SupelTM QuE Z-Sep/C18 QuEChERS法による オレンジ中の残留農薬分析における干渉成分及び色素の除去 Olga Shimelis, Emily Barrey, and Jennifer Claus はじめに 農薬は作物管理において非常に大切ですが、農薬 が昆虫を殺すことを可能にする毒性と安定性は、人 間と環境に対しても有害な結果を引き起こします6。 近代農業での世界的な農薬使用は、多くの果物や 野菜で残留農薬の存在が見つかっています。米農 務省は、環境と消費者健康保護のために多くの種類 の生産物に最大残留量(MRLs)を制定しました3。 MRLsの制定により残留農薬分析が世界的に普及し ました。 現在の残留農薬分析では、低い検出限界で広範 囲な分析対象物およびマトリックスの測定を、定量的 な結果で再現性が良く、安価で、容易な方法により 行う事が要求されます。 Anastassiades 及び Lehotay4,5 により開発された分 散固相抽出法(dSPE)であるQuEChERS法(Quick, Easy, Cheap, Effective, Rugged, Safe)による前処理 は前述した要件を満たします。最近の研究より、ZSep(ジルコニア結合シリカゲル)とC18を組み合わせ ることにより、複雑なマトリックスをより精製する効果 があることが報告されています1。本アプリケーション では、オレンジの残留農薬分析の前処理において、 Supel™ QuE Z-Sep/C18、PSA/C18、PSAの QuEChERS法を用いて色素除去及び添加回収試験 の比較を行いました。 実験 オレンジは外皮ごとホモジナイズし、4分割して、そ れぞれ10 gずつ50 mLの遠沈管(Cat.No.55248-U) に入れました。3試料は、50 ng/gの農薬を添加し、1 試料はなにも添加しませんでした。各遠沈管に10 mLのアセトニトリルを加え、1分間振とうし、各試料 にクエン酸抽出dSPE充填剤(Cat.No.55227-U)を加 え、1分間さらに振とう、3200 rpmにて5分間遠心分 離にかけました。上澄みのアセトニトリル層を0.7 mL 分取し、それぞれZ-Sep/C18(Cat.No.55284-U)、 PSA/C18 (Cat.No.55288-U)、PSA(Cat.No.55287U)の精製チューブに添加、精製チューブを1分間振 とうし、5000 rpmにて5分間遠心分離にかけました。 精製チューブの上澄み0.2 mLを1.5 mLの空の遠沈 管に移し、0.2 mLの水を加えて5000 rpmにて2分間 遠心分離にかけ、得られた上澄みを分析用のサン プルバイアルに移しました。キャリブレーション用の 標準物質は、アセトニトリル:水/1:1に溶解し、LCMS/MS分析を行いました。 結果および考察 Figure 1は、Z-Sep/C18を精製チューブとして用いた 場合の、38成分の農薬をオレンジに添加した結果の LC-MS/MSクロマトグラムです。本アプリケーション では、Ascentis® Express C18 HPLCカラム (Cat.No.53822-U)を用いることにより、10分以内とい う短い分析時間で38成分の農薬を高分離に分析し ています。Figure 2では、Z-Sep/C18がPSAと比較し て、より色素を除去している事を示しています。さら なる利点として、Z-Sep/C18によるマトリックスの効果 的な除去により、HPLCカラムや装置への汚れを低 減し、HPLCカラムの寿命を延ばすことができ、装置 のメンテナンス頻度を低減することが期待できます。 Figure 3は、Z-Sep/C18、PSA/C18、PSAでそれぞ れ精製した農薬の回収率を示しています。全体とし ては、いずれの精製法も大多数の農薬において大 きな回収率の違いはありませんでした。ただし、 PSA/C18とPSAでは、マトリックス妨害により、 anilazine及びnaledは検出できなかった中、ZSep/C18は、唯一anilazine及びnaledを回収すること ができました。 PSAでの精製法では、sethoxidim、 clethodim、edifenphosなどのいくつかの農薬におい て、マトリックスによるイオンサプレッションがありまし た。さらに、carbophenothionについては、PSAによる 精製ではマトリックスによって回収率が増加する事 が見受けられました。 結論 オレンジ抽出物をそれぞれZ-Sep/C18、PSA/C18、 PSAの精製チューブを用いて色素除去能及び農薬 の添加回収結果について比較した結果、Z-Sep/C18 は、PSA/C18及びPSAよりも優れた性能を示しました。 Z-Sep/C18は、PSA/C18及びPSAよりもマトリックスの 除去及び色素除去能においてもPSAよりも優れてい ました。また、Z-Sep/C18は、PSA/C18及びPSAと遜 色のない農薬回収率を示し、Z-Sepに目的化合物が 特異的に吸着されないことが示されました。これらの 結果より、Supel™ QuE Z-Sep/C18は、現状法のC18 やPSAの有望な代替え手段となり得ることが示され ました。 References 1. Fenik, J.; Tankiewicz, M.; Biziuk, M. Properties and determination of pesticides in fruits and vegetables. TrAC Trend Anal. Chem. 2011, 30, 814-826. 2. Koesukwiwat, U.; Lehotay, S. J.; Miao, S.; Leepipatpiboon, N. High throughput analysis of 150 pesticides in fruits and vegetables using QuEChERS and lowpressure gas chromatography-time-of-flight mass spectrometry. J. Chromatogr A. 2010, 1217, 66926703. 3. USDA, Foreign Agricultural Service, Maximum Residue Limit Database. http://www.fas.usda.gov/htp/mrl.asp, (accessed 8-Mar-2012). 4. Anastassiades, M; Lehotay, S. J.; Stajhbaher, D.; Schenck, F. J. Fast and easy multiresidue method employing acetonitrile extraction/partitioning and “dispersive solidphase extraction” for the determination of pesticide residues in produce. J. AOAC Int. 2003, 86, 412-431. 5. Lehotay, S. J. Quick, Easy, Cheap, Effective, Rugged and Safe (QuEChERS) Approach for the Determination of Pesticide Residues. Proceedings AOAC Annual Meeting, St. Louis, MO USA, 2004. 6. Shimelis, O. Analysis of Pesticides in Fruits and Vegetables Using Z-Sep and Z-Sep+ SPE Sorbents in QuEChERS Method for Sample Cleanup. Pittcon 2012 Oral Presentation, Orlando, FL USA, 2012. 7. EN15662:2008, Foods of Plant Origin - Determination of Pesticide Residues using GCMS and/or LC-MS/MS Following Acetonitrile Extraction/Partitioning and Cleanup by Dispersive SPE - QuEChERS-Method. 8. AOAC Official Method 2007.01, Pesticide Residues in Foods by Acetonitrile Extraction and Partitioning with Magnesium Sulfate. © 2014 Sigma-Aldrich Co. LLC. All rights reserved. SIGMA, SAFC, SIGMA-ALDRICH, ALDRICH, and SUPELCO are trademarks of Sigma-Aldrich Co. LLC, registered in the US and other countries. FLUKA is a trademark of Sigma-Aldrich GmbH, registered in the US and other countries. SAFC brand products are sold through Sigma-Aldrich, Inc. Purchaser must determine the suitability of the product(s) for their particular use. Additional terms and conditions may apply. Please see product information on the Sigma-Aldrich website at sigma-aldrich.com. Ascentis is a registered trademark of Sigma-Aldrich and Sigma-Aldrich Biotechnology, LP. Supel is a trademark of Sigma-Aldrich and Sigma-Aldrich Biotechnology, LP. 本記載の製品および情報は2014年6月1日現在の情報であり、収載の品目、製品情報、価格等は予告なく変更される場合がございます。/最新の情報は、弊社Web サイト (sigma-aldrich.com/japan )をご覧ください。/掲載価格は希望納入価格(税別)です。詳細は販売代理店様へご確認ください。/弊社の試薬は試験研究用のみを目的とし て販売しております。医薬品原料並びに工業用原料等としてご購入の際は、こちらのWeb サイト(sigma.com/safc-jp)をご覧ください。 お問合せは下記代理店へ 〒140-0002 東京都品川区東品川2-2-24 天王洲セントラルタワー4階 製品に関するお問い合わせは、弊社テクニカルサポートへ TEL:03-5796-7330 FAX:03-5796-7335 E-mail:[email protected] 在庫照会・ご注文方法に関するお問い合わせは、弊社カスタマーサービスへ TEL:03-5796-7320 FAX:03-5796-7325 E-mail:[email protected] http://www.sigma-aldrich.com/japan 2014.6
© Copyright 2024 Paperzz