レーザーディスプレイ・照明 の現状と展望 大阪大学光科学センター 山本 和久 本日の内容 1.概要 2.主要技術 3.応用 4.今後の展開 レーザーディスプレイ進展の歴史 1960 1970 大阪万博 1980 1990 2000 2010 愛知万博 ●LD発振 光源 ●赤色LD発振 ○ ○気体レーザー実用化 気体レーザーベース 装置 ●モノクロ レーザーディスプレイ ●カラー レーザーディスプレイ ●高精細 レーザーディスプレイ ●純青色LD発振 ○ ●緑LD発振 ○擬似位相整合 ○ SHGレーザー実用化 半導体レーザーベース ●超小型 プロジェクタ(RGB) ○超小型 プロジェクタ ●HMD ○HUD (RGB) ○リアプロ ジェクションTV ○液晶TV ●は開発、○は製品化 基本構成と特徴 ・ 広い色再現範囲 ・ 高い投射効率、低消費電力 ・ 超小型、薄型、軽量 緑色レーザー 赤色レーザー 偏向器(X) 偏向器(Y) ラン プ LE D レー ザー 色再現範囲 × △ ○ 小型化 × △ ○ 走査 × × ○ 指向性 × △ ○ 偏光 × × ○ 時分割 × ○ ○ 高輝度 △ × ○ 引き回し(ファイバ利用) × △ ○ 水銀レス × ○ ○ 高利用効率 青色レーザー 変調器必要 スクリーン ディスプレイの色再現範囲 1 緑(532nm) レーザー LED 0.5 赤(640nm) UHPランプ 蛍光 青(450nm) 0 0 0.2 0.4 0.6 0.8 x レーザーは蛍光方式の従来品に比べ 約2倍の色再現範囲 レーザー 光源から見たディスプレイ分類 特長 光源 指向 性 直視型 投射型 偏光 性 色再現 性 (NTSC 比) 自発光 透過 投映 (広が り角) 走査 第1 世 代 電子線、放 電+蛍光。 水銀ランプ。 360 度 ラン ダム 70% PDP、FED 液晶TV プロジェクタ、 CRT リアプロTV (CRT3管、 水銀ランプ) 第2 世 代 LED 180 度 ラン ダム 100% 有機EL 無機EL LED液晶TV プロジェクタ、 リアプロTV (LED) 第3 世 代 レーザー ∼0 度 直線 偏光 130% レーザー (有機) レーザー液 晶TV プロジェクタ、 レーザー リアプロTV (レーザー) レーザーディスプレイ応用分類と対応する光学方式 応用 製品 方式等 プロジェクタ 携帯プロジェクタ 走査方式 空間変調素子利用方式 ノートPC等内蔵 ポケットパソコン 空間変調素子利用方式 走査方式 データプロジェクタ 空間変調素子利用方式 レーザー蛍光励起方式 シネマプロジェクタ 空間変調素子利用方式 ヘッドアップディス プレイ(HUD) 走査方式 リアプロTV 空間変調素子利用方式 液晶TV 導光板+バックライト ヘッドマウントディスプ レイ(HMD) メガネ型HMD メガネ装着型HMD 網膜走査方式 レーザー照明 インテリジェント照明 ヘッドライト 高輝度白色光源 レーザー蛍光励起方式 RGBレーザー方式 レーザーTV スペックルノイズ除去方法 対策箇所 構成、方法 レーザース ペクトル 特徴 ・多重化(多数個使い)に より低減が容易 ・外部で広げることの技 術難易度は高い 波長スペクトルを 拡大(or多重化) 光学系 <角度> 拡散板 ・ある程度の効果はある (完全ではない) レ−ザー スペックルコントイラストCs =標準偏差/平均値 最大で100% 振動 <偏光> ・1/√2に低減 水平、垂直に分離 スクリーン スクリーン レ−ザー 振動 ・ほぼ完全に消すことが 可能 ・大がかり 各種半導体レーザの比較 材料系 材料 波長(nm) 効率(%) 応用製品 InGaAsP I n G a A s 1300,1550 P 40 光通信伝送 InGaAs 980 60 光通信増幅器 AlGaAs 780-860 40-50 CD AlGaInP 630-680 20-35 DVD、 ディスプレイ ZnSSe ZnSSe 490-570 15 × GaN InGaN 380-530 6-30 BD,ディスプレイ ZnO ZnO 300-400 − − (1000H) 半導体レーザ構造とディスプレイ適用性 種類 シングル ストライプ 構造 活性層 特徴 走査型に必須 ワイド ストライプ 高出力 (縦および横モー ドがマルチ) マルチ ストライプ トータルで高出力 (縦および横モー ドがマルチでかつ 発光点が異なる) 面発光 外部共振器と組み 合わせて高出力 SHG方式 導波路型 ・超小型化可能 ・高速変調可能 LD SHG 素子 ・高出力 ・高速変調困難 共振器型 励起用 半導体レーザ (808nm) Nd:YVO4 SHG素子 緑光出力 レーザーディスプレイの応用 屋外、施設、工場 レーザーディジタルサイネージ レーザーイルミネーション レーザー灯台 立体映画館 水中照明 家庭・オフイス ヘッドマウントディスプレイ 大型プロジェクタ ヘッドアップディスプレイ レーザー 照明 レーザーTV レーザーヘッドライト 携帯プロジェクタ ポケットパソコン レーザー 植物工場 レーザーTV RGBレーザー 背面投射 レーザー蛍光励起(白色化) 三菱 Prysm(米国) 液晶 バックライト 偏光板 0.9 Novalux 立命館大 藤枝先生 パネル 0.8 カラーフィルタ 0.3 レーザーダイオード 偏光板 0.7(0.5) 0.8 発光領域:約10mm 光ファイバ:コア直径<100mm 出力カプラ付きフィルム(厚さ:∼100mm) 導光板 0.8 導光体 (厚さ:∼100mm) LD 液晶TV断面 蛍光材料 レーザー照明の特徴と応用 色、波長利用 遠方投射 外観照明 レーザーイルミネーション 海中プラント用レーザー照明 トンネル照明 プロジェクタ用 バックライト レーザーヘッドライト レーザー 照明 (ライティ ング) 道路用照明 省エネルギー レーザー 立体表示照明 植物工場 レーザーTVバックライト レーザーディスプレイ各商品の特徴 消費電力 色再現性 超小型 高輝度 長寿命 水銀レス 携帯プロジェ クタ ◎ ◎ データプロ ジェクタ ○ △ ホームプロ ジェクタ ○ ポケットパソ コン ◎ ◎ ○ ◎ HMD ○ ◎ ○ ○ HUD ◎ ○ ○ レーザーTV ◎ ◎ △ 立体表示 ○ ○ - 照明 ○ ◎ ○ フォーカ スフリー ◎ ○ △ ○ ○ ○ ○ ○ △ ◎ △ ○ ○ ○ ○ 最適配置 (ファイバー 利用) ◎ △ ○ ○ ○ 省エネルギー効果のまとめ 応用分野 照明 ディスプレイ 植物工場 合計 応用製品 (単位)原油換算 万KL HIDランプ ネオン管 ヘッドライト(自動車) 汎用プロジェクタ シネマ用プロジェクタ ピコプロジェクタ レーザーTV レーザーPC(モニター) 植物工場 国内 世界 2020年 2030年 2020年 2030年 24.4 51.2 192 404 46 25.6 341 190 1.3 3.7 15.2 51.6 2.1 12.5 21 146 1.7 2.9 16.8 34 1.4 3.1 14.3 35.8 14 117 310 3494 6.3 26.2 139.5 781.5 1.2 9.2 11.6 92.3 98 251 1061 5229 参考:日本の家庭:6000万kL/年 (照明・TVは1500万kL/年) 参照: NEDOの成果報告書DB(下記URL) http://www.nedo.go.jp/library/database_index.html 半導体レーザ効率推移予想 電気-光変換効率(%) 100 60% 75 50 25 赤LD 青LD 0 2000 2005 2010 緑LD 年 2015 2020 2025 参考:LEDランプ35%(市販品) レーザー学会レーザーディスプレイ技術専門委員会作成 スマートレーザーディスプレイに関する動向調査報告書, オプトロニクス社(2012). レーザーディスプレイ・照明展開 ブラザー工業 マイクロビジョ ン他 走査型 ヘッドマウント ディスプレイ 船井 LBO パイオニア Prism プロジェクタ付き携帯 ポケットパソコン 超小型プロジェ クタ(走査) ヘッドアップディ スプレイ 業務用大型ディス プレイ 照明 小型プロジェクタ (画像デバイス) 2次元画像 デバイス利用 レーザーTV 超小型プロ ジェクタ (画像デバイス 0.001 0.01 中型、大型プロジェクタ 0.1 1 出力 (W) 三菱電機 10 バルコ パナソニック ウシオ 日亜、冨士フィ ルム 東芝ライテック IDEC カシオ、BenQ SSTD(中国) パナソニック 製品化 製品アナウンス 全体まとめ ・レーザーディスプレイのポテンシャルは極め て大きく、究極の表示装置と成りえる ・レーザーディスプレイ要素技術が揃った ・商品群も表示∼照明含めて大きく広がること が期待される 国内におけるレーザーディスプレイ(照明)委員会の関係 レーザー学会 日本光学会 レーザーディスプレイ技術 専門委員会⇒レーザー照明・ ディスプレイ専門委員会 レーザーディスプレイ技術 研究グループ 安全ワーキンググループ ロードマップワーキング グループ 新規アプリワーキンググループ 標準化ワーキンググループ レーザーの農業応用 専門委員会 (レーザー照明植物工場) 光エレクトロニクスフォーラム レーザー照明・ディスプレイ ワーキング 光産業技術振興協会 ユビキタスレーザーディスプレイ調査委 員会 2010.3終了 経済産業省 消費生活安全法に関する携帯 レーザ機器調査委員会 2011.3終 NEDO 省エネルギーレーザー 応用技術委員会 ビジネス機械・情報システム産 業協会 (JBMIA) データプロジェクタ部会 関連研究会等 ■国際会議レーザーディスプレイ(第2回) 2013年4月23日∼25日 @パシフィコ横浜 *同時開催レーザーディスプレイ展示コーナー ■日本光学会レーザーディスプレイ技術研究会(第12回) 2013年7月10日 @東京大学生産技術研究所
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