27 地域通貨の定義をめぐる論点と展開条件 日 暮 賢 司* の結果῍ 地域通貨に過大な期待を寄せられること ῌῌ 主題への接近 になりやすいῌ 注意を払う点は῍ 通貨が経済行為 地域通貨は῍ 多くの国で使われており῍ 日本に のための + つの手段であるということであるῌ 通 おいても ,+ 世紀に入って地域通貨ブ῎ムと呼べ 貨の役割は῍ 実体経済を通貨の機能によって支え +ῐ るほど全国各地で急速に発行ῌ流通されている ῌ ていくところにあって῍ その逆ではないῌ それは 第 + 回地域通貨国際会議が ,**, 年 2 月 ,,῏,- 日 地域通貨においても同様であるῌ に北海道栗山町で開催され῍ 国民の関心の高さを ,ῐ 示している ῌ 地域通貨に関する情報は῍ その発行主体及びそ の推進する立場からの文献῍ ホ῎ムペ῎ジからの 地域通貨を活用して地域振興を図ることに異論 発信が多い-ῐῌ それは῍ 地域通貨の概要と役割に はないけれども῍ この流れに乗り遅れないように 関する内容が中心であるῌ また新聞は῍ 地域通貨 とばかり無理したケ῎スもみられるῌ たとえば地 をあたかも地域社会の救世主のように取り扱って 域通貨発行主体の中には῍ 地域通貨と称してそれ いる場合もみられるῌ それは῍ 地域通貨の流通量 を自らの経営内部におけるいくつかの事業間にお が高まれば῍ 社会性をもつので῍ 新聞の記事とし いて循環させているものもみられるῌ 逆に地域通 て有用なのかもしれないῌ しかし残念なことに῍ 貨を地域という範囲をこえて全国流通させようと これらの提供される情報は῍ 表面的なものがほと する考えもみられるῌ そうなると地域通貨の定義 んどであって῍ 比較的成功している事例の要因に に立ち返って考察を深めなけれなばらなくなるῌ 関して地域内部に立ち入った地域通貨に関する組 なぜ地域通貨がこれほど国民の関心を高め῍ 実 織ῌ機能を分析している研究が少ないῌ 験を含めて実践されているのであろうかῌ それ 日本における導入の比較的古い地域通貨は῍ 試 は῍ 地方における地域経済不振のもとで῍ 法定通 験流通段階を終え῍ 本格稼動段階入っているῌ こ 貨の地域循環機能の低下から法定通貨を補完する のため地域通貨の地域社会ῌ経済に及ぼす役割と ために利用されることへの期待かもしれないῌ さ 問題点について論点を整理しておく必要性がある らに地域通貨は῍ 地域経済の不振でなくても῍ 少 ものと思われるῌ 小論では῍ 日本における地域通 子高齢社会の中で地域高齢者福祉機能の充実のた 貨の議論すべき点に注意しながら定義῍ 類型化を めの期待もあるῌ いずれにしても地域通貨に対す 試みると同時に比較的成功していると思われる事 る関心の高まりは῍ 地域住民の将来不安があっ 例からその要因の解明をねらいとするῌ て῍ その新たな改善手法としての地域通貨への期 待の表れであるῌ ῍ῌ 地域通貨の必要性 地域通貨研究は῍ 地域振興論῍ 地域政策論的な 人間の行動は῍ ひたすら経済価値のみを追求す アプロ῎チが多く῍ 金融論的な接近は少ないῌ そ るものではないῌ しかし῍ 日本は῍ 他国と比較し * 東京農業大学国際食料情報学部 て経済価値を重要視してきたῌ 日本の GNP が世 28 農村研究 第 33 号 ῏,**.ῐ 界第 , 位になったのは +303 年で -* 年以上も前の 育などの社会活動に領域を拡大していくケ῎スも ことであるが῍ 経済価値重視の姿勢は変わってい みられるῌ ないῌ 経済活動において効率は重要な概念である 地域通貨は῍ ファンタジ῎作家 M. エンデ ῑエ が῍ 効率を優先した経済活動を行えば行うほど῍ ンデの警鐘ῒ のいうエコロジ ῎ の破滅かエコノ 人件費の安い発展途上国への工場移転῍ 低コスト ミ῎の破滅かという二者択一の構図で導入されて 国からの食料の輸入῍ 貿易収支黒字額の大幅な増 いるわけでもなかった.ῐῌ 確かに M. エンデ ῑエン 加῍ 環境破壊῍ 国家観ῌ社会性の喪失などによっ デの警鐘ῒ は῍ 地域通貨導入の動機付けになった て῍ 国内経済が歪なものになるῌ 非経済価値とは῍ 面を否定しないῌ しかし地域通貨は῍ 地域内で発 生活視点からの環境῍ 福祉῍ 旅行῍ 社会教育῍ 町 生している問題を解決する活動の手段として導入 並みῌ田園の景観形成などであるῌ 日本は῍ 経済 されているῌ 価値と非経済価値とのバランスが必要であるῌ 地域通貨の可能性と期待との関連で῍ , つの大 日本における地域通貨導入の時期は῍ 平成不況 きな考え方があるῌ 一つは῍ 市場原理の問題点を 下の経済環境にあったῌ そうであっても῍ 地域通 強調したうえで人間の生存が狭義の経済学だけで 貨は地域経済不況のみから導入されたものではな 解決できないので玉野井芳郎の環境問題を含めた かったῌ 日本における地域通貨のより具体的な導 広義の経済学をベ῎スとして῍ それとの関連で地 入は῍ 以下のような要因であったと考えられるῌ 域通貨を位置づけるものである῏玉野井芳郎῍ +311 ; その第 + は῍ 高齢社会への対応としての導入で 00ῐῌ あるῌ 介護保険法の施行 ῏,*** 年 . 月ῐ によって高 他の一つは῍ 市場経済システムを認めたうえ 齢者福祉政策が本格化するῌ 地域通貨は῍ それを で῍ グロ῎バリゼ῎ションへの対抗運動として共 補完するもう + つの地域住民の自発的な福祉活動 同体的機能に着目したより望ましい市場経済シス を円滑化する手段として導入されるῌ テムの構築から地域通貨を位置づけるという西部 第 , は῍ 規制緩和政策による大型量販店の全国 忠の考え方である/ῐῌ 前者は広義の経済学から環 的展開の中で῍ 従来から営んでいた小規模小売店 境問題を重要視しているῌ それに対して῍ 後者は の販売不振による商店街の低迷対策としての導入 それを含めているけれども前面に押し出して強調 であるῌ しておらず῍ むしろ地域通貨の制約された通貨と 第 - は῍ バブル経済時及びその後の不況対策と しての機能からその可能性にふれている点でも異 して῍ 地方自治体が競って公共施設を導入した なるῌ これら , つの見方は῍ 経済学から地域通貨 が῍ その利用促進のためのボランテア活動に対す への接近方法とそれとは逆の地域通貨を経済学と る地域通貨の導入であるῌ の関連で接近する方法とによって異なってくるこ 第 . は῍ コンピュ ῎ タを活用した情報ネット ともあるῌ 筆者は῍ 後者の考え方に近いものであ ワ῎クが進展するとともに῍ それを活用した地域 るῌ その主な理由は῍ 市場原理か環境問題かとい 内の互助活動を進める主体が発生し῍ その手段と う対立軸を立てることよりも῍ 現実的には環境問 して地域通貨が導入されるῌ 題を含めた多様な問題が発生し῍ その解決の一手 第 / は῍ 自然環境対策のための地域通貨導入で あるῌ これは῍ 地域住民 + 人ひとりの意識を高め る必要性から導入されるῌ 第 0 は῍ 第 + から第 / にあげたものの複合的な 機能をもった地域通貨の導入であるῌ 段として地域通貨が用いられているからである0ῐῌ ῌῌ 地域通貨の定義 地域通貨に対する概念として法定通貨があるῌ 地域通貨の定義は῍ まず法定通貨の定義を示し῍ 地域通貨の主な導入要因は上記のものであって それとの比較によって地域通貨を定義づけること も῍ その後各地域通貨発行ῌ管理主体は῍ 社会教 が決定的に重要であるῌ これは῍ 流通している法 地域通貨の定義をめぐる論点と展開条件 定通貨῍ 一部で流通しているコミュニテイῌファ ンドと比較して地域通貨が地域経済活性化につな 1ῑ がりやすい特性と関係するからである ῌ もとよ り貨幣の歴史は古く῍ 古代ギリシャ時代にさかの ぼるῌ 以来῍ 貨幣の定義づけに関する論争があ 2ῑ る ῌ また ,* 世紀終わりから ,+ 世紀の初めにか けて出版された金融論に関する文献において῍ 貨 幣の定義からはいるものが少ないῌ それは῍ ひと くちに金融論といっても著者によって視点が異な り῍ 貨幣論 ῐ貨幣の定義ῑ を与件として展開してい ることが多いからであるῌ 29 るῌ 第 + は῍ 市民団体による自由発行と運営コスト を負担していることである ῐ地域住民の主体性ῑῌ 第 , は῍ 比較的狭い地理的範囲における活動圏 域であることである ῐ流通地域範囲の限定性ῑῌ 第 - は῍ 法定通貨と換金できないことである ῐ流通分野の限定性ῑῌ 第 . は῍ 利子がつかないことである ῐ貨幣機能の 限定性ῑῌ 第 / は῍ 一定期間を経過すると減価 ῐマイナスの 利子ῑ することでである ῐ貨幣機能の限定性ῑῌ 貨幣の三大機能は῍ 価値尺度 ῐ価格表示ῑ῍ 交換 第 0 は῍ 一定期間を経過すると最初に供給され 手段 ῐ支払ῑ῍ そして価値貯蔵手段 ῐ決済ῑ であるῌ た地域通貨額に戻ることである ῐリセット措置ῒ流 これらの中で最も重要な機能は῍ 交換手段として 通期間の限定性ῑῌ の機能であるῌ 貨幣に財ῌサ῏ビスに対する支払 以上の地域通貨の法定通貨との相違点は῍ いず 機能を付与させることによって῍ 個῎の商品ごと れも地域通貨としての大切な性格であるῌ もし῍ の物῎交換に比べて῍ 交換 ῐ支払ῑ がより円滑にな 地域通貨が法定通貨と自由に換金できれば῍ 地域 るῌ またその前提になる貨幣の機能は῍ 価値尺度 通貨の流通額が減少して῍ 地域通貨の地域循環が 機能であるῌ それは῍ 価格が表示されていなけれ 困難になるῌ カナダのトロントダラ῏のように῍ ば῍ 支払うことができないからであるῌ そのよう 法定通貨との換金を認めている場合もみられる な意味で῍ 価値尺度機能は貨幣の本質的な機能で が῍ それはレア῏ケ῏スである+*ῑῌ あるῌ 最後の価値貯蔵手段は῍ 価値尺度機能をも もし有利子であれば῍ 地域通貨を貯めこんで利 つ貨幣を貯蔵 ῐ預貯金等ῑ してその使用を先延ばし 息を稼ごうという利用者のインセンテブが働き῍ することで῍ 将来において必要に応じてそれを取 地域通貨の流通額が制約されるῌ また῍ 地域通貨 り崩し交換手段として利用できる機能のことであ が減価すれば῍ 早期のうちに地域通貨を使うとい るῌ 公共料金の自動引き落とし῍ 約束手形による うインセンテブが働くから῍ 地域通貨の流通額が 決済など῍ 財ῌサ῏ビスの享受の都度貨幣で支払 増加するῌ さらに地域通貨の使用に期限を設ける うのではなく῍ 一定期間後預貯金から引き落とす ケ῏ス ῐリセット措置ῒ流通期間の限定性ῑ もみられ という貨幣の価値貯蔵機能の重要さが増してい るῌ これも地域通貨の流通額を促す要因になるῌ るῌ 国民の多くが貨幣を貯蔵できるということ このような特性から῍ 地域通貨とは῍ 地域住民の は῍ その国全体として経済的に豊かなことを前提 手で作られる法定通貨との換金性と利子のつかな にしているῌ したがって῍ 価値貯蔵手段は῍ 経済 い狭い地理的範囲で流通する通貨と定義づけるこ 発展とともに重要視されるようになった貨幣の機 とができるῌ そして῍ 地域通貨流通額は῍ その地 能であるῌ 域における地域通貨がどれだけ役割を果たしてい 貨幣の利用は῍ 以上の三大機能をもっていると しても῍ その貨幣を利用する構成員の信任がなけ れば制約されるῌ この信任のことを一般的受容性 といわれているῌ それを高めるために国家が法定 3ῑ 通貨として強制通用させている ῌ それに対し て地域通貨は῍ 一般に次のように特徴づけられ るのかという指標として用いることができる++ῑῌ ῌῌ 地域通貨の定義をめぐる論点 地域通貨利用の対象領域は῍ サ῏ビスと財の供 給領域に分類できるῌ 前者は῍ 福祉῍ 社会教育῍ 環境運動などであるῌ 後者は῍ 農産物産直などで 農村研究 第 33 号 ῐ,**.ῑ 30 あるῌ また地域商店街の活性化のための地域通貨 あるῌ 地域通貨の地域範囲は῍ 一般的に市町村又 の部分的な利用の場合῍ 地域商店の提供するサ῏ はそれよりも狭い地理的範囲をさすῌ ビスと財にかかわる複合領域になるῌ また地域通 ネットワ῏クすなわち複数地域間提携による複 貨という場合の地域の定義づけも重要であるῌ た 数地域通貨流通の利点に関しては῍ 以下のように とえば῍ 個人であろうが法人であろうが῍ + 人で 考えられるῌ それは῍ 地域通貨流通額の増加が期 農業῍ レストラン῍ 民宿῍ 農産物直売という複数 待される点であるῌ 複数地域間提携による複数地 の事業を行い῍ その間を地域通貨と称して部分的 域通貨流通は῍ 地域通貨機能発揮の条件の + つで に流通させていたとしようῌ それは地域通貨とい ある多様で数多くの主体 ῐ多様性ῑ の存在をより増 えるのであろうかῌ より具体的には῍ たとえば῍ 加させるῌ そして῍ 地域通貨をパソコンを用いた 宿泊料金を + 万円支払ったときに῍ その + 割に相 情報ネットワ῏クで流通させることを考えれば῍ 当する ῒ地域通貨ΐ が宿泊者に提供されるῌ それ 複数地域間提携による複数地域通貨の流通は῍ 技 は῍ 自ら経営するレストラン῍ 農産物直売所で代 術的に容易なことであるῌ 金支払として利用することができるというもので +,ῑ その問題点としては῍ 第 + に῍ 複数地域間提携 ある ῌ 地域通貨の定義と仕組みとの関連で῍ 地 後において῍ 特定地域の地域通貨の流通額が増え 域通貨は , 者間においては῍ 相互の記憶῍ 記録に ても῍ 他の地域の地域通貨流通額が減少すれば῍ よって地域通貨を用いない交換形態へ収斂しやす 不十分なものに終わるῌ とくに両者の地域間距離 いῌ しかし - 者になれば῍ たとえば A から B へ が遠い場合῍ 移動コスト負担からサ῏ビスのやり サ῏ビスを供給し῍ C から A へサ῏ビスが供給さ 取りに制約が働きやすいῌ 第 , に῍ 複数地域間提 れた場合῍ A が B から受けた金額を記録し῍ A が 携による複数地域通貨流通は῍ 地域通貨運営者の C へ支払う仕組みを作る必要性が生ずるῌ した 事務処理が煩雑になり῍ 流通額の把握も困難にな がって῍ 地域通貨は - 者以上の主体が参加して῍ りやすいという問題があるῌ 地域通貨は῍ 特定地 異なる場所῍ 時間で財῍ サ῏ビスをやり取りする 域内で流通させるために法定通貨に比べて機能制 ときに῍ はじめて必要になるῌ そして地域通貨機 限されているのであるῌ このため῍ それを地域外 能発揮の条件は῍ 多様で数多くの主体 ῐ多様性ῑ が へ広めることは本来的な機能ではない+.ῑῌ それぞれ対等な立場 ῐ対等性ῑ でギブアンドテイク +-ῑ ただ῍ 特定地域内においてその地域通貨が流通 の関係 ῐ双方向性ῑ の成立することである ῌ さき するが῍ その地域通貨を使用する人῎が地域内外 に示した + 人の同一経営者が営む複数事業間を流 の居住者である場合῍ + 種類の地域通貨が同一地 通させる形態は῍ このような地域通貨の定義と仕 域内で循環するのであるから῍ 地域流通量を増大 組み ῐ機能発揮条件ῑ からみれば῍ 地域通貨といえ させ῍ 地域活性化に役立つῌ たとえば῍ 都市農村 ないῌ それは῍ 宿泊料金の支払を前提とした同一 交流で都市部の人῎が農村を訪れ῍ 農作業ボラン 経営者内部という使用限定割引券であるῌ テアの対価として地域通貨を受取り῍ それを地域 さらに地域をより拡大させて῍ , つの地域でそ れぞれ異なる地域通貨を流通させる場合῍ 両者間 内レストランの支払の一部῍ 農産物直売所の野菜 購入の一部として利用するケ῏スであるῌ の提携によって両方の地域で , 種類の地域通貨の さらに῍ プリペ῏ド機能῍ キャッシング機能῍ 流通が可能となるとき῍ それをもって地域通貨と ポイント機能を IC カ῏ドに内蔵されたものをコ いえるのであろうかῌ これは῍ 地域範囲とネット ミュニテイカ῏ド ῐ地域通貨ῑ と称して発行されて ワ῏クの利点をどのよう理解するのかという地域 いるケ῏スがある+/ῑῌ これは商店街活性化のため 通貨の定義をめぐる悩ましい問題であるῌ 地域範 に民間で行われているが῍ それに行政も加わって 囲に関しては῍ たとえば欧州地域経済圏῍ 関東地 行政サ῏ビスに対しても支払い可能であるῌ この 域῍ 市町村῍ 旧村῍ 自治会῍ 商店街῍ 集落などが コミュニテイカ῏ドは地域通貨であろうかῌ これ 31 地域通貨の定義をめぐる論点と展開条件 は῍ 従来からのクレジットカ῎ドに商店街で発行 多いῌ さらに表 + にみられないが῍ エコプロジェ していたポイントカ῎ドを IC カ῎ドに切り替え クトなどのプロジェクト中心のものもあるῌ 地域 たものにすぎないῌ これは῍ 通貨機能に制約条件 通貨は῍ 現在のところ主に ῌ 地域コミュニテイ を付けて地域通貨の流通額を増加させるという地 活性目的型῍ ῍ 地域経済循環目的型῍ そして ῎ 域通貨の特徴に適合しないῌ 地域通貨は῍ 地域の 地域プロジェクト目的型として類型化されるῌ 活性化の手段として導入されるものであるが῍ そ 第 , は῍ 入会時における会費῍ 基金への寄付を のために無原則に地域通貨と称されては混乱を引 徴収しているケ῎スが少ないことであるῌ 法定通 き起こすῌ 貨の裏づけのない地域通貨の供給でもって῍ 会員 から地域通貨の信任を得られるのであろうかῌ こ ῏ῌ 地域通貨の特徴 れは῍ ῌ 会費῍ 寄付金を徴収すると会員数の増え 地域通貨は῍ すでにふれたように ,+ 世紀に入っ ないことが危惧され῍ 加えて῍ ῍ 少額の地域通貨 て急増し῍ ,**- 年現在全国で -** 事例をこえてい の配布からスタ῎トするので問題が発生していな るῌ 地域通貨の代表的な事例を第 + 表に示すῌ こ いのかもしれないῌ 地域通貨は῍ 会員の信任に れらの事例を参考にして日本の地域通貨の特徴に よって成り立っていると言われているῌ 信任しな ついて検討するῌ い人は῍ そもそも会員にならないといわれれば῍ 特徴の第 + は῍ 活動の目的がコミュニテイの活 +0ῐ それまでであるが῍ しかし表 + の地域通貨ラブの 性化 ῏福祉活動ῐ を中心としている点である ῌ そ ように会費῍ 寄付金を徴収せず ῏基金を設けずῐ に の他に地域経済の活性化を目的としている事例も 入会時に + 万ラブズ ῏+ 万円相当額ῐ の提供の場合῍ 表 + 日本における代表的な地域通貨の特徴 地域通貨名 クリン おうみ 流通開始時期 目 的 運営主体 会 費 ,*** 年 , 月 あたたかい地域 社会の構築 NPO なし 通貨形態 紙幣方式 +333 年 0 月 地域経済の活性 化 NPO 年間 /** 円 入会時基金千円 紙幣方式 - 千クリン ῏,5+** 円ῐ 千クリンΐ + 労働時間 / おうみ ῏/** 円ῐ + おうみΐ +** 円 減価方式 なし なし 活動地域 仲介者 参加者数 栗山町 あり 101 人 /2 協賛店 ῏,**- 年 , 月ῐ +,/ 万クリン ῏,**, 年度ῐ ῏214/ 万円ῐ あり 高齢者等による 相互扶助が中心 草津市中心 なし ,** 人 タクシ῎等 ῏,**, 年 +, 月ῐ 約 / 千おうみ ῏,**, 年次ῐ ῏01 万円ῐ なし 比較的若い住民 の相互扶助が中 心 開始時通貨 価値の目安 年間流通量 行政関与 特 徴 ZUKA ピ῎ナツ ,**, 年 . 月 コミュニテイの 活性化 大和市ῌNPO なし ,*** 年 2 月 コミュニテイの 活性化 NPO なし +333 年 , 月 地域経済の活性 化 NPO なし IC カ῎ドῌ 紙幣方式 + 万ラブズ ῏+*5*** 円ῐ + ラブΐ+ 円 紙幣方式 通帳方式 ラ ブ ラブ券引出し時 に +῍ 徴収 大和市 なし 241 万人 1* 店舗 ῏,**- 年 - 月ῐ 約 0* 万ラブズ ῏,**, 年度ῐ ῏0* 万円ῐ あり 共同利用施設利 用が中心 +*ZUKA ῏-5/** 円ῐ + ズカΐ-* 分 労働時間 ゼロ pea 使用制限あり 千 peasΐ + 労働時間 +peaΐ+ 円 毎月 +῍ 減価 宝塚市 あり /+2 人 ス῎パ῎ ῏,**, 年 + 月ῐ ,5,/* 回 表注 .ῐ ῏1242 万円ῐ あり 住民の相互扶助 が中心 千葉市等 なし .0* 人 0* 事業所 ῏,**- 年 1 月ῐ -, 万 peas 表注 /ῐ ῏-, 万円ῐ なし 事業者への広が りが特徴 ῏出所ῐ クリンに関しては῍ くりやまエコマネ῎研究会 ῑ平成 +. 年度活動報告書ῒ῍ おうみ῍ ラブの地域通貨に関し ては῍ 地域通貨おうみ委員会῍ ラブズサポ῎トセンタ῎からの調査によるῌ その他の地域通貨に関しては῍ 地域活性化センタ῎ ῑ新しい経済活動を伴う地域経済の活性化に関する研究会報告書ῒ を参考にしたῌ ῏注ῐ +ῐ 参加者数は登録者数であって῍ 利用者数ではないῌ ,ῐ 流通額は概数ῌ + 労働時間 1** 円として計算ῌ -ῐ ῏ ῐ 内の数値は῍ 相当する金額であるῌ .ῐ ZUKA の年間流通量は῍ ,**+ 年 0 月から ,**, 年 + 月までの 2 か月分を + 年分に比例按分した推計値ῌ /ῐ ピ῎ナツの年間流通量は῍ ,*** 年度から ,**+ 年度までの , 年度分の年間平均値ῌ 32 農村研究 第 33 号 ῏,**.ῐ 地域住民からの信任を得るには高すぎるように思 いるので行政主催イベントなどのボランティアと われるῌ さらに῍ 裏づけのない地域通貨の発行は῍ して行政側から協力要請されれば῍ それに協力し 仮に多数のサ῎ビスの依頼者が常識をこえた高い やすいῌ 支払単価で地域通貨を支払えば῍ 地域通貨価値の 低下 ῏インフレ ῎ ションῐ をもたらすῌ たとえば ῌῌ 地域通貨利用の問題点 サ῎ビスの提供で + 時間 /** ラブズが相当である 日本における地域通貨の急速な展開は῍ ,+ 世紀 とき῍ 多くの人が + 時間 /,*** ラブズを支払った に入ってからであるῌ 地域通貨を流通させている 場合῍ +* 分の + にこの地域通貨価値が低下するῌ 事例数は῍ おおよそ ,*** 年 -* 件῍ ,**+ 年 +** 件῍ 会費῍ 寄付金による基金の裏づけによって法定通 ,**- 年 -** 件であるῌ このような事例数の急速な 貨の代わりに地域通貨が発行されれば῍ 法外な支 増加は῍ 地域通貨に対する地域住民の期待が大き 払単価による地域通貨の支払件数は大きく減少す いからであるῌ 地域通貨は῍ 地域内において一定 るから地域通貨価値の低下を防ぐことができるῌ の役割を果たしているものの問題点もみられるῌ 第 - は῍ 表 + にみるように῍ 地域通貨価値の目 その第 + は῍ 地域における限られたサ῎ビスの 安に統一的な基準がみられない点であるῌ たとえ 提供に対して利用されているのにすぎない点であ ば῍ + 地域通貨単位ΐ+ 円相当῍ または + 地域通貨 るῌ 地域通貨は῍ 高齢社会の中で相互扶助的な福 単位ΐ+ 労働時間相当というような基準を設ける 祉社会の充実を図る手段として期待されているῌ ことが必要であるῌ そのことによって῍ 地域住民 しかしそれに関する地域通貨の利用は῍ 現在のと は῍ 地域通貨の価値を法定通貨の価値とより比較 ころ代表的事例である地域内においても限られて しやすくなるῌ おり῍ 全面展開というところまで浸透していな 第 . は῍ 地域通貨の年間流通額は῍ 地域通貨の いῌ より詳細は῍ 後に栗山町の事例を紹介するῌ 代表的な事例をみても῍ /* 万円相当額程度であっ 第 , は῍ 財の提供に関する地域通貨の利用がほ て῍ 多いものではない点であるῌ 地域通貨として とんど行われていない点であるῌ 地域通貨の目的 全国一の流通額といわれているクリンであって は῍ 地域内において財ῌサ῎ビスの提供の見返り も῍ 年間流通額は῍ 22 万円相当額程度であるῌ 地 に地域通貨が提供され地域内循環を促すことに 域通貨は῍ ῑ共助ῒ 的な機能による政策補完῍ 広域 よって῍ 地域活動をより活性化させることにあ 流通補完であるから῍ 流通額が限定されやすいこ るῌ サ῎ビスの提供は῍ たとえば相互扶助よる福 と῍ 及び後の事例分析でふれるように PR 不足も 祉活動のように地域内循環に向いているῌ しかし あるῌ 財の地域内提供は῍ サ῎ビスの提供のように単純 第 / は῍ 行政からの経済的な支援を受けている ではないῌ それは῍ たとえば商店で販売される商 事例が多い点であるῌ これは῍ 地域住民の自主性 品の多くを他地域から仕入れて῍ その後販売され と行政支援との関係で悩ましい特徴であるῌ 地域 るῌ 他地域からの商品仕入に関しては῍ 地域通貨 通貨の管理運営主体は῍ 任意団体から NPO へ切 の使用が難しいῌ 地域内で生産される商品の地域 り替えているῌ 法人格を取得しても῍ この NPO 内販売においても῍ その商品を生産するために用 の収入が少ないῌ その一方で῍ NPO の人件費῍ 施 いられる生産財の調達は主に地域外からの調達で 設ῌパソコン利用料などの一定の費用を必要とす あるῌ その場合も地域通貨の使用が困難であるῌ るῌ NPO は収入の不足を補うために῍ 行政からの このため財の供給に関して地域通貨の使用は限ら 経済的な支援を受けている場合が多いῌ 地域通貨 れたものになりやすいῌ ただ῍ 限られら地域通貨 の運営ῌ管理主体が政策補完の役割を果たしてい の使用であっても可能な限り地域通貨を使用する るので῍ 行政からの支援を受けることがあっても ことにより῍ 地域循環型経済を進めることができ 良いῌ しかし NPO は῍ 行政から経済支援されて る+1ῐῌ 33 地域通貨の定義をめぐる論点と展開条件 ῌ クリンの展開条件῍北海道栗山町 ῌ クリン流通の仕組みと利用急増の要因 会するときに手持ちのクリン紙幣とエコポイント カドをこの研究会へ返還しなければならない 地域通貨の取り決め事項は 以下のとおりであ クリンは日本における地域通貨の中で最大規模 る 発行ῌ運営主体は くりやまエコマネ研究 の位置にある くりやまエコマネ研究会規約の 会である 地域通貨の名称はクリン 発行方式は 総則第 - 条によれば 栗山町は少子高齢化が進む 紙幣 地域通貨の種類は /** クリン +,*** クリ 中で地域住民による相互扶助の精神が不可欠で ンの , 種類である+3 計測基準は + 時間当たり あって そのための方策の一つとしてエコマネ のサビス+,*** クリンである 会員数は //* を導入している 冒頭でもふれたが第 + 回地域通 人 ,*** 年 0 月 00. 人 ,**, 年 , 月 101 人 ,**- 貨国際会議が ,**, 年に栗山町で開催され 外国 年 , 月 と増加している 会員数は増加している からカナダ アメリカ合衆国 イギリス イタリ が それでもこの会員数 101 人 の対人口比率は ア 国内から地元の栗山町のほかに神奈川県大和 約 /῍ 101 人+/ 千人 である 地域通貨の利用者 市など / 市の実践者の報告があった そのデス 数は 表 , のように +2- 人 ,**, 年 , 月 ,1* 人 カッションでは 行政とのかかわり方が主な議論 ,**- 年 , 月 と増加している 会員数に対する利 となる 福祉を中心とした地域通貨は アメリカ 用者数の割合である利用者率は 同期間 ,1 0῍ 合衆国を中心とし その他にカナダ フランス -/.,῍ と高まっている サビスメニュ登録数 日本 ふれあい切符 で普及しているタイムダラ は /,. ,**+ 年 /., ,**, 年 と増加している でみられる 福祉を中心とした地域通貨は 日本 このメニュは 住民生活のためのタウンペ においてもみられるが 今後少子高齢化 地方財 ジ に掲載され 参加者へ配布されていたが そ 政の逼迫からさらに増加していくものと思われ の他に ,**+ 年からパソコンのインタネット環 る 境にある会員の場合パソコンでメニュをみるこ 栗山町は 岩見沢市と夕張市の中間に位置し 人口約 +/ 千人 ,**, 年 の町である 栗山町は とができるようになる コディネタ制は ,**+ 年 3 月に導入され +332 年に町立看護福祉学校を開校してから福祉 ている それまでは 会員がサビスを依頼する 行政を積極化する 地域通貨クリン導入 ,*** 年 , ときに メニュリストに掲載されている会員に 月 の契機は 介護保険制度 ,**. 年 . 月以降実施 直接電話してサビスの提供をお願いしていた ではカバされない心のケアの必要性と加藤敏春 当時通産省 の指導である くりやまエコマネ 研究会 +333 年 3 月 の運営の特徴は 町の福祉行 政の積極化とこの研究会に対する行政支援もあっ て 行政主導型であることである クリン導入の目的は 地域社会全体での支えあ いの仕組みの実現である+2 地域通貨を利用する には くりやまエコマネ研究会の会員にならな ければならない 会員になる条件は 町民及び町 内職場に通勤している他地域住民である この加 入条件に会費の徴収はない 加入すれば 会員は -,*** クリン エコポイントカド サビスメ ニュ 表 エコポイント協賛店マップ エコマ ネ概要書を受け取ることができる 会員は 脱 表 , 項 地域通貨クリンの利用と流通金額 目 サビスメニュ 参加者数 人 項目数 項目 利用者数 人 利用者率ῌ ῍ 利用回数 回 利用項目数 項目 利用率ῌ ῍ クリン流通額 クリン + 利用当たり平均流通額 エコポイント 利用者数 人 利用者率 ῌ ῍ エコポイント数 ポイント クリン流通額 クリン 総流通額 クリン ,**+ ,**, 対前年度比 0.. /,. +-, ,2.. ,*/ -2 342 ,+*5.** +5*,0 101 /., ,1* -/4, /11 /0 +*412*5*** +5-/, +4+3 +4*,4*/ +4,. ,42+ +4.1 +4*/ -41+ +4-, 2+ +,40 +52.* +2.5*** +*+ +-4+ .502/ .025/** +4,/ +4*. ,4// ,4// -3.5.** +5,.25/** -4+1 出所 くりやまエコマネ研究会 活動報告書 により作成 農村研究 第 33 号 ῑ,**.ῒ 34 しかし῍ それでは῍ 知らない人に頼みづらいこと ニュ῎表によるサ῎ビスのやり取りは῍ 主に 0* から仲介者の必要性が高まるῌ このため῍ ,*** 年 歳以上の会員間による相互扶助という内容が浮き 3ῐ++ 月において南中里地区に依頼者と提供者と 彫りにされるῌなおこのサ῎ビスのやり取りは῍栗 を仲介するコ῎ディネ῎タ῎制を試みるῌ 山町の農村部ではなく市街地で行われている,*ῒῌ ただ῍ コ῎ディネ῎タ῎がメニュ῎リストから サ῎ビスメニュ῎と地域通貨クリンを用いた相互 適任者を捜すのに時間を必要とし῍ タイムリ῎な 扶助的な福祉活動などに関するクリンの流通額 仲介業務を行いにくいῌ コ῎ディネ῎タ῎制を継 は῍ 表 + のように῍ ,**+ 年度から ,**, 年度にか 続するが῍ この問題を解決するために῍ エコマ けて ,+ 万クリンから 12 万クリンへ -.1 倍増加し ネ῎支援システムを導入 ῑ,**+ 年ῒ し῍ メニュ῎表 ているῌ これは῍ この間に利用者数と利用回数が などをデ῎タ῎ベ῎ス化することによって῍ 既存 それぞれ約 , 倍῍ ,.2 倍に高まっていることが大 の仲介者及びくりやまコミュニテイネットワ῎ク きく貢献しているῌ これは῍ 主にコ ῎ ディネ ῎ で仲介業務を円滑にできるようになるῌ なお῍ く タ῎制の導入による利用者の増加と関係してい りやまエコマネ῎研究会は῍ ,**- 年 / 月に特定非 るῌ 営利活動法人 ῑNPOῒ くりやまコミュニテイネッ その他に῍ 環境視点からのエコポイント制度が トワ῎クと名称変更するとともに῍ それまでの地 導入されているῌ これは῍ サ῎ビスを受けて地域 域通貨クリンの試験流通段階から本格流通へ変化 通貨クリンの減少した会員の対応策として導入さ するῌ れたῌ エコポイントの発行者は῍ /2 の町内協賛店 サ῎ビスメニュ῎を利用したサ῎ビス提供の主 ῑ,**, 年度ῒ であるῌ 発行条件は῍ 買い物袋持参῍ な内容は῍ 表 - のように῍ 犬の散歩῍ 子供の世話 エコマ῎ク商品の購入であるῌ 購入者は῍ 購入数 など生活に関するもの῍ 話し相手῍ お茶碗洗い῍ 量の多少にかかわらず῍ + 回の購入に対して + エ 買い物῍ 除雪など主として高齢者への世話に関す コポイントがもらえるῌ エコポイントとクリンと るものであるῌ この内容から῍ 介護保険制度の対 の交換条件は῍ / エコポイントと /** クリンとの 象にならない項目であっても高齢者の生活にとっ 交換であるῌ 地域通貨クリンの利用者は῍ このこ て大切であることがわかるῌ とからエコポイントを増加させ῍ 地域通貨クリン くりやまコミュニテイネットワ῎クからの調査 によれば῍ ,**, 年度のサ῎ビスの依頼者は῍ 0* 歳 と交換することによって῍ クリンを増加させるこ とができるῌ 以上で 3 割῍ 0* 歳未満で + 割であるῌ それに対し エコポイント制度に関する地域通貨クリンの流 て῍ サ῎ビスの提供者は῍ 0* 歳以上で 1 割῍ 0* 歳 通額は῍ ,**+ 年度から ,**, 年度にかけて῍ 表 + 未満で - 割であるῌ このことから῍ サ ῎ ビスメ のように῍ +2.. 万クリンから .0.2/ 万クリンへ ,.// 倍増加しているῌ これは῍ 同期間の利用者数 表 - サ῎ビスメニュ῎項目別提供者数順位 ῑBEST+*ῒ 項 目 犬の散歩 話し相手 オセロの相手 除雪 図書館の本を借りるῌ返却 お茶碗洗い 子供の世話 ῑ. 時間以内ῒ 車使用の買い物 買い物 お茶のみ友達 ῑ単位 : 人ῒ 者がより多くのエコポイントを得ていることを物 ,**+ ,**, 1* 2* 03 /. /, 0+ ῏ .. .* -2 1. 11/2 /1 /. .3 .0 ῏ .* ῑ出所ῒ 表 , に同じῌ ῑ注ῒ イベントの協力約 +** 件を除くῌ の +.,/ 倍からみて῍ 新規だけではなく既存の利用 語っているῌ それだけ῍ 利用者数は +*+ 人と限定 されているものの῍ 環境の改善により積極的に関 与してきたものと思われるῌ このように地域通貨 クリン参加者の環境意識の高まりがあるが῍ サ῎ ビスメニュ῎を利用した福祉活動と環境活動とは 関連しているῌ それは῍ エコポイントが増加すれ ば῍ クリンとの交換によってクリンが増加するの で追加的な福祉サ῎ビスを受けられるからであ 35 地域通貨の定義をめぐる論点と展開条件 るῌ た高橋松男が会長の役目を代行するῌ そして彼 また῍ グリ῎ンファンド制度があって῍ 各協賛 は῍ 次回の改選で南中里地区老人会長になるῌ 高 店舗は + エコポイントにつき , 円を寄付し῍ 植 橋は῍ 回覧板で連絡するのではなく῍ 高齢者世帯 樹῍ 河川整備の基金として活用されるῌ エコポイ を + 戸 + 戸回って世間話をしながら住民とのコ ント制度導入によって῍ ,*** 年 3῏+* 月に店が提 ミュニケ῎ションを深めることに時間を割いたῌ 供していた約 / 千枚の買い物袋が減少したῌ 高橋が各高齢者世帯を訪問すると喜んでくれ῍ 家 サ῎ビスメニュ῎及びエコポイント制度に関す 庭の事情῍ 悩みを話してくれるようになるῌ そし る地域通貨クリンの流通額は῍ 表 + のように῍ -3.. て南中里地区老人会員の中で῍ 老人会の研修 ῐ温 万クリン ῐ,**+ 年度ῑ から +,..3 万クリン ῐ,**, 年 泉ῑ 旅行῍ 花見῍ カラオケ交流会などの行事におい 度ῑ へ -., 倍増加しているῌ この +,..3 万クリン て会員数の半数程度の参加状態が続くῌ は῍ +,,.3 時間に相当し῍ 全国一の流通額であると 南中里地区老人会のメンバ῎がくりやまエコマ いわれているῌ 町民は῍ クリンの導入によって῍ ネ῎研究会に入会するようになったのは῍ 都会の 地域に対して何ができるかを考えるきっかけづく ような希薄な人間関係になりたくなかった点にあ りになっているῌ るῌ 第 + 次試験流通時期 ῐ,*** 年 ,῏- 月ῑ におけ ῌ 南中里地区におけるクリンの積極的利用要因 る南中里地区の参加人数は῍ 表 . のように /* 名 サ῎ビスメニュ῎を用いた地域通貨クリンの利 であるῌ これは῍ 栗山町全体 ῐ,/* 人ῑ の ,*῍ を占 用は῍ 市街地の中でも南中里地区῍ 桜丘地区が中 めるῌ それを世帯数でみると参加者世帯数は ,/ 心であり῍ さらに看護学校の生徒がボランテア活 世帯であるῌ そのうち 0* 歳以上世帯は῍ +/ 世帯 動 ῐ必修科目ῑ の一環として参加しているῌ これら であって 0*῍ を占めているῌ このことから῍ 南中 三者の中で῍ 南中里地区が最も積極的に地域通貨 里地区は῍ クリン流通のスタ῎ト時点からとくに クリンを利用しているといわれているῌ このため῍ 0* 歳以上の住民の積極的な参加であったことが 南中里地区における取り組みについて紹介し῍ 積 わかるῌ その後῍ 南中里地区の参加者数は῍ ,/ 世 極的な取り組みの要因を浮き彫りにしたいῌ 帯から /* 世帯へ倍増しているけれども῍ 0* 歳以 南中里地区は῍ 新興住宅地であるῌ 地区住民は῍ 上世帯は増加していないῌ そのことは῍ 比較的若 +330 年に 1* 戸程度になったので῍ 町内会を作るῌ い世帯の参加数が増加していることを意味するῌ +331 年に高齢者も ,* 世帯 .* 人いるので老人会 南中里地区におけるサ῎ビスメニュ῎表を用いた を作ろうということになって῍ 2* 歳代の人が会長 サ῎ビスのやり取りに関して῍ 高橋松男からの調 に῍ そして老人会で最も若く活動的な 0* 歳に 査によれば῍ 頼む方は 0* 歳以上で 32῍ 程度と殆 なったばかりの高橋松男 ῐ会社をその , 年前に早期 どを占めるῌ 逆に頼まれる方は῍ 0* 歳以上で 1 割 退職ῑ が会長を支える立場の副会長になったῌ そ 程度であるῌ これは῍ さきにみた栗山町全体の値 の後間もなく高齢の会長が入院し῍ 副会長であっ と類似的で῍ 0* 歳以上層で助け合っているという 表 . 南中里地区のくりやまエコマネ῎研究会参加者数ῌ世帯数 世帯数 ῐ世帯ῑ うち 0* 歳以上 人数 ῐ人ῑ 栗山町全体参加人数 ῐ人ῑ 第 + 次試験流通 第 , 次試験流通 第 - 次試験流通 ,/ +/ /* ,/* /* +/ 1* //* /* +/ 1* 1/* ῐ出所ῑ : 高橋松男からの調査によるῌ ῐ注ῑ +ῑ 南中里地区の世帯数 ῐ,**- 年ῑ は +,, 世帯であるῌ ,ῑ 南中里地区 0* 歳以上世帯数῍ 人数 ῐ,**-年ῑ は῍ それぞれ .* 世帯῍ 02 人であるῌ -ῑ 第 + 次試験流通は ,*** 年 , 月から - 月ῌ 第 , 次試験流通期間は ,*** 年 3 月 ++ 月ῌ 第 - 次試験流通期間は ,**+ 年 3 月から ,**- 年 - 月ῌ 36 農村研究 第 33 号 ῑ,**.ῒ 特徴がみられるῌ それだけに῍ 老人会の役割が大 対的に多い要因として῍ 第 + に῍ コ ῏ ディネ ῏ 切なのであるῌ タ῏制の導入があげられるῌ コ῏ディネ῏タ῏制 第 , 次試験流通 ῑ,*** 年 3 ῐ ++ 月ῒ において῍ は῍ 知らない人に頼みにくいことから導入され コ῏ディネ῏タ῏制が地区ごとに導入されるῌ し たῌ 第 , に῍ 参加者の環境意識の高まりであるῌ かし῍ それをできない地区が続出するῌ 南中里地 参加者は῍ エコポイントとクリンとが交換できる 区では῍ 当初 . 人のコ ῏ ディネ ῏ タ ῏ を設けた ので῍ 追加的なクリンの増加とその利用によって が῍ そのうち , 人がやめたῌ 残りの , 人のコ ῏ より多くのメニュ῏表による福祉サ῏ビスを受け ディネ῏タ῏は῍ 町内会の事務局長 ῑ山崎ῒ と老人 ることが可能になるῌ 第 - に῍ 老人会組織の活用 会会長 ῑ高橋ῒ であるῌ これら , 人は῍ ともにクリ であるῌ 新たに組織を作るよりも῍ 既存の組織を ン流通開始時点から参加しているῌ 山崎 ῑ1. 歳ῒ 活用することによって地区内の役員数を増やさな は῍ 地域マネ῏長者 ῑサ῏ビスの享受よりその提供が くてもすむῌ 第 . に῍ マンパワ῏の存在であるῌ はるかに多い人ῒ といわれているῌ , 人とも南中里 第 + にあげたコ῏ディネ῏タ῏制にせよ第 - にあ 地区の世話人であって῍ 個῎の世帯の内容を知っ げた老人会組織の活用にしても῍ マンパワ῏の存 ており῍ 逆に地区住民もこれらの , 人のことを 在によって῍ その効果が異なったものになるῌ 老 知っているῌ このことから῍ , 人のコ῏ディネ῏ 人会活動に熱心な人がいて῍ その活動を高める手 タ῏は῍ 住民から仲介の依頼があれば῍ 依頼者の 段として地域通貨クリンが位置づけられるῌ できる限り近隣の人にサ῏ビスの提供をお願いで きるῌ また῍ くりやまコミュニテイネットワ῏クは῍ 南中里地区の事例でみたように῍ 自治組織であり 老人会会長の高橋松男は῍ 南中里地区内の総役 かつ行政の下部組織という性格をもつ町内会῍ 老 員会῍ 町内会主催の焼肉パ῏テイなどを活用して 人会を活用しているῌ このことから町民の多く 南中里地区住民へ῍ ΐメニュ῏表にとらわれない は῍ 栗山町 ῑ行政ῒ が地域通貨クリンの運営ῌ管理 で῍ 何でも必要なことを言ってください とクリ を行っていると思っているῌ 地域通貨は῍ 地域住 ンを PR しているῌ 高橋松男は῍ クリンを活用し 民団体が地域住民のニ῏ズを受けて῍ 地域福祉῍ た相互扶助的なサ῏ビスのやりとりに関する南中 経済などの活性化のために῍ 自主的に地域通貨を 里地区を含めた町全体の課題として῍ 第 + に῍ 栗 発行ῌ運営ῌ管理することが本来的な姿であるῌ 山町老人連合会の下に .* 人の老人会長がいるの そのため῍ その地域組織も地域通貨の運営団体が で積極的な加入を促すための PR の必要性をあげ 独自に形成することが望ましいῌ それが行政と一 ているῌ 第 , に῍ .* 人いる町内会長への PR をあ 定の距離をおく前提条件であるῌ くりやまコミュ げているῌ これらは῍ クリンを活用したサ῏ビス ニテイネットワ῏クは῍ NPO 法人格を取得した のやり取りに関して῍ 地区間の格差の大きいこと ので῍ 町民に行政依存から離れたことをアピ῏ル を意味しているῌ 第 - に῍ ,**. 年度から ΐごみの したいという意向であるῌ そのためには῍ この 有料化 になる予定であるが῍ それに地域通貨ク NPO の資金繰りを円滑化させるための安定した リンをいかに関連させるかという課題であるῌ 第 収入源の確保が大切になってくるῌ . に῍ サ῏ビスメニユ῏項目内容とサ῏ビスを受 けたいという需要とのミスマッチの調整をいかに 図るかという課題であるῌ 最後に῍ 南中里地区の積極的な参加要因と行政 下部組織の老人会活用との関係について考察した いῌ 南中里地区における地域通貨クリン利用の相 付 記 本論文は῍ 文部科学省科学研究費 ῑ基礎研究 ῑBῒ ῑ,ῒ 一般῍ 課題番号 +.-0*+-.῍ 代表白石正彦ῒ による成 果の一部であるῌ 地域通貨の定義をめぐる論点と展開条件 37 注 + 世界の代表的な地域通貨は 先進国で最古 +3-. ῌ最大のスイスの WIR カナダのバンクバ島 済学 政府の役割 情報の経済学など旧来の市場経 済学の枠組みをこえている +32- で始まり先進各国で最も普及している 1 社会的役割が大きくても収益の生みにくいコミュ LETS +*῍のコミュニティ事業への寄付を前提に ニテイῌサビスの事業者に対して 低コストの資 カナダドルと交換可能なトロントダラ +332 金を調達するために行政の利子補給のほかにコミュ ニュヨク州イサカ市内で - 割程度の地域通貨と ニテイ ῌ ファンドの形成と供給の動きも散見され 1 割程度の法定通貨で商店街 生協 ファマズ る この点に関しては 地域活性化センタ ,**. : マケットで買い物ができるイサカアワズ +33+ +0ῌ+1 参照 世界最大の地域通貨システムであるアルゼン 2 貨幣法制説 国家等の権力が あるものを貨幣と チンの RGT +33/ 地域通貨のみでバザで買 して使うように命じたから貨幣として通用するとい い物ができるようになったことで有名なメキシコの う説 貨幣商品説 貨幣そのものも商品であって トラロック +330 女性の育児ῌ家事を仕事とし その商品が交換過程のなかで自然と貨幣になるとい て位置づけ 行政 ロマ市 の連携もあって女性 う説 との論争である たとえば ふぎん地域経済 からの支持を得ているイタリアの時間銀行 +33+ 研究所 ,**- : + 参照 がある これらについては 丸山真人ῌ森野栄 3 国家の強制通用によっても インフレションな 一 ,**+ : +-2ῌ+.1 西部 忠 ,**- : -.ῌ-/ を参 どによって利用者からの貨幣に対する信任がえられ 照 ないこともある このため国家による貨幣量のコン , この大会のシンポジュウムでは トロントのトロ トロル コンピュタのシステム管理なども必要 ントダラ ワシントン D. C のタイムダラ サン である この件に関しては 斉藤精一郎 +33/ : .00ῌ フランシスコのフレンドリ ῌ フェバ イギリ .03 で整理されている ス ῌ バミンガムのサウス ῌ バミンガム ῌ レッ +* このトロントダラは 商店やビジネスの参加を ツ ロマのバンカῌデルῌテンポ 栗山のクリン 促進するために額面の 3*῍ でカナダドル 法定通 神奈川県大和市の LOVES, 京都市の LETS-Q, 宝 貨 に兌換できる たとえば丸山真人 森野栄一 塚市の ZUKA, 姫路市の千姫 松山市の時間銀行の ,**+ : +.+ῌ+., 参照 報告があった それぞれの地域通貨の特徴と問題点 ++ 地域通貨は 結局のところ どれだけ地域内で循 は原稿枚数の関係で割愛する くりやまエコマネ 環的に流通しているのかが大切であって 流通量 研究会 ,**, : -+ῌ-. 参照 - 地域通貨運営主体の多くは ホムペジを活用 利用延べ件数労働時間 がその機能上の指標と して利用される ただ その件数は行政イベントの している それは 双方的な地域内情報が相互扶助 手伝い 公共施設利用で殆どを占めるケスもあっ 的な地域活動 地域通貨機能発揮 を促進するとい て 指標の取扱に注意を払う必要がある う期待であるのかもしれない . エンデの警鐘 は +333 年 / 月に NHK で放映 された そして ,*** 年に エンデの警鐘 が NHK 出版から出版された 但しエンデは 貨幣システム の何を変えるべきかを問うているが その具体的な かたちで答えを述べていない この点については +, これは 長野県穂高町において安曇野ハ トマ ネと称されている実例である +- この点に関しては 日本総合研究所 ,**- : 0 参 照 +. 地域通貨でなくとも 地域間提携の一環として地 域間交流活動が +33* 年代以降注目された それは 坂本龍一 河巴厚徳 ,**, : +0ῌ+1 において解説を 地域情報交換 教育面で一定の役割を果たしている 含めて展開されている けれども それが地域経済の活性化につながってい / この点については 西部 忠 ,**- : 裏表紙 -* 参照 0 前者の接近方法は 市場経済学をこえた広義の経 済学の枠組みによるものであって評価できる 玉野 井芳郎 +311 : 00 ただ 現代の経済学は 公共経 るケスは少ないものと思われる たとえば 日暮 賢司 +332 参照 +/ これは 長野県駒ヶ根市におけるつれていってコ ミュニテイカドの実例である +0 加藤敏春のいうエコマネは このコミュニテイ 農村研究 第 33 号 ῏,**.ῐ 38 活性化に対応するῌ 加藤敏春 ῏,**+ : -0ῐ は῍ この件 について Q & A 形式で示しているῌ +3ῐ ,**- 年 / 月以降のクリン本格運用にともない῍ そ れまでの地域通貨種類 +** クリン῍ /** クリン῍ +1ῐ 地域循環型経済とは῍ できる限り地域資源を活用 して生産された財ῌサ῎ビスの地域内への供給を優 先するタイプの経済活動のことであるῌ 日暮賢司 ῏,**, : ,,ῐ 参照ῌ +,*** クリンから , 種類に変更されたῌ くりやまエ コマネ῎研究会 ῏,**- : +ῐ によるῌ ,*ῐ 農村部は῍ 農作業の手伝いに関しては῍ 法定通貨 を支払ってでもしっかり手伝って欲しいという依頼 +2ῐ 特定非営利活動法人くりやまコミュニテイネット ワ῎クのホ῎ムペ῎ジ ῏,**.ῐ に掲載されているῌ 者の気持ちがあるものと思われるῌ 日暮賢司 ῏,**-ῐ 参照ῌ 引用ῌ参照文献 加藤敏春編著 ῏,**+ῐ ΐあたたかいお金 ῑエコマネ῎ῒ 日本教文社ῌ くりやまエコマネ῎研究会 ῏,**,ῐ ΐ平成 +. 年度 活動報告書 くりやまエコマネ῎研究会ῌ くりやまエコマネ῎研究会 ῏,**-ῐ ΐ平成 +/ 年度 活動報告書 くりやまエコマネ῎研究会ῌ 斉藤精一郎 ῏+33/ῐ ΐゼミナ῎ル現代金融入門 日本経済新聞社ῌ 坂本龍一῍ 河巴厚徳編著 ῏,**,ῐ ΐエンデの警鐘 日本放送出版協会ῌ 西部 忠 ῏,**-ῐ ΐ地域通貨を知ろう 岩波書店ῌ 玉野井芳郎 ῏+311ῐ ΐ地域分権の思想 東洋経済新報社ῌ 地域活性化センタ῎ ῏,**.ῐ ΐ新しい経済活動を伴う地域経済の活性化に関する研究会報告書 地域活性化セン タ῎ῌ 日本総合研究所 ῏,**-ῐ ΐ地域通貨を活用した地域商業等の活性化に関するモデル調査事業調査報告書 日本総合研 究所ῌ 日暮賢司 ῏,**-ῐ ῑ農業ῌ農村における地域通貨への期待ῒ ΐ月間 NOSAI 0 月号῍ 全国 NOSAIῌ 日暮賢司 ῏,**,ῐ ῑ協同組合と地域循環型経済の構築ῒ ΐ第 ,, 回日本協同組合学会報告要旨 日本協同組合学会ῌ 日暮賢司 ῏+332ῐ ῑ政策展開とマ῎ケテングῒ ΐ多自然居住とグリ῎ンῌホリデ῎ 農村開発企画委員会ῌ http : //www.mskk.gr.jp/ecomoney, ῏くりやまコミュニテイネットワ῎ク῍ ,**.ῐῌ ふぎん地域経済研究所 ῏,**-ῐ ΐ地域通貨の法的位置づけと課題 ふぎん地域経済研究所ῌ 丸山真人῍ 森野栄一 ῏,**+ῐ ΐなるほど地域通貨 北斗出版ῌ ῍受付 ,**. 年 / 月 ++ 日῏ ῎受理 ,**. 年 2 月 + 日ῐ Discussion of Local Currency in Japan Kenji HIGURASHI (Tokyo University of Agriculture) The number of administrators of local currency has been rapidly increasing around Japan since ,***. There were more than -** cases in ,**-. The function of local currency is shifting from stage of examination to full-dress operation. This paper explains the concept of local currency, which is misunderstood among administrators of local currency, by confusing functions of legal currency and local one. Further, this paper shows some characteristics and functional problems of local currency by comparative analysis of five typical examples of local currency in urban and rural areas. Especially, the problems are basically small amounts of the circulation of local currency because it is still developing. Finally, this paper discusses the relationship between the NPO which is the administrator of local currency, and the local government of the district, and also analyses some causes of rapidly increasing amounts of circulation on local currency called KURIN, in Kuriyama town as the most successful case study.
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