研究・調査報告書 分類番号 A-132 報告書番号 担当 13-056 滋賀医科大学社会医学講座公衆衛生学部門 題名(原題/訳) Impact of the number of parents with alcohol use disorder on alcohol use disorder in offspring: a population-based study. 両親のアルコール使用(飲酒)障害が子供のアルコール使用(飲酒)障害に及ぼす影響に ついて 執筆者 Yoon G, Westermeyer J, Kuskowski MA, Nesheim L. 掲載誌 J Clin Psychiatry. 2013 Aug;74(8):795-801. doi: 10.4088/JCP.13m08350. キーワード PMID AUD(アルコール使用障害) 、親、子、影響 24021496 要 旨 目的: 親のアルコール使用障害(AUD)は子のアルコール問題の危険を増加させるが、全国的な一般集 団において生物学的な親が AUD(両親とも該当せず、片親が AUD、両親が AUD)である子のオッ ズを評価した研究はない。本研究は、AUD である親の数と、子の AUD の関係性を調査すること である。 方法: 本研究は 2001-2002 年の National Epidemiologic Survey on Alcohol and Related Conditions (アルコール使用障害(AUD)と関連した障害のインタビューを DSM-IV を用いて実施)を用い た。対象者は 40,374 人で、AUD である子の AUD である親の数について検討した。サブグルー プ解析として、性別による違いについても検討した。 結果: アメリカにおいて成人の 22%が少なくとも生物学的な片親が AUD であった。両親が AUD ではな い子と比較すると、 生涯に AUD になる確率は片親が AUD である子は 2.5 倍(AOR = 2.51; 95% CI, 2.38-2.66)、両親が AUD であると子は 4.4 倍(AOR = 4.44; 95% CI, 3.93-5.02)、増加した。 子の AUD のオッズ比は AUD である親の数に対して相加的に増加した。女性の子は男性の子よ りも親が AUD であることの影響を受けやすいということも分かった(OR = 1.17 片方の親の場 合; OR = 1.48 両親の場合) 結論: AUD の親をもつ子は生涯の AUD リスクが AUD である親の数に比例して相加的に高くなることが 分かった。このリスクを認識することは、医療者にとって AUD 患者である親を持つ子への介 入や予防のための教育を行う際に有益である。
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