打球の飛距離を最大にする ボールとバットの衝突点 ボ ッ 衝突点

打球の飛距離を最大にする
ボ
ボールとバットの衝突点
ッ
衝突点
T100009 打田祐貴
打 祐貴
担当教員 飯田晋司
目次
1. はじめに
2. 質点系の運動
2 1 質量中心の運動
2‐1
2‐2 角運動量の時間変化
3. 剛体の運動
4. ボールとバットの衝突
4‐1 座標系
42 ボ
4‐2
ボールとバットの衝突の前後でのボールの速度
ルとバットの衝突の前後でのボ ルの速度
5. ボールの軌道の計算
6. おわりに
参考文献
考
はじめに
・この研究をテーマにした理由は、野球と
物理が好きで この2つに関わりたかった
物理が好きで、この2つに関わりたかった
から。
・バットでボールのどこを叩けば一番飛距
バットでボ ルのどこを叩けば 番飛距
離が出るのかと、高校生のときから疑問に
思っていた。
思っていた
ボールとバットの衝突
R : バットの半径
バ トの半径
r : ボールの半径
2つの座標系の間の回転角度 α とバットとボー
ルの中心がどれだけずれているかを表す D の
間に次の関係がある。
D
cos α =
R +r
ボールとバットの衝突
G
v ′ = (vx′ , vy′ )
G
v ボールの速度
ω′
ω : ボールの角速度
G
V バットの速度
衝突前
m ボールの質量
ボ ルの質量
G
V ′ = (Vx′ ,Vy′)
衝突後
M バットの質量
バ トの質量
ボールとバットの衝突
・ここではボールとバットの衝突直後のボールの速度と角速度を求
める。
める
次の関係式を使う。
●運動量の保存
mv x + MV x = mv x′ + MVx′ , mv y + MVy = mv y′ + MVy′
●跳ね返り係数
(
vy′ − Vy′ = − eN vy − Vy
)
跳ね返り係数は参考文献[3]に載っていた式を速度の単位m/sに直して用いる
eN = 0.54 − ( vy − Vy − 26.67) / 397.8
●衝突点のまわりの角運動量の保存
I ω − mrvx = I ω ′ − mrvx′
I : ボールの慣性モーメント
●衝突後の x 方向のボールとバットの相対速度が 0 という条件
vx′ + r ω ′ = V ′
ボールとバットの衝突
衝突後のバットとボールの速度と角速度を求める。
運動量の保存の式(
保存の式( mvy + MVy = mvy′ + MVy′ )と
・運動量の
(
)
跳ね返り係数(vy′ − Vy′ = − eN vy − Vy )の2式を用いる
V ′y =
・V ′y =
m(1 + eN )vy + (M − meN )Vy
m(1
( + eN )vy + (M − meN )Vy
m +M
v ′y =
m +M
(
)
を跳ね返り係数(vy′ − Vy′ = − eN vy − Vy )に代入
(m − Me
M N )vy + M (1 + eN )Vy
m +n
・運動量の保存の式(
存 式 mvx + MVx = mvx′ + MVx′ )と
衝突後のx 方向のボールとバットの相対速度が0という条件(vx′ + r ω ′ = V ′)の2式を用いる
(M + m )vx′ + Mr
M ω ′ = mvx + MVx
ボ ルとバットの衝突
ボールとバットの衝突
衝突後のバットとボールの速度と角速度を求める。
・(M + m )vx′ + Mr ω ′ = mvx + MVx と
衝突点のまわりのボールの角運動量の保存(I ω − mrvx = I ω ′ − mrvx′ )を連立方程式と考え解く
ω′ =
・vx′ =
(m + M )I ω + mMr (Vx − vx )
mMr + (m + M )I
2
−IMr ω + IMVx + vx m(Mr 2 + I )
mMr + (m + M )I
2
, vx′ =
−IMr ω + IMVx + vx m(Mr 2 + I )
mMr + (m + M )I
2
.
を運動量の保存の式( mvx + MVx = mvx′ + MVx′ )に代入
Vx′ = Vx −
mI (−r ω + Vx − vx )
mMr 2 + (m + M )I
ボールの軌道の計算
・ボールにはたらく力は
G
FG : 重力
G
FD : 進む向きと逆向きに働く抵抗力
G
FM :ボールが回転によって上向きに
行こうとするマグナス力
G
v : 速さ
G
ω : 角速度
G G
参考文献[3]より FD , FM がそれぞれ次のようになる;
G
1
G
FD = − C D ρ Av (t )v (t )
2
G
G
1
G
FM = CL ρ Av(t )(ω (t ) × v (t ))
2
ボールの軌道の計算
ボールの運動方程式
dvX (t )
dt
dvY (t )
dt
1
ω
=−
C D ρ Av
A (t )vX (t ) −
C L ρA
Av(t )vY (t )
2m
2m
ω
1
=−
C D ρ Av(t )vY (t ) +
C L ρ Av(t )vX (t ) − g
2m
2m
ρ は空気の密度 , Aはボールの断面積(π r 2 ),
)
C D とC L は参考文献[3]に載っている値を用いる,g は重力加速度の大きさ.
ボ ルの軌道の計算
ボールの軌道の計算
それぞれの定数は以下の値を用いる
m = 0.1446 kg, r = 0.0363 m, R = 0.0320 m, A = 0.004144 m2 , ρ = 1.213 kg/m 3 ,
ω = 126 rad/s, g = 9.8 m/s2 .
ボールの初速度を v 0 = 35 m/s 、入射角をθ 0 = 8.6° とする。
vX = −v 0 cos θ 0 , vY = −v 0 sin θ 0 .
バットは水平に速さ
ットは水平に速さV0 = 24.4444 m/s で振る場合を考える。
VX = V0 ,VY = 0.
初期値:X (0) = 0 m,Y (0)=1.08m, vX (0) = vX ′ , vY (0) = vY ′ , ω(0) = ω ′ .
打球 初期条件 D で決まる
打球の初期条件は
決ま
ボ ルの軌道
ボールの軌道
D = 0.05 m
D = 0.026
0 026 m
D = 0.068 m
D = 0.005 m
D = 0.04
0 04 m
D
まとめ
・全ての図を一つにまとめてみた。
D
飛距離最大の打球の軌道
・打球の飛距離が最大になるのはD = 0.026 mというのがわかる
・D の値が少し変化しても打球の軌道は大きく変わる場合がある
D = 0.04 mと0.05 m の場合
・D が r + R に近づくと打球は後ろに飛ぶ
D = 0.068 m の場合
場合
R : バットの半径
r : ボールの半径
・D の値が0.005 mのとき、ゴロのような打球になる。
おわりに
・今回の研究の結果から
今
究 結果から D = 0.026 m のときが飛距離と
ときが飛 離と
して最も飛ぶことがわかった
・少しでも衝突点がずれるだけで打球の軌道や飛距離
少しでも衝突点がずれるだけで打球の軌道や飛距離
が変わってくることがわかった
・他の条件も取り入れ研究してみたかった
・実際にバットやボールを使用して考察したかった
ご清聴ありがとうございました。
清聴あり
う
。
参考文献
• [1]高木隆司、「力学(Ⅰ)」裳華房、2001年
高木隆
力学
裳華房
年
• [2]高木隆司、「力学(Ⅱ)」裳華房、2001年
• [3]M.K. McBeath et.al, “Paradoxical pop‐ups”, A J Ph 76 723( 2008)
Am. J. Phys. 76, 723(
• [4] 菊田昌大、「ポップアップフライの軌道計
[ ] 菊田昌大、 ポップアップフライの軌道計
算」龍谷大学理工学部数理情報学科2012
年度卒業論文