外部光学プローブで 乳癌を2D - Laser Focus World Japan

world news
3D イメージング
外部光学プローブで
乳癌を 2D、3D 近接撮像
米国では、乳癌は肺癌に次ぐ癌腫瘍
られる。それぞれが組織端では 5mW
ビンの酸素飽和成分に依存しない。患
の主因である。X 線マンモグラフィーは
以下の光出力になる。さらに、165 芯
者それぞれの対側乳房からの正常な乳
2
癌性腫瘍検出で高い成功率を持つが、
ファイバが、4×9cm 輪郭プローブ面か
房組織のスキャンが、癌性組織から減
偽陰性検出率は 20%である。つまり、
ら照射するために、戻り光をCCDに誘
算される。これは全体のスキャンから
癌は存在するが見つからない。
導する。第 2 世代のデバイスは100mW
背景雑音を除去するためである。
フロリダ国際大シルベスター包括的
出力のレーザダイオード 6 個を持ち、
年齢 51 ∼ 74 歳の乳癌歴 5 年の患者
2
がんセンター( Sylvester Comprehen-
組織端では 2 つの 4×5cm プローブ面
を調べ、ファイバプローブは浸潤性乳
sive Cancer Center )と先進的専門医
からの出力が 5mW となる。各々照射
管癌と非浸潤性乳管癌はその場で検出
療(マイアミ、FL )
が共同で臨床胸部イ
は 3、集光ファイバは 96 になる。
することができた。また癌のリンパ拡
メージング研究のために開発した新しい
第 2 世代プローブは、両方の胸の同
散も検出することができた。今後の研
イメージング技術は、ファイバオプティ
時照射の他に、照射均一性を高め、胸
究は 2D 計測とリアルタイムトラッキン
ックプローブを利用する。これにより
のイメージングの反射と透過ができる
グおよびコンピュータツールを結び付
785nm レーザダイオードからの反射光
ように設計されている。プローブ用に
けることに集中する。これにより HbT
をCCDディテクタに導き、全ヘモグロビ
は、開口数( NA )0.22、600μm 径マ
濃度の3D断層画像が得られる。また、
(1)
ルチモードファイバを用いた。
785nm プローブにさらに波長( 690 nm
ヘモグロビン値が高くなることは、癌
CCD データは、計測全体で平均露
と 830nm )を追 加 することで HbO と
性腫瘍の存在による血管の増加、血液
光時間 0.2 秒、5 ∼ 10 回の計測で構成
HbD 濃度および総 HbT 濃度とも撮れ
成分が高くなることを示すものである
されている。特注開発の MATLAB ソ
るようになる。HbOとHbDは、腫瘍が
ことが明らかになっている。
フトウエアルーチンがデータの後処理
良性か悪性かを示すことができる。
を行い、プローブ表面位置に対する光
「光を使った便利で安全な機器は、将
散乱光イメージング
強度の 2D 等高線図を生成する。
来世代が放射線なしで、胸の組織を画
臨床研究は、乳癌はヘモグロビン濃
785nm 波長は、
「等吸収点」に近い
像化するために必要なものである。こ
度の増加( HbT )
が特徴であることを証
ために選択された。これにより、酸素
れは、定期的受診中に手軽な価格で、簡
明している。これは、可視波長域以上で
ヘモグロビン( HbO )とデオキシヘモグ
単にリアルタイムイメージングを可能に
ン吸収の 2D 表面マップを生成する
。
増加した光吸収によって検出される。
ロビン
( HbD )
の吸収スペクトルが交わ
するものである」とフロリダ国際大光学
2D イメージング用に 2 つの異なるプ
り、より高い吸収域が増加した総ヘモ
イメージング研究所のアニュ・ゴダバー
ローブが設計された。第 1 世代デバイ
グロビン濃度を示す、これはヘモグロ
ティ氏は話している。
(Gail Overton)
スでは、785nmレーザダイオードからの
参考文献
( 1 )S. J. Erickson-Bhatt et al., Biomed. Phys. Eng. Express, 1, 045003, 1 -11( Oct. 23, 2015 ).
500mW 出力が 6 芯のファイバに分け
(b)
(a)
(c)
10000
4
腫瘍位置
y
3
6000
2
プローブ
位置
4
6000
8000
4000
2000
1
1
2
3
x
4
5
0
y
3
4000
2
2000
1
1
2
3
x
4
5
0
略図( a )は、腫瘍とプローブのおお
よその位置を示している。患者は、
浸潤性乳管癌に罹った 69 歳の女
性。散乱光学画像(b)および
(c)は、
ファイバオプティックイメージャを
用いて胸の下部から撮った。白い点
線の円は、高吸収(赤い印)が血管
の増加と腫瘍位置を示す箇所を指
している(画像提供 : フロリダ国際
大)。
LFWJ
Laser Focus World Japan 2016.5
11