過去問1

平成 20 年度マクロ経済学 I 期末試験
板谷淳一
以下の問題にすべて答えよ。200点満点。
1.現在の年収が400万円で、1000万円の貯金を持っている30歳の L は、60歳まで
FBI のエージェントとして働く予定です。しかし、彼は70歳で死ぬとデスノートに書かれ
ているため彼の寿命は70歳で終わることが確定しています。彼の年収および毎年の
消費額は同額です。ただし、利子率はゼロを仮定します。また、L には子供がいない
ので、L は遺産を残しません。以下の問いに答えなさい。計算結果は(約分された)分
数でもよい。
(1)限界消費性向を求めなさい。
(2)平均消費性向を求めなさい。
(3)このような消費理論はなんと呼ばれますか。
(4)問い(3)の消費理論は、ケインズの短期消費関数とクズネッツが発見した長期
の消費関数の矛盾をどのように解決しているかを説明しなさい。
注意:問題とは関係ありませんが、デスノートとは、それに名前が書かれた人間は
死ぬとされている架空のノートです(映画『デスノート』より)。念のため。
2.生キャラメルとリンゴのみを生産している国民経済を考えます。この国民経済の基
準年と比較年における上の2財の価格と生産量が下の表で与えられています。以下の
問いに答えなさい。計算結果は(約分された)分数でもよい。
価格
生産量
基準年
生キャラメルひと箱=800円
リンゴ1個=100円
生キャラメルの生産量=100箱
リンゴの生産量=100個
比較年
生キャラメルひと箱=800円、
リンゴ1個=200円
生キャラメルの生産量=200箱
リンゴの生産量=200個
(1)基準年および比較年の名目 GDP を求めなさい。
(2)比較年の実質 GDP を求めなさい。
(3)比較年の GDP デフレーターを求めなさい。
(4)GDP デフレーターはなに物価指数と呼ばれていますか。
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(5)比較年の消費者物価指数(CPI)求めなさい。
3. 下表は産業連関表である。これを見て下の問いに答えよ。(40点)
産出
投入
中 農業
間
投 工業
入
付加価値
中間需要
農業
工業
40
A
20
40
40
30
最終需要
30
B
(1) 表中の空所 A および B を求めよ。
(2) GDP を求めなさい。
(3) 投入係数行列を求めなさい。
(4) 工業部門の最終需要が50%を増加した場合、農業部門および工業部門の総生
産量はいくら増加するかを求めなさい。
(5) 産業連関分析の問題点を一つあげなさい。
(6) 最初に産業連関分析を提案したのは誰か。
4. ある国の経済が
財市場の均衡条件式: Y  C  I  G
消費関数: C  0.8Y ,
投資関数: I  60  r ,
政府支出: G  20 ,
貨幣需要関数: L(Y , r )  Y  2r 、名目貨幣供給 M  330 、
で表されています。ただし、物価水準は1に固定します。以下の問いに答えなさい。
(1) IS 曲線および LM 曲線を求めなさい。
(2) 均衡GDPを求めなさい。
(3) 均衡利子率を求めなさい。
(4) 政府支出を G  34 に増加した時、クラウディングアウトされる民間投資の量を求め
なさい。
(5) 政府支出を G  20 のままで、名目貨幣供給を M  365 に増加したときの均衡利
子率を求めなさい。
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5.以下の問いに簡単に答えよ。
(1) 景気循環過程において、もっとも激しく変動する総需要項目は何か。
(2) 企業は乗数過程において、何をみて生産調整を行うか。
(3) ハイパワード·マネーとマネー·サプライの関係を述べよ。
(4) GDP と GNP の違いを説明しなさい。
(5) 日本銀行の3つの金融政策を述べなさい。
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