経済の初期専門教育における専門連語

専 門 日本語 教 育 研 究 第3号2001
論文
経済 の初 期専 門教 育 に お ける専 門連 語
小宮
千鶴 子
中央学 院大 学 商学部
270-1196我
Technical
孫 子 市久 寺 家451
Collocation
Komiya,
in Basic
Economics
Chizuko
Department of Commerce,Chuo-Gakuin
University,
451 Kujike Abiko-shi, 270-1195
「
株主」 「
公 定歩 合 」 な どの経済 の基本 的 専 門語 は 、 日本 語 能力試 験 の出題 基 準 に はな いが 、
日本 人 学生 な らば 中学 の公 民で 学ぶ語 で ある。 一般 日本 語 教 育 を終 了後 、 大学 の学 部1年 か ら
経済 の基礎 的 な専 門教 育 を受 ける留 学生 は、そ の よ うな基 本 的専 門語 を早 く学 ぶ必 要 が あ る。
基本 的 専 門語 の指 導 は 、概 念 よ り使 い方 に重 点 をお き、 「
公 定歩合 を引 き 上 げ る」 の よ うな
連 語 の 形 で行 うと効果 的 で あ る。 本研 究 は、指 導す べ き専 門連 語 の特 定 を試 み た もの で あ る。
キー ワー ド:専
1.研
門語
連語
専 門連 語
究の背 景 と目的
経済
教 科書
新聞
指導 を思 い浮 かべ るが、留 学生へ の専門語教 育 は、概
現在 の一般 日本 語教育 では、専 門語1)の 指導 があま
念指 導だ けでは終 わ らない。 専門語 は、概念 は世界共
り行 われて いない。経 済 の専 門語 では、 「
企業 」 「
サー
通 であ るものの言葉 と して の使 い方 は個 々の言 語 に よ
ビス 」 「
生産 」な ど、基本的 な専門語 の一部 が一般 日本
って異な るた め、 留学生 に対 して は、一般語 の場 合 と
語教 育の 目安で ある『日本語能力試 験 出題 基準』(以下 、
同 じ く使 い方 の指 導 が必 要 で ある。
『出題 基準』と略す)に掲載 され るのみ で、 「
株主 」 「
カ
専 門語 の使 い方 は、専門語辞 典 にも国語辞典 に もほ
ルテル 」 「
公 定歩合」な ど、中学の公民 教科書 に も現 れ
とん ど記述 がない。 一般語 とは異 な り、周 囲の 日本 人
る基本 的な専 門語 の多 くが 、『出題 基準』には掲 載 され
に聞いて もなか なか適 切 な答 えが得 られ ない。 レポー
てい ない。 その よ うな一般 日本 語教育 のみを修 了 した
ト作成 のた めに 日経新 聞や教 科書 な どを繰 って専 門語
留学生 が大学 学部や 大学院 におい て 日本 語に よる専門
の用 例 を探す とい う話 を留 学生か ら聞いた こ とが あ る
教育 を受 けれ ば、講義 がわ か らない とい う嘆 きが出 る
が 、専門語 は基本 的な もので も使 用頻 度が低 い場 合が
の も当然で あろ う。 留学生 の専 門教育 の出発 点 を 日本
多 く、用例探 しは容易 で はない。 この よ うな専 門語 の
人学生 に近づ け るた めに は、基 本的専 門語 の不足 を早
使 い方の指導 に こそ、日本 語教師 の貢献 が求 め られ る。
くお ぎな う必 要 が あ る。
経済 を学ぶ留学 生のた めの専門語 は、藤 森三男 ・野
専 門語 の使 い方 の指 導 には、 「
連語 」の考 え方が有効
で あ る。連語 とは、 「
二つ 以上の単語 が連 なって 、一 ま
澤素子(1992)、 岡 田泰男 ・野澤 素子 ・村 田年(1995)
とま りの 、単語 にない複雑 な意 味を あ らわす もの。」2)
な どの教 材や 、岡益 巳(1992)、 小宮千鶴子(1995)な
とされ る。この見方 に立つ と、 「
山の桜 」は連 語で あ る
どの リス トの 中で具体的 な語 が示 され てい るが、専 門
が、 「
山桜 」は一語 で あ り連語 ではない。次 に 「
山の桜 」
語 の指導 自体 につ いて の研 究は少 ない。 専 門語 教育 と
が何 語か ら成 るか を考 える と、助詞 も単語 と認 める学
い えば、専門教育 の教 師 も 日本語教師 もす ぐに概 念 の
校 文法で は3語 で あるが、助詞 を単語 とは認 めない言
語学研 究会3)の 立場 では2語 とな る。 言 い換 えれ ば、
あ るのだ ろ うか。
「
山の」 は学校文 法で は連 語 であ るが、言 語学研 究会
「
公 定歩 合」 の概 念 は、 「
中央銀 行が市 中金 融機 関
で は連 語で はない。 小論 では、連語 を専 門語 の使 い方
に対 して行 う貸 出に適 用 され る基 準金利 。」6)と 説 明
の指導 に応 用す る 目的 か ら、原則 として4)言 語学研 究
され るが、そ の専門 的概念 は 「
∼が下 が る」 「
∼ を引
会 の連語 の 定義 に従 うこ ととす る。
き上 げ る」な ど、2種 の連語 の うちの前 者 を とるこ と
連語 は単語 と文 の中間 に位 置す る単位 で あ り、常に
で よ り明確 に表 され る。 それ に対 し、 「
○○ を∼ とい
一 ま とま りとなっ て文 中に現 れ る
。「
ジュース を飲む
う」 「
∼を含む 」 な ど後者 の連語 は、専 門語 の連 語 で
人が 多 い。」 「
ジ ュー ス を飲 む な ら、冷 蔵庫 に ある。」
は あるが、連語 として は専門的概 念を表 さない。この
「
仕 事 の後で 、ジュース を飲 む。」とい う3文 にお け る
よ うな違 い か ら、筆者 は、前者 の よ うに連語 として も
下線 部 の連語 「
ジュース を飲 む」 を例 にす る と、各文
専 門的概 念を表 す ものを 「
専 門連語 」 と名 づ け、後者
にお け る構文 上の役割 は異 な るが 、連語 自体 は常 に一
か ら区別 す るこ とに した。
ま とま りとなって用 い られ てい る。 この よ うな性格 を
で は、専 門連語 は専門語 の連 語 全体 か らどの よ うな
もつ連語 を学習 すれ ば、文章理 解 にも役 立 ち、 また、
方法 で選定 すれ ば よい のだ ろ うか。 小 宮(1997)で
他 の表現 へ の応 用 も可能 にな る。 さらに、 日本語学習
は、 「
会 社」 「
価格 」な ど 『出題 基準』にあ る専 門語 の
者 が連語 の見 方 を身 に付 けれ ば、 自分 の生活 に必要 な
連 語 を対象 に計量 的方法 に よる選 定を試 み たが、計 量
連 語 を 自ら収集 し、 日本 語 表現 を さらに豊 か にす るこ
的選定 の問題 点も明 らか になった。 さらに、専 門語 の
とも可能 で あ る。
大半は 「
公 定歩合 」な ど 『出題基 準』にない専 門語 で
連語 によ る 日本 語指導 は、一般 日本語教育 において
あ り、それ らの連 語例 を計量的選 定 に耐 えるだ け採集
はす で に行 われ てお り5)、専門語教 育 に も応用 が可能
す るの は困難 で ある。そ こで、本研 究で は経 済 の専 門
と思われ る。 「
公 定歩合」とい う専 門語 の語形 と概 念 を
家 によ る判 定 を試 み るこ とに した。
学 習 して も、連語 の知識 が なければ、推測 で使 わ ざる
をえず 、留学生 の場合 は不適切 な 日本語表現 にな る可
能性 が高 い。 が 、 「
公 定歩合 を 引き下げ る」 「
公 定歩合
の据 え置 き」の よ うな連語 を学 習 していれ ば、文 中で
3.専
門語 とその連 語
経 済 の専 門連語 を選 定す る今回 の手順 は、次 の とお
りで あ るが 、本節 で は① ∼③ につ いて述 べ る。
の専 門語 の使 い方 を考 える負 担 を軽 減す るこ とができ
① どの専門語 の専 門連 語 を選 定す るか決 め る。
る。専門語 は書 き言 葉的な一般 語 と連語 を作 りや す く、
② 連 語例 を採 集 す る資料 を決 め る。
定型 的表現 も多 い ことか ら、一般 語 よ りも連語 に よる
③ 連 語例 を採 集 し、整 理す る。
学習 の効 果 が期 待 で き るので はな いだ ろ うか。
④ 専 門家 に専 門連語 の判 定 を依 頼す る。
小論 は、経済 の専門語 を連語 によって指導す るため
の 「
専 門連語 」(後 述)の 特定 を 目的 とす る。
今 回は 「日本 人学 生が高校 卒業 までに学習 し、留学
生 が一般 日本 語教 育で は学 習 しない経 済 の専 門語 の う
ち経済 の初 期専 門教 育 で使 用 され る語 」の専 門連語 を
2.専
門連 語 とその選 定 方法
選 定す る ことに した。 日本語 で経 済の専 門教 育 を受 け
「
公 定 歩 合 」 の連 語 を集 め て み る と、 「
∼ が 下 が る」
「∼ を 引 き 上 げ る」 「
∼ の利 下 げ」 「∼ の 水 準 」 「
∼が
低 い 」(∼ は 当 該 の 専 門語 、 以 下 同様)の
よ うに 、 経
済 の レ ポー トや 発 表 に役 立 ち そ うな 連 語 が あ る一 方 、
「○ ○ を ∼ とい う」 「
∼ を含 む 」 「
∼ の意 味 合 い 」 「
∼
始 めた段 階 にある留学生 には、 日本 人学生 と比 べ絶対
的 に不足 してい る経 済 の専 門語 の学習 が必 要 と考 え
たた めで あ る。
具 体 的には 、 まず 、 「日本 人学 生が高 校卒 業 まで に
学 習す る経済 の専 門語」 を 『
政 治 ・経済用 語集 』(山
の カ ー ド」 「∼ と同 じ」 の よ うに 、 文 章 や 談 話 の 流 れ
川 出版社,1996)の
の な か で 使 われ て も 、指 導 す る必 要 は な い と思 わ れ る
語 と した7)。そ こか ら、『出題 基準』にあ る57語
連 語 もあ る。 こ の2種 の 連 語 に は 、 どの よ うな違 い が
い た残 り394語
経済用語 の うち頻度16の451
を除
を 「
留学生 が一般 日本 語教育 では学
習 しない経 済の専門語」 とした。そ の うち 「
初期専 門
表1専
門語 と資 料
表2連
語 と資料
教 育で使用 され る語」 は、大 学 の経 済学 ・経営学 ・商
業学 の概論 教科 書 か新 聞 の経 済記 事1年 分 か に用例
の あった252語
と した。
連語 例 を採集 す る資料 は、既 に述べた、経済学 ・経
営学 ・商業学 の概 論教科書 計3冊 と新 聞の経 済記事1
年 分 と した。概論教 科書 を資 料 に したのは、初期専 門
教 育 に必要 な専 門語 が偏 りな く現 れ る と予想 され る
ためで あるが、大学教科 書 には さま ざまな本 が使用 さ
れ 、資料 を特定 の本 に決定で きなかったた め、筆者 の
勤 務校 の商 学部 で使 用 され て い る教科 書 を資料 と し
た。新 聞を資料 に加 えた のは、経 済の実 際の動 きを知
るた めに、1年 次 か ら新 聞 を読む ことが奨 励 されてい
るた めで ある。連語 例を採集 した資料 は、次 の とお り
専 門語 は、252語
であ る。
中111語(44.0%)が
概論 教科
書 と新 聞 に共通 で、いず れか 一方 にのみ あった専門語 よ
① 長谷 川 啓 之 編 著 『マ ク ロ経 済 学 と ミ ク ロ経 済 学 』
(八千 代 出 版,1990年)277ペ
り多 かっ た。 それ に対 し、連語 の レベル で比較 す る と、
両資料 に共通 の連語 は、5778種
ージ
中129種(2.2%)
しか なか った。
② 宮澤久光他 編著 『
現 代 商 業 学 入 門』(八 千 代 出 版,
1994年)318ペ
この よ うな結果 になった主 な理 由 として、資料 の 内容
ージ
の違 いが挙 げ られ る。 「
株主 」を例 にす る と、その連語 は、
③ 藤 芳 誠 一 他 編 『新 経 営 学 教 科 書』(学 文 社,1995
年)308ペ
④ 『CD一
概 論教 科書 には 「
株 主 が保 有す る」 「
株 主 に対す る責任 」
ージ
毎 日新 聞93』(日
外 ア ソ シ エ ー ツ,1994
な ど22種
、新 聞には 「
株 主か らの質 問」 「
株 主 に よる代
表訴訟 」な ど75種
年)の
経 済 記 事7004件
「
株主 の利益」 「
所有 す る株 主」な ど3種 のみで あった。
連 語例 の採集 は、以下 の例の よ うに、専 門語 を直
接 に修飾す る語 との組 み合 わせ、専 門語が直接 に修
飾す る語 との組み合 わせ 、 の両方 に分 けて行 った。
例:A社
あったが 、両資料 に共通 の連語 は、
は今 年度 の設 備投 資 を削減 す る方針 だ。
「
今 年度 の設 備投資 」 「
設備 投 資を削減 す る」
ただ し、 「
そ の設 備投 資 が …」 の よ うに指 示詞 が
専 門語 を修 飾す る場 合や 、 「
設備 投 資計画 」 の よ う
に専 門語が合成 語 の要 素 となってい る場合 は、採 集
理 論 的内容 が 中心の概論 教科書 と時事 的内容 が 中心の新
聞 とでは、 同 じ専門語 の連 語 にも違 い が生 じる ことが、
小論 で具 体 的 に確 認 され た わ けで あ る。
次 に、得 られ た連 語例 をそ の品詞 性によって分 けた の
が表3で ある。 「
株主 の利益 」な どの名 詞性 の連語 が最 も
多 く全 体 の半数 近 くを 占め、次 いで 「
株 主が保 有す る」
な どの動詞性 の連語 が4割 を越 え、 この二つで95%近
くを 占めた。 「
株主 が多い」な どの形容詞 性(形 容 動詞 性
も含 む)の 連 語 は5%以
対 象 か ら外 した。
下で あっ た。
経 済 の概論 教科 書 と新 聞の経済記事 を資料 と して
先 に述べ た252語
の専 門語 につ いて連語例 を採集
した結果 、延 べ7712件
、異 な り5778種
の連
語 が得 られ た。 専 門語 お よび連語 について資料 との
関係 を示 した のが 、表1・ 表2で あ る。
表3専
門語 の連語 の 品詞 性
4.専
門家 に よる専 門連 語 の判 定
内訳 は、概 論教 科書 の連 語が326種
専門連語 の判定 は、 国際経 済論 、国際貿易論 、厚生
経 済学 をそれぞれ 専 門 とす る3名 の経済 の専 門家 に、
252語
の専門語 の作 る連語 例の うち15種
連語 例 の あっ た専 門語93語
(全体 の84.6%)の
の作 る連 語4890種
で あった。紙 面の制約 か ら、概論 教科書 の連
語 のみ を付 録 に掲 げ る。
3名 が ともに専 門連語 と判定 した連語 は、概 論教 科
書 の連語 の22.8%、
判定 を依頼 した。判 定対 象 の内訳
は、概 論教 科書 の連 語が1432種
3580種
以上8)の
618種
で、新 聞の連語が
であ る(両 資料 の連語 には重 な りが ある)。
、新 聞 の連語 が
新 聞 の連 語 の17,3%で
、
概 論教 科書 の連語 の方 が新 聞 の連 語 よ りも専門連語 と
判 定 され る割 合が 高か った。両資 料 に共通 の専門連語
は38種
で 、全 体 の4.2%で
あ った。
3名 の判定者 には、それ ぞれ判 定対象 の4890種
の連語 を印刷 した用紙 を配 り、小 宮が専 門連語 につい
表4専
門連 語 の 品詞 性
て説 明 した後 、専 門連 語 と判 断 され る度合 いに応 じ、
専門連語 と判 定 されれ ば○ 、専 門連語 との判定 にや や
問題 が あれ ば△、専 門連語 と判定 されな けれ ば ×、の
いずれ かを記入 して も らった。 ただ し、分量 が多 かっ
たた め、判定 は判定者 の都合 の よい時に行 って も らい 、
後 に判定結 果 を記 入 した用紙 を小 宮が回収 して 、判定
連語 の方 が名 詞性 の連語 の比率 が高 く、全体 の7割 近
結 果 を整 理 した。
判 定の結果 は多様 で 、3名 の判 定 が一致す る連語 が
ある一方 、判 定 の分かれ る連語 もあった。次 に 「
設備
投資 」の168種
連語 の 品詞 性 につい て表4を 表3と 比 べ る と、専 門
の連語 に対す る判 定の一部 を示す。
くを 占めた。 反対 に、動詞 性 の連語 の比 率は、専 門連
語 の方が3割 以 下 と低 かった。 これ らの結果か ら、名
詞 性 の連語 の方が専 門連語 と判 定 されや す い とい え る。
形 容詞 性 の連語 には、 ほ とん ど変化 が な か った。
「
設 備投 資 」 の連語 の判定
○○○
∼が拡 大す る
○○ ○
∼ の先 行 指 標
○○ ○
∼ を削減 す る
○○○
∼の 下方修 正
○○ △
∼が堅 調 だ
○○ △
∼ の落 ち込 み
○○ ×
∼ が下 げ止 ま る
○○ ×
∼ の ス トッ ク調 整
○△ ×
∼ へ の効 果
○△ ×
∼ を消化 す る
△ ××
∼ を反省 す る
△ ××
うち の ∼
×××
∼ とい う後 遺 症
×××
∼ の三 つ
5.お
わ りに
小 論 は、留学 生へ の専 門語教 育 におい ては専門語 の
使 い方 の指導 が大切 で ある とい う立場か ら連語 に よる
指導 を提案 し、専 門語 の連語 の中に専 門的概 念を表す
「
専 門連 語」 が ある ことを指 摘 して、専 門家 に よる判
定 に よ り経 済 の初期 専門教育 にお け る専 門連語 の特定
を試 みた もので あ る。
小論 にお いて経 済の基本 的専 門語93語
連 語906種
が作 る専門
が特 定 され た こ とは、資料 の種類や 量、
専門連語 の判 定者数 な どに不十分 な点は あるものの、
経 済 を学ぶ留 学生 への専 門語教 育を考 え る うえで一つ
の 目安 を示す こ とがで きた といえ よ う。
ただ し、特定 され た専 門連 語 をも とに教材 を作成 す
る際 には、考慮 すべ き点 があ る。第 一は、時事的 内容
が中心 の新 聞の専 門連語 は、概 論教 科書の専 門連語 と
小論 では 、専 門連 語 の判 定条 件 を最 も厳 しくとり、
判定者3名 が一致 して専 門連語 と判 定 した、93語
専 門語 の作 る906種
の
の連 語 を 「
専 門連語 」 と した。
比 べ、資 料 に よって変わ りや す い ことで ある。 そのた
め、概 論 教科書 の連 語 を中心 に教 材化す る、 出典 の違
い を明示 した教材 にす るな どの対 応 が考 え られ る。
第 二は 、教 材化 の方 向で ある。 大学で は一般 に経済
「
低 い公定歩 合」 の よ うに 「
低 い」が 「
公 定歩合 」の意 味
を学ぶ留 学生のみ の 日本 語 クラスは成 立 しにく く自習
を限 定す る従 属的 な結 びつ きの場 合のみ を連 語 とす るこ と
教 材に な らざるを えないが、私費 留学生が多い経済分
にな るが、小 論 では留学 生へ の専門語 教育 に役 立つ こ とを
野 では留学生 た ちが 自習 に割 ける時間 は限 られ て いる。
目的 とす るた め、 「
公定歩合 が低 い」の よ うな陳述 的な結 び
そのた め、筆者 と横 田淳 子氏9)は 、現 在、辞 書形式 の
つ きの場 合 も連語 に含 め た。
教 材を作成 中で あ るが 、専 門連語 を含 んだ本文 を中心
5)秋 元 美晴(1993)は
、一般 日本語 教育 にお ける連語 指導 に
とす る 日本 語教材 の方 向 も工夫次第 では可能か も しれ
つ いて の研 究 であ り、秋 元 ・有賀(1996)は
ない。
の連語 の教 材で あ る。
第三 は、概論 教 科書 と新 聞か らの専門連語の用例 は
6)『
内容 が難 しく、それ をも とに教材 の例 文 を作成 す るの
が難 しい こ とで ある。 内容 と 日本語 の両面か ら、高校
有斐 閣経 済辞典(第3版)』(1998)の
初 ・中級 向け
「
公 定歩合 」の
項 に よる。
7)同
用語集 に は、1995年 度 の高等学 校公 民科 「
政治 ・経済」
の政治 経済教 科書 を資料 に含 め、専 門連語 の用例 を補
教 科書16種 の うち何 種 が当該 の専 門語 の記 述 を掲載 して
充す る必 要 が あ る。
い るかが頻度 数の形 で示 され てい る。 頻度16は すべ ての
教 科書 にお いて 記述 の あ る専 門語 を さす。
第 四は、付録 に掲 げた概論 教科書 の専 門連 語では、
「
景気 対策が 実施 され る」 の よ うな、漢語 サ変 動詞 を
8)連
語例 の うち専 門連語 と判 定 され る もの の割合 は予想 で
とる連 語が動詞 性 の連 語 の8割 を 占め、それ に対応 す
きなか ったが 、判 定 の効率 を考慮 し、連 語例が少 ない専門
る 「
景 気対策 の実施 」 のよ うな 「
…の…」形式 の名詞
語 の連 語 につ い て は判 定対 象 か ら除 くこ とに した。
句が名詞 性 の連 語 の約4割 を 占めるな ど、漢語 が重要
9)横
田淳子 氏 は、現在 、東京外 国語大学 留学生 日本 語教 育セ
な役割 を果 た してい る10)ことであ る。 両者 の対応 や 、
ン ター 長で、筆者 が研 究代表者 となって補助 を受 けてい る
後者 の名詞 句 が専門 的文章 に多い 「
景 気対策 の実施が
科学研 究 費(謝 辞 を参 照)の 研 究 分担 者 で あ る。
決 定 され た。」な どの複 雑 な内容 の文 を作 るこ とを指 導
10)石
で き るよ うな教材 が 望 まれ る。
井正彦(1990)は
、中学 校 と高校 の地理 教科書 の語彙
を比較 して 、 「
高校 は中学 校に比べて漢 語が多 く、中学 校は
今 後 の課 題 として は、 日本 人学生が高校卒 業まで に
高校 よ りも和語 が多 い。」(p.17)と 述べ てい る。大学 教科
学習す る専門連語 を明 らかにす るた め、経済 以外の分
書 では高校 教科 書 よ りも さらに漢語の 比率が高ま るこ とが
野 にも広 げて高校教 科書 の専 門連語 の分 析 を行 いたい。
予想 され 、専 門連 語 にその影 響が現れ た とも考 え られ る。
注
参 考 文献
1)国 立国語研 究所(1981)の1∼5ペ
ー ジにおいて宮 島達 夫
1)秋 元 美 晴:語 彙 教 育 に お け る連 語 指 導 の 意 義 に つ い て,The
氏 は 、二つ の専門語 の規 定 を示 している。 一つ は一般 の人
Proceedtngs
には知 られ ていな い語 であ り、 も う一 つは専門分野 の概 念
Language
を表 す語 で あ る。 小 論 で は、後 者 の規 定 に従 っ てい る。
(1993)
2)『 日本 語文法大辞典』(明 治書 院2001)の
「
連語 」の項 を
参 照 の こ と。
木重 幸(1972)は
Researcb
校 教 科 書 の語彙 調 査
な ど。
一 つ の単語 と、それ にかか って、その名 づ け的 な意 味 を限
定す る一 つ以 上の(名 づ け的 な意 味 をもった)単 語 とか ら
な りたち、全 体で一 っ の合 成的 な名 づけ的な意 味をあ らわ
す 単位 であ る」(下線 は小 宮に よる)とす る。これ に従 えば 、
4th
in
Conference
JAPAN,国
on
second
際 大 学,pp,29-47,
分析 編
校 ・中学
秀 英 出 版,pp。15・76
(1990)
3)岡
、「
連語 とは名づ け的 な意 味を もった
the
2)石 井 正 彦:教 科 書 の 専 門 語― 〈 地 理 〉 の 場 合―,高
3)鈴 木重 幸(1972)、 言語 学研究会(1983)、 鈴木康 之(2001)
4)鈴
of
益 巳:非 漢 字 圏 か らの 留 学 生 の た め の 日本 経 済 基 本 用 語
表,岡
山大 学 経 済 学 会 雑 誌,23(4),pp,745-783,(1992)
4)言 語 学 研 究 会 編:日
本 語 文 法 ・連 語 論(資
料 編),麦
書房
(193)
5)国 際 交 流 基 金 ・財 団 法 人 国 際 教 育 協 会:日 本 語 能 力 試 験 出
題 基 準,凡
人 社(1994)
6)国 立国 語研 究所:専 門語 の諸 問題
秀 英 出版(1981)
7)小 宮千鶴 子:専 門 日本語教 育の専 門語 一経済 の基本的 な専 門
語 の特 定 を め ざ して 一,日 本語 教 育,86号,pp.81・92
(1995)
株主
★ ∼の利 益
カ ル テル
∼ を結ぶ
為 替 レー ト
∼ を引 き下 げ る
技 術革 新
∼ な どの 外 的 環 境 要 因,
∼ に よ り向 上 す る ,∼ に よ り成 長 す る,
8)小 宮千鶴 子:専 門 日本語教 育 にお け る専 門連語 の選 定―経 済
記事 の 「
基 本 的 専 門語+を+動
∼ の 加 速 化 ,∼
詞 」 を例 に一,中 央学 院大
学 商 経論 叢,12・1,pp.35・49(1997)
の 進 展,最
通 信 の∼
9)小 宮千鶴 孔 経 済の基 本的 な専 門語 を含 む専 門連語,中 央学
供 給 曲線
院大 学商 経論 叢,13・2,pp.63・109(1999)
10)阪 田雪子:連 語 ・慣 用句,講 座 日本語 と 日本 語教 育第7巻
日本語 の語 彙 ・意 味(下),明 治書 院,pp.224・252(1990)
金 融機 関
∼ との 交 点,∼
の 勾 配,
市 場 に お け る ∼,市
場 の ∼,
長 期 に わ た る ∼,長
期 間 にお け る∼
∼ か らの 借 り入 れ,∼
11)鈴 木重 幸:日 本語 文法 ・形 態論,麦 書 房(1972)
∼ か ら調 達 す る ,∼
12)鈴 木康 之:連 語論 の確 立のた めに,国 文学
∼ の通 貨 量
第66巻10号,至
解 釈 と鑑 賞,
文 堂,pp32・39(2001)
金 融 市場
日本 語 文法研 究 会,非 売 品(1994)
金 融政 策
14)教 材
・藤 森 三男 ・野澤 素子:日 本語で学ぶ 日本経 済入門 ,倉 妬 社
・岡 田泰 男 ・野澤素子 ・村 田年:は じめて の経 済学,慶
応通
の 資 金 量,
∼ か ら調 達 す る,∼
∼ の 主 体,☆
の 資 金 量,
∼ の 手 段,∼
☆ ∼ の 有 効 性,∼
出版(1992)
の 与 信 活 動,
∼ の通貨 量
13)鈴 木康 之原 著 日本 語 文法研 究会編:現 代 日本 語の名 詞的 な
連 語 の研 究
近 の ∼,
基 本 的 な ∼,主
の 発 動,
を 発 動 す る,
要 な∼
景 気変 動
∼ の 波,通
常 の∼
経 済活動
∼ が 活 発 化 す る,∼ が 不 安 定 化す る,
∼ に 介 入 す る ,∼ に 干 渉 す る,
信 株 式会 社(1995)
・秋 元美 晴 ・有賀 千佳子:ペ アで覚 えるいろい ろな こ とば,
☆ ∼ の 規 模,∼
武 蔵 野 書院(1996)
の 主 体,∼
の水 準,
∼ の担 い 手 ,∼ の 動 向,∼
の範 囲,
∼ の 変 化 ,∼
謝 辞:経 済 の専門連 語 の判 定 に御 協力い た旭 ・
た 中央学院 大学
☆ 企 業 の ∼,国
商 学部 の、飯 島寛一 先生 、加藤 達男先生 、山 田壽一先生 に感 謝
国 民 の ∼,自
を 分 析 す る,
申 し上 げます 。
経 済 成長
度 科学 研究 費補助 金
由な ∼
∼ の 基 本 的 要 因,∼
の 鈍 化 傾 向,
∼ を 達 成 す る ,マ イ ナ ス の ∼
なお 、本 研 究 は、第3回 専 門 日本語教育研 究会研究討論会 に
お け る 口頭発 表 に基づ き、平成11∼13年
内 に お け る∼,
経 済 成長 率
∼が高 い
基 盤研 究(C)(1)「経済 を学 ぶ留学 生 のた めの専門連語 辞 書 の作
経 常収支
∼の均 衡
成 と利 用法 の開発 」(研 究代表者
ケ イ ンズ
∼ の 貨 幣 需 要 関数,∼
小宮千鶴 子)の助 成 を受 けて
∼ の 所 得 分 析 ,∼
い る。
の 経 済 学,
の投 資 決 定 論,
∼ の投 資理 論
公 開市場操作
付録
∼を行 な う
概 論教 科 書 か らの専 門 連語326種
(☆は新聞にもあった専門連語38樹
∼ が行 な わ れ る,∼ の効 果,∼ の 特 徴,
公 共財
∼ が 追 加 生 産 され る,
∼ の 限 界 費 用 曲線MC ,∼ の 最 適 供 給
イ ノベー シ ョン
∼ が生ず る
価 格 競争
★ ∼が激 化 す る,過 激 な ∼
公 共事 業
∼へ の投 資
株券
∼ を売 買す る
公 定歩 合
☆ ∼ の 引 き 下 げ,∼
株 式 会社
∼ と して の大企 業,∼ の経 営者
∼ の 操 作 ,★
の 引 き 上 げ,
∼ を引 き上 げ る
高 度経 済成 長
∼ といっ た経済 的 要 因
∼ を 販 売 す る,∼ を欲 す る,新
しい ∼
高度成 長
∼ が 促 進 され る,★
生 産 され る∼,生
定の∼
日本 の ∼,
日本 経 済 の ∼
国債
財 政支 出
∼ の 買 い オ ペ レー シ ョン ,∼ の 売 買,
∼ の 抑 制 ,∼
財政 政 策
☆ ∼ が進 む,★
∼ が 進 展 す る,
営 活 動 の ∼,
☆経 済 の∼
∼ の 悪 化,☆
∼ の均 衡,★
∼ の 赤 字,
財 政投 融 資
∼ に よ る投 資,∼
に よる融資
産 業構 造
∼ が 変 化 す る,☆
日本 の ∼
∼ が 下 落 す る,∼
が 上 昇 す る,
∼ で 販 売 す る,∼
で 評 価 す る,
市 場価 格
が 減 少 す る,
∼ に よ る 国 民 所 得 ,∼
∼ が 変 動 す る ,∼
の関数
有価 証 券 の∼
∼ の 均 衡,
の 均 衡 水 準,
∼ の 減 少 ,∼ の循 環,∼
需 要 曲線
が 右 下 が りだ,
∼ が 交 わ る ,∼ が 交 差 す る,
の 諸 概 念,
∼ が 弾 力 的 だ ,∼ が 導 き 出 され る,
∼ の 増 加 △Y ,㌻ の 増 加 関数,
∼ が 非 弾 力 的 だ ,∼
∼ の 測 定 ,∼
∼ と一 致 す る ,∼ の 傾 き,∼
の 大 き さ,∼
の 変 化,
狭 義 の ∼ ,広 義 の ∼,
∼ の勾配
市 場 価 格 に よ る ∼,市 場 価 格 表 示 の ∼,
要 素 費用 表示 の ∼
消費者
☆ ∼ が減 少 す る,∼
との 交 点,
の 形 状,
完 全競 争 市場 にお け る∼,
市場 の ∼
が 指 標 だ,
∼ が 決 定 す る,∼
が 行 動 す る,
☆ ∼ が 購 入 す る,∼
が 購 買 す る,
∼ の増 加 ,∼ の 増 大
∼ が 被 害 者 だ ,∼
☆ ∼ が か か る,☆
∼ が 高 い,
∼ の 経 済 行 動 ,∼ の権 利,☆ ∼ の行 動
∼ が 増 加 す る,☆
∼ が 低 い,
∼ の購 買 ,∼
の 価 値 観,
の購i買行 動,
∼ が 低 下 す る ,∼ が 発 生 す る,
∼ の購 買 動 機
∼ を 下 げ る ,∼ を 切 り下 げ る,
∼ の 商 品 選 択 ,∼ の 生 活 水 準,
☆ ∼ を負 担 す る,∼
∼ の生 活 様 式 ,☆ ∼ の 選 好,∼ の 選 択,
を無 視 す る,
∼ が購 入 され る,∼
∼ の 欲 求 充 足 ,最 終 の ∼
が 取 引 され る,
∼ との 直 接 交 換 ,∼ の 価 格,
所得税
∼ の 購 買 ,∼ の 合 計,∼
の 取 引,
生産 性
∼の所 有権 移 転 ,
∼ の 生産 ,∼ の 生産 活 動,∼
の総 額,
∼ の直接交…
換 ,∼ の販 売,∼
の 保 管,
∼ な どの 個 人 税,∼
の 累 進 課 税 制 度,
∼ を 徴 収 す る ,法 人 に 対 す る ∼
∼ の経 済 的 価 値 ,∼ の 交 換,∼ の購 入
∼ の所有 権
∼ の所 得水 準 ,
∼ の 探 索 購 買 行 動 ,∼ の 役 割,
単 位 あ た りの ∼
財貨
∼ が シ フ トす る,∼
を上 回 る,
∼ の 推 計 ,∼ の 水 準,
∼ の変動
コス ト
需 要 調 整 の た め の ∼,
∼ が 均 衡 す る,∼
∼ の均 衡 条 件 ,∼
国民総 生産
を削減 す る
∼ が 拡 張 的 だ,∼ の 効 果,∼ の 有 効 性,
政 府 の ∼,総
∼ の赤字解 消
国民所 得
の 拡 大 効 果,
∼ の 大 量 発 行,
☆ ∼ へ の 対 応,経
国際収支
∼ が 増 加 す る,∼
∼ の拡 大 政 策 ,∼ の財 源,★ ∼ の 削減,
∼ の発 行
国際化
産 す る∼,特
∼ が 向 上 す る,★
∼ が 高 い,
∼ が 上 昇 す る ,☆ ∼ の 向 上,
一 人 あた りの∼
,卸 売 段 階 に お け る∼ 、
流 通 にお け る∼
∼ を 交 換 す る ,∼ を 購 入 す る,
世界 経 済
∼ の成 長 ・発 展
∼ を 再 販 売 す る ,∼
石油 危 機
★ 二 度 の∼
設備投資
☆ ∼ が 減 少 す る,∼
を作 り出 す,
∼ を 受 け 取 る ,∼ を 生 産 す る,
∼ を 買 い 入 れ る ,∼
を 売 却 す る,
民 間 企 業 の ∼,輸
が 増 大 す る,
出関連 産 業 の ∼
租税
∼ と して 徴 収 され る,
∼ に よ る財 源調 達
∼ の 徴 収 ,∼
,∼
貿易 収支
∼の均 衡
の減 免,
民 間企 業
∼ に よ る投 資,∼
の 脅 威,
耐 久 消費 財
有 効需 要
労 使 関係
∼ の 背 景 ,∼ の 法 則
が 発 動 す る,
労働 組 合
∼ の 結 成,∼
労働 者
∼ と対 立 す る,∼
の役割
∼ の コ ン トロ ー ル
∼ の 増 加 ,∼
∼ の 経 営,∼
∼ の 労 働 時 間 ,∼
の 事 業 活 動,
∼ の創 造 的 事 業 活 動
独 占禁 止 法
経 営 者 対 従 業 員 とい う∼,
資 本 家 対 賃 金 労 働 者 と い う∼
∼ に預 託 させ る ,∼ の イ ニ シ ア テ ィ ブ,
中小企 業
☆ ∼ の運 用,∼
の 増 大,
∼ の 不 足 ,財 に 対 す る ∼
∼ に よ る コ ス トダ ウ ン,
が発 行 す る,∼
が 増 加 す る,
∼ の 大 き さ,∼ の調 節,∼ の調 節 手 段,
∼ に よ る規 模 拡 大 ,∼ に よ る市 場 拡 大,
中央 銀 行'∼
∼ が 削 減 され る,∼
∼ の 減 少 ,∼ の 増 加,∼
を 販 売 す る,
☆ 自動 車 な どの ∼
大 量生産
の設 備 投 資,
∼ に よ っ て 決 定 され る ,∼ の 原 理,
格 的な ∼
∼ を 生 産 す る,∼
∼ に よ る 最 適 供 給,∼
日本 の ∼
∼ の 経 営 活 動 ,∼ の 行 動 規 制,
巨 大 な ∼,本
∼ を悪 化 させ る ,
∼ を 改 善 させ る
を控 除 す る,
∼ を 増 減 させ る
多 国籍 企業
∼ が 悪1ヒす る,∼ の 悪 化,★ ∼ の 改 善,
の 賃 金,∼
雇 わ れ る ∼,生
の 特 例,∼
の 理 念,
労働 力
∼ の立法趣 旨
の 過 剰 労 働,
を雇 用 す る,
活者 と しての ∼
∼ な ど の 生 産 用 役,∼
∼ の 確 保 ,∼ の 活 用,∼
日本 銀 行
∼ が 規 制 す る,∼
年金
∼ な どの 社 会 保 険 負 担 金,
の保 護,
の価 値,
の供 給,
∼ の 質 ,∼ を提 供す る,中 高 年 の ∼,
が発券 銀行 だ
日本 の ∼
∼ な どの 振 替 所 得 ,∼ な どの 老 後 保 障,
著者紹介
☆ ∼ を支 給す る
発 展途 上 国
∼ に 輸 出 す る,∼
小 宮 千鶴 子:中 央 学院 大 学商 学部 教 授
の 規 制 緩 和,
【
経 歴】早稲 田大学大学 院文学研 究科修 士課、程
修了
【
専 門】日本語教 育学 ・日本 語学(語 彙論 ・文体論)
∼ の追 い上 げ
バ ブル 経 済
☆ ∼ が 崩 壊 す る,☆
∼の崩 壊
付加 価 値
∼ が 形 成 され る,∼
を測 定す る
Although specialized Economics terms such as
rate)
"kabunushi" (stockholder) and
"kouteibuai" (official discount
are not found in the Japanese Proficiency Test Guidelines, they are introduced in the civics classes of all
Japanese junior high schools. For foreign students who have completed their general Japanese language courses
and who are receiving instruction in basic Economics in their first year in Japanese universities, there is an
early need to learn such specialized terms. Furthermore, in the effective teaching of technical terms, emphasis
should be placed on the use of technical collocation, such as "kouteibuai wo hikiageru" (raise the official discount
rate), rather than individual concepts. The present study seeks to identify the technical collocation that should
be given priority in teaching the language.