特集 便秘ケアを極める−患者の安全・安楽を重視したアセスメントとケア 痔核のスキンケア 山本亜矢 YAMAMOTO Aya 溝上祐子 MIZOGAMI Yuko 日本看護協会看護教育研究センター看護研修学校皮膚・排泄ケア(WOC)学科 肛門の構造と痔核 *直腸の最後にあるのが肛門管(長さ2.5 〜3.5cm ほど)で,肛門は体外への排泄口となっている. *痔核は,肛門周辺部の静脈叢の血行障害が発症要因と考えられる. *直腸肛門線より上にできる痔核を内痔核,下にできる痔核を外痔核という. 痔核のスキンケア *シャワー浴や入浴によって,血液の循環を改善・促進する. *洗浄(温水洗浄便座,簡易シャワーボトルなど)によって,肛門部の清潔を保つ. *洗浄後に撥水性クリームを塗布して,便の付着や外的刺激から皮膚を保護する. *パッド類(尿取りパッド,生理用ナプキン,産褥パッドなど)を使用して,肛門部からの出血,疼痛の 緩和や湿潤を予防する. はじめに 一般に便秘は,糞便が長時間大腸内に停滞しているために,糞便中の水分が少なくなり,便 の排出に困難を伴う状態になることで起こる症状で,3 〜4 日以上排便を欠く状態である. 便秘になると,硬便を排出するため強い怒責を繰り返し,直腸肛門管周囲の静脈がうっ血す るため,痔核を形成しやすくなる 1).また,痔核を形成することで,排便時に痛みが生じるた め,便意をこらえるようになり,便秘を誘発する.便秘と痔核形成は裏表一体の関係といえる. 本稿では,痔核の予防を含めたスキンケアに焦点をあて,エビデンスの探究を試みる. 肛門の構造と痔核 知識 解剖学的には,直腸の最後にあるのが肛門管であり,肛門は体外への排泄口となっている. 肛門管の長さは2.5 〜3.5cm ほどである 2). 静脈は,動脈と同じように直腸肛門線(歯状線)を境として分布が異なっており,これより 上が上直腸静脈,下が下直腸静脈,中間部には中直腸静脈がある.静脈は,粘膜下を流れてお り,部位によって痔核の形成にかかわる静脈系が異なる. ● 58 (330) EBNURSING Vol.9 No.3 2009 一般に,直腸肛門線より上にできる痔核を内痔核,下に できる痔核を外痔核という(笊) . 直腸 肛門 挙筋 歯状線 このような解剖学的点から,痔核は肛門近くの静脈がた くさん集まっている部分(静脈叢)に血液がたまることに よって形成される.つまり,肛門周辺部の血行障害が痔の 櫛状線 直腸静脈叢 直腸静脈叢 内肛門括約筋 発症要因であると考えられる. 渡部ら 3)が,17 名の被験者に対して行ったサーモグラフ 内痔核 外肛門括約筋 肛門 ィーによる温度測定調査によると,痔核症状がない人とあ る人の肛門周辺部の体温は,痔核症状がない人のほうが高 く,肛門部の血液循環がよいことが認められている.この 肛門静脈叢 外痔核 肛門静脈叢 笊 肛門の構造と痔核 調査研究からも痔核の発症は,肛門周辺部の血行障害と関 連していると示唆される. また,肛門は,排便のときに大きく開いて閉じるという動作を繰り返して行う.つまり,皺 ができやすい部位でもある.紙で便を拭き取るということは,皺の間に便が付着してしまうた め,清潔を保つことはむしろ困難であると考えられる. 特に,痔核の場合は皮膚が平坦ではないため,便が付着しやすい状態である.清潔を保とう と何回も紙で拭き取ることで,機械的刺激を与えることにつながり,出血や痛みの助長など痔 核の悪化につながると考えられる. 痔核のスキンケア 推奨 ケア 「痔核のスキンケア」に特化した調査研究を医学論文で検索したが,ほぼ皆無であった.現 段階では,前述した解剖学的視点およびエキスパートオピニオンとしてのケア方法を提示する. 血液循環の改善・促進 シャワー浴や入浴の実践 前述した渡部らの調査研究から,痔核の発症は,肛門周辺部の血行障害と関連していると示 唆されるため,シャワー浴や入浴によって身体を温め,血液の循環をよくすることは,痔核発 症の予防,ケアとして有効であると考えられる 4).また,肛門周囲の清潔保持も期待できる. 温水洗浄便座の使用 日常生活の中に,肛門部を冷やさない道具を取り入れることも一つの方法である.温水洗浄 の機能がついた便座は,便座の温度を設定することができるほか,肛門部を洗浄して清潔を保 ち,感染症の予防も期待ができる.すでに痔核を発症している場合は,出血や痛み,腫脹を改 善するうえでも効果的である. EBNURSING Vol.9 No.3 2009 (331) 59 ● 洗浄 「血液循環の改善・促進」のケアと重複するが,痔核のケアは 清潔が第一である.紙での頻回な拭き取りは機械的刺激を加え, 出血や痛みの助長につながるため,排便後の肛門部の温水洗浄が 必須である.温水洗浄便座の使用が簡便で効果的であるが,ない 場合には簡易シャワーボトルなどを使用し,温水で十分に洗い流 すことが必要である. 近年,旅行や出張など,外出先で気軽に使用できる携帯用おし ® 笆 トラベルウォシュレット (T O T O 株式会社) り洗浄器(笆)が数社より販売されている.外出先での肛門部洗 浄には非常に有用であると考えるが,痔核の予防ケアにおける携 帯用おしり洗浄器の有用性については,医学的論文が皆無であっ た. そこで,携帯用おしり洗浄器(トラベルウォシュレット ® )を 製造,販売している TOTO 株式会社に問い合わせしたところ, トラベルウォシュレット ® は医療器具ではないため,病気・疾患 との因果関係や効用については回答をもち合わせていないとのこ とであった.今後,医学的な視点から,痔核の予防ケアにおける ® 笳 リモイス バリア(アルケア株式会社) 携帯用おしり洗浄器の有用性に関する調査研究が必要であると考 える. 撥水性クリームの使用 前項の「肛門の構造と痔核」で述べたが,すでに痔核を発症している場合は皮膚が平坦では ないため,便がつきやすい状態にある.肛門部の洗浄後に撥水性クリームを塗布することで, 便の付着や外的刺激から皮膚を保護することができる. 最近発売されたリモイス ® バリア(笳)は,弱酸性の撥水性スキンケアクリームであり,pH 緩衝能によりアルカリ性の排泄物の刺激を和らげるとともに保湿成分が配合されているため, 痔核の予防ケアに有効であると考える. パッド類の使用 痔核症状の程度には,肛門部からの出血,疼痛,脱出が挙げられる.出血や分泌物の量によ り,尿取りパッド,生理用ナプキン,産褥パッドの選択が可能であると考える. それぞれ,①高分子吸収ポリマー層で吸収し逆戻りを防ぐ,②通気性シートによりムレを 防ぐ,③抗菌消臭シートや抗菌ポリマーの配合により雑菌の繁殖や臭いを防ぐといった構造や 特徴をもっているため,出血,疼痛の緩和や湿潤予防の目的に,パッド類を使用することは有 用であると考える. ● 60 (332) EBNURSING Vol.9 No.3 2009 便秘ケアを極める−患者の安全・安楽を重視したアセスメントとケア 特集 おわりに 今回,痔核の予防を含めたスキンケアに焦点をあて,国内外の医学論文の検索を行ったが, そのほとんどが疾患と治療に関する論文であり,スキンケアに特化した調査研究は皆無であっ た.現段階では,筆者も含め皮膚・排泄ケア領域でのスキンケアの知識,技術の実践にとどま っている状況にあるといえる.今後,便秘ケアにおけるスキンケア領域のエビデンスとなる研 究の構築が望まれる. 本稿で取り上げた文献の検索方法 1.検索方法 蘆医中誌 Web キーワード:「痔核 and いきみ」「便秘」「痔核 and スキンケア」 「痔核 and ケア」 蘆 PubMed キーワード:「hemorrhoids,skincare,skin health」 文献 1) 早川有子ほか:便秘のケア.助産雑誌 2004 ; 58(4) : 352-359. 2) 早川有子ほか:痔のケア 前編.助産雑誌 2004 ; 58(5) : 453-458. 3) 渡部裕美子ほか:若年女性の痔核保有の実態と肛門引き締め運動のサーモグラフィーでの温度変化.栃木母性衛生 2000 ; 27 : 27-34. 4) 早川有子ほか:痔のケア 後編.助産雑誌 2004 ; 58(6) : 546-551. 参考文献 TOTO ホームページ http://www.toto.co.jp/ 辻あさみほか:低位前方切除後患者の排便機能障害の実態と克服するための指導.和歌山県立医科大学保健看護学部紀要 第 3 巻. 2007. p.5-15. Miedel A, et al.: Nonobstetric Risk Factors for Symptomatic Pelvic Organ Prolapse. Obstet Gynecol 2009 ; 113(5): 1089-1097. EBNURSING Vol.9 No.3 2009 (333) 61 ● 特集 便秘ケアを極める−患者の安全・安楽を重視したアセスメントとケア 便秘を訴えられない人への対応 −認知症・意識障害患者 (利用者) のアセスメント・観察・ケア− 菊池小百合 KIKUCHI Sayuri 須江弥生 SUE Yayoi 佐久市介護老人保健施設みすず苑 Q 認知症患者(利用者)に対する排便ケアの意義とは? *認知症患者(利用者)に対しては,認知症の症状に対してケアを行うのではなく,生活している一人の 人間として,個別性を重視したケアを行うことが重要とされている. *認知症患者(利用者)は,身体機能の低下に加え,便意を認識できない・正確に訴えられない,トイレ の場所がわからない,下着を下げること・いきむことを忘れるなど,一連の排便行為がスムーズに行わ れないことで排便の乱れが起こりやすい. *便意を認識できない場合などでは,落ち着かない行動を誘発したり,自己摘便や便失禁,弄便行為に至 ることもあるため,認知症患者(利用者)の出すサインを見逃さず,代弁・代行者として適切なケアを 行うことが求められる. Q 認知症患者(利用者)の便秘に対する有効なアセスメントは何か? *入院(入所)前の排便習慣および入院(入所)後の排便パターン,排便時の言動を観察し,ケアスタッ フ間での共通認識とする.さらに排便日誌,排泄チェック表など1 日の排泄状況を記録することが有効. *便性の共通評価基準を設けることが必要.国際的には「ブリストル便形状スケール」が開発されている. Q 認知症患者(利用者)の排便に有効なケア方法は何か? *認知症の症状・身体機能を見極め,座位が可能である場合は排泄誘導が効果的. *食事・水分量と排泄は密接な関係がある.介護施設では栄養ケア・マネジメントが行われている. *緩下剤を使用する際は医師と相談し有効な方法を検討する. はじめに 2008 年国民の福祉の動向 1)によると, 「何らかの介護・支援を必要とする認知症がある高齢 者(認知症である高齢者の自立度Ⅱ以上)は,2015(平成27)年までにおよそ100 万人増え て250 万人に,2025(平成37)年には323 万人になる」と推察されている. 世界の中で最も速く高齢化が進んでいる日本にとって,認知症をもつ人のケアは,今後ます ます医療・介護の現場において重要性を増してくるであろう.そこで本稿においては,認知症 ● 62 (334) EBNURSING Vol.9 No.3 2009 あるいは意識障害をもつ患者(利用者)の排便ケアについて,現状でのエビデンスを踏まえな がらA 介護老人保健施設(以下,A 施設とする)での実践をもとに考察を行う. 認知症患者(利用者)に対する排便ケアの意義とは? 知識 従来,認知症の症状には,物忘れ・見当識障害・判断力障害を中心とした中核症状と,その 他に現れる精神症状あるいは問題行動を周辺症状と呼んできた.しかし,近年では「痴呆症状 を単純に中核症状と周辺症状に分類するのではなく,多彩にみえる痴呆症状を〈元の障害〉と, その〈障害の結果出る心の反応〉 (最近ではbehavioral and psychological symptoms of dementia :BPSD,痴呆の行動・心理症状) 」2)ととらえ,パーソンセンタードケア(person-centerd care)3)に代表されるような,認知症の症状に対してケアを行うのではなく,生 活している一人の人間として,個別性を重視したケアを行うことが重要とされている. 高齢者の排便の特徴 4)については,義歯・歯牙喪失などによる咀嚼機能の低下,胃液分泌量 低下による消化吸収力の低下,足腰の筋力低下や関節の異常などに起因する排泄動作の支障な ど,身体機能の低下によって排便の乱れが起こりやすいとされている. さらに,認知症患者(利用者)は高齢者の排便の特徴に加え,便意を感じても正確に訴える ことができない,トイレの場所がわからない,下着を下げること・いきむことを忘れるなど, 一連の排便行為がスムーズに行われないことで排便の乱れが起こりやすい. 「総蠕動は,日に1 〜2 回しか起こらない」5)といわれており, 「食べ物や飲み物が胃に入ると, 胃結腸反射が起こって,結腸の蠕動が起こる」5).すなわち,便意を感じたら我慢せず排便行為 を行うことで快適な排便が得られるのであるが,認知症患者(利用者)では,便意を認識する ことができない,あるいは訴えられない事例もあり,その場合,徘徊・不安表情など落ち着か ない行動を誘発する可能性がある.さらに,肛門を塞いでしまった便を自分で出そうとする自 己摘便や,排便を我慢することができず,便失禁に至った場合,不快感を感じての弄便(便を いじる)行為に至る場合もある. 看護師は,認知症患者(利用者)の出すサインを見逃さず,代弁・代行者として適切なケア を行うことが求められる. 認知症患者(利用者)の便秘に対する有効な アセスメントは何か? 推奨 ケア 効果的なアセスメント方法 排便ケアを行ううえで,認知症患者(利用者)の記憶力・場所に対する認識力・判断力・コ ミュニケーション能力などに関して,正確にアセスメントすることが重要である. EBNURSING Vol.9 No.3 2009 (335) 63 ● 認知症というだけで何もできないわけではなく,具体的に何ができて何ができないのかを把 握し,患者(利用者)の残された力に視点を置き,プライドを傷つけないようケアを行うこと が重要である. 具体的には,入院(入所)前の排便習慣および入院(入所)後の排便パターン,排便時の言 動を観察し,ケアスタッフ間での共通認識とする.さらに,排泄チェック表などに1 日の排泄 状況を記録することが有効である. この記録の有効性に関して,記録を排便に限定して行った研究はなかったが,宮本 6)らが回 復期リハビリテーション病棟で52 〜90 歳(平均70.4 歳)の高齢者で排尿障害をもつ人17 人 に対して行った,排尿パターンチェック表に基づく援助が排尿自立へ効果的であったことや, 倉澤 7)らが排尿障害をもつ4 症例に対して行った排尿日誌への記載を通じ,日誌の情報が排尿 状態の判断や診療に活用できるという報告から,排便(便秘の改善)ケアを実施していくうえ でも有効であると考えられている. また,便性を共通イメージで理解できるように,便性の共通評価基準を設けることも必要で ある.評価指標として,国際的には「ブリストル便形状スケール」8)が開発されている(本ス ケールについては本特集「便秘のアセスメント」 〈p.12〉を参照) . 1)入所時点でのアセスメント ①認知症の程度…………………物忘れの程度,場所に対する認識力の程度,正確に言いたいことを伝え られるか否かといったコミュニケーション能力 ②排泄パターンと対処方法……排便の頻度,排便時自立の有無とその程度,具体的な援助内容(排泄誘 導の有無と具体的方法,内服薬,浣腸など含む) ③着用下着の種類………………布または紙パンツなどの種類とその理由 ④身体機能………………………安定した座位姿勢の可否,麻痺・拘縮の有無,痛みの有無と程度 ⑤食事内容………………………嚥下の状態,食事の具体的内容と使用物品,嗜好品の有無,排便に対し ての特別な食品摂取の有無と摂取時間 ⑥口腔の状態……………………義歯・残歯の有無 ⑦家族への了解…………………排泄誘導方法・薬物使用などに対して,家族に説明・了解を得る *入所時のアセスメントとして,認知症患者(利用者)の認知機能の程度によって,家族または前生活場所での援助スタ ッフ,あるいは担当介護支援専門員からの聴取が必要となる場合が少なくない.認知症患者(利用者)は,自ら体調の 不調を訴えることが不十分であることが多く,入所時点でのより詳細な情報がその後のケア内容に大きな影響を及ぼす 2)入所後早期(2 〜 3 日)でのアセスメント ①排泄チェック表により入所後の排便状況の観察 ②入所後排便があった場合は,排便時の言動を把握 ③排泄誘導方法の再検討 ④医師と相談し緩下剤の検討 ⑤食事・水分摂取状況の観察,栄養士と相談し食事内容の検討 ⑥義歯使用時は不具合がないかを観察 3)入所長期での評価と再アセスメント ①排便状況の把握 ②食事摂取状況の観察と再検討 ③水分摂取量の把握 ④医師と相談し緩下剤の再検討 ⑤排泄誘導方法など具体的ケアの再検討 笊 A 施設でのアセスメント項目 注)A 施設での事例をもとに行ったため,入所という言葉を用いた. ● 64 (336) EBNURSING Vol.9 No.3 2009 便秘ケアを極める−患者の安全・安楽を重視したアセスメントとケア 特集 アセスメントの項目例 上記のアセスメントの具体的な展開について述べる. A 施設で実際に行われている内容をもとにアセスメント項目を笊のように整理した.アセス メントは,入所後の経過に即して実施している. 特に,入所早期の段階においては, 「3 日以上排便がない場合を便秘と考える」9)ということ から,入所3 日目には評価を行う必要がある.A 施設の排泄チェック表(笆)は記号で記載し, 1 日の排尿,排便の状況,緩下剤使用の有無が記載される.なお,排便時の言動については別 紙に記載される. 認知症患者(利用者)の排便に有効なケア方法は 何か? 推奨 ケア 排泄誘導 排泄誘導の有効性 排便の乱れは,食事摂取状況に影響を与えるほか,徘徊・不潔行為を誘発する可能性が高い ことから,看護上の問題として取り上げられることが多い.その際,改善策の一つとして行わ れているのが排泄誘導である.排泄誘導の効果については排尿についての研究でエビデンスが あり,以下にそれを紹介する. 失禁のタイプ 10)としては,腹圧性尿失禁,切迫性尿失禁,溢流性尿失禁などがあるが,認知 症患者(利用者)に多い失禁としては,一連の排泄行為が認識できないことによる機能性尿・ 便失禁 11)が多く,失禁を予防・改善するうえでも,患者(利用者)の個別性を重視した排泄誘 導は効果的といえる. 西村 12)は, 「排尿誘導は,認知症やADL 障害による機能性失禁をもつ高齢者のために,ア セスメントとしても,また失禁予防対策としても行われる方法である.日本語では,排尿誘導, 氏名 使用薬品名 0:00 3:00 6:00 9:00 11:30 13:30 14:30 16:30 19:00 21:00 排泄回数 A B C D E 排尿:失禁あり=○ 自尿あり=◎ トイレに座ったが出ない=△ 排便:普通便 =Ⅰ 軟便=キ 泥状便=≠ 水様便=S 粘液便=U 笆 A 施設の排泄チェック表 EBNURSING Vol.9 No.3 2009 (337) 65 ● トイレ誘導という言葉で表現され,ケアの場でもあまり細かく使い分けられていることはない が,アメリカでは,その方法によってPrompted Voiding(排尿自覚刺激行動療法) ,Habit training(習慣化排尿誘導) ,Timed Voiding(定時排尿誘導) ,と分類されている」と紹介 したうえで,適切な排泄誘導を行うことでの有効性を述べている. 広中ら 13)は,認知症病棟に入院している42 名の患者の排泄誘導と失禁率との関係の調査研 究を行い,尿意がない全介助の患者17 人,ゴソゴソするなどの態度のある患者7 人に排泄誘導 を行ったところ,全介助の患者の尿失禁率が62.3 %に,態度のある患者の尿失禁率が44.5 % にそれぞれ低下したと報告している. A 施設での実践とその効果 A 施設では,2002 年より利用者の積極的な座位排泄に取り組んでおり,定期的に時間を決 めての定時排泄誘導や,尿・便意を訴えた時点でトイレに誘導するなどの方法を行っている. その結果,尿・便失禁が改善されるなどの効果が認められている. A 施設での排泄アセスメント項目に関しては先述したとおりであるが,ケアを行う際,特に 入所者のプライドを傷つけないよう, ①表情,言動を観察し声かけを行う ②周囲の状況を考慮し,他の利用者に悟られないようさりげなく誘う ③尿・便が出てよかったと称賛する ④排泄場所について,混乱を生じないよう常に同じ場所に誘導する ⑤排泄後,その前にいた場所あるいは次の場所まで誘導する などの配慮を行っている. 食事内容の検討 排便と食事の関係について草壁ら 14)は, 「便秘により認知症患者は食欲不振,不穏,徘徊な どの症状が出やすい」と述べているが,A 施設においても食事を摂ろうとしない,途中で中断 してしまう,食事中に席を立とうとするなどの行動が見受けられることがあり,それらの原因 の多くが排泄,特に排便に関するものが多い. 咀嚼機能の重要性 咀嚼機能・消化機能が低下しやすい高齢者 4)にとって,喫食量の低下は便秘が原因で起こる ことが多いが,栄養および水分摂取量の低下によっても便秘を誘発することがあり,食事と排 泄は密接な関係をもっているといえる. 山田ら 15)は,義歯使用中の高齢者の咀嚼能力と食生活の実態について,65 歳以上の151 名 を対象に調査を行った.この調査には咀嚼能力と便秘の関係についての言及はないが,義歯の ために食べにくい食べ物があり食事に対して困っている現状があるということ,咀嚼能力と食 事(栄養バランス)は正の相関傾向があることが報告されており,咀嚼機能の低下が喫食量ひ いては便秘に関与していると推察される. ● 66 (338) EBNURSING Vol.9 No.3 2009 便秘ケアを極める−患者の安全・安楽を重視したアセスメントとケア 特集 食物繊維や水分摂取の重要性 高齢による喫食量の減少に起因した食物繊維摂取量の低下,口渇を正確に訴えられない,コ ップに水を汲んで飲むといった一連の動作が困難な状況などにおいては,便秘を誘発する危険 性が高い. 田中は 16)「食物繊維は大腸において発酵を受け,その代謝物が利用されて便形成に大いに役 立っている. (中略)食物繊維の特長には,便量を増加させ便秘を改善する不溶性食物繊維の 作用と,腸内停滞時間を短くする水溶性食物繊維の作用とがある」とし,さらに水分量に関し ては, 「体内の水分量が減少すると少量の水分でも大腸からの吸収が行われ,硬便となり,排 便にも影響する」と述べている. 食物繊維と排便との関係の研究に,宮坂 17)が行った遷延性意識障害患者の経管栄養剤に食物 繊維(アップルファイバー:りんごを粉砕し乾燥させたもの大さじ1 杯〈約5g〉 ,これはりん ご1 個分の食物繊維2g に相当)を添加したというものがある.対象者5 名の排便回数・排便 量・便の性状の変化を調べたところ,5 名全員の排便回数の減少と1 回の排便量の増加,さら に水様便が減少し有形普通便の割合の増加が3 名に認められた. 水分摂取量が排便に及ぼす影響に関して,石井ら 18)は健康成人女子20 〜22 歳までの被験者 9 名に対し,同じ条件下(合宿生活を行い食事内容・食物繊維摂取量20g/日も同一とした)で 飲水量と排便との関係を調査した.その結果,最も苦痛が少なく快適な自然排便が得られる水 分量を食事中の水分量を含めて1 日1,700 〜2,000mL としている. また,深井ら 19)は,健康老人と寝たきり老人に水分負荷実験を行い,水分摂取と便秘との関 係を調査している.その結果,寝たきり老人に1 日400mL(平均810mL 摂取)の水分を追加 したことにより,便の軟化がみられ対象者12 名中11 名の腹部症状が改善し,下剤使用者7 名 中2 名が使用を中止したと報告している. 栄養ケア・マネジメントに基づくケアの実際 高齢者の栄養のアセスメントおよび改善については,介護保険法の改正を受けて平成17 年 10 月1 日より,施設入所にかかわる費用の居住費・食費が自己負担となり,それに伴い栄養士 を中心とした栄養ケア・マネジメント(nutrition care and management, NCM)が行わ れている. 栄養ケア・マネジメントは,施設入所をしている本人・家族に対して説明と同意が求められ ていることから,ケアスタッフとともに家族を含めてのケアが可能となった. これらの事柄を受けて,A 施設では栄養士が中心となり,個々に適した食事内容や水分量の検 討を行っている.軟らかい物を中心にした献立づくりに加え,食事摂取状況を栄養士が観察し, ケアスタッフとともに食べやすい形態・内容とする.排便を誘発する目的で繊維の多い食品など に関しても,個々の排便状況によって食事の一部に取り入れている. その具体的な調理の原則を 笳 に示す.加えて,A 施設では個人に適した食器の選択,食べ やすい姿勢の検討,咀嚼に関した義歯使用時の不具合調整などを行い,十分な栄養が摂取でき るよう取り組みを行っている. EBNURSING Vol.9 No.3 2009 (339) 67 ● 1.煮合せの材料は薄切りにする 2.柑橘類・梨・ぶどうの刻みは缶詰で対応する • リンゴはコンポートかおろしリンゴで,桃缶はスラ イスする • スイカの刻み食は,カッターにかけないで刻むように する • イチゴの刻み食の場合は薄くスライスし,刻み食以 外は半分にして提供する • バナナの刻み食の場合のみ2分の1でそのまま提供する 3.変り物・混ぜご飯のときは,全粥の人も対応する 4.ゆかり・青菜・わかめご飯は,米飯・全粥それぞれの 主食の上にかける 緩下剤の使用と調整 平成 19 年度日本老年看護学会が行った施設入所高齢者 の排便に関する調査 4)によると, 「高齢者の多くに便秘, 下痢,便失禁などの排便に関する問題が生じているが,排 便ケアとしては,内服薬による調整が中心となっており, 摘便,浣腸などの処置が1 割以上の高齢者に実施されてい る」としている. A 施設では,摘便,浣腸を最小限にとどめ,利用者がよ 5.味付けなめたけ・しそ昆布・たらこ昆布は,刻み食の 人には刻んで対応する り自然な形で排便ができるよう緩下剤を使用している.緩 6.肉のかたまりは提供しないようにする 下剤の種類・使用方法に関しては医師と相談のうえ決定 7.天婦羅,フライなど揚げ物も提供する し,内服したことがケアスタッフ全員に把握しやすいよう, 8.魚は切り身を中心に提供する 排泄チェック表に記載するなどの配慮を行っている.内服 9.病院の献立に合わせて提供するが,肉のかたまりなど 噛みにくい献立の場合は別献立にする(A 施設は総合 病院に併設された介護老人保健施設である) 【基本の栄養量】 • 病院食 : 1800kcal 前後 タンパク質 80g 脂質 50g • A 施設食: 1600kcal 前後 タンパク質 65g 脂質 40g • しかし,個人に適した必要量を計算し提供する 薬服用日は排便を誘発しやすいことから,言動に注意する 必要が生じるためである. 各種緩下剤の特徴を知り,その患者(利用者)の生活ス タイルに合わせ,ケアスタッフがある程度予測可能な状況 に導くことにより,患者(利用者)にとって快適な排便が 笳 A 施設での調理の原則 得られると思われる.しかし,高齢者に対する緩下剤の長 期使用に関して,香春 20)はその危険性を指摘しており,今 後の課題と思われる. 事例からみた具体的ケアの内容 推奨 ケア 以下の事例掲載に際しては,倫理的配慮として, 「A 介護老人保健施設入所利用約款」にお いて,個人情報保護方針および利用目的を,キーパーソンとなる家族に説明し了解を得,さら に個人が特定されないようにし管理者の許可を得た.事例対象者の属性を笘 に示す. 事例1 :A 氏 入所前の状況 在宅にて徘徊,収集癖,異食行為,不潔行為,帰宅願望あり.特に失禁時の弄便行為あり. 家族の介護疲れにより入所. 入所後の課題 食事の中断,食事中の離席,弄便行為,入浴中の便失禁. ● 68 (340) EBNURSING Vol.9 No.3 2009 便秘ケアを極める−患者の安全・安楽を重視したアセスメントとケア 特集 氏名 年齢 性別 疾患名 障害高齢者 の日常生活 自立度 認知症高齢 者の日常生 活自立度 入所時 尿失禁の 有無 入所時 便失禁の 有無 入所前便秘 ケア方法 食事内容 義歯の有無 A氏 83 男 アルツハイマー 型認知症 A2 Ⅲa 有 有 内服・浣腸 米飯・ 副菜一般食 有 B氏 76 女 認知症・ 糖尿病 A2 Ⅲa 有 有 浣腸 米飯・ 副菜柔菜食 無 C氏 71 女 脳出血・ 意識障害 C2 Ⅳ 有 有 浣腸・摘便 経管栄養 無 笘 対象者の属性 排便調整方法 時間を決めての定時排泄誘導および言動を観察しての誘導.起床時の排泄ケア.緩下剤アロ ーゼン ® 1g 夕食時内服(排便があった日は中止) . 入所後の状況 〈初期〉 杖歩行. 「家に帰る」と言いながら,何度か廊下を徘徊している.尿意を訴え,トイレを見 つけて入るがすでに失禁している.パンツの不快感を訴えることはなく,ケアスタッフが気づ かなければそのまま身につけてしまう.起床時の弄便行為あり.本人は不快な表情をし,首を かしげている. 〈現在〉 食事は,見ているだけで手をつけようとしない,途中で中断してしまうなど,喫食量の低下 は便秘と関係が深く,1 〜2 日ごとに排便が得られるよう調整を行っている. 起床時と食事前に排便が多いため,ケアスタッフは特に起床時に注意して言動を観察している. 毎朝,スタッフが排泄ケアを行うことが習慣化されたためか,弄便行為は改善され,食事も 全量摂取できるまでに改善している. 落ち着いて1 日を過ごすことができるよう,A 氏用の椅子と机を決めて対応することで,帰 宅願望,徘徊は改善されている. しかし,場合によって入浴中に便失禁が生じてしまうこともあり,緩下剤使用量・内服時刻 などが今後の課題となっている. 事例2 :B 氏 入所前の状況 自宅で生活していたが認知症により生活困難となり,他施設のショートステイの利用を経て A 施設入所.前施設では排泄誘導を行い,排便は浣腸にて対応. 入所後の課題 喫食量の低下,徘徊,コミュニケーション不良. EBNURSING Vol.9 No.3 2009 (341) 69 ● 排便調整方法 排便が確認されない3 日目の朝食前,センナ茶150cc 服用.センナ茶は 山本漢方センナ を使用.指定の用法にて煮出して用いている.なお,漢方薬使用に関しては,医師・ケアスタ ッフ間で検討し,家族の同意を得て行っている. 入所後の状況 〈初期〉 食事を途中で中断し席を立とうとする.または,他の入所者と一緒に過ごしながら,突然席 を立ち歩き始めるなどの行動あり.声をかけると不安そうに「あれでね,それがね」などの言 葉で取り繕うとする. 〈現在〉 センナ茶服用日は主に昼食後に排便が多いため,席を立ち歩き始めるなどの様子が観察され たときは,さりげなくトイレ誘導を行っている.B 氏は,トイレに行き下着を下ろすといった 一連の排便行為,さらに便座に座っていきむことも言葉では誘導が難しいため,ケアスタッフ がB 氏の前でいきむ動作をして排便を促している. また,行動パターンを統一することで混乱を少なくすることができることから,常に同じ場 所に誘導するよう配慮を行っている.さらに,就寝時に排尿を促すことで夜間の睡眠が確保さ れている. これらによりほぼ定期的に排便が確認され,喫食量の低下・徘徊行為は改善されている. コミュニケーション不良への対処 コミュニケーション不良は,認知症によって生じる一つの症状でもあるが,言語の数も限ら れ「 それ,彼ら,彼らの といった代名詞を多く使うようになり,語いがますます限られて くる」21).また,認知症患者(利用者)は,長い文章を理解することが難しくなるため,今現 在行うことを一つずつ伝えるよう会話をもつことが重要であり,B 氏にもそのように対応した. 事例3 :C 氏 入所前の状況 脳出血発症後状態安定,療養型病床を経由後A 施設入所.浣腸にて排便をコントロールして いた. 入所後の課題 浣腸・摘便を行った後も便がだらだらと出ており,陰部の清潔が保ちにくい. センナ茶服用に関して ①センナはマメ科の植物で,小葉および果実を医薬品(緩下剤)として使用する.主な成分としてセンノシド A およびセンノシド B を含有する.学名は Cassia angustifolia Vahl ,またはCassia acutifolia Delile(Leguminosae) . ②医薬品に使用される部位 ・もっぱら医薬品として使用される部位:小葉,果実,葉柄,柄軸 ・食品として使用できる部位:茎 22)1 包3g に熱湯150mL を加え,弱火で15 分煮出すことで30 〜40mg のセンノシドが含まれる.山中 23)らは,経管栄養施行中 の患者に対する便秘改善の方法としてセンナ茶使用の有効性を述べている. A 施設では朝食前に内服を促しているが,煎じた色調がお茶と類似しているため,抵抗なく内服が行われている.しかし,使用量によって下痢を引き起こすことが あり,さらに医薬品としてのセンナは悪心,嘔吐,腹痛,下痢,疝痛などの副作用を起こすことがあるため注意が必要である. ● 70 (342) EBNURSING Vol.9 No.3 2009 便秘ケアを極める−患者の安全・安楽を重視したアセスメントとケア 特集 排便調整方法 排便が確認されない4 日目の朝食前に,胃チューブよりセンナ茶70cc 注入. 入所後の状況 〈初期〉 浣腸・摘便から内服による調整を図るため,緩下剤の検討を行った. 〈現在〉 座位保持可能かを理学療法士の意見を聞き,枕などの使用による姿勢の安定を図る.便が出 始めたときにポータブルトイレに誘導.前傾姿勢を取り,腹部を軽く圧迫することにより排便 が可能となっている(座位姿勢に関しては,関節拘縮の程度・血圧変化の有無などのアセスメ ントを行い,安全に留意して行うことが求められる) . おわりに オムツ排泄は,不快感を与えるのみでなく褥瘡発生の要因ともなる.可能なかぎりトイレや ポータブルトイレでの排泄を促すことで快便が得られ,さらに立位・移動動作など身体機能の 向上といった生活リハビリテーションにも波及効果をもたらすと考えられる. 計画性をもった個別ケアを行うことにより,排泄習慣を再獲得し自然排便の可能性が生まれ る.訴えることができないと決してあきらめず,認知機能・身体機能などをアセスメントし, ケアを行うことが重要である. 本稿で取り上げた文献の検索方法 1.検索方法 蘆最新看護索引 Web キーワード:認知症,排泄,トイレ誘導,咀嚼,食物繊維,水分 文献 1) 財団法人厚生統計協会編:国民の福祉の動向・厚生の指標 臨時増刊(第 55 巻第 12 号通巻第 867 号) .財団法人厚 生統計協会; 2008.p.111. 2) 日本痴呆ケア学会編:痴呆ケア標準テキスト 痴呆ケアの基礎.日本痴呆ケア学会,ワールドプランニング; 2004. p.52. 3) 前掲 2) ,p.22-24. 4) 日本老年看護学会政策検討委員会編:平成 19 年度老人保健健康増進等事業(厚生労働省老人保健事業推進費等補助 金) ,高齢者の胃ろう閉鎖,膀胱留置カテーテルの抜去を安全かつ効果的に実施するためのアセスメント・ケアプログラ ムの開発に関する調査研究事業.日本老年看護学会政策検討委員会; 2008.p.141. 5) 菱沼典子:看護形態機能学.日本看護協会出版会; 2000.p.151. 6) 宮本慶子,石井和子,瀬戸奈津子:排尿パターンチェック表使用による排尿自立への援助について.日本看護学会論文 集 老年看護 2004 ; 34 : 45-47. 7) 倉澤剛太郎,小谷和彦:排尿障害に対する排尿日誌の活用.看護実践の科学 2005 ; 30(2) : 76-80. 8) 西村かおる:アセスメントに基づく排便ケア.中央法規; 2008.p.24-25. 9) 西村かおる監:看護&介護ブックス あなたが始める 生活を支える排泄ケア 尿・便失禁トラブルを抱えた患者の生活 を支える為に.医学芸術社; 2002.p.14. 10)前掲 8) ,p.40. EBNURSING Vol.9 No.3 2009 (343) 71 ● 11)前掲 8) ,p.70-74. 12)西村かおる:虚弱高齢者の排泄ケア.日本認知症ケア学会誌 2006 ; 5(3) : 518. 13)広中和子,實光秀美,新田敦子ほか:重度痴呆性高齢者の排泄ケアを考える−トイレ誘導の効果と残尿測定を試みて. 月刊総合ケア 2003 ; 13(11) : 88-91. 14)草壁利江,安原耕一郎:施設における排泄ケア.日本認知症ケア学会誌; 2006 ; 5(3) : 532. 15)山田智恵美,小島愛子,森洋子ほか:義歯使用中の高齢者の咀嚼能力と食生活の実態.関東甲信越地区看護研究学会集 録 1999 ; 19 : 28-31. 16)田中弥生:栄養療法の実際 高齢者で便秘の患者に対する栄養.臨床看護; 2004 ; 30(1) : 77-84. 17)宮坂佐和子:遷延性意識障害患者の排便調節のための援助における食物繊維の有効性;経管栄養剤へのアップルファイ バー添加の試み.臨床看護研究の進歩 1994 ; 6 : 131-138. 18)石井智香子,東玲子:自然排便を促すための水分摂取量の検討―健康成人女子を被験者とした実験的研究.臨床看護研 究の進歩 1993 ; 5 : 91-97. 19)深井嘉代子,坂本みどり,大倉美穂:便秘ケアのエビデンス.臨床看護 2002 ; 28(13) : 2125-2136. 20)香春知永:便秘の緩下剤をどのように使い分けたらよいか? 道又元裕監:ケアの根拠 看護の疑問に答える151 のエ ビデンス.日本看護協会出版会; 2008.p.71. 21)日本痴呆ケア学会編:痴呆ケア標準テキスト 痴呆ケアの実際Ⅰ:総論.日本痴呆ケア学会,ワールドプランニング; 2004.p.41-61. 22)東京都:医薬品成分(センナ小葉・果実)を含有する健康食品を発見! http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2006/02/20g2a500.htm 23)山中あゆみほか:経管栄養施行中の寝たきり患者に対するセンナ茶を用いた便秘の改善.ブレインナーシング 2008 ;24 (6) : 613-617. ● 72 (344) EBNURSING Vol.9 No.3 2009
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