視察報告書 - 大阪学童保育連絡協議会

2009 スウェーデンの学童保育視察報告集
はじめに
学童保育はいくつかの課題に直面しています。一つ目は、利用を希望する子どもの急増に見
合った学童保育の整備が進んでいないことです。
そのため、
学童保育に入れない子どもが出たり、
大規模・過密な学童保育が増えたりしています。二つ目は、きちんとした方向性を持たないま
ま全児童対策との連携・一体化が進められ、
現場で様々な混乱が生じていることです。三つ目は、
学童保育指導員の労働環境が悪化していることです。指導員の大半はもともと非正規労働者で
したが、最近その状況が悪化しています。四つ目は、指定管理者制度の導入などで学童保育の
状況が大きく変わっていることです。
学童保育は以前から、専用スペースが狭い、指導員一人当たりの子どもが多すぎる、老朽化
した施設の改修が進まない、市町村によって状況が違いすぎるなど、様々な問題を抱えていま
した。それらがほとんど解決していないにもかかわらず、先に書いたような問題が重なるよう
にして発生しています。
もちろん問題点だけでなく、重要な前進も見られます。まず、政府が学童保育の拡充を大切
だと判断し、整備目標を掲げたことがあげられます。また、内容的にはまだまだ改善が必要で
すが、学童保育のガイドラインも定められました。混乱はあるものの、全児童対策との連携で、
新たな可能性も模索されています。民間レベルでは、学童保育学会結成の準備も進んでいます。
このような状況の中で、学童保育の今後のあり方を考えるため、スウェーデンの学童保育を
調査しました。調査したのは、全児童対策研究会(大阪保育研究所)と生活支援システム研究
会です。
この調査は、研究者、指導員、保護者などが合同で入り、双方の目線で実施したものですが、
報告書のまとめでは指導員の視点を重視しました。スウェーデンには日本の調査メンバーが、
何度も訪れていますが、あえてスウェーデンを調査対象にしました。それは、先のような大き
な変化を、日々の学童保育を通じて身をもって実感している指導員の視点で、スウェーデンの
学童保育をまとめたかったからです。同じような悩みを持つ各地の指導員さんにぜひ、目を通
していただきたいと思います。
スウェーデンと日本では、社会的・文化的背景が異なります。そのため、スウェーデンの制
度・内容をそのまま日本に持ち込めばいいとは思いません。しかし、同じ学童保育でここまで
差があると、日本の子どもたちのために何とかしなければならないと思います。そのような思
いで本書をまとめましたが、短期間の訪問であったため、資料等に不備があるかもしれません。
その点はご容赦ください。
最後になりましたが、お忙しい中、本調査に対応していただいたスウェーデンの方々にお礼
申し上げます。
代表 中山 徹(奈良女子大学)
2
目次
1.視察地・視察日程・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p.4
2.スウェーデンの学童保育概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p.5
3.ハーニンゲコミューンまとめ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p.9
■コミューン担当課職員 Jonatan Block 氏へのヒアリング
■スバットベック基礎学校(Svartbäckskolan)の余暇ホーム(Fritidshem)と特別支援学 校の余暇ホーム(Fritidshem)視察
■余暇ガーデン(Fritidsgård)
(名称:ブラントバーグ Brandbergsgården)の視察
4.ストックホルム大学まとめ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p.18
■ストックホルム大学余暇教育士養成課程主任 Malin Rohlin 氏等へのヒアリング
■プレゼン資料翻訳
■ストックホルム大学余暇教育士養成課程教育プログラム 翻訳資料
◆補足:教員組合について 各地のヒアリング内容によるまとめ
5.オーシュタ行政区まとめ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p.24
■ ÅRSTASKOLAN 基礎学校の余暇ホーム(Fritidshem)
・余暇ガーデン Fritidsgård)施設と
授業視察・副校長 ingrid.bacstrom 氏へのヒアリング
6.学校庁まとめ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p.28
■学校庁職員 Marie Sedvall Bergsten 氏へのヒアリング
■プレゼン資料翻訳
7.ウプサラコミューンまとめ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p.43
■コミューン担当課職員 JENNIE LINDBERGE 氏、BRITT-MARIE FRÖJDLUND 氏へのヒアリ
ング
■ドマリンゲン基礎学校(Domarringens Skola)の余暇ホーム(Fritidshem)視察
■ドマリンゲン基礎学校の余暇ガーデン(Fritidsgård)と余暇クラブ(Fritidsklubb) の併 設施設視察
8.フッディンゲコミューンまとめ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p.53
■コミューン担当課職員 Per Hjelm 氏等へのヒアリング
■基礎学校 Tomtbergaskolans の余暇ホーム(Fritidshem)と公開余暇センター(Öppen
fritidsverksamhet)の視察
9.スウェーデンの学童保育視察を終えて-参加者からのコメント-・・・・・・p.60
3
1.視察地・視察日程
国名:スウェーデン王国
面積:45 万㎢
人口:約 925 万人
首都★:ストックホルム市 面積:209㎢
人口:約 82 万人
時差:7 時間(サマータイム時)
★
午前 ハーニンゲ(Haninge)コミューン担当課
2009/9/28(Mon)
2009/9/29(Tue)
ハーニンゲコミューン内
①基礎学校(名称:スバットベック学校 Svartbäckskolan)の余暇ホーム 午後
(Fritidshem)と特別支援の余暇ホーム(Fritidshem)
②余暇ガーデン(Fritidsgård)
(名称:ブラントバーグ Brandbergsgården)
午前 ストックホルム大学
午後 自由
ストックホルム市オーシュタ行政区内 午前 基礎学校(名称:ÅRSTASKOLAN)の①余暇ホーム(Fritidshem)と②基礎学
2009/9/30(Wed)
校の授業
午後 学校庁
午前 ウプサラ(Uppsala)コミューン担当課
2009/10/1(Thu)
ウプサラコミューン内
午後 基礎学校(名称:Domarringens Skola)の①余暇ホーム(Fritidshem)と
②余暇ガーデン(Fritidsgård)と余暇クラブ(Fritidsklubb)の併設施設
午前 フッディンゲ(Huddinge)コミューン担当課
2009/10/2(Fri)
フッディンゲコミューン内
午後 基礎学校(名称:Tomtbergaskolans)の①余暇ホーム(Fritidshem)と
②公開余暇活動センター(Öppen fritidsverksamhet)
4
2.スウェーデンの学童保育概要
担当:松本
今回の視察では3箇所のコミューン(市町村)担当課職員へのヒアリングと、4箇所のコミューン
における学童保育関連施設の現地視察、学校庁へのヒアリング、ストックホルム大学余暇教育士養成
課程へのヒアリングを行いました。
事前に質問項目を設定し、主としてその内容に沿ってヒアリング・視察を行いました。それら視察
先ごとの詳細な結果は、後半に質問シートの形で掲載していますが、まずは事前の資料と一連の調査
において見えてきた概要・傾向について以下にまとめたいと思います。
なお、現地資料はコーディネーターの瀬口巴さんが翻訳し提供くださいました。それをもとに松本
がまとめています。
1.スウェーデンの学童保育について
学童保育は 6 歳から 12 歳までの学童に向けたもので、余暇ホーム (Fritidshem)、公開余暇センタ
ー (Öppen fritidsverksamhet)、家庭保育室 (Familjedaghem) で構成されています。スウェーデン政
府の資料によると学童保育の任務は「学校を補完すること、そして意義のある余暇を提供すること、
更に子どもの成長を支援すること」とされています。
コミューンは就学前学校クラス (Förskoleklass) と学校に通う 12 歳までの児童で親が就労・就学
している場合や、子ども自身が必要としている場合等ニーズのある児童に対して、学童保育を提供す
ることが義務づけられています。
総計約 33 万 6 千人の子どもがいずれかの学童保育に在籍し、この数は 6 - 9 歳の間の子どもの約
80%に相当しているとのことです(スウェーデン政府資料より)
。
スウェーデン政府と国会が学童保育のためのカリキュラム (Läroplan)、全国的な目標 (Nationella
mål)、方針 (Riktlinjer) を決定しています。その枠の中で個々のコミューンがどのように事業を運
営するかを決定することとなっています。
2.各学童保育施設について
(1)余暇ホーム (Fritidshem)
スウェーデンでは 1997 年に学童保育の所管が社会省から教育省へ移行して以降、余暇ホームは基
本的に基礎学校の教室、あるいは基礎学校内の専用室にて実施されています。公立・私立問わずほと
んどの基礎学校に余暇ホームが併設されており、主に 6-9 歳児が利用しています。余暇ホーム利用児
童数は年々増加しており、学校庁の統計によると 2008 年には 6-9 歳児の 80%が余暇ホームに登録し
ています ( 図 1・2参照)
。
さらに余暇ホームはスウェーデン政府の資料において次の通り、紹介されています。
「余暇ホーム
は子どもの成長や安心感の確保に大きな役割を果たし、その教育的な事業は学校の事業を補完する大
切な仕事である。余暇ホームは基礎学校や就学前クラスと共通のカリキュラム Lpo94 をもっている。
そのカリキュラムには個々の子どもの多様性のある成長と学びを豊かにするための就学前クラスと学
校と余暇ホームの協業を発展させる形態について明記されている。余暇ホームは探求的で、実験的で、
実践的な方法による自らの経験によって、学校のより純粋な知識的目標を達成することに貢献するこ
とができる。生徒たちが余暇を意義深いと感じるためには彼らの興味や経験を基礎として事業を形作
ることだ。そこで重視すべきことは、生徒が友だちや職員との協調の中で自己の社会的な能力を培う
よう奨励することにある。子どもの成長は、教育と保育を統合した全体像の中でとらえる。
基礎学校の枠の中で決められた時間の中で事業をすすめ余暇教育的な事業と授業とを統合すること
もできる。つまり、コミューンは余暇ホームの職員が基礎学校で働くように仕事を組織することがで
きる。」
(2)公開余暇センター (Öppen fritidsverksamhet) の概要
公開余暇センターは 10-12 歳を対象としています。ただしこの事業は全国の 290 コミューンのうち、
69 コミューンでしか実施されていません(2007 年秋)
。実施場所は基礎学校敷地内の建物や基礎学校
5
の隣接施設の場合が多いようですが、実施コミューンにおいても、設置率に差があり、ほぼ全ての基
礎学校に併設しているコミューンから、基礎学校4校につき1つくらい設置しているコミューンまで
様々であるようです。学校庁の資料から、10-12 歳の 80% の親が就労あるいは就学しており、親たち
が公開余暇センターの更なる拡充を要求している現状が把握されました。公開余暇センターは 13 歳
以上のティーンエイジャーを対象とした「余暇ガーデン」と兼ねて実施されている場合もみられまし
た。
公開余暇センターのない場合は 10-12 歳児も余暇ホームに在籍する権利があるようです
(図 2 参照)。
(3)家庭保育室 (Familjedaghem) の概要
家庭保育室では家庭保育士が登録された子どもを自宅で保育します。しかし、利用する児童数は減
少しています。全国における利用者が 6-9 歳児の 0.5% 程度と極めて少ないとのことでした
(図 1 参照)。
図 1:人口中の7-9 歳児の数(1997 年まで)と 6-9 歳児の数(1998 年以降)
そのうち 1975-2009 年の余暇ホームと家庭保育室に登録されている割合 【学校庁統計資料より】
①人口中の7-9 歳児の数(1997 年まで)と 6-9 歳児の数(1998 年以降)
②学童保育に登録されているこども、余暇ホームと家庭保育室
③余暇ホームに登録されているこども
注:1998年に学童保育は教育省に移行。それに伴い6歳児には就学前学校の代わりに 学校形態である就学前クラスに変更。これが余暇ホームを補完する。
図2:2000 年と 2008 年の余暇ホームに登録されていた各年齢のこどもの割合(%)
【学校庁統計資料より】
6
3.基準について
余暇ホームは1基礎学校に1箇所という目安が各コミューンにおいてあるようですが、特に法的な
基準は設けられていませんでした。施設面積や指導員一人当たりの子どもの人数、指導員の有資格者
配置、フルタイム労働者の配置に関しても特に基準はありませんでした。ただし、学校庁によってガ
イドラインや、全国平均が示され、コミューンはそれらを参考としているようです。特に余暇ホーム
の指導員配置に関しては各基礎学校の学校長が採用、配置するため学校長の裁量により異なります。
ちなみに、学校庁の統計(Skolverkets lägesbedömning 2008)によると全国平均では 2007 年現在余
暇ホームの指導員で高等教育を受けている職員の割合は 57.9% でした。
また特に基準は設けられていないものの、保護者や指導員の意見により柔軟に対応する体制である
ことが把握されました。
4.予算について
各コミューンで管理しています。生徒1人当たりの予算に基づき、コミューンから各余暇施設に予
算が配分されます。配分は基本的に公立でも私立でも差がありませんでした。
余暇ホームの場合、予算の一部は利用者の保育料によって賄われていました。余暇ホームの保育料
は国によって統一されており、利用児童1人目が月額所得の 2%、2・3人目が 1%、4人目以降は無
料とされていました。ただし1人目の最高額は 840 クローネ、2・3人目の最高額が 420 クローネと
上限が定められていました。
一方、公開余暇センターは月ごとあるいは学期ごとで利用料が徴収される方法が取られていました。
5.指導員について
(1)学童保育指導員の業務内容
学童保育指導員は週 40 時間が基本勤務時間となっており、ローテーションで勤務していました。
指導員は朝、学校の授業が始まる前に子どもたちを迎え入れ、必要な子どもに朝食を提供します。
そして授業に送り出します。その後、授業時には1クラスの半分の人数を受け持ち、野外教育などの
授業を担当しています。残りの半分の子どもたちは教室で小学校教員の授業を受けます。そして 13
時頃からは余暇ホームを担当します。これら勤務形態について多くの指導員が「授業時まで関わるこ
とは余暇ホームの準備時間が減り大変だけれど、子どもたちの様子がよりよく把握できる点で充実し
ている。」と評価していました。
(2)スウェーデンの学童保育指導員
余暇ホームでは大学教育を受けた余暇教育士(Fritidspedagog)と、高卒で専門的な教育を受けた
バーンシュータレ(barnskötare)
、そして経験年数が考慮された者等が勤務しています。
今回の視察では余暇教育士とその他の指導員に具体的な業務の差は見られませんでしたが、給与に
は差が見られました。ハーニンゲ市を例にとってみると、余暇教育士の平均賃金は月額 24,438 クロ
ーネ(約 329,913 円)
、その他の指導員は月額 18,446 クローネ(約 249,021 円)でした。ちなみに小
学校教員の給与は 25,438 クローネ(約 343,413 円)程とのことでした。
(3)余暇教育士養成課程
現在、スウェーデンでは 26 大学に余暇教育士の養成課程が設置されています。3年半(7 学期)
の専門コースを受講し、計 210 ポイントを取得することで大学から学士が与えられます。ストックホ
ルム大学の余暇教育士専門コースには「余暇教育と学び-アイデンティティと学校の学びのプロセス」
「余暇教育と学び-動作と屋外教育」の2つがあります。例えば1つ目の「余暇養育と学び‐アイデ
ンティティと学校の学びのプロセス」のカリキュラムは「6.ストックホルム大学まとめ」の「スト
ックホルム大学余暇教育士養成課程教育プログラム 翻訳資料」に掲載しています。詳細な授業内容
までは把握しきれませんでしたが、余暇教育士独自のカリキュラムが構成されていることが分かりま
した。ストックホルム大学では現在、スポーツ教育法と余暇教育法の観点から小学生の余暇活動が注
目され研究され始めているとのことでした。
7
6.子どもの活動について
(1)余暇ホームの活動
6 歳から 9 歳の児童のほとんどが余暇ホームを利用しています。子どもたちは朝、学校が始まる前
と学校が終わった後、余暇ホームで活動します。朝はいずれの事例においても 6 時半ごろから開所し
ており、必要な子どもには朝食も提供されていました。午後は学校が終わる 13 時ごろから 18 時ごろ
までが開所時間でしたが、16 時頃から多くの保護者がお迎えに来て随時帰宅していました。
活動内容は、曜日ごとに取組が設定されている事例も見られましたが、必ずしも設定された取組を
行わないといけないのではなく、個人の意思が尊重され、基本的にはそれぞれが思い思いの活動を、
思い思いの場所で自由に実施することとなっていました。教室内や緑豊かな屋外で工作をしたり、遊
具で遊んだり、ホッケーをしたり・・・本当に様々な活動を行っていました。またおやつの時間も設
けられていました。
長期休業中は開所時間が若干短くなる傾向があるものの、いずれの事例においても開所されていま
した。
(2)公開余暇センター
今回の視察先のうち、学童保育の1形態である公開余暇センターとして事業が実施されているコミ
ューンはウプサラコミューンとフッディンゲコミューンの2箇所でした。なおウプサラコミューンで
は「余暇クラブ」という名称で呼ばれていました。いずれも小学校敷地内の別棟において実施されて
いました。
フッディンゲでは余暇ホームと同様、朝学校が始まる前から開所し、18 時頃まででしたが、ウプサ
ラでは朝は開設されず 13 時から 18 時のみ開所で、その後の時間に同一の施設が余暇ガーデンとして
機能していました。
仲間とビリヤード、エアホッケー、卓球、ダーツをしたり、工作をしたり、ソファーで友達とゆっ
くり語り合ったり、みんな思い思いに活動していました。
(3)学童保育を必要としない子ども
いずれかの保護者が家庭にいる等、学童保育を必要としない家庭の子どもは保護者が責任を持って
いるため、コミューンや現場へのヒアリングでは、具体的にどのように放課後を過ごしているのかの
詳細は把握できませんでした。主には保護者と一緒に過ごしたり、地域のクラブ活動に参加している
ようです。
補足:余暇ガーデンについて
余暇ガーデンは学童保育とは異なり、各コミューンの文化やレジャーを担当する部署が所管となり
実施している活動です。主には 12 ~ 13 歳以上の児童を対象とし、ビリヤードやダーツ、パソコン、
TVゲーム、バーカウンターのようなカフェなどがあり、全体的に照明を落とした大人な空間が演出
されていることがいずれの余暇ガーデンにおいても共通していました。 開設時間も長く、週に1・
2回は深夜 22 時~ 24 時ごろまで開設され、バンドやヒップホップダンスの練習場所としても利用さ
れたり、自主的なイベントが企画されたりもしているようです。指導員は主に高卒で専門的な教育を
受けたバーンシュータレ(barnskötare)
、そして経験年数が考慮された者がローテーションを組んで
勤務していました。今回視察した余暇ガーデンはいずれも学校敷地内の別棟に設置されていました。
この余暇ガーデンは、13 時から 18 時ごろまでは 10 歳から 12 歳も利用できる空間となっており、
公開余暇センターの機能を備えた実施形態が取られている実態も見られました。
次ページからは、各コミューン、現地を視察した結果を事前に設けていた設問項目ごとにまとめた
資料です。上記概要では明らかではなかった詳細な数値データ、地域の実態等は、以降の各現場の実
態から確認いただければと思います。共通の設問項目によりまとめているのでコミューンごとの比較
なども容易にできるようになっています。なお資料は当日の視察日程に沿って掲載しています。写真
も多数掲載しましたので、ぜひスウェーデンの風景・学童保育そして余暇ガーデンを目で見て実感し
てください。
8
3.ハ―ニンゲコミューンまとめ
担当:高宮・畠中
≪コミューン担当課職員 Jonatan Block 氏へのヒアリング≫
1.背景について
①コミューンの地域性
1
面積
陸地面積 454 平方キロ,水域面積 1736 860 の島郡を含む総面積
2190 平方キロのストックホルムに次ぐ第二の都市
2
人口
75,808 人
3
小学校数
24 の義務教育学校 (コミューン立 17 校,民間委託7校)
4
5
小学生数
出生率
6 歳~ 11 才 4100 名
-
6
女性の就労率
75%(不景気の影響で幾分下がり気味)
7
待機児童
なし
その他の特徴
移民が集中する地域や所得が高い地域などさまざまな地域がある。
主な産業は農業,工業でハーニンゲを代表する企業はコカ・コーラで
ある。
人口は増加傾向にあり、教育に力を入れることで子どもを持った家庭
がここ 2・3 年最も増加している。
8
②各学童保育施設
9
余暇ホームの数
24 校
10
余暇ホーム設置場所
公開余暇センターの
数
公開余暇センター設
置場所
学校内。同一の校舎内に併設されている。
11
12
13
10 箇所(1 箇障がい者用)
学校敷地内、あるいは隣接
利用する子どもの数は減少していて、全体で 20 人程度
保育所?というよりはヘルパー的な利用
家庭内保育の数
2.基準について
③各学童保育施設の設置基準
14
15
1小学校区に何箇所
?
公と民の割合
余暇ホーム
1 箇所(基本的には学校内にあり教室と併設されてい
るところが多い)
公開余暇センター
1 ~ 2 校に 1 箇所程度
家庭内保育
-
余暇ホーム
コミューン運営 17,民間委託 7
公開余暇センター
-
家庭内保育
-
④施設面積・指導員の基準
16
施設面積最低基準はあるか ?
ない
9
17
指導員一人当たりの子どもの人数
の最低基準はあるか ?
18
備考
概ね 23 人 最低基準はない
(生徒数は年々増加している)
設置の義務はあるが運営は学校長が行い、指導員(余暇教育士)も学校
長が採用する。
⑤指導員の配置基準
19
有資格者とその他の
指導員の配置基準
高等教育(大学)をうけている割合 35%(全国平均 57%)配置基準は
設けておらず学校ごとに異なる。学校長が採用し、配置する。
20
フルタイムとフルタ
イム以外の割合基準
学校によって異なる。運営を学校長が行っているため、学校長が采配
している。
⑥障害児に対して
21
障害児に対する基準
や予算補助
-
3.予算について
⑦予算総額・配分
22
予算総額とその内訳
年間 89,255,000 クローネ(11 億 7906 万円)
23
国・コミューン・各
施設への予算の流れ
生徒一人当たり年間 36,197 クローネ
(47 万 8163 円)
が施設に渡される。
24
配分条件
公立、民間への配分はおなじ
(公立・民間の違い)
⑧保育料
25
保育料とその基準
(減免措置など)
家族所得の約 2%に相当、一人当たり月額 840 クローネ(11,096 円)
を最高額としコミューンに払い込む。
4.指導員について
⑨指導員の現状
27
法的位置づけとその
内容
勤務時間
28
給与
26
余暇教育士→資格取得には大学で 3 年半で養成(ポイント制)
フルタイム(週 40 時間)
余暇教育士の平均賃金 24,438 クローネ
バーンシュータレ(高校課程で専門教育を受けた)18,446 クローネ
5.子どもたちの活動について
⑩子どもたちの放課後の生活
親が就労して
いる家庭の
29
子どもの生活
(親の生活)
平日
am6:30 より登校可能
am7:30 の児童の希望者のみ朝食(有料のところもある)
8:00 ~ 13:00 学校
13:00 ~ 18:00 余暇活動
* 両親によって支援が必要な子どもはコミューンと話
し合い am6:30 前、18:00 以降も利用できる。
長期休業
16:00 まで余暇ホームの提供がある
平日
-
長期休業
-
低学年
高学年
10
親が就労して
いない家庭の
30
子どもの生活
(親の生活)
自宅で遊ぶ子どもが多く、スポーツクラブなどの活動に参加する子どももい
る
但し、親が休職あるいは休暇、妊娠の場合は平日 16:00,長期休業 14:00 ま
で利用することができる。
6.今後の課題について
⑪現在の問題点と今後の課題
31
・ 余暇ホームの管轄が学校庁の管轄になり教育システムに変わった。
・ 教育システムになり、どこまでが学校教育でどこまでが余暇ホームの活
動なのかわかりにくくなっている。学校の先生が余暇ホームの活動に参
加することはないが、余暇ホームの職員が教育を助ける事がある。学校
でできなかったことを余暇ホームで仕上げることは珍しくなく、そのこ
とも含め学校カリキュラムの決定には余暇ホームの職員も一緒に検討し
ている。
・ 今後は余暇ホームの目的や役割をもっと明確にしないといけない。
・ 大学で 3 年半の教育をうけても余暇教育士の労働条件(労働時間帯,賃
金,休暇など)社会的ステイタスが教師に比べ低い為なり手がすくない。
現在の問題点
その事が予算とあいまって職員の低学歴化(高卒)が進み、質の低下に
と今後の課題
つながっている。今後は余暇ホームの質を上げることとは何かをわかっ
ていかないといけない。
・ これからは余暇ホームの目標をたて、目標に向け活動を管理していかな
ければいけない。
・ 児童の増加により余暇ホームの建物も増加させないといけない。
・ PC の導入など世代のニーズあった施設の充実、人口の流出を避けるため
子どもを獲得するためにコミューンとしていかに教育や福祉に予算配分
を行えるかが課題。
・ 余暇ホームの代表者が集まって質のチェックをする基準を作る必要があ
るのではないか。
11
≪スバットベック基礎学校(Svartbäckskolan)の余暇ホーム(Fritidshem)と
特別支援学校の余暇ホーム(Fritidshem)視察≫
1
2
3
4
5
設立時期
設置・運営主体
学年別登録数
(障害児の割合)
指導員の人数と
・有資格者の割
合
・フルタイムの
割合
・性別の割合
-
-
1年生
2年生
3年生
4年生
5年生
6年生
その他 ( )
約 400 人
(健常児 370 人、障がい児 31 人)
メモ
児童数約 400 人(健常児 370 人、
障がい児 31 人)余暇ホーム参加者 250 人(6
才~ 10 才対象)特別余暇ホーム 15 人(障害児の施設、学校敷地内別棟)
人数が多いので子どもたちを 4 つのクラスに分けそれぞれがつながった 4
つの棟に分かれた施設で過ごす(1 箇所約 60 人、指導員 4 人)
指導員人数
15 人
有資格者:無資格者
= 12 人 : 3 人
フルタイム:その他
= 12 人 : 3 人
男:女
= 2 人 : 13 人
メモ
子どもの参加人数の増減に合わせて、フルタイムとパートタイムの職員を
うまく利用して対応している。
パートタイム 3 人はフルタイム 100%に対し、30%勤務 1 人 40%勤務 1 人
50%勤務 1 人の体制をとっている
配置基準はなく、予算内でいかに質の高い余暇ホームをつくるかは学校長
の手腕にかかっている。
活動プログラム(平日・バケーション)
・子どもの1日の生活プログラム・親の就労実態
平日
【活動プログラムと子どもの生活プログラム】
自然保護区の中に学校があるので 13:00 ~ 14:00 は外で過ごす(自然を利用し、木の実をひ
ろったり自然を楽しむ)
週の計画
月 ・・・ 大工仕事(いやな子は自由あそび)
火 ・・・ 森へ散歩 ※火、木の森へは児童半分ずつを連れて行きキノコ摘み、食事作りな
どをする
水 ・・・ 体育館
木 ・・・ 森へ散歩
金 ・・・ 自由 ※金曜日は保護者が早く帰るので子どもたちも早く帰る
*********************************************
6:30 ~ 登所
7:30 ~ 朝食
8:00 ~ 登校
13:00 ~ 余暇ホームへ
外で過ごす
14:00 ~ おやつ
16:00 頃~ 保護者のお迎えにより随時帰所
18:00 終了
***********************************************
【親の就労実態】
親の就労のみならず就学についても余暇ホームの利用は保障されている。
12
長期休業
【活動プログラムと子どもの生活プログラム】
ヴァケーションの時は児童の人数も減る。湖水浴などで一日過ごすこともある
【親の就労実態】
親の就労のみならず就学についても余暇ホームの利用は保障されている。
親との連携内容
・ 保護者会はないが、一学期に一回、両親、教師、余
暇教育士と懇談で子どもの成長を確認。
・ 行事や活動は保護者、子ども、余暇教育士でよくや
っている
7
学校との連携内容
・ 8:00 ~ 13:00 の間、余暇教育士は学校に混じって活
動
・ 授業時間、クラスの半分の児童を教室から連れ出し、
体験学習したり休み時間は外に出て子どもと遊んだ
りする。
・ 勤務時間の 30%は学校との連携の仕事をする。
8
他の学童保育との連携内容
-
保育所など乳幼児施設と連携内
容
その他の NPO 団体・活動団体と
の連携内容
他の余暇ホーム指導員と連携内
容
現在の問題点と今後の課題
-
6
9
10
11
12
-
-
-
その他(メモ欄)
○特別余暇ホーム
・同じ学校の敷地内にある建物で活動、健常児との交流はない
・ コミュニケーションや社規制を養うことに重点をおいている。
・ 子どもの発達や活動のニーズにあった部屋がある
バブルプール、
暗い部屋、
アトリエ→絵をさわる、
ボールの海、
・ 子ども一人につき一人の職員が配置されローテーションでまわっている。なぜなら子どもは社
会に出ていろいろな人と接することになるから。また、同じ職員がつくことで愛情がわきその
ことが子どもの活動やほいくをやりにくくすることがあるから
・ 子どもの状況に応じ閉められた教室と誰もが使用できるオープンな場所と両方つくっている。
・ 指導員は子どもの発達の話し合いに一番時間をとる。
・ 子どもの送迎はコミューンが費用をだす。
・ 指導員は手話を使って子どもたちとコミニュケーションをとる。両親も手話のできる人が多い。
子どもが目で見て理解できる。だから絵やカードを使って子どもたちの行動を示してあげたり
する。
保護者との連絡や子どもの教材作りに PC が職員室に設置されている。
13
↑特別支援の余暇ホーム
14
≪余暇ガーデン(Fritidsgård)
(名称:ブラントバーグ Brandbergsgården)の視察≫
1
設立時期
1963 年設立
2
設置・運営主体
3
学年別登録数
(障害児の割合)
コミューン内の文化・レジャーを担当する部署
1年生
2年生
3年生
4年生
5年生
6年生
その他( )
メモ
10 才~ 12 才と 12 才~ 15 才の活動(公開余暇センター、1 学期 40 クロー
ネを施設利用料もしくは遊具等の使用料として支払う)
基本的に登録はない。誰でも自由に参加できる。多い時には 50 ~ 100 名
前後の子どもが参加している。
4
5
指導員の人数と
・有資格者の割
合
・フルタイムの
割合
・性別の割合
指導員人数
6 人
有資格者:無資格者
= 1 人: 5 人(高校卒業後 2 年間の専門学校)
フルタイム:その他
男:女
=平均労働時間 週 39.5 時間(1 日 12 時間働くこ
ともある)
= 2 人: 3 人
メモ
オープンの時は必ず 5 人は配置
給料は 18470 クローネ~ 22000 クローネ ( 約 247,368 円~ 290,400 円 )
活動プログラム(平日・バケーション)
・子どもの1日の生活プログラム・親の就労実態
【活動プログラムと子どもの生活プログラム】
月 ・・・9:00 ~ 12:00 職員会議
13:00 ~ 17:30 公開余暇センター活動
火、水 ・・・13:00 ~ 17:30 活動
18:00 ~ 22:00(ティーン対象)
木、金
・・・13:00
~
17:30
18:00 ~ 24:00(隔週)* 自分たちでバンドの練習をした
平
りヒップホップダンスなどの練
日
習を行い、発表会なども行う。
(13 ~ 18 才)
【親の就労実態】
-
【活動プログラムと子どもの生活プログラム】
・夏にはコミューンのバスを借りて出かけたり、船を借りて生活したりする
長
・冬はスキー旅行
期
* 夏休みは全部の公開余暇センターが開いているわけではない。3 箇所あれば 2 箇所を閉めて
休
1 箇所で活動される・
業
【親の就労実態】
-
メモ
・基本的に自由だが全員対象のプログラムもある(子どもたちのニーズに合わせてプログラムを組
む)タレントスカウト、サッカートーナメントなど子どものほうからの希望で取り組んだ。
15
6
親との連携内容
特にない
7
学校との連携内容
指導員と学校長の話し合いはある
他の学童保育との連携
内容
保育所など乳幼児施設
と連携内容
-
8
9
-
10
その他の NPO 団体・活
動団体との連携内容
警察や学校長との話し合いはある
11
他の余暇ホーム指導員
との連携内容
特にない
地域と予算の連携はあっても他のセンターとの連携はない
12
・ コミューンからの予算だけでは足りない。子どもたちがくじを
売ったり参加費を払ったりしている。
・ 公開余暇センターを利用するのは男の子が多い。もっと 10 代
の女の子が参加しやすいようにしたい。
現在の問題点と今後の
・ 公開余暇センターは法的に定められた事業ではないので予算が
課題
なかったら消滅してしまう。
コミューンとしては数を増やす予定はない。若者委員会の希望で
16 才以上のヤングハウスを作る予定がある(150 人くらい)
その他(メモ欄)
・ 活動の目標や目的を親に連絡したりしないが、子どもたちは余暇ガーデンに来ると何かするこ
とがある、誰か大人がいる。
・ 誰でもがきやすい場所、子どもたちの可能性をのばすところ
・ 職員は子どもたちとの信頼関係をつくることに気をつけている。
・ 指導員は友だちでも先生でもなく、子どもたちに安心感を与える存在。こういう大人になりた
いと思われるようにならないといけない。
・ 指導員は特技を何か一つもっている。
(ギター、うた等)
・ 指導員は自分自身も余暇ガーデンで時間を過ごし指導員になっている人が多い。
少し背伸びした、大人を夢見ている青少年が集まる場所。参加していることで街中をうろつくこと
がない。地域とのコミニュケーションも取れているので、地域にも育てられている感がある。
卓球台、ビリヤード、薄暗いショットバー風のカフェなどがあったことが印象的だった。
16
17
4.ストックホルム大学まとめ
担当:川崎・李
≪ストックホルム大学余暇教育士養成課程主任
Malin Rohlin 氏等へのヒアリング≫
1.学童保育士養成カリキュラムに関して
①
必須科目と選択科目の一覧
3ページ後の翻訳資料と参照のこと
②
資格取得の仕組み
大学で 3 年半(7 学期)のコースで 210hp を習得すること
2009 年秋から 4 年(8 学期)のコースと 1 年の修士課程を導
入予定
余暇教育士の学部を創設(現在自然科学部、他の大学は社会
科学部)
必要な科目を研究中
③
資格制度導入に至る移行措置
経験のある余暇教育士も働き続けている
④
資格認定機関
大学がコース終了時に認定
今後 1 年に 500 人の余暇教育士を認定していく(国全体)
⑤
有資格者の総数と年間資格取
得人数
-
⑥
小学校教諭・保育士の資格と
の関係性
教育者コースに余暇教育士・就学前学校教師・小学校教師・
中学校教師があり、入学時または在学中に決定する。大学の
コースの中では同等。教師の取得課程は法律で決まっている
が、余暇教育士の課程は大学で決められている。
⑦
学部・学科構成
-
⑧
スウェーデン国内の資格認定
大学の数と分布
全国で 26 校の大学が認定している
今後、15 校に縮小
2.学童保育学会に関して
⑨
⑩
学会の有無
無
その他
ネットワークは大学教授と研究員約 20 名で結んでい
るが、定期的に活動はしていない
主な課題は新しい教育法と研究所についてを検討
ヨーロッパ全体で協会があるが非常に規模が小さい
3.その他について
⑪
学童保育が 1997 年に社会省から教育
省に変更されたことによる変化
労働者組織の課題が出ている。
社会省の時から大学の教育課程で指導員の養成を実
施
⑫
学童保育が小学校教員や保育士、他機
関と連携することに関しての指導員
養成課程での教育内容
大学のコースで同科目を受講する(別紙参照)
18
⑬
学童保育が小学校教員や保育士、他機
関と連携することに関しての研究内
容
⑭
学童保育の置かれている現状と今後
の課題
スポーツ教育法と余暇教育法の研究から小学生の余
暇活動が注目され、研究され始めている。
スウェーデンの余暇活動
90 年の歴史がある。教育省の管轄でコミューンが保護者の要望にこたえながら自由に対応してい
る。義務教育が終了する 16 歳に焦点をあてて研究をしている。余暇教育の研究をこれから積極的
にしていく。
余暇ホームの歴史 1800 年代に労働者の子どもたちが遊んだり、仕事をする「労働者の家」ができた。学校の近くに
作られ、社会省の管轄で運営されるようになった。1870 年には社会法や教育法が整備され始め、
「労
働者の家」は「放課後の家」と名称を変え、子どもたちの過ごし方からは仕事がなくなり、あそび
や活動に焦点が当てられた。また、
「放課後の家」は学校との連携が強くなり、指導員にも知識が
問われるようになった。( 以下、当日のパワーポイント資料参照・翻訳担当:畑)
余暇教育士の仕事
余暇ホームでは施設を学校の一部、または学校と隣接した場所に設置しているため、小学校と連
携した活動を実施している。国としては 6 年生までとしているが、多くのコミューンでは 3 年生ま
でしか実施していない。学校の職員全体(余暇教育士を含む)で朝からの計画をつくり、教師と保
護者と連携して活動をする。
公開余暇活動センターでは、学校との連携を大切にし、教育として考えられている。1990 年には
高等教育を受けた余暇教育士が多く、充実していたが現在は予算削減のため人材も不足している。
19
20
≪ストックホルム大学余暇教育士養成課程教育プログラム 翻訳資料
翻訳:瀬口巴氏≫
教育プログラム 210-330 ポイント
このプログラムは選択するコースによって、どのような課目を組合せるかによって長さが異なる。
教育プログラムを履修するためには、高等教育の基礎レベルを受けるための基礎的な履修資格をもつ
必要がある。その他に以下のような特別資格が要求される。
特別資格:スウェーデン語 B/ 第二言語としてのスウェーデン語、英語 B、社会科学 A、数学 A。これ
に加えてコースの説明に記載されている資格が要求される。
選択:全てのコースでは成績(50%)と高等教育試験の結果(50%)
(訳注:全国的な試験)が選別
の対象となる。
余暇教育と学び
ここでは学校内及び学校外での学びのプロセスを取扱う、つまり公式のものと非公式なものが含ま
れる。あなたは余暇教育士として一部では余暇ホームで、一部では基礎学校で働く。この教育ではあ
なたはこども、余暇(選択肢:自由時間)
、アイデンティティ創造、表現力に関する知識を獲得する。
そしてこどもの会話の能力を向上させるための知識、文化的な現象に反応するための知識を学び、例
えばインターネットや音楽が取上げられる。
余暇教育と学び - アイデンティティと学校の学びのプロセス210ポイント
あなたはここで教育的な手腕や余暇活動におけるリーダーシップを向上する。この余暇活動はこど
もの社会的な成長と学校の学びのプロセスに焦点をおいている。こどもと青少年の文化に焦点をあて、
アイデンティティを創造するうえで文化のもつ意味を解明している。美的で創造的な学びのプロセス
は、性とか民族性、価値観とか衝突に対する対処の仕方といった余暇時間(選択肢:自由時間)の学
際的なテーマを統合し形象化する。社会の変化や教育政策の変化も、こどもの成長と学び関連するモ
メントとなる。
2009 年秋学期 昼間フルタイム 申込コード SU-90133
2010 年春学期 なし
余暇教育と学び - 動き (選択肢 : 動作) と屋外教育 210ポイント
あなたはここで動きと屋外教育に焦点をあてた教育的な手腕や余暇活動におけるリーダーシップを
向上する。その中心にはこどもの経験、生活環境、学びと成長がおかれている。教育的な仕事は社会
の変化と教育政策の変化との関連で進められる。アイデンティティ、ライフスタイル、文化的表現力
を形成するうえでの余暇環境のもつ意味に関する知識もここで提供される。動きや屋外教育の各種の
表現方法は、楽しみに溢れた学びの一環である。
2009 年秋学期 昼間フルタイム 申込コード SU-90134
2010 年春学期 なし
Stockholms univeresitet の HP より抜粋
21
(以下は、 前頁に記載された二つの選択肢の一つの訳文です。 3 年半で何を学ぶかと言う授業内容に関する資料で
す。)
【学習 : 余暇教育と学び - アイデンティティと学校の学びのプロセス
210ポイント】
この学習は210ポイントの基礎レベル(GN)教師資格認定(läraexamen)につながる。
学期 1
体育、 余暇、 学び、 15 ポイント、 GN UE2038
教育科学の学習のイントロダクション、教職について、この分野における科目と知識の内容、思想史、
科学的理論の視点。事業現場におかれた教育
(VFU)
とパートナー分野についてのイントロダクション。
VFU は 3 ポイント
責任担当の学科:
技術的、美学的、実践的な知識の伝統の方向性をもつ教育科学学科(UTEP)
教授学 (選択肢 : 授業学)、 知識に関する学校の任務 7.5 ポイント、 GN UDG051
学びと知識の向上を組織する上での教師の任務。教育的なリーダーシップと学校の指針
VFU は 1 ポイント
責任担当の学科:
教授学と教育的な仕事の学科(DOPA)
教育学と教育 7,5 ポイント、 GN、 UC130P
教育史、民主主義と男女平等の視点からみた価値観についての問題、教師の仕事の条件。
VFU は 1 ポイント
責任担当学科:
教育学科
学期 2
余暇教育と学び、 アイデンティティと学校の教育プロセスⅠ ,30 ポイント、 GN、 UE2058
モメント 1:こどもの成長と社会化 15 ポイント、その内 VFU4.5 ポイント
このモメントは職業の役割、こどもの成長、遊びと環境、価値観の基礎、科学的な対応の仕方に関す
る理論を扱う。
モメント 2:美的そして創造的な学びのプロセス。15 ポイント、その内 VFU 6ポイント
このモメントは異なる環境、音楽、ドラマ、技術、絵画、工作について扱う。
責任担当学科:
技術的、美学的、実践的な知識の伝統の方向性をもつ教育科学学科(UTEP)
学期 3
余暇教育と学び、 アイデンティティと学校の教育プロセスⅡ ,30 ポイント、 GN、 UE4037
モメント 1:余暇ホームの日常の中の倫理。7.
5ポイント、その内 VFU1.5 ポイント
このモメントは特殊なニーズをもつこども、衝突対処、対話(選択肢:会話)について扱う。
モメント 2:社会文化的な視点で見た青少年7.
5ポイント
このモメントは青少年の余暇文化、生活環境、アイデンティティ創造を扱う。ライフスタイル、生活
条件、文化的な表現の形成に各種の余暇文化が持つ意味を研究する。
モメント 3:学校の学びのプロセスを深めたテーマ別の仕事の仕方。7.5ポイント、その内 VFU 3
ポイント
このモメントはテーマ別の視点で見た音楽、ドラマ、技術、絵画、工作を扱う。
モメント 4:論文書きと他人の論文に対するオポネント 7.5 ポイント
このモメントは論文書きと他人の論文に対するオポネントをする。
責任担当学科:
技術的、美学的、実践的な知識の伝統の方向性をもつ教育科学学科(UTEP)
22
学期 4
余暇と学び 15 ポイント、 GN
VFU4.5 ポイント
責任担当学科:
技術的、美学的、実践的な知識の伝統の方向性をもつ教育科学学科(UTEP)
特殊教育学 7.5 ポイント、 GN
VFU1 ポイント
責任担当学科:
特殊教育学学科
こどもと青少年科学 7.5 ポイント、 GN
VFU1 ポイント
責任担当学科:
こどもと青少年科学学科
学期 5
読み書きの成長と基礎的な算数の学び方 30 ポイント、 GN
学期 6
余暇教育と学び - 専門化、 30 ポイント、 AN (訳注 : G= 基礎 A= 上級を意味する)
VFU4.5 ポイント
責任担当学科:
技術的、美学的、実践的な知識の伝統の方向性をもつ教育科学学科(UTEP)
学期 7
教授学Ⅱ、 7.5 ポイント、 AN
FVU1 ポイント
責任担当学科:
教授学と教育的仕事のための学科 DOPA
教育学Ⅱ、 7.5 ポイント、 AN
FVU1 ポイント
責任担当学科:
教育学学科
≪補足:教員組合について 各地のヒアリング内容によるまとめ≫
*ストックホルム大学において教員組合の方からのヒアリングも予定していたが、キャンセルとなったため事前に用
意した質問項目をもとに各地でヒアリングを行い結果をまとめた。
教員組合について
①
組合の規模
全職員
②
メンバー構成
教師・余暇教育士(特別科目の教師は別の組織)
③
運動の内容
職業別の労働組合
④
現在の問題点と
今後の課題
余暇教育士は児童の配置基準、教師は休暇制度(ウプサラ)
⑤
その他
職業ごとに労働組合が活動しているので、職業ごとに処遇が一定している
23
5.ストックホルムコミューンオーシュタ行政区まとめ
担当:畑・前田
≪ ÅRSTASKOLAN 基礎学校の余暇ホーム(Fritidshem)
・余暇ガーデン (Fritidsgård)施設と授業視察・副校長 ingrid.bacstrom 氏へのヒアリング≫
1
設立時期
1949 年.教師 1 名と余暇教育士 1 名により今から約 60 年前に設立した。
2
設置・運営主体
余暇ホームは、公設公営
公開余暇センターは、公設民営
1年生
3 クラス
2年生
3 クラス
3年生
3 クラス
4年生
2 クラス
5年生
2 クラス
6年生
2 クラス
その他(就学前クラス)
3 クラス
メモ
全児童数は、585 名。1 ~ 3 年生は全員余暇ホームに登録している。本学は、
F ~ 9grade まである。
【1 年生から 3 年生までの 3 つのユニット編成】
Aユニット(約 100 名) Bユニット(約 100 名) Cユニット(約 100 名)
F
1年生
F
1年生
F
1年生
(25 名 )
(25 名) (25 名) (25 名) (25 名) (25 名)
2年生
3年生
2年生
3年生
2年生
3年生
(25 名 )
(25 名) (25 名) (25 名) (25 名) (25 名)
3
学年別登録数
(障害児の割合)
* 「F」 は就学前クラス
【職員配置】
1 ユニット教師 3 名、就学前教師 1 名、余暇教育士 5 名、
(以上、大学卒業
資格保有者)
特別教師 2 名、知識的に補完する教師の役割を担い、三つのユニットにか
かわる。
F ~ 3 年生までは、同じ生徒で、同じクラスとなり、同じ教師、余暇教育士
が受け持つ。
【4 年生から 5 年生の編成】
4 ~ 5 年生は、全員余暇ホームに登録している。
4 年生
4 年生
5 年生
5 年生
【職員配置】
教師 4 名、余暇教育士 2 名、特別教師 2 名。すべてのユニットにかかわっ
ていく。特別教師になる人材は、元々、保育士等でその後、様々な研修を
受けて特別教師になる人が多い。物理的・知識的に補完をする役割を担う。
4 年生からは、クラス数も減り、新しい可能性を与える環境へと変わる。
24
4
5
指導員の人数と
・有資格者の割
合
・フルタイムの
割合
・性別の割合
 学校と余暇ホームが一緒に活動できないか模索するというアイディア
に両親から賛同を得て、小さなグループ活動で実現し、政府の意向も
この方向に向かう動向があり、新しい活動の動きに取り組むことにつ
ながっていった。教師や教育士を増やし、理論的かつ実践的なことを
したい願い、子どもに安心感を与え、安全な場所を提供することが、
子どもの知識をつけることにつながる場所になっていった。
 1 週間に1時間、社会に出て生きていける準備をする時間(6歳から9
年生まで)を確保している。
 教師と教育士がお互いに助け合う関係づくりを行う。1クラスを半分
に分けて、教師による教育のグループと、教育士による森での活動の
グループなど、小さく分ける工夫をしている。
 両親とのコンタクトも密になる。教師と教育士が子どもの1日の動き
を把握できるようになった。1クラス 25 人を、
(1年生-3年生)読
み書きなど、小グループに分けて子ども一人ひとりにかかわるように
した。
指導員人数
-
有資格者:無資格者
-
フルタイム:その他
-
男:女
-
活動プログラム(平日・バケーション)
・子どもの1日の生活プログラム・親の就労実態
平日
【活動プログラムと子どもの生活プログラム】
■余暇ホーム
開設時間 朝6時 30 分~ 18 時まで
朝食代 一人一食 5 クローネ
【1 日の職員配置】
朝 6 時 30 分開所
職員 2名(用務員1名、キッチン担当1名)
7 時 45 分
職員 4名(教師3名、就学前クラス教師 1 名)
8 時 15 分~ 14 時 学校時間
職員 常時 5 ~ 6 名(教師 3 名、就学前クラス教師 1 名、余暇教育士 1 ~ 2 名)
17 時~ 18 時
職員 2 名(教師 1 名、余暇教育士 1 名)
【1 日の流れ】
6 時 30 分~ 7 時 45 分 活動
7 時 45 分 学校準備
8 時 15 分~ 14 時 学校の時間帯
14 時~余暇活動 スポーツ、森へ行く、編み物、知識から離れた自由な活動など
■余暇ガーデン
対象:6 年生以上。1 週間のうち 4 日開所、そのうち 1 日は Lady’s Night を設けている。
開設時間:7 時~ 22 時
【親の就労実態】
ー
25
 児童は登録しているが、来るか来ないかは各家庭の自由のため、大人に連絡してから帰る
ように指導している。そして登録児童の名前を消していくことで、出欠や下校の把握を行
っている。
 就学前クラスにやってきたその日から、登校時は「おはよう」
、下校時には帰る連絡をさ
せる指導を続けてきた。
 両親との密なコンタクトを取ることが大切で、学校、教師、両親と、一学期 2 回、両親の
代表と話し合いの機会を実施している。しかし親だけの組織というものは存在しない。
 日々の全体的なプログラムは、こういったことができるよという案を子どもに与えて、そ
のなかからやりたいことを選ばせる。しかし、ずっと同じあそびばかりをしている子ども
には、代替案を促すかかわりもおこなっていく。
 職員会議:全員が学校終了後に 1 カ月に 1 回。計画会議は 1 週間に 1 回開催。
 2008 年に余暇ガーデンは民営になった。保守系になって民営にしていく動向。手放して
いきやすい所からとなると、この施設が対象となった。
 余暇ガーデンを実施してみて、放課後、高齢児が何をしているのか把握するのに非常に良
い機会となっている。
長期休業
【活動プログラムと子どもの生活プログラム】
-
【親の就労実態】
ー
6
親との連携内容
-
7
学校との連携内容
-
他の学童保育(との連携内
容
保育所など乳幼児施設と連
携内容
その他の NPO 団体・活動団
体との連携内容
他の余暇ホーム指導員との
連携内容
-
8
9
10
11
12
現在の問題点と今後の課題
ー
-
-
子どもが全員登録していることについては?
 子どもが帰宅しても遊び相手がいない、ここに来れば遊び
相手がいるという子どもたちが在籍することを希望してい
る。
教師は余暇教育士の仕事を手伝うことはあるのか?
 ストックホルム市では、教師 1 名に対して、子どもが 18 名
の規定がある。また教師と余暇教育士は労組が違う。相手
の仕事を侵さないという組合の了解があるため、
(週 40 時
間の労働条件もあり)例えば、森に学校の時間帯に余暇教
育士が連れていくことがあったとしても、余暇教育士とし
てのかかわりを子どもたちにしているのであって、教師と
は質の違うもの。
ジレンマは?
 教師と余暇教育士との連携が欠かせない。国のレベル
(目標)
に到達するために、クラスでもって教える知識的な教育と、
余暇教育士がかかわる包括的な社会人としてやっていくた
めの力をつける、安心感、人間関係など。子どもたちのな
かで、やりたいという意欲が学校だけあった時代と比べて
出てきた。
26
↑教師による授業風景
↑高学年の授業風景
↑余暇教育士による授業風景
↑余暇ガーデンの部屋
27
6.学校庁まとめ
担当:畑
≪学校庁職員 Marie Sedvall Bergsten 氏へのヒアリング≫
 私たち調査団が行った学校庁に向けてのヒアリング調査は、概要としてまとめてしまうと、調査
内容の本質を損ねてしまう可能性があると判断しました。そのため現在のスウェーデンの余暇ホ
ームの実態を把握しやすいよう、敢えて全文を掲載いたしました。
学校庁
(学校庁についておよび、スウェーデンにおける学校のシステムについてお話しをさせて頂きます。)
学校庁とは国からの出先機関であり、管理当局になる。公立学校の本質、それに関する利害関係問
題を取り扱うところである。
公立学校とは、高等学校、義務教育の学校、成人教育、就学前学校、就学前クラス、乳幼児保育を扱う。
大学教育機関庁は学校庁とは別の所管となり、大学・単科大学・専門学校を扱う。
学校庁の役割は、管理(統制)
、フォローアップ、評価付け、その三つを行う。
学校事業の遂行はコミューンの責任、管轄下にはいる。政府はその目標づけをする。国から出された
目標を学校庁のほうで、それをもとにして教育書(規則)が書かれる。
統計のフォローアップも役割の一つとなる。質に関する評価・分析も責任分野である。
学校・コミューンが改善して前進できるようにするためのサポート、フォローも学校庁の役目のひと
つである。
乳幼児保育は公立学校の本質の一部になる。余暇ホームにも子どもたちが登録されている。
今日は、余暇活動は学校と統合されていることがごくごく、一般的なスタイルになってきている。家
庭(のなかで子どもを預かる)保育もある。またオープン余暇活動もある。
オープン余暇活動は 10-12 歳の子どもが対象であり、そこは登録されておらず、自由に出入りでき
る。そういう意味でオープンと言われている。
学童保育は、二つの責任分野がある。第一は、有意義な余暇の過ごし方を与える。第二は、教育的
な活動、知識を向上させるような活動を子どもに与える。これらを通して両親が安心して、仕事(労
働活動)に参加できるようにする。コミューンとしては、そういう場所を必要としている子どもに、
場所を提供する義務がある。
6-12 歳児に向けて、そういう場所を必要としている子どもには、そういった場所を提供する責任が
コミューンには義務付けられている。そして 10-12 歳になると、オープン型に行くことが多い。
義務教育の教師たちは、国でもって枠づけられたカリキュラムに従って子どもに教育をする義務が
ある。しかし、余暇教育士のほうは、それに従って教育をする義務付けがない。カリキュラムをその
まましていくというような義務付けは、余暇教育士には与えられていない。
教育的な原理(スライドより)
・あそびの重要性
・社会的な発達
・子どもはすべての感覚を用いて常に学んでいる
・子どもには能力がある
・子ども期独自の価値がある
28
【教育的な原理】
(こちらのカリキュラムの中なのですが)あそびに非常に焦点が当てられており、大切なものだとい
うのが入れられている。社会における子どもの生活、発達に刺激を与えてやることが必要である。子
どもが一日全体的に色々なところから色々なことを学ぶ、これが一番の根底にある根本のひとつであ
る。
子どもは、子どもとして完全な一人間である、そんなことから発想を生み出していかねばならない、
そうして子どもを扱っていくことが大切である。
これが国際的には、エデュケアと呼ばれているが、子どもへの成長と教育とが一緒になって行われ
ていくというものである。
余暇活動は、非常に自由なオープンになった活動であるため、ある意味で、学校の知的な活動とそ
の自由なあそびの活動を両方合わせて教育していくことをここでうたっておかないと、余暇活動がた
だの自由なあそびだけになってしまってはいけない。
余暇活動や余暇ホームはカリキュラムにしろ、学校法にある程度、規定が書かれているが、学校の
教育からみると、その枠は大変ゆるいものであり、規則もかなりゆるくなっている。学校は定められ
たカリキュラムに従い、学校法に書かれた規則に必ず従わねばならないが、余暇活動はそこに幾分ゆ
とりがある。
学校法に出ているのは、コミューンは必要とする子どもに必要な場所を提供しなければならない義
務が書かれている。
また学校法には、一つのグループのなかにいる子どもの数、それとグループの大きさ、これは適度
でなければならないと、そういう表現がされている。
そして教室なり場所なり、活動に合った、
(通訳談:活動に使えないような場所を無理に使っては
いけないという意味だと思いますが)ものでなければならない、活動に合った場所を設けることが必
要である。
例えば、余暇ホームで働く余暇教育士は、保育士がいることもあるが、どちらにしても資格をもっ
ていなければならないと、学校法でうたわれている。
そしてこれも学校法のなかに○○条の○○項になるが、特別なサポートが必要なこどもは、障害が
ある、身体的な場合、精神的な場合などいろいろあるが、そういった子どもへは、必要とする特別な
サポートを提供しなければならない、そういうことも書かれている。
余暇活動・ホームは、一年中開いていなければならない。学校が終わった後、余暇活動が開いてい
ることで、学校でできなかったことをサポートする、補充をする、そういう場であるべきである。
(カリキュラム、Lpo94 を指しながら)
左手が余暇活動、右手が学校である。この赤い字がそれぞれにおいてとても一番大切な部分だが、
余暇活動においては上の(赤い字の)5つが一番大切である。
全部の項目において大事だが、特に赤い文字のところが焦点をおいている部分である。
余暇ホームは、子どもの興味、子どものアイディア、そういったものを基にして発足するべきである。
屋外で時間を過ごす、こういったことにも重点を置いている。
(子どもの登録人数 1975 ~ 2007 のスライドを指して)
この余暇活動が、どんな風に成長してきたか示す表である。現在もっと線が伸びている。
現在、6 歳児から 9 歳児の 80%が、就学前クラス入れてだが、余暇活動に参加している。そして、
学校の子どもの全体数の 0.5%が家庭のなかで行われている保育室に参加している。
この家庭で行われているものは、どんどん減っている。昔はもっとあったのだが。
29
子どもがこういった活動に参加するのが増えているは、スウェーデンの女性の就労率がどんどん上
がっている、それと並行していると思う。例えば、若い女性、子どもを産む 18 歳から 30 歳前後だ
と思うが、そういう女性にとっては、子どもが余暇センターに行くのは、もう当たり前だと、そうい
う考えに変わってきている、行かないのはおかしいと。
就学前学校や就学前クラス、これもどんどんと参加する子どもが増えてきて、これも若いお母さん
方には行くのが当たり前と、そういった風に捉えるようになってきている。
ただ、皆が参加することが当たり前ということで、参加する子どもの数が増えてきたことで、コミ
ューンが、場所を提供しなければならない義務が課せられている。そういった意味で、質の低下が目
立ってきている。
(通訳談:子どもが増えるということでグループが大きくなる、そういう意味だと
思うのですが)
余暇活動に参加するために収入の総計の 2%、ただ最高が 840 クローネと決まっているため、それ
以上はいくら収入があっても出さなくて良いわけになる。意外と小さな料金で預けられる、それも子
どもが増えてきた要因だと思う。
【通訳の方は訳してないが、マックスタクサ(保育料上限)のこと
を話している】
1990 年から一グループに所属する子どもの数は 2 倍に増えている。それに対応する大人の数は半
分に減っている。今日、平均で余暇活動・余暇ホームの一グループは、だいたい 35 人ぐらいという
のが当たり前、普通になってきている。これも平均だが、一人の余暇教育士なり大人が(通訳談:大
人と呼ばせて頂きますが)20 人の子どもに対応する、それが平均値になっている。
今のは、あくまでも平均であり、これが地方にいけばいくほど、質が良くなるといった傾向がある。
大きな街、例えばストックホルムにくるほど質が落ちてきている傾向になっている。
例えば小さいコミューンや、地方のコミューン、本当に過疎地化したところだと、子どもの数も少
ないが、グループのなかの子どもの数もうんと少なくなっている。
現在の変化であるが、質が悪くなったりといっぱい起こっているが、これが社会庁から教育庁に移
った、その過程の間に、こういった色々な変化がずいぶん出てきたと自分は思う。
教育庁に移ったことにより、教育庁の希望であり、目標なのだが、余暇活動にもっと教育的な活動を
入れろと、そういった風に動いてきたわけで、今までのあそびだけでなく、もっと教育をと、それが
コミューンが対応できない、そんな状態におかれている。
例えば余暇センターと学校が「建物」という意味では統合された。それからそこにたずさわる人員、
「職員」も統合された。ただお互いに、子どもの成長や教育と意味で、自分たちが思ったほどは、な
されてない、達成されていない。もっと自分たちは、子どもの成長とあそびということで、もっと何
か子どもの成長にかかわるようなものが出ると期待をしていたわけだが、それが出ていない。
例えば、学校のほうで先生(教師)が足りない、また色々なことをするために、余暇教育士が助け
なければいけないことも出てくるということで、時間外のことをしなければならないということで、
余暇教育士が自分のことをできない程に疲れてしまうようなこともあって、時間も足りなくなってき
た、そういった現象も起こっている。
余暇ホームには、資格をもった余暇教育士や、保育士もいるところもあるし、全然資格のない人が
働いているところもある。学校法には、職員の数や、どういう人がいなければならないのかというこ
とに対して、非常に理念的に書かれている。ただそういった対応ができるような人がいなければなら
ないとは書かれているが、資格や、何人いなければならないとは書かれていない。教育士が何人など
は書かれていない。それはコミューンが決めることである。そのため、コミューンの予算のあるとこ
ろは給料も高い教育士を何人も雇えるし、予算のないところはきっと保育士みたいな安い人の方が増
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えると、そういう結果が出てくる。
これもコミューンによってかなり違いがある。コミューンによって予算はないが、こういった保育
に非常に投資をしようとするコミューンは、余暇教育士をたくさん雇っている。そんなコミューンも
ある。ただストックホルム市の郊外は、色々な小さなコミューンがあるが、そういったところは平均
的に、余暇教育士の数が少ない。ほとんどの余暇ホームは、現在でも公の(公的な)ものである。最
近出てきた民間委託した余暇センター余暇ホームに行っているのは、子どもの数の 9%にあたる。(通
訳談:子どもの数が何人かは分からないですが)
民間委託は、だいたいが COOP みたいなもので両親が経営している、職員たちが自分でやっている、
または完全に企業に委託をしてやっているものなど、色々なスタイルがある。これも同じように、ス
ウェーデンで大都市にいる子どもの方が、より民間経営の余暇センターに行く率が高い。
「ここまでで質問がありましたらどうぞ」と学校庁が我々に投げかける。
Q 具体的に、スウェーデン全体の余暇ホームの数は?
A スウェーデン全国に約 5000 個の義務教育を行う学校がある。それで今はだいたいすべてが統
合されているので、はっきりとした余暇ホームの数は分からないが、学校に統合されたものを入れて
も、約 4000 個ではないかと思う。こんな感じで、一つの学校に 1 つの余暇ホームがついているとい
う形態になってきている。4000 というのは、余暇ホームの数で、このなかには就学前学校やオープ
ン(余暇センター)などは入っていない。
Q 質が低下しているという話だが、学校庁が考える質とはどういうものを指すのか?また、
(参加す
る子どもが)増えるというのは、学校庁の政策として成功ではないのかと思うのだが、親が安心して
預けられるということで。日本でも、怪我が増えて、事故が多くなるのだが、こちらでも子どもが多
くなることでどういうことがあるのか?
A こちらに質という意味で、アウトラインが書かれているので、どういうものが質なのか見て欲
しい。学校庁としてみると、やはり子どもの数が増えてくるということは、大人の手が届かない、色々
な事が起こる、それはもう当たり前のことである。大きなグループでいられない子どももいるので、
大きなグループにいるということでしんどくなる子どももいるので、あまりグループが大きくなると、
子ども自身の感情というものも色々な影響を受ける。なので、現在の行き方は決して良いものだとは
思わない。自分たちの願っていること、余暇活動というのは、子どもに有意義な余暇の時間を与える
ことである。そして、まず子どもたちが必要とするケアを与えてやる。それが子どもが増えて大人が
減るということは、それらができないことに向かっているわけである。だからこちらの見方としては、
それは難しい、良くないことだと思うが、果たしてそれをどうやっていくのかということである。
そういったおもわしくない方向に向かっているのを、どうやってまた昔のように良い方向に向ける
のかと。これは学校庁が出しているコミューン向けのものだが、質に対しての一般ガイドだが、これ
をはっきりと把握していない、使っていないコミューンがいっぱいある。こういったものを、どうや
って使っていけば良いか、そういったコミューンに対しての教育から、また自分たちが始めていかな
ければならない。
質の低下の原因として、職員の所属する労組が違うので、労組の規制のために一緒になってお互い
に協力して、仕事をするということができなくなることがずいぶんと出てきている。そのため労組の
違うということも、一つの大きな問題だと思う。
また、コミューンによってどこに一番焦点をおくのか、コミューンが自分たちで予算をどこの部門
にどれだけ当てるのか、コミューンが自由に決められるものだから、多くのコミューンが、必要とい
うものに応じて、予算を配分しないで、例えば子どもの保育だと、子ども一人にいくらと決まったお
金しか出さない、そのお金より必要な子どももいるわけだが、そういったところを全然取り入れない、
それも質の低下を招く大きな要因になっていると思う。コミューンの方は義務として自分たちがして
31
きた、例えば、保育の質の評価を自分たちで行って提出するといった義務も与えられているのだが、
そんなところにも、なかなかはっきりとしたものが出てこない、そういったことも質の低下の大きな
原因だろう。
学校庁から各コミューンに、質向上のための補助金、人員獲得・人員向上のための補助金が出される。
ただコミューンにその補助金として出されたものが、やはり必要に応じてうまく分けられるのではな
く、ここでもひとつ決まった額がぽんと出されてしまう。それでその額を受け取った余暇ホームなり、
学校の方でまたそれを必要に応じて分けるというよりも、またそこでもひとつの額ということで受け
取って、本当に必要な、必要に応じて予算を分けるというような使い方がなされていないとったこと
が、大きな質の低下になると思う。
Q スライドのご説明の方は終わったのですね?
A だいたい、自分の説明や話すことは終わった。
(畑注釈:印刷物を指し示しながら)これが今、
お話しした質の向上のためや人員確保のための特別な補助金である。英語版でありますので、またマ
ックスタクサ、最高で 840 クローネ決められた額があるが、そんなことが書かれているので、お持ち
下さい。
Q どちら宛のものなのか?各コミューン?
A これは、学校庁がコミューンから入ってきた色々な情報を基にしてつくった価値評価の本とい
うか、印刷物である。コミューンからの情報を基にして学校庁が作ったものである。色々な統計が英
語で出ているので、このなかにいっぱい統計の数字が出ているので、見て下さい。
(通訳談:皆さん
が必要としている数字がきっとこれに入っていると思います。
)
学校庁の説明の英語版、これがカリキュラム英語版(Lpo.94)質に対する一般指導書、
Q コミューンから上がってきた質の評価報告書がバラバラでという話だが、それに対して学校庁
から査定するようなことや、ここのコミューンもう少しやりなさいという指導だとか、そういう動き
はあるのか?
A 学校検査部というものが以前にあったが、今はそれが分かれて学校検査局という別の当局にな
っているので、そこが今話された、ここがこのコミューンだめじゃないかと検査をして、査定をする
ところである。検査局の方から出向いた検査官が、その訪問したコミューンに対して、自分たちの報
告書を渡す。そこにこういうところをもう少し改善しなければならないということが書かれている。
Q 国からは各コミューンに対してどのように予算が配分されるのか?前日、私達が訪問したコミ
ューンでは子どもの人数によって予算が振り分けられていると話されていたが、国とコミューンと、
という予算の流れがどのようになっているのか?それに学校庁はどのようにかかわっているのか?
A 財務の関係は、国が決めることであって、自分たち学校庁としては一切関係なく、財務省が決
めること。まずコミューン全体として、コミューンへの予算というものがまず出されるわけである。
それはコミューンの人口が対象になる。その他に学校教育のための予算など色々な予算が出されるわ
けだが、例えば、学校という場合は、学校に通っている子ども一人につきいくらという計算になって、
額が決まっていく。そして学校庁としては、コミューンから入ってきた情報を基に評価付けをするが、
一応、財務省には報告をする。そのため財務省が何かそういったものを考慮するといったこともあり
得る。例えばコミューンによって、移民が多かったりなどして特別な補助が必要なところもある。そ
ういったところには、また特別な、学校用の予算のほかに、特別な補助予算など付け足される、そん
な感じで予算が流れる。
Q 1 つの余暇ホームに対する予算の配分は、コミューンが決めるのか?
A そういうことです。
32
Q 資格について
まず、医師や看護師や国家資格が要るが、それに対して余暇教育士は国家資格ではないという話だ
ったが、そういう理解で良いか?
A 現在、スウェーデンには、日本でいうところの国家資格を取るというと、医者や弁護士、心理
の部門で働く先生、そういう人たちだけが国家試験にあたるような試験を通らなければならない。後
のところは、教師にしろ、余暇教育士にしろ、その科目を履修して 210 ポイント修得した時点で、資
格につながる。その後国家試験のようなものはないが、教師の方にもそういうものを導入した方が良
いのではないかという声は出てきている。
Q 余暇教育士は、国の法律で言葉がきっちりと決められていて、それになるためには、大学で今
の話のように、大学で所定の単位を取らないといけないと法律で決まっているのか?その単位を取っ
ていなかったら、では、なれないということか?
A 昔は、余暇教育士になるためのきっちりとしたコースがあった。そして余暇教育士になるため
には、こういう科目を取っていかなければならないというコースがあった。今は、そのコースが、学
生の選択の自由があまりに出てしまったために、余暇教育士になるのか、
(学校の)教師になるのか、
あまりはっきりしないような、そんな勉強の仕方が、今、多くなってしまって、
「余暇教育士」という、
そのはっきりとしたコースがなくなってきている。
Q 210 ポイントというのは、教師であっても余暇教育士であっても全部選択なのか?
A 必須科目は、どちらになるにしても取らなければならない。選択科目は、余暇教育士になるた
めには、そのための特別な選択科目がある。例えば、スポーツなど。そして総合して 210 ポイントを
取った時点で、資格が取れる。どちらの選択科目を取ったかによって、将来、教師になるか、余暇教
育士になるかは少し分かれてくる。
余暇教育士になるためのコースがなくなってしまったということで、将来、余暇教育士になりたい
と思う人は、それに合った選択科目を取る。210 ポイント取ると、余暇教育士にも教師にも両方なれ
るが、余暇教育士になりたい場合は、特別、それに合った選択科目、例えばスポーツ関係や、子ども
の余暇に関する科目など、選択科目を取っておく必要がある。
学校の教師は、必ず英語・数学・スウェーデン語、これらの単位を必ず取ってなければならない。
こういった要素が入ってくる。しかし、これから教師になるためには、やはり今医師にあるような国
家試験を与えた方が良いのではないかという動きになっている。
Q もし、国として余暇教育士になるために、決められている科目があるのなら、その一覧を頂き
たい。
A 国としてはない。大学単位でもっていて、大学のカリキュラムに入っている。
Q 余暇教育士になるためには、 この科目、 この科目を取らなければならないという話だが、 では、 それ
はどこが決めるのか?
A 誰が、どこが、どの科目を取らなければならないのかということは、はっきり決めていない。
国は枠付けはするけれども、今の教育方法は私は非常に悪いと思っている。国で決めたことが実質的
にされていない場合が多い。それで、採用する側によって、資格がなくとも採用されてしまう、実際
にはそんなことが行われてしまうこともあるため、一応、国が決めているものはあるのはあるのだが、
はっきりとした、これになるためには、この科目とこの科目と、ということが非常にあいまいになっ
てきてしまっている。
(通訳談:はっきりとした答えが、出ないのですよ)
Q 余暇教育士という名前は、法律で定められている名前か?
A 自分が勉強していたころは、余暇教育士コースというものがきちっとあって、国で決められた
ひとつの名前、呼び方だった。それが現在は、教師教育というひとつのなかに全部入ってしまって、
そのなかで学生が自由に選んでいくという感じで、現在では、国としての教育の名前ということでは
33
なくて、ひとつの仕事(職業)としての名前にしかなっていない。
これからまた元に戻る可能性はあるかも知れないが、現在は、教師教育の枠に入って、選択科目に
よって将来どういう仕事をするか、仕事場によって「余暇教育士」と呼ばれている。
「余暇教育士」と明記されていると話されていたと思うが?
Q しかし先ほど、学校法のなかに、
A 今の学校法には、要するに、
「教育的な人物を」ということで、そこに「余暇」というものは入
ってこない。今後、
新しい学校法には入ってくるかも知れないが。現在は、
学校法のなかには、
一切、
「余
暇教育士」は使われていない。
「教育士」
(=ペダゴーグ)という言葉は使われているが、
「フリーティス」
というものは入っていない。
Q 昨日、ストックホルム大学では、大きな教員養成課程があって、コースに分かれているという
話があった。それで両方の資格を取ることはできないという話だった。しかし、今日の話では両方の
資格取得ができるという話だった。それでは、昨日の話と、今日の話をどう理解したら良いのか?
A コースということで、二つを同時に卒業することはできない。ただ将来、卒業してから、仕事
に就く時に、半分の学生は余暇教育士をする、残り半分の学生は教師をするということは可能だろう。
Q する、しないの話ではなく、
「資格」ということでどうなのか?
通訳 A 「資格」というのは、あいまいでぴったり合った答えは出てこない。
Q 210 単位取得ということで、例えば 100 単位が必須科目、110 単位が選択だと仮定したら、プラ
ス 110 単位を教師の分と、余暇教育士の分と頑張って取るということができるのか?
A 今の教育は本当によく動いていないですから、新しくしますから、忘れて下さい。日本のように、
必須科目と選択科目はあるのはあるのだが、要するに、必須科目は何ポイントで、選択科目は何ポイ
ントなのか、そういのは全然存在しない。要するに全部勉強して、210 ポイント取れば一応、卒業と
いうことになる。ただ、卒業した時点で、こういう科目を取っていないと教師にはなれないし、こう
いう科目がないと余暇教育士にもなれないしという選択であって、必須科目は例えば、小学校教師に
なりたい場合は、数学・国語など、余暇教育士ならスポーツや音楽などを取っていないといけないと、
そういったものはあるのだが、必須科目何ポイント、選択科目何ポイントというような、分かれてい
るシステムには、現在なっていない。そのため、将来自分が何になるのかによって、学校にいる間に
科目を選んでいくことになる。最初の一年間は、一般教養を勉強する。その後は、実習なども入って
くる。その時になって自分が将来どんな方向に進みたいのか、ある程度決められてきて、その時点で、
では自分はどんな科目を取れば良いのか選ぶことになる。最低限の必須科目はあるが、将来の自分の
やりたいことによって、選択科目は色々と変わってくる。
Q 余暇教育士になるためには、最低これが要るよ、教師になるためには最低これが要るよという
ものが決めてあるということで良いか?
Q 学校庁で決めているのか?
A 国で決めている。つまり政府のこと。大きな枠付けは、政府が決める。
Q では、昨日の話ではスウェーデン全国で、26 のコースがあってそれを 15 に減らすということだ
ったが、それをどこで決めているのか?
A 政府が決める。入ってきた学生が、当初は余暇教育士になろうと思っていても、実際、実習な
どを通して、ステイタスが低いとか、給料が悪いとかという実態に直面して、教師になろうとそちら
に進んでいく人の方がうんと多くなってしまっている。そういうことも理由になって、最近では、余
暇教育士になろうという人がうんと減ってきている。
Q どこが、どういう形でその資格を発行するものなのか?
A そういった資格証書を出す当局があり、高等教育サービス局といった政府機関があるが、そこ
が証書を出してくれる。欲しい人はそこに行って発行してもらう。
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Q そこで出される証書は、就学前学校の教師や学校教師とは別の種類のものが発行されるという
ことか?
A 出される証書には、例えば上部に義務教育何年生から何年生までと書かれていて、その下にど
んな科目を修了しているか書かれていて、それを採用側がみて、これなら学校教師として大丈夫であ
るとか、余暇教育士なら大丈夫だとか、そういった判断を採用側がしていく。
Q それでは、その証書をコミューンが見て、この人は余暇教育士なら大丈夫と判断されれば、そ
の人の職業は「余暇教育士」ということになるということで良いか。
A そういうことです。
Q 余暇教育士というライセンスつまり免許はないということで良いか?
通訳 A ないということになる。
Q では少し矛盾したことになるが、ライセンスはないのだけれども、大学の養成課程のなかでは、
余暇教育士として必須科目が決まっているとおっしゃっていたが、どう理解したら良いか?
Q では、小学校教師と全く同じということになるのか?
通訳 A 何度も先ほどから尋ねているが、
必須科目というのは、
学校庁は
「分からない」
と言っている。
自分では把握していないと言っている。
Q なくなってしまったと話されていましたね?
通訳 A 必須科目が日本の必須科目の意味と全く違う意味合いのようで、最初の一年間、一般教
養というところで、みなが必ず学ばなければいけないというのはある。将来、子どもと関係していく
ためには、児童心理学だとか、色々あるが、それが最初の一年に入っている。完全なる基礎の科目に
入っている。その後のものは、何に自分がなりたいのかによって選択する。いくら聞いても、必須科
目と選択科目の違いが出てこない。
Q では昔、「余暇教育士」の資格として存在したと話されていたが、教育庁に移ってなくなってい
ったのか?
A 余暇教育士としてのコースがなくなったのが、1998 年から 1999 年のことだった。しかし、社
会庁から教育庁に移ったこととは関係ないと思う。それよりももっと、学校と余暇活動が一緒になっ
たということが関係あるような気がする。
Q そこが、一緒に考えられるようになってからということで良いか?
通訳 A 社会庁から教育庁への移行は 1997 年のため、移行は関係ないようだ。
Q では、コースをなくしたとはどこがなくしたのか?
A それは政府である。ふたつ分けて教育を行うよりも、ひとつ大きく教師教育として行った方が
良いのではないかという新しい考えが入ってきた。それでうまくいくと思って、やってみたけれども、
全然うまくいかなかった。だから今これから、元に戻ろうとしている。
Q ストックホルム大学では、余暇教育士の教育をひとつの学部にしていきたい、そして年に 500
名ずつ養成していく計画があると話されていたが、そのことが、今のお話しに結びついて、余暇教育
士という資格を確立していこうという流れになってきていると理解して良いか?
A そのような方向に向かうと思う。昔は、
(通訳注釈:‘98 年より以前の事を指していると思う)
その時は、学校教師と余暇教育士が全く別だった。全然違う学校が、違った教育をして、違った最終
的な免許というか、資格のようなものを出していた。それが今ひとつになってしまった。それで結果
として良くなかったので、また昔のように、昨日のストックホルム大学のように、学部のように分けて、
別の教育をしましょうという方向にきっと向かうと思う。
35
昔、別々の学校で別々の教育をしていた、それがひとつになってしまったのは、学校のなかに余暇
活動が入ってしまって、そこでの教師と余暇教育士の仕事も一緒に行うことが増えてきていると、そ
れが、養成課程でも教師教育という大きなひとつの枠組みになってしまった、そんな理由からだと思
う。でも、それではやはりうまくいかない。
Q 今、資格の面ではそういう動きに変わってきたということで、それ以外に、余暇教育士の勤務
時間や給与の面で、つまり労働条件が、同じ流れの中でどんなふうに変化してきたのか?
A 余暇教育士のなかには、これまでの変化のなかで、学校と余暇教育が一緒になったために、学
校で授業をするような人も出てきている。それによって社会における余暇教育士のステイタスが幾分
上がってきているのではないか。しかしそういったことで、余暇教育士の仕事に対する圧力や圧迫が
大きくなってきている。労働時間もきっと増えているはずだ。昔は、余暇教育士としてきっちりとし
た自己のプロフィールを持っていた。しかしそのプロフィールがなくなってきている。つまり、教師
なのか、何なのか、はっきりしない、そういった状況に現在なってしまってきていると言えると思う。
学校の授業を担うということで、幾分、給与は良くなったかも知れない。しかしそれよりも余暇教育
士にかかる仕事に対する負担や責任の方が大きくなってきているだろう。
Q 私達が伺った施設では、学校に統合され、学校と全く一緒の所が多かった。個人的なご意見で
良いので、今後の方向性としてどうお考えか、今後、学校の中で行って行くのが良いのか、それとも
昔のように場所も別にした方が良いのか?
A 最初に、自分自身の意見としては、学校と余暇活動を同じ場所を使うのは、良くないと思う。
昔のように、余暇活動に使われる建物が、同じ敷地でも別に建っていると、その方が良かったと思う。
でもやはり同じ子どもに対応するのだから、別の場所であっても、一緒に仕事をする、連帯して何か
をするってことは、絶対に必要だと思う。昔の余暇活動をしていた所は、だいたい、家のような雰囲
気があって、小さい部屋があったり、大きな部屋があったり、非常に家庭的な雰囲気をもった、そん
な場所が多かった。
例えば、一年生や二年生など小さい子どもには、そういった環境のなかで授業をした方が、子ども
にとっても勉強しやすいのではないかと思う。四角い、大きな教室で勉強した後、またそこであそび
をするということは、私にはあまり良いとは思えない。ただ、別な所を使うということで、連携や共
同が離れてしまってもまた良くないし、また家庭的な雰囲気であることは良いことだが、やはりそこ
は勉強する場所であるというはっきりとした認識も与えなければいけない。色々なことが挙げられる
が、同じ場所を使うということはやはり、良いとは思えない。
Q 就労している家庭の子どもだけでなく、すべての子どもに余暇活動をという風に移行したが、
それによって、すべての保護者に選ぶ権利が与えられたかも知れないが、働いている家庭の子どもに
は、余暇ホームに行かない権利がないということについては、どう思うか?家庭に親がいる場合は、
行くことも行かないことも選ぶことが子どもにはできるが、家庭に親がいない場合、行きたくなくて
も、行かざるを得なくなる、その点については?
A 学校法に書かれていることによると、両親が働いていて家にいないか、あるいは就学をしてい
て家にいないか、そういった家庭の子どもが余暇活動に参加する機会を与えられるので、両親のどち
らかが家にいるということは、そういう機会がもらえないはずだが。
Q 子どもたちの学力低下が問題になっているという話があった。教師になるため国家試験がいる
という話もあった。そこでは、教師には教師の専門性、余暇教育士には教師とは別の専門性が必要だ
という認識でおられるという理解で良いか?
A 今の話から外れてくるかも知れないが、1990 年代の始め、スウェーデンの子どもたちの学力は
国際的なレベルからみても、トップにいたぐらいだったのが、現在のように落ちてきている。色々な
理由があると思うが、地方分権がとても進んでいるスウェーデンだが、コミューンがあまりの力を得
過ぎてしまっている、コミューンが決められた枠のなかで自由にできる、良いことでもあるが、それ
が悪い方向に向かうこともある。そうして自分たち(教育庁)で統制し、管理することができないコ
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ミューンもたくさん出てきてしまっている、それも一つの理由ではないかと思う。そのため、スウェ
ーデン全体の平均が落ちてしまう、悪いコミューンがあると、全体が下がってしまう、また最近、移
民が増えすぎてしまっているため、それも大きな要因となっていると思う。
それから 1900 年代に学校を選べるようになった、今までは自分の住居の一番近くにある学校、そ
れが当たり前だったのが、自由にあちらこちら選べるようになった。そのことによって差別化が出て
しまった、それも理由の一つではないか。また移民が入ってきたことで、移民は固まって住むので、
移民に対する差別も、スウェーデンの社会に出始めている。そんなことがスウェーデンの子どもの学
力レベルを下げる、大きな要因になっているのではないかと思う。
もうひとつの理由が、1990 年代、今まで出生率が低かったのがその後、伸びて、たくさんの子ど
もが生まれた。子どもの数が急激に増えたために、コミューンの方で、子どもが行く学校の数が足り
ない、子どもが行く余暇活動の数が足りないこともあって、グループが大きくなり過ぎた、そんなこ
ともレベルの低下に結びつくのではないか。
Q 最後に一点、養成コースを 26 から 16 に減らすという意向を政府の方で決めているということ
だが、政府のどこの部門がそういったことを決めるのか?
A 教育省である。
Q では、教育省で余暇ホームを担当している部門があって、そこでスウェーデンでの今後の余暇
ホームをどうしたら良いとか、先ほどの資格をどうしたら良いとか、だいたい、そこが決めるのか?
A 教育省のなかに二人、大臣がいる。ひとりの大臣は高等教育、もうひとりが義務教育の担当で
ある。その大臣の下にまたたくさんのワーキンググループ、つまり課題を与えられたグループがある。
そういった人たちがこれまで質問に出てきたようなことを担当して決めたり、検討したりする。
ありがとうございました。時間もありますので、ここで終わりにしたいと思います。
Q 学校庁 日本には、余暇ホームがあるのですか?
A あります。今日、資格の事を丹念に聞いたのは、日本には指導員の資格がないのです。そのため、
スウェーデンではどうなっているのかとか、あるいはもし養成課程があるのなら、どういうカリキュ
ラムでやっているのか、そのあたりを尋ねたのです。
Q 通訳 そういった養成する課程がないということですね?
A ないです。ないし、資格もないです。
Q 学校庁 では、こちらでいう余暇教育士の仕事を日本では誰が担っているのですか?
A 保育士や教師などの資格をもった人たちがやっています。でも学童保育の指導員は、保育士で
もなく、教師でもない独自の専門性が必要だと思っているわけです。なので、そういった養成課程が
要ると思っているのです。
Q スウェーデンでは昔は、高等教育でやっていたので
すか?
A 通訳 専門学校であったと思います。
以上
(次ページ以降、プレゼン資料翻訳掲載→)
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7.ウプサラコミューンまとめ
担当:柴田・塚田
≪コミューン担当課職員
JENNIE LINDBERGE 氏、BRITT-MARIE FRÖJDLUND 氏へのヒアリング≫
1.背景について
①コミューンの地域性(2008 年統計より)
1
面積
2,189 ㎢
2
人口
19 万 668 人(女:97,216 人、男:93,452 人)
3
小学校数
基礎学校数:約 75 校
4
小学生数
11,340 人(7-9 歳:5,539 人、10-12 歳:5,801 人)
基礎学校生徒数:20,150 人(上記に加え、6 歳:1,987 人、13 〜 15 歳:
6,823 人)
5
出生率
出生数:2,595 人
6
女性の就労率
子育て世代:80 ~ 90%(16 〜 64 歳:69%)
7
待機児童
なし
8
その他の特徴
ウプサラ・コミューンの概要:
スウェーデン中南部ウップランド地方ウプサラ県にあり、ストックホ
ルム市から約 70 ㎞北に位置するスウェーデン第 4 の都市。北欧最古の
大学であるウプサラ大学があることで有名な大学都市で、医療・製薬・
生命科学関連企業が立地している。視察時点における失業率は 4% 程度
(全国では 8% 程度)
②各学童保育施設
9 余暇ホームの数
63 ヵ所(公営:48 ヵ所、民営:15 ヵ所)
利用児童数:7,284 人(公営:6,554 人、民営:730 人、就学前クラス
児を含む)6 〜 9 歳児の 90% が利用しており、隣接する小規模コミュ
ーンからも利用あり。
10 余暇ホーム設置場所
ほとんどが学校施設内に統合されているが、学校施設外(学校敷地内
等)にあるところが 6 ヵ所、基礎学校と余暇ホームが統合されていな
いところが 1 ヵ所あり、そこの児童は民間の余暇ホームを利用してい
る。
19 ヵ所(公営:16 ヵ所、民営:3 ヵ所)
公開余暇活動センター 余暇クラブと呼ぶ。10 ~ 12 歳対象。
11
利用児童数:1,582 人。親の就労によらず利用可能。地域に余暇クラ
の数
ブがない場合は、10 〜 12 歳児も余暇ホームに在籍する権利がある。
12
基礎学校から遠くないところに設置(基礎学校に隣接する等)
。
公開余暇活動センター
余暇クラブ(Fritidsklubb)と余暇ガーデン(fritidsgärd:13 ~ 18
設置場所
歳対象)は同一施設で、同一指導員が運営している。
13 家庭保育室の数
利用者は極めて少ない。20 人程度。
備考:現時点では、公立の基礎学校に統合された余暇ホームは全てが公営であるが、余暇ホームの
運営を民間へ委託することもできる。
43
2.基準について
③各学童保育施設の設置基準
14
15
1小学校区に何箇所
?
公と民の割合
余暇ホーム
設置基準なし
公開余暇活動センター
設置基準なし
家庭内保育室
設置基準なし
余暇ホーム
設置基準なし
公開余暇活動センター
設置基準なし
家庭内保育室
設置基準なし
④施設面積・指導員の基準
16
施設面積最低基準はあるか ?
基準なし
17
指導員一人当たりの子どもの人数
の最低基準はあるか ?
基準なし
18
備考
余暇ホームに関しては、国が定めたガイドラインと規定があるが、コ
ミューン独自の基準はない。余暇クラブに関しては、指針(local
guiding principals)はあるが、基準はない。
運営についてコミューン職員が指導することはほとんどないが、現場
を視察したときに指導員一人当たりの児童数が多かったり、部屋面積
が狭かったりしたら指導(提案)する。
1 グループの平均人数:38 人、指導員一人当たりの平均児童数:20 人
/人
⑤指導員の配置基準
19
有資格者とその他の
指導員の配置基準
配置基準なし。
余暇ホームについては、割合不明(全国では、余暇教育士 :57%、バー
ンシュータレ (Barnskötare/ 専門教育・研修等を受けた有資格者 ) や
就学前教員 :20%、その他 :6%)
余暇クラブに関しては約 87% がバーンシューターレ ( 全国と同程度の
割合)
20
フルタイムとフルタ
イム以外の割合基準
基準なし。
余暇ホームでは、ほとんどがフルタイム勤務。平日は余暇教育士も教
員とともに基礎学校で働く。余暇クラブでは、パートタイム勤務が多
い。午後は余暇クラブ、夜間は余暇ガーデンの指導員として働く。
⑥障害児に対して
21
障害児に対する基準
や予算補助
障害児に対しては特別な予算が加算され、サポーターも加配される。
重度の障害がある等の特別な支援を必要とする場合、特別支援余暇ホ
ームが利用できる。
3.予算について
⑦予算総額・配分
22
予算総額とその内訳
余暇ホーム:1 億 9 千万 SEK/ 年 (2 億 5650 万円 / 年 )。子ども 1 人当
たりの予算に基づき、各余暇ホームへ分配する。
余暇クラブ:500 万 SEK/ 年 (675 万円 / 年 ) ( 施設使用料、人件費等)
44
23
国・コミューン・各
施設への予算の流れ
親が保育料をコミューンへ支払い、コミューンが余暇ホームへ分配す
る。
24
配分条件
( 公立・民間の違い )
余暇ホーム・公開クラブともに、民営であっても予算はコミューンか
ら分配され、財源、費用、料金は全て統一されている。
⑧保育料
25
保育料とその基準
(減免措置など)
余暇ホーム:国のマックスタクサを採用。親の所得の 2% を基本とし、
月額 840SEK(11,340 円 / 月 ) を上限とする。
きょうだいの人数に応じて以下のように異なる。
子ども 1:月額所得の 2%、最高 840SEK(11,340 円 / 月 )
子ども 2・3:月額所得の 1%、最高 420SEK(5,670 円 / 年 )
その他の子ども:無料
(家族の税金控除前の課税対象所得を基礎とし、1SEK まで四捨五入。)
余暇クラブ:700SEK/ 学期(9,450 円 / 学期 )
4.指導員について
⑨指導員の現状
26
法的位置づけとその
内容
-
27
勤務時間
フルタイム:週 40 時間。夏季には数時間程度、勤務時間を増やすこと
もある。
給与
国が示した給与水準を参考にして各学校が予算にあわせて決定する。
採用・給与等を決定する権限は基礎学校長にある。
コミューン内で給与格差がでないようにすることは必要と考えてい
る。
28
5.子どもたちの活動について
⑩子どもたちの放課後の生活
低学年
親が就労し
ている家庭
29 の 子 ど も の
生活
(親の生活) 高学年
備考
開 所 時 間:
( 平 日 )7:00 ~ 8:00、14:00 ~ 18:00、
(長期休業)
8:00 〜 18:00 利用する子どもの人数が少ない場合は、複数の余暇ホームを 1 ヵ所で
保育することもある。土日や時間外に保育が必要な場合は、コミュー
ンが家庭へ保育士を派遣。子どもが病気の場合、両親は休暇を取得可
能(手当有)
開所時間:
(平日)14:00 ~ 18:00、
(長期休業)8:30 〜 17:00 余暇ホーム・余暇クラブは、計画作成や研修機会を提供するため、年
に 4 日間、閉所する権利があり、研修はコミューンが実施するものと
各余暇ホームが実施するものがある。
親が就労し
ていない家
親やきょうだいと一緒に家で過ごしたり、地域のクラブ活動に参加する(コミ
30 庭 の 子 ど も
ューン担当職員の話より)
。余暇ホームが担う教育的機能は家庭が担う。
の生活
(親の生活)
6.今後の課題について
⑪現在の問題点と今後の課題
31
現在の問題
点と今後の
課題
—
45
その他(メモ欄)
■ウプサラ・コミューンの学童保育(skolbarnsomsorg)
・ 余暇ホーム(fritidshem)
:6 ~ 9 歳児対象。就学前クラスと余暇ホームが統合されている(人口
密度の低い地方などで多い形態)
。
・ 余暇クラブ(Fritidsklubb):10 ~ 12 歳児対象。要登録。公開余暇センターを指す。
余暇ガーデン(fritidsgärd・13 〜 18 歳児対象)が同一施設で同一指導員により実施。
・ 家庭保育室(Familjedaghem:6 ~ 9 歳児対象)
・ 余暇ホームの席を確保する申請に関する権利:子どものニーズが基礎となる。
・ 保護者が就労中若しくは就学中であること。
・ 保護者が就労していない場合、特別な理由がない限り利用できない。
・ 余暇ホームに席がある子どもは、きょうだいが生まれた場合や保護者が失業した場合、その後一
ヶ月間席を保持する権利をもつ。
・自らの成長のために身体的、精神的もしくはその他の理由により支援を必要とする子どもには、
その他の形でそうした支援を提供できない場合、余暇ホームに席を提供される。
・ 全ての親権者が席のニーズを申込むことができる(つまり両親が離婚・別居しており各々が親権
を持っている場合は、各々が席を申込むことができる。
)
・親が希望していない限り、子どもが通う基礎学校にある余暇ホームに登録する。
46
≪ドマリンゲン基礎学校(Domarringens Skola)の
余暇ホーム(Fritidshem)視察≫
1
設立時期
-
2
設置・運営主体
公設公営
ドマリンゲン基礎学校(Domarringens skola)
設立時期:1948 年
生徒数(6 ~ 12 歳)
:568 人
クラス編成:2 年生のみ 4 クラス、それ以外(就学前クラス〜 6 年生)は 3
学 年 別 登 録 数 クラス
3
(障害児の割合) 6 ~ 7 歳児(就学前~1年生)
・8 ~ 9 歳児(2 ~ 3 年生)は同じグループ
で過ごす。
学校での活動における責任者:就学前教師、学校教師、余暇教育士
メモ:7 ~ 9 歳児の 99% が余暇ホームを利用している。
4
5
指導員の人数と
・有資格者の割
合
・フルタイムの
割合
・性別の割合
指導員人数
10 人
有資格者:無資格者
= 8 人:2 人(無資格の 2 人は女性。現場経験が長い)
フルタイム:その他
男:女
不明
= 4 人:6 人 男性比率が高い(他では 1 人程度)
メモ:
■余暇教育士の資格をどのようにして取得したか
マドレインさん(女性)
:高校卒業後、大学のコースを履修し、2 年半で
100pt 取得(1985 年当時)
レイスさん(男性)
:大学で、2 年半で 100pt 取得(1985 年当時)
※資格はポイント制なので、必ずしも学士をとっているということではな
い
労働時間:週 41 時間(職場での勤務 39h、放課後の会議等 1h、自宅での準
備等 1h)
コミューンが出している初任給の目安:1 万 7 千〜 1 万 8 千 SEK/ 月(22 万
9500 〜 24 万 3000 円 / 月)その後、平均 3.5% 程度ずつ昇給。
(参考 1)ウプサラで一番高い人が 25 年で 2 万 6 千~ 2 万 7 千 SEK/ 月(35
万 1000 〜 36 万 4500 円 / 月)
(参考 2)教師の場合、労働時間:週 45.5 時間(学校での勤務 35.5h)
初任給の目安:2 万 1 千 SEK 程度(28 万 3500 円)
。学校や担当す
る学年により異なる
活動プログラム(平日・バケーション)
・子どもの1日の生活プログラム
平日
【活動プログラムと子どもの生活プログラム】
開所時間:6:30 ~ 20:30(学校は 8:30 ~ 13:00 頃まで)
長期休業
【親の就労実態】
-
【活動プログラムと子どもの生活プログラム】
ー
【親の就労実態】
-
メモ
目標:
・ 学校の授業内にできなかったことを補う(学校と同様のカリキュラムを使う)
・ あそびや活動を通して学び、社会に出たときに必要なもの(お互いに対する思いやり、友情、
一緒にいることの大切さ、創造性、けんかなどの解決方法、規則、判断など)を身につける
47
余暇ホームでの活動における責任者:就学前教師、余暇教育士
子ども集団のつくり方:
6 〜 9 歳児クラスから成る 80 〜 100 人のユニットが 4 ユニットあり、概ね 100 人の子どもに対して
4 人の大人を配置し、学校と同じ集団で過ごす。 (例)マドレインさんのユニット:就学前・1・
2年生の80人
施設:
・余暇ホームは基礎学校と統合されており、時間帯によって教室等を使い分けている。
・余暇ホーム専用室が 1 室あるが、学校の授業でも使用している。
・20 年程前は、基礎学校から 500m くらい離れた独立施設で実施していた。統合するとき、子ども
が 1 日中、学校内で過ごすことを心配する保護者の意見があったが、現在は満足されている。
(統合されたといっても学校と余暇ホームの役割はそれぞれ異なり、互いに連携・補える部分は補
うというものと考えている)
子どもの送迎時にできる限り一日の出来事や子どもの様子を伝え、保護
者と密にコミュニケーションをとるように努めている。
6
親との連携内容
7
・ 統合されているため、教師と余暇教育士が連携・恊働(相談・打ち合
わせ等)しやすい(そのパートナーシップが子どもによい影響を与えて
いる。
)
・ ユニットごとに教師と余暇教育士がパートナーとして子どもを見てい
るので、学校でできないことを補うことができる。
学校との連携内容
・ 学校内の運営計画やユニットは、就学前教師・学校教師・余暇教育士
で決める。
・授業に参加したり、子どもの半分を外へ連れて出たりする(余暇教育士
は、子どもと一日中接するため子どものことを把握しやすく、親から
の信頼も厚い。
)
8
他の学童保育との
連携内容
余暇教育士との情報交換
9
保育所など乳幼児
施設と連携内容
-
10
11
12
そ の 他 の NPO 団
体・活動団体との
連携内容
他の余暇ホーム指
導員との連携内容
現在の問題点と今
後の課題
コミューンの財政難も一段落し、あとは大規模化が不安。
48
49
≪ドマリンゲン基礎学校の
余暇ガーデン(Fritidsgård)と余暇クラブ(Fritidsklubb)の併設施設視察≫
1
設立時期
2
設置・運営主体
ー
管轄:文化・レジャー部門(学校管轄ではない)
1年生
2年生
3年生
4年生
5年生
6年生
その他( )
メモ
学 年 別 登 録 数 【余暇クラブ】
3
(障害児の割合) 参加対象:10 ~ 12 歳
参加形態:登録制(未登録の子も来ることができるが、設備などが使え ない)
登録人数:182 人(10 歳児:40%、11 歳児:40%、12 歳児:20%、男女比:
1:1)
他学校からも 5 ~ 6 人利用している。
障害児への対応 : できるだけ一緒に過ごせるよう受け入れており、現在障
害児 2 人にはそれぞれサポーターがついている。
(一人は自閉症)
指導員人数
5人
有資格者:無資格者 -
フルタイム:その他 = 3人 : 2人
指導員の人数と 男:女
-
・有資格者の割 メモ
合
指導員体制:ローテーション勤務でバーンシュータレ(ほとんどが男性)3
4
・フルタイムの ~ 4 名が常時配置、余暇クラブと余暇ガーデンは合わせて運営されており
割合
指導員は両事業を担当。その他、障害児のアシスタント 2 名
・性別の割合
労働時間:フルタイム勤務は 40 時間 / 週、
パートタイム勤務は 30 時間 / 週(フ
ルタイムの 70%)それぞれ夜勤が週 2 回(余暇ガーデン開設のため)
給料:18,000 ~ 22,000SEK(24 万 3,000 ~ 29 万 7000 円)
5 活動プログラム(平日・バケーション)
・子どもの1日の生活プログラム・親の就労実態
平
日
【余暇クラブの活動プログラムと子どもの生活プログラム】
開所時間:13:00 ~ 18:00
【親の就労実態】
-
長 【余暇クラブの活動プログラムと子どもの生活プログラム】
期 開所時間:8:30 ~ 17:00
休
-
業 【親の就労実態】
メモ
目的:保護者の就労支援ではなく、子どもの自主的な活動場所
利用料:700SEK/ 学期(おやつ代込/ 2 学期制)
(9,450 円 / 学期)
設置場所:基礎学校敷地内
施設面積:400 ㎡ 開設当初(2003 年)は、サッカー場の隅にあるプレハブ小屋(70 ㎡)だった。
・ 話や読書ができるようにソファを置いたり、創作活動や職員と子ども・子ども同士が会話できる
ように大きなテーブルを置いたりしている。
・ 想像力を養うために図画・工作など創作活動をしたり、自然の中であそび、そこからインスピレ
ーションを受けるようなことを大事にしている
・卓球・ビリヤード等のやや動的な遊びができる部屋、6 年生が使える部屋などあり。
・冬にはサッカー場に水をまいてアイススケート場として使う。氷が張るとみんな外で遊ぶ。
おやつ:基礎学校のカフェテリアから買い取って提供する。1 日に 100 食は提供している。
帰り方:保護者の送迎が多い、または子どもだけで帰宅。送迎時には保護者と話をする。
50
保護者面談や会合などはしていない。学期に一度、クラブの様子を手紙で
伝える。秋に親子アンケートを行い、クラブの評価や、どんなことをした
いかなど調査。
6
親との連携内容
7
・学校敷地内にあるので、日常的に教師や余暇教育士とも会い、蜜に連絡
学 校 と の 連 携 内 が取れる。子どもの成長で一番大事なのは学校だと思う。
・3 月に指導員が 9 歳児クラスへ訪問し、余暇クラブを紹介・勧誘したり、
容
3 年生が 1 学期に学校の授業で余暇クラブを訪問する。
8
9
10
11
12
他の学童保育と
の連携内容
保育所など乳幼
児施設と連携内
容
そ の 他 の NPO 団
体・ 活 動 団 体 と
の連携内容
他の余暇ホーム
指導員との連携
内容
現在の問題点と
今後の課題
―
―
―
年に 1 度秋に、
コミューン内の指導員が集まって話し合い(会議)を行う。
-
その他(メモ欄)
【余暇ガーデン】
目的・管轄:余暇クラブと同様
参加対象:13 歳~ 18 歳
参加形態:登録制(未登録の子も来ることができるが、設備などが使えない)
利用料:60SEK/ 年(810 円 / 年)
2008 年は 100 名が登録
開所時間:18:00 ~ 20:00 火水木は 21:00、金曜日は 23:00 まで
事業の評価として:
6 年生を終了後、異なる活動にはなるが、職員もおなじなので、すんなり入っていける。10 代、思
春期は難しい時期だが、そこを慣れたところで慣れた人と一緒にくぐっていけるというのは安心感
になっていると思う
51
52
8.フッディンゲコミューンまとめ
担当:大谷・松本
≪コミューン担当課職員 Per Hjelm 氏等へのヒアリング≫
1.背景について
①コミューンの地域性
1
面積
2
人口
141 ㎢ ストックホルム県内でストックホルム市を除いて 2 番目に
大きいコミューン
94,000 人
3
基礎学校校数
コミューン立 26 校、民間 6 校
4
基礎学校生数
5
出生率
コミューン立 15,000 人、民間 800 人、
コミューン外の 150 の学校に 1500 人(学校の選択の自由の概念か
ら)
-
6
女性の就労率
就労する女性人口 21827 人
7
待機児童
8
その他の特徴
無 希望があればすぐ利用できる。
■就学前学校、基礎学校、高校、成人教育、余暇活動等、知識コ
ミューンといっていいほど施設が充実している。
■失業率8%
②各学童保育施設
コミューン運営 26 校、民間 5 校
(その他の学校は子どもの年齢が学童保育の年齢ではない。
)
9
余暇ホームの数
10
余暇ホーム設置場所
基礎学校、1992 年より前は学校と別の場所で実施されていた。
11
公開余暇センターの数
1 校のみ実施していない箇所がある。校長がもちたくないという
理由から。現在コミューンが実施を働きかけている
12
公開余暇センター設置場
所
基礎学校
13
家庭内保育の数
-
余暇ホームに通う児童:6-9 歳児の 92% = 3900 人
公開余暇センターに通う児童:10-12 歳児の 30% = 850 人
2.基準について
③各学童保育施設の設置基準
余暇ホーム
14
15
1小学校区に何箇所 ?
公と民の割合
おおよそ 1 箇所(現状)
公開余暇センタ
ー
家庭内保育
余暇ホーム
公開余暇センタ
ー
家庭内保育
おおよそ 1 箇所
公:民= 23:5
施設数はコミューンの財政、子どもの数、場所、等実質的なものによって決められる。
④施設面積・指導員の基準
16
施設面積最低基準はあるか ?
ない
53
17
18
指導員一人当たりの子どもの人数の
最低基準はあるか ?
備考
ない
コミューンによる最低基準はないけれども、国における基準が示されている。
ただし義務はない。コミューンが独自に子どもや親にアンケートなどを行って、意
見を集め、改善すべき点は市議会に報告し検討する。指導員から意見を受ける
こともある。
子ども:大人= 19.1 人 :1 人(現状)
子どもに対するアンケートの内容:性別、安心感しているか(いじめられている)
、運動をよくできるか、
意見が反映されているか、新しい学びがあるか、活動を選ぶことができるか、助けを必要とすると
き近くに大人がいるか、温かく迎えられているか、楽しいか、質を向上させるために貢献すること
があるか。
⑤指導員の配置基準
19
有資格者とその他の指
導員の配置基準
配置基準はない。283 人の指導員のうち 3 分の 2 が有資格者(フリ
ーティスペタゴーグ)
。さらにその有資格者のうち 3 分の 1 が大学
教育を受けている。
有資格(大学教育有)
:有資格(大学教育無)
:無資格= 2:4:3
20
フルタイムとフルタイ
ム以外の割合基準
-
⑥障害児に対して
21
障害児に対する基準や
予算補助
-
3.予算について
⑦予算総額・配分
22
予算総額とその内訳
2009 年予算:余暇ホーム 9800 万クローネ(≒ 13 億 2300 万円)
、
公開余暇センター 580 万クローネ(≒ 7830 万円)
うち 3 割に当たる 2800 万クローネ(≒ 3 億 7800 万円)は保育料か
ら徴収
子ども一人につき年間の手当ては以下の通り。
余暇ホーム 1 年
コミューン運営
民間委託
23
24
国・コミューン・各施
設への予算の流れ
配分条件
(公立・民間の違い)
2009 年
21,331 クローネ(≒ 287,969 円)
22,396 クローネ(≒ 302,346 円)
コミューンが各施設の子どもの人数ごとに分配する。
基本的には子どもの人数によって配分することに違いがない。
ただし、民間委託には消費税分5%が上乗せされる。
⑧保育料
■余暇ホーム在籍の子ども 1 人目:所得の 2%
(最高月額 840 クローネ≒ 11,340 円)
保育料とその基 余暇ホーム在籍の子ども 2・3 人目:所得の 1%
(最高月額 420 クローネ≒ 5,670 円)
25 準
(減免措置など) 余暇ホーム在籍の子ども 4 人目以降:料金無料
■公開余暇センターの料金は 1 人月額 300 クローネ≒ 4,050 円
(活動の材料やおやつのコストに相当する)
4.指導員について
⑨指導員の現状
26
法的位置づけとその内
容
-
54
27
勤務時間
40h/ 週
28
給与
-
5.子どもたちの活動について
⑩子どもたちの放課後の生活
親が就労し
ている家庭
の
29
子どもの生
活
(親の生活)
親が就労し
ていない家
30 庭 の 子 ど も
の生活
(親の生活)
低学年
高学年
平日
6 時半から 18 時まで学童保育開設
朝、学校が始まる 30 分 -1 時間前と、学校が終わった直後に
参加が多い。時間が進むほど徐々に減ってくる。
長期
-
平日
―
長期
-
放課後は家族と過ごす。
あるいは、地域のクラブに参加する。
希望を出せば余暇ホームを利用できる。
■学校の授業は 8 時から 13or14 時まで。
■子どもが学校に行く日:178 日。余暇ホーム・公開余暇センターに行く日:毎日(土日祝日を除く)
6.今後の課題について
⑪現在の問題点と今後の課題
現在の問題
31 点 と 今 後 の -
課題
その他(メモ欄)
■ヒアリング担当者詳細一覧
アン ・ シャロット ・ べイェソンーオルソン (女性) : 余暇ホーム付トムテベリヤ学校副校長
カタリナ ・ エネリス (女性) : トムテベリヤ学校余暇教育士、 仕事の 20%はフッディンゲ ・ コミューンの余暇ホーム 開発に携わる
オーケ ・ ブロムクヴィスト (男性) : 政治家、 基礎学校局の理事長、 こどもと教育問題に関するコーディネート責
任担当、 市議会理事、 全国余暇ホーム開発グループの国会メンバー
ペール ・ イェルム Per Hjelm (男性) : 基礎学校副主任
■社会庁から学校庁への移行によるメリット・デメリット
ルレオ大学が調査をした。その結果、教師のほうはポジティブな評価。
余暇教育士はポジティブではなかった。自分たちのプロフィールがなくなってしまうことを懸念し
ていた。そして準備に費やしていた時間がなくなってしまうと考えた。
学校の先生がなぜ入ってこなかったのかという疑問点が出た。
しかし、個人個人に合った教育をすることができる。
数学の時間に落ち着かない子どもが余暇ホームでは集中する力があるなど、子どもの全体像をとら
えることができ、そのうえで教育方法、活動方法を見つけることができる。
学校は知識を教え込むことに集中できる。余暇ホームは社会性を育てる。と目的を分散できるよう
になった。
学校で間に合わなかったりすることを余暇ホームに持ち帰る。社会の一員となることを学校と余暇
ホームで一緒になって 1 人の子どもを育てることができる。
55
■余暇ホームに通わない子どもは社会性をどこで学ぶか。
余暇ホームに行っていない子ども責任を持つのは親。確かに余暇ホームのほうがいろいろの経験を
できるだろが、選べる権利がある。いかない子どもまで責任をコミューンは持たない。
障害児などは親が家にいても特別に利用できる措置がある。余暇ホームに行かない子はだいたいク
ラブ等に属している子が多い。
56
≪基礎学校 Tomtbergaskolans の余暇ホーム(Fritidshem)と
公開余暇センター(Öppen fritidsverksamhet)の視察≫
1
設立時期
-
2
設置・運営主体
公設公営
1年生
2年生
3年生
4年生
5年生
6年生
その他( )
メモ 基礎学校内【3ユニットある。
】ユニット内の行き来はあるがユニッ
トごとの行き来はない。
3
学年別登録数
(障害児の割合)
A
クラス
F
1 年生
1 年生
B
2年生
2年生
C
3年生
3年生
F
教師
F2名
1名
1名
ペタゴーグ
0名
1名
1名
児童数
24人
25人
25人
1名
1名
1名
実習生1名
25人
25人
1名
1名
F2名
1名
実習生1名
0名
25人
25人
25人
* 「F」 は就学前クラス
4
指導員の人数と
・有資格者の割
合
・フルタイムの
割合
・性別の割合
指導員人数
6人
有資格者:無資格者
-
フルタイム:その他
-
男:女
ー
5 活動プログラム(平日・バケーション)
・子どもの1日の生活プログラム・親の就労実態
【活動プログラムと子どもの生活プログラム】
余暇ホームでは 15:00-16:00 に 月曜日:屋外スポーツ(サッカーなど)
火曜日:ボードゲーム ? 水曜日:屋内スポーツ(バスケットボールなど)
平 木曜日: 音楽、演劇、図画工作 日 金曜日:公園に出る
子どもたちは帰宅のカードがある。
指導員が他の指導員と連絡を取り合うカードもある。コンタクトバロメーター。
【親の就労実態】
ー
長 【活動プログラムと子どもの生活プログラム】
期 -
休 【親の就労実態】
業 ー
6
親との連携内容
-
7
学校との連携内容
自習時間に公開余暇センターが利用できる。
57
8
他の学童保育との連携内容
-
9
-
11
保育所など乳幼児施設と連携内容
その他の NPO 団体・活動団体との連携内
容
他の余暇ホーム指導員との連携内容
12
現在の問題点と今後の課題
-
10
-
-
その他(メモ欄)
◆余暇ホーム
・学童保育専用の部屋がある。
静かにしたい子の部屋も設けられている。
・遊具などは先生と、保護者が作ったものがほとんど。
・外遊びの際、余暇教育士は赤いジャケットを着ている。3ユニットの子どもたちが混ざり合って
遊んでいる。
・学校や保護者から余暇教育士への連絡帳がある
◆公開余暇センター
・10 ~ 12 歳まで。13 歳~ 15 歳も利用することがある。
・7-9年生、休み時間に自由に利用できる。自習時間になった時に使うこともできる。
・6 時半~から18時まで 月曜日から金曜日まで毎日(長期休業も)
・余暇ホームと全く同じ時間にあいている。
・余暇ホームの違い:子どもがいつ何人いるかのコントロールがない
・利用料:300 クローネ / 月≒ 4,050 円 / 月をコミューンに支払う
(保険・おやつ代も入っている)
。30%
・主任スタッフ1名(バーンシュータレ)モニカさん→ここの校長に雇われている。15 年働き続け
ている。
・高学年の休憩室として作られた。家具は子どもたちの意見を取り入れ校長が予算の中で購入する。
・午後は利用料を払った人が使うことが前提だけれども、利用料を払っていない子どもたちも昼間
は入れる。
・ワーキングプランが出される。政府から目標が出され、それを目指して現場は実施する。
・管轄:12 歳までの活動は学校、13 歳以上は文化・レジャー
◆余暇ガーデン
・コミューンには 7 箇所ある。うち 2 箇所は学校内にある。
13 歳以降に利用する場所
学校との連携などは一切ない。
余暇ガーデンではケースワーカーの様な人が勤務している。
(麻薬をしていないかなどのチェッ
ク)
◆特別支援クラス(学校内)
17 人の子どもに対して大人が 9 人(校区がなくコミューン内のあらゆる地域から来る。管轄はコミ
ューン)
タクシー等交通機関の割引制度がある。きちんとしたテーマを与えている。
特別支援クラス終了後は学童保育になる。大人 9 人には余暇教育士もいる。
< 放課後 > 子ども:大人= 12:3
58
↑余暇ホームの静養室
↑赤いジャンパーを着ているのが余暇教育士
↙↑公開余暇センターの部屋↓
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9.スウェーデンの学童保育視察を終えて
- 参加者からのコメント -
学童保育指導員として視察をとおして見えてきたことは、国の制度としてしっかりと就労保障と子どもの
権利条約に基づいた子どもの発達保障が位置づけられ、その方針のもとに各自治体がそれぞれの特性を活か
しながら運営をしていることに大きな意味があると感じました。各小学校単位まではすべてが理想どおりで
はありませんでしたが、国が自治体、自治体が小学校を常に調査して国の方針に近づいた運営が出来るよう
に努力し続けていることが話を通して伝わってきました。
また、現場で働く余暇教育士に求める専門性も研究され、社会的に認められている職業であること、施設
についても子どもたちの視点で考えられていることに日本との大きな違いを感じました。教育の分野として
の学童保育にはじめは抵抗を感じましたが、日本の教育とは違い、教育福祉というような感覚をおぼえました。
保育内容については日本のような集団づくりの視点はほとんどなく、自己決定することだけを優先に考えら
れた部分については違和感を感じましたが一人ひとりの子どもを大切にするという視点に大きな違いは無い
ようにおもいました。
現場で働く余暇教育士の思いを聞くと、教育分野に統合され、子どもたちを一日見通して対応できること
は良かったが、教育の補助的な仕事を放課後にまでしなければならないケースが出てきていること、余暇教
育士は学校教育の補助をするが、放課後に教師の協力を得るケースは難しいとも話してくれました。スウェ
ーデンでも余暇教育士は過酷な労働条件で働いていたのには驚きましたが、現場の職員と仕事について話を
していると共感できる部分がたくさんありました。これからも交流ができればなあと思います。
学童保育指導員としてこれからの学童保育がどうあるべきかを考え、しっかりとめざすものにこだわって
行動することが大切だと確信できる視察となりました。今の私にとってめざすものは子どもへの保育に欠け
る家族への支援と子どもの権利条約にもとづく学童保育です。
( 大阪府吹田市学童保育指導員 川崎みゆき )
日本の学童保育は施策は駄目でも実践の探求はすごい、と惹かれている私にとって、スウェーデン行きに
際しても大きな関心は、実践の視点と内容でした。
特に感動したのは「創造力を育む」というテーマです。森に行き、木の実や葉っぱ、コケ、きのこ、虫な
どと触れ、イマジネーションを高めたり、何かを創作したりということが日常的に行われていて、自然につ
いての知識を持っていることは指導員の専門性の一つともされていました。また、図工室には、フェルトや
画用紙、色鉛筆、子ども用の工具など上質の教材が豊富に揃えられており、子どもの人数も 10 ~ 15 人くら
いと小集団です。刃物や道具を使いこなすことも大事にされていることが伝わってきました。
そんな感動を味わう一方で、何かが違うなぁとの思いも感じました。そしてその違和感を明らかにするこ
とが、この視察の一つの収穫かもしれないと思えたのでした。
スウェーデンの学童保育の社会的な位置づけは確固たるもので、各報告にあるように、働きながら子育て
する保護者や、子ども、そこで働く余暇教育士(労働者)の権利を総合的に保障しようという施策がたてられ、
充実した予算もつけられています。その社会の姿勢には学ぶものが多くありました。しかし、子どもたちへ
の保障を「教育」の舞台で営もうとしていますが、果たしてそれはどうなのか。これと対比する形で「生活」
を舞台にすえることが、とても大切に思えてならないのです。教育とは何か、生活とは何か ・・・。
社会の歴史や文化、生活方式なども大きく影響しているはずなので、一概に良い悪いの判断はできません。
しかし、学童保育が「教育」、とりわけ「学校教育」に統合され、指導員も朝から授業(図工や音楽や体育な
ど)をもち、場所は学校のクラスをそのまま使う、学校/放課後という時間の明確な区切りもありそうなな
さそうな、という状況をいいとは思えませんでした。もちろん教育といっても、スウェーデンと日本の状況
は大きくちがいますが。
60
このような疑問を強く意識できたのには3つの大きなきっかけがありました。一つは、学校庁に行ったとき、
学童保育の目的のひとつに「教育の一環である」と明記されていたこと。二つ目に、案内してくれたほとん
どの余暇教育士が今の状況を誇らしく紹介しながらも、統合以前と比べて「プロフィールがなくなった」「準
備時間などが前のようにとれない」と言っており、それは「学童保育の固有性」
「指導員としての仕事の固有性・
専門性」が薄れたということを意味しているんじゃないか、本人たちも疑問を抱いている部分もあるのでは
ないか、と思えたこと。三つ目に「学童保育が今の形になってから、地域で遊ぶ子どもの姿を見なくなった」
という言葉を聞き、地域資源のあり方として課題もあるのではないかと思えたことです。
今回、日本ではあたり前と思えていたことも、文化や社会システムも違う国を視察、比較することで、色々
と考えることができるようになりました。スウェーデンと日本の学童保育実践の共通テーマは「生きる力を
育む」ということでした。あたり前のことと思われているこのテーマに学童保育は意味を持たせる仕事なだ
けに、どの国にとっても明らかにするのが難しいテーマかもしれません。しかし、難しいテーマであるから
こそ実践の比較研究が進めば、互いに学べるところが多いだろうなぁ、と学問の発展にも期待を抱いた今回
でした。送り出していただいた皆さん、本当に貴重な機会をありがとうございました。
(大阪学童保育連絡協議会事務局 柴田聡子)
外国の空と空気をすいたい、そんな邪道な動機から参加した視察でした。でも行くからにはと心を新たに、
出発の日まで送られてくるたくさんの資料に目をとおす毎日。書いてあることもイメージできずに、どうな
ることかと不安が募っていきました。
でも、スウェーデンに到着したとき、目の前に広がる異国の地の空気、雰囲気、町並み。(よしっ!がんば
って勉強して帰ろう)と改めて感じました。
スウェーデンの学童保育は学校の中で教室との行き来も自由にできて部屋にあるものを自由に使えて、広
くてきれいで…とても充実しているように見えました。子どもたちはみんなで何かをするというよりは与え
られた物(こと)で思い思いに何かをしていました。なにかうらやましいような、こちらとは違うような…。
日本人には日本人の考え方があり感じ方があります。施設や物は充実していて、国や自治体の考え、方針
もきちんとしている。指導員だって専門の学科を出た指導員。でもなにか物足りない、どの学童をみてもそ
う感じてしまいました。みんなで子どもを育てる、生活を保障する学童保育の姿は残念ながらスウェーデン
にはなかったようにおもいました。私たちが求めていくものがすべてではないでしょうが日本の指導員、ス
ウェーデンの施策、環境があれば世界最強とおもいたい、そんなスウェーデンの旅でした。
(大阪府守口市保護者 高宮靖枝)
61
幸運にも視察の機会に恵まれたスウェーデン・ストックホルム。森林や湖、澄んだ空気といった豊かな自
然環境と曇空の色は、90 年代に流行ったスウェディッシュポップの透明感、哀愁、素朴さを思い出させた。
訪問先で迎えてくれたコミューン職員さんや教師・余暇教育士の皆さんはラフでフランクな印象で、職場で
あってもファーストネームで呼び合い対等な人間関係が築かれているようで、個人的には好感が持てた。
視察のなかで最も胸が高鳴ったのは、10 代を対象とした「公開余暇活動センター」を訪問した時。手頃な
料金で、規制が少なく子ども達が溜まることができ、お茶とおやつを食べながら友達や少し年上の大人と話
したり、週末の夜間にライブやダンスなどの自主的活動もできる。さらに、大人になりつつある 10 代の子
ども達の年齢に応じてムードある空間づくりがなされていたり、遊具や家具が備えられていて、成長しても
途切れることなくこのような居場所があるのはなんと素敵なことだろうと興奮した。
スウェーデンの学童保育は、あくまで「学校教育の補完的役割」であり、日本の学童保育とは少し異なっ
ていた(私が関わってきた日本の学童保育(主に大阪市)では、商店へ買い物に出かけたり、クッキングし
たり、疲れて寝入る子の姿が日常的にみられたが、そういうのはなかった)が、法的に国とコミューンの権限・
責任が明確にされている点は評価できるし、子どもが一個人として尊ばれ、ひとりで過ごしたり活動を強要
されずに自由に過ごしていた点、余暇教育士と子ども達の集団がこじんまりしていてアットホームな雰囲気
等は印象的だった。また、教員の仕事場は概ね個室で、教室の傍にミニキッチンやソファ、屋内外に小さな
遊び空間がある等、日本の一般的な小学校とは随分異なっていて、人が長時間過ごす空間に対する意識水準
に大きな差を感じた。
以上、良い点を中心に挙げて感想としたが、ストックホルム大学の教授が「スウェーデンは湖面に浮かぶ
白鳥(優雅にみえるが水面下では必死に水をかいている)」と仰っていて、スウェーデンの暮らしや物事に対
する価値観等をもう少し深く知りたくなった。7 日間という短期滞在の中でどれだけ理解し吸収できたかは
疑問だが、自分の眼で観て聴き体感できたことはとても貴重であり、学んだことを今後の放課後の居場所づ
くりの研究・実践に活かしていきたい。
(大阪市立大学大学院生活科学研究科後期博士課程 塚田由佳里)
62
これまで様々な文献等でスウェーデンにおける乳幼児保育の概要は詳細にわたって伝えられてきていまし
た。ですが、学齢期の子どもたちの余暇活動については一切の報告がなく、今回、私たちが調査をすること
でまず少し概要がみえてきたのではないかと思います。調査を通して印象的だったことは、スウェーデンが
学童期の子どもたちの保育について、試行錯誤を繰り返しながらも果敢に新しい枠組みづくりに挑戦しよう
としていた姿でした。学校庁のヒアリングを通して、余暇ホームのあり方を学校に統合したところ、うまく
機能せず、やはり今後は従来のように、学校と余暇ホームを分けて検討していきたいといた本音が話されて
いました。そんなふうに、制度をどんどん変革させ、より良いものに作りかえようとする、地道な挑戦の姿
を見ることができました。こうしたリアリティあふれるスウェーデンの姿に触れられ大変充実した調査とな
りました。またこれからどう変革を遂げていくのか、この調査団で見守っていけたらと思っています。
最後に、一緒に調査に行った皆さま、本当に充実したひと時をありがとうございました。また松本さん、
本当にお疲れ様でした。
(函館短期大学保育学科 畑千鶴乃)
スウェーデンの視察に福祉国家スウェーデンの学童保育と指導員の資格や位置づけ等を学んだり、知りた
いと思い参加しました。
思った通り、子ども1人にかける必要経費などは素晴らしく、朝は6時半から子どもを受け入れ必要な子
どもには朝食を提供するとか、障害児の子どもたちの学童保育も日本では考えられない(音楽をベッドで寝
ていて体で感じられる部屋、ジャグジー、ボールの中で体をうずめて遊ぶ部屋等)くらい充実していました。
また、教材も豊富で工具(本物の子どもサイズ)、布、工作用具等子どもたちが遊びたいときに自由に使用
できるのにも感動しました。
1997 年に学童保育の所管が社会省から教育省に移行したことで学校内で実施されるようになり、指導員
が職員会議に参加したり、授業中や学校の休憩時にも子どもたちと関わったり、授業を受け持ったり、授業中、
残った課題を放課後指導員が見る等教育的役割が多いのに驚き、日本の学童保育しか知らない私には、その
ことを理解するのにすごく時間がかかりました。
指導員や教師の資格は国家資格ではなく、大学で養成課程が設置されていて、指導員は3年半の専門コー
スを受講し、計210ポイントを取得すれば余暇教育士という学士が与えられるということできちんとした
専門コースがあることが素晴らしく思います。また給与も約33万円(週 40 時労働、夏冬の一時金という
システムはない)と、教師の給与とほとんど変わらないということからも社会的位置づけもきちんとされて
いるのだと感じ、日本も指導員の養成や社会的位置付けを早急に取り組まないといけないと痛感しました。
しかし、余暇教育士になってからの研修や指導員同士の交流・研修会等は日本のほうが充実していると感
じたし、生活づくり、集団作り等保育の内容も日本の指導員の保育へのこだわり、向上心は素晴らしいと思
いました。
特に国の考え方の違いか、スウェーデンでは個人の意見や選択を尊重するということもあり、子ども同士
をつなげる、親同士をつなげるという私たちが大切にしている指導員の役割はあまり感じ取れませんでした。
国がかわれば考え方や施策は変わるのはあたり前かもしれませんが、指導員としての子どもに関わる思い、
自分たちの仕事はどんどん増え、国の施策や予算が変わる中で指導員として働き続けていこうという思いは
同じだということも感じることができました。
もっと言葉がしゃべれたらもっと時間があれば、指導員同士、悩みや思いを交流できただろうと思いました。
この視察にあたり、たくさんの保護者、指導員、組合関係者、団体からカンパをいただき本当にありがと
うございました。この経験を日本の学童保育発展のためにいかせるようこれからもがんばりたいと思います。
(大阪府守口市学童保育指導員 畠中琴代)
63
私のスウェーデン訪問は今回で3度目になりました。初めて訪れたのは日本の保育制度に企業参入が導入
され、市場化へと進む2001年8月でした。その時は保育問題が中心でしたが、学童保育施設を1箇所訪
問しました。施設の広さ、空間はさることながら、国としての位置でけが明確でした。そして、印象的だっ
たのが余暇教育士である学童保育指導員の生き生きした表情で自らの仕事を説明してくれたことでした。こ
れが契機になって一度、学童保育問題でスウェーデンを訪問したいと願っていただけに今回の視察は私なり
の目的をもった視察でした。ちなみに2回目はエスキルスチューナコミューンへ。そして 3 回目の今回は、
走りながらですが3コミューンとストックホルム市オーシュタ、そして、学童保育指導員養成をしているス
トックホルム大学、学校庁と訪問しました。
今回、私がぜひとも知りたかったことのひとつは指導員(余暇教育士)の資格とその養成内容でした。結
果は資格そのものが日本のシステムと違っていたこともありますが、それなりの成果があった視察でした。
スウェーデンでは女性の7~8割が就労していることから社会全体の産業を支える不可欠の労働力になっ
ています。ですから、学校教育とともに学童保育はスウェーデン社会ではしっかりと確立、定着しています。
ここが日本政府との最も大きな違いだと思います。
学童保育指導員である余暇教育士の養成も大学で実施し、給与規定も各コミューンで決めています。賃金・
条件については教師との差はあるものの日本の指導員とは賃金、労働条件など社会的地位は比較にならない
ほどスウェーデンのなかでは職業として確立されていました。
課題は余暇教育士を希望する人が少ないことと学童保育内容です。日本でも共通していますが、全体とし
て学校教育の補完的内容の側面が多くなっていることに対して余暇教育士からも子どもの発達の視点からみ
ても不満の声が出ていました。
日本においても今後、
「子ども・子育てビジョン」で大きく学童保育を量的拡大していくとしています。「質」
の確保をしていくにはどうしても学童保育指導員の資格問題と同時に賃金、労働条件を国が財政保障を含め
て検討していくことが今日的課題になっています。
私は引き続きスウェーデンの学童保育制度を正確に把握していきたとの思いを残しながらも、今回のスウ
ェーデン視察の成果とともに、一緒に参加をした仲間のみなさんとの出会いが再び訪れることを楽しみにひ
とまずピリオドをつけます。 ( 大阪保育研究所 前田美子)
これまで私は放課後子どもプランにおける学童保育のあり方を研究してきたことから、福祉国家スウェー
デンにおける放課後施策全般的の中で学童保育がどう位置づけられているのかにとても興味がありました。
実 際 に は、 共 働 き 家 庭 の 割 合 が 非 常 に 高 い た め 小 学 校 低 学 年 の 児 童 に は 余 暇 ホ ー ム、 高 学 年 に な る
と 公 開 余 暇 セ ン タ ー や 余 暇 ガ ー デ ン が 設 置 さ れ、 日 本 の よ う に 保 護 者 の 就 労 状 況 に よ る 施 策 の 違 い
等 は 見 ら れ ま せ ん で し た。 ま た コ ミ ュ ー ン 担 当 者 課 職 員 の「 学 童 保 育 の 利 用 を 必 要 と し な い 子 ど も
の放課後は親の責任です。」という言葉が印象的でした。
ほとんど全ての低学年児童が利用する余暇ホームは「学校の補完的役割」が中心で日本の学童保育で
大切にされてきたような「生活の場」という視点はあまり把握できませんでした。しかし、専門資格があり
職業としても確立された指導員と十分な活動空間の中で実施される活動はとてもゆったりと感じられました。
また発達段階に応じて提供される高学年の居場所は日本にはない斬新な空間でとても刺激的で魅力的でした。
ストックホルム大学のマーリン先生とその後メールで何度かやり取りをさせていただく中で、「今度はぜひ
日本の学童保育を見てみたい」「もっと十分時間をとって、学童保育について議論がしたい」とのご連絡まで
いただきました。私たちが伝えた日本の現状に興味をもってくださったこと、そしてスウェーデンの学童保
育もまだ試行錯誤の段階であるということが伝わってきました。これまで私はスウェーデンは学童保育の先
進国であり、
「学ばせていただく対象国」というどこか受け身な部分がありました。しかし、今後はともに学
びあえるようなより良い研究交流が続けられれば幸いです。
最後になりましたが、今回の視察コーディネートを引き受けてくださり、いつも適確なアドバイスとたく
さんの翻訳資料をご提供くださったコーディネーターの瀬口さん、当日、長時間の通訳をご担当下さった岡
本さん、そしてお忙しい中、視察にご協力いただいたコミューン担当課職員、現場指導員の皆様に感謝申し
上げます。 (奈良女子大学大学院人間文化研究科博士後期課程 松本歩子)
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一番印象に残っている言葉が 「子どもの幸福感」 でした。
子どもが幸せなら、親 ( 大人も ) 幸せという事でしょう。その言葉通り、スウェーデンの子ども達は、どの
子も明るくフレンドリーで気さく、声をかけるとハイタッチで答えくれました。
福祉大国には、移民も多く、ウプサラの小学校では、30ヶ国の子ども達が来ていると聞きました。
初日のハーニンゲコミューンの会議室の壁には、オブジェのようにフックがいろんな高さに付けられてい
るのにびっくりしたのと同時に、今まで私が触れた事がない自由な発想がここに在る事を感じ、嬉しくなっ
たのを覚えています。
お土産に持って行った独楽をまわすのに、子どもの後ろから、手を添えてまわす時、子どもの腕や身体に
力が入っているとうまくまわらず、身体をこちらに委ねてくれるとそのまままわってくれる。
初対面の他国から来た私たちをそのまま受け入れてくれたように、独楽は廻ってくれました。
過密なスケージュールの中、絵画の世界に入りこんだような北欧の町を観光するのに、場所やバスの時間
をチェックしてくれる仲間のお陰で観光も出来た事に感謝しています。走りながらの観光も今ではいい思い
出となりました。
帰国後、フックの話をした所、フックは、移民の象徴であり文化なんだと聞き、合点がいった気がしました。
また、社会主義の中では、すべての子どもが同じ教育を受ける権利を保障するとあり、その観点からも学
童保育の充実は、国を挙げてのプロジェクトになっている事も分かったが…
その学童保育では、随分先をいっている印象でしたが、実際には、この世界経済危機のあおりも有り、指
導員の置かれている立場は社会的にも低い事も分かりました。一方、日本の学童保育が何もかもがっかりで
は無く、むしろ、学会に関しては、日本の中で専門性研究会が世界初を目指してやり抜くんだという思いが
ふつふつと自分の中から湧いてきたのは、言うまでもありません。
中山先生、前田さん、次はどこの国へ研修旅行に行きましょか?
(神戸市児童館職員 李春伊)
【参加メンバー 一覧(50 音順)】
大谷由紀子(摂南大学)
・川崎みゆき(吹田市学童保育指導員)
・齋藤功子(畿央大学)
柴田聡子(大阪学童保育連絡協議会)
・高宮靖枝(守口市保護者)
・立松麻衣子(九州女子大学)
田中智子(兵庫県立大学)
・中山徹(奈良女子大学)
・奈良岡緑(奈良女子大学)
・
塚田由佳里(大阪市立大学)
・畑千鶴乃(函館短期大学)
・畠中琴代(守口市学童保育指導員)
・
前田美子(大阪保育研究所)
・松本歩子(奈良女子大学)
・李春伊(神戸市児童館職員)
65
2009 スウェーデンの学童保育視察報告集
2010 年 4 月 29 日発行
発行 大阪保育研究所
大阪学童保育連絡協議会
大阪市中央区谷町 7 丁目 2-2-202
TEL 06(6763)4381
印刷 誠貴印刷
大阪市北区天神西町 1-6-103
TEL 06(6313)3418