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ロシア連邦のアジアにおける安全保障戦略

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ロシア連邦のアジアにおける安全保障戦略
榎本知佳
海渕彬
鹿子由香里
谷川悠
目次
第1章
問題意識(現状分析) ......................................................3
第2章
対米戦略 ..................................................................5
第1節
ソ連崩壊後の露米関係の概略 ..............................................5
第2節
プーチン政権 ............................................................5
第3節
NATO との関係 ............................................................7
第4節
核戦力 ..................................................................8
第3章
対中戦略 ..................................................................9
第1節
経済安全保障 ............................................................9
第2節
軍事安全保障 ............................................................9
第4章
対北朝鮮戦略 .............................................................10
第1節
ロシアの対北朝鮮基本政策 ...............................................10
第2節
北朝鮮急変事態時のロシアの対応戦略 .....................................10
第3節
北朝鮮の核問題への姿勢 .................................................11
第4節
六カ国協議の意義 .......................................................12
第5章
対韓国戦略 ...............................................................12
第1節
軍事情勢 ...............................................................12
第2節
韓露首脳会談 ...........................................................12
第3節
盧武鉉新大統領の誕生 ...................................................14
第6章
対日本戦略 ...............................................................14
第7章
結論 .....................................................................15
この論文の目的は、ロシア連邦(以下ロシア)の、アジアにおける安全保障戦略を考察
することである。
第1章
問題意識(現状分析)
ロシアは、ヨーロッパとアジアの中間に位置している。よってロシアの国家戦略は、こ
の両地域において、経済的そして政治的にプレゼンスを高めることにある。前述のように、
等論文では、ロシアの括弧戦略を、アジア地域に限定して考察する。
①経済
ロシアのGNIは、3290 億(99 年度:米ドル)である。他国と比較してみたい。米国:
8 兆 8795 億、日本:4 兆 545 億、中国:9799 億、韓国:3979 億となっている。経済は 99
年度以降、回復基調にあり、概ね 6%台の経済成長率を記録した。しかし、高い経済成長は、
高止まりしている石油価格に負うところが大きいと、考えられる。というのも、ロシア経
済は、その多くを天然資源に頼っているのが現状である(全輸出額の 80%以上を、石油、
天然ガス、金属、木材が占めている)。目下の目標としては、エネルギー資源に大きく依存
した現在の経済構造を、改革することである。
主な輸出相手国(2000)は、独(9.3%)、米(8.3%)、伊(7.5%)、中(5.6%)となっ
ている。また輸入相手国(2002)としては、独(13.2%)
、ベラルーシ(9.6%)、ウクライ
ナ(9.3%)、米(7.6%)が挙げられる。
また、ロシアはAPEC加盟国であり、ASEANのパートナー(dialogue partner)
としての地位を確固したるものにしつつある。アジア各国との経済的協力を軸として、当
該地域におけるプレゼンスを高めるような国策を模索している。
②軍事
次に、ロシアのおおまかな国防戦略について見ていきたい。
2000 年 1 月に改定された「ロシア連邦国家安全保障コンセプト」(新コンセプト)では、
あらゆる規模の侵略を未然に防止するため、抑止力を実現するための措置を講じ、そのた
めに核戦力を保有するとしている。
また、2000 年に 4 月策定された「ロシア連邦軍事ドクトリン」
(新ドクトリン)は、現在
のロシア政府の国防スタンスをはっきりと表している。ここでは、国防の目的を侵略の抑
止、戦争・武力紛争の未然防止、国際安全保障と全面的平和の維持と位置付け、このため
に核保有国の地位を保持するとしている。核兵器については、核兵器などが使用された場
合のみならず、ロシアの国家的安全にとって重大な状況下での通常兵器を使用する大規模
侵攻に対する報復などのため、使用する権利を留保するとしている。
ロシア政府は、新ドクトリンの説明として、先制的な軍事力の使用を示したもので、核
兵器の先制使用ではない。また、核兵器を政治的な抑止力とする核戦略に変化はない、と
いう立場を明確にしている。しかし当ドクトリンの、真の目的は、核兵器の使用を含めた
先制攻撃を軍事政策の軸とするブッシュ米政権への対抗であり、新たな核競争を誘発する
のではないか、という懸念が、米国を中心に各国から表明されている。
しかし、ロシアはCTBTにも批准しており、核拡散防止のための政策も同時並行的に
進めている。一方の米国が、未だCTBTに批准していないのは、特筆である。
昨年12月、安全保障会議において、プーチン大統領は、
「武器輸出はロシアの対外政策、
国家安全保障及び経済発展にとって重要である。」と述べるとともに、「ロシアは以前と同
様に国際武器市場において最も際立った地位の一つを占めている。」とした上で、「昨年の
武器輸出が前年に比べ著しく増加しており、昨年の武器輸出総額が44億ドルであり、2、
3か国の主要輸出国を含む60か国に武器を輸出している。」ことを明らかにした。また世
界に占めるロシアの武器保有数は、未だに高い。例えば、ICBM(大陸間弾道ミサイル)
について言えば、米国の保有台数をはるかに凌いでいる。ロシアの武器輸出は、今後も国
際政治の場で、大きな問題として扱われていくことは、間違いないだろう。
第2章
対米戦略
第1節 ソ連崩壊後の露米関係の概略
1992 年、新しい同盟関係のもとに始まった蜜月時代では STARTⅡ条約が調印され(エリ
ツィン・ブッシュ)平和のためのパートナーシップ構想への参加をもりこんだモスクワ条
約の調印や戦略的安定に関する露米共同声明が行われた。
しかし 1994 年以降、NATO の東方拡大をはじめ米国のミサイル防衛構想及び弾道弾迎撃ミ
サイル(ABM)制限条約修正問題など対立要因が出現するようになる。
第2節 プーチン政権
① 新政策の策定
プーチン大統領代行が大統領に就任して以降、自由、繁栄、豊かさ、強さ、文明を国家
目標とし、STARTⅡ1や包括的核実験禁止条約(CTBT2)を批准するなど軍縮政策を進め、各
国と活発な首脳外交を行ってきた。このような状況の中で、ロシア政府は、1997 年に策定
された、安全保障全般の方針と原則を規定する「ロシア連邦国家安全保障コンセプト」を
2000 年 1 月に改定した。この改定は、NATO(North Atlantic Treaty Organization)の拡
大、ユーゴ連邦共和国への空爆、NATO のいわゆる「新戦略概念」の発表やロシア内外での
イスラム過激派の台頭などの情勢の変化に対応するためになされたものである。新コンセ
プトにおいては、ロシアに対する直接的武力侵略の可能性を含む脅威認識を新たに詳述す
るとともに、核の使用については、他のすべての危機解決手段が尽きるか効果が無いと判
明した場合には使用できるとしている。
さらに、2000 年 4 月には、この新コンセプトの下、ロシア国防政策の基本理念に関する
規定として、1993 年に定められた「ロシア連邦軍事ドクトリンの主要規定」を改定し、新
ドクトリンが策定された。この新軍事ドクトリンにおいては、潜在的な国内外の脅威は存
続しており、一部の分野ではむしろ増大する傾向にあるとしている。具体的には、国外的
脅威としては、領土要求・内政干渉や、ロシアの軍事的安全保障を損なう軍事ブロック及
び軍事同盟の拡大、多極化する世界の中で、影響力ある中心の一つとしてのロシアの強化
を妨げる試みなどが、国内的脅威としては、過激な国家・民族主義、宗教的民族主義とテ
ロリズムの台頭などが指摘されている。このため、新ドクトリンは、軍と軍需産業への資
源配分を重視するとしている。さらに、核の使用については、核及びその他の大量破壊兵
器が使用された場合のみならず、ロシアの国家的安全にとって重大な状況下での、通常兵
START II(Strategic Arms Reduction Treaty II)
第 2 次戦略兵器削減条約。93 年に米露間で署名された、STARTI に続く戦略核弾頭の削減を目
指した条約。米国は 96 年に、ロシアは 2000 年に批准。
2 CTBT(Comprehensive Nuclear Test-Ban Treaty)
包括的核実験禁止条約。地下、海中、空中を問わず、核爆発を伴うあらゆる核実験を禁止する条
約(未発効)
。
1
器を使用する大規模侵攻に対する報復などとして使用する権利を留保するとしている。核
の使用について、従来のコンセプトやドクトリンに比べ、使用の敷居が下がったとの解釈
があるのに対し、使用の基準を明確化したにすぎないとの反論もある。
② 米テロ以降の動き
米国との関係は、2001 年 6 月のブッシュ大統領とプーチン大統領の初めての首脳会談後、
冷戦終結後の新たな関係の模索が行われていたが、対テロ報復攻撃を巡る協議を通じ、協
力・協調関係が強化された。
2001 年 12 月の米国による ABM 条約からの脱退通告を受け、両国は戦略的安定の確保のた
め、ABM 条約に代わる何らかの枠組みが必要との認識の下、協議を行った。
2002 年 5 月のブッシュ大統領訪露時には戦略攻撃兵器削減条約に署名し、両国の戦略核
弾頭を現在の約 6000 発から 1700〜2200 発のレベルまで削減することに合意し、START 条約
の有効性も確認した。また、新たな戦略関係に関する共同宣言3を発表し、戦略安定、地域
情勢、経済、国民レベルの交流等の分野で両国関係を更に発展させていくことを確認した。
2003 年 10 月 2 日に開かれたロシア全軍の最高指揮官会議で今後十年間の軍の指針となる
軍事ドクトリンをイワノフ国防相はプーチン大統領に提出した。侵略に対する抑止力とし
て限定的な核兵器の使用を検討するとの内容を盛り込むなど、従来の核「保有」から「使
用」の選択可能性に踏み込み米国への対抗姿勢もにじませた。ドクトリンでは、ロシアや
その同盟国への圧力や攻撃に対し「戦略的抑止力を個別限定的に使用することを検討する」
と明記。国際テロなどへの対抗手段を想定して小型核の使用を選択肢に加えたことを示し
た。
ロシアは 2000 年 4 月に作成した軍事ドクトリンでも「核兵器使用の権利」を打ち出して
いたが、今回は既に小型核の研究開発を進め、限定使用をうかがわせる米国に対抗する狙
いがある。イワノフ国防相は会議の席上、米国の名指しを避けつつ「新技術で核兵器を軍
事手段に使う試みは世界の安定を破壊する」と非難した。
このほかドクトリンでは北大西洋条約機構(NATO)がロシアに対抗する目的を持つ
軍事同盟を維持するなら「核戦略を見直す必要がある」とも指摘。NATOの拡大も念頭
に警告した。プーチン大統領は、昨年 5 月に米ロ首脳が調印した戦略攻撃兵器削減条約に
ついて、米国が主張する削減した核弾頭を使用可能な状態で保存することに対し「ロシア
も条約のポイント(弾頭保存)を十分に活用する」、「核兵器は今後もロシア軍の土台とし
て残る」と発言。これまで反発してきた保存に同調する考えを示している。
米中枢同時テロ以降、米国は既に、敵の地下施設破壊などを目的とした戦術小型核兵器
開発の研究に着手、核使用を辞さない姿勢を明確にしており、今回のロシア軍の指針は米
戦略に対抗、追随する動き。これまで抑止を目的に原則不使用を前提としていた核戦力の
3
共同宣言
①政治協力 ②大量破壊兵器拡散防止・国際テロ防止 ③ミサイル防衛、戦略攻撃戦力の一層の
削減、戦略的安全保障のための新たな協議機構 ④経済協力
実際の使用に米露がそろってハードルを下げる、危険な方針転換である。指針は「ロシア
とその同盟国への軍事的圧力、攻撃を許さない」ために、ロシア軍は「国家軍事戦略の一
環として、戦略抑止力の限定的使用」を検討するとしている。また、中央アジア諸国が「政
治的、民族的に不安定となった場合、周辺地域でのロシア軍配置を見直す」と、同諸国で
のイスラム原理主義台頭への警戒感を明確にした。露米は北朝鮮やイランなど第三国への
核拡散阻止で連携する一方で、精密誘導技術を背景とした小型核戦力の革新をめぐり、核
搭載の特殊貫通弾の開発など新たな分野でしのぎを削る可能性がある。ロシアには、米国
がアフガニスタンやイラクで圧倒的な威力を誇示した精密誘導兵器や、開発に本腰を入れ
始めた小型核の分野で、大幅に遅れているとの強い危機感がある。プーチン大統領は、2003
年5月の年次報告で核戦力の近代化の必要性に特に言及、国防省に迅速な対応を指示して
いた。冷戦の終結で大陸間弾道弾での運搬を想定した戦略核の意味は大幅に低下したが、
冷戦期に突出した核開発力を蓄積した両国は「使える核」への誘惑にとらわれ始めている
と言える。
●露軍近代化の指針要旨●
ロシア政府が 2003 年 10 月 2 日に発表した「ロシア軍近代化の指針」の要旨は次の通り。
一、ロシアとその同盟国への軍事的圧力、攻撃を許さないため、国家軍事戦略の一環と
して、戦略抑止力の限定的使用を検討
一、北大西洋条約機構(NATO)が(ロシアに対抗するとの)現在のドクトリンを持つ軍
事同盟であり続けるなら、核戦略を含めたロシア軍の計画や原則の根本的見直しが必要
一、中央アジア諸国が政治的、民族的に不安定となった場合、周辺地域でのロシア軍配
置を見直す
一、2003年8月現在で116万人のロシア軍兵力を05年までに100万人に削減。
その後は大規模な削減はしない
一、
(長距離爆撃機)Tu160に高精度巡航ミサイルを装備するなど空軍兵力近代化へ。
海軍では新型潜水艦発射ミサイルの開発が必要。(共同)
第3節 NATO との関係
ロシアは、旧ソ連諸国と中東欧諸国の NATO への新規加盟については、自国の安全保障に
対する懸念などから反対姿勢を示し続ける一方、1997 年 5 月には、NATO との協力関係を規
定する「基本文書」4に署名した。この「基本文書」に基づき、ロシア・NATO 常設合同理事
会が随時開催されるなど、ロシアと NATO の関係は強化されつつあったが、1998 年 12 月の
4基本文書
NATO とロシアの相互関係の核心を形成することになる協議、協力、共同意思決定及び共同行
動の目標とメカニズムを定義付けしている。NATO が新規加盟国に核兵器を配備しないことを
確認することなどにより、NATO 拡大の道を開いた。
米英によるイラク空爆や 2002 年 3 月から開始された NATO のユーゴ連邦共和国への空爆の
実施により、ロシア・NATO 間に軋轢が生じた。しかし、2002 年 7 月には、中断されていた
理事会を再開し、2003 年 2 月に NATO 事務総長が訪露した際に、交流継続で意見が一致する
など対話再開の動きがあった。なお、ロシアは、NATO と対話を行うとしているものの、ロ
シア自身が参加している OSCE を欧州安全保障の中心に位置付けようとしているものと考え
られる。
第4節 核戦力
戦略核戦力については、ロシアは、戦略核ミサイルの削減を徐々に進め、戦略爆撃機ブ
ラックジャックの生産も停止したと考えられるが、依然として米国よりも多くの ICBM5及び
SLBM6を保有している。さらに、旧式 ICBM の耐久年数を延長したり、1998 年 12 月及び 1999
年 12 月には、それぞれ SS‑27(新型 ICBM)10 基を実戦配備するなど、旧式 ICBM から単弾
頭・移動式の ICBM への更新を継続している。また、当初の計画から遅延しているものの新
型 SSBN7の建造も進めていると考えられる。なお、天然ガス代金の債権回収の一部としてウ
クライナより戦略爆撃機の引渡しを受けた。
非戦略核戦力については、ロシアは、射程 500km 以上の地上発射型中距離ミサイルを中
距離核戦力(INF:Intermediate‑range Nuclear Forces)条約に基づき 1991 年までに廃棄
したが、短距離地対地ミサイル、中距離爆撃機、攻撃型原子力潜水艦、海上(水中)・空中
発射巡航ミサイルなど多岐にわたる戦力を依然として保有している。なお、艦艇に配備さ
れている戦術核については、1992 年 11 月に、米国と同様に各艦隊から撤去し、陸上格納庫
に保管したことを明らかにしている。
また、ロシア軍においては、通常戦力の量的削減が続き、即応態勢の低下が見られる一
方で、その近代化が必ずしも進んでいない状況にあることなどから、新コンセプト・新ド
クトリンで核の使用が詳述されているように、安全保障上核戦力を相対的に重視する傾向
が強まっており、限られた財源などを優先的に核戦力に投入し、核戦力部隊の即応態勢の
維持に努めているものと考えられる。
ICBM(Intercontinental Ballistic Missile)
大陸間弾道ミサイル。射程 5.500Km 以上の弾道ミサイル(SALTII での米ソの規定)。その他、
6.400Km 以上の射程をもつものを入れる分類がある。
6 SLBM(Submarine-Launched Ballistic Missile)
潜水艦発射弾道ミサイル
7 SSBN(Ballistic Missile Submarine Nuclear-Powered)
弾道ミサイル搭載原子力潜水艦
5
第3章
対中戦略
第1節 経済安全保障
ロシアは、中国そして北朝鮮と国境を接している。
中国との国境は、南東部の 3,605 キロメートル、及び南部の 40 キロメートルとなってい
る。また、北朝鮮との 19 キロメートルである。ここからも分かるように、ロシアにとって
中国は、地理的に大変近い国であることが分かる。
さらに、緊密なのは地理的な問題のみならず、経済的にも両者の関係は深い。2000 年度
におけるロシアの主な貿易相手国は、往復貿易高の順に、独、ベラルーシ、ウクライナ、
伊、米、中、英(以下省略)となっている。今後も中国との経済的協力関係を深めていく
ことで、中国の巨大マーケットにおける競争力を確保すると同時に、ロシアの安全保障に
も、大きく寄与するものと思われる。
また、ロシアは、露中間を結ぶ石油パイプラインを構想中である。もし実現するのであ
れば、当パイプラインは、ロシアの安全保障上、非常に重要な意義を持つことになる。な
ぜなら、石油という名の中国の生命線を、少なからず抑えることになるからだ。しかし、
パイプライン構想は、現在のところ、暗礁に乗り上げている。というのも、日本が「待っ
た」を掛けたからだ。日本政府としては、パイプラインを東シベリア側に引いてくること
で、政情不安定な中東に変わる石油供給源を確保したい、意図である。また、中国側に石
油供給権を握られたくない、という意図も含まれるものと考えられる。ロシアとしては、
石油パイプラインをカードに、外交を遂行するのが賢い方法であろう。
第2節 軍事安全保障
安全保障上重要な、中国との軍事的協力関係は、1996 年の「戦略的パートナーシップ」
から綿々と続き、2001 年に締結された「中露善隣友好協力条約」へといたっている。
中露善隣友好協力条約の内容で、特筆すべきは、①武力(威嚇を含む)の不行使、非軍
事的圧力の不行使。②相手国の体制尊重(つまり共産主義)。③ロシアは、台湾問題に関す
る中国の立場を支持する(つまり一つの中国)
。④相手の安全を損なう同盟、取り決めへの
不参加。⑤国際の平和と安全または中ロいずれかに対する侵略的脅威があった場合の協議、
などである。つまり、露中の軍事的関係は、概ね友好的なものである、と言うことができ
る。
また、ロシアは、財政事情の逼迫から外貨獲得の手段として、また、政治的影響力の確
保を図るとともに、軍需産業維持のために、兵器の輸出を積極的に行っており、近年、輸
出額も大幅に増加している。対中国の武器輸出も、両国政府間の調印に基づいて、積極的
に行われているのが実情である。ロシア政府の見解は、対中武器輸出の出発点は、両国間
の友好と経済関係の促進にあり、中国への近代装備の供与が、ロシア極東地域の軍事的脅
威となるとは考えておらず、中国側にはそうした計画がないと信頼している、というもの
である。具体的には、キロ級潜水艦なども輸出している、と言われている。
ロシアとしては、今後も中国との軍事的強調関係を維持しつつ、米国の警戒心を呼び起
こさないよう、細心の注意を払いながら軍事外交を進める必要があるだろう。
第4章 対北朝鮮戦略
第1節 ロシアの対北朝鮮基本政策
ロシアの対北朝鮮政策の長期的な一次目標は、交易市場の拡大と資源開発を通じて自国
の経済を改善してゆくことである。そして、ロシア政府の北東アジアに対する一次的な関
心事は、経済的発展のために情勢を活用することと、国際政治における影響力の回復を図
ることである。
ロシアは、アメリカ、中国、日本と比べて相対的に北朝鮮に対する接近に消極的に見え
よう。
しかしながら、ロシアは、北朝鮮が60億ドルと推算される対ロシア債務を履行する能力が
ないという判断から、韓国企業をターゲットにして、北朝鮮に対する債権の確保に力を注
いでいる。また、統一後の債権確保と北朝鮮内の土地確保を目的に、償還が済んでいない
債権を手段として北朝鮮との合作会社構想に関心を持っている。
ロシアは、ロ朝国境地域の開放と協力、ナジン・ソンボン経済特区開発への参加、両国
間の経済科学技術協力委員会を通じての産業技術と貿易協力、そして旧ソ連時代の対北朝
鮮債権などを活用して、北朝鮮進出を企てている。たとえば、まだ償還が終わっていない
債権の代価として、ナジン・ソンボン地域の精油工場を利用したプロジェクトであるとか、
ソ連式の鉄工所の基準で完工されたキム・チェク製鉄所に対して債権者として参加すると
いうことなどである。
第2節 北朝鮮急変事態時のロシアの対応戦略
軍事的側面からロシアは、経済的潜在力を保つための域内における軍事的均衡の維持を
望み、域内の非核化、特に日本及び統一された朝鮮半島の非核化を希望している。
プーチン大統領は、金正日総書記と2000年から毎年会談を持つなど朝鮮半島情勢への関
与を強める姿勢を示しており、最近の北朝鮮の核開発疑惑問題を巡っても、大統領特使を
派遣するなど、問題の政治的解決に向けて積極的な役割を果たそうとしている。
北朝鮮急変事態時にロシアは、解釈の幅を最大限広くして介入の根拠を見出し、自国の
利益を極大化する。これに伴って、必要とあらば軍事介入までも考慮する。実際、北朝鮮
内部で急変状況が勃発した場合、朝ロ国境地帯に一個師団を増強配置して、必要に応じて
自国の利益を極大化するための軍事行動を敢行する用意がある。すなわち北朝鮮、韓国両
国に滞在する自国民の安全確保と、隣接国である北朝鮮の混乱状態が国境を越えて転移す
るのを阻止するという点から、介入をする可能性があると認識している。
また、ロシアの置かれた立場が、現実問題として、北朝鮮の急変事態を主導的に解決で
きるものではないことを十分に理解している。したがって直接、北朝鮮急変事態によって
発生した問題の解決を図るよりは、周辺国間の葛藤を仲裁する役割を自認する可能性が非
常に大きいと自負を持っている。
一方、ロシアが、統一された朝鮮半島の軍事力と日本の軍事力に対して敏感な反応を見
せていることを勘案する時、統一された朝鮮半島と日本の軍事力減少に寄与することを条
件に、域内の米軍駐屯も受け入れる用意がある。
第3節 北朝鮮の核問題への姿勢
同時多発テロ後、ブッシュ・アメリカ大統領が北朝鮮を「悪の枢軸」と名指しで批判し
た。これに対して、北朝鮮はアメリカを徹底的に非難し、国内における軽水炉建設事業を
開始した。この不穏な動きから、諸外国は北朝鮮が核を保有している可能性があるという
疑惑を持つに至った。世界は同地域の安定を模索するために、協議による解決への道を模
索し始めた。その具体的な動きに六カ国協議である。
6カ国協議開催までの過程 ( 2003年 )
▲3月初め:銭其シン・中国副首相が訪朝。3カ国協議を提案
▲3月中旬:北朝鮮、中国に3カ国協議受け入れを通告
▲4月23〜25日:米朝中の3カ国協議(中国北京)
▲5月31日:ブッシュ米大統領、WMDなどの拡散防止を協議する「拡散防止構想(P
SI)を提起
▲6月12日:米国など11カ国、PSI1回目の会議(スペインのマドリード)
▲6月13日:韓米日、北朝鮮の麻薬・偽札終息で合意。北朝鮮での軽水炉建設事業の中
断可能性を提起
▲7月10日:PSIの2回目の会議(オーストラリア)
。11カ国の合同訓練決定で対北
朝鮮圧迫
▲7月12日〜15日:戴秉国・中国外務次官が訪朝
▲7月18日〜19日:戴秉国・中国外務次官が訪米。「3カ国協議・5カ国協議」方案を
協議
▲7月21日:ロシュコフ・ロシア外務次官が訪韓
▲7月24日:韓米首脳が電話会談。「多国間協議を確信」
▲7月26日:ロシュコフ・ロシア外務次官が記者会見。
「米、ロシアの参加に同意」
▲7月30日:ブッシュ米大統領と胡錦濤・国家主席が電話会談。ブッシュ大統領「多国
間協議に進展ある」。パウエル米国務長官「多国間協議に進展ある」。
▲7月31日:北朝鮮、韓米日中ロに6カ国協議受け入れを通告
朝鮮日報、2003/08/01
第4節 六カ国協議の意義
六カ国協議は、8月28日中国北京で行われた。北朝鮮は核兵器保有を公式宣言し、核
実験もする意向があることを明らかにした。しかし、「米国が敵視政策をやめないならば」
というものであり「それは交渉の一環と思う。自らの立場を強化しようとする目的の発言
だ。」とワシントンのシンクタンク「国際センター」の朝鮮半島計画部長、ケネス・キノネ
ス氏(元米国務省北朝鮮担当官)ら専門家は述べている。また、ロシアの六カ国協議参加
は有意義かという質問に対しては、
「金正日労働党総書記への「静かな助言者」の役割が重
要だ。金総書記は、プーチン大統領と良好な個人的関係があると信じている。同大統領が
その関係を使って、北朝鮮の動きを抑えられるなら非常に重要だ。」と述べており、六カ国
協議で加わったロシアの新たな交渉の可能性は否定できまい。
中国、ロシアとも朝鮮半島の非核化を強く支持している。それに加え、両国とも北朝鮮
の崩壊を望んでいない。特に中国は、北朝鮮崩壊による南北統一で在韓米軍が中国国境ま
で進駐することを恐れている。中国にとって緩衝地帯としての北朝鮮の存在価値は大きい。
こうした状況下にある中国・ロシアが北朝鮮に対して与える影響力は大きい。
いずれにせよ、六カ国という枠組みのなかで、北朝鮮の問題に対して「平和的に解決へ
の外交努力をする」という動きは歴史的にも評価すべきである。
第5章 対韓国戦略
1990 年、旧ソ連が韓国との国交樹立を果たして以来、韓国とロシアは比較的好意的な関
係を構築しているといえる。
第1節 軍事情勢
近年、国防省レベルの相互訪問を実施するなど、軍高官の交流が行われている。99 年に
はセルゲーエフ国防省(当時)が訪韓し、両国による共同捜索救難訓練の実施などをさかん
に盛り込んだ軍事交流の覚書が署名され、同年4月に行われたイワノフ国防相による訪韓
で、両国は軍事技術・防衛産業・軍需分野の協力と軍事交流の促進の重要性について一致
し、軍高官の相互訪問を持続的に推進していくことで合意した。一方、00 年 5 月には趙成
台国防部長官(当時)が訪韓し、韓国海軍とロシア太平洋艦隊の間で緊密な連絡体制を構築
することで合意している。
第2節 韓露首脳会談
2001 年 2 月 27 日には、ロシアのプーチン大統領と韓国の金大中大統領(当時)による首脳
会談が行われた。会談後発表された共同宣言で、金大統領は、米国の本土ミサイル防衛(NMD)
構想に反対し、弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約を重視するとの考えを明らかにし
た。
ここで、この首脳会談の成果を簡単に挙げる。
【訪韓の成果】
1、両国は、米国の NMD 構想に反対し、ABM 制限条約を重視する
このことは、共同宣言に盛り込まれた。宣言は、ABM 制限条約を「戦略的安定の基礎」と
位置付け、軍縮と核不拡散へ向けた国際社会の努力の重要な基礎である、との見解だ。
2、ロシアは、韓国と北朝鮮の関係正常化を支援する
プーチン大統領は 28 日、韓国の国会で韓国と北朝鮮の関係正常化を支援すると述べた。
3、南北朝鮮縦断鉄道とシベリア鉄道を連結する
プーチン大統領は、首脳会談の席で、韓半島縦断鉄道(京義線、京元線)とシベリア鉄
道との連結に意欲を示し、北朝鮮の鉄道整備のために数億ドルを支援する意向を示した。
4、イルクーツク州でガス開発を行う
両首脳は、両国がイルクーツク州でのガス開発で協力する他、その他の地域の石油ガス
開発でも協力することで合意した。
5、経済協力を拡大する
共同声明によると、両国は様々な分野の貿易や投資を拡大していく、としている。韓国
とロシアの金融危機の結果、両国間の貿易は 1997 年の 32 億ドルから 98 年には 24 億ドル
へと急落した。この傾向をくいとめるため、経済協力を拡大させる措置をとらなければな
らない。
6、韓国はロシアの武器を買う
両国は、軍事、民生技術の売買に関する枠組協定を締結した。取引額は 7 億米ドルにな
ると見込まれる。韓国は、ロシアからヘリコプターKa‑52K、軍事用 IL‑76 などを購入する
可能性がある。ロシア側は 3 億 5,000 万米ドルを現金で受け取り、残りを債務返却分にあ
てたい。(ロシアは、韓国に 18 億米ドルの債務がある)
また韓国は声明で、米国とロシアに対し第2次戦略兵器削減条約(START2)の履
行と、第3次戦略兵器削減条約(START3)の成立を求めている。
プ−チン大統領の韓国訪問は、2000 年のピョンヤン訪問とのバランスを考慮した動きで
もある。プ−チン大統領と金大中大統領会談の主要テ−マは貿易経済協力である。ロシア大
統領行政府プリホディコ次長によれば、ロシアには韓国を刺激するような政治的動きがな
いので、経済問題を討議し易い状況にある。韓国の対ロシア投資は 2 億 7,300 万ドルに過ぎ
ないが、プ−チン大統領に同行する銀行界・石油業界のロシア経済人 30 人は、韓国経済界
の要人 130 人と会談する予定である。総額 80 億ドルのコヴィクティンスク・ガス埋蔵地開発
プロジェクト、サハリン石油ガス共同開発プロジェクトも討議される予定である。
プーチン大統領には、通商経済・科学技術協力ロシア・韓国協力委員会のクレバ−ノフ(副
首相)議長、プリコフスキ−極東管区大統領全権代表、アム−ル州及びサハリン州知事、 連
邦交通省アクショネンコ長官、国営兵器輸出公社「ロスヴォオルジェニェ」ベリャミ−ノフ
社長等が同行する。 国営兵器輸出公社ベリャミ−ノフ社長は各種の兵器輸出交渉を実施す
るが、これは 19 億ドルの債務償還にも関係がある。
第3節 盧武鉉新大統領の誕生
2003 年 2 月、韓国大統領選での盧武鉉新大統領が誕生した。北朝鮮との接近者が新たな
大統領となったことに、イワノフ外相は、「重要なのはロシアと韓国の関係の継続とともに
韓国と北朝鮮の対話の継続だ」とコメントしている。
「盧氏は韓国大統領の伝統を破り、最初の外遊先として米国ではなくロシアを選び、プー
チン露大統領、金正日(キムジョンイル)総書記と会談することも否定できない」と論評
した。
ロシアは、90 年の韓国との国交正常化以来、北朝鮮との同盟関係が事実上解体したもの
の、プーチン大統領の下、北朝鮮を訪問するなど、北朝鮮と韓国の双方と良好な関係を維
持することで、朝鮮半島での影響力を誇示してきた。それだけに盧大統領の掲げる対北朝
鮮融和路線を高く評価している。南北対話の継続は朝鮮半島情勢の緊迫を回避し、ロシア
が目指す南北朝鮮縦断鉄道とシベリア横断鉄道の連結プロジェクトを実現するための条件
整備に有益だ。盧大統領の外交政策でロシアと韓国の関係発展と、朝鮮半島和平に新たな
可能性を開くことだろう。
このように対韓国戦略において、プーチン大統領率いるロシアは、友好的な関係を見い
出しているといえる。
第6章
対日本戦略
冷戦体制下ではロシア−日本の関係という被説明変数はロシア−アメリカ関係という説
明変数が大きく影響していた。しかしながら、冷戦の終結によってロシア−アメリカ関係
という変数が大きく変化し、ロシア−日本関係もその影響を受けている。
冷戦の終結は、極東における軍事的緊張を取りさらった。シベリア出兵、ノモンハン事
件、シベリア抑留など極東に軍事的緊張があった時期に比べ、現在のロシアの対極東戦略
は軍事的に縮小したと言える。それでも、なお現在北朝鮮というアジアの不安定要素があ
ることによって、ロシアは独自の力をもって北東アジア地域の平和と安定に寄与する方針
にある。
その一方で、ロシアとしては北東アジアにおける経済的安定を長期の目標に掲げている。
そのためには、日本との友好関係、経済協力が不可欠である。両国の友好関係、経済協力
のさらなる進展の障壁となっているものが北方領土問題である。その第一歩として、2003
年 1 月の小泉総理訪露の際に「露日行動計画が採択され、今後以下の 6 本の柱を中心とし
て、幅広い分野で日露関係を進展させていくことで両首脳が合意した。
(イ) 政治対話の深化
(ロ) 平和条約交渉
(ハ) 国際舞台における協力
(ニ) 貿易経済分野における協力
(ホ) 防衛・治安分野における関係の発展
(へ) 文化・国民間交流の進展
今後は、ロシアは日本と一層のパートナーシップを構築していく方針である。
第7章
結論
対米戦略
米中枢同時テロ以降、米国は核使用を辞さない姿勢を明確にしており、一方、ロシア軍
の指針は今回の新ドクトリンの内容からも分かるように、米戦略に対抗、追随する動きで
ある。
これまで抑止を目的に原則不使用を前提としていた核戦力の実際の使用に米露がそろって
ハードルを下げる、危険な方針転換である。冷戦の終結で大陸間弾道弾での運搬を想定し
た戦略核の意味は大幅に低下したが、冷戦期に突出した核開発力を蓄積した両国は「使え
る核」への誘惑にとらわれ始めていると言える。
対中戦略
対中国の安全保障戦略は、以下のように要約できる。経済的には、経済的相互依存関係
を深化させることで、中国の巨大マーケットにおける競争力を確保すると同時に、2 国間の
安全保障を確立する。また、石油パイプラインをカードに、安全保障外交を組み立てるの
も、選択肢の一つである。
軍事的には、露中関係は、「戦略的パートナー」であるといえる。現時点の友好的な軍事
的協力関係を今後も維持することが、望まれる。また、武器輸出などを通じ、アジア地域
での、政治的影響力の確保を拡大することも重要であろう。ただし、米国との関係を過度
に悪化させるのは危険である。
対北朝鮮戦略
ロシアの対北朝鮮戦略を要約すると、以下のようになる。長期的な目標のなかに、極東
における交易市場の拡大と資源開発を通じて自国の経済を改善してゆくことである。そし
て、ロシア政府の北東アジアに対する一次的な関心事は、経済的発展のために情勢を活用
することと、国際政治における影響力の回復を図ることである。また軍事的側面からロシ
アは、経済的潜在力を保つための域内における軍事的均衡の維持を望み、域内の非核化、
特に日本及び統一された朝鮮半島の非核化を希望している。
そのため、北朝鮮の抱える問題に対して、ロシアは六カ国協議という枠組みのなか、も
しくはロシアのプーチン大統領と金正日総書記の良好な個人的関係を生かした外交を実施
していき、北東アジアにおける存在感を示していく。
対韓国戦略
プーチン大統領は、韓国と、軍事面、経済面で、協調関係にある。また、プーチン大統
領は特に、南北朝鮮統一を支援しており、朝鮮半島におけるプレゼンスを発揮している。
対日本戦略
今後、北東アジアにおける平和と安定を実現するには、日本との友好関係、経済協力が
不可欠である。そのための第一歩として露日行動計画が採択され、今後以下の 6 本の柱を
中心として、幅広い分野で日露関係を進展させていく。
<参考文献>
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プーチン政権下のロシア・米欧関係
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外務省委託研究 「ロシアの外交−ロシア=欧州=米国関係の視点から−」
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「ロシアの国防政策・軍事力」
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防衛庁・自衛隊
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産経新聞 2003 年 10 月 2 日
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外務省 HP
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ロシア経済トピックス http://www.near21.jp/topics/russia/news/Y13/rosiadata/2gatu/13feb8.htm
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ASAH ネット http://www.near21.jp/topics/russia/news/Y13/rosiadata/2gatu/13feb8.htm
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朝鮮日報
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NIKKEI NET
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NIRA 総合研究開発機構 http://www.nira.go.jp/pubj/output/dat/3408.html
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痛快!国際政治学 船橋洋一 2002 年
上野俊彦
乾 一宇
2003 年
2001年
ライブラリ防衛白書平成12年版
国際面
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/russia/data.html
http://www.nikkei.co.jp/sp1/nt58/20030610AS2M1001X10062003.html
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