平成18年度 卒業研究論文 フリーペーパーにみる機能と 社会生活に及ぼす影響に関する学生調査 筑波大学 第三学群 社会工学類 社会経済専攻 200200974 呉地一幸 指導教官 : 石井健一 1 目次 第 1 章 研究目的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 1-1. 背景 1-2. 研究目的 1-3. フリーペーパーについて 1-3-1. フリーペーパーの特徴 1-3-2. フリーペーパーの分類 1-4. つくば地域のフリーペーパー 1-5. 仮説の設定 第 2 章 研究方法 2-1. ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10 質問紙によるアンケート調査 2-1-1. アンケート内容 2-1-2. 実施概要 第 3 章 結果と考察 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13 3-1. 変数の定義 3-2. 概況 3-3. 読者特性の分類 3-4. 仮説の検証 3-4-1. 読者特性とフリーペーパーへの関心度 3-4-2. 他メディアとの関係性 3-4-3. 閲読後の行動 3-4-4. 双方向性 第4章 結論 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 29 4-1. 本研究における結論 4-2. 今後の課題 参考文献・資料 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 31 付録 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 32 2 第1章 1-1. 研究目的 背景 1990 年代末、新聞、雑誌、テレビに加え、第4のマスメディアであるインターネットが 急速に普及した。インターネットの普及は情報の入手を一段と容易にし、それに比例して 私たちの行動選択の幅は飛躍的に拡大してきた。このインターネット全盛時代にあって、 発行部数を大幅に増加させ続けているのがフリーペーパーである。 そもそもフリーペーパーとは「特定の読者を狙い、無料で配布するか到達させる定期発 行の地域生活情報紙誌で、イベント、タウン、ショップ、求人求職、住宅・不動産、グルメ・ 飲食店、ショッピング、演劇、エステ・美容、レジャー・旅行、各種教室など多岐にわたる 生活情報を記事と広告で伝える」 (JAFNA(日本生活情報誌協会)、2000)と定義されるも のである。その歴史は古く、原点と言われる地域の生活情報誌は 1950 年代に各地で刊行さ れ始める。 その後急速な発展を遂げていくフリーペーパーには 3 度の群発期がある。そのすべてに 当てはまる時代背景が経済的不安要素を抱えていた点である。第一次群発期である 1973 年 にはオイルショックが起こり、第二次群発期の 1984 年には企業倒産が過去最高を記録した。 さらに 1997 年から 2000 年にかけて発生した第三次群発期ではそれを再び更新しているの である。(山中、2001) 不況期では人々は「必要なものだけ買う」という消費性向を示し、また、量より質を重 視する時代の流れもあり、徐々に求められる情報も質を重視するものとなっていった。質 の高い情報を提供するには市場を絞り込み、アプローチする必要があるが、この点を満た していたのがフリーペーパーである。地域の生活情報の提供とは、言い換えれば限定した 市場に情報を提供することに他ならない。これが質の高い情報の提供につながり、不況期 をはじめ現在に至るまで質を重視する消費者に受けいれられる結果となった。 このように、フリーペーパーは古くから私たちの生活に溶け込み、経済の変動と密接に 関わってきた歴史を持つ。発行形態や配布方法が多様であるためメディアとしての位置づ けが曖昧になりやすく、フリーペーパーという1つのメディアとして確立するまでには時 間を要したが、その汎用性の高さから今もっとも注目を集めているメディアの1つである。 つまり、読者に無料、市場を限定し質の高い情報を提供することが可能等の有効性から「第 5 のマスメディア」として今後ますます期待されているのである。 3 1-2. 研究目的 1-1でも述べたように、フリーペーパーは 3 度の群発期を経て今もなお発行部数が増加 し続けている。これは読者、発行者、広告主にその機能・形態が支持されていることを示 しており、特にフリーペーパーが不況期に強いメディアという印象を覚える。つまりは消 費行動を促しやすい媒体ということである。 そこで本研究では学生を対象に、フリーペーパーに関心の高い人はどのような人か、フ リーペーパーを通して消費行動に移りやすい人はどのような人か、さらにその他のメディ アと比較したときのフリーペーパーの立場はどのようなものかについて研究する。 これらを明らかにすることは、「無料」、「市場の限定化」よりも一歩踏み込んだフリーペ ーパーの特徴を捉え、 「第 5 のマスメディア」としての機能と影響力を解明することにつな がる。これは発行者、広告主にとっても有益なことである。以上を本研究の目的とする。 1-3. フリーペーパーについて フリーペーパーの定義については1-1で述べたが、取り扱う内容から配布方法までその 形態は多様であるため、評価することは困難である。ここではフリーペーパーについて研 究している「新・生活情報誌 −フリーペーパーのすべて」(山中茉莉、2001)を先行研究 とし、フリーペーパーとはどのようなメディアであるのか、その媒体としての特徴と分類 を見ながら考察していくことにする。 1-3-1. フリーペーパーの特徴 フリーペーパーの大きな特徴は前述した「無料」と「市場の限定化」であるが、フリ ーペーパーとはどのようなメディアであるのかを把握するために、もう少し掘り下げて 特徴を見ていくことにする。ここでは本研究の対象となる「学生」と「つくば」にスポ ットを当てながら、「読者」、「配布方法」、「配布サイクル」、「判型」の4項目について 考察する。 1. 読者 フリーペーパーが限定している市場がどのような市場であるかはそこに住む読者に大 きく影響してくる。つまり、フリーペーパーにおいて読者特性の把握は重要な意味を持 つのである。広告主が参考にすべき読者の特性には「収入」、「仕事」、「学歴」、「趣味」 等が考えられ、広告内容に適した特性をもつ読者が多いフリーペーパーほど価値が高い と考えられる。たとえば「Couta(クータ)」では、クーポンを毎回チェックする傾向を持 つと思われる「低収入」といった特性が重要となる。なお、本研究で対象としている「学 生」も代表的な読者特性の一つということができ、一般に筑波大学の学生は「低収入」、 「高学歴」の特性を持つと考えられる。 4 2. 配布方法 大きくは「ポスティング」、 「スポットの設置」、「新聞折り込み」の 3 つに分類され る。他に手渡し等あるがその数は非常に少ない。どの家庭にも宅配されるためポステ ィングがもっとも閲読率が高く、また、スポットの設置に関しては店、大学構内、駅 構内などその設置場所は多岐に渡り、ターゲットによって適した設置場所は異なる。 3. 配布サイクル 配布サイクルは発行目的によって変わってくる。つくば地域のフリーペーパーを例 にとると、月刊誌である「月刊ぷらざ」はタウン・ショップ情報やエッセイ等、総合 的な情報を掲載しており、内容を濃いものにするためにも月刊が最適といえる。週刊 誌である「常陽リビング」にも総合的な情報が掲載されているが、連絡事項などの速 報性の強い情報が多いため週刊が適している。無料求人誌が週刊であるのも速報性を 重視しているためと考えられる。このように、情報によって適した配布サイクルは異 なる。 4. 判型 フリーペーパーの判型も求める機能によって異なる。たとえばクーポンマガジンの 「Couta(クータ)」であればページ数が多く、切り取りやすい判型が望ましいことにな る。現在発行されているものは、リーフレットなどの特赦な判型も多数存在するもの の、「タブロイド(新聞)型」「マガジン(雑誌)型」の2つに大きく分類することが でき、両者の比率は 6:4 である。(表 1-1 参照)なお、狭義ではタブロイド型をフリ ーペーパー、マガジン型をフリーマガジンとしている。 表 1-1. フリーペーパーの形態別発行数の割合 紙・誌数 版数 (%) 発行部数 フリーペーパー 58.1 58.4 56.4 フリーマガジン 35.2 32.2 32.2 6.8 9.5 11.4 その他 JAFNA(2006) 5 1-3-2. フリーペーパーの分類 基本的には下記の 5 つ(1〜5)に分類されるが、最近は第 6 分類にもフリーペーパー を謳っているものがあるため、ここでは 6 分類とする。しかし、実際には厳密に分類す ることは難しく、1〜6 までの要素を複数組み合わせて構成されているのが現状である。 (JAFNA、2006) 1. コミュニティペーパー フリーペーペーパーの原点ともいえる地域生活情報誌のことである。地域のニュー スを掲載しているものが属するとされ、その数は多い。つくば地域のフリーペーパー では「常陽リビング」、 「月刊ぷらざ」等が有名である。 2. ターゲットペーパー(クラスメディア) 「30 代の主婦」、 「団塊世代のサラリーマン」などと読者となるターゲットを明確にし、 絞り込んだものである。つくば地域では筑波大学の学生を対象とした「筑波大学新聞」 が当てはまる。 3. ニュースペーパー 簡易的なものであれ、限定された地域情報であれ、ニュースを掲載しているものを 指す。こちらも数は多く、コミュニティペーパーと同様に「常陽リビング」等、多く のフリーペーパーが存在する。 4. タウンペーパー・タウンマガジン 商店街単位の伝統的なものから、複数地域の情報を掲載する広域的なものまで様々 なものがある。つくばエクスプレスの沿線情報誌「sawawa」などが当てはまる。 5. 広告マガジン・クーポンマガジン 編集記事がほとんどない、広告(クーポン)を軸としたフリーペーパーである。ク ーポンマガジンである「Couta(クータ)」がまさにこれである。 6. 宣伝・広報・PR・カタログ・会員紙誌 フリーペーパーとは言い難い面もあるが、複数の広告主を掲載している広告媒体 という点で、フリーペーパーの 1 種といえる。無料求人情報誌もこの分類に属すると される。 6 1-4. つくば地域のフリーペーパー ここで、つくば地域で配布されているフリーペーパーについて概況を述べることにする。 各フリーペーパーの基本的な情報は下記の表 1-2 のとおりである。 表 1-2. つくば地域のフリーペーパーの基本情報 発行部数 配布方法 配布サイクル 判型 創刊日 Couta(クータ) 155,000 スポット(店・オフィス) 月刊 マガジン型 2005 年 3 月 常陽リビング 249,785 新聞折り込み 週刊 タブロイド型 1977 年 4 月 常陽ウイークリー 253,500 新聞折り込み 週刊 タブロイド型 1988 年 1 月 B life 145,000 ポスティング 月刊 マガジン型 2004 年 10 月 筑波大学新聞 スポット(大学構内) 年 8 回刊 タブロイド型 1974 年 10 月 筑波ジャーナル ポスティング 月刊 タブロイド型 1985 年 12 月 月刊ぷらざ(県南版) 133,100 ポスティング 月刊 マガジン型 2004 年 10 月 Sawawa 100,000 スポット(駅構内・店) 年 4 回刊 マガジン型 2005 年 8 月 City Opera 100,000 スポット(駅構内・店) 月 2 回刊 タブロイド型 2005 年 8 月 30,000 スポット(駅構内・店) 月刊 タブロイド型 2005 年 8 月 DOMO スポット(店) 週刊 マガジン型 job ジャーナル スポット(店) 週刊 マガジン型 Job aidem スポット(店) 週刊 マガジン型 ENSEN Living (つくばエクスプレス編) 表の上段から順にみていく。 「Couta(クータ)」は茨城県を代表するクーポンマガジンで、 つくば・土浦地域を中心とした県南版と県央版が存在する。また、web 版も存在し、イン ターネットとの連携による取り組みが活発に行われている。県南地区で民間企業が刊行し たフリーペーパーとしてもっとも古い「常陽リビング」は、フリーペーパーのさきがけと なった地域生活情報誌の形態を色濃く反映しており、掲載情報も不動産広告から求人情報 まで幅広い。常陽リビングと非常に似ている「常陽ウイークリー」はマスコットキャラの 「ようた」が特徴的である。「B-life」は月刊の地域生活情報誌で、エッセイから美容情報 まで幅広いくらしの情報を提供している。「筑波大学新聞」は筑波大学が発行しているもの で、学内で配布されている。1 月号は受験生特集号、4 月号は新入生歓迎号として特集を組 んでいる点がおもしろい。 「月刊ぷらざ」は各地域で発行されているフリーペーパーで B-life と似通った地域生活情報誌であるが、1 ヶ月分のテレビ欄を掲載している点が大きく異なる。 「Sawawa」、 「City Opera」、 「ENSEN Living」の 3 誌はつくばエクスプレス沿線情報誌で、 いずれも開通と同時期に発行されている。一方、 「DOMO」、 「job ジャーナル」、 「Job aidem」 の 3 誌はすべて無料の求人情報誌であり、おもに店にスポット配置されている。 7 1-5. 仮説の設定 1-3 ではフリーペーパーの概要についてみてきたが、本研究ではさらに踏み込んだ特徴、 影響力を調査することを目的としている。その点を踏まえた上で、ここでは読者の特性、 他メディアとの関係、消費行動への影響、フリーペーパーの双方向性に注目し、仮設を設 定することにした。 <仮説 1> 読者特性とフリーペーパーへの関心度 仮説 1-1 流行に敏感な人ほど、フリーペーパーへの関心が強い。 仮説 1-2 社交的な人ほど、フリーペーパーへの関心が強い。 仮説 1-3 倹約家であるほど、フリーペーパーへの関心が強い。 1-3-1 でみたように、発行者、 広告主からすると読者特性は非常に重要なものである。 では逆に、どのような読者特性をもつ人がフリーペーパーへの関心が強いのか。仮説 1-1 では「流行に敏感」という読者特性を挙げた。情報の供給源としてのフリーペーパ ーの立場から、流行に敏感な人ほどフリーペーパーへの関心が強いと考えられる。仮 設 1-2 では同様の理由から、情報の共有と関係があると思われる「社交性」を挙げた。 仮説 1-3 では「倹約家」を採ったが、これはフリーペーパーにはクーポンや読者プレゼ ント等のお得情報が掲載されているので、倹約家ほどフリーペーパーへの関心が強い と考えたためである。 <仮説 2> 他メディアとの関係性 仮説 2-1 フリーペーパーは他メディアとの連携に優れたメディアである。 仮説 2-2. 学生は利用目的別にメディアを使い分けている。 仮説 2-3. フリーペーパーは他のメディアが扱っていない分野の情報提供に優れてい る。 1-3 ではフリーペーパーがどのようなメディアであるのかをみてきたが、ここでは他 メディアも含めた場合のフリーペーパーの位置づけについて仮説を設定した。情報を求 めてフリーペーパーを閲読する人は同じように情報を求めて他メディアへも接触するこ とが多いと考えられる。そのためメディア間の連携が重要となるが、フリーペーパーは 比較的発行しやすいメディアであることから、他メディアを軸にした連携に適している メディアであると思われる。また、メディアを利用する人の多くは「お店情報ならフリ ーペーパー、旅行情報なら雑誌、娯楽情報ならフリーペーパーと専門誌」のように情報 によってメディアを使い分けていると考えられる。そのため、後発であるフリーペーパ ーは他メディアが苦手とする分野の情報提供に優れていると考えた。 8 <仮説 3> 閲読後の行動 仮説 3-1. フリーペーパーは他メディアに比べ、閲読後行動を促しやすい。 仮説 3-2. フリーペーパーへの関心が強い人ほど、閲読後行動に移りやすい。 不況期においてフリーペーパーが群発した理由は閲読後の消費行動を期待してのこ とである。そのため、フリーペーパーには他メディアに比べても強い消費行動を促す 力が働いていると考えられる。ここでは直接の消費行動だけでなく、間接的に消費行 動を促す口コミなどの話題性も考慮して、消費行動ではなく閲読後行動として仮説を 設定した。 <仮説 4> フリーペーパーの双方向性 仮説 4-1. フリーペーパーは双方向性の高いメディアである。 フリーペーパーが消費行動を促す要因として、双方向性の高さが考えられる。たと えば商店街単位で地域に密着しているフリーペーパーは、発行者と読者との距離が非 常に近い。そのため読者は特集してもらいたい情報等の意見を述べることが多くなり、 双方向性が機能すると考えられる。これを仮説 4-1 とした。 以上を本研究の仮説とし、調査に移ることにする。 9 第2章 研究方法 2-1. 質問紙によるアンケート調査 本研究の調査において把握したいことは、 「フリーペーパーへの関心度」、 「閲読後の行動」、 「双方向性の高さ」、「他メディアとの利用比較」が主な項目である。これらを中心にアン ケートを作成し、調査を実施した。 (付録参照) 2-1-1. アンケート内容 ・フリーペーパーへの関心度 フリーペーパーへの関心度として、読んだことのあるフリーペーパーの種類、読む 頻度の項目をつくり、どの程度フリーペーパーに接しているのかを調査した。 ・閲読後行動 調査時から 1 ヶ月以内にフリーペーパーがきっかけとなって何かしらの行動をした か、その具体的な行動内容まで質問項目を設置した。 ・双方向性の高さ 掲載内容について、意見したこと、問い合わせたこと、アンケートに答えたことが あるかどうか、その有無と頻度を計る項目を作り、その内容も聞き取ることにした。 ・他メディアとの比較 新聞、雑誌、テレビ、インターネットの4大メディアについて、フリーペーパーと 同様に上記内容の質問項目を設置した。加えて、利用目的、利用要因を聞き取る項 目を設置し、フリーペーパーとの比較を調査した。 ・読者特性 読者特性として仮説の検証に必要となる、流行に敏感であるか、社交性が強いか、 倹約家であるかの 3 点を計る質問項目を設置した。なお、一部の質問項目について は 2004 年度社会工学類卒業論文(女川厚)を参考にした。 2-1-2. 実施概要 日時 以下の日時でアンケート調査を実施した。 ・ 12 月4日 社会工学類情報処理実習の授業中 ・ 12 月 8 日 テニスサークルの集まり ・ 12 月 11・14・15 日 居酒屋の営業後 ・ 12 月 13 日 合唱団の練習中 ・ 12 月 16 日 吹奏楽団の練習中 10 サンプル数 今回のアンケート調査ではその他のメディアに関する質問項目を「新聞・テレビ」 と「インターネット・雑誌」の 2 パターンに分け、2 種類のアンケートを作成した。ま た、2 パターンを交互に並べ順に配布することで偏りが生じないようにした。結果、合 計のサンプル数は 124、男女比は 3:1、パターン間の差は 8 になった。詳細は表 2-1 の通りである。 表 2-1. サンプル数 男 女 計 新聞・テレビ 46 12 58 インターネット・雑誌 45 21 66 計 91 33 124 回収率 93、2% 調査対象 本研究では筑波大学の学生を調査対象として学生調査を行った。調査対象の所属学 類、学年、調査時のグループごとのサンプル数は表 2-2、2-3、2-4 の通りである。 表 2-2.学類別サンプル数 学類・研究科 人数 学類・研究科 人数 社会工 72 人間 3 工学システム 10 生物 3 情報 5 経営政策科学 3 工学基礎 4 国際総合 2 比較文化 4 自然 2 人文 4 環境科学 2 図書館情報 4 日本語・日本文化 1 看護 4 システム情報工学 1 11 表 2-3.学年別サンプル数 学年 人数 1年 14 2年 70 3年 16 4年 18 M1 3 M2 3 表 2-4.調査時の集団別サンプル数 調査時の集団 人数 社会工学類の授業 54 吹奏楽団 37 テニスサークル 16 居酒屋アルバイト 10 合唱団 7 以上を踏まえた上で、第3章の結果と考察に移る。 12 第3章 結果と考察 3-1. 変数の定義 結果と考察に移る前に変数の定義について記述しておく。アンケートの回答項目を分析 では以下のように置き換えて使用した。フリーペーパー、雑誌、新聞においては月単位の 頻度に変換している。 フリーペーパー・雑誌の読む頻度 毎週一回以上 8 毎週一回程度 5 月に数回程度 3 月に一回程度 1 年に数回程度 0.25 0 それ以下 新聞の読む頻度 毎日 30 週 5 日程度 20 週 3 日程度 12 週 1 日程度 6 月に数回 3 月に一回 1 年に数回 0.25 それ以下 0 テレビ・インターネットの接触頻度 1 時間 1 2 時間 2 3 時間 3 4 時間 4 5 時間 5 6 時間 6 7 時間以上 8 1 時間以下 0 13 3-2. 概況 まず、つくば地域のフリーペーパーへの認知度と筑波大学の学生のおかれている環境を みていく。表 3‑2‑1 は今までに読んだことのあるフリーペーパーの種類を度数で表したも のである。 表 3-2-1.今までに読んだことのあるフリーペーパーの度数分布表(%) フリーペーパー 度数 フリーペーパー 度数 月刊ぷらざ 73.4 常陽ウイークリー 22.6 Couta(クータ) 58.1 その他(東京) 19.4 Job aidem 58.1 City Opera 13.7 筑波大学新聞 51.6 その他(その他) 12.1 B life 44.4 DOMO 11.3 筑波ジャーナル 35.5 その他(つくば) 7.3 常陽リビング 30.6 Sawawa 3.2 job ジャーナル 25.8 ENSEN Living 2.4 最も読んだことのあるフリーペーパーは「月刊ぷらざ」(73.4%)であった。名前のとおり の月刊誌で、毎月ポスティングされるため多くの人が一度は目にしたことのあるフリーペ ーパーである。タウン・ショップ情報やクーポン券、本・映画情報、さらには鹿島アントラ ーズの選手へのインタビューと総合的な情報誌といえる。1‑4 でも述べたが、1 ヶ月分のテ レビ番組表が掲載されているため、長期間保持している学生も少なくないと考えられる。 次に、半数以上の学生が読んだことのあるものとして「Couta(クータ)」(58.1%)、「Job aidem」(58.1%)、「筑波大学新聞」(51.6%)の3誌が挙がった。Couta は月刊のクーポンマ ガジンで飲食店や量販店のラックに置かれて配布されている。ショップ情報は多彩であり、 クーポンも学生にとって非常に有用なものだが、対象エリアが県南とやや広域であるため、 車を持たない学生にとっては使いづらいことが6割未満の認識に繋がっていると考えられ る。Job aidem は週刊の求人誌で、多くの飲食店で配布されている。アルバイトを探してい る学生の目にとまりやすく、つくば地域でメジャーな無料求人誌である。他方、筑波大学 新聞は学内で配布されているもので、主に学内の情報を取り扱っているため、多くの学生 の関心を引いているものと考えられる。以下、ポスティングによる総合情報誌、求人誌、 つくばエクスプレス沿線情報誌と、読んだことのある割合は低下していく。特に筑波大生 は電車を使う機会が少ないため、駅構内で配布されている「City Opera」(13.7%)、 「Sawawa」 (3.2%)、「ENSEN Living」(2.4%)の 3 誌は軒並み低い値となった。 14 次に、筑波大学学生のおかれている環境、状況をみていく。表 3‑2‑2、3‑2‑3 は車を所持 しているか、一人暮らしであるかを表したものである。 表 3-2-2.車の所持 所持している 所持していない 計 人数 27 43 70 度数 39% 61% 100% 表 3-2-3.生活形態 一人暮らし 家族と同居 計 人数 106 18 124 度数 85% 15% 100% つくばは都心部に比べ交通が発達しておらず、学生の交通手段の主流は自転車である。 表 3‑2‑2 より、車を所持している学生は 39%と 4 割近い値を示しており、つくばが車社会 であることを表している。また、これは同時に車を持たない学生の活動範囲が狭くなりが ちであることも表しているといえる。次に表 3‑2‑3 を見てみると、実に 8 割以上の学生が 一人暮らしをしていることがわかった。なお、車を所持しているかの質問項目は社会工学 類情報実習の授業でのアンケート調査では含んでいなかったため、母数が 70 となっている。 3-3. 読者特性の分類 ここで、読者特性を計る質問である問6(2)の 8 項目について、意図したとおりの特性が 計れているか、因子分析を行い検証してみることにする。8 つの質問項目は以下のとおりで ある。 ア.世の中の出来事や流行は人よりもはやく知りたい イ.世の中の話題になっていることは人よりも詳しくしりたい ウ.グループの中では目立つ存在でいたい エ.大勢でいるより一人でいるほうが好きだ オ.休日は外出するより家の中で過ごす カ.外食するより自炊することが多い キ.趣味に対する出費はケチらない ク.公共料金には気を使っている 当初意図していたものとして、流行に敏感であるかを計る流行関心度に対する項目とし てア・イ・ウ、社交性が高いかどうかを計る項目としてエ・オ、金銭の使用に敏感で必要 なものしか買わないといった倹約志向を計る項目としてカ・キ・クの質問項目を設定した。 15 (ア〜オについては 2004 年度社会工学類卒業論文(女川厚)を参考にした)なお、項目エ・ オについては特性に対してネガティブなものであるが、因子分析を行う前段階でポジティ ブなものに置き換えている。 表 3-3. 読者特性の質問項目に対する因子分析 成分 流行関心度 社交性 倹約志向 個人志向 ア 0.911 0.058 0.024 0.036 イ 0.933 0.039 -0.086 -0.038 ウ 0.421 0.489 -0.113 -0.462 エ 0.069 0.734 -0.256 0.105 オ 0.003 0.87 0.044 0.028 カ -0.123 -0.222 0.741 0.188 キ 0.048 0.136 0.052 0.918 ク 0.041 0.009 0.881 -0.063 固有値 2.342 1.493 1.221 0.981 固有値が 0.9 以上のものとして下記の4つの成分が算出された。 「流行関心度」・・・1つ目は、ア(0.911)、イ(0.933)で非常に高い正の相関が認められ、ウ(0.421) においても正の相関が認められた。当初意図していたものと照らし合わ せてこの成分を「流行関心度」とし、ア・イ・ウの 3 項目を加算して新 たな尺度とする。 「社交性」・・・・・・・2つ目は、エ(0.734)、オ(0.87)で高い正の相関が認められたほか、ウ(0.489) でも正の相関が認められた。意図していなかった項目が加わっているが、 これを「社交性」の尺度とし、ウ、エ、オを加算して導くことにする。 「倹約志向」・・・・・3つ目では、カ(0.741)、ク(0.881)でのみ正の相関が認められている。2 つの項目内容から出費を抑える志向が強い特性と考えることができるた め、これを「倹約志向」とし、カとクを加算する。 「個人志向」・・・・・4つ目の成分は、キ(0.918)と高い正の相関があり、ウ(-0.462)と負の相関 がある。キの質問項目は、必要なものにはお金をかける、というニュア ンスを含ませたつもりでいたが、趣味に対する志向を計る結果になった と考えられる。ウと負の相関であることも考慮すると、一人で自分の趣 味の世界に没頭するタイプと判断し、「個人志向」の成分としてキとウ の差を尺度とした。 16 3-4. 仮説の検証 3-4-1. 読者特性とフリーペーパーへの関心度 ここから仮説の検証に移る。まず分析する読者特性として心理的特性を考える。心理 的特性は 3-3 の因子分析で新しく導いた尺度を使用し、フリーペーパーへの関心度とし て 1 ヶ月あたりのフリーペーパーを読む頻度を利用する。以上をもって、4つの特性と フリーペーパーの関心度との相関関係を調べてみることにする。結果は下記のとおりで ある。 表 3-4-1.心理的特性とフリーペーパーを読む頻度の相関係数 相関係数 流行関心度 有意確率 (両側) 0.064 0.48 0.04 0.66 倹約志向 0.151 0.094 個人志向 0.015 0.872 社交性 表 3-4-1 をみてわかるように、5%水準で有意な結果を得ることはできなかった。唯一、 倹約志向において相関係数が 0.151 と、弱い正の相関関係があることがわかったが、有 意水準が 10%以下であるため参考程度にとどめておくことにする。つまり、流行関心度、 社交性、倹約志向、個人志向の4つの特性とフリーペーパーを読む頻度との関係を見出す ことはできなかった。 以上の結果から 仮説 1-1 流行に敏感な人ほど、フリーペーパーへの関心が強い。 仮説 1-2 社交的な人ほど、フリーペーパーへの関心が強い。 仮説 1-3 倹約家であるほど、フリーペーパーへの関心が強い。 はすべて支持されなかった。 ここで仮説が棄却されてしまったため、フリーペーパーの頻度に影響をあたえている 特性は何か、心理的特性以外の変数を投入して調査することにする。つまり、新たな読 者特性として属性変数を投入し、フリーペーパーを読む頻度と関係性のある変数を明ら かにする。投入する属性変数は、収入、学年、性別、車の所持、生活形態の5つである。 なお、ここでの収入の尺度は 1 ヶ月単位の収入額を表している。表 3-4-2 は収入、学年と フリーペーパーを読む頻度との相関関係を、表 3-4-3-は残った3変数の違いによるフリー ペーパーを読む頻度の平均値を比較している。 17 表 3-4-2. 属性変数とフリーペーパーを読む頻度の相関係数 相関係数 有意確率 (両側) 収入 0.006 0.948 学年 0.043 0.637 どちらとも 5%水準で有意な結果は得られていない。筑波大生の一人暮らしの割合から 考えると(85%)、学年はつくばでの居住暦に近いものと考えられたが、フリーペーパ ーを読む頻度との関係を発見することはできなかった。 表 3-4-3.属性変数に対応するフリーペーパーを読む頻度の平均値 有意確率 人数 平均値 標準偏差 男性 91 2.256 2.044 女性 33 3.061 1.819 車を所有している 27 3.083 1.758 43 2.215 2.232 家族と同居 18 2.208 1.523 一人暮らし 106 2.514 2.085 していない t値 (両側) 2.106 0.039 -1.713 0.091 -0.595 0.553 表 3-4-3 より、5%水準で有意といえるものは性別だけである。女性は男性に比べて月 に 0.8 回ほど読む回数が多いことになる。これはフリーペーパーに主に掲載されているタ ウン・ショップ情報や映画・音楽等の趣味情報に男性よりも女性の方が関心が高いためと 考えられる。車の所持に関しては 10%水準で有意となっているが、母数が 70 と少ないた め、ここでは参考にすることとする。つくばの交通事情を踏まえ、車を所持することで 飛躍的に行動範囲が拡大することを考えると、タウン・ショップ情報や地域情報を掲載し ているフリーペーパーの有用性は車を所持していない人よりも高くることは容易に想像 できる。特に、地方の飲食店の情報は他メディアでは取得することが難しいため、行動 範囲が広がるにつれフリーペーパーへの関心度も上昇すると考えられる。地方ならでは のフリーペーパーの強みが発揮されているといえる。 18 3-4-2. 他メディアとの関係性 次にフリーペーパーと他メディアとの関係性、メディアのなかでのフリーペーパーの 立場について検証する。まず、フリーペーパーと他メディアとのメディア間の連携がう まくとれているか、フリーペーパーを読む頻度とその他メディアへの接触度の相関関係 を調べることで明らかにする。なお、他メディアの接触度はメディアごとに異なり、新 聞、雑誌はひと月単位の読む頻度を、テレビ、インターネットは 1 日当たりの視聴、接 続時間を尺度としている。 表 3-4-4.フリーペーパーを読む頻度とその他メディアの接触度の相関 相関係数 有意確率 (両側) 新聞 -0.083 0.535 テレビ 0.131 0.326 インターネット -0.176 0.157 雑誌 -0.096 0.445 表 3-4-4 より、5%水準で有意な結果を得ることはできなかった。フリーペーパーには ホームページのアドレスや QR コートが掲載されていることが多く、インターネットと の連携がとられていると予想されたが、今回の調査では相関関係を見出すことはできな かった。また、インターネット以外のメディアとも関係性はなく、他メディアとは連携 がとれていないことが明らかとなった。 よって 仮説 2-1 フリーペーパーは他メディアとの連携に優れたメディアである。 は支持されなかった。 ここで、各メディアの利用目的について比較する。はじめに単純に平均値を調査するこ とで、一般的にどのような目的で利用されているのかを調べる。表 3-4-5 は各メディアの利 用目的の項目の平均値を表したものである。なお、 「無料だから」、 「クーポンがあるから」、 「店探しが楽だから」、「どこでも入手できるから」、「プレゼント企画があるから」の5つ の質問項目はフリーペーパーでのみ設置し、他メディアでは設置しなかった。また、利用 目的は 4 段階で評価されており、4 に近づくほど当てはまる度合いが高くなる。 19 表 3-4-5.各メディアの利用目的の平均値 フリー 利用目的 インター ペーパー 新聞 テレビ ネット 雑誌 役立つ情報があるから 3.06 3.33 2.78 3.65 3.09 楽しいから 2.53 2.6 3.45 3.55 3.44 暇つぶしになるから 2.96 2.88 3.53 3.47 3.2 世の中の動きを知りたいから 1.73 3.48 2.91 3.06 2.21 話題づくりに役立つから 1.69 2.5 2.79 2.79 2.52 無料だから 3.18 クーポンあるから 2.81 店探しが楽だから 2.56 どこでも入手できるから 2.49 プレゼント企画があるから 1.47 まず、フリーペーパー単独でみることにする。中央値である 2.5 を超えたものは 7 項目で、 そのなかでも特に強い理由と考えられる項目は「役立つ情報があるから」(3.06)、「暇つぶ しになるから」(2.96)、 「無料だから」(3.18)の 3 項目であった。逆に低い値であったのは「世 の中の動きを知りたいから」 (1.73)、 「話題づくりに役立つから」 (1.69)、 「プレゼント企画 があるから」 (1.47)の 3 項目で、利用目的として当てはまらないと考えられる。他メディ アについてもみていく。新聞では「役立つ情報があるから」(3.33)、 「世の中の動きを知り たいから」(3.48)の値が高く、政治・経済情報を提供しているメディアに適合した結果と なった。テレビ、インターネットではすべての利用目的で高い値となっているが、「役立つ 情報があるから」の項目ではテレビのみが 3.0 を切る値となっている。これはテレビが受動 的なメディアであり、ながら視聴をする学生が多いためと考えられる。最後に雑誌をみる と総じてフリーペーパーより高い値ではあるものの、もっとも同様の傾向のあるメディア であることがわかる。唯一異なる「楽しいから」の項目は、漫画雑誌の影響と思われる。 次に、利用目的別に各メディアの平均値を比較する。表 3-4-6 はフリーペーパーと各メデ ィアの平均値の差を対応するt検定で分析したものである。なお、アンケート内容のパタ ーンが 2 種類あるため、新聞・テレビとインターネット・雑誌でフリーペーパーの平均値 は異なっている。 20 表 3-4-6.各メディアとフリーペーパーの平均値の差 フリーペーパーとの差 t 値 有意確率 (両側) 平均値 標準偏差 平均値の標準誤差 役立つ情報が 新聞 -0.172 1.110 0.146 -1.183 0.242 あるから テレビ 0.379 1.040 0.137 2.778 0.007 インターネット -0.667 0.950 0.117 -5.701 0.000 雑誌 -0.106 1.069 0.132 -0.806 0.423 新聞 -0.034 1.242 0.163 -0.211 0.833 テレビ -0.879 1.125 0.148 -5.952 0.000 インターネット -1.045 1.101 0.136 -7.711 0.000 雑誌 -0.939 1.175 0.145 -6.494 0.000 暇つぶしに 新聞 0.017 1.000 0.131 0.131 0.896 なるから テレビ -0.638 1.210 0.159 -4.017 0.000 インターネット -0.455 1.303 0.160 -2.834 0.006 雑誌 -0.182 1.288 0.159 -1.147 0.256 世の中の動きを 新聞 -1.759 0.997 0.131 -13.438 0.000 知りたいから テレビ -1.190 1.131 0.149 -8.011 0.000 インターネット -1.318 1.069 0.132 -10.015 0.000 雑誌 -0.470 1.140 0.140 -3.348 0.001 話題づくりに 新聞 -0.810 1.067 0.140 -5.783 0.000 役立つから テレビ -1.103 1.347 0.177 -6.240 0.000 インターネット -1.106 1.139 0.140 -7.892 0.000 雑誌 -0.833 1.061 0.131 -6.381 0.000 楽しいから 「役立つ情報があるから」の項目ではテレビ、インターネットと差がある結果となり(1% 水準)、テレビとインターネットの中間に位置していることがわかる。 「楽しいから」の項目 ではテレビ、インターネット、雑誌との差が 1%水準で認められた。フリーペーパーが中央 値であるのに対し、テレビ、インターネット、雑誌では 3.0 を上回る高い値を示しており、 他メディアに比べてフリーペーパーの娯楽性の低さがうかがえる。「暇つぶしになるから」 の項目でもテレビ、インターネットと差のある結果となり(1%水準)、差はいずれもマイ ナスであった。残りの 2 項目ではすべてのメディアと 1%水準で差が認められている。表 3-4-5 をみると、「世の中の動きをしりたいから」ではフリーペーパーと雑誌を除いた 3 メ ディアでは高い値であり、また、「話題づくりに役立つから」については各メディアとも中 央値付近であるが、フリーペーパーのみ 1.0 台となっている。つまり、他メディアと比較し てもこの 2 項目は低い値であり、フリーペーパーの利用目的とはいえないことがわかる。 21 次に、利用目的と接触頻度の相関関係を調べる。平均値とは異なり、関心度の高い学生 の利用目的を明らかにすることが目的である。下記の表 3-4-7 はメディアの利用目的として 当てはまる度合いと各メディアの接触頻度の相関関係を表したものである。 表 3-4-7.利用目的と接触頻度の相関 フリー インター ペーパー 新聞 テレビ ネット 雑誌 役立つ情報があるから 0.290(**) 0.126 0.22 0.186 -0.008 楽しいから 0.283(**) 0.224 0.291(*) 0.181 0.227 0.12 -0.003 0.342(**) 0.263(*) 0.184 0.193(*) 0.326(*) 0.350(**) 0.273(*) 0.174 話題づくりに役立つから 0.125 -0.025 0.291(*) 0.326(**) 0.19 無料だから 0.154 暇つぶしになるから 世の中の動きを 知りたいから クーポンあるから 0.204(*) 店探しが楽だから 0.278(**) どこでも入手できるから 0.167 プレゼント企画があるから 0.076 (*):相関係数は 5%水準で有意 (**):相関係数は1%水準で有意 まずフリーペーパーについてみてみると、「役立つ情報があるから」(0.290)、「楽しいか ら」(0.283)、「店探しが楽だから」(0.278)で正の相関が 1%水準で認められ、「世の中の動 きを知りたいから」(0.193)、 「クーポンがあるから」(0.204)で弱い正の相関が 5%水準で認 められた。この結果から、フリーペーパーを読む頻度が高い学生はフリーペーパーにタウ ン・ショップ情報やクーポンといった有益な情報を求めていることがうかがえる。逆に発行 者からすると、そのような有益な情報を掲載することによって、フリーペーパーに関心の 高い、質のよい読者を獲得することができる。次に、他のメディアについてもみていくこ とにする。新聞は「世の中の動きが知りたいから」(0.326)でのみ正の相関が認められた。 (5% 水準)そもそも新聞は世の中の動きを知るための媒体といえるので、この結果は当然とい える。しかし、対象が学生であるためか、その他の項目では有意となるものはなかった。 一方、テレビでは 5 項目中 4 項目に相関関係があるという結果がでた。 「暇つぶしになるか ら」(0.342)、 「世の中の動きを知りたいから」(0.350)で正の相関が 1%水準で認められ、 「楽 しいから」(0.291)「話題づくりに役立つから」(0.291)で正の相関が 5%水準で認められて いる。インターネットでも 3 項目で相関関係がみられた。 「話題づくりに役立つから」(0.326) で 1%水準の正の相関が、 「暇つぶしになるから」(0.263)、「世の中の動きを知りたいから」 (0.273)で 5%水準の正の相関が認められている。「世の中の動きを知りたいから」 、「話題づ 22 くりに役立つから」で正の相関がみられることから、テレビ同様、多様な情報の存在が接 続時間に影響を与えていると考えることができる。雑誌に関しては相関関係が認められな かった。 最後に各メディアについて役立つ情報とされている情報について調査する。表 3-3-8 は、 各メディアについて「役立つと思う情報」として選択された項目の度数分布である。 表 3-4-8.役立つと思う情報の度数分布 (%) フリー ペーパー タウン・ショップ情報 インター 新聞 テレビ ネット 雑誌 49.2 6.1 18.2 11.7 3 エンターテイメント情報 32.3 21.2 50 45.5 25.8 求人情報 55.6 4.5 1.5 16.7 6.1 美容・ファッション情報 24.2 3 21.2 27.3 54.5 レジャー・旅行情報 14.5 7.6 22.7 24.2 10.6 地域情報 24.2 21.2 10.6 21.2 7.6 趣味(音楽・映画等)情報 41.1 24.2 59.1 69.7 59.1 学生向け情報 37.9 13.6 9.1 30.3 6.1 生活情報 24.2 30.3 21.2 37.9 15.2 スポーツ・芸能ニュース 13.8 42.4 56.1 60.6 37.9 ビジネスニュース 4.8 48.5 37.9 16.7 15.2 エッセイ 4.8 15.2 0 16.7 7.6 イベント・ 表 3-4-8 より、フリーペーパーにおいては「求人情報」(55.6%)、 「タウン・ショップ情報」 (49.2%)、「趣味情報」(41.1%)の 3 種の情報に関して 4 割以上の学生が役立つとしており、 「学生向け情報」(37.9%)についても多くの学生が役立つとしている。新聞において 40%を 超したものは「ビジネスニュース」(48.5%)、「スポーツ・芸能ニュース」(42.4%)といった 新聞の本質的な役割に関する情報だけであった。テレビでは「趣味情報」(59.1%)、 「スポー ツ・芸能ニュース」(56.1%)、 「イベント・エンターテイメント情報」(50.0%)について半数以 上の学生が役立つ情報としており、インターネットに関しては総じて高い割合が示された。 なかでも「趣味情報」(69.7%)、 「スポーツ・芸能ニュース」(60.6%)については6割以上の学 生が役立つ情報としている。雑誌においても他メディアと同様に「趣味情報」(59.1%)に対 して高い割合が示されているが、 「美容・ファッション情報」(54.5%)に関しても多くの学生 が役立つ情報と考えている点が特徴的といえる。 23 次に、情報別にフリーペーパーと他メディアとを比較してみる。まず特徴的なのは「タ ウン・ショップ情報」と「求人情報」である。他メディアでは低い値にも関わらず、フリ ーペーパーでは 40%を超える高い値が表れている。また、 「地域情報」と「学生向け情報」 についても他メディアと比較してフリーペーパーでは高い値となっている。一方、「ビジネ スニュース」ではフリーペーパーだけが 1%台と極端に低い値であり、学生はフリーペーパ ーにビジネスニュースを期待していないことがわかる。フリーペーパー単独でみた場合に 目立っていた「趣味情報」については他メディアでも同様に高い値が表れており、メディ ア間で比較してみると寧ろ低い部類に入る結果になった。 以上の結果をまとめる。フリーペーパーは無料であり、役立つ情報が掲載されているた め利用するという学生が多く、その内容も「タウン・ショップ情報」、「求人情報」、「趣味 情報」と多岐に及ぶ。他メディアの利用目的をみると、新聞は世の中の動きを知るためで、 テレビは受動的な娯楽を求めて利用されている。逆に雑誌は能動的な娯楽を求めて利用さ れており、インターネットは役立つ情報、娯楽性、ニュース関連と、その利用目的は多様 である。また、役立つ情報に関してフリーペーパーと他メディアとを比較した場合、「タウ ン・ショップ情報」、「求人情報」における情報力に優れており、これには地域性が大きく 関与しているものと考えられる。つくば地域は首都圏に比べて商業施設の数が少なく、ま た交通手段も乏しい。そのため、テレビや雑誌で取り上げられることも少なく、情報の提 供元自体が希少であるため、フリーペーパーが貴重な情報源となる。この点でフリーペー パーは他メディアの苦手としている分野を補う、ニッチ要素のあるメディアといえる。ま た、フリーペーパーに関心の高い学生は、特に「店探しが楽だから」、「クーポンがあるか ら」といった実益に結びつく情報の取得を利用目的にしていることが特徴的といえる。 よって 仮説 2-2. 学生は利用目的別にメディアを使い分けている。 仮説 2-3. フリーペーパーは他のメディアが扱っていない分野の情報提供に優れている。 は支持された。 24 3-4-3. 閲読後の行動 仮説3の検証に移る。下記の表 3-4-9 は 1 ヶ月以内に行った閲読後行動をメディアごとに 度数分布で表したものである。 表 3-4-9.1 ヶ月以内に行った閲読後行動の度数分布表 (%) フリー インター ペーパー 新聞 テレビ ネット 雑誌 お店にいった 27.4 0 4 12.9 6.5 クーポンを使った 27.4 口コミ 6.5 3.2 4.8 7.3 2.4 取りおき・メモ 13.7 3.2 6.5 6.5 3.2 買い物 8.9 0 0 16.9 8.9 はじめにフリーペーパー単独でみる。利用目的で「お店探しが楽だから」、「クーポンが あるから」の項目が高く、また、役立つ情報として半数近い学生が「タウン・ショップ情 報」に意見していることからも推測できたが、約 4 人に1人の学生がここ1ヶ月以内に「お 店にいった」(27.4%)、「クーポンを使用した」(27.4%)としている。また、足を運んだ店の 種類としてもっとも多かったのは、 「値段が手ごろな飲食店」で 27 人、続いて「少し贅沢 な飲食店」で 15 人と飲食店への消費行動が目立った。他に多かった項目は「美容・ファッ ション」が 13 人で、フリーペーパーに頻繁に掲載されている内容ほど高い消費行動を促し ている。一方、直接的な消費行動を意味する「買い物」(8.9%)については 10%にも満たな い結果となった。実際に購買した商品をみると7割近くが日用品で、特に普段から頻繁に 購買する商品が全体の 4 割を占めていた。消費行動を促す要因である「口コミ」(6.5%)につ いては低い値となったが、これは利用目的を表した表 3-4-5 の「話題づくりに役立つから」 (1.69)が低い値であったことからも納得できる。また、 「取りおき・メモ」(13.7%)において は 10%を超す値となったが、これはクーポンや番組表といった長期間利用できる有益な情 報が掲載されているためと考えられる。 次に他メディアと比較してみる。 「お店に行った」の項目では、インターネットが 10%を 超えただけで、その他のメディアは低い値である。これは 3-3-2 で考察したものと同様で、 テレビや雑誌でもタウン・ショップ情報は頻繁に提供されているが、つくば地域となるとそ の情報量は皆無に等しいためと考えられる。インターネットで少し高い値が出たことは、 つくば地域の情報が提供されているためと考えられるが、わざわざ店の情報を調べること は稀と思われるので、この値となったと思われる。「買い物」の項目でもインターネット以 外のメディアは低い値である。インターネットは通販やオークションが手軽に行えるため、 直接の消費行動という点ではフリーペーパーに優っているといえる。「口コミ」、「取りお き・メモ」の項目についてはいずれのメディアも低い値であるが、「口コミ」では、情報量 25 の多さや情報の速さで他メディアに優るインターネットが最も高く、 「取りおき・メモ」で は上記で述べた理由からフリーペーパーの値が最も高い結果となった。また、総じてフリ ーペーパーの値が他メディアに比べて高いことは、そもそも扱っている情報の多くが消費 行動を促す情報であるためと考えられる。 以上のことをまとめると、フリーペーパーは消費行動と直接結びつく情報の掲載が多く、 他メディアでは手の届かない地域をカバーしているため、つくば地域では他メディアに比 べて閲読後行動を促す力が強いといえる。 よって 仮説 3-1. フリーペーパーは他メディアに比べ、閲読後行動を促しやすい。 は支持された。 続いて、「お店に行った」、「クーポンを使用した」の閲読後行動を促す要因は何か、ロジ スティック回帰分析を行うことで明らかにする。下記の表 3-4-10 は、従属変数に「お店に 行った」、独立変数に、フリーペーパーを読む頻度、読者特性、属性変数を投入した。なお、 3-4-1 で属性変数とした車の所持に関しては母数が異なるため今回は除外した。 表 3-4-10.「お店に行った」に対する2項ロジスティック回帰分析 B 標準誤差 Wald 有意確率 Exp (B) 0.440 0.120 13.389 0.000 1.552 -0.056 0.139 0.160 0.689 0.946 社交性 0.051 0.152 0.113 0.737 1.052 倹約志向 0.012 0.161 0.006 0.938 1.013 個人志向 -0.396 0.231 2.950 0.086 0.673 性別 -0.763 0.583 1.713 0.191 0.466 学年 0.202 0.203 0.990 0.320 1.224 定数 -2.344 1.683 1.938 0.164 0.096 フリーペーパーを読む頻度 流行関心度 カイ 2 乗:23.426 有意確率:0.001 Nagelkerke R 2 乗:0.249 表 3-4-10 の結果から、 「お店に行った」との関係は、フリーペーパーを読む頻度と 1%水 準で正の関係があり、10%水準で個人志向と負の相関があった。個人志向と負の相関があ るということは、集団志向と正の相関があるということである。 26 次に、「クーポンを使用した」を従属変数に投入し、同じ独立変数を投入してロジスティ ック回帰分析を行った。表 3-4-11 はその結果である。 表 3-4-11.「クーポンを使用した」に対する2項ロジスティック回帰分析 B 標準誤差 Wald 有意確率 Exp (B) フリーペーパーを読む頻度 0.320 0.114 7.940 0.005 1.378 流行関心度 0.064 0.138 0.218 0.641 1.066 社交性 0.086 0.155 0.306 0.580 1.090 倹約志向 -0.031 0.164 0.036 0.849 0.969 個人志向 -0.491 0.237 4.296 0.038 0.612 性別 -1.388 0.597 5.410 0.020 0.250 学年 0.239 0.201 1.412 0.235 1.270 定数 -2.676 1.710 2.449 0.118 0.069 カイ 2 乗:23.686 有意確率:0.001 Nagelkerke R 2 乗:0.252 「お店に行った」と同様に 1%水準でフリーペーパーを読む頻度と正の相関が認められ、 5%水準で個人志向と負の相関が認められた。ほかに 5%水準で性別とも関係が認められ、 女性ほどクーポンを使用する結果となった。 以上の結果より 仮説 3-2. フリーペーパーへの関心が強い人ほど、閲読後行動に移りやすい。 は支持された。 27 3-4-4.双方向性 最後に仮説4の検証を行う。フリーペーパーの双方向性を計る項目として、フリーペー パーの掲載内容について問い合わせたこと、意見したこと、またはアンケートに答えたこ と(以下、これらの意味を含めて「問いあわせたこと」とする)があるかどうかを質問し た。表 3-4-12 はその結果を表してものである。 表 3-4-12.双方向性の調査結果 頻度 回答数 度数(%) 頻繁に 1 0.81 ときどき 1 0.81 たまに 3 2.42 18 14.5 101 81.5 したことはないが、機会があれば したこともないし、する気もない 結果はひと目みて明らかなように、問い合わせたことのある学生はごく少数であった (4%)。また、今後機会があれば問い合わせてみたいと回答した学生は 14.5%にとどまり、 問い合わせたことのある学生を加えても、全体の 2 割にも満たなかった。また、その内容 に関してはバラつきがあったものの、要望を伝える(6 人)、懸賞付クイズに応募(5 人)、アン ケートに答える(4 人)など、情報に関しての問い合わせ以外での反応が大きかった。 以上の結果から 仮説 4-1. フリーペーパーは双方向性の高いメディアである。 は支持されなかった。 28 第4章 結論 4-1. 本研究における結論 本研究の目的は、フリーペーパーによって消費行動を引き起こしやすい人の特性を調査 し、またフリーペーパーのメディアとしての立場を明らかにすることで、フリーペーパー の機能、影響力をより明確にすることであった。ここでは第3章の結果と考察を振り返り ながら、その目的に沿った形で改めて考察していく。 まず、フリーペーパーと消費行動の関係について考察する。仮説1ではフリーペーパー に関心の高い人物とはどのような特性をもつ人物なのかを調査したが、いずれの仮説も支 持されない結果となった。唯一有意であったのは女性の方が男性に比べて関心が高いとい うことである。この結果から、特定の特性をもつ読者をターゲットとすることは難しいこ とがわかる。しかし、消費行動に関しては別である。仮説 3-1 で高い割合で消費行動を促す メディアであることが支持されたことに加え、集団志向と消費行動について正の相関関係 があることが支持されている。この結果から、消費行動を促す目的であれば、集団志向の 強い読者をターゲットにした広告戦略を展開することができる。つまり、集団での食事を 提供する居酒屋や集団で訪れることになるエンターテイメント事業などではフリーペーパ ーを特に有効に活用することができるのである。逆に、集団志向と関係が薄く商品の売買 が主な営業活動である小売店では、フリーペーパーの活用よりインターネットを軸にした 営業活動であるほうが有効といえる。 次に、仮説2の結果を踏まえ、メディアとしての立場をみていく。まずは連携について だが、Couta や月刊ぷらざには QR コードやホームページアドレスが数多く掲載されてお り、発行者、広告主側はインターネットとの連携を推し進めていることがうかがえる。し かし、消費者側にはいまだ浸透していないのが現状である。また、仮説 2-1 の結果からイン ターネット以外のメディアとも連携は取れていないことがわかる。発行のしやすさから他 メディアを補助する役目を担っているのではと考えたが、仮説 2-2 の結果からも、補助する メディアというよりも 1 つの主要なメディアとして確立していることがわかった。また、 読者の使用理由や役立つと思っている情報の分野から考えて、今までに情報量の乏しかっ た分野の情報を掲載している点がフリーペーパーの需要を増加させた原因の 1 つと考えら れる。購買料を考えた場合、採算のとれない地域や情報であっても、無料であるフリーペ ーパーなら掲載することができる。つまり、フリーペーパーは他メディアが掲載すること の難しい情報を掲載することができるメディアといえる。この点からすると補助するメデ ィアと捉えることもできる。 このようにフリーペーパーの機能・特徴をみていくと、今までにない新しいメディアで あることが改めてわかる。今回の調査で明らかになった特徴を活かすことで、この新しい 「第 5 のマスメディア」がより一層の発展をとげることを期待して、本研究の結論とする。 29 4-2. 今後の課題 本研究では調査対象を学生に限定したため、フリーペーパーの特徴が明らかになったと いってもそれはほんの一部である。また地域に関してもつくばに限定しているため、交通 の発達している東京などの都心と比べると、環境は大幅に異なる。今後期待される調査と しては、主婦やサラリーマンといった、フリーペーパーが主にターゲットとしている層を 調査対象としたものや、首都圏といった交通の発達した地域の調査である。フリーペーパ ーは他メディアに比べて汎用性が高いため調査が難しいが、この点も大きな特徴といえる かもしれない。 30 <参考文献・資料> ・山中茉莉「新・生活情報誌 −フリーペーパーのすべて」(電通, 2001) ・JAFNA(日本生活情報誌協会) 「日本のフリーペーパー2006」(JAFNA, 2006) http://www.jafna.or.jp/ ・女川厚(社会工学類卒業論文) 「携帯電話の利用と買い替え行動に関する調査研究」(2004) (2006)日宣 ・「Couta(クータ)vol.19」 ・「常陽リビング 1477 号」(2006)常陽リビンング ・「常陽ウイークリー 909 号」(2006)常陽新聞 ・「B-life vol.24」(2006)アドテック ・「筑波ジャーナル No.241」(2006)筑波ジャーナル新聞会 ・「月刊ぷらざ vol.25,26」(2006)常陽ぷらざ ・「Sawawa vol.6」(2006)ビー・ビー・ビー ・「City Opera vol.30」(2006)常陽新聞 ・「ENSEN Living 9 月号」(2006)サンケイリビング新聞 ・筑波大学 http://www.tsukuba.ac.jp/ ・アルバイトタイムス ・求人ジャーナル ・アイデム http://www.atimes.co.jp/ http://www.journal.co.jp/ http://www.e-aidem.com/web/Main.po 31 <付録>調査に用いたアンケート用紙 2006 年度卒業研究 2006 年 12 月 アンケート調査のお願い 社会工学類 4 年 呉地一幸 連絡先:[email protected] このアンケート調査は卒業研究の一環として実施するものです。アンケート調査・分析を通じ てフリーペーパーが与える影響について調査することを目的としています。回答結果は調査のた めのみ使用されるものであり、個人情報を厳重に管理し、第三者への編成および目的外使用を一 切行わないことを約束します。ご協力お願いします。 あなたの所属と学年、年齢を記入し、性別を○で囲んでください。 ( )学類 ( )年 ( ※ 問1 )歳 男 ・ 女 太線枠内(□)は複数選択可能です。 フリーペーパーの利用についておたずねします。 (1) あなたが読んだことのあるフリーペーパーの種類として当てはまるものをすべて○で 囲んでください。(選択肢は右上に続きます) 1.Couta(クータ) 2.常陽リビング 3.常陽ウイークリー 4.B life(美的生活) 画像掲載 画像掲載 画像掲載 画像掲載 5.筑波大学新聞 6.筑波ジャーナル 7.月刊ぷらざ 画像掲載 8.Sawawa 画像掲載 9.City Opera 画像掲載 10.ENSEN Living 画像掲載 32 11.DOMO 12.job ジャーナル 画像掲載 13.Job aidem 画像掲載 画像掲載 14.つくば地域のその他のフリーペーパー 15.東京地域のフリーペーパー (2) (3) 16.その他の地域のフリーペーパー フリーペーパーを読む頻度はどの程度ですか。当てはまるものを○で囲んでください。 1.毎週一回以上 2.毎週一回程度 3.月に数回程度 4.月に一回程度 5.年に数回程度 6.それ以下 あなたはどこでフリーペーパーを入手していますか。当てはまるものすべてを○で囲 んでください。 (4) 1.店頭 2.コンビニ 3.新聞折り込み 5.手配り 6.駅構内 7.その他【 4.ポスティング 】 フリーペーパーを利用する理由として、以下のような意見がありますが、あなた自身 はどの程度あてはまりますか。それぞれ、一番近い番号に○をつけてください。 当て やや当て はまる はまる ↓ ↓ あまり当て 当てはま はまらない ↓ らない ↓ ア. 役立つ情報があるから・・・・・・・・・・・・・1――――2――――3――――4 イ. 楽しいから・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1――――2――――3――――4 ウ. 暇つぶしになるから・・・・・・・・・・・・・・・1――――2――――3――――4 エ. 世の中の動きを知りたいから・・・・・・・1――――2――――3――――4 オ. 話題づくりに役立つから・・・・・・・・・・・1――――2――――3――――4 カ. 無料だから・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1――――2――――3――――4 キ. クーポンがあるから・・・・・・・・・・・・・・・1――――2――――3――――4 ク. 店探しが楽だから・・・・・・・・・・・・・・・・・1――――2――――3――――4 ケ. どこでも入手できるから・・・・・・・・・・・1――――2――――3――――4 コ. プレゼント企画があるから・・・・・・・・・1――――2――――3――――4 33 (5) あなたがふだんフリーペーパーを利用していて、 「役立つ」と思う情報として当てはま るものをすべて○で囲んでください。 1.タウン・ショップ情報 (6) 2.イベント・エンターテイメント情報 3.求人情報 4.美容・ファッション情報 5.レジャー・旅行情報 6.地域情報 7.趣味(音楽・映画等)情報 8.学生向け情報 9.生活情報 10.スポーツ・芸能ニュース 11.ビジネスニュース 12.エッセイ 13.その他【 】 あなたはフリーペーパーの掲載内容について、意見したこと、問い合わせたこと、若 しくはアンケートに答えたことがありますか。当てはまるものを○で囲んでください。 1.頻繁に 2.ときどき 3.たまに 5.したこともないし、 4.したことはないが、機会があれば する気もない SQ 意見した等の内容として当てはまるものをすべて○で囲んでください。 1.感想 2.不満な点 3.要望 4.アンケートに答えた 5.懸賞付きクイズに応募した 6.タウン・ショップ情報 7.イベント・エンターテイメント情報 8.求人情報 9.美容・ファッション情報 10.レジャー・旅行情報 11.地域情報 12.趣味(音楽・映画等)情報 13.学生向け情報 14.生活情報 15.スポーツ・芸能ニュース 16.ビジネスニュース 17.エッセイ 18.その他【 】 34 (7) ここ一ヶ月でフリーペーパーがきっかけとなって、あなたが実際に行った行動として 当てはまるものをすべて○で囲んでください。 1.お店に行った 3.口コミ 5.買い物 2.クーポン使用 4.取りおき・メモ 6.なし SQ2へ SQ3へ 進んで下さい 進んで下さい SQ1 足を運んだ、クーポンを使用した店の種類として、当てはまるものをすべて○で 囲んでください。(括弧内の値段は目安です。 ) 1.飲食(贅沢:3000円〜) 2.飲食(ちょっと贅沢:1500〜3000円) 3.飲食(普通:〜1500円) 4.小売店 5.デパート 6.大型商業施設 7.美容・ファッション 8.趣味(習い事) 9.イベント・エンターテイメント 10.その他【 】 SQ2 口コミ、取りおき・メモした内容について、当てはまるものをすべて○で囲んで ください。 1.タウン・ショップ情報 2.イベント・エンターテイメント情報 3.求人情報 4.美容・ファッション情報 5.レジャー・旅行情報 6.地域情報 7.趣味(音楽・映画等)情報 8.学生向け情報 9.生活情報 10.スポーツ・芸能ニュース 11.ビジネスニュース 12.エッセイ 13.その他【 】 SQ3 買い物した商品について、当てはまるものをすべて○で囲んでください。 1.耐久財(高額、買い替え周期:5年以上) 2.耐久財(高額、買い替え周期:数年) 3.耐久財(高額、買い替え周期:数ヶ月) 4.日用品(低額、買い替え周期:1月) 5.日用品(低額、買い替え周期:普段から頻繁に) 35 問2 新聞の利用についておたずねします。 (1) あなたはどの程度新聞に目を通しますか。当てはまるものを○で囲んでください。 (2) 1.毎日 2.週5日程度 3.週3日程度 4.週 1 日程度 5.月に数回 6.月に一回 7.年に数回 8.それ以下 あなたが新聞を読む際、目を通す記事として当てはまるものをすべて○で囲んでくだ さい。 (3) 1.1面 2.政治面 3.国際面 4.経済面 5.株価 6.地域ニュース 7.スポーツ・芸能ニュース 8.番組欄 9.広告 新聞を利用する理由として、以下のような意見がありますが、あなた自身はどの程度 あてはまりますか。それぞれ、一番近い番号に○をつけてください。 当て やや当て はまる はまる ↓ ↓ あまり当て 当てはま はまらない ↓ らない ↓ ア.役立つ情報があるから・・・・・・・・・・・・・1――――2――――3――――4 イ.楽しいから・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1――――2――――3――――4 ウ.暇つぶしになるから・・・・・・・・・・・・・・・1――――2――――3――――4 エ.世の中の動きを知りたいから・・・・・・・1――――2――――3――――4 オ.話題づくりに役立つから・・・・・・・・・・・1――――2――――3――――4 (4) あなたがふだん新聞を利用していて、「役立つ」と思う情報として当てはまるものを すべて○で囲んでください。 1.タウン・ショップ情報 2.イベント・エンターテイメント情報 3.求人情報 4.美容・ファッション情報 5.レジャー・旅行情報 6.地域情報 7.趣味(音楽・映画等)情報 8.学生向け情報 9.生活情報 10.スポーツ・芸能ニュース 11.ビジネスニュース 12.エッセイ 13.その他【 】 36 (5) ここ一ヶ月で新聞がきっかけとなって、あなたが実際に行った行動として当てはまる ものをすべて○で囲んでください。 1.お店に行った 2.口コミ 4.買い物 3.取りおき・メモ 5.なし SQ 足を運んだ店の種類として、当てはまるものをすべて○で囲んでください。 (括弧内の値段は目安です。) 1.飲食(贅沢:3000円〜) 2.飲食(ちょっと贅沢:1500〜3000円) 3.飲食(普通:〜1500円) 4.小売店 問3 5.デパート 6.大型商業施設 7.美容・ファッション 8.趣味(習い事) 9.イベント・エンターテイメント 10.その他【 】 テレビの利用についておたずねします。 (1) あなたは 1 日にどの程度テレビを視聴しますか。当てはまるものを○で囲んでください。 1.1 時間 2.2 時間 3.3時間 4.4 時間 5.5 時間 6.6 時間 7.7時間以上 8.1 時間以下 (2) あなたが 1 週間で必ず視聴すると決めている番組数として当てはまるものを○で囲んで ください。 1.1つ 2.2つ 3.3つ 4.4つ 5.5つ以上 6.ない 37 (3) テレビを視聴する理由として、以下のような意見がありますが、あなた自身はどの程度 あてはまりますか。それぞれ、一番近い番号に○をつけてください。 当て やや当て はまる はまる ↓ あまり当て 当てはま はまらない ↓ らない ↓ ↓ ア.役立つ情報があるから・・・・・・・・・・・・・1――――2――――3――――4 イ.楽しいから・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1――――2――――3――――4 ウ.暇つぶしになるから・・・・・・・・・・・・・・・1――――2――――3――――4 エ.世の中の動きを知りたいから・・・・・・・1――――2――――3――――4 オ.話題づくりに役立つから・・・・・・・・・・・1――――2――――3――――4 (4) あなたがふだんテレビを視聴していて、「役立つ」と思う情報として当てはまるものを すべて○で囲んでください。 1.タウン・ショップ情報 2.イベント・エンターテイメント情報 3.求人情報 4.美容・ファッション情報 5.レジャー・旅行情報 6.地域情報 7.趣味(音楽・映画等)情報 8.学生向け情報 9.生活情報 10.スポーツ・芸能ニュース 11.ビジネスニュース 12.エッセイ 13.その他【 】 (5) ここ一ヶ月でテレビがきっかけとなって、あなたが実際に行った行動として当てはまる ものをすべて○で囲んでください。 1.お店に行った 2.口コミ 5.買い物 3.取りおき・メモ 6.なし SQ 足を運んだ店の種類として、当てはまるものをすべて○で囲んでください。 (括弧内の値段は目安です。) 1.飲食(贅沢:3000円〜) 2.飲食(ちょっと贅沢:1500〜3000円) 3.飲食(普通:〜1500円) 4.小売店 5.デパート 6.大型商業施設 7.美容・ファッション 8.趣味(習い事) 9.イベント・エンターテイメント 10.その他【 】 38 問2 インターネットの利用についておたずねします。 (1) あなたは 1 日にどの程度インターネットを利用しますか。当てはまるものを○で囲んで ください。 1.1 時間 2.2 時間 3.3時間 4.4 時間 5.5 時間 6.6 時間 7.7時間以上 8.1 時間以下 (2) あなたが週に1度は必ずみると決めているウェブサイト数として当てはまるものを○で 囲んでください。 1.1つ 2.2つ 3.3つ 4.4つ 5.5つ以上 6.ない (3) インターネットを利用する理由として、以下のような意見がありますが、あなた自身は どの程度あてはまりますか。それぞれ、一番近い番号に○をつけてください。 当て やや当て はまる はまる ↓ ↓ あまり当て 当てはま はまらない ↓ らない ↓ ア.役立つ情報があるから・・・・・・・・・・・・・1――――2――――3――――4 イ.楽しいから・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1――――2――――3――――4 ウ.暇つぶしになるから・・・・・・・・・・・・・・・1――――2――――3――――4 エ.世の中の動きを知りたいから・・・・・・・1――――2――――3――――4 オ.話題づくりに役立つから・・・・・・・・・・・1――――2――――3――――4 (4) あなたがふだんインターネットを利用していて、「役立つ」と思う情報として当てはま るものをすべて○で囲んでください。 1.タウン・ショップ情報 2.イベント・エンターテイメント情報 3.求人情報 4.美容・ファッション情報 5.レジャー・旅行情報 6.地域情報 7.趣味(音楽・映画等)情報 8.学生向け情報 9.生活情報 10.スポーツ・芸能ニュース 11.ビジネスニュース 12.エッセイ 13.その他【 】 39 (5) ここ一ヶ月でインターネットがきっかけとなって、あなたが実際に行った行動として当 てはまるものをすべて○で囲んでください。 1.お店に行った 2.口コミ 4.買い物 3.取りおき・メモ 5.なし SQ 足を運んだ店の種類として、当てはまるものをすべて○で囲んでください。 (括弧内の値段は目安です。) 1.飲食(贅沢:3000円〜) 2.飲食(ちょっと贅沢:1500〜3000円) 3.飲食(普通:〜1500円) 4.小売店 5.デパート 6.大型商業施設 7.美容・ファッション 8.趣味(習い事) 9.イベント・エンターテイメント 10.その他【 】 問3 雑誌の利用についておたずねします。 (1) あなたはふだん雑誌を何冊読んでいますか。当てはまるものを○で囲んでください。 1.1冊 2.2冊 3.3冊 7.特に決まっていないが、0〜1冊 4.4冊 (2) 5.5冊以上 8.読まない あなたが雑誌を読む頻度として当てはまるものを○で囲んでください。 1.毎週一回以上 2.毎週一回程度 3.月に数回程度 4.月に一回程度 5.年に数回程度 6.それ以下 40 (3) 雑誌を読む理由として、以下のような意見がありますが、あなた自身はどの程度あては まりますか。それぞれ、一番近い番号に○をつけてください。 当て やや当て はまる はまる ↓ あまり当て 当てはま はまらない ↓ ↓ らない ↓ ア.役立つ情報があるから・・・・・・・・・・・・・1――――2――――3――――4 イ.楽しいから・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1――――2――――3――――4 ウ.暇つぶしになるから・・・・・・・・・・・・・・・1――――2――――3――――4 エ.世の中の動きを知りたいから・・・・・・・1――――2――――3――――4 オ.話題づくりに役立つから・・・・・・・・・・・1――――2――――3――――4 (4) あなたがふだん雑誌を読んでいて、「役立つ」と思う情報として当てはまるものを すべて○で囲んでください。 1.タウン・ショップ情報 2.イベント・エンターテイメント情報 3.求人情報 4.美容・ファッション情報 5.レジャー・旅行情報 6.地域情報 7.趣味(音楽・映画等)情報 8.学生向け情報 9.生活情報 10.スポーツ・芸能ニュース 11.ビジネスニュース 12.エッセイ 13.その他【 】 (5) ここ一ヶ月で雑誌がきっかけとなって、あなたが実際に行った行動として当てはまるも のをすべて○で囲んでください。 1.お店に行った 2.口コミ 4.買い物 3.取りおき・メモ 5.なし SQ 足を運んだ店の種類として、当てはまるものをすべて○で囲んでください。 (括弧内の値段は目安です。) 1.飲食(贅沢:3000円〜) 2.飲食(ちょっと贅沢:1500〜3000円) 3.飲食(普通:〜1500円) 4.小売店 5.デパート 6.大型商業施設 7.美容・ファッション 8.趣味(習い事) 9.イベント・エンターテイメント 10.その他【 】 41 問4 最後に、あなた自身についておたずねします。 (1) あなたは一人暮らしですか。 【1.はい 2.いいえ】 (2) あなたは車を所持していますか。 【1.はい 2.いいえ】 (3) それぞれ、あなた自身について一番近いと思う番号に○をつけてください。 当て やや当て はまる はまる ↓ ア.世の中の出来事や流行は ↓ あまり当て 当てはま はまらない らない ↓ ↓ 人よりもはやく知りたい・・・・・・・1――――2――――3――――4 イ.世の中の話題になっていることは 人よりも詳しく知りたい・・・・・・・1――――2――――3――――4 ウ.グループの中では目立つ存在でいたい・・・・1――――2――――3――――4 エ.大勢でいるより一人でいる方が好きだ・・・・1――――2――――3――――4 オ.休日は外出するより家の中で過ごす・・・・・・1――――2――――3――――4 カ.外出するより自炊することが多い・・・・・・・・1――――2――――3――――4 キ.趣味に対する出費はケチらない・・・・・・・・・・1――――2――――3――――4 ク.公共料金には気を使っている・・・・・・・・・・・・1――――2――――3――――4 (4) あなたの 1 ヶ月の収入(仕送り含む)と出費はどの程度ですか。当てはまるものを○ で囲んでください。 【収入】 1.4〜6万円 2. 6〜8万円 3.8〜10 万円 4.10〜12 万円 5.12〜14 万円 6.14〜16 万円 7.16 万円以上 8. 4 万円以下 1.4〜6万円 2. 6〜8万円 3.8〜10 万円 4.10〜12 万円 5.12〜14 万円 6.14〜16 万円 7.16 万円以上 8. 4 万円以下 【支出】 ◆アンケートは以上で終了です。調査にご協力いただき、ありがとうございました。 42
© Copyright 2024 Paperzz