「訴状」全文

訴
平成 2 0 年 5 月 2 3 日
岡 山 地 方 裁 判 所
御 中
原告訴訟代 理 人
原
弁護 士
奥
津
亘
弁護 士
奥
津
晋
告
萩
原
和
奥津法律事務所
也
(送達場所 )
原 告 訴訟代理 人
弁
護
士
奥
津
亘 (担 当)
弁
護
士
奥
津
晋
1
T 1 0 0 - 0 0 1 3
東 京 都 千代 田 区霞 ヶ関 一 丁 目 3 番 2 号
被
告
郵
代 表者 代 表 取締 役
便
北
A
事
業 株
村
式
会
憲
社
雄
雇 用契約 上 の 地 位 確認 等請 求事件
訴訟 物 の価 額
金3 , 2 9 4 , 2 8 8 円
貼 用 印紙 額
金2 2 , 0 0 0 円
請
1.
求
の
趣
旨
原告 が 、被 告 に対 し、雇用契約 上 の権利 を有す る地 位 にあ る こ と
を確 認 す る。
2 .
被告 は 、原告 に 対 しt 平成 2 0 年 5 月 1 日か ら毎月 2 4 日限 り 1
ヵ月 に つ き金 2 7 4 , 5 2 4 円を支払 え。
3 .
訴 訟 費 用 は 被告 の 負担 とす る。
との判 決 な らび に 第 2 項 に つ い て 仮執行 の 宣言 を求 め ると
請
求
の
原
因
第 1 . 期間雇用社 員契約 の縮描
1.
原 告 は 、平成 1 4 年 5 月 、被告 (当時、岡山郵 便局長) に非常勤
職員 として任用 された。期間 は 2 ヵ月であるが 、 1 日毎に任 用 とさ
れて い た。
原告は、被告 の夜間 ( 1 7 時か ら 2 1 時まで) にお ける郵便 (主
2
と して 速達 ・小包 ) の 配達 業務 (第 一 集 配営業課) に従事 した。
当時 、原 告 は 、岡 山理科 大 総合情報学部 に在籍 して い た。
2 .
以後 、被 告 は 、 日本郵政 公 社 、郵便事 業株 式会 社 とそ の 主 体 を変
遷 させ た が 、原告 は 、同様 に任 用 の 更新 を繰 り返 し継続 して郵 便配
達業 務 に 従 事 した (勤務 時 間帯 の変動 は あ る)。
3 .
平成 1 9 年 2 月 末 ご ろ か らは 、勤務時間 を次 の とお りとして 、 1
日合計 8 時 間 の 勤務 をす る こ ととな つた 。
午前
8 時 か ら 1 2 時 まで の 4 時 間
午後
1 7 時 3 0 分 か ら 2 1 時 3 0 分 まで の 4 時間
原告 は 、平成 1 9 年 3 月‐
、前記 大 学 を卒業 す る見込 み で あ つ た。
4 .
平成 1 9 年 4 月 1 相 、雇 用 期 間 を 6 ヵ月 と して任 用 され た 。
5 .
平成 1 9 年 1 0 月 1 日、被告 の郵 政 民 営化 に伴 い 、原告 は 被 告 と
の 間 で 以 下 の とお り期 間雇 用社員 (契約社 員 正) と して 雇 用契約 を
結 んだ (甲第 3 号証)。
( 1 ) 雇 用契約期 間
平成 1 9 年 1 0 月 1 日か ら同 2 0 年 3 月 3 1 日まで
( 2 ) 就 業 の 場所 お よび業務 の 内容
岡 山支店 第 丁 集 配課
郵便 (外務) そ の他 これ に付 随 ・関連 す る業務
( 3 ) 勤務 時 間
「
服 務表 」に定 め る勤務 の種 類 及 び 期 間雇 用社員就業規則第
2 7 条 に よ り指 定す る。
(原則 と して 、年前 8 時 か ら 1 2 時 まで の 4 時 間 、午後 は 1 7
時 3 0 分 か ら 2 1 時 3 0 分 まで の 4 時 間)
( 4 ) 基本 賃 金
1 時 間 当 た り 1 , 2 8 0 円 (基本給 9 5 0 円 十加 算給 3 3 0
3
円
第 2 . 期 間更新 の 拒 絶
被告 は 、原 告 に 対 し、平成 2 0 年 2 月 2 7 日、同年 3 月 3 1 日限
り期 間雇 用社 員雇 用契約 を更新 しな い 旨を通 知 (甲第 4 号証) し、
同年 4 月 1 日以降 、原告 か らの 契約 更新 の 申出 に もかかわ らず 、被
告 は これ に応 じなか つ た。
第 3 . 期 間契約 の無 効
しか し、原 告 と被 告 間 の 雇 用契約 は 、以 下 の とお り、期 間 の 定 め
の な い もの に転 化 して い る か 、期 間 の 定 めが あ る と して も、実質的
に期 間 の 定 め の な い もの と同視 で き、原 告 には 雇 用 を継 続 され る こ
とに つ い て 合 理 的 な期待 が あ る とい うべ きで あ る。
1 .
原告 は 、平成 1 4 年 5 月 か ら平 成 2 0 年 3 月 3 1 日まで 5 年 と
1 l ヵ月 の 長 き にわた つ て 幾度 も継 続反復 して 、実 質 的 な雇 用 契約
を更新 してお り、特 段 の 理 由 の な い 限 り雇 用 が継 続 され る こ とを 、原
告 も被告 も当然 の 前提 と してお り、期待 して い た 。
2 .
と りわけ 、平成 1 9 年 2 月 、原 告 が 同年 3 月 には大 学 を卒業 す る
が 、他 に就職 をす る こ とな く、そ の ま ま被 告 との 雇 用契約 を継 続す
る こ とを前提 と して 、1 日の稼働 時間 を 8 時 間 とす る こ との 申入 れ
を した と こ ろ 、被告 も これ を理 解 して 、契 約 内容 を 1 日 8 時間 の勤
務 に変 更 した 6
3 .
原 告 は 、当初 は 学 生 では あ っ た が 、特 定地域 の郵 便配達 を任 され 、
これ に習 熟 し、特 定地域 の 地理 ・居住者 の 氏 名 に も通 じて 、安 心 し
て 配達 を任 され る状態 に至 つ て い た。
職 場 にお け る信 頼 や評 価 も高 く、原 告 の 属す るグル ー プでの 査定
4
にお け る評価 も トップ レベ ル で あ っ た。
業務 上 にお い て も期 間雇 用 を一 方的 に中 止 す る根拠 は な か つ た 。
4 .
原告 は 、他 へ の 就職 も考 えず 、期 間雇 用 か ら正式 社員 へ の採 用 を
期待 し、業務遂行 に 努力 して い た。 この こ とは ヽ被 告 も認識 して い
た。
第 4 . 更新拒絶 の正 当性 の 欠如
1.
被告 は 、原 告 との雇用契約 を更新 しなか つた理 由 として 、①平成
1 7 年 5 月 2 1 日タク シー ヘ の追突、②平成 1 8 年 8 月 1 1 日岡山
郵 便局構 内 での 自転車 との衝突、③平 成 1 9 年 1 0 月 2 3 日併走車
輌 へ の接触 、④平成 2 0 年 2 月 1 9 日停 止 した 車頼 へ の衝突 とい う
交通事故 を挙げ、バ イ ク運転 をす るにあた つて原 告 は適性 を欠 いて
い る、 とい う。
2 .
しか しなが ら、上記 の事故 は必ず しも原告 ばか りに原因 があ るわ
けではな く、いずれ も軽微 な ものであ つて 、これ をもつてバ イ クの
運転 の適性 を欠 いてい る とは 、 と うて いい えな い。
速達便 配達 (時 間 の 指 定 もあ る) の た め の過 酷 な条件 の 下 で のバ
イ ク の 運転 で あ っ て 、総合 的 に 見 るな ら、これ らの 事故 の発 生 を理
由 と して 雇 用 契約 の 更 新 を拒 絶 す る必 要性 も合 理 性 も全 く存在 せ
ず 、違 法不 当な雇 止 めで あ る。
第 5 , 原 告 の 賃 金額
原 告 は 、平成 1 9 年 3 月 1 日か ら同 2 0 年 2 月 2 9 日まで の 1 年
間 に総計 金 3 , 2 9 4 , 2 9 5 円 の 賃 金 の 支払 い を得 て い る。
これ らは、時 間外 労働 も含 む もので あ るが 、時 間外 労働 は 、勤務
日は ほぼ 毎 日の よ うに発 生 し、 い わば常態化 して い た 。
5
よ つ て 、時 間外 勤務 を含 む 年 間 の 平均額 を も つ て賃金 の請 求額 と
す る の が相 当 で あ る。
よ つ て 、原告 の l ヵ月 の 平均 賃金 は 2 7 4 , 5 2 4 円 で あ るも
賃 金 は 、 月 の初 日か ら末 日ま での 分 を翌月 の給 与支払 日 (毎 月
2 4 日) に 支給す る とされ て い る。
第 6 . 結語
よ つ て 、原 告 は 、被 告 に 対 し、雇 用契 約 上 の権利 の確認 と、毎月
│
の 賃金 を支払 うよ う求 め る もの であ る。
証
拠
:
方
法
書
類
別紙証拠説明書の とお り
添
1.
甲
l.
現在事項証明書
1,
訴訟委任状
号
付
i
証
6