2013年11月15日 週報

国際ロータリー2013~14 年度会長 ロン D.バートン
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第 2585 回例会 平成 25 年 11 月 15 日(金)
点
鐘
遠藤 英一 会長
ロータリーソング
それでこそロータリー
四つのテスト
喜久川 登 会員
お客様紹介
富里ロータリー・クラブ
宮川 欣一 様
ニコニコボックス
諸岡 靖彦 会員: お手元に黄色い冊子を配らせていただきました。
新製品“千葉のつきと星”のご紹介です。中世の上総、下総で栄えた千
葉一族の歴史物語をお菓子にしました。千葉が歴史上一番輝いていた
のは、源頼朝が旗揚げした時代でした。頼朝を庇護して、全国に発信
した千葉常胤(つねたね)の時代です。あと5年経つと常胤公の生誕満9
00年になります。千葉氏の家紋のひとつが 月と星をかたどった「月
星紋」です。千葉一族の氏神である妙見さまを祀る千葉神社では「ツキを呼び勝ち星を拾
う」というメッセージが受験生にも人気です。ゆるキャラ風の馬のデザインは千葉が名馬
の産地として源平の合戦で活躍したからです。幸せを呼ぶ幸運スイーツとして、昨日夕方
の千葉テレビのニュースで報道されました。今朝の千葉日報にも掲載されました。このお
菓子で千葉の誇りとアイデンティを呼び起こしたいと念願しています。
石橋 菊太郎 会員:年度初めに成田山公園をタイのテレビ局だった
か映画会社が撮影に来まして、その時の続きが、今日、うちの隣の呉
服屋さんと、うちと漬物屋さんで行われ、撮影場所として提供しまし
た。成田の街がインターナショナルな部分で映像になっていくのは大
変喜ばしいことだと思います。また前回ニコニコでお話ししました“ぴ
ったんこカンカン”は今夜放送です。
阿部 慎一会員:先週、新聞紙上をあまり喜ばしくないことで賑わせ
てしまい、皆様にご心配、ご迷惑をおかけいたしました。お詫び申し
上げます。
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◇ 会長挨拶
遠藤 英一 会長
皆様こんにちは。11月も15日となり、朝晩すっかり涼しいというか寒くなり、全国
から紅葉の便りも聞こえる今日この頃です。先週の8日は地区大会のために振替休会とな
りました。
11月9日の土曜日には午後1時から地区大会第1日目
が「東京ベイ舞浜ホテルクラブリゾート」にて開催され、成
田クラブからは第9分区ガバナー補佐の設楽会員、地区青少
年奉仕委員長の石橋会員、そして、成田幹事と私、遠藤の4
名が参加しました。RI会長代理として国際ロータリー第3
520地区ガバナーである台北東北(タイペイ・トンペイ)
ロータリー・クラブ所属の張 順立(ザァン・スウン・リ)
氏をお迎えいたしました。
その講演会において、大変多くの知識を得ることができましたが、とくに注目されたの
は、世界はロータリー・クラブの構成員を含めて、常に変動しており、たとえば、現在の
クラブ会員の平均年齢が65歳であると、そのまま10年間が経過すれば、自然に平均年
齢は75歳になってしまうということ。つまり、会員の増強については常に若い世代をタ
ーゲットの1つとして積極的に行う必要があるということです。成田クラブにおきまして
も、この後、若い世代のひとりである諸岡正徳さんの入会式が控えております。第1日目
の本会議は午後5時過ぎに終了し、その後RI会長代理夫妻を囲んでの歓迎晩さん会が行
われました。
翌10日の日曜日は、地区大会第2日目であり、早朝7時30分に京成成田駅東口に集
合し、成田コスモポリタン・ロータリー・クラブとバスに相乗りして、前日と同じ会場に
向かいました。本会議はほぼ式次第通りに進み、記念講演では東国原英夫氏が「ピンチを
チャンスに!」という演題で、本人がビート・タケシの内弟子になって、芸人から政治家
になるまでを、1時間まさに会場中、抱腹絶倒状態でした。
また、地区大会第1日目にはクラブとして5件の表彰を受け、2日目には成田ロータリ
ー・クラブのロータリアン個人として3件の表彰を受けましたが、詳細は幹事から報告い
たします。
また、11月28日には第9分区親睦ゴルフコンペが習志野カントリークラブで予定
されており、集合時間も午前6時30分の早朝だそうですが、参加者の皆様のご健闘をお
祈りいたします。
本日の「一言、言わせろ」コーナーですが、どなたかいらっしゃいますか。それでは、
喜久川会員どうぞお願いいたします。
≪一言、言わせろ≫
喜久川
登
会員
軽いジョークが受け手の状況によっては心に突き刺さるブラッ
ク・ジョークになることも。
― 遠藤英一 会長より一言 ―
喜久川会員、貴重な一言をありがとうございました。悪意ではなく本当に親しみを込
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めた軽口であっても、受け手の状況によっては心に突き刺さるブラック・ジョークになる
こともあります。日常生活の中でもお互いに「親しき仲にも礼儀あり」に努めましょう。
◇
入会式
諸岡 正徳(もろおか まさのり) 会員
推薦人 神﨑 誠 会員、平山 秀樹 会員
株式会社FMG
代表取締役
顧 問 近藤 博貴 会員
所属委員会 クラブ広報委員会 プログラム 担当
クラブ奉仕委員会
青少年奉仕 担当
職業分類
航空運航サービス
みなさんこんにちは。ただいまご紹介にあずかりまし
た株式会社FMGの諸岡正徳でございます。ビューホテ
ルには青年会議所以来こさせていただき、非常に懐かし
く思っております。私は社外活動といたしまして、昨年
の 5 月まで成田法人会の青年部会の部会長をさせていた
だいておりました。伝統ある成田ロータリークラブに入
会させていただきまして本当に光栄に思っております。
先ほど、小宮山様の方から成田ロータリークラブは 53 年
目、設立が昭和 36 年ということでご紹介がありましたが、私は翌年 37 年生まれ、満 51
歳、皆様の息子の年代、当クラブでは下から数えて何番目かと思います。紹介して下さっ
た平山秀樹会員が私より後輩で良かったなと、一緒に活動してくれる仲間がいて良かった
なと切実に思っております。FMGはわかりにくい社名かと思いますが航空関係の仕事を
しております。全日本空輸様はじめ、外資系航空会社様の業務を受託させていただいてお
り、航空旅客を取り扱ったり、航空整備、運航業務という飛行機を飛ばすための仕事をし
ております。地元の皆様には、“米分の次男坊”ということで覚えていただければと思い
ます。はなはだ未熟者ではありますが、皆様の御指導をいただきましてクラブ運営の事も
含め、会社運営のことも勉強していければと思っておりますので、ご指導のほどよろしく
お願いいたします。本日はありがとうございました。
◇ 御挨拶
成田商工会議所
池内
富男
新会頭
10 月末の総会で会頭に選任されました池内です。考え方につき
ましてはおいおい述べさせていただきますが、とりあえず自己紹
介申し上げます。
私と成田との関係は多くの皆様とは違い、住民としては 2 年間
加良部に住み、そして 12 年の間、TFKに 7 年その後タスコフ
ーズに 5 年勤務しております。それ以前は日本空港にて国際線企
画業務に長くかかわっておりました。当時国際線は一社であった
ことより、そのときの運輸省から「成田空港の発着枠調整」の大
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任を委託として任じられ、成田発着枠にかかわる日米協定の締結にかかわってまいりまし
た。同時に会社の企画部門長として、長い間、深く成田に係わって参った次第です。
諸岡会頭より就任打診を受けて以来、土地の者でもないのでと固辞してまいりました。
しかし、長い間の成田空港との仕事面での係わり、また国際空港のあり方が急にクローズ
アップされている現在、自身の経験が、少しでも成田の地域活性化の一助となればと思い、
お受けいたしました。どうぞ皆様の御協力をお願い申し上げます。
成田商工会議所 小泉 英夫 副会頭
寝耳に水、荷が重いと一旦はお断りしましたが、諸岡孝昭前会
頭と池内さんに来ていただき、頭を下げられたのでお受けした次
第です。考えてみれば、青年部の頃から空港関係の事業をしてき
ました。それを生かして活動していきたいと思っております。皆
様の御協力、よろしくお願いたします。
◇ 幹事報告
≪回覧≫
成田
1.地区大会表彰の報告
市村元会員
橘 会員
温
幹事
ロータリー財団メジャードナー
〃
橘 会員
ロータリー米山記念奨学会メジャードナー
クラブ表彰
2012-2013 年度会員増強・拡大賞 新会員入会
〃
出席優秀クラブ
〃
ロータリー財団年次寄付優秀クラブ
〃
ロータリー米山記念奨学会寄付優秀クラブ
〃
ロータリー米山記念奨学会功労クラブ
2.ガバナー事務所より地区大会無事終了のお礼が届いています
3.ガバナー事務所より 「フィリピン台風被害の支援について」
被害地周辺および政府組織が混乱している状態なので、今しばらく確実な支援手
段を発見するまでお待ちくださいとの事。
4.ガバナー事務所より 地区大会会場での忘れ物の連絡
傘、マフラー
5.富里 RC、佐原 RC、多古 RC より 11月例会変更のお知らせ
6.ゴルフ担当より 第9分区親睦ゴルフコンペ参加者名簿
各自ご確認お願いします。
7.公益財団法人ロータリー米山記念奨学会より「ハイライトよねやま」
8.2014年国際ロータリー年次大会(シドニー)参加募集案内
参加される方は幹事までご連絡下さい。
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◇
卓話
今年を振り返って・・・
岸田
(成田山新勝寺
照泰 会員
庶務部長)
今年は、私にとってどういう年であったかと振り返ってみますと、突然、気を失って入
院するという衝撃的なことがありました。小さいころから健康には自信がありましたので、
点滴も入院も生まれて初めてのことばかりでした。今回の入院や自宅療養は、一人の人間
として、又宗教者として考えさせられた療養生活でした。
病名は、クモ膜下出血と頭蓋骨骨折。今でも頭の後ろに10cmほどの骨折痕が残って
おるそうで、お医者様に治りますかと聞きましたら、お年ですからくっつかないでしょう
と言われてしまいました。しかし、生活に支障ないそうです。クモ膜下出血は、前と頭の
頂に二か所。7 月 10 日、正午のことです。食堂で食事の注文をしトレーを持っていた時、
そのまま気を失ってしまいました。クモ膜下が生じてそうなったのか、倒れた衝撃でそう
なったのか原因はわかりません。すぐに救急車を呼び日赤に運んでいただきました。救急
車や日赤での記憶は細切れにあるだけですが、検査の時、「クモ」という言葉が聞こえ、
お医者様の「家族を」という言葉から、手術をするんだなとわかりました。しかし、救急
車を呼んだのが早く、そしてお寺に看護士がいた、日赤に着いたのも早かった。すべての
対応が早かったこともあり、手術をすることなく止血剤の対応で済みました。夕方意識が
戻り、先生から足を上げて、手をあげて、何か言葉をしゃべって下さい等の検査を受け、
結果「なんの後遺症もなくてよかったですね」と言われました。
先日、家内と東京に出かける用事があり、電車でいく自信がなかったので、息子に車で
送ってもらいました。その道中、ヒソヒソ話を家内と息子がしているので、何を話してい
るのか聞きましたら、気を失っている間、お医者からこういう病気になると仏様のように
穏やかな性格に変わったり、一方、頑固になったり、いやらしくなったりすると言われた
そうです。家内と息子でお坊さんがいやらしくなったら困りますね、と今となっては笑い
話のような話です。脳の病気はこのように性格まで変わってしまう事が有るので、気を付
けなければいけないとつくづく思いました。
先日診察で日赤へ行きましたら、くれぐれも頭には気をつけて下さいと言われました。
一度脳にダメージを受けてしまうと、頭を打ったりした場合、普通の人の数倍の衝撃にな
るそうです。お酒もほどほどに、歩き方も転ばないように気を
付けてください、1 年は脳を安定させるために努力をしてくだ
さいと注意を受けました。
お盆に檀家さんのお宅を廻るのですが、その時に、お灯明を
付けてお線香を付けても匂いがしない、煙たくもない、という
ことに気がつきました。おかしいなと思いつつ、行をすませて
家に帰り、匂いの強い食べ物を持ってきて嗅いでみても全く匂
いがしません。MRI をとってみると、鼻の上、嗅覚のところが
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白くなっていました。これは嗅覚の後遺症だそうです。他には今のところ後遺症は出てお
りませんが、後で出てくることもあるから十分注意をし、当分は様子をみていくというこ
とになりました。
お葬式、祈祷、そしてまた今日のように皆様の前でお話をさせていただく機会もありま
す。特に葬式でお経をあげるとき、『歎徳文』(たんどくもん)を仏様に奏上するのです
が、今回、自分自身もし手遅れとなって死去してしまうと「60 歳を一期として、黄泉に旅
立つ」という言葉が僧侶によって読まれたと思うんです。そうならなくて本当に良かった
とお不動様に感謝しております。そして家族、周りの人にも感謝の気持ちでいっぱいです。
仏教の話になりますが『相続』という言葉があります。これは仏教用語で、種をまいて
発芽し、成長し、そして花をさかせ実となる、その繰り返しを『相続』といいます。他行
の力、間接的な力を仏教では縁といいます。花を咲かせる、タネをまく、大きくなる。こ
れを因といいます。合わせて『因縁』といいます。物事の成りたちに自分は直接関係して
いなくても、影響を与える要因、そういったことを因縁といいます。
『天寿を全うする』とよく言いますが、普通、八十ぐらいで天寿といいます。では、六
十歳ではどうでしょうか。ベッドで療養していて天寿を全うするとはどういうことか考え
てみました。天から仏様からいただいた寿命を天寿といいます。ならば、おぎゃあと生ま
れてすぐに亡くなっても天寿かもしれない。二十歳で亡くなった青年でも天寿というかも
しれません
人間の命はどうやって決められたか?お聞きになった方もいるかもしれませんが、お釈
迦様の前世の物語に、ジャータカ物語があります。それに人間、馬、犬、猿、神様が登場
します。みんなの寿命を決めようと神様がおっしゃいます。みんなにまず三十歳の年をあ
げようとしました。馬は「三十歳は結構です、十年で十分です」と、二十年を神様に返し
ました。同じように、犬は十五年を、猿は十年を神様に返しました。いよいよ人間の番に
なり、神様が人間に三十年の年齢を上げようとしました。すると人間は、「三十では子供
が生まれて、目鼻が立ちません」「では馬の二十年をあげよう」「それでも、ようやく子
どもの手が離れて、孫の顔もみられません」「では、犬の十五年をあげて六十五としよう」
と。「それでも、孫をみて、妻と楽しい世界をみたい」とまだ足りないというと最後に、
「猿の十年を与えて七十五でどうだ」と。善い行いをしたら、それにプラスアルファを与
えようということになり人間の寿命が決まったという話です。
振り返ってみれば、馬と犬と猿から年をもらったので、三十~五十までの二十年間は人
間としての修行の年(二十年は馬車馬のように働く)。五十~六十五までの十五年間は社
会に奉仕する年(忠犬のように)。最後の六十五~七十五の十年は、社会に貢献し、家族
や周りに口うるさくならない(見ざる、聞かざる、言わざる)。
一生を空しく生きることなく、馬のように犬のように猿のように慎ましく生きなさいと
いうことで人間の命が決められたのです。
では『天寿を全うする』とはどういうことか。それは、「質」だと思います。ロータリ
ークラブに入会し、奉仕の理念、人の為に心血を注ぐことの重要性。これが天寿を全うす
るという人間の務めではないだろうかと考えます。人間は自分だけで存在することはでき
ません。必ず他のものの支えがあって自分が成り立つのです。生きるということの「質」
は他の人の支えになるような働きがなされているかどうかにかかっているのです。
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本日は、いろは歌の資料をご用意いたしましたので、あとで読んでください。いろは歌
は仏教の基本です。そこから色々な教えがあります。本日はご清聴ありがとうございまし
た。
「いろは歌」
わがひのもと ひとぐさ
吾日本の人民に
きんく
文化の花を咲かせんと
金口の真説四句の偈を
いろはにほへとちりぬるを
わかよたれそつねならむ
うゐのおくやまけふこえて
あさきゆめみしゑひもせす
みじかうた
国字に作る短歌
我が日本人に文化の花を咲かせて幸福を享受させようと、仮名文字をもって『いろは歌』
を作ったのは弘法大師空海上人とされています。「金口の真説」の金口とは如来のお口と
いうことであります。いろいろな金属の中では、黄金が一番貴く、色も美しく質も変化が
ありません。それと同じように仏陀は人間の中で最も貴い方であり、また既に生死を解脱
しておりますので、煩悩や妄想のために変遷することがありません。それゆえ仏の身は真
金山の如しといわれておるので、そのおん口を金口というのです。
真説は間違いのない正しい仏のみ教えということで、四句の偈は『涅槃経』第 13 巻聖行
品にある「諸行無常、是生滅法、生滅々己、寂滅為楽」であり、偈とは文字の数を揃えて
唱えやすく、記憶しやすくしたもので、日本の歌のようなものです。
国字に作る短歌とは、四句の偈を今様という韻文にして47文字の仮名文字で書いたも
のであります。短い歌ということで七五調を四句重ねた今様体の歌です。
【雪 山 童 子】
涅槃経の四句の偈文について一つの挿話があります。それは仏陀が遠い過去世の時、雪
山童子といって、ヒマラヤ山中でただ一人で修行しておりますと、どこからか美しい声で、
「諸行は無常なり 是れ生滅の法なり」
と、唱えたものがおります。それを聞いた雪山童子は、「ああ、何と美しい言葉であろ
う。しかし、あれだけでは文句が終わっていないから意味が完結していない。必ずあの続
きの文句があるはずだ。今あれを唱えた人に会って次の言葉を聞かねばならない。」こう
思いあちこち捜しましたら、そこに羅刹という鬼がいます。一目見ただけで身の毛がよだ
つような恐ろしい姿をしているではありませんか驚いた雪山童子は、こんな醜い恐ろしい
鬼があんな美しい声であの尊い教えを唱えるはずがない。あんな清らから声が口から出る
はずがない。しかし、あたりには他に誰もいないので、もしかしたらこの鬼が唱えたのか
もしれないと思い、
童子は、「今、諸行は無常なり是れ生滅の法なり。という偈文は、あなたが唱えたので
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すか。」と、こう聞いてみると、
鬼は、「そうだ」と答えました。
童子は、続けて「あなたがお唱えになったのでしたら、あれはどこで誰からお聞きにな
ったのですか。あれにはまだ続きがあるはずです。どうぞ、次の句を聞かして下さい。」
と、頼みましたら、
鬼は、「先刻あの句を唱えたのだが、先日来飢えに苦しんでいる。もう腹ペコで言葉が
出ない。」
すると童子は、「それなら食べ物を差し上げます。」というと、
鬼は、「驚くな、わしの食べ物は人間の肉だ。温かい人間の血を吸わねば生きていられ
ないんだ。」と、こわい目をむいて見せました。
童子は、何という無茶な奴だろうと驚きましたが、しかし考えると人間の肉体は、そう
長く生きられない。いずれ死ぬべき体。死んだら腐るか、鳥獣の餌食になるのであるなら、
今この肉体を捨てて真理を求めることが出来るならば、土器を与えて七宝の器を得るのと
おなじではないか。こう覚悟を決めて、
「それでは私のこの肉体を差し上げます。続きの偈文を聞かせて下さい。」というと、
鬼は、「生滅が滅し己りて、寂滅を楽とす。」と唱えました。
これを聞いた雪山童子は、「ああ、有り難い。これで私の悟りは成就した。」と喜んで、
この偈文を広く世に伝えるため、山中の石や木にそれを書き留めて、約束通り肉身を鬼に
施すために高い木に登り、下で待っている鬼の開いた大きな口を目がけてヒラリと飛び降
りたのです。あわや、その身はするどい牙にかみ砕かれ、鮮血は飲物となり、肉は餌食に
されたかと思うと、鬼はたちまち帝釈天となって童子の体を両手で受け止め、地上に安置
したのであります。
その時大勢の天人や大梵天王が現れて「善い哉。あなたは真の菩薩摩訶薩である。未来
において成仏された時、願わくは我らを済度し給え」と跪いて童子の足を頂戴したのち夢
のように消えてしまいました。
この雪山童子こそ仏陀の前身であったのです。この偈文を捨身の偈とも涅槃の偈とも、
また成道の偈ともいいます。
【四 句 の 偈】
雪山童子が身命に代えてまで求め得たところの四句の偈には、いったいどういうことが
説かれているのでしょうか。
《諸行は無常なり》
この世界に存在しているものは、それが自然現象であろうと精神現象であろうと、それ
はみな不断に変化し続けているものであります。ちょっと見たところ、何の変化もないよ
うに見えますが、因縁によって生まれ因縁によって死滅して行く一切の万物は、何一つ変
化しないものはありません。しかし、私たちは、このことに気が付かず、万物は永久に存
在するものと思い込んでそれに執着します。その執着が迷いのもとなのです。
《是れ生滅の法なり》
万物は不断に変化をとげている無常なものである。即ち、これを生滅する法とは、動か
すことの出来ない真理そのものであります。
《生滅が滅し己りて》
8
仏教では戒律を守り行為を正しくすること、禅定を修して精神の安定を図ること、智恵
を磨いて真理を悟ることを教えます。
この三学を実修することによって、無常無我の道理を悟ることが出来ます。そうすると
生死の迷いに流転している苦しい境涯から解放して、精神的な自由を得た境地に達するこ
とが出来るのです。
《寂滅を楽とす》
寂滅は、迷いの世界から離れた自由の境地のことをいいます。又は涅槃ともいいます。
これは仏教信仰の帰着点を示し、絶対安楽の境地です。
【い ろ は 歌 の 真 理】
今お話しした四句の偈は、難解な漢文ですので、それをわかりやすい日本語の歌に直し
たのが「いろは歌」です。
いろはにほへと、ちりぬるをわか、よたれそつね、ならむうゐの、おくやまけふこえて、
あさきゆめみしゑひもせす
このように読んでは、何のことやら意味がサッパリわかりません。
「色は匂へど散りぬるを、わが世たれそ常ならむ、有為の奥山けふこえて、浅き夢みじ
酔ひもせず。」と読みますと、
色は匂へど散りぬるを・・・・・諸行無常
わが世たれそ常ならむ・・・・・是生滅法
有為の奥山けふこえて・・・・・生滅々己
浅き夢みじ酔ひもせず・・・・・寂滅為楽
となるのです。もっと分かりやすく、少し文字を加えてみますと、
ооооо
оооо
оооо
ооооо
оо
「咲く花の色は匂へどやがてまた、散りぬるものをわが世には、誰れそ常なるものあらむ、
ооооо
оооо
о оо
оо
оо
いざこの有為の奥山を、けふ超えいでて、あさはけき夢はまた見じ、明かりなき酒に
оо
ооо
もとより、酔ひさめもせず。」
このようにしますと、いろは歌の意味が一層解るようになります。
これを簡単に説明いたしますと、
春になると人の心は陽気になります。花が咲き、鳥が囀ると浮かれ心になってしまいま
す。しかし、この美しい花の色も香しい匂いも、いつまで続くでしょうか。一夜の嵐に散
り失われることもあります。いや嵐がなくとも花は自然に散って行くものです。散る花の
はかなさを嘆いている我が身が、若いつもりでいるのに何時の間に年をとって、ついには
死んでいかねばならないんです。それは人間ばかりでなく一切の万物皆その通りでありま
す。生まれたものが老いぼれて必ず滅びてしまうことは、動かすことの出来ない大自然の
道理です。どんなにもがいても、いつまでも変化しないで生きてゆくことは出来得ること
ではありません。
これは迷いの世界の姿に過ぎないのであります。生滅変化してゆく宇宙の実相を明らか
に知る事によって、生死の苦しみに悩む迷妄の世界から抜け出て、消滅変化を乗り越えた
永遠不滅の真理の世界に到達することが出来ます。
9
この真理の理想境に入ることが出来ると、生死無常の嘆きも無くなり、物事に執着して
苦労することも無くなり、いつも明るい心で永遠に生き抜く大安楽な信念が得られるので
す。それが浅ましい夢を見ない、迷いの酒に酔わない状態なのであります。
いろは歌は、仏の教えの一部分である四句の偈だけの意味を説いたものではありません。
この四句の偈によって仏教全体の真理を示されたものであるのです。
◇ニューモラル No.531“「育てる心」が育つとき”を平山金吾会員よりいただきまし
た。
◇平成25年9月末発行の会員名簿 佐久間高直会員の会社電話番号が間違っておりまし
た。0476-22-4634を0476-22-4637に変更お願いいたします。
◇11月14日(木)ガバナー補佐主催の第 9 分区事務局会議が開かれました。設楽ガバ
ナー補佐の色々なお心遣いに感謝申し上げます。
出 席
表
会員数
出席義務者数
出席数
欠席数
出席率
前回補正
63
62
39
23
62.9%
80.3%
MAKE UP
CARD
氏
平山 金吾、遠藤
名
英一、成田
温、石橋
月
菊太郎、設楽
正行
各会員
設楽 正行、佐瀬
和年
遠藤 英一、成田
温、平野
豊田 磐、渡邉
孝
各会員
省二、佐瀬
和年、松田
泰長
各会員
日
ク ラ ブ 名
11 月 9 日
地区大会 1 日目
11 月 13 日
八街ロータリークラブ
11 月 15 日
長期計画(CLP)委員会
例会場 成田ビューホテル
電話 0476-32-1111
例会日 金曜日 12:30
例会出欠連絡先(直通)
電話 0476-32-1192 FAX 0476-32-1078
事務局 〒286-0127 成田市小菅 700
成田ビューホテル内
電話/FAX 0476-33-8786
10