日光市立東原中学校 進路指導部発行 このお便りは、 「キャリア教育」と「キャリア教育に関すること」について理解 を深めるために作成しています。Q&A方式でお送りします。 「英語」はどんな仕事で生かされるの? 石垣千尋(いしがきちひろ)さん 大学時代にオーストラリアへの 留学経験をもち、通訳の仕事をし ている。国際会議でも活躍。 それぞれの教科で学ぶことがどんな職業で生かさ れるのかについて書かれた本があります。その名も 『5教科が仕事につながる!(ぺりかん社)』です。 その中からいくつか紹介しましょう。 海外留学経験があり、英語のできる石垣さんは、知人から『通訳』の仕事を手伝ってほしいと頼ま れ、企業の会議の通訳を任されたことがこの世界に入るきっかけだった。さらに技術をみがくためサ イマル・アカデミーという通訳者養成機関で、本格的な通訳の特訓を受けた。 「英語のテープを聞きながら、まったく違う内容の日本語の本を読む、という訓練 なんです。テープが終わると、先生から 『今の英語のスピーチはどんな内容でしたか?』 って聞かれるんですが、本を読むのに集中してしまって全然英語が耳に残っていない。 でも、これが何度も訓練するうちにできるようになるんですよね。 」 通訳のプロフェッショナルとして活躍する石垣さんだが、中学生の頃は、あまり英語は得意ではな かったそうだ。 「一番役立ったのは、英語の教科書の丸覚えです。教科書に書いてある会話文 や物語を書いたり、声に出して読んだりして覚えるんです。そうしていくうちに よく出てくるワンフレーズはスラスラ言えるようになってくる。地味かもしれま せんが、そうやって話せるフレーズをひとつずつ増やしていくんです。英語は、 『読む、書く、聞く、話す』の 4 点セットで初めて力がつくので、英語が上手に なりたい人はがんばってみてほしいですね。」 横山さんが担当している「パソコン周辺機器」とは、いわゆるパソコンのディス プレイやプリンター、プロジェクターといったものだ。アメリカで開発されたそれ らの製品を、どうやって日本の市場で売っていくか戦略を立てるのが横山さんの仕 横山大介(よこやまだいすけ)さん 世界的 IT 企業 DELL に勤務。 事だ。英語を使う具体的な場面としてはメール。横山さんは一日に数百通のメール マーケティング担当として、販売 促進に貢献している。 を処理しているが、その中には海外から送られてくるものも多い。 「メールの内容は、アメリカで開発された新製品の機能や仕様についてなど、製 品に関する情報が多いですが、日々たくさん送られてくるので、英文の内容をすば やく理解することが大切なんです。 」 職場内の人とも英語を使ってやりとりする。直属の上司や経営陣は外国人なので、 日々英語で資料を書いたり、話をしたりして仕事の状況を説明するのだという。伝 える相手がどんな人であれ、いつも英文を書くときに横山さんが気をつけているの は、①長い文章は書かず、簡潔に書くこと、②結論を先に書くことだ。 (Answer first) 「これは会話でも同じです。外国人に対して“Answer first”じゃなく、ダラダラ説明していると、 『もうその話はいい』と厳しいことを言われてしまいます。これが外国のビジネスの進め方なんだな と、この会社に入って学びましたね。 」
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