公益財団法人大川美術館 平成28年度 事業計画書 (自:平成28年4月1日 至:平成29年3月31日) 1.公益目的事業 事業種別 事 業 内 容 1.通年常設展示 (1)日本近代洋画の鳥瞰 藤島武二、萬鉄五郎、中村彝、松本竣介、麻生三郎、また,渡米派の画家である、野田英夫、清水登 之、国吉康雄、さらに難波田龍起、山口薫、山口長男らの抽象絵画、そして柳原義達、高松次郎の作 品など、 近・現代日本の絵画や彫刻、立体作品を展示する。 常 (2)海外作家の展観 当館の中軸をなす画家・松本竣介に影響を与えたパブロ・ピカソとその周辺、また、ベン・シャーンや アメリカの現代版画、さらにはヘンリー・ムーアやイサム・ノグチらの立体作品を展示する。 展 □期日:28年4月1日(金) ~ 29年3月31日(金) ※年4回展示替(7,10,12,3月) 示 設 2.コレクションによるテーマ展示 「女性像」の魅力 (仮称) 女性の美しさや凛々しさは、古くから芸術作品に表現され、「女性美」は永遠のテーマとして描 かれてきました。日本においても平安の絵巻物や江戸時代の浮世絵によって、美しい女性の姿が主 題とされ長く親しまれ、明治以降はヨーロッパ美術の影響を受け、とりわけ「裸婦」が積極的に描 かれるようになりました。女性像のフォルムに注目された作品や、画家とモデルの関係が表出した 作品、夢や希望、理想といった画家の思いが女性像に託されて描かれる作品など、「女性像」は、 現代にいたるまで重要なモチーフとしてありつづけ、また多様な表現がなされてきました。 本展では、それぞれの画家たちが描き出した「女性像」の魅力を多様な視点から紹介します。 主な出品作品 上村松園《初雪》1940年頃 絹本彩色、伊東深水《京茶碗》1950年頃 紙本彩色、橋本明治《鼓》1971年 展 紙本彩色、森芳雄《壺》1980年 油彩・カンヴァス、池田満寿夫《愛の後のヴィーナス》1973年 エッチング・紙、 池田良二《散種》1979年 フォトエッチング、エッチング、メゾチント、ドライポイント他・紙、 澤田哲郎《婦人像》1941年 油彩・カンヴァス 事 □期日:29年1月4日(水)~3月26日(日) 特別企画展№98「棟方志功とマルク・シャガール、挿絵版画の世界」 (仮称) ~谷崎潤一郎「鍵」、シェイクスピア「テンペスト」を中心に~ 業 日本的な美、官能を耽美的に描いた文豪・谷崎潤一郎(1886-1965)が雑誌「中央公論」に書き下ろ した小説『鍵』のためだけに棟方志功(1903-1975)が制作した限定一部の挿絵版画「鍵版画柵」(1956 企 年)全59点と、イギリスの劇作家ウィリアム・シェークスピア(1564-1616)のロマンス劇『テンペスト(嵐の 意)』(1611年)に1975年、マルク・シャガール(1887-1985)が挿絵を制作し翌年限定250部を刊行した 名作挿絵版画「テンペスト」(1976年)全50点を併せて展観する。 初老の夫婦の倒錯した性の心理劇を描いた谷崎70歳時の小説「鍵」の世界を、暗示的な身振りや断 片化された情景によって、イメージ豊かに立ち上がらせた棟方の木版画。一方、シェイクスピアの単独 画 作としては彼の最後の作となり、晩年のシェイクスピア劇に共通した和解のテーマが顕著な「テンペス ト」の世界を恋物語に重きを置き恋人たちの場面を多く取り入れ表現したシャガールのリトグラフ。 心の奥に浮かび上がるさまざまな人間ドラマとともに挿絵版画の世界を堪能していただきます。 主な出品作品 棟方志功『谷崎潤一郎「鍵」挿絵版画』 1956年 木版・紙 全59点 (公益財団法人清春白樺美術館蔵) マルク・シャガール《シャイクスピア「テンペスト」》 1975年 リトグラフ・紙 全50点 展 ●同時開催:新収蔵作品お披露目 □期日:28年4月2日(土)~6月26日(日) 事業種別 事 業 内 容 特別企画展№99「いま、美術館は植物がいっぱい」(仮称) 草花の美しさは私たちの想像力を刺激し、その芳しい香りは潤いをあたえ、植物がもつ豊かな生命力 は人々の憧れであり続けてきました。本展では植物そのものを丹念に描いた絵画や版画、植物が重要 な役割を担って象徴的な存在として描かれた作品、自然の草花に創作意欲を掻き立てられて生まれた 企 文様、植物を抽象的にとらえた陶器や彫金にいたるまで、大川美術館の収蔵品によって「植物」にまつ わる表現の数々を展観。自然を愛し、植物に魅せられ、豊かな生命力に創造の源泉を求めた古今東 西の作家たちの「植物」を捉える眼差しを紹介します。大川美術館の庭園、水道山、吾妻公園等の自 然を望む展示室で、ジャンルを交流させた美術の楽しみを提案する企画です。 主な出品作家 ジョージア・オキーフ《「ジョージア・オキーフ、ドローイング集」より バナナフラワー》 1968年 エスタンプ パブロ・ピカソ《黒い顔の皿》 1948年 陶器 オディロン・ルドン《「悪の華」より》 1890年 エッチング ベン・シャーン《なぜ?》 1961年 グワッシュ 荒尾昌朔《デッサン》 制作年不詳 ドミトリー・ミトロヒン《つりふねそう》 1944年 水彩、鉛筆 土田麦僊《朝顔》 1934年 絹本彩色 富本憲吉《木版『富本憲吉模様』より 草花模様》 1915年 木版 他約50点 展 示 画 ●同時開催:オノサトトシノブと戦後桐生の青春~1950年代を中心に~ □期日:28年7月2日(土)~9月25日(日) 事 特別企画展№100 特別企画展100回記念「松本竣介と野田英夫」~その心象風景、素描とともに~ (仮称) 当館の特別企画展100回を記念して、当館を代表するふたりの画家、松本竣介と野田英夫の作品を 展 比較しながら鑑賞する機会を提供します。また、このほどアメリカの所蔵家より寄贈された新発見の野 田英夫油彩画の紹介と、本作品修復にあたり新たに分かったことなども併せて報告する機会とします。 野田英夫と松本竣介は、都会の雑踏や建物、郊外風景、そして自身を含めた家族の像を描いた画 家として、多くの共通項を持ち合わせています。その画面は哀愁と孤独感を帯び、画家みずからの記 憶や原風景を彷彿とさせる「心象風景」を立ち上げます。 壁画の仕事から始まった野田の画業は次第に懐かしさのある画風を漂わせるようになりました。絵画 に「明るいこと」への思いを描き続けた野田の壁画調でモンタージュ風な絵画の作り方に影響がみられ るといわれる松本竣介「街」シリーズの第一作目にあたる《街》(1938年作・当館蔵)を起点に、竣介と野 田のおもに1930年代に注目し、「郊外」「街」「人」を主題にした素描、油彩作品を比較しながら展観し、 それぞれの絵画から読み取れる葛藤や憧憬に迫ります。 主な出品作品 松本竣介《街》 1938年 油彩・板 松本竣介《青の風景》 1940年 油彩・カンヴァスボード 野田英夫《ポキプシー》 1937年 油彩・カンヴァス 野田英夫《汽車のある風景》 1937年 油彩・カンヴァス (信濃デッサン館蔵) 業 ●同時開催:野田英夫と松本竣介の言葉で追う アメリカンシーンの画家たち □期日:28年10月1日(土)~12月18日(日) 第28回 移動大川美術館展 移 動 当館の立地から入館困難な障害(児)者・高齢者を招待して桐生市市民文化会館で実施する恒例の 移動展。一般来場者には有料にて公開。 展 □期日:28年11月 3 日(木・祝)~11月6日(日)
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