「音楽」はどんな仕事で生かされるの?

日光市立東原中学校
進路指導部発行
このお便りは、
「キャリア教育」と「キャリア教育に関すること」について理解
を深めるために作成しています。Q&A方式でお送りします。
「音楽」はどんな仕事で生かされるの?
アンジェラ・アキさん
高校から 20 代半ばまでアメリカ
で過ごす。28 歳でシンガーソン
グライターにとしてデビュー。
それぞれの教科で学ぶことがどんな職業で生かさ
れるのかについて書かれた本があります。その名も
『5教科が仕事につながる!(ぺりかん社)』です。
その中からいくつか紹介しましょう。
アンジェラ・アキさんは、日本人の父と、イタリア系アメリカ人の母のもとに、徳島県で生まれた。
3歳の時から家にあった小さな電子ピアノに親しみ、中学生の時には友人とバンドを組むなど、音楽
への関心は子どものころから強かった。そんなアンジェラさんが、学校の音楽の授業からいちばん学
んだのは、
「音楽を楽しむこと」だという。おかげで今も音楽が楽しい、と。だからアンジェラさんは、
今現在、学生である人たちにも、音楽に対してネガティブな気持ちになって欲しくない、と思ってい
る。仮に授業でうまく歌えなくても、コンプレックスを感じて萎縮したりしないように。なぜなら、
「本人がコンプレックスだと思っていることも、裏を返せば『個性』なんです。決して自分の嫌い
な部分を『封印』しようとしないで!」
アンジェラさん自身、デビューする2~3年前までは、歌については「もっとうまくなれたらなあ」
とコンプレックスをかかえていたのだ。でも、しだいに自分の声のもつ「個性」に気付くようになり、
少なくともその声を嫌いではなくなった。すると歌で表現できることも広がっていった。
音楽以外では何が大切?
アンジェラさんがあげるのは「伝えていく人間としての基本的なマナーや
パワー」だ。
「仲間を大切にする気持ち、礼儀正しくすること、思いやりをも
つ心が、仕事をよりよいものにしていく」と感じているという。
もともとは小学校の先生を目指していた岡本さんが、「私は
幼稚園のほうが向くかも」と思うようになるのは、大学生の時
だ。授業の中で、幼稚園の教育実習をしたのがきっかけだった。
「幼稚園の子は、楽しいときはすごく楽しそうで、興味がないときは残酷なほどこちらに無関心。あ
りのままの反応が返ってくるこの子たちと、もっとふれあってみたい、と思ったんです。」
だから方向転換したのだが、さて幼稚園の先生を目指すとなれば、音楽の力もかなり必要になってく
る。たいていの園では、ピアノなどの楽器を使った「弾き語り」を、教員採用試験の中で行うからだ。
「それまで私は、大学の授業でピアノを弾くことはあっても、
『弾きながら歌う』ということはした
ことがありませんでした。最初は歌えば指が止まり、ピアノを弾けば口が動かなくなる状態。学内の
ピアノの練習室で何回も練習しました。実は私は、昔は人前で歌うのがすごく苦手だったんです。で
もこの職に就いたら、みんなの前で歌わざるを得ないし、自信なさそうに声を出していたら、子ども
たちのためにならない。だから上手でなくても、堂々と歌うようにしました。やってみれば何とかな
るもので、今では友達とカラオケに行くのも大好きになりました。
」
音楽以外では何が大切?
岡本佳代(おかもとかよ)さん
大学卒業後、幼稚園の先生にな
る。ブラスバンドや管弦楽部での
経験を生かして仕事をしている。
子ども好きであることが大前提。また、病気のきざしを察知するなど、保健や
医学的なことにも詳しければ、子どもたちの力になることができる。