Declamation Contest 2007

JAPANESE: LEVEL I
NOTE: Students are required to recite from memory two poems: the Mandatory Selection, as
well as one from the other three poems under Second Selection.
Mandatory Selection
あさひが
あかいよ
あいうえお
かきねに
からすが
かきくけこ
ささのは
さらさら
さしすせそ
たいこを
たたいて
たちつてと
なめくじ
のろのろ
なにぬねの
はとぽっぽ
ほろほろ
はひふへほ
まいまい
ねじまき
まみむめも
やきぐり
ゆでぐり
やいゆえよ
らいちょうは
わいわい
さむかろ
わっしょい
らりるれろ
わいうえお
Clemson Poetry Declamation-2015-Japanese-1
JAPANESE: LEVEL I (Cont’d)
Second Selection I
『たいりょう』
かねこみすず
あさやけ
こやけだ
たいりょうだ
おおばいわしの
たいりょうだ
はまはまつりの
ようだけど
うみのなかでは
なんまんの
いわしのとむらい
するだろう
Second Selection II
『き』
たにがわしゅんたろう
谷川俊太郎
なんのき
このきは
りんきに
きでやむ
このき
ひのき
せんき
あにき
なんのき
そのき
(Continued on next page)
Clemson Poetry Declamation-2015-Japanese-2
JAPANESE: LEVEL I (Cont’d)
(Second Selection II, cont’d)
そのきは
たんきは
あしたは
みずき
そんき
てんき
なんのき あのき
あのきは たぬき
ばけそこなって
あおいきといき
Second Selection III
『くまさん』
まどみちお
はるが
くまさん
きて、めが
さいて
ぼんやり
さめて
いるのは
かんがえた
ええと、ぼくは
たんぽぽ
だが
だれだっけ
だれだっけ。
はるが
くまさん
きて、めが
みずに
ぼんやり
さめて
うつった
そうだ、ぼくは
かわに
きた
いいかお
みて
くまだった
よかったな。
Clemson Poetry Declamation-2015-Japanese-3
JAPANESE: LEVEL II
NOTE: Students are required to recite from memory two poems: the Mandatory Selection, as
well as one from the other three poems under Second Selection.
Mandatory Selection
『ぼくが
ここに』
まどみちお
ぼくが
ここに
いるとき
ほかの
どんなものも
ぼくに
かさなって
ここに
いることは
もしも
ゾウが
できない
ここに
いるならば
そのゾウだけ
マメが
いるならば
その一つぶの
マメだけ
しか
ここに
いることは
ああ
このちきゅうの
こんなに
できない
うえでは
だいじに
まもられているのだ
どんなものが
どんなところに
いるときにも
その「いること」こそが
なににも
まして
すばらしいこと
として
Clemson Poetry Declamation-2015-Japanese-4
JAPANESE: LEVEL II (Cont’d)
Second Selection I
うみ
たいよう
『海 と 太陽 』
お が わ み め い
小川未明
うみ
ひる
E
よる
海 は 昼 ねる 夜 もねる
AE
AE
AE
AE
AE
ごうごう
むかし
A E
昔
いびきをかいてねる
おおむかし
昔
E A
AE
AE
大昔
く ち あ
海がはじめて
わら
E
口開 けて
とき
笑 った 時 に 太陽は
AE
AE
AE
め
おどろ
目 をまわして 驚 いた
AE
AE
A E
はな
E A
ひと
かわいい 花 や
人 たちを
の
海が 呑 んでしまおうと
ひか
やさしく 光 る太陽は
まじゅつ
魔術 で
AE
ねむ
海を 眠 らした
海は昼ねる
AE
ごうごう
AE
夜もねる
いびきをかいてねる
Clemson Poetry Declamation-2015-Japanese-5
JAPANESE: LEVEL II (Cont’d)
Second Selection II
『ゆりかごの歌』
きたはらはくしゅう
AE
北原白秋
E
ゆりかごの歌を
カナリアが歌うよ
ねんねこ
ねんねこ
ねんねこよ
ゆりかごの上に
び
わ
枇杷 の実がゆれるよ
AE
AE
ねんねこ
ねんねこ
ねんねこよ
ゆりかごのつなを
木ねずみがゆするよ
ねんねこ
ねんねこ
ねんねこよ
ゆりかごのゆめに
き い ろ
黄色 い月がかかるよ
AE
AE
ねんねこ
ねんねこ
ねんねこよ
Clemson Poetry Declamation-2015-Japanese-6
JAPANESE: LEVEL II (Cont’d)
Second Selection III
『さくらのはなびら』
まどみちお
えだを
はなれて
ひとひら
さくらの
はなびらが
じめんに
たどりついた
いま
おわったのだ
そして
はじまったのだ
ひとつの
ことが
さくらに
とって
いや
ちきゅうに
うちゅうに
とって
とって
あたりまえすぎる
ひとつの
ことが
かけがえのない
ひとつの
ことが
Clemson Poetry Declamation-2015-Japanese-7
JAPANESE: LEVEL III
NOTE: Students are required to recite from memory two poems: the Mandatory Selection, as
well as one from the other three poems under Second Selection.
Mandatory Selection
どうてい
『道程 』
たかむらこうたろう
高村光太郎
ぼく
まえ
みち
僕の前に
AE
AE
AE
AE
道 はない
AE
うし
僕の 後 ろに
道はできる
し ぜ ん
ああ、自然 よ
ちち
父よ
AE
ぼく
ひ と り だ
こうだい
僕 を 一人立 ちにさせた
AE
AE
AE
AE
め
はな
AE
広大 な父よ
AE
まも
僕から 目 を 離 さないで 守 ることをせよ
つね
き は く
常 に父の 気魄 を
AE
AE
とお
AE
ぼく
AE
み
僕 に 充 たせよ
AE
AE
AE
どうてい
この 遠 い 道程 のため
どうてい
この遠い 道程 のため
Clemson Poetry Declamation-2015-Japanese-8
JAPANESE: LEVEL III (Cont’d)
Second Selection I
『竹』
はぎわら さ く た ろ う
萩原 朔太郎
AE
E
光る地面に竹が生え、
青竹が生え、
地下には竹の根が生え、
根がしだいにほそらみ、
せんもう
根の先に 繊毛 が生え、
せんもう
かすかにけぶる 繊毛 が生え、
かすかにふるえ。
かたき地面に竹が生え、
地上にするどく竹が生え、
まっしぐらに竹が生え、
ふしぶし
凍れる 節節 りんりんと、
青空のもと竹が生え、
竹、竹、竹が生え。
Clemson Poetry Declamation-2015-Japanese-9
JAPANESE: LEVEL III (Cont’d)
Second Selection II
しん
『信 じる』
たにがわしゅんたろう
谷川俊太郎
おおぐち
笑うときには 大口 あけて
ほ ん き
おこるときには 本気 でおこる
じ ぶ ん
自分 にうそがつけない私
AE
そんな私を私は信じる
り ゆ う
信じることに 理由 はいらない
じ ら い
地雷 をふんで足をなくした
AE
しゃしん
子供の 写真 目をそらさずに
だま
なみだ
黙 って 涙 をながしたあなた
AE
A E
E A
そんなあなたを私は信じる
信じることでよみがえるいのち
は ず え
AE
つゆ
葉末 の 露 がきらめく朝に
AE
AE
AE
こ じ か
何をみつめる 子鹿 のひとみ
ひ
び
すべてのものが 日々新しい
そんな世界を私は信じる
信じることは生きるみなもと
Clemson Poetry Declamation-2015-Japanese-10
JAPANESE: LEVEL III (Cont’d)
Second Selection III
『なぜ』
かわさき
川崎
ひろし
AE
A E
洋
E A
かぜ
なぜ
風は
あたら
わ
新 しい 割 りばしのように
E A
AE
AE
かおるのだろう
とり
なぜ
そら
鳥は
すべ
空 を 滑 れるのだろう
AE
AE
AE
なつみかん
なぜ
夏蜜柑 は
す
酸 っぱいのだろう
AE
なぜ 海は
いろ
か
色 を 変 えるのだろう
AE
AE
AE
AE
ひ と り
なぜ
ひと
あい
たった 一人 の 人 を 愛 するようになるのだろう
なみだ
なぜ
うれ
で
涙 は 嬉 しいときにも 出 るのだろう
とお
なぜ
フリュートはあんなに 遠 くまでひびくのだろう
なぜ
人はけわしい 顔 をするのだろう
なぜ
ギターの 弦 は 5本 でなく 7 本 でなく 6 本 なのだろう
かお
げん
ごほ ん
なな ほ ん
ろっ ぽ ん
なぜ
なぜ
なぜ
そして
人は
なぜ
ころ
いつの 頃 からか
なぜ
い
を 言 わなくなるのだろう
Clemson Poetry Declamation-2015-Japanese-11
JAPANESE: LEVEL IV/NATIVE
NOTE: Students are required to recite from memory two poems: the Mandatory Selection, as
well as one from the other three poems under Second Selection.
Mandatory Selection
『生きる』
たにがわしゅんたろう
谷川俊太郎
生きているということ
いま生きているということ
それはのどがかわくということ
こ
も
AE
び
木漏 れ 日 がまぶしいということ
あ
ふっと 或 るメロディを思い出すということ
くしゃみをすること
あなたと手をつなぐこと
生きているということ
いま生きているということ
それはミニスカート
それはプラネタリウム
それはヨハン・シュトラウス
それはピカソ
それはアルプス
すべての美しいものに出会うということ
そして
ちゅういぶか
かくされた悪を 注意深 くこばむこと
生きているということ
いま生きているということ
泣けるということ
笑えるということ
怒れるということ
自由ということ
生きているということ
いま生きているということ
ほ
いま遠くで犬が 吠 えるということ
まわ
いま地球が 廻 っているということ
(Continued on next page)
Clemson Poetry Declamation-2015-Japanese-12
JAPANESE: LEVEL IV/NATIVE (Cont’d)
(Mandatory Selection, cont’d)
うぶごえ
いまどこかで 産声 があがるということ
いまどこかで兵士が傷つくということ
いまぶらんこがゆれているということ
いまいまがすぎてゆくこと
生きているということ
いま生きてるということ
鳥ははばたくということ
海はとどろくということ
かたつむりははうということ
人は愛するということ
あなたの手のぬくみ
いのちということ
Clemson Poetry Declamation-2015-Japanese-13
JAPANESE: LEVEL IV/NATIVE (Cont’d)
Second Selection I
とびこみ
『飛込 』
む ら の し ろ う
村野四郎
ぼく
E
くも
僕 は白い 雲 の中から歩いてくる
AE
AE
AE
AE
き ょ り
はし
一枚の 距離 の 端 まで
そ
大きく僕は 反 る
しわ
時間がそこへ 皺 よる
け
け
蹴る
僕は 蹴 った
AE
AE
AE
すでに空の中だ
空が僕を抱きとめる
きんにく
空にかかる 筋肉
だつらく
だが 脱落 する
さ
追われてきてつき 刺 さる
しょっかく
も
が
僕は透明な 触覚 の中で 藻 掻 く
あわ
頭の上の 泡 の外に
こし
女たちの笑いや 腰 が見える
ビ ー チ パラソル
僕は赤い 海岸 傘 の
おおき
しま
つか
巨 い 縞 を 掴 もうとあせる
E A
AE
AE
AE
AE
Clemson Poetry Declamation-2015-Japanese-14
JAPANESE: LEVEL IV/NATIVE (Cont’d)
Second Selection II
にじゅうおくこうねん
こ ど く
『二十億光年 の 孤独 』
たにがわしゅんたろう
谷川俊太郎
じんるい
ちい
たま
AE
うえ
人類 は 小 さな 球 の 上 で
AE
AE
AE
ねむ
AE
AE
AE
お
AE
AE
ばたら
眠 り 起 きそして 働 き
AE
AE
AE
AE
A E
か せ い
E A
な か ま
ほ
ときどき 火星 に 仲間 を 欲 しがったりする
かせいじん
火星人 は小さな球の上で
AE
なに
ぼく
何 をしているか
AE
AE
AE
あるい
( 或 はネリリし
し
僕 は 知 らない
AE
AE
AE
キルルし
ちきゅう
ハララしているか)
な か ま
ほ
しかしときどき 地球 に 仲間 を 欲 しがったりする
それはまったくたしかなことだ
ばんゆういんりょく
万有引力 とは
EA
ひ
あ
こ ど く
ちから
引 き 合 う 孤独 の 力 である
AE
AE
AE
AE
AE
AE
A E
E A
うちゅう
宇宙 はひずんでいる
AE
AE
ゆえ
あ
それ 故 みんなはもとめ 合 う
うちゅう
ふく
宇宙 はどんどん 膨 らんでゆく
AE
AE
AE
ふ あ ん
それ故みんなは 不安 である
二十億光年の孤独に
ぼく
おも
僕 は 思 わずくしゃみをした
Clemson Poetry Declamation-2015-Japanese-15
JAPANESE: LEVEL IV/NATIVE (Cont’d)
Second Selection III
あ
す
『明日 』
よ さ の あ き こ
与謝野晶子
あ
す
あ
す
明日 よ、明日 よ、
そなたはわたしの前にあって
AE
AE
AE
ふ
まだ 踏 まぬ未来の
AE
ふ
AE
か
し
ぎ
みち
不可思議 の 路 である。
どんなに苦しい日にも、わたしは
AE
AE
AE
AE
こが
はげ
そなたに 憬 れて 励 み、
どんなに楽い日にも、わたしは
そなたを望んで踊りあがる。
AE
あ
す
AE
あ
AE
AE
す
明日 よ、明日 よ、
AE
AE
AE
AE
うえ
死と 飢 とに追われて歩くわたしは
AE
AE
しつぼう
たびたびそなたに 失望 する。
AE
AE
き ょ う
そなたがやがて平凡な 今日 に変り、
AE
AE
き の う
灰色をした 昨日 になってゆくのを
AE
AE
うら
い
いつも、いつもわたしは 恨 んで 居 る。
AE
よ
AE
AE
におい
AE
えさ
そなたこそ人を釣る 好 い 香 の 餌 だ、
AE
AE
A E
E A
AE
AE
のろ
光に似た煙だと 咀 うことさえある。
AE
AE
けれど、わたしはそなたを頼んで、
まつり
A E
祭 の前夜の子供のように
E A
あ
す
あ
す
「明日 よ、明日 よ」と歌う。
わたしの前には
AE
AE
AE
AE
あ
す
まだまだ新しい無限の 明日 がある。
AE
AE
くい
よしや、そなたが涙を、悔 を、愛を、
AE
かんらく
AE
なに
名を、歓楽 を、何 を持って来ようとも、
AE
AE
AE
AE
き ょ う
そなたこそ 今日 のわたしを引く力である。
Clemson Poetry Declamation-2015-Japanese-16