設定されているときの解析結果。[Elevation 2D Sol. Scalar Set] と [Velocity 2D
Sol. Vector Sets] が選択されていることに注意してください。
5. Grid and Input Conditions | Input Condition | Cell Condition を変更して障害物を追加する
GIC Coverage Tool を使用して障害物を作成するため、ノード値を定義する多角形を作成します。セル条件はセルの
プロパティなので、多角形でセル全体、またはセルの 4 つのノード全部など,障害物として定義するセルを包囲する
必要があります。この方法を次に示します。
• グリッドの [Cell Condition] を選択し、続けて [Input Conditions | Input Conditions] を選択します。
• チェック ボックスをオンにして、[GIC Coverage] をオンにします。[Input Condition] ごとに [Coverage]
があります。ここには、グリッドに描画され、多角形に含まれる各グリッド ノードの値を規定するプロパテ
ィを持つ 1 つ以上のユーザー定義の多角形が含まれています。1 つのグリッド ノードに複数の多角形が存在
する場合は、最後に描画された多角形によって下層の多角形がすべて上書きされます。
•
•
•
•
を選択します。
新しい [Coverage Region] (多角形) を作成するには、GIC Coverage Tools ツールバーの
図 3.5.1.7A に示すような多角形を作成します。
多角形のセル値を定義するには、コントロール バーの [GIC Coverage | Region_0] ブランチを右クリックし
(図 3.5.1.7B)、ポップアップ メニューが表示されたら [Properties] を選択します。
[Set CellConditions Value] ダイアログのドロップダウン メニューで [Obstacle] を選択します (図 3.5.1.7C)。
結果が図 3.5.1.7D のように表示されます。
上記で説明した手順以外にも、GIC カバー領域についての詳細は、iRIC ユーザーズ ガイドの 1.4.3 項「GIC
Coverage Toolbar」に記載されています。
カバー領域の場所を編集するには、[GIC Coverage | Region_0] のように編集対象領域を選択します。 多角形が赤く
なり、編集対象領域になったことがわかります。多角形の点を移動するには、GIC Coverage Tools ツールバーの
ツールを使用します。移動する多角形の点を選択し、左マウス ボタンを押しながら、新しい場所にドラッグします。
73
3.0 Getting Started
正方形ビューア
が選択されてい
ます。
A
B
74
3.0 Getting Started
C
D
図 3.5.1.7 (A) [Create Coverage Region] ツールで描画したユーザー定義の多角形。蛇行カーブの外岸側に 8 つのセ
ルを包囲する多角形が描画されます。(B) [GIC Coverage | Region_0] を右クリックして、多角形のプロパティを定義
します。(C) [Set CellCondition Values] ダイアログのドロップダウン メニューで [Obstacle] を選択します。(D) 結果
となる CellCondition の値が描画されます。
75
3.0 Getting Started
6. 新しいシミュレーションを作成し、計算条件を編集して結果を描画する
メニューから [iRIC]->[Create New Simulation] の順に選択します。[Save As] ダイアログにシミュレーションの名前を
入力します (例: 「Tut1b」など)。メニューから [iRIC]->[Edit Calculation Conditions] の順に選択します。3 項または
図 3.5.1.5 と同じ値を入力します。メニューから [iRIC]->[Run] の順に選択します。
計算が完了すると、コンソール ウィンドウは閉じ、コントロール バーの [Solutions] ブランチに、使用可能なスカラー
値とベクトル値が表示されます。[2D Solutions | 2D Sol. Scalar Sets] は [Velocity] に、 [2D Solutions | 2D Sol.
Vector Sets] は [Velocity] に設定されています。保存されている解析結果をスクロールするには、Time Step Tools ツー
ルバーのドロップダウン リストを使用して、表示する解析結果を選択します。現在のタイム ステップは、シミュレーシ
ョンの最終タイム ステップである 24 に設定されています。[File]->[Save] の順に選択してプロジェクトを保存します。
図 3.5.1.8 タイム ステップが 24 に設定されているときの解析結果。[Elevation 2D Sol. Scalar Set] と [Velocity 2D
Sol. Vector Sets] が選択されていることに注意してください。
76
3.0 Getting Started
3.5.2 Nays チュートリアル 2 – グリッド生成と洪水ハイドログラフを使用した解析
このチュートリアルでは、iRIC v.1.0b モデリング システムを使用して、グリッド生成と洪水ハイドログラフを使用
した解析行います。このチュートリアルでは、始めに地形をインポートしてから、iRIC で提供されている一般座標
系グリッド生成ツールでグリッドを構築します。所定のパラメータ セットと境界条件に対してモデルが実行され、
結果が描画されます。
このチュートリアルでは次の表記方法を使用して、コントロール バー項目、ブランチ、メニュー項目を区別します。
メニュー項目は太字で表示し、パスを矢印で示します。コントロール バーのブランチは斜体太字で表示し、ブラン
チのパスを縦線で示します。次に例を示します。
メニュー: [File]->[Import]->[Topography]
コントロール バー: [Grid and Input Conditions | Create Gen. Coord. Grid]
チュートリアル 2 の手順:
1. 新しいプロジェクトを作成し、地形と背景画像をインポートします。
2. iRIC の構造化グリッド ツールをそれぞれ使用して、グリッドを作成します。
A. iRIC 一般座標系グリッド ツールでグリッドを構築します。
B. iRIG 直交曲線座標系グリッド ツールでグリッドを構築します。
3. 入力条件に関連した粗度を定義します。
4. シミュレーションを作成し、計算条件を編集します。
5. Nays モデルを実行し、結果を描画します。
1. 新しいプロジェクトを作成し、地形と背景画像をインポートする
まずはメニューで [File]->[New] の順に選択します。インターフェイスが再初期化され、新しいプロジェクトが開始
されます。いったん iRIC アプリケーションが閉じてから再起動した場合は、メニューから [File]->[Initialize] の順
に選択し、iRIC Tutorials\Nays\Tutorial 2 フォルダで Nays.xml ファイルを選択して、モデルの definition.xml ファイ
ル を 再 初 期 化 す る 必 要 が あ り ま す 。 メ ニ ュ ー で [File]->[Import]->[Topography] の 順 に 選 択 し ま す 。 [Select
Topography File to Import] ダイアログが表示されたら、「Ishikari.tpo」ファイルを選択します。TIN アプリケーショ
ンのコンソール ウィンドウが表示されます。前述したとおりにコンソール ウィンドウの任意のキーを押すとウィン
ドウが閉じます。これとは別に、Ishikari.tpo へのパスを示すプロジェクト ファイルのフォルダも表示されます。こ
れはプロジェクトに必要なすべてのデータがこのフォルダに入っていること、また iRIC アプリケーションで作成し
たすべてのデータ ファイルがこのディレクトリに保存されることを示します。[OK] を選択して既定のディレクトリ
をそのまま使用します。コントロール バーでは、[Ancillary] ブランチにのみデータ (ここでは標高のデータセットと
標高の TIN) が関連付けられていることに着目してください。メニューから画像ファイルをインポートするには、
[File]->[Import]->[Ancillary Data]->[Image] の順に選択し、「Ishikari.jpg」ファイルを開きます。コントロール バー
の [Image Sets] と [Ishikari.jpg] の横のチェック ボックスをオンにして、画像を背景に配置します。
77
3.0 Getting Started
2. iRIC の構造格子 ツールを使用して、直交曲線座標系グリッドおよび境界適合一般座標系グリ
ッドなどのグリッドを作成する
本バージョンの iRIC には 3 種類の異なるグリッドを生成するツールが用意されています。このうち 2 つは構造格子
であり、1 つは非構造格子です。Nays は構造化された一般座標系および構造化された直交曲線座標系の両方で使用
できます。ここでは、いずれの座標系を使用してもグリッドを構築できます。
2A.
iRIC の一般座標系グリッド ツールでグリッドを作成する
メニューから [Grid/Mesh] -> [2D General Coordinate Grid] の順に選択します。Create GC Grid Tool ツールバー
(図 3.5.2.1) の中にある一般座標グリッド生成ツールが起動します。
図 3.5.2.1 コントロール バーの [Grid and Input Condition] と [Create Gen. Coord Grid] ブランチがオンになり、
[Create GC Grid Tools] で 2 つのボタンが使用可能になっていることに注意してください。
次の手順では、iRIC に付属のツールを使用して一般座標グリッドを作成する方法を紹介します。ここで使用するツ
ールはすべて Create GC Grid Tools ツールバー (図 3.5.2.2) に揃っています。ツールバー ボタンの上にマウスを置
くと、iRIC インターフェイスの最下部のステータス バーにそのボタンについての情報が表示されます。
78
3.0 Getting Started
注)以下の説明において,氾濫原を有する場のメッシュ形成を想定して言葉を使用しています.つまり,左端線・右
端線とは,解析領域の左端線・右端線となり,氾濫原の端を示します.左岸線・右岸線とは,河道の左岸線・右岸線
を示します.一方,解析領域の左端線・右端線を河道の左岸線・右岸線と捉えれば,以下の説明の左岸線・右岸線は,
低水路の左岸線・右岸線となります.
左端作成ツール
右端作成ツール
中心線作成ツール
左岸作成ツール
右岸作成ツール
図 3.5.2.2 Create GC Grid Tools。これらのツールを使用して、一般座標グリッドの形状と範囲を設定します。
A. 左端線を作成する: 上流から下流に続く解析領域の左端線 (この場合は右上から左下) を作成します。左端
作成ツールを選択し、マウスの左ボタンで個々の点を定義しながら、モデル領域の左端を設定します。左端
線を終了するには Enter キーを押します。左右の位置は下流に向いた方向を基準に決定します。図 3.5.2.3
に示すような、測定地形の上流から始まり、下流で終わる左端線ができあがります。多角形作成時に地形デ
ータをズーム、またはパンニングするには、いつでも X 方向、Y 方向 および前後のローラーを回転させます。
または、左マウス ボタンで Alt キーを押してズームし、マウス ボタンで Alt + Ctrl キーを押してパンニング
することも可能です。
B. 右端線、左岸線、右岸線を作成する: 解析領域の右端線、左岸線、右岸線についても上記の左端線作成と同
じプロセスを繰り返します。図 3.5.2.3 と図 3.5.2.4 を個々の線を配置する際の目安に使用してください。ま
たは地形と背景画像を目安にすることもできます。
C. 中心線を作成する: 上流から下流に続く中心線 (この場合は右上から左下) を作成します。中心線作成ツー
ルを選択し、左マウス ボタンで中心線の点を選択し、Enter キーを押して終了します。図 3.5.2.3 および
3.5.2.4 に示すような中心線ができあがります。中心線の点は、左岸線と右岸線内に収める必要があります。
中心線から左右岸線に垂直な横断面が描画されます。
D. グ リ ッ ド の パ ラ メ ー タ を 定 義 す る : メ ニ ュ ー か ら [PreProcessing]->[Set 2D General Coord. Grid
Parameters] の順に選択して、流下方向のノード数と横断方向を設定します。[Num. Streamwise Nodes] を
「85」に設定します。[Set with Boundary Fitted Coordinates] ボックスは、この段階ではオフのままにしてお
きます。各流下方向のメッシュ数と河岸線および解析領域端線との交差点が表示されます。グリッドの編集
時にこれを目安にして、境界線が地形データ内に収まっているか、グリッドの境界線と流入方向・流出方向
との角度を確認できます。
E. 中心線の点を編集する: 上流部または下流部の境界に、図 3.5.2.5 に示すようにグリッドが測定地形からはみ
出てしまっている問題があることにお気づきかもしれません。まずマウスでコントロール バーの [Gen.
Coord. Centerline] ブランチを選択して、中心線を編集します。中心線が赤く表示されます。これは中心線
が編集モードであることを示します。中心線編集ツールが使用可能になります。中心線編集ツールを使用し
て、左のマウス ボタンで中心線の点を選択し、ボタンを押したまま点を新しい位置にドラッグします。新し
い位置に点をドラッグしているときは、グラフィックの更新間隔が遅くなることがあります。マウスを押し
たまま、ゆっくり新しい位置にドラッグします。毎回ツールを選択し直すことが必要です。グリッドの形状
には、図 3.5.2.5 と 3.5.2.6 に示すように上流と下流の境界部に平行した列ができます。
79
3.0 Getting Started
F. 境 界 適 合 グ リ ッ ド を 作 成 す る : メ ニ ュ ー か ら [PreProcessing] -> [Set 2D General Coord. Grid
Parameters] の順に選択します。図 3.5.2.7A に示すようにパラメータを入力し、[OK] をクリックします。
グリッドの生成には数分かかることがあります。図 3.5.2.7B に示すようなグリッドができあがります。
プロジェクトを保存し、手順 3 に進みます。
上流
注: 中心線は上流から下流に向けて描画さ
れ、最初と最後の点によってグリッドの上
流および下流範囲が決定されます。
下流
図 3.5.2.3 中心線、解析領域の端(または,河岸)、河岸(または,低水路護岸)の線が表示されています。端線
と岸線が測定地形を大きくはみ出るように描画されていることに注意してください。また、中心線が測定地形の
範囲内に描画されていることにも着目してください。
図 3.5.2.4 左右の端線でグリッドの境界が定義されています。左右の岸線で、境界の満水または低水路が定義されて
います。中心線は水路の流路に従っています。
80
3.0 Getting Started
図 3.5.2.5 上流または下流の境界で [Gen Coord. Centerline] を編集して、グリッドの列が流下方向に垂直となるよ
うにする必要がある場合がよくあります。図 3.5.2.6 のような結果となるよう、上記の手順 2A の説明に従ってグリ
ッドを編集してください。
図 3.5.2.6 [Gen Coord. Centerline] を編集したため、下流の境界近くのグリッド列が流下方向とほぼ垂直になりま
した。
81
3.0 Getting Started
A
B
図 3.5.2.7 (A) 境界適合一般座標系パラメータと、(B) 生成されたグリッド。
82
3.0 Getting Started
2B.
iRIC の直交曲線座標系グリッド ツールでグリッドを作成する
メニューから [Grid/Mesh]->[2D Curvilinear Grid] の順に選択します。Create GC Grid Tool ツールバー (図 3.5.2.8)
の中にある一般座標系グリッド生成ツールが起動します。
図 3.5.2.8 コントロール バーの [Grid and Input Condition] と [Create Grid] ブランチがオンになり、[Create CL
Grid Tools] の最初のボタンが使用可能になっていること、またボタンの上にマウスのカーソルを置くと、アプリケー
ション最下部のステータス バーに、短いヘルプ メッセージが表示されることに注意してください。中心線作成ツー
ルを使用して、直交グリッドの中心線を対話的に定義します。
次の手順では、iRIC に付属のツールを使用して一般座標系グリッドを作成する方法を紹介します。ここで使用する
ツールはすべて Create GC Grid Tools ツールバーに揃っています。ツールバーのツールの詳しい説明は、ユーザー
ズガイドの 1.4.1 項を参照してください。
次の手順はグリッドを作成するために必要です。ツールバー ボタンの上にマウスを置くと、iRIC インターフェイス
の最下部のステータス バーにそのボタンについての情報が表示されます。構造化された直交グリッドの作成は、比
較的簡単です。最初に上流から下流に続く水路の中心線を設定し、次に水流の数と交差流点の数、グリッドの幅を指
定して、グリッドを設定します。
中心線
•
•
コントロール バーの [Grid and Input Conditions | Create Grid] オブジェクトをオンにします ([Grid] と
[Input Condition] をオンにした後 [Create Grid] をオンにします)。
中心線作成ツール ( ) を選択して、中心線を描画します。中心線は流下方向に描画する必要があります。こ
こでは流水の方向は右上から左下に向かっています。左マウス ボタンをクリックして中心線の点を定義し、
描画が終わったらキーボードの Enter キーを押します (図 3.5.2.9 A)。
83
3.0 Getting Started
A
B
図 3.5.2.9 A) 中心線: 中心線の間隔が、水路幅とほぼ同じになっていることに注意してください。 B) 直交曲線座標系
グリッド。水路中心付近において,縦断的にも横断的にも約 50 m の格子間隔に設定されています。
84
3.0 Getting Started
グリッドを作成する
•
メニューから [Preprocessing]->[Set 2D Curvilinear Grid Parameters] を選択します。ダイアログにグリ
ッドの寸法と幅を入力します。縦断方向の格子点数に「161」、横断方向の格子点数に「21」、幅に
「1000」と入力し、[Apply] ボタンをクリックします。[Apply] ボタンを使用すると、ダイアログを閉じずに
変更を確認できます。できあがったグリッドは図 3.5.2.9 B のようになります。プロジェクトを保存して手順
3 に進みます。
3. 地形をグリッドにマッピングする
これまでの手順で、(2A) 一般座標系グリッド、または (2B) 直交曲線座標系グリッドを作成しました。いずれの場合
もグリッドの空間位置が定義されましたが、まだこのグリッドに関連付けられている入力条件がありません。次の手
順では、測定した地形をグリッドにマッピングします。この手順はグリッドに関係なく、手順 2A を使用する場合も
2B を使用する場合も同じです。地形の TIN を使用して、各グリッド ノードの位置の標高を TIN から補間すること
によって、グリッドの各ノードに地形をマッピングすることができます。
メニューから [Preprocessing]->[Set Current Input Condition]->[Map w/TIN] の順に選択します。上記に記載した
マッピング操作が行われます。できあがったグリッドとマッピングされた地形は、図 3.5.2.10 で表示できます。
図 3.5.2.10 グリッドにマッピングされた標高が表示されています。
85
3.0 Getting Started
4. シミュレーションを作成し、計算条件を編集する
メニューから [iRIC]->[Create New Simulation] の順に選択します。[Save As] ダイアログにシミュレーションの名
前を入力します (例: 「sim1」など)。メニューから [iRIC]->[Edit Calculation Conditions] の順に選択します。図
3.5.2.11 のように値を入力します。
B – [Discharge Time Series] の [Edit] ボタンを選択し、流量データを入力します – 図 (C) を参照
C – [Import] ボタンを選択し、Discharge.txt ファイルを開きます
86
3.0 Getting Started
D
E
F
87
3.0 Getting Started
G
H
I
88
3.0 Getting Started
J
図 3.5.2.11 図のように、グループごとにパラメータを入力します。流量の時系列を入力するには、[Time] グループ
(B) で [Discharge Time Series] の値で [Edit] を選択し、ダイアログが表示されたら (C)、[Import] ボタンを選択して
iRIC Tutorials\Nays\Tutorial 2 ディレクトリの Discharge.txt ファイルを参照します。
5. Nays モデルを実行し、結果を描画する
メニューで [iRIC]->[Run] の順に選択します。モデルが実行されると、新しいコンソール ウィンドウが表示されます。
[Edit Calculation Conditions] ダイアログの [Time Group] で設定したとおり、コンソール ウィンドウは進捗状況を確認で
きるように、600 秒間隔で更新されます。
計算が完了すると、コンソール ウィンドウは閉じ、コントロール バーの [Solutions] ブランチに、使用可能なスカラー
値とベクトル値が表示されます。[2D Solutions | 2D Sol. Scalar Sets] は [Velocity] に、 [2D Solutions | 2D Sol.
Vector Sets] は [Velocity] に設定されています。保存されている解析結果をスクロールするには、Time Step Tools ツー
ルバーのドロップダウン リストを使用して、表示する解析結果を選択します。現在のタイム ステップは、最大流量に対
応したタイム ステップである 30 に設定されています(図 3.5.2.11)。[File]->[Save] の順に選択してプロジェクトを保
存し、「Tut2」のように名前を付けます。
89
3.0 Getting Started
図 3.5.2.12 タイム ステップが 30 に設定されているときの解析結果。[Elevation 2D Sol. Scalar Set] と [Velocity 2D
Sol. Vector Sets] が選択されていることに注意してください。また、ソリューション セットのプローブがオンにな
っており、プローブ場所の結果がアプリケーションの最下部に表示されています。
90
3.0 Getting Started
その他機能
Hot start 機能を用いた再計算
1.Hot Start 機能概要
この章では,Hot Start 機能を使った計算例について説明します.Nays モデルでは,この Hot Start 機能を使って計
算結果の引き継ぎや再計算を行うことができます.例えば長期間の洪水計算を行う際に,ハイドログラフ全体は粗い
出力間隔で全体の流況を確認し,ピーク付近は細かい出力間隔を設定し詳細な流況を可視化したい場合などに用いる
ことができます.ここでは,前章に示した石狩川の計算の例をとってその使い方について説明します.
まず,計算格子の作成までは前章に示した手順と同様です.ここでは,図 3.6.1 に示すように計算条件設定のうち
Hot Start タブから再計算用の設定を行います.
図 3.5.2.13 Hot Start 機能設定画面
この画面では以下の設定を行うことができます.
1.再計算用の一時ファイルを出力する場合は,出力ファイル数と出力時間を指定する.
2.1 で作成した一時ファイルを読み込んで再計算したい場合は,読み込むファイル名を指定する.
この例では,一回目の計算ではハイドログラフ全体を計算するので,1の機能を使ってあらかじめ再計算に用いる一
時ファイルを出力しておきます.ここではハイドログラフのピーク付近の時間である 14400 秒の時点の一時ファイ
ルを指定しておきます.なお,再計算に用いる一時ファイルは最大十個まで作成可能で,指定する時間の単位は全て
秒となります.
91
3.0 Getting Started
図 3.5.2.14 一時ファイル出力設定.一時ファイルを出力する場合,Output temporary files を Yes とします.出力一
時ファイルは最大で 10 個まで作成可能です.
一回目の計算を行うと作業フォルダに先ほど指定した時間の一時ファイルが出力されています.このとき出力され
る一時ファイルの名前は自動的に tmp0.d~tmp9.d となります.
ピーク付近の流況を詳細に確認する二回目の計算では,出力時間間隔を短くすると共に,Hot Start タブで再計算用
の設定を行います.再計算を行うには先ほど出力した一時ファイルを読み込む必要があります.Hot Start タブの
Calculate from initial or temporary file で,計算を初期条件から行うか再計算とするかを指定します.再計算を指定し
た場合,その下で読み込む一時ファイルを指定することができます.ここでは,先ほど出力している 14400 秒の時
点の一時ファイルを指定します.
92
3.0 Getting Started
図 3.5.2.15 再計算に関する設定.Calculate from initial or temporary file で計算を初期から行うか途中から行うかを
指定し,Input Temporary File Name で再計算用の一時ファイルを指定します.
このようにして Nays では計算を途中から行う,もしくは計算結果を引き継いだ計算を行うことができます.
93
3.0 Getting Started
2.変数定義点
Nays モデルでは座標系に一般座標系,格子システムにはスタッカード格子を採用しています.再計算に用いる一
時ファイルに出力される変数は,定義点のものが直接出力されています.一時ファイルに出力している変数及びその
定義点は以下の図のようになります.
図 3.5.2.16 Nays モデルにおける変数定義点.
出力点 A:x, y 座標,格子移動速度ηt,交点の渦動粘性係数 ntx
出力点 B:ξ方向流速 uξ,及びその微分量 duξ/dξ, duξ/dη
出力点 C: η方向流速 uη,及びその微分量 duη/dξ, duη/dη
出力点 D:水深 hs,標高 z,水位 H,浮遊砂濃度 C 及びその微分係数 dc/dξ, dc/dη ,渦動粘性係数 nt,乱れエネルギ
ーk,乱れエネルギー散逸率ε
94
3.0 Getting Started
3.出力フォーマット
一時ファイルの出力フォーマットは,以下の通りになります.
・出力形式は Fortran の Unformatted を指定.
・変数の書き出しは以下.
write(unit) time, icount, dt
!時間,時間ステップ回数,計算時間刻み
write(unit) nx, ny
!格子数,x, h 方向
write(unit) ((x(I,j),i=0,nx),j=0,ny)
!x 座標
write(unit) ((y(I,j),i=0,nx),j=0,ny)
!y 座標
write(unit) ((eta_t(I,j),i=0,nx),j=0,ny)
!格子移動速度
write(unit) ((hs (I,j),i=1,nx),j=1,ny)
!水深
write(unit) ((eta(I,j),i=1,nx),j=1,ny)
!標高
write(unit) ((h(I,j),i=1,nx),j=1,ny)
!水位
write(unit) ((c(I,j),i=1,nx),j=1,ny)
!浮遊砂濃度
write(unit) ((u(I,j),i=0,nx+1),j=0,ny+1)
!x 方向流速
write(unit) ((v(I,j),i=0,nx+1),j=0,ny+1)
!h 方向流速
write(unit) ((dudx(I,j),i=0,nx+1),j=0,ny+1) ! x 方向流速の x 方向微分係数
write(unit) ((dudy(I,j),i=0,nx+1),j=0,ny+1) !x 方向流速の h 方向微分係数
write(unit) ((dvdx(I,j),i=0,nx+1),j=0,ny+1) !h 方向流速の x 方向微分係数
write(unit) ((dvdy(I,j),i=0,nx+1),j=0,ny+1) !h 方向流速の h 方向微分係数
write(unit) ((dcdx(I,j),i=0,nx+1),j=0,ny+1) !浮遊砂濃度の x 方向微分係数
write(unit) ((dcdy(I,j),i=0,nx+1),j=0,ny+1) !浮遊砂濃度の h 方向微分係数
write(unit) ((nu_t(I,j),i=0,nx),j=0,ny)
!渦動粘性係数(セル中央)
write(unit) ((nu_t_x(I,j),i=0,nx),j=0,ny)
!渦動粘性係数(格子点)
write(unit) ((k(I,j),i=0,nx+1),j=0,ny+1)
!乱れエネルギー
write(unit) ((e(I,j),i=0,nx+1),j=0,ny+1)
!乱れエネルギー散逸率
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