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広告の真実 - ザ・レスポンス・コピー

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REASON WAY
ADVERTISINGS
広告の真実
-広告する理由とは?
ジョンEケネディ
「広告の真実」
INTRO
今から 100 年以上も前の話。1904 年の話です。近代広告の歴史を作った3人
の男が一同に会しました。彼らの名前は、アルバートラスカー、クロードホプ
キンス、そしてジョンEケネディ。
アルバートラスカーは当時最大の広告代理店だったロード&トーマスのオー
ナーでした。そしてクロードホプキンスと共に仕事をしていました。ホプキン
スによれば、
『ラスカーが君に何かをさせようとプレゼンをしたら、抵抗できる
人間などいない。』というセールスにおける抜群の才能を持っていました。
彼は、セールスにおいて抜群の才能を持っていましたが、それをどうやって
広告に活かせばいいのかが分かりませんでした。そして、適切な広告が会社の
売上を爆発的に伸ばせる可能性ことも理解していました。
しかし、彼は何故、ある広告は成功して他の広告は失敗するのかがまだ分か
りませんでした。何が広告において成功の鍵となるのか、それを探し求めて国
中から優秀な人材を求めていました。
そして 1904 年の事。
アルバートラスカーは会社のオフィスで仕事をしている時。秘書がメモを彼に
渡しました。そのメモはジョンEケネディからのもので
『ラスカー様。
あなたが広告とは何かを探求していることは存じ上げています。あなたが広
告が何かまだ知りません。そして私はあなたの知りたいその事を知っていま
す。もし広告が何かを本当に知りたいのなら、私は下の階にいます。』
-ジョンEケネディ
最初ラスカーは本気にしなかったものの、失うものは何もないとジョンEケネ
ディと話すことにしました。
-1Copyright 2007 ジョン・E・ケネディ
「広告の真実」
そしてラスカーはジョンEケネディから広告市場最も重要な3つの言葉を聞
くことになったのです。
それは、、広告とは、、、
Salesmanship
In
Print
セールスマンシップインプリント(印刷されたセールスマンシップ)この3
つの言葉は、広告を最も見事に表現し、それ以上の表現は 100 年たった今でも
見つかっていません。
広告の神様と呼ばれるデビッドオグルビーは言いました。
『あの時から広告の
定義は変わっていない』
そして今あなたが手にしているのは広告の歴史を作ったジョンEケネディの
幻の作品、『広告の真実:広告する理由とは?』“Reason Why Advertising”で
す。
あなたの役に立つことを願います。
ダイレクト出版株式会社
小川忠洋
-2Copyright 2007 ジョン・E・ケネディ
「広告の真実」
第一章
「数字を出して、証明せよ!」
広告は、ある一定価格で売れた商品の最終的な合計売上高によって判断されるべきである。
広告コピーに対する意見は、考慮する価値のないものとして排除するべきである。
なぜなら、広告をめぐる意見は、宗教をめぐる意見と同じように、常に統一されていない
からだ。
世界人口の40%のひとが、仏教徒であり、彼らの意見では、仏教だけが唯一の宗教とな
る。世界人口の12%の人が、ローマン・カトリック教徒であり、彼らは、残りの88%
の人を、罪深き人で、地獄に落とされるひとと固く信じている。
プロテスタントである世界人口の8%のひとたちは、仏教徒もカトリック教徒もその他の
信者もすべて、唯一信奉すべきキリスト教の一派であるプロテスタント主義ではないこと
を非常に残念ことだと考えている。
そして、仏教徒もカトリック教徒もプロテスタントも、世界人口の2%を占めるユダヤ教
徒に対して、彼らの意見が間違っていると説得し、意見を変えさえることはできない。
このことから、意見は、常に統一され得ないことが説明される。
宗教は、意見という戦いに、ずっと留まり続けなければならない。なぜなら、どの宗教が
正しくて、どの宗教が間違っているか、自分が実際に死んで、死後の世界に行って真実を
見つけるまで、だれも決めることができないからだ。そして、死んだひとが、過去、この
宗教論争を解決しにこの世に戻ってきたためしがないからだ。
しかし、広告の場合は、医学や工学と同じ分野に属する。この 3 つはすべて、最終的には
テストして、統一した見解を出すことができるのだ。
しかし、広告関係者の多くが、本来ならば、広告に関する証拠に投資をせねばならないの
に、広告に関する意見に、お金を費やして満足しているように思える。
「一般広告(一般大衆に商品名だけを宣伝し続けるだけの広告)は、間違いで、
「セールス
マンの仕事を文字にした広告」が正しいと理解する前に、事業に失敗してしまう広告従事
-3Copyright 2007 ジョン・E・ケネディ
「広告の真実」
者が多くいるのだ。
彼らは、広告に対して、堅実な方法で投資を決断すべきときに、よく調べずに、一か八か
の賭けで投資をする。もし、彼らが広告以外の何か他のサービスを購入するのであれば、
彼らは、実際に購入する前に、そのサービスが投資に見合う価値を提供するかどうかを、
確実に知りたがるはずなのに。
例えば、もし、彼らがセールスマンを雇ったならば、セールスマンに、満足の行くセール
スを達成させ、給料を得るに値することを証明させるだろう。
セールスマンが、ずっと長い間、結果を出すことなく、「営業活動は順調です。」と言い続
けるならば、彼らは、給料の支払いを拒むはずだ。
あるいは、セールスマンが、セールスの達成不足を、「宣伝活動」を通じで、十分な利益を
もたらすことで埋め合わせをしない限り、彼らは、セールスマンの発言に満足しないはず
だ。
もしくは、あるセールスマンが、自分以外のセールスマンのセールスのアシストをしたと
いう報告を夢中で話したとしても、彼らは、満足しないだろう。
要するに、広告の雇い主が、自らの従業員に要求することは、注文を取って、利益をもた
らすことである。彼は、売上をもたらすことを求めているのであり、セールスマン自らが、
自分の力で売上を上げて、雇い主に対して、毎回のセールスにより、ある一定の利益をも
たらすことを求めているのである。
これは、広告の雇い主が、自らの打つ広告に対して、要求すべきことまったく同じであり、
それはつまり、売上を確実にもたらすことであり、数倍の売上をもたらし、満足のいくよ
うな利益をもたらすことである。
そして、もし、彼がこのようなゴールを強く求めるならば、おそらく「売上に対する一般
的な影響」を与える代わりに、実際に売上をもたらすような種類の広告を作ることができ
るだろう。
なぜなら、本物の広告とは、結局のところ「セールスマンの仕事を活字にしたもの」を意
味するのだから。セールスマンの仕事を活字した広告以外の広告は、本物の広告ではなく
て、単なる「広報活動」の一環にすぎない。そして「一般広告」は、会社の宣伝をするこ
-4Copyright 2007 ジョン・E・ケネディ
「広告の真実」
とと、セールスマンのために「セールスのアシストをする」するくらいが、正直なところ、
関の山である。これは、セールスマンが売上を上げられないことに対してよくする言い分
けと何ら変わりない。
しかし、「一般広告は」やその他の広告はすべて、セールスマンを評価する場合と同じ基準
で、評価すべきである。すなわち、ある一定価格で売れた最終的な合計売上高によって判
断するべきである。
-5Copyright 2007 ジョン・E・ケネディ
「広告の真実」
第二章
「宣伝対象は、だれなのか?」
広告制作者の皆さんへ!
あなたは、ご自分の売りたいモノを一般のひとにアピールするために、お金を使う。
さて、どのような人であれば、あなたの特定の商品を購入するだけの金銭的余裕があるだ
ろうか?
あなたの広告商品に対して顧客になるには、どの所得層のひとが適しているのだろうか?
平均的な読者数千人につき、いったくいくらの売上が想定できるだろうか?
これらはすべて、広告キャンペーンを考案する上で、また、そのキャンペーンによって、
顧客の獲得に成功する上で、非常に重要な要因である。我々がキャンペーンを考案し、数
字を計算する際に、参考にすることのできる国勢調査の数字がいくつかあるので、紹介し
よう。
1900 年代のアメリカ国内の世帯数は、15,964,000 であった。各世帯の家族構成は、平均し
て、5 人で、全人口数は、75,994,575 人であった。人口の51%のひとが、国内に住んで
いた。―――10 と、3 分の 2 のひとが、セミ・アーバン都市に住んでおり、38と 3 分の
1 のひとが、大都市に住んでいた。
この全世帯が購読していた新聞と定期刊行物の合計発行部数は、8,168,148,749 部であった。
これは要するに、1 世帯につき、年間で512部数が読まれていることを意味するか、もし
くは、各世帯で、一日約 2 部の刊行物が読まれていることを意味する。
それにしても、すごい数の刊行物が読まれているよね?
さて、ここからは、国勢調査の驚くような数字を紹介しよう。
これら全世帯の33%の平均年間所得は 400 ドル未満であった。家族 1 人あたりの所得に
換算すれば、それは 80 ドルであった。
全世帯数のたった21%だけが、400 ドルから 600 ドルの平均年間所得であった。
-6Copyright 2007 ジョン・E・ケネディ
「広告の真実」
全世帯数のたった15%だけだ、600 ドルから 900 ドルの平均年間所得であった。
全世帯数のたった10と 2 分 1 だけが、900 ドルから 12,00 ドルの平均年間所得であった。
全世帯数のたった7と2分の1だけが、1,800ドルから3,000ドルの平均年間所
得であった。
そして、自動車を所有するクラスは、全世帯数のわずか5%であり、彼らの平均年間所得
は、1世帯につき、3,000ドル、もしくは、家族1人あたり、600ドルの所得であ
った。
さて、この数字を見て、あなたは何か考えさせられないだろうか?
あなたが、広告を通して、ピアノを販売しているとしよう。新聞や雑誌を講読している全
世帯数のうち、一体何世帯が、あなたの商品を購入する金銭的余裕があるだろうか?
つぎに、その世帯のうち、一体何世帯が、すでにその商品を所有しているだろうか?
これらのことは、あなたの広告の対象となる潜在マーケットを明らかにし、そのマーケッ
トに対して、あなたが取るべきアプローチ法を明らかにしてくれるだろう。
また、あなたの打つ広告によって、どれほどピアノを欲しがろうとも買うことのできない
ひとがいったい何人いるのか、彼らに対して、あなたが一体いくら無駄な広告費を支払わ
なければならないかも明らかにすることができる。
また、あなたの広告に対して、非常に多くの読者を惹きつけるための「キャッチー」なコ
ピーを書くことの無意味さも明らかにする。あなたに必要なのは、読者の数ではなくて、
特定の顧客層である。あなたがいったん、特定の顧客層の注意を引きさえすれば、あるい
は、そのほかの潜在顧客の可能性をすべて排除したなら、その特定の顧客層に対して、あ
なたは取り組むだけでいいのだ。
あなたは、読者層を極端に絞り、その他の顧客の可能性を排除したことにより失ったかも
しれない損失を、特定顧客に見合った説得力やセールス・フォース(営業戦力)を駆使し、
利益をあげることで埋め合わせをしなければならない。
しかし、あなたの商品が、一般大衆向きのものであれば、広告にとっては、もってこの題
材と言える。なぜなら、自動車やピアノに対して、そうした大衆向けの商品は、平均的な
読者の間で、約85%以上の売上を上げる可能性があるからだ。
-7Copyright 2007 ジョン・E・ケネディ
「広告の真実」
この85%もの読者に対して、宣伝する上で最近よく目にする間違いは、彼らにとってあ
まり聞き覚えのない、またはなじみのないものという観点で、はなから、説明をすること
である。
この85%の世帯の中で、1,800ドルの年間所得に届く世帯がひとつもないことに気
づかねばならない。また、この85%の世帯の年間所得は、1世帯につき500ドル未満、
家族1人あたりに換算すると、100ドルであることに気づかねばならない。
われわれは、こうした平均的な所得層のひとびとに、一般教養を受けていることを期待し
てはいけないし、過剰な芸術的センスや推測力を求めてはいけない。
彼らは、もちろん子供よりも賢いし、決して頭が鈍いわけでもない。彼らは、平均的な知
性を持ち、かなり利口であるし、そうとう疑り深い。彼らの大半は、
「ミズーリ州」出身か
もしれない(注:米国ミズーリ州の通称は、証拠が第一州である)。なぜなら、彼らはうさ
んくさい宣伝を目にしたら、彼らは決まって「その証拠を見せてくれ!」と考えるからだ。
しかし、彼らの精神構造に訴えかけるぐらい、シンプルで、目的にかなったアピールがさ
れれば、彼らが納得する可能性は高い。彼らは、いい写真や心地よいコピーフレーズを好
む。
彼らの一番の興味の対象は、「贅沢を感じるよりも、存在意義や快適さを感じるのに必要な
ものに、自分たちがお金を使うことを証明して欲しいのだ。」
この「85%」の読者層には、ある特定の思考パターンがあり、ある特定のアプローチ形
式や動機付けの形式には率直に反応するという精神的特徴が備わっているのだ。
あなたの対象顧客であるこの読者層の琴線に触れ、レスポンスを獲得するには、リーズン
ホワイ(注:何かをオファーする際には、必ずなぜそうするのか、理由を明らかにするこ
と)を活用することと、スペースを有効に使うことでアピール力を高めることである。本
章では、ほんの2,3のアドバイスを紹介するに留めておきたいと思う。それ以外のアド
バイスは、次章を読んでいただきたいと思う。
-8Copyright 2007 ジョン・E・ケネディ
「広告の真実」
第三章 ひとのこころに触れるコピー
広告は、セールスマンの仕事を活字にしただけである。
どういうことか。1人のセールスマンがこなす仕事の数千倍を、一手に引き受けるのが広
告の役目である。
たった一人のセールスマンが、対面販売で見込み客の1人1人に出会う代わりに、広告は、
数千の見込み客に同時に出会うことができる。
どういうことか。これまで、その存在が見過ごされていた潜在顧客の発見および開拓が、
広告というセールスマンの仕事である。
本章では、こうした事実を包み隠さず、話したいと思う。なぜなら、あまりにも多くのビ
ジネスマンが、真の広告とはどんなものであるか、正しく理解していないからだ。
広告キャンペーンに対する最初の考え方が、誤った地点から出発するのはいとも簡単なこ
とだ。広告費を使って、手探り、テスト、推測で、作業を進めれば、まさに出発点が誤っ
ていたことになる。
真の広告は、数千人のセールスマンがする仕事を、独力でやってのけることだ。数千倍の
仕事量をこなすことができなければ、得られるレスポンスはゼロに等しい。
写真やキャッチフレーズや、会社名や記事を数千倍にしてみても、得られるレスポンスは
ゼロに等しい。
しかし、われわれが、わかりやすく、力強く、納得しやすいリーズンホワイを広告の中で
提示することができれば、セールスマンが対面で一人ずつの見込み客にそれを伝えた時よ
りも数千倍多くの人に、その宣伝商品を買わすことができる。
もちろん、コールドタイプ(注:広告のこと)には、ふつう、生身のセールスマンの持つ
温かみを感じることはできない。だからこそ、セールスマンの仕事を活字にしただけであ
る真の広告は、生身のセールスマンよりも、より力強くなければならないのだ。つまり、
より説得力を持ち、より効果が確実でなければならないのだ。
-9Copyright 2007 ジョン・E・ケネディ
「広告の真実」
さらに、あまり深く考えることなく、大金をかけて何かの規模を数千倍にするよりも、効
果がほぼ100%確実であることがわかった上で、大金をかけるほうが賢明なやり方であ
る。
1000倍の成果を上げられないものは、いくらのコストをかけようと、得られるレスポ
ンスは、ゼロだ。
そうした理由から、非常に多くの広告キャンペーンが失敗に終わっている。というのも、
広告を作る当の本人たちに、何を読者に伝えればいいのか、明確なアイディアがないから
だ。
われわれが、広告はセールスマンの仕事を活字にしただけのものだと、本当の意味で理解
するならば、われわれは全員、その意味するところを次のように理解したことになる。ま
ぁ、もちろん、本来は、各個人が自由にその意味を解釈してもいいはずではあるが。
つまり、広告とは、読者を説得させ、実際に、その宣伝商品を買わせることである。
多くの優秀なセールスマンが、活字の上だけで、そのような説得作業をうまくこなせるわ
けがないと考えている。なぜなら、顧客の顔が自分たちの前にないからであり、セールス
マンが客の気分に合わせてセールス・トークを展開していく判断指標となる、顧客の顔の
表情がわからないからだ。
まさにその理由のために、活字広告には、想像力がこの上なく十分に発揮されることが必
要とされるのだ。
まず、広告を書く者は、セールス・トークを徹底的に分析しなければならない。セールス・
トークの始まりから成約に至るまでの全プロセスを細部にわたって細かく、完全に知り尽
くさねばならない。
完全に、セールス・トークを分析してマスターすることが出来たなら、活字広告では、論
理的な流れでセールス・ポイントを説明しなければならない。商品のいい点(メリット)
を説明し、気づかれないようさりげなく、商品の悪い点(デメリット)を読者の頭の中か
ら閉め出すように仕向けなければならない。
しかしながら、これらはすべて、優秀なセールスマンなら誰もが、セールス・トークの最
- 10 Copyright 2007 ジョン・E・ケネディ
「広告の真実」
中にするかもしれない、するべき、いや、恐らくしているはずのことだ。
しかし、最近の出版物に掲載されている広告ページを一瞥すれば、比較的、どの広告でも、
セールスマンの仕事というこうした第一原則に沿ってコピーが書かれていることは稀であ
る。
しかしながら、だからこそ、これから優秀な活字広告の持つパワーや真髄が発揮さければ
ならないのだ。
オーディエンス(読者)に合わせて、段階的に購買意欲を高めて、購入意志を固めさせる
ことが、活字広告の本来のあるべき姿である。
ある思考形態や表現形式によって提示されたある主張が、ターゲット顧客層の間で、ある
一定数のひとの心に触れ、好反応を引き出す。
もし、その反応率が高ければ、それは、広告制作者側にとって、大きな利益を意味する。
もし、その反応率が低ければ、それは、その広告には適切な説得力が欠けていたことと、
しっかりとした主張がされたにもかかわらず、宣伝商品の顧客層として一番適合していた
ある顧客層から、好反応を引き出すことが出来なかったことを意味する。
広告において、ある特定の顧客層の「好反応を引き出す」には、その顧客層に合ったパー
ソナリティ(注:個性)を活用することが必要となるだろう。
つまり、宣伝コピーの書き手のパーソナリティはまったく必要とはならないが、宣伝商品
に対して、一番大きなマーケットを形成する特定の顧客階層に最もよく当てはまるパーソ
ナリティを提示することが必要となるのだ。
このパーソナリティとは少しわかりづらいものだが、教会や音楽堂で鳴らされる音と考え
てみるといい。
どういうことか。そうした音楽堂や教会などの建物は、部屋の大きさや形のわりには、そ
こで奏でられる音階のうち、ある特定の音を最もよく反響するように設計されているのは
よく知られていることだ。
そうした建造物内では、力強く、深く、響き渡る音でも、それ以外の建物では、か細く、
- 11 Copyright 2007 ジョン・E・ケネディ
「広告の真実」
単調で耳障りな音になる。なぜなら、教会や音楽堂の場合と違い、それ以外の建物は、そ
れ以外の音をもっとも美しく響かせるように設計されているからである。
教会内部をじっくり見渡し、そこで一番よく響く音を言い当てることのできる音楽家は、
自らの商品のターゲット顧客層に向けて、リーズンホワイのテクニックを使って、彼らの
パーソナリティに合った(まさに彼らから共感を得られるような)コピー文を書いて、一
番大きな反応を引き出す広告コピーライターによく似ている。
ある特定ターゲット層の感情にうまく訴え、彼らから実際に、十分な共感を得ることは、
彼らから100%の反応率をあげることを意味するのだ。
ある特定ターゲットのパーソナリティにそぐわない、不適切なコピーを書いて、共感を得
ようとすれば、彼らから、不信や反抗心を引き出すことになるだろう。
読者の心の中に芽生えた不信や反抗心は、コピー文の効果を25%から50%ぐらい、台
無しにするだろう。
こうした理由から、活字広告を書く者は、ロジックだけでなく、イマジネーション(想像
力)も兼ね備えていなければならないのである。
コピーライターというものは、対象顧客層を説得するための明確なコンセプトを描くこと
ができなければならない。
どのような思考形式や表現形態を使えば、自らの対象顧客層の持つパーソナリティに最も
強く訴えかけることができるか、推測できなければならない。
それから、対象顧客層の心の琴線に強く触れ、100%の反応率を引き出すのにもっとも
適したパーソナリティを自らの表現形態において、確立することができなければならない。
一般大衆クラス――全世帯数の85%を占めるひとびと――の共感を確実に得るようなパ
ーソナリティを確立することのできるコピーライターは、めったにいない。
さらに、深い共感を引き出すコピーを書く上で必要となる適切なパーソナリティを築くの
に、対象顧客の社会階級ごとの思考様式や心的傾向を推測できる能力は、リーズンホワイ
のテクニックを使って活字広告を書くコピーライターが、
(普通のセールスマンが要求され
る能力である)論理的に話を展開する能力とともに、必ず持ち合わせていなければならな
- 12 Copyright 2007 ジョン・E・ケネディ
「広告の真実」
いものである。
同じくらい聡明な二人の人物によって書かれたコピーの成果には、おそらく差がでるはず
である。どちらの場合も、同一商品を売るのに、同じだけのスペースが使われているが、
結果に80%の差が出ることもある。
まずは、どちらのコピーにも書かれている「リーズンホワイ」を述べる上で、その説明に
クォリティの差が出る。
次に、ターゲット顧客層から最大の共感を得るために用いられるパーソナリティに差が出
る。
ある特定の社会階層の精神面を測る能力や、彼らの考え方を測る能力は、ある種、本能的
なものである。例えば、それは、数百平方マイルの森を歩いて、実際に樹木の長さを測ら
なくても、ほぼ正確に、樹木の長さが何千フィートであるか、言い当てることのできる樹
木調査者の持つ能力のようなものである。
たった一人の男のこのような直感的な知性に基づき、森林地から何百万ドルに達する(木
材販売の)儲けが生まれているという事実が、こうした直感力による推測が、全般的に正
確であり、信頼の置ける証拠である。
この同じ能力が、一般的に考えられている以上に、活字広告を成功させるには、大いに関
係するのだ。
それは、関心を持つのに十分なほど、素晴らしい能力である。
- 13 Copyright 2007 ジョン・E・ケネディ
「広告の真実」
第四章
「光あれ」
さて、率直に話し合おう!
広告というテーマを色眼鏡で見るのではなくて、公正に見つめなおして、分析することに
しよう。あらゆる偏見や先入観を捨て、証拠だけを頼りに、最終的な結論に到達すること
にしよう。
心情や前例や「世論」に流される代わりに、この広告というテーマを、これまでにまるで
聞いたことのないテーマのように、あるいは、「ミズーリ州出身」として扱おう。(注:米
国ミズーリ州の通称は、証拠が第一州である)
たとえば、もし我々が、手元に多量の干草を持っていて、売らねばならないとしたら、ど
のように売ることができるだろうか?
われわれは、顧客に、その干草の中で育ったヒナギクを見せて、二頭の馬にその干草を牽
かせてきたことや、馬の手綱を引いた御車には、バンダイクひげ(注:先のとがったひげ)
が生えていることを知らせるべきなのか?(要するに、いかにも田舎をイメージさせるも
のを伝えるべきなのか?)
顧客に、この干草は、ホイッティアーの詩にうたわれた「夏の日のモード・マラー」(注:
同名の詩にうたわれる田舎の娘)によってかき集められたものとまったく同じ干草である
と伝えるだろうか?
違うよね!
-そうでしょ?
我々は、馬の飼料として使ってもらうのに、この特別な干草に含まれる良質の栄養素につ
いて語り、はっきりとした価格を伝え、なぜ、この干草がその値段に値するかを語り、そ
の値段ではなしを進めたはずである。
さて、もし我々の顧客が遠方地域に住んでいて、セールスレターによって、干草を売らね
ばならないとしたら、どのような手紙を書けばいいだろうか?
「モード・マラー」を引用して、彼に、ヒナギクや馬やひげのことを語ればいいだろうか?
いいや、ちがう。まったくもって、大きな間違いだ!
- 14 Copyright 2007 ジョン・E・ケネディ
「広告の真実」
われわれは、干草の持つ良質の栄養素と、それを買った場合のメリットと、価格の適切さ
を伝えることだけに、細心の注意を払うはずだ。
しかし、1 つの干草の袋を売る代わりに、500袋もの干草を売らねばならないとしたら、
手紙以外に、何を使って、彼らに宣伝すればいいかわからなかっただろう。
そういう時にこそ、広告を打つのだ!しかし、活字にたよるという事実は、広告を通して
干草を売るのに、文学やアートやひねりの効いているしゃれた文句で広告スペースを埋め
つくすことを意味するだろうか?
われわれは、干草を単に馬の飼料としてアプローチをかける必要はないだろうか?馬を飼
育し、安い飼料を求める非潜在顧客に干草を買ってもらうために、本気で「夏の日のモー
ド・マラー」のイメージが役に立つと考えるだろうか?
馬の持ち主は、良い干草を一目で見分けることができるし、目で見る場合同様、詳しく書
かれた説明文を読むことでも、良い干草かどうかを見分けられるだろう。
潜在顧客が品質の良い干草を求めている場合、われわれが彼に伝えるべき最大のセールス
ポイントは、自分たちの売る干草の特徴であり、品質に関する詳しい説明であり、値段の
妥当性についてである。
モード・マラーのイメージを用いた説明や、その他の気の効いたイメージ戦略では、飼料
としての干草の特徴や馬の飼育に焦点を当てたセールス・トークほど、確実かつ迅速に、
干草を買わせることは出来ないだろう。
しかし、コピーライターは、「売上を伸ばす広告を書くには、まず、人の目を引き、実際に
読んでもらえるコピー文を書かねばならない。
」と教わるはずである。また、連合広告を打
つ場合、最も多くの読者に読んでもらうためには、あなたの小さな広告が他のどの広告よ
りも「魅力的」でなければならないとも教わるはずである。
さて、まず初めのアドバイスだが、この主張は一見、理にかなった主張に思えるが、その
妥当性を吟味してみようではないか。
例えば、あなたが干草に関する、モード・マラータイプの広告(いわゆるイメージ広告)
を打っていたとしよう。それはつまり、ヒナギクの花で広告枠が囲まれ、「温かい田園風景
- 15 Copyright 2007 ジョン・E・ケネディ
「広告の真実」
をイメージさせる」コピーが本文に溢れ返っている広告のことだ。
その 3 行広告が、単に太文字で「干草、配達可。1 トンにつき 8 ドル」と書かれた広告より
も多くの読者の注意を引くのは確実だろう。
しかし、干草を必要とする人が、実際にあなたに利益をもたらし、広告費用を回収するの
に一役買ってくれる唯一の読者であって、連合広告の紙面で「モード・マラー」タイプの
広告を打つよりも、干草に関するコピーを書いたほうが、何倍も確実に、彼らの興味を引
くことができるのだ。
また、あなたは、干草と何の関係もない 40 万の読者の「注意」を引き損ねても全く問題な
いのである。もしあなたが、干草を本当に必要としている一部の人の注意を引き、メッセ
ージを伝え、200 個か 300 個の干草を彼らに売ることができるとすれば。
500 個の干草を売るのに、43 万部の発行部数のうち、すべての読者の「注意を引く」必要
がないことに気づいて欲しい。
しかし、少なくとも 500 人の潜在見込み客に、あなたが彼らの求める干草を扱っているこ
と、彼らが支払える価格の範囲内でそれを扱っていることを説得することは、極めて重要
である。
もし、43 万部数の出版物に広告を打つのに、60 ドルの広告費用がかかり、われわれが干草
一個あたりに 1 ドルの利益を得るとすれば、この広告費を支払うには、60 人の見込み客に
干草一個ずつ、売るだけでいいのだ。
しかし、もしわれわれが、広告によって 8 万の読者の「注意を引き」
、彼らに対して、たっ
た 30 個の干草しか売らないのであれば、それは 30 ドルの赤字を意味し、いつか 8 万人の
読者のうち、我々の干草を購入してくれる人があるかもしれないという、まぁ、われわれ
がその時になっておまだ干草を販売しているとしてだが、そうした曖昧な希望を持って、
「知名度を広める」ためや―――「広報活動」のために、この広告費の損失が埋め合わさ
れると信じなければならないのだ。
ある一定のコストをかけて、
「最大多数の読者の注意を引く」というこの誤った考えにより、
広告の作り手は、年間になんと多額の大金を投じているのだろう。
「注意を引く」ことが、コピーライターの最大の関心事であり続ける限り、読者の注意の
引き方も、リーズンホワイ型のセールス・トークを活字にした広告が持つような、明白か
- 16 Copyright 2007 ジョン・E・ケネディ
「広告の真実」
つ論理的かつ説得力のある方法よりも、文学的かつ芸術的な効果を優先させることになる
だろう。
コピーライターというのは、ともすれば説得力のあるコピーを書くのを放棄して、「魅力的
な」コピーを書きたがるものなのだ。というのも、彼らは、自分の書くコピーが「スマー
ト」であり、「聡明」であり、「キャッチー」であり、「文学的」であり、「アーティスティ
ック」であり、「威厳のある」ものであり、「優秀」であると褒められたいとひそかに考え
るものだからである。
たとえ、宣伝商品がまったく売れないとしても、「注意を引く」キャッチーな「一般広告」
の書いたコピーライターに対しては、有名な賞が与えられる。しかし、実際に宣伝商品を
大量に買わせるほどの強制力や説得力はあるが、あまり目立ちはしない活字広告(セール
ス・トークを活字にした広告)を書いたコピーライターに対しては、一切、何の賞も与え
られない。
これが、「キャッチーな」広告コピーが流行し、リーズンホワイ型の活字広告(セールス・
トークを活字にした広告)がまったく見られない理由である。
リーズンホワイ型の活字広告を打つには、
「一般広告」を打つのにかかる広告費の 4 倍もの
コストがかかることが、リーズンホワイ型の広告がほとんど打たれないことのもう一つの
理由である。
さらにまた別の理由を挙げるとすれば、「一般広告」を書くコピーライターは、自分たちが
後者のタイプのコピーを書くことにより、明確な成果をあげることは不可能であると考え
ているからだ。なぜなら、彼らの書く一般広告は、何の効果も役目も果たす必要がないか
らである。
商品名の宣伝。
会社名の宣伝。
セールスのアシスト。
マーケットの保護。
これらは、「一般広告」のコピーライターが、自らの広告において、達成しようとするゴー
ルであるが、それらは全部、曖昧で、どうでもいいようなことばかりである。
これらは、宣伝広告費用にかけた初期投資額の30%から90%に相当する利益ではなく、
- 17 Copyright 2007 ジョン・E・ケネディ
「広告の真実」
おそらく150%の見返りをもたらせたはずの初期投資から、彼が、実際に手に入れるも
のなのだ。広告を打つことで得られる最大の効果のうちの、ほんのわずかなものしか手に
入れられないのだ。
リーズンホワイ型のセールス・トークを活字にした広告は、
「一般広告」が「商品名の宣伝」
や「会社名の宣伝」などの効果しかないのに比べ、あらゆる成果をもたらすものであるこ
とを覚えていてほしい。
また、それに加えて、リーズンホワイ型の活字広告は、小売業者を通して(もしくは、D
Mを通じて)
、実際に、確実に、最終的に、商品を売り、初期投資に対して、50%から3
00%の利益をもたらすことができること忘れないで欲しい。
- 18 Copyright 2007 ジョン・E・ケネディ
「広告の真実」
第五章
彼らは、盲目的に、盲人の後を
進む。
カーライル氏(注:英国の評論家・歴史家)は、人間を、羊の群れにたとえた。
彼が言うには、「ある田舎の道で、地面から45センチの高さに、ロープを横に張り、羊の
群れに、その道を歩かせた。鈴付き羊(注:群れを先導する羊)が、地面から高めの位置
に張られたロープをジャンプしてから、その後ロープを地面につくまで緩めて、残りの羊
の群れがどうするかを観察した。」とのことだ。
鈴付き羊の後ろに続いていた残りの群れは、すでに、地面につくほどロープが緩められて
いるにもかかわらず、一匹残らず、そのロープを超えるのに、空中高く飛んで通過したと
のことだ。
つまり、残りの群れは、盲目的に鈴付き羊に従うのだ。―理不尽にも。―――状況の変化
も顧みずに。
残りの群れは、最初の鈴付き羊がジャンプしたのと同じ理由でジャンプしたのではなく、
ある羊が、ある地点で、ある高さを飛んだという理由のためだけに、ジャンプするとのこ
とだ。
このカーライル氏の洞察は、ブリスターのような広告業界の場合にも当てはまる。
広告業界には、数え切れないほどの羊の群れが存在する。
サポリオ社(注:石鹸会社)が、事前に打っていた論理的な広告によって広めた精神印象
を復活させるために「清潔な町」というジングル(注:テレビ・ラジオの宣伝の調子のよ
い歌で、聞くと特定の商品を思い浮かべる)を使った際、残りの羊の群れは、他の用途の
ために作られたジングルにもかかわらず、そのジングルを使おうと躍起になった。
衛生的な梱包を望む、人々の大きな需要を満たすために、マーケットに「Uneeda Biscuit」
(*注:1890 年代初頭、ビスケットは、紙袋に入れて販売されていた。そこで、衛生的か
つ便利な梱包済みのビスケットの登場が長らく待たれて、ついにその第一号)が登場した際、
小売業者の間に、センセーションを巻き起こしたに違いないほど、大量に商品が割り当て
- 19 Copyright 2007 ジョン・E・ケネディ
「広告の真実」
られ、支持された。
こんどは、同じような商標が続出し、同じような広告が、続出した。これもいわゆる、残
りの群れが、ある企業がそうしたという理由だけで、後に続いたためである。
「アイボリー石鹸」の広告が発表された際、それは、美しい写真が全面に刷られた広告で、
5%の販売効果があったのだが、羊の群れは、その広告を「史上初の最高の広告」に違い
ないと結論づけたために、彼らはこぞって、想像上のロープを飛んで、同じような広告を
出した。
「グッド・モーニング!ピアーズ社の石鹸を使ったことあります?」というキャッチフレ
ーズが発表されてから、その後、空虚なキャッチフレーズが大流行した。ピアーズ社には、
馬鹿げたフレーズを出そうとも、その精神倒錯の時期を乗り切るための、数百年に及ぶ、
広告の歴史という土台があるという事実があるにもかかわらず。
今日、広告業界のこうした偽りの神はどうなったのか?
「清潔な町」は、まったく見なくなり、ハンドサポリオ社は、現在、ハウスサポリオ社を
築いた優れた昔からのリーズンホワイ型のアプローチに基づいて広告を打っている。
「Try-a-bita」「U-want-a」その他の「Uneeda chickens」などの商品名は、一日の終わり
を告げる晩鐘が鳴り響くよりもずっと以前に、姿を消している。
数百万ドルの宣伝広告費用をかけた「Uneeda Biscuit」自体は、自らの広告のアプローチ
を誤りと認めるより、さらに、その宣伝アプローチを維持し続けている。
「ソーダ・クラッカーの栄養価値」やその他の最近の「タイプ」コピーなど、彼らの広告
を見る限り、態度を変えたくないとの姿勢がうかがわれる。
新聞の全面広告を打つのに、数百万ドルの広告費用を費やし、ほんの一瞬だけ広告業界で
日の目を見た「ザ・クレモ・シガー」などの流星のような一般広告はどこに行ったのか?
それもまた、姿を消してしまっている。
アイボリー・ソープの現在の広告をじっくりと観察し、今後の同社の広告を見守るといい。
そうすれば、毎月、無意味な写真が、徐々に削除されて行き、代わりに、「リーズンホワイ
- 20 Copyright 2007 ジョン・E・ケネディ
「広告の真実」
型のセールス・トークを活字にした」コピーに移り変わっていくのに気づくだろう。例え、
広告主が、心変わりを認めたがらなくとも、最近の同社の広告を見れば、一目瞭然である。
ピアーズ・ソープは、もはや「グッド・モーニング」というコピーや、引用や、そのほか
のあらゆるキャッチフレーズを使うことはない。しかし、かつて流行した彼らのコピーは、
ピアーズのキャッチフレーズに絶大な信頼を置いていた、時代遅れのコピーライターの心
の中で、永遠に大事に記憶されている。だからといって、誰もピアーズ社のソープを買わ
ないが。
一般広告界のこうしたスターたちは、ほんの一時の間、進むべき道筋に光を当て、数十の
羊の群れを破滅に向かわせた。羊の群れは、ほんの一時の流行を追っているに過ぎないの
に、自分たちは、信頼の置ける「鈴付き羊」の後に続いているものと考えていたのだ。
大手企業の広告主(巨額の宣伝広告費用を浪費するほど十分な資金があり、ひそかにアプ
ローチを変えることになるまで、無駄な広告を打ち続けるだけのプライドの高い広告主)
がこぞって始めた大規模な新たな一時のブームはどれも、支持され、コピーされ、羅針盤
の読み方を知らないために、同じように無能な他者のリードに従わねばならない者によっ
て、「広められる」ことになる。
しかし、あなたはこう、聞くだろう。
「広告マンの操縦する船を、着実に成功という目的地に辿りつかせる、信頼の置ける羅針
盤が 1 つでも存在するのか?」
ある。
船員にとっての羅針盤が信頼の置ける存在であるように、広告マンにとっても、同じよう
に信頼の置ける、実用的な指針が存在する。
その指導書は、単なる意見や当て推量に基づいて作製されたのではなく、また、盲人に従
う盲人に基づいて作製されたのでもない。
それは、毎年、様々な宣伝アプローチに対して、比較を行い、異なる広告媒体で、いくつ
か異なるコピーを使って打たれたテスト広告の結果をもとめた統計データに基づいて作製
されている。
- 21 Copyright 2007 ジョン・E・ケネディ
「広告の真実」
この方法により、ある一定のコストをかけた広告コピーごとの正確な収益力が、そのコピ
ーによってもたらされた問合せ件数(一件あたりの見込客獲得コスト)と、その問合せが
きっかけで生まれた成約数(一件あたりの顧客獲得コスト)によって、示されるのだ。
それだけでなく、広告ごとの相対的な収益力も、同じコピーが打たれた個別の広告媒体を
通して、見込客獲得コストと顧客獲得コストを算出することによって、正確に示されるの
だ。
ある特定のコピーを用いたある郵送物(DMでもセールス・レターでも)から得られるレ
スポンスは、その特定の記事に対するその特定のコピーの有効性しか、示さないのかもし
れない。
これは、その特定のコピーが異なるタイプの郵送物や一般的な広告に用いた場合でも、同
じような効果を生むかに関しては、最終的な結論に至ることは不可能である。
しかし、ある特定のコピーが、いくつかの異なる郵送物において、ほぼ一貫した成果を上
げ、何年間も継続して、同じような成果を上げるならば、それは、コピーライターにとっ
て、明確で確実なコピーであることを示す。
また、その同じタイプのコピーが、継続的に同じような成果を上げて、小売業者を通して、
売上を上げるのに、どの広告でも、普通に使われているのを見るようになれば、それは、
コピーライターが無視することのできない明確かつ決定的なコピーであることが判明する。
- 22 Copyright 2007 ジョン・E・ケネディ
「広告の真実」
第六章
まやかしに投入される
巨額のコスト
「消費者に名前を宣伝する、そして、永遠に宣伝し続ける」
読者の皆様、これが「一般広告」である。――偽りの名のもとで行われる、華々しいゲー
ムである。
「消費者に名前を宣伝すること」と「それを果てしなく宣伝し続けること」は、付随的に、
商品の「売行きに影響を与える」かもしれないが、リーズンホワイ型のセールスマンの仕
事を活字にしただけの広告と張り合いぐらいの効果的な主張をすることはない。
しかし、「一般広告」の主な目的は、商品の販売促進より、もっと利他的なことであり、利
潤の追求に徹したものではないのだ。
「注意を引くこと」-きれいな写真や魅力的な見出しを使って「読者の興味をそそること」
―多くの余白部分に対して、広告費用を出版社に支払うことで、
「出版者を喜ばせること」、
広告費用を投入するのに、最低限の努力と、巧妙なコピーを提供してくれた広告代理店に
コミッション料金を支払うこと。
これこそ、まさに「一般広告」である。それは、(カーネギー図書館のように)もちろん、
それなりに十分素晴らしいものでもある。
しかし、ここで問題となるのは、一部のひとが、この「一般広告」を「広告」という名前
で呼んでいることであり、彼らは、もっと広告をより深く理解するべきであるということ
である。
さて、広告とは、単に「セールスマンの仕事を活字にしただけのもの」であるし、また、
実際にそうあるべきなのだ。つまり、広告とは、もっとも手っ取り早い方法で商品を売る
ための単なる金儲けの方法であるということである。
リーズンホワイ型のセールスマンの仕事を活字にしただけの広告には、栄光も、拍手も賞
賛も一切関係しないのである。――関係するのは、ただ利益だけである。
- 23 Copyright 2007 ジョン・E・ケネディ
「広告の真実」
なぜなら、それが常識だからである。商品を売ることだけに全力を注ぐことが単に、一般
常識だからである。
それが、広告の仕事内容なのだ。――つまりカウンター越しであろうと、手紙やDMの送
付するのであろうと、(手段に違いがあろうとも)ただ商品を売ることだけである。
もし、あなたが「一般広告」によって、一体いくつの商品が実際に売れるのか、知りたい
と思うならば、あなたが、今、商品を売るのに送付している郵送物の中で、手紙かDMか
を使ってテストし、(カレンダーや試供品を単にプレゼントするのではなく)あなたにレス
ポンスがあるか反応を見てみるといい。
これは、広告に関する誤った認識を完全に打ち砕き、「広告」の幻想を一掃するためのテス
トである。
過去に例がないほど、最も魅力的な心地よい「キャッチフレーズ」を書くといいだろう。
気のきいたしゃれた表現や、使い古されたような決まり文句や、芸術的なイラストを徹底
的に文章のあちこちに多用するといいだろう。
あなたは、自分が絶対に失敗することのない広告を書けたものと自信満々に思うかもしれ
ない。
しかし、あなたがその手紙を使って、実際に、郵送という手段だけで、商品を売ってみる
としたら、どうなるだろうか。
もし、あなたの書いたこの世で一番優れた広告、「誰もが見て」くれて、賞賛してくれる広
告が、見込み客1人を獲得するのに、2 ドルのコストがかかり、あなたが「全く好きではな
い」タイプの広告が、同じスペースと同じ広告媒体を使って、同じ数の見込み客を、1人
あたり、40 セントのコストでもたらすとすれば、あなたは、確実に、忘れられない事実を
体験したことになる。
こうした経験により、この事実から受けたショックから立ち直る前に、彼は「強い関心を」
抱き、じっくり考えるようになる。
そして、正気に戻った彼には、光が見えるだろう。この新たな光によって、わかっていた
つもりでいたいろいろなものがぼんやりとした「幻影」として姿を消していることに気づ
- 24 Copyright 2007 ジョン・E・ケネディ
「広告の真実」
き、彼は、それからは、証明された確実なものを切望するはずだ。
今や、もし、彼が古い通販広告のコピーを読んだなら、一見しただけでそれは、恐ろしく
シンプルで野暮なコピーに見えたとしても、彼は、その野暮ったく見えるコピーに2度、
目を通して、巧妙な説得術や宣伝効果がひそかに使われていないかどうか見極めるはずだ。
もし、彼がその通販広告が変わることなく長年にわたり、打たれ続けていることに気づけ
ば、その広告費用を払い続けている広告主がバカで、高い代償を払って、洗練された広告
主の同業組合で、見習いを積んでいるのだといった結論に至ることはない。
そう。―――
今や彼は、そのコピーをじっくり眺め、セールスマンシップ(販売術)が
発揮されている顕著な特徴を探し求める。そして、コピーが変わることなく、何ヶ月もの
間、打たれていることに気づき、この広告には、何ヶ月も打たれ続けるだけのパワフルな
理由があるという結論を出す。
なぜなら、彼は、この通販広告の広告主と同じくらい確実に、この広告からもたらされる
レスポンス率を記録し続けたなら、自分もまた、「一般広告」に、その「昔から使われてい
る」コピーを、一層お粗末なコピーに(確固たる証拠もなしに)変えることなく、使い続
けるだろうと感じるからである。
もし、彼が以前から使っているなじみのコピーに飽きて、目新しい新鮮なコピーを50通
り試してみたとして、その結果、コピーから得られる1人あたりの見込客獲得コストが、
1ドル20セントから2ドル90セントだったとすれば、彼は、恐らく喜んで、1人当た
り、平均して40セントのコストで定期的に見込み客をもたらしてくれる以前のなじみの
「古いコピー」を再び使い始めることだろう。
彼は、その昔から使っている古くなったコピーを、気心のしれた、信頼できる友人と見な
すはずである。
もし、彼が、会社の売却依頼を受けたなら、彼は、その使い古された古くなった広告コピ
ーの評価価格を、多くのコピーライターが息を飲むほどの高値にするはずである。
また、彼がそれを数千ドルの評価をつけて
もし、年間に10万ドルの広告費用をかけて、その広告スペースを、1人あたり1ドル2
0セントのコストで見込み客を獲得するコピーで埋めたとすれば、我々はそれだけの初期
- 25 Copyright 2007 ジョン・E・ケネディ
「広告の真実」
費用をかけて、たった 83,334 件の問合せ件数しか獲得できないのだ。
一件あたりの見込み客獲得コストが、平均して 40 セントである、使い古されたなじみのコ
ピーやそれと同等の優れたコピーを使っていれば、10 万ドルの初期費用からは、合計 25
万件の問合せがもたらされていたはずだ。
もし、1 ドル 20 セントの見込み客獲得コストがかかるコピーで、同じ問合せ件数を獲得し
ようと思えば、最初にかかる必要経費は、30 万ドルになる。
なぜ、その「40 セント」の効果が実証済みの広告は、初期費用が抑えられるという正当な
評価がされないのだろうか?すなわち、1 件あたり、1 ドル 20 セントの獲得コストをかけ
る代わりに、実証済みの「40 セント」広告を使えば、そのコピーが 1 人につき 40 セント
で見込み客を獲得し続ける限り、年間 20 万ドルの経費節約が実現されるのだから。
そのような変わることなく打たれ続ける通販広告には、見込み客 1 人あたりの獲得コスト
が低いこと以外に、何か他に大事なことはないだろうか?
成功している通販広告が、低コストで、大きな反応率をもたらし続けるその「大切な要素」
とは何か?
それは、同じように低いコストで、通販広告以外の普通の広告を使って大きな売上を上げ
る上でも、同じように必要となる「大切な要素」である。
その謎めいた「大切な要素」が何であるかと言えば、それは、単に活字になったセールス
マンの説得術のことであり、もっと他の言い方をするならば、それは、「リーズンホワイ型
のセールスマンの仕事を活字にしたコピー」ということができる。
それは、2,3年の内に、あるコピーライターをリッチにするくらい、賢い「大切な要素」
である。また、それは、高い広告費であろうと、安い広告費であろうと、広告費を支払う
広告主の投資を無駄にすることのない賢い「大切な要素」といえる。
つまり、この「大切な要素」は、コピー文にぎっしりと詰め込まれた「リーズンホワイ」
のことであり、説得術のことなので、読者は、その広告文の中で主張されているメリット
を信じるに違いないのだ。
どんな冴えた広告コピーであっても、説得力に欠けたコピーであるとすれば、実証済みの
- 26 Copyright 2007 ジョン・E・ケネディ
「広告の真実」
通販広告が生み出すような結果(大きな売上)を生むことは決してない。
どんなにその広告が、一般大衆の目に「止まり」、彼らに「賞賛されて」、「興味を持って読
まれ」ようとも、彼らを説得する力に欠けていたとすれば、広告主に対して、大きな利益
をもたらすことはないのだ。
そして、どのような説得術が、どのような思考過程(レスポンス)をもたらすのかを知り
尽くしているコピーライターであれば、もし、彼らが、通販広告のレスポンスの比較をま
とめた統計資料を研究することによって、確実な証拠という光を見る体験をすでにしてい
たとすれば、彼らは自由自在に、ミスすることなく、この説得力を発揮することができる。
通販広告のレスポンスを求めた統計を見れば、どんなに魅力的で、受けが良く、アーティ
スティックであろうとも、いまいち、説得力にかける広告を 50 種類、打つよりも、説得力
が十二分に発揮されているたった一つの広告だけを 50 回、打ち続けたほうがはるかに効率
的であることが必ずやわかる。
言い換えれば、十分な説得力を持つ広告は、50 種類の才気にあふれて、受けのいい、しか
し説得力にはやや欠ける大型「広告」よりも、多くの利益をもたらすということだ。
本来の広告が果たすべき唯一の任務が何であるかと言えば、それは、他の商品では代用が
効かないという理由と説得術を駆使して、読者を店頭に出向かせ、特定の商品を買わせる
ことである。
広告が、(説得術を駆使して)特定の商品を買わすことができないとすれば、それは、本来
の広告の果たすべき義務を放棄していることになる。
そこで、単なる「一般広告」や「会社の宣伝」を、広告費用をわざわざ出して、打つよう
な広告主は、その広告費用に対して、理にかなったリーズンホワイ型の広告を打った場合
に得られるだろう利益の半分をみすみす失うことになるのだ。
- 27 Copyright 2007 ジョン・E・ケネディ
「広告の真実」
第七章
「損する広告主と、
大きく儲ける広告主」
新たに打たれる広告の60%が失敗に終わる!
その理由は、主に、広告主が、
「キャッチーな」フレーズが書かれているコピーはどれも「広
告」であるという幻想のもと、無駄な広告に大金を費やすからである。
彼らは、広告においても、
「お金が物を言う」と信じているのだ。例えそれが、広告の場合、
何の訳にも立たないとしても。
彼らは、広告スペースが、何の効果も生まない無意味なコピーで埋められようと、継続し
て長く打つことのできる説得力のあるコピーで埋められようとも、同じだけの広告コスト
がかかるということを忘れているのだ。
そして、これまでに打たれたテスト広告の統計から、同じ広告コストをかけて、二つの異
なる種類の「コピー」を打った場合、その結果に生じる差は、80%を越えることがよく
あることがわかっている。
テスト広告のレスポンス結果を追跡調査する方法を知らない一般的な広告主は、また、「一
般広告」を打つのに平気でお金をかけるような広告主は、この事実を真に受けずに、ジョ
ークのように受け流そうとするかもしれない。
しかし、通販広告の広告主は、これが事実であることを知っている。彼らは、広告が予測
不可能な投機事業などではなく、驚くほどシステマティックな投資事業であることを理解
している人たちなのである。
自分たちの打つ広告結果から、特定商品に対する一見あたりの見込み客獲得コストがいく
らであるか、彼らは正確に把握することができるのだ。何故なら、どんな広告媒体で何種
類の広告を打とうとも、彼らは、すべての広告に、(後で各広告の反応を調べるために)個
別のコードを振り分けているからである。
従って、彼らは、広告媒体ごとの相対的な収益力や、コピーごとの相対的な収益力を正確
に測定することが出来るのだ。
- 28 Copyright 2007 ジョン・E・ケネディ
「広告の真実」
従って、彼らは、有効なコピーとそうでないコピーを把握することになる。
「一般広告」の定義は「広報活動」であることを覚えていて欲しい。我々が「一般的な広
告」と言うとき、それは、小売業者を介して、特定の商品を読者に購入させるコピーのこ
とである。
しかし、一般的な広告は、直接商品を売り、実際に売上を上げる通販広告と同じくらい明
確な販売力と説得力とを兼ね備えているはずである。
5 ドルの商品を通販だけで販売している有名な国内のある企業の実話をここで紹介しよう。
同社は、「フォローアップ」のシステムを使えば、見込み客のある一定数を顧客へと変える
ことが出来ることを明らかにした。
広告を打つごとに得られるレスポンスは、同社にとって、ある一定の売上を意味する。
この企業のために、たった一つの広告コピーが、6 年以上にわたり、あらゆる広告媒体にお
いて、打たれ続けている。
30 万ドル以上のコストが、このたった一つのコピーを繰り返し打ち続けるために、費やさ
れている。
なぜか?
なぜなら、過去 8 年にわたり、それまで打たれた他のどのコピーよりも安いコストで、そ
のコピーが、結果(問合せと実際のセールス)を出したからである。
このナンバーワンのコピーが初めて打たれた月の、1 人あたりの見込み客獲得コストは、8
5セントほどだった。
そのコピーを 2 年間、繰り返し打ち続けた結果、コピーの持つ効果が徐々に減ったために、
最終的にそのコピーの 1 人あたりの見込み客獲得コストは、1 ドル85セントになった。
幾人ものコピーライターによって書かれた、新しい「コピー」が 2 年という期間内で、幾
度となく打たれたが、1 ドル 85 セントの見込み客獲得平均コストを超える効率の良いコピ
- 29 Copyright 2007 ジョン・E・ケネディ
「広告の真実」
ーが登場することはなかった。
効果がありそうに思えたコピーの中には、一件の問合せを獲得するのに、14 ドル 20 セント
の平均コストがかかるものも含まれていた。
また、そうした効率の悪いコピーは、高くつく広告媒体で今現在、打たれている「一般広
告」のスペースを埋めているコピーの半数よりも、はるかに優れているように見えるもの
だ。
もし、今、広告を「推測不可能な投機事業」と考えるようなそこらへんの広告主が自由に
広告を打つとしたら、上記のような実証済みのデータの統計からわかる事実から、どんな
ことが起こるのか、考えてみよう。
もし、5 ドルの商品が、すべての広告ごとのレスポンス結果を正確に測定する手段もないま
まに、一般的なやり方で、小売店を通して、売られていたとすれば、恐らく、14 ドル 20
セントの効率の悪いコピーが変わることなく継続して打たれ続けていたはずである。
なぜなら、それは、「一般広告」を打つ広告主がこよなく支持する「キャッチー」なタイプ
の広告だからである。
また、その広告が、本来果たすべき役目に加えて、会社を宣伝するという広報活動の一端
を担っている限り、良いコピーと見なされていたはずである。
しかし、一応「広告」という名で呼ばれる、14 ドル 20 セントのこの手のコピーが、「85
セントタイプ」のコピーが実際に生み出すのと同等の売上を上げようと思えば、14 倍もの
コストが明らかに必要となるのだ。
このことをさらに深く考察してみたいと思う。
ブランク会社が、広告費用として、年間 7 万 5 千ドルのお金を費やしているとする。平均
して 1 ドルのコストで見込み客を獲得できるコピーを使っていたとする。
従って、14 ドル20セントの「キャッチー」なコピーを使って、5ドルの商品を「1件あ
たりの見込み客獲得コストが 1 ドル」タイプのコピーを使った場合と同じだけ売ろうと思
えば、1ドルタイプのコピーにかかったコストの14倍ものコスト、もしくは、105万
ドルもの年間コストが必要となるのだ。
- 30 Copyright 2007 ジョン・E・ケネディ
「広告の真実」
優秀な読者のみなさま、われわれは今、厳しい現実について話をしているので、どうか、
この事実を真摯に受け止めて欲しい。
ブランク会社にとって、新たな広告を打つことは、どんな価値があるのだろうか?
その新たな広告とは、見込み客獲得コストが85セントであり、2年間打ち続けた後、最
終的に、見込み客獲得コストが、1ドル25セントになるような広告のことである。
どんな価値があるかを考えて欲しい。そうすれば、そのようなコピー1つの価値は、自分
たちの商品のために費やす、7万5千ドルの年間広告費用3分1に相当することに気づく
はずである。
しかし、テスト広告の中から、適用された「リーズンホワイ型」のコピーは、それよりも、
はるかに効果的な成果を上げた。この「リーズンホワイ型」のコピーが打たれた初めの2
年間、まったく同じ5ドルの商品に対して、1人あたりの見込み客獲得コストは、41セ
ントであった。(6年打たれ続けた今でも、この広告はまだ打たれ続けている。)
8年間にわたり、広告主が採用し続けていたベスト・コピーに対して、リーズンホワイ型
の広告の収益力は、3倍であった。
22万5千ドルの広告費用をかけて打たれていたそれまでのコピーの収益力と、1人当た
りの見込み客獲得コストが、1ドル25セントである7万5千ドルの広告費用によった打
たれるコピーの収益力が同等であることがわかった。
一切コピーを変えることなく、4ヶ月間、実際に打たれていたリーズンホワイ型のコピー
は、その期間内に、実際に約6万976件の問合せを生み出した。
これは、広告主にとって、1 ドル25セント(もしくは、91,464 ドル)相当の見込み客獲
得コストになるわけだが、実際には、そこから、約2万5千ドルの売上がもたらされたた
め、1 人当たりの見込み客獲得コストは、41セントになるのである。
従って、このリーズンホワイ型の広告は、4 ヶ月間で、その直前に打たれていた 1 ドル 25
セントタイプのコピーよりも、66,466 ドル、多く稼いだことになるのだ。
また、通販で、レスポンスを獲得するコピー文章は、それをそっくり対面販売で、見込み
客に話したとしても、同じようにレスポンスを獲得することができるだろう。もちろん、
リーズンホワイと説得力のあるコピーであるならば。
- 31 Copyright 2007 ジョン・E・ケネディ
「広告の真実」
これは、多くの実例の中で、唯一確かなことである。
第八章
広告を打って、確実に反応を獲得すること。
広告主が、広告へ投資をした際、自らの広告費用に対して、初めて目にする実際的な見返
りは、商品に対する問合せである。
問合せは、カウンター越しに店員に向かってされることもあるだろうし、または、切手を
貼って投函された手紙を通じてされることもあるだろう。
しかし、どちらの場合にしても、いろいろな問合せ方法のうちの 1 つであることには違い
ない。
それは、広告主の投資資金が、実際に何か見返りをもたらしたことの始めての現実的な証
拠である。
さて、消費者に郵送で商品に対する問合せをさせるためのコピー文を書くためには、同じ
消費者を店に来店させて、口頭で問合せをさせるよりも、2 倍か 3 倍の説得力を必要とする
かもしれない。
しかし、誰かが、小売店を通じて、口頭で問合せをする場合、もしその同じ人物が郵送で
直接問合せをした場合に比べて、「コレでなくてもいいな」や「何かもっといい商品がある
だろう」といった具合に、代用品に流れてしまう可能性が、2 倍も 3 倍も高いのだ。
従って、消費者を小売店に足を運ばせるような広告は、「コレでなくてもいいな」や「他に
もっといい商品があるだろう」といった具合に、消費者が代用品へ流れないようにするた
めに、成功している通販広告と同じくらい十分な説得力を持ち合わせるべきなのである。
なぜなら、もし広告が、
「リーズンホワイ」や説得力を発揮して、消費者の心をしっかりと
捉えることが出来なければ、小売店に読者を行かせてしまうことになり、その店が在庫を
多く抱えている他の競合相手の商品を代わりに購入させてしまうか、もしくは、そこの店
員のお気に入りの他社の製品を買わせてしまうことになるからだ。
そういった場合、我々が広告に投資することにより、広告費用を投資していない競合相手
に対して、売上をもたらすことになるのである。
- 32 Copyright 2007 ジョン・E・ケネディ
「広告の真実」
「会社を宣伝する」ために使われる広告費用の半分は、このように他社の商品を代用品と
して買わせるために費やされることになるのだ。
「一般広告」に使われるコピーを使ってテストをしてみると、ほとんどどのコピーも、通
販で大きな売上を上げるには役不足であることがわかっている。
また、通販で商品を売ることができるほどのパワーもなく、説得力にも欠けるコピーはど
れも、読者を他社の商品に流れさせ、小売店の思惑通りに他社の商品を買わせてしまうこ
とになる。
大成功する「一般的な広告」コピーには、従って、商品への口頭での問合せをさせるだけ
でなく、他社の類似商品を買わせずに、宣伝している自社の商品だけを買わせるようにす
るだけのパワフルな説得力というものが備わっていなければならないのだ。
従って、小売店のセールスマンが勧める他社の商品を買わせないようにするためにも、自
社の商品をなぜ買うべきなのか、優れた「理由」をコピーの中で、明らかにしなければな
らない。
また、そうした理由は、読者にとってわかりやすく、強い印象を受けるような、明快な表
現形式で、提示されなければならない。そうすれば、読者は、われわれの理にかなった主
張を信じるはずである。
読者が感じる宣伝文章に対する一般的な不信感を払拭して、コピー文章を信用させねばな
らないのだ。
これは、われわれが、一般的な広告コピーの文章の中に、通販で大きな売上を上げるのに
必要なクォリティとまさに同じものを盛り込まなければならないということである。
「一般広告」を目にして、好奇心から宣伝商品に対して、問合せをしてくる人の半数以上
のひとが、実際に商品を目にしても、商品を買うことはない。
なぜなら、他社の類似商品をお店で見せられ、勧められれば、宣伝されている商品と同じ
ように魅力的に感じるものだからである。好奇心から生じる問合せには、お店での対面販
売の勧誘に耐えるだけの確固とした「リーズンホワイ」という基盤が確立されていないの
である。
- 33 Copyright 2007 ジョン・E・ケネディ
「広告の真実」
こうした理由から、「一般広告」を通して、単なる好奇心から、一度、宣伝商品を購入した
人は、多くてもその中の 4 人に1人くらいしか、同じ商品を二回、三回と続けて買うこと
はないのである。何故なら、彼らは納得して商品を購入をしているわけではないからであ
る。
また、「一般広告」を通して宣伝される商品の一回目の購入から生じる利益はほぼすべて、
一般広告を打つためにかかった元手によって相殺されるのが普通である。
しかし、「リーズンホワイ型」のセールスマンの仕事を活字にしたコピーによって、読者が
示す反応は、もっと正確で、信用できるものである。なぜなら、彼らはコピーを読んで、
その宣伝商品を、自分のために購入し、使うべきものだと納得しているからである。
従って、われわれが読者を納得させれば、彼らは、他社の類似商品を買わないだけでなく、
宣伝された商品こそが、自分の求めるモノであると考えるようになるわけだ。
また、われわれは、コピーの中で述べられ、証明されている商品のクォリティが、本当の
ことであることに読者が気づき、そのことをよく理解するためのお手伝いをする。読者は、
自分だけでは、そうした商品のクォリティを発見することはまずないだろうし、単なる「好
奇心」で購入して何となくそうしたクォリティに気づいたとしても、そのことを高く評価
しないだろう。
というのも、一般広告を通して、彼はただ「興味を引かれた」だけであり、強い関心や衝
動を持ったわけでもなく、商品のクォリティを論理的に理解することで永続的に続く強い
関心を抱いたわけでもないのだ。
しかし、「リーズンホワイ型」のセールスマンの仕事を活字にしただけの広告を通して、読
者が購入する前に、その商品について述べられたクォリティが、本当のことであると納得
してしまえば、そのクォリティを高く評価することによって、その商品を使い始める。
従って、説得力のある「リーズンホワイ型」の広告を読んだ結果として、読者は、同じ商
品を二回、三回、さらに何度でも購入してくれるのだ。
こうして、説得力のある広告で述べられた商品のクォリティに納得した読者が、2 度、3 度、
さらに幾度にもわたり商品を買うごとに、広告主は、大きな利益を手に入れることになる。
通販で直接、お客に商品を売るための説得力が、小売店を介してお客に大量の商品を売る
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「広告の真実」
ための広告にも、同じように必要であり、そうした説得力がコピーに含まれているかどう
かは、テストによって、証明されるのである。
そうしたわけで、小売店を通して、商品を売ろうとする広告はどれも、通販で直接、お客
に商品を売るのに必要となる明確な販売力を同じように持ち合わせているべきなのである。
「リーズンホワイ」型の強力な販売力のあるコピーから生まれる結果と、「一般広告」タイ
プのコピーから生まれる結果との間には、60%以上の差が出ることがよくある。
コピーに関するテストから、このことがはっきりと証明されており、それまでに打たれた
記事が、実際の結果を基に、そのことをはっきりとした形で示している。
単なる「一般広告」だけを活用する広告主は、同じ投資額から得られる最大の成果の50%
から80%を失っているのだ。
コピーや広告媒体に関するテスト結果から、「リーズンホワイ」型の広告こそが、優れた広
告における最も重要な特質であることがわかっている。
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「広告の真実」
第八章
どのように通販広告を
テストするのか
テスト広告を一ヶ月間打つために、信頼の置ける広告媒体をいくつかリストにしてみよう。
その 1 月間、こうした出版物の半数の媒体で、コピーを打とう。広告媒体ごとに、また広
告ごとに個別のコードを割り振ろう。そうすれば、あなたは、どの広告や、どの広告媒体
から、何件の問合せがあったか確認することができるだろう。
次の、残りの半数の出版物で、リーズンホワイ型の広告を打ち、広告媒体ごとに、また広
告ごとにコードを割り当てれば、どの広告から、また、どの広告媒体から、何件の問合せ
があったか、確認できるだろう。
「コード」を割り当てるとは、広告別、広告媒体別に、問合せ先の住所を変えることを意
味する。
従って、Munsey’s では、返信先の住所を、
「アドレス86、ステイト・ストリート」、Woman’s
World では、
「アドレス75、ステイト・ストリート」、Wallaces’ Farmer では、
「6 階、8
6、ステイト・ストリート」、また別の広告媒体では、住所を「8 階、75、ステイト・ス
トリート」といった具合に、住所を変更するのである。
郵便局に頼めば、これらの異なる住所に届けられるすべての手紙をあなたの郵便受けにま
とめて投函してもらうことができる。たとえ、封筒上に違うストリート名が記されていた
としても。
さて、あなたは、返信された手紙や問合せの手紙の封筒に記載されている住所によって、
どの広告媒体のどのコピーから生まれた問合せなのか、知ることができる。
つぎに、それぞれのテスト広告からのレスポンスが途絶えてきたら、特定の広告から生じ
た、媒体ごとの問合せ件数の合計をまとめるといい。
さて、各広告媒体の各広告から生じた問合せ件数の合計を出し、その合計数を、各広告媒
体の各広告コピーにかかった金額で、割ってみよう。
そうすることによって、あなたは、各広告媒体のそれぞれのコピーから生じた一件あたり
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「広告の真実」
の見込み客獲得コストを正確に把握することができる。また、リーズンホワイ型以外のコ
ピーとリーズンホワイ型のコピーとの一件あたりの見込み客獲得コストを比較するといい
だろう。
さて、テスト広告の二ヶ月目は、コピーと掲載紙の組み合わせを変えてみよう。どういう
ことかと言うと、たとえば先月、Munsey’s でレスポンス結果の良かった最新のコピーを今
月は、Wallaces’ Farmer に掲載してみるということである。また、先月、Woman’s World
でレスポンス結果の良かった「リーズンホワイ」型のコピーを今月は、Munsey’s に掲載し
てみるのだ。こうすることによって、コピーに対する、広告媒体の有効性がわかる。
各テスト広告に対する問合せ件数が減り、レスポンスが途絶えてきたら、先月と同じよう
に、各掲載紙のコピーごとの一件あたりの見込み客獲得コストを計算して、記録をつけよ
う。
つぎに、リーズンホワイ型以外のコピーから得られた問合せに関しても、同じ期間内の合
計件数を出してみよう。それから、その合計件数を、そのコピーを掲載するのに生じた広
告費用の合計金額で割ってみよう。
こうすることによって、あなたがいつも使っているコピーに対して、一件当たりの平均見
込み客獲得コストがいくらであるかを把握することができるのだ。
さて、この結果を、今度は、同じ期間内に、同じ広告媒体に掲載した「リーズンホワイ型」
コピーから生じた、一件あたりの平均見込み客獲得コストと比較してみよう。
この 2 種類のコピーの一件あたりの見込み客獲得コストの差は、2 種類のコピーの相対的な
収益力に関して、信頼の置ける指標となる。
さて、今度は、この 2 種類のコピーを使って、獲得した見込み客に対して、フォローアッ
プを同じ手法で、それぞれのグループに対して開始しよう。
2 つの見込み客グループから生じる売上率によって、広告主に対する各コピーのもたらす相
対的な利益がいくらであるかが明らかになる。
この世に、このやり方ほど確実なテストは他にないし、これほど、簡単に実施できるテス
トもない。また、こうしたテストによって明らかにされる事実は、(2 種類の異なるコピー
の結果に生じる差)ほとんどの広告主を「動揺」させるだろう。
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「広告の真実」
様々な異なるコピーを使って、長期間にわたってこうしたテストを継続的に行えば、特定
のコピーが一貫して良い成果を上げることがわかる。
普通のコピーの広告費用の3分の1のコストで、通販によって洗濯機を売ることのできる
リーズンホワイ型のコピーが、その他の商品に適用された場合、同じような割合で、バイ
オリンやシューズやピアノなどを売ることができるだろう。
さらに、通販によって、これらの商品を売ることのできるコピーに含まれる「大切な要素」
を使えば、小売店を通して、カウンター越しにこれらの商品をお客に売ることもできるは
ずである。その「大切な要素」とは、適切なリーズンホワイと共に、コピーに散りばめら
れた販売力のことであり、説得力のことである。
これこそ、一部の広告主を 2,3 年以内に億万長者にするまさに「大切な要素」である。一方
で、同じだけの広告費用を費やして「破産する」広告主もいる中で。
さて、こうした奇跡のような大成功をもたらすコピーというのは、実際、あなたの好みと
は正反対で、まったく個人的には好まないタイプのコピーであるかもしれない。
しかし、実際のところ、広告とは、広告主の好みを単に満たせばいいというものではない。
広告の第一の、また唯一の役目は、広告主のために、商品を売ることであり、しかもなる
べく低いコストで商品を売ることである。
もっとも低いコストでこの役目を果たすのは、リーズンホワイ型のセールスマンの仕事を
活字にした広告であることがわかるはずである。それは、あなたが一番読みたいと思うも
のに基づいているのではなく、記録から、もっとも効率よく読者に商品を売ることがわか
っているものに基づいているものである。
- 38 Copyright 2007 ジョン・E・ケネディ
「広告の真実」
第九章
一般的な広告をテスト
する方法
同じような気候の同じような人口を有する都市の、完全に同じ新聞紙を購読しているクラ
イアントを2グループ、選別しよう。
セントポール市(ミネソタ州の州都)とミネアポリス市(ミネソタ州の南東部)がそのい
い例であるが、他にも探せば、もっとたくさんいい組み合わせがあるはずである。
特定の日を決めて、それぞれの都市の小売店が宣伝商品の在庫をどれくらい抱えているか、
念入りに調べてみよう。
それから、その後 4 ヶ月間で、各小売店の在庫状況がどのように推移するか、あなたが手
渡した用紙に、在庫状況の推移を記録してもらうように依頼してみよう。
つぎに、あなたがすでに使っている「一般広告」を、2 つのクライアントグループの一方の
グループを対象に、打ってみよう。また、同時に、残るもう一方のグループを対象に、リ
ーズンホワイ型のセールスマンの仕事を活字にした広告を打ってみよう。
完全に同額の広告費用をかけて、広告を打った二ヶ月目から、なにかしらのレスポンスが
生まれるようにしてみよう。そして、この 2 つのテスト広告を 4 ヶ月間、継続して打って
みよう。この 4 ヶ月間という期間は、普通の広告が、測定可能な結果を出すのにかかる最
低必要期間である。
つぎに、4 ヶ月後のある日に、スタッフを派遣して、各小売店の在庫量を確認させてみよう。
テスト開始時の各小売店の在庫の合計数と、都市ごとの在庫の合計数を出してみよう。
それから、4 ヵ月後の小売店ごとの在庫合計数と、都市ごとの在庫合計数から、さきほどの
在庫合計数をそれぞれ、引いてみよう。
テスト広告を打つ前と打った後の在庫合計数の差によって、4 ヶ月間という販売テスト期間
に、各都市で、実際に売れた宣伝商品の個数が明らかになる。
- 39 Copyright 2007 ジョン・E・ケネディ
「広告の真実」
同じテスト広告期間内に、各都市で売れた商品数の差が、実際に打たれた 2 つのそれぞれ
の広告のもつ相対的な収益力に関する信頼の置ける指標となるのである。
さて、さらに 4 ヶ月間、各都市で広告を入れ換えて、打ってみよう。先に「一般広告」を
打った都市では、今度は「リーズンホワイ」型の広告を打ってみよう。反対に、リーズン
ホワイ型の広告を先に打った都市には、一般広告を打ってみよう。
今度もまた、4 ヵ月後に、各小売店の在庫数を、前回と同じように調べてみよう。リーズン
ホワイ型の広告を打った都市の方が、圧倒的に売上が多いことがわかれば、年間の広告予
算を25%から50%も節約してくれるコピーを見つけるためのテストをしたことになる。
このようなテストをするには、いろいろと手間がかかるように思われるかもしれない。し
かし、広告費用が年間、25%も節約になるとすれば、それだけの手間をかける価値はな
いだろうか?
また、紛れもない徹底的な販売テストによって、リーズンホワイ型の広告と実際に比較す
ることにより、「一般広告」の相対的な価値を確実に把握しておくことは価値のあることで
はないだろうか?
完全に同じ条件下で行われるこの 2 種類のコピーの間に生じる差が66%であることも珍
しいことではない。
この差は、あなたが腰を据えて毎月、自分がどのタイプの広告にお金を投資すべきかを本
気で考えさせるには十分ではないだろうか?
ジョンEケネディ
- 40 Copyright 2007 ジョン・E・ケネディ
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