2.インドネシア蘇生協議会の創立

日本蘇生協議会
(JRC)
のページ
1.新会員紹介
中間法人日本脳卒中学会(篠原幸人理事長)が新たにJRCの会
日本では欧米と同じ脳梗塞の発生率かどうかなどの検討をし
員に加わって頂けることになった。これは8月10日のJRC委員
て、新たに加わって頂いた日本脳卒中学会の関連5学会に
会において全員一致で承認された。AHAのガイドラインに脳
evidenceの集約をして頂き、2010CoSTRに対して日本から詳
卒中(stroke)の章があり、アメリカでの疫学的統計でも脳卒
細な情報の発信が行えると期待している。とりあえずはAHA
中患者の、緊急対策が焦眉の急となって、2005ガイドラインで
2005ガイドラインの日本語版での監修者に本学会がなって頂
も長期予後の改善には、発見した救急隊員が症状の正確な判
けることになり、この日本語版の信頼性が高まることを確信
断をして脳卒中センターに早期に搬送、tPA を有効治療時間
し有難く思っている。日本脳卒中学会は会員4,187名、
理事33名、
内に投薬する一連のチーム構築が声高らかに叫ばれている。
評議員634名の堂々たる専門分野をリードする学会である。
2.インドネシア蘇生協議会の創立
6月18日にインドネシアのジャカルタ市ボルボドール・ホ
インドネシアの人々は非常に親日的で、温かい雰囲気の会議
テルで、インドネシア蘇生協議会(Indonesian Resuscitation
であった。
(写真2)BLS, ALS, PALS, Post-Resuscitation
Council(Ind.R.C.)の創立総会が開催された。JRC岡田和夫会
Careなどの講演がInd.R.Cのメンバーにより朝8時から夕方の
長はRCAへの加入を前提としたインドネシアが設立した、こ
5時まで熱心に行われ、これには2005 CoSTRの内容が殆ど網
の新しい会に対して祝辞を述べた。
また特別公演として
「Dev-
羅されていた。JRCが核となってRCAが立ち上がり、この
elopment of ILCOR , JRC and RCA」
の主題で、ILCORの生
RCAがILCORの正式メンバーに認められたことは、
前号
(2006
い立ちと、我々JRCがRCAとしてILCORに加入出来た今年5
年春号)に記載したが、このことは会場にいたインドネシア人
月ノルウェイでのILCOR
に非常に大きなインパクトを与えた。これまでILCOR加入の
写真1
総会までの長い道のりの
団体は白人主体の組織であり、
人種差別とまでは考えなくとも、
話をした。
(写真1)
アジアは空白地帯であった。しかしこのILCORへのRCA加入
インドネシアは人口が2億
により、ILCORは全世界をカバー出来ることになり、よりIL-
人に達し、数多くの島々か
CORのスケールが大きくなった。さらにInd.R.C.がこのRCA
らなっている国であり、イ
に加入すべく創設されたことは、RCAの構成も厚みを増すこ
スラム教徒が殆どの民族
とであり、RCAの存在感も増すことになる。さらに次のガイ
である。この創立総会への
ドライン2010はアジアの各国独自のものを作成すること
参加者は500人以上で、
になっており、それを前提にし、今後RCA構成メンバー間の
Ind.R.C.にはこの国の蘇生に関わる医学関係の主な学会がほ
緊 密 な 連 絡 、情 報 交 換 が ま す ま す 重 要 に な っ て く る 。
とんど参加し、Ind.R.C.創立
またこの秋、11月9日に野口宏教授(愛知医大)の尽力により、
の誓いを厳粛に、そしてイ
名古屋市でILCORへのRCA加入及びインドネシア蘇生協議
スラム教の掟に沿った宗教
会がRCAに参加するのを祝う記念シンポジウムが開催され
色の濃い儀式でもってとり
ることになっている。RCAはこのように地道な努力を積み重
行われた。銅羅を打ち鳴ら
ね、着々と各国が協力し合って実績を積み上げていこうとし
して構成学会の代表が次々
ていることを報告する。
と入会の誓いの署名をする
情景には感銘を受けた。欧
米での会議とは全く異なり
写真2
※写真1 JRC岡田会長が特別公演を行っている場面。
※写真2 左からインドネシア蘇生協議会Sunatrio会長、
アジア蘇生協議会
(RCA)Lim Han事務局長、
RCA岡田和夫会長
(学会会場で)。
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日本蘇生協議会
発行元 日本蘇生協議会 http:// jrc.umin.ac.jp/
ISSN 1881- 2120
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