Comprehensive Organic Synthesis 2e 有機合成全書第2版

Meet the editors
Editor-in-Chief
エルゼビアから書籍のご案内
Paul Knochel, Ludwig-Maximilians-Universität München, Germany
Gary A Molander, University of Pennsylvania, USA
有機合成全書 第2版 全9巻
Table of Contents and Volume Editors
Comprehensive
Organic Synthesis
Volume 1: Additions to C-X π-Bonds, Part 1
Jeffrey Johnson, University of North Carolina USA
Volume 2: Additions to C-X π-Bonds, Part 2
Koichi Mikami, Tokyo Institute of Technology Japan
Volume 3: Carbon-Carbon σ-Bond Formation
Ilan Marek, Technion – Israel Institute of Technology Schulich Faculty of
Chemistry Israel
2nd Edition, 9-Volume Set
Volume 4: Additions to and Substitutions at C-C π-Bonds
Shengming Ma, Shanghai Institute of Organic Chemistry and East China
Normal University China
Editors-in-Chief
Paul Knochel
Junliang Zhang, East China Normal University China
Ludwig-Maximilians-Universität München, Germany
Gary A Molander
Volume 5: Combining C-C π-Bonds
University of Pennsylvania, USA
Alois Fürstner, Max-Planck-Institut für Kohlenforschung Germany
Volume 6: Heteroatom Manipulation
Steven Burke, University of Wisconsin USA
Volume 7: Oxidation
Paul Knochel, Ludwig-Maximilians-Universität München Germany
Volume 8: Reduction
Jonathan Clayden, University of Manchester UK
Volume 9: Enabling Technologies for Organic Synthesis
2014年
Christopher J Welch, Merck Research Laboratories USA
4月刊行
好評発売中
より詳しいコンテンツは下記サイトにてご覧いただけます
http://www.sciencedirect.com/science/referenceworks/9780080977430
ISBN:9780080977423
装丁:Hardcover
Page:約9,688頁
2014年4月刊行好評発売中
出版記念特価:US$4,795.00
(2014年9月末日迄有効)
定価:US$5.995.00
内容に関するご照会、資料のご請求は下記弊社へご用命ください。
*出版時期及び価格につきましては、予告なく変更となる場合がございます。
予めご了承ください。
〒106-0044 東京都港区東麻布 1-9-15 東麻布1丁目ビル4階
◆ 冊子体
Books http://www.elsevier.com/jp/books/home
Tel. 03-5561-1051 Fax. 03-5561-0451 E-mail: [email protected]
※ご注文は洋書籍取扱書店にお願いいたします。
2014-4-A
2014-4-A
Comprehensive Organic Synthesis
有機合成全書(第二版,全9巻,編集長:Paul Knochel, Gary A. Molander)が2014年4月に刊行された.初版(編集長:
Barry M. Trost,Ian Fleming)が1991年に刊行されたので23年ぶりである.私自身,ヒドロシリル化の章を担当した記憶
がある.しかしその後の有機合成の進歩は目を見張るほどに著しい.とくに,高度で多岐にわたる立体選択的,官能基
選択的,エナンチオ選択的な合成手法が有機合成の重要な要素になっていて,不斉合成はもはや当たり前の時代になって
いる.まずは両編集長の労に敬意を表したい.各巻の名前と編集担当(括弧内),主な章だては以下のとおりである.
第1巻 C=Xπ結合への付加(その一)(Jeffrey
Johnson)では,アルカリおよびアルカリ土類金属反
応剤のカルボニル付加と選択性,spおよびsp2炭素̶
ケイ素結合をもつケイ素反応剤,有機アルミニウム・
銅・チタン・ジルコニウム・クロム・亜鉛・セリウム・
サマリウム・イットリビウムなどの有機金属反応剤の不
飽和結合C=Xへの付加,ルイス酸や有機触媒が働く
C=Xへの付加,イミンへの付加,硫黄や酸素で安定
化されたカルボアニオンの付加,ベンゾイン縮合,カ
ルボニルのオレフィン化,エポキシ化,ヘテロ原子求
核剤の付加をとりあげている.
第2巻 C=Xπ結合への付加(その二)
(三上幸一
東工大教授)では,アリルホウ素,アリルケイ素,ア
リルスズのカルボニル付加,Prins反応,カルボニル
エン反応,ヘテロ原子で安定化されたアリルアニオン,
プロパルギル金属の付加,エノラート形成,有機触媒
によるアルドール反応,向山アルドール反応,アルドラー
ゼ の 利 用,亜 鉛 エノラートの 付 加,Henry反 応,
Knoevenagel反 応, Perkin反 応, Darzens反 応,金
属ホモエノラート,分子内Mannich反応,N-アシリウ
ムイオンへのヘテロ原子求核剤の付加を扱っている.
第3巻 炭素−炭素結合形成(Ilan Marek)は,エノー
ルやエノラートのアリル化,有機セレン・硫黄・化合
物を使う反応,カルボアニオンのアルキル化,ポリエ
ン環化,渡環反応,sp3,sp2, sp炭素どうしのカッ
プリング,ピナコールカップリング,アシロインカップリ
ング,フェノールの酸化カップリング,(セミ)ピナコー
ル転位,エポキシドの酸触媒転位,Favorskii転位,
Bamberg-Bäklund転位,Eschenmoserカップリング,
Wolff転位,Stevens転位,Wittig転位,カルボニル
化と脱カルボニル化,C‒H結合のC‒C結合への変換
など,最新の進歩まで含まれている.
第4巻 C = Cπ結 合 へ の 付 加 と 置 換 (麻生明
Shenming Ma)
では,電子不足型アルケン・アルキン・
アレンへの安定カルボアニオンの付加,カルボアニオ
ンの求核付加・求電子剤との反応,有機触媒や金
属触媒による求核剤の電子不足アルケンへの不斉付
加,求電子的環化反応,芳香族ラジカルを含む炭素
−炭素結合形成,アラインと求核剤との反応,金属
配位で活性化されたアルケン・アルキン・アレンへの
求核剤の付加,アリル金属錯体と求核剤との反応,
ラジカルの付加反応,ラジカル環化反応,ビニルパラ
ジウムの生成とカップリング,アルケン・アルキン・ア
レンのH‒X付加・カルボメタル化・ヘテロメタル化・
ビスメタル化・ヒドロアシル化・ヒドロホルミル化,ア
ルケン・アルキン・アレンのシクロプロパン化・アシル
カルベンの付加・1,3-双極子の付加が論じられている.
第5巻 C=Cπ結合間の結合形成(Alois Fürstner)
は1793ページもの大著で,金属エン反応,シクロブタ
ン形 成 熱 反 応と光 反 応,Paternò-Büchi反 応,ヘ
テロ4員環形成,二πメタン光転位,[2+2]金属触
媒と熱 反 応,[3+2]金 属 触 媒と熱 反 応,ヘ テロ
Diels-Alder反応,分子内および渡環Diels-Alder反
応,
[4+3]付加 環 化 反 応,高 次 付 加 環 化 反 応,
アレーン・アルケン光環化反応,シクロブテン開環
反応,電子環状反応によるシクロへキ-1,3-ジエン合
成,Nazarov環化,Cope転位・オキシCope転位,
Claisen転 位,連 続シグマトロピー転 位,ビニルシ
ク ロ プ ロ パ ン 転 位,小 員 環 の ア ニ オン 転 位,
Pauson-Khand反応,金属カルベン付加環化,交差
メタセシス,エン・インメタセシス,アルキンメタセシス,
閉環メタセシス,エンインの貴金属触媒による環化
異性化,
[2+2+2]付加環化,アルケンのヒドロビニ
ル化,アルケン・アルキンのヒドロアリール化,前周
期遷移金属による還元的カップリング,遷移金属触媒
による小員環の付加環化,ヒドロシアノ化反応などを
利用する有機合成反応の最新の進歩を紹介している.
2nd Edition (2014, Elsevier)
第6巻 ヘテロ原子を利用する合成(Steven Burke)
では,グリコキシド合成,アミン・アンモニウム塩・
ニトロソ・ニトロ化合物・スルフィド・スルホシド・ス
ルホンの合成,フッ素化合物の合成,Ritter反応,
アルコール・アミンのアシル化,チオアミド・チオラ
クタムの合成,リン酸エステル合成と反応,カルボニ
ル化合物の官能基変換とヘテロ環合成,Hoffmann,
Curtius, Schmidt, Lossen反応,Polonovski反応,
Pummerer反応,Nef反応,脱離によるアルケン・ア
ルキン・アレン等の合成,解裂反応など,ヘテロ原子
の特徴的合成反応の進歩が解説されている.
第7巻 酸化(Paul Knochel)は有機合成の基本
的変換反応であり,脱水素化反応,金属による酸化,
金属カルベン錯体経由のC‒H結合の不斉官能基化,
微生物を使う酸化,アリル位酸化,C=X結合の隣で
の脱水素化,カルボニル化合物のα位酸素化,窒素
のα位酸化,エーテル酸素のα位酸化,アルコールの
クロム酸酸化とPd/DMSO酸化,遷移金属による芳
香族C‒H結合の位置選択的酸化,キノンの合成,ア
ルケンのジヒドロキシ化・アミノヒドロキシ化・ジアミノ化,
Wacker酸 化,酸 化 的Heck反 応,C‒N結 合 形 成・
X‒S結 合 形 成・C‒ハロゲン結 合 形 成 付 加 反 応,
C‒B結合・C‒金属結合・C‒ハロゲン結合の酸化,
Beckmann反 応,グリコールの解 裂,Hunsdiecker
反応,硫黄・セレン・テルルの酸化,超原子価ヨウ
素化合物による酸化的官能基化など,最新の新知見
が紹介されている.
第8巻 還 元(Jonathan Clayden)も有 機 合 成 の
基本的変換であり,いまだにどんどん進化している.カ
ルボニルやイミンを金属水素化物で(不斉)還元する
だけでなく,遷移金属触媒による(不斉)水素化,
水素移動反応による(不斉)還元,さらには溶解金
属や微生物による還元が解説されている.さらにアセ
タールのエーテルへの還元,カルボン酸からアルコー
ルやエーテル・アミンへの還元さらにはアルデヒドへの
還 元,C=XをCH2へ の 還 元,NO,やNO2, N=N,
N‒O, O‒Oの還元,S=OやSO2,P=Oの還元,アル
ケンやアルキンの触媒的あるいは非触媒的(部分)
還元,芳香族化合物のBirch還元,ヘテロ芳香族化
合物の部分還元,アルケンやアルキンのヒドロジルコ
ニウム化,3族および4族元素によるヒドロメタル化,
脂肪族ならびに芳香族ハロゲン化物の還元,アルコー
ルやアミンのアルカンまでの還元,硫黄などヘテロ原
子置換炭素の還元,エポキシの還元,ケトンからアル
ケンへの還元,ハロゲン化アリルや同ベンジルの水素
化分解にまで及ぶ.
第9巻 有 機 合 成に使える技 術(Christopher J.
Welch)では,まず高速大量解析の原理が解説され
ていて,実際に有機化学での実験の解析,フローシ
ステムによる小規模での有機合成,マイクロキャピラ
リーを使う触媒反応,これを利用する糖類の合成,キ
ラルカラムを利用する医薬品の不斉合成,活性候補
薬品の精製と塩の多形スクリーニング・精製と分割の
ための高速大量解析法,マイクロウェーブ加熱による
有機合成,無溶媒反応の可能性,フッ素系溶媒を利
用する合成,有機光化学・電解有機合成の利用,
有機合成に使える合成生物学,大量合成に使える酵
素の改良,抗体̶小分子薬剤複合体を利用する創薬,
核酸オリゴマーの直截官能基化など,有機合成の最
新技術が創薬に貢献できる範囲がどんどん広がってい
る様子が解説されている.
各巻の章の数を合わせると216に達し,現時点で有機合成を先導している世界中の研究者が各トピックスを執筆している.
そのうち,わが国の研究者が貢献した章数は31にのぼり,わが国の研究者の貢献度がよくわかる.全体を眺めてみて,
現代有機合成のほぼすべての分野の進歩を網羅しているので,有機合成研究者・技術者にとって文献調査をする際に
真っ先に参考すべき書物である.冊子体は個人購入を躊躇するくらいに高騰してしまったが,普及版ともいえるオンライン
版が用意されているので使い勝手は悪くない.これからの自然科学・技術の基礎を支える有機合成の役割がますます
重大になることを鑑みると,本書の果たす役割は極めて大きくかつ重要である.
中央大学研究開発機構
檜山 爲次郎
2014-4-C
Comprehensive Organic Synthesis
有機合成全書(第二版,全9巻,編集長:Paul Knochel, Gary A. Molander)が2014年4月に刊行された.初版(編集長:
Barry M. Trost,Ian Fleming)が1991年に刊行されたので23年ぶりである.私自身,ヒドロシリル化の章を担当した記憶
がある.しかしその後の有機合成の進歩は目を見張るほどに著しい.とくに,高度で多岐にわたる立体選択的,官能基
選択的,エナンチオ選択的な合成手法が有機合成の重要な要素になっていて,不斉合成はもはや当たり前の時代になって
いる.まずは両編集長の労に敬意を表したい.各巻の名前と編集担当(括弧内),主な章だては以下のとおりである.
第1巻 C=Xπ結合への付加(その一)(Jeffrey
Johnson)では,アルカリおよびアルカリ土類金属反
応剤のカルボニル付加と選択性,spおよびsp2炭素̶
ケイ素結合をもつケイ素反応剤,有機アルミニウム・
銅・チタン・ジルコニウム・クロム・亜鉛・セリウム・
サマリウム・イットリビウムなどの有機金属反応剤の不
飽和結合C=Xへの付加,ルイス酸や有機触媒が働く
C=Xへの付加,イミンへの付加,硫黄や酸素で安定
化されたカルボアニオンの付加,ベンゾイン縮合,カ
ルボニルのオレフィン化,エポキシ化,ヘテロ原子求
核剤の付加をとりあげている.
第2巻 C=Xπ結合への付加(その二)
(三上幸一
東工大教授)では,アリルホウ素,アリルケイ素,ア
リルスズのカルボニル付加,Prins反応,カルボニル
エン反応,ヘテロ原子で安定化されたアリルアニオン,
プロパルギル金属の付加,エノラート形成,有機触媒
によるアルドール反応,向山アルドール反応,アルドラー
ゼ の 利 用,亜 鉛 エノラートの 付 加,Henry反 応,
Knoevenagel反 応, Perkin反 応, Darzens反 応,金
属ホモエノラート,分子内Mannich反応,N-アシリウ
ムイオンへのヘテロ原子求核剤の付加を扱っている.
第3巻 炭素−炭素結合形成(Ilan Marek)は,エノー
ルやエノラートのアリル化,有機セレン・硫黄・化合
物を使う反応,カルボアニオンのアルキル化,ポリエ
ン環化,渡環反応,sp3,sp2, sp炭素どうしのカッ
プリング,ピナコールカップリング,アシロインカップリ
ング,フェノールの酸化カップリング,(セミ)ピナコー
ル転位,エポキシドの酸触媒転位,Favorskii転位,
Bamberg-Bäklund転位,Eschenmoserカップリング,
Wolff転位,Stevens転位,Wittig転位,カルボニル
化と脱カルボニル化,C‒H結合のC‒C結合への変換
など,最新の進歩まで含まれている.
第4巻 C = Cπ結 合 へ の 付 加 と 置 換 (麻生明
Shenming Ma)
では,電子不足型アルケン・アルキン・
アレンへの安定カルボアニオンの付加,カルボアニオ
ンの求核付加・求電子剤との反応,有機触媒や金
属触媒による求核剤の電子不足アルケンへの不斉付
加,求電子的環化反応,芳香族ラジカルを含む炭素
−炭素結合形成,アラインと求核剤との反応,金属
配位で活性化されたアルケン・アルキン・アレンへの
求核剤の付加,アリル金属錯体と求核剤との反応,
ラジカルの付加反応,ラジカル環化反応,ビニルパラ
ジウムの生成とカップリング,アルケン・アルキン・ア
レンのH‒X付加・カルボメタル化・ヘテロメタル化・
ビスメタル化・ヒドロアシル化・ヒドロホルミル化,ア
ルケン・アルキン・アレンのシクロプロパン化・アシル
カルベンの付加・1,3-双極子の付加が論じられている.
第5巻 C=Cπ結合間の結合形成(Alois Fürstner)
は1793ページもの大著で,金属エン反応,シクロブタ
ン形 成 熱 反 応と光 反 応,Paternò-Büchi反 応,ヘ
テロ4員環形成,二πメタン光転位,[2+2]金属触
媒と熱 反 応,[3+2]金 属 触 媒と熱 反 応,ヘ テロ
Diels-Alder反応,分子内および渡環Diels-Alder反
応,
[4+3]付加 環 化 反 応,高 次 付 加 環 化 反 応,
アレーン・アルケン光環化反応,シクロブテン開環
反応,電子環状反応によるシクロへキ-1,3-ジエン合
成,Nazarov環化,Cope転位・オキシCope転位,
Claisen転 位,連 続シグマトロピー転 位,ビニルシ
ク ロ プ ロ パ ン 転 位,小 員 環 の ア ニ オン 転 位,
Pauson-Khand反応,金属カルベン付加環化,交差
メタセシス,エン・インメタセシス,アルキンメタセシス,
閉環メタセシス,エンインの貴金属触媒による環化
異性化,
[2+2+2]付加環化,アルケンのヒドロビニ
ル化,アルケン・アルキンのヒドロアリール化,前周
期遷移金属による還元的カップリング,遷移金属触媒
による小員環の付加環化,ヒドロシアノ化反応などを
利用する有機合成反応の最新の進歩を紹介している.
2nd Edition (2014, Elsevier)
第6巻 ヘテロ原子を利用する合成(Steven Burke)
では,グリコキシド合成,アミン・アンモニウム塩・
ニトロソ・ニトロ化合物・スルフィド・スルホシド・ス
ルホンの合成,フッ素化合物の合成,Ritter反応,
アルコール・アミンのアシル化,チオアミド・チオラ
クタムの合成,リン酸エステル合成と反応,カルボニ
ル化合物の官能基変換とヘテロ環合成,Hoffmann,
Curtius, Schmidt, Lossen反応,Polonovski反応,
Pummerer反応,Nef反応,脱離によるアルケン・ア
ルキン・アレン等の合成,解裂反応など,ヘテロ原子
の特徴的合成反応の進歩が解説されている.
第7巻 酸化(Paul Knochel)は有機合成の基本
的変換反応であり,脱水素化反応,金属による酸化,
金属カルベン錯体経由のC‒H結合の不斉官能基化,
微生物を使う酸化,アリル位酸化,C=X結合の隣で
の脱水素化,カルボニル化合物のα位酸素化,窒素
のα位酸化,エーテル酸素のα位酸化,アルコールの
クロム酸酸化とPd/DMSO酸化,遷移金属による芳
香族C‒H結合の位置選択的酸化,キノンの合成,ア
ルケンのジヒドロキシ化・アミノヒドロキシ化・ジアミノ化,
Wacker酸 化,酸 化 的Heck反 応,C‒N結 合 形 成・
X‒S結 合 形 成・C‒ハロゲン結 合 形 成 付 加 反 応,
C‒B結合・C‒金属結合・C‒ハロゲン結合の酸化,
Beckmann反 応,グリコールの解 裂,Hunsdiecker
反応,硫黄・セレン・テルルの酸化,超原子価ヨウ
素化合物による酸化的官能基化など,最新の新知見
が紹介されている.
第8巻 還 元(Jonathan Clayden)も有 機 合 成 の
基本的変換であり,いまだにどんどん進化している.カ
ルボニルやイミンを金属水素化物で(不斉)還元する
だけでなく,遷移金属触媒による(不斉)水素化,
水素移動反応による(不斉)還元,さらには溶解金
属や微生物による還元が解説されている.さらにアセ
タールのエーテルへの還元,カルボン酸からアルコー
ルやエーテル・アミンへの還元さらにはアルデヒドへの
還 元,C=XをCH2へ の 還 元,NO,やNO2, N=N,
N‒O, O‒Oの還元,S=OやSO2,P=Oの還元,アル
ケンやアルキンの触媒的あるいは非触媒的(部分)
還元,芳香族化合物のBirch還元,ヘテロ芳香族化
合物の部分還元,アルケンやアルキンのヒドロジルコ
ニウム化,3族および4族元素によるヒドロメタル化,
脂肪族ならびに芳香族ハロゲン化物の還元,アルコー
ルやアミンのアルカンまでの還元,硫黄などヘテロ原
子置換炭素の還元,エポキシの還元,ケトンからアル
ケンへの還元,ハロゲン化アリルや同ベンジルの水素
化分解にまで及ぶ.
第9巻 有 機 合 成に使える技 術(Christopher J.
Welch)では,まず高速大量解析の原理が解説され
ていて,実際に有機化学での実験の解析,フローシ
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リーを使う触媒反応,これを利用する糖類の合成,キ
ラルカラムを利用する医薬品の不斉合成,活性候補
薬品の精製と塩の多形スクリーニング・精製と分割の
ための高速大量解析法,マイクロウェーブ加熱による
有機合成,無溶媒反応の可能性,フッ素系溶媒を利
用する合成,有機光化学・電解有機合成の利用,
有機合成に使える合成生物学,大量合成に使える酵
素の改良,抗体̶小分子薬剤複合体を利用する創薬,
核酸オリゴマーの直截官能基化など,有機合成の最
新技術が創薬に貢献できる範囲がどんどん広がってい
る様子が解説されている.
各巻の章の数を合わせると216に達し,現時点で有機合成を先導している世界中の研究者が各トピックスを執筆している.
そのうち,わが国の研究者が貢献した章数は31にのぼり,わが国の研究者の貢献度がよくわかる.全体を眺めてみて,
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重大になることを鑑みると,本書の果たす役割は極めて大きくかつ重要である.
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2014-4-C
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Gary A Molander
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Volume 6: Heteroatom Manipulation
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Volume 7: Oxidation
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