たつの市水道台帳統合による水道アセットマネジメント (資産管理)策定

たつの市水道台帳統合による水道アセットマネジメント
(資産管理)策定業務委託
特記仕様書
平成 28 年 4 月
たつの市水道事業所
第1章 総則
第1条(目的)
本業務は、たつの市水道事業の維持管理の用に供するため、旧龍野市の水道台帳と旧新
宮町の水道台帳とを統合し、統合された給配水施設データを基盤に、水道施設の効率的な
処理・運用が可能な水道管路管理システムを構築し、今後のたつの市水道基本計画策定の
基礎データとなる管網総合評価及びアセットマネジメント策定を行うことを目的とする。
第2条(適用及び協議)
(1)本作業の実施については、本特記仕様書及び関係法規等を遵守して行うこととする。
1.測量法(昭和24年法律第188号)
2.水道法及び水道施工規則
3.水道維持管理指針(日本水道協会)
4.水道事業におけるアセットマネジメント(資産管理)に関する手引き(厚生労働省)
5.たつの市公共測量作業規程
6.財務規則及び諸規則
7.その他関係法令
(2)本特記仕様書及び関係法規等に明記なき事項、または疑義が生じた場合は、本市職
員と協議し、その指示に従うものとする。
第3条(業務概要)
(1)件 名
たつの市水道台帳統合による水道アセットマネジメント
(資産管理)策定業務
(2)実施区域 たつの市水道事業所区域内 全域
(3)業務概要
1.水道管路管理システムデータベース構築
1式
2.水道管路管理システム構築
1式
3.水道管路管理システム導入
1式
4.給配水管台帳更新作業
1式
5.管網総合評価
1式
6.水道アセットマネジメント(資産管理)策定
1式
第4条(一般的事項)
(1)受託者は作業計画書、工程表、着手届、主任技術者(現場代理人)届及び経歴書を
本市係員に提出し、承認を得なければならない。
(2)現地作業の際には、身分証明書を常時携帯するとともに、地元住民に対し特に言動
に注意し、迷惑及び無用の刺激を与えないように注意しなければならない。
(3)作業中に生じた諸事故及び第三者に損害を与えた場合、速やかに本市係員に報告し、
受託者がその責任を負い一切の処置をするものとする。
第5条(管理技術者及び担当技術者)
本業務を管理する管理技術者は、水道業務、システムや地図情報に関する知識を有しコ
ンピュータマッピングの導入実績が豊富な技術者でなければならない。
水道アセットマネジメント(資産管理)策定に従事する担当者は、水道業務に関する知
識を有し水道アセットマネジメント(資産管理)策定業務の実績を有する技術者でなけれ
ばならない。
第6条(貸与資料)
(1)本業務実施のために必要な資料として、下記資料を貸与する。借用に際して受託者
は発注者に対して借用書を提出するものとする。
1.給配水管路図データ(旧龍野地区)
1式
2.給配水管路図データ(旧新宮地区)
1式
3.給配水台帳(旧新宮地区)
1式
1
4.空間基盤データ
1式
5.平成 25 年度分・26 年度分・27 年度分 給水装置工事申込書・工事竣工図書 1式
6.水道料金マスター(CSV 形式)
1式
7.工事日報
1式
8.その他必要な資料
1式
(2)受託者は貸与された資料は責任をもって厳重に保管するととともに、発注者の許可
なく複写及び複製してはならない。
(3)本業務終了後、貸与された資料は速やかに返却すること。
第7条(損害賠償)
本業務中に生じた事故等第三者に与えた損害については、受託者の責任において解決す
るとともに、その顛末を速やかに発注者に報告するものとする。
第8条(守秘義務)
受託者は本業務の実施過程で知り得た情報を第三者に漏洩してはならない。また本業務
の検査完了後も同様とする。なお個人情報に係る資料の取り扱いについても同様に第三者
に漏洩しないよう細心の注意をもって作業をすること。
第9条(成果品の帰属)
本業務の成果品及びデータは、全て発注者に帰属するものとし、発注者の承諾を受けな
いで他に公表、貸与又は使用してはならないものとする。ただし、ソフトウェアプログラ
ム等受託者あるいは第三者が保有すると認められる著作物については、その著作権は留保
されるものとし、発注者はその一部使用権及び使用許諾をもって使用するものとする。
第10条(瑕疵等)
本業務完了後に受託者の誤り等に起因する不良箇所が発見された場合には、速やかに発
注者が必要と認める修正その他必要な措置を受託者の負担において行うものとする。
第11条(疑義)
本特記仕様書に定めのない事項及び疑義が生じた場合は、発注者と受託者で協議を行い
決定するものとする。
第12条(品質管理)
受託者は品質確保の観点から適切に管理を行うものとし、次の資格を取得しているもの
とする。
(1) プライバシーマーク(JISQ15001:2006)または
情報セキュリティマネジメントシステム(JISQ27001:2006)
第13条(履行期間)
契約の翌日から平成30年
3月31日
第2章 水道管路管理システムデータベース構築
第14条(概要)
旧龍野地区及び旧新宮地区の給配水管路図データを新しく導入する水道管路管理システ
ムへ移行するため、水道管路管理システムに対応した給配水管路図データ及び属性データ
の変換を行う。併せて、旧龍野地区・旧新宮地区の工事日報のファイリング・水道料金取
り込み設定・水理解析モデルの構築を行う。なお、軽微な数量変更は変更対象としないも
のとする。
(1)背景地形図(空間基盤データ)変換
1式
(2)旧龍野地区・旧新宮地区給配水施設変換
1式
(3)旧新宮地区給配水施設修正
34km
2
(4)旧新宮地区給配水施設属性表示位置修正
(5)工事日報ファイリング
(6)ファイリングデータ設定
(7)水道料金取り込み設定
(8)水理解析モデル構築
163km
28,000 枚
1式
1式
1式
第15条(背景地形図(空間基盤データ)変換)
貸与される空間基盤データを水道管路管理システムで運用可能なデータフォーマットに
変換を行う。
第16条(旧龍野地区・旧新宮地区給配水施設変換)
貸与される旧龍野地区・旧新宮地区の給配水施設データ(図形・属性データ)を水道管
路管理システムで運用可能なデータフォーマットに変換を行う。
第17条(旧新宮地区給配水施設修正)
前条で変換された給配水施設データを空間基盤データに重ねあわせ、給配水施設の位置
にズレが生じた場合、給配水施設データの修正を行う。
なお、旧新宮地区の 3 分の 1 の給配水施設データは、地番図をベースに表示されている
ため、作業時は注意する。
第18条(旧新宮地区給配水施設属性表示位置修正)
第16条で変換された給配水施設データを空間基盤データに重ねあわせ、給配水施設の
属性表示位置にズレが生じた場合、給配水施設データの位置修正を行う。
なお、旧新宮地区の 3 分の 1 の給配水施設データは、地番図をベースに表示されている
ため、作業時は注意する。
第19条(工事日報ファイリング)
貸与される工事日報(想定数量:28,000 枚、A4 サイズ・モノクロ・200dpi)のファイリ
ングを行う。ファイルは全てマルチページ化を行うものとする。
第20条(ファイリングデータ設定)
前条で作成した工事日報ファイリングデータを水道管路管理システムに設定を行う。
第21条(水道料金取り込み設定)
水道料金システムから出力されたCSVファイルを水道管路管理システムに設定を行う。
第22条(水理解析モデル構築)
管網施設の水理解析を行うための水理解析モデルを構築する。
第23条(打合せ)
本作業の打合せは、初回、中間時1回及び最終の合計3回実施するものとする。受託者
は打合せごとに記録簿を作成し、発注者の承認を受け、発注者、受託者1部ずつ保管する
ものとする。
第3章 水道管路管理システム構築
第24条(概要)
構築された水道管路管理システムデータのシステムセットアップとシステムインストー
ル及びクライアントの設定を行う。
(1)計画準備・仕様検討
1式
(2)システム設定
1式
(3)システムインストール
1式
3
(4)クライアント設定調整
1式
第25条(計画準備・仕様検討)
計画準備・仕様検討は、本業務の目的を十分理解し、効率的な作業遂行のために必要な
工程について基本方針を定め、本市要望が適切に水道管路管理システムに反映できるもの
とする。
第26条(システム設定)
システム設定は、打合せ内容及び特記仕様書を基に適切にシステム構築に反映するもの
とする。
第27条(システムインストール)
ハードウェアにサーバ及びクライアントシステムのインストールを行うものとする。
第28条(クライアント設定調整)
クライアントパソコンが最適に稼働するよう設定調整を行うものとする。
第4章 水道管路管理システム導入
第29条(概要)
水道施設維持管理業務を支援するための水道管路管理システムの導入と、導入のための
ハードウェア及びソフトウェアの導入を行う。
(1)水道管路管理システム導入
3クライアント
(2)マイクロソフトオフィススタンダード
1式
(3)データベースソフトウェア
1式
(4)セキュリティソフトウェア
1式
(5)PDFファイル編集ソフトウェア
3本
(6)ハードウェア サーバ本体
1台
デスクトップパソコン(ディスプレイ込)
2台(24 インチ以上)
タッチパネルパソコン(ディスプレイ込)
1台(23 インチ以上)
第30条(水道管路管理システム導入)
導入する水道管路管理システムの概要は、以下の通りとし汎用的で安定性・信頼性に優
れた導入実績の豊富なシステムであるものとする。
(1)水道管路情報の一元管理が実施され、かつ効率的なシステム運用が可能となるよう
データベースの構築ができること。
(2)日々更新する図面や台帳の修正・追加等が容易に行えること。
(3)操作性を重視し、簡単な操作環境を実現すること。
(4)背景地形図は、全庁的な利用を考慮し、共通データとして容易に相互利用ができる
こと。
(5)パソコン上で動作し、実用上問題のない速度で操作可能なこと。
(6)システム構成はクライアントサーバ方式とすること。
(7)水道管路管理システム上のデータは、職員で容易に更新業務が行えること。
(8)不正使用を防止するために、システムにはセキュリティ管理が可能なこと。(ユーザ
ー名及びパスワードによる使用制限とログ管理が可能であること。)
(9)連続稼動に耐えうる高い信頼性及び耐久性を持つシステムであること。
(10)システムダウン等の障害が生じても、その被害を最小限に止め、速やかに復旧す
るための予防対策を講じること。
(11) 構築した水道データは、サーバで一元管理できるものとする。
(12)システム上で検索等により出力されたデータは、参照や加工が容易なようにCS
V形式又はテキスト形式で読み込める形式に変更することが可能なこと。
(13)CADで使用可能なデータ形式(DXF形式等)のデータを出力可能なこと。
4
(14)CADで作成した竣工図書データや、紙面スキャンデータを地図上に取込み、表
示、更新時のトレース等が可能なこと。
(15)水道管路管理システムで管理するデータは、必要に応じて設計コンサルタントへ
提供できるよう汎用データに出力できるものとする。また、そのデータを利用し
て即座に水理解析出来るデータであること。
(16)水道管路管理システムの稼働開始は平成 29 年 2 月 1 日とする。
第31条(システムの各種機能)
導入する水道管路管理システムの各種機能は以下の通りとする。
(基本機能)
(1)町丁目指定、目標物指定、図面番号指定、索引図指定、配水系統、索引用住宅地図
等によって該当する場所の地図データを検索・表示が可能なこと。
(2)拡大・縮小(任意範囲指定/一定倍率)、任意縮尺指定、画面移動が可能なこと。
(3)画面上に任意サイズのグリッド表示ができること。
(4)別ウィンドウに全体図(広域図)を表示させ、メイン画面が表示されている位置(詳
細図)を確認できること。
(5)地図の表示項目(レイヤー)の表示・非表示を行うことが可能なこと。
(6)レイヤーをグループ化させることにより容易に設定図面を表示させること。
(7)ユーザーにより色分け・線種/線号・大きさ等の設定変更が可能なこと。
(8)水道施設図形を指定し、検索・集計することが可能なこと。
(9)地図の表示項目を指定し、それらに関する属性情報を検索、表示が可能なこと。ま
た、属性情報に対して検索条件を与え、条件を満足する施設を抽出し、該当地図デ
ータを画面に強調表示が可能なこと。
(10)属性情報(管種・口径・布設年次等)に基づいて色分け設定を行い、地図データ
を任意で色塗りさせて画面上に表示可能なこと。
(11)作成した地図データをカラープリンタ、カラープロッタ等へ出力することが可能
なこと。
(12)印刷前にプレビューが表示できること。
(13)新設、布設替え、移動等に伴い背景地形図、管路データ、属性データ等の変更が
生じた際に、画面上でマウスを用いてデータの追加、修正、削除等の編集を行う
ことが可能なこと。
(14)本更新機能はマスターデータの更新を目的とし、職員による本格的な地図及び水
道施設データの更新が可能なこと。
(15)工事の位置情報、スケジュール等の情報を地図データ上に関連づけて登録が可能
なこと。
(16)水圧・流量等の現地計測データを、水道管路管理システム上に数値表示できるこ
と。
(17)任意縮尺・全体図・図面ごとに指定して出力することができること。タイトル・
凡例・縮尺等を設定できること。また印刷イメージをプレビューできること。
(18)漏水位置・内容を登録し漏水履歴管理ができること。
(19) 水道管路管理システム上でメーターの検針番号順に沿って、順路検索ができるこ
と。
(20) 地図データ上のマウスで計測された線状物の距離及び面図形の面積が算出可能で
あること。
(21)図形に対してファイリングデータを連携して表示できること。
(管路統計・集計機能)
(1)管路データ・属性データにさまざまな検索条件(抽出・ソート・合計・最大・最小・
平均・列結合等)を与え、統計資料が作成できること。
(2)統計結果リストを作成、出力(印刷や ACCESS データ、CSV形式又はテキスト形式
等他のファイル形式)ができること。
(図面切り出し機能)
(1)水道管路管理システムで管理されている地図データを汎用 CAD ソフトウェアに取込
めるようにすること。
(2)切り出し範囲が指定できること。
5
(断水検討機能)
(1)断水する管路を指定することにより、閉止すべきバルブを検索できること。
(2)閉止対象バルブが故障等で閉止できない場合、閉止不可能バルブを指示することに
より、再度断水検索を行うことができること。
(3)指定した管路が断水することにより、水源からの配水ルートがなくなり断水する他
の管路を、すべて検索することができること。
(4)検索結果をもとに、使用者影響や消火栓等の検索・リスト作成・出力ができること。
(5)断水又は濁水時に影響を受ける使用者リストを基に、配布用の「お知らせ」資料の
作成が容易に行えること。
(水理解析機能)
(1)水圧分布状況、流水方向、流量、流速等の水理解析を行い、結果を表示可能なこと。
(2)解析結果を数値・色分け等様々な方法で表示できること。
(3)検針水量を管路に割り付けて水理解析が行えること
(4)流向・流速の解析結果をもとに、断水や水道管の破損等で管路状態が変化したとき
のシミュレーションを行えること。
(5)水系別及び全体管網を選択し水理解析ができること。
(料金システムデータ取出し・取込み機能)
(1)既存料金システムにて管理されている使用者情報を、水道管路管理システムの属性
データとして取込むことができること。
(2)定期的に取込むことにより、既に取込み済みである属性データを自動で更新できる
こと。
第32条(ハードウェア導入)
(1)本システムにおけるハードウェア必要台数は以下のとおりとする。
構成機器名
台数
設置場所
サーバ本体
1台
水道事業所
1台
デスクトップパソコン(ディスプレイ込)
2台
水道事業所
水源地
1台
1台
タッチパネルパソコン(ディスプレイ込)
1台
水道事業所
1台
(2)パソコンのスペック等は本システムの稼働に適した構成内容であり受託者の提案と
するが、下記の記載項目と同等以上のものとする。またサーバーキーが故障した場合
には直ちに自社で対応するか、システム上で対応できる環境にすること。
機器分類
パーソナルコンピュータ
ー
(サーバ本体、デスクトッ
プパソコン、タッチパネル
パソコン)
詳細項目
SSD:256GB PCI-Express x4 対応 M.2SSD
HDD:4TB シリアル ATA600MB/s 対応 5900rpm×2
保証:5 年間 訪問修理(PC 本体)+HDD 返却不要
サイズ:24 型ワイド以上
ディスプレイ
一体型不可
(デスクトップパソコン)
保証:5 年間(お預かり保守)
サイズ:23.0 型以上
ディスプレイ
一体型不可としディスプレイは平置きできる事
(タッチパネルパソコン)
保証:3 年間(お預かり保守)
6
第5章 給配水管台帳更新作業
第33条(概要)
旧龍野地区で 26 年度・27 年度に施工された給配水管施設と旧新宮地区で平成 25 年度・
26 年度・27 年度に施工された給配水管施設を水道管路管理システムのデータフォーマット
で構築し、給配水管台帳の更新を行う。なお、軽微な数量変更は変更対象としないものと
する。
(1)資料収集整理
1式
(2)配水施設入力
9.3km
(3)給水施設入力
1,154 戸
(4)弁栓現地調査
151 個
(5)製本
4式
(1 式当たりの数量:12 分冊、40 ㎝×60 ㎝、図面枚数 518 面)
第34条(資料収集整理)
給配水管台帳図の更新にあたり、資料の収集及び整理を行うものとする。
竣工図書の受け渡しについては、本市係員の指示に従うものとする。
第35条(弁栓現地調査)
全ての弁栓において、現地にて官民境界からのオフセット値を原則として 3 方向より測
定を行うものとする。測定は、センチメートル単位とし、表示は、メートル単位とする。
尚、弁栓のオフセット数値及び工事日報を参考に、配水管のオフセット値を適時、表示
するものとする。
第36条(配水施設入力)
新設及び布設替え及び撤去された管路についての図形入力を行うものとする。
水道管路管理システムで配水管及び管口径、管種、付属設備(仕切り弁・消火栓・泥吐
等)及び各種名称(浄水場・配水池・ポンプ場)の表示が出来るものとし、表示項目は本
市係員と協議の上決定するものとする。
第37条(給水施設入力)
配水管から給水メーターまでの給水管経路について図形入力を行うものとする。
水道管路管理システムで給水管及(口径・管種)
、給水メータ(使用者番号)、受水槽等
の表示が出来るものとし、表示項目は本市係員と協議の上決定するものとする。
第38条(システムセットアップ)
第43条及び第44条で入力した各データを、水道管路管理システムに登録を行う。登録
後は、各機能の動作チェックを行う。
第39条(製本)
全ての図葉をインクジェットプロッタにより縮尺 1/1000(一部 1/500、製本サイズ 40 ㎝
×60 ㎝)で普通紙上にカラー出力する。11 地区に分けて分冊製本し、製本は背張り製本と
する。納品は、平成 29 年 1 月末に 2 式(平成 27 年度末までの工事分を反映)とする。
第6章 管網総合評価
第40条(概要)
構築された水道管路管理システムの管路データを管網評価支援システムのデータ形式に
変換し、水理モデルの構築を行う。管網評価は水理評価、老朽度評価、耐震性評価、重要
度評価とし、併せて更新優先順位の策定、口径検討、費用対便益評価も行い報告書を作成
7
する。
(1)管路データ変換・作成
(2)管路データ修正
(3)診断データ整備
(4)水理モデルの構築
(5)水理評価
(6)水質評価
(7)老朽度評価
(8)事故情報分析
(9)耐震性評価
(10)重要度評価
(11)更新優先順位の策定
(12)更新計画案作成
(13)口径検討
(14)費用対便益評価
(15)報告書作成
1式
1式
1式
1式
1式
1式
1式
1式
1式
1式
1式
1式
1式
1式
1式
評価対象範囲は以下の通りとする。
対象管路:送水管、配水管
対象管口径:40mm 以上
対象延長:約 450km
第41条(計画書作成)
既存資料の収集・調査、ヒヤリング等により現状を整理し、各評価の評価方法、および
評価指標値の検討および管路更新優先順位設定等への適用方法に関する検討を管網総合評
価システムにて行い、計画書を作成するものとする。
利用する管網総合評価システムは、汎用的で安定性・信頼性に優れた導入実績の豊富な
システムを利用するものとする。また利用する管網総合評価に本市が所有する水道管路管
理システムデータ及び関連データを取り込めるものとする。
第42条(管路データ変換・作成)
水道管路管理システムにて管理されている管路データを管網総合評価システムに変換し
て管網評価データを作成するものとする。
第43条(管路データ修正)
管網モデルは、水道管路管理システムから変換した管網データに対して、つながり状況
やバルブの開閉情報、水量等を設定し作成するものとし、設定に矛盾がある場合は再設定
を行うものとする。
第44条(診断データ整備)
管網評価用データベースに対して、老朽度、耐震性、事故影響度の現状管路の機能評価
に必要な事故情報、地質分類、土壌分類、重要拠点などの情報を整備し、管路データへ登
録すること。なお、各評価の整備データとして、以下の情報を登録する。
・老朽度評価:土壌分布、漏水事故情報等
・耐震性評価:想定地震動、液状化危険度分布図、地形・地質分類データ等
・事故影響度評価:重要拠点(病院や避難場所等)等
・埋設環境:道路区分、緊急輸送道路
第45条(水理モデルの構築)
評価に用いる水理モデルは、水道管路管理システムから変換した管網データに対して、
バルブの開閉情報や配水池水位、ポンプ揚程等を設定し、水圧、流量、動水勾配などの解
析結果を確認した上で構築するものとする。
また、必要に応じて現地計測結果と水理解析結果との照合を行い、現状にあったさらに
精度の高い水理モデルを構築するものとする。
8
第46条(水理評価)
水理評価は、水理モデルを用いて水理解析を行い、水圧、流速、動水勾配など水理面か
ら見た現状の配水状況を評価するものとする。
第47条(水質評価)
水質評価は、留塩素消費速度係数を設定し、各交点における残留塩素濃度を評価するも
のとする。
第48条(老朽度評価)
老朽度評価は、土壌条件、埋設期間等より、埋設環境(表層地質分類等)毎に管路の腐
食度(k 値:埋設環境因子)を設定し、市域全域の埋設環境マップを作成する。また、腐食
度をもとに各管路の腐食予測深さを算出し、
(社)日本水道協会の「水道施設更新指針」に
示されている老朽度ランクを用いて各管路(ダクタイル鉄管及び鋳鉄管)の老朽度を評価
するものとする。
第49条(事故情報分析)
事故情報分析は、ダクタイル鉄管及び鋳鉄管以外の管路に対して、本市が所有する管路
事故の情報および一般的に公表されている事故率データ(「水道施設更新指針」に示されて
いる事故率等)を基に管路の事故率を設定し、事故危険度の評価を行うものとする。
第50条(耐震性評価)
耐震性評価は、地形地盤条件や想定地震動、液状化判定結果などの情報をもとに、本市
が想定する地震が発生した際の管路の被害率を(社)日本水道協会または(財)水道技術
研究センターの地震被害推定式を用いて推定する。また、厚生労働省や(財)水道技術研
究センターの報告書をもとに良い地盤悪い地盤の判定し、良い地盤に埋設された K 形ダク
タイル鉄管等の抽出を加味して耐震性評価を行うものとする。
第51条(重要度評価)
(1)重要度評価は、水理モデルをもとに水理解析を行い、各管路に流れる流量の全流量
に占める割合を算出し、水理的に重要な管路を評価するものとする。
(2)重要度評価は、水理モデルをもとに水理解析を行い、漏水事故時や管路更新時に、
管路が断水した場合における需要者に与える影響を管路1本1本毎に算出し、各管
路の水理的重要度を評価するものとする。
(3)重要度評価は、水理モデルをもとに避難場所や病院等の重要拠点に配水する重要施
設配水ルートを抽出する。さらに重要施設配水ルートを集計して寄与度(重要拠点
に配水している数)を算出し、その寄与度をもとに管路の重要度を評価するものと
する。
第52条(更新優先順位の策定)
更新優先順位の策定は、
「水道施設更新指針」における「更新優先度定量評価方法」の考
え方を基本とし、本市における管路整備の考え方(施策等)を考慮して、管路の更新優先
順位を検討するものとする。
第53条(更新計画案作成)
更新計画案作成は、検討した更新優先順位を基に年間の更新費用等を加味して作成する
ものとする。
第54条(口径検討)
口径検討は幹線管路を対象として、水理解析モデルにおける水理結果もとに作成するも
のとする。口径検討に際しては、
(財)大阪市水道技術協会が発行している「配水管、増補
版」の中で示されている設計流速基準に従い検討を行うものとする。
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第55条(費用対便益評価)
費用対便益評価は、更新計画に基づいた管路更新を実施した場合に、(社)日本水道協会
の「水道事業の費用対効果分析マニュアル」に準じて行うものとする。
第56条(報告書作成)
管網総合評価及び検討結果を報告書として作成するものとする。
第57条(協議・打合せ)
最適な管路更新計画が実施できるように打合せ協議を行うものとする。
第7章 水道アセットマネジメント(資産管理)策定
第58条(概要)
水道アセットマネジメント(資産管理)策定は厚生労働省「水道事業におけるアセット
マネジメント(資産管理)に関する手引き」に準じて作成し、検討手法のタイプは「3C
(標準型)
」以上とする。また、対象となる水道施設は、土木・建築構造物、電気・機械・
計装設備及び管路とし、策定項目は①水需要の検討②重要度・優先度に応じた更新基準の
設定③更新需要の算出④財政収支見通し(更新財源確保)の検討⑤検討結果の確認とする。
(1)固定資産台帳の整理
1式
(2)水需要の検討1式
(3)重要度・優先度に応じた更新基準(耐用年数)の設定
1式
(4)更新優先順位算出結果および更新基準に基づく、更新需要の算出
1式
(5)財政収支見通し(更新財源確保)の検討
1式
(6)検討結果の妥当性の確認
1式
(7)報告書作成
1式
第59条(計画準備)
計画準備は、本業務の目的を十分理解し、効率的な作業遂行のために必要な工程につい
て基本方針を定め、資料収集及び整理を行うものである。資料の受け渡しについては、本
市職員の指示に従うものとする。
第60条(固定資産台帳の整理)
固定資産台帳の整理は、システム化もしくは Excel 等によってデータ管理された固定資
産台帳より整理するものとし、整理の対象は、土木・建築構造物・電気・機械・計装設備
の帳簿原価とする。
第61条(水需要の検討)
水需要の検討は、水道ビジョン、人口変動等の資料を参考に、40 年後の水需要の検討を
行うものとする。
第62条(重要度・優先度に応じた更新基準(耐用年数)の設定)
(1)水道施設の重要度・優先度に応じて更新基準を設定するものとする。
(2)土木・建築構造物、電気・機械・計装設備については、原則として法定耐用年数を
設定するものとする。
(3)管路については、管種別、埋設環境別、ポリスリーブ有無別等により耐用年数を設
定するものとする。
(4)固定資産台帳で配水管の延長集計が出来ない場合は、水道管路管理システムによっ
て配水管の集計を行うものとする。
第63条(更新優先順位算出結果および更新基準に基づく、更新需要の算出)
更新優先順位算出結果および更新基準に基づく、更新需要の算出は、更新優先順位算出
結果や設定した更新基準等を踏まえ、更新需要の平準化を模索、検討するものとし、土木・
建築構造物、電気・機械・計装設備については、本市からの情報提供をもとに、耐震化の
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前倒し、更新時期等を模索、検討するものとする。
併せて幹線管路適正口径の検討を水理解析モデルを使用して行い、適正口径化を行った
場合の更新需要を算出し、財政収支の見通しを行うものとする。
第64条(財政収支見通し(更新財源確保)の検討)
財政収支見通し(更新財源確保)の検討は、料金据え置きケースと財源確保ケースにつ
いて、財政収支の見通しを複数パターン検討するものとする。
第65条(検討結果の妥当性の確認)
検討結果の妥当性の確認は、検討した更新需要や財政見通しが適正かどうか、収支や資
金残高の推移より確認、判断するものとする。
第66条(報告書作成)
業務検討内容及び水道アセットマネジメント(資産管理)策定結果を報告書として作成す
るものとする。
第67条(打合せ)
最適な水道アセットマネジメント(資産管理)策定ができるように打合せ協議を行うも
のとする。
第8章 成果品
第68条(成果品)
本業務の成果品は以下のとおりとする。
(1)給配水台帳図面関係
1.給配水管図データファイル(図形)
2.給配水管図データファイル(属性)
3.製本 平成 28 年度作業分(平成 25・26・27 年度施工)
4.工事日報ファイリングデータ
5.不明施設調書
(2)給配水台帳調書関係
1.給配水台帳調書データファイル
2.給配水台帳調書出力
(3)システム関係
1.水道管路管理システム
2.評価結果覧ビューワソフト
3.各種ソフトウェア
4.サーバパソコン
デスクトップパソコン(ディスプレイ込)
タッチパネルパソコン(ディスプレイ込)
(4)報告書
1.管網総合評価 報告書
2.管網総合評価 報告書データ(PDF)
3.評価結果データ(PDF)
4.アセットマネジメント策定 報告書
5.アセットマネジメント策定 報告書データ(PDF)
(5)評価結果
1.評価結果データ
(6)その他
1.システム操作マニュアル
2.全庁システム(たつの市空間基盤データ提供システム)
に取り込める図形データ(Shape ファイル)
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1 式(システムセットアップ)
1 式(システムセットアップ)
各2部
1 式(システムセットアップ)
1式
1式
1式
3 ライセンス
1式
1式
1台
2台
1台
2部
1式
1式
2部
1式
1式
1式
1式
第9章 システム保守
第69条(システム保守内容)
運用保守作業内容は下記の項目の範囲とする。
(1)ソフトウェアの障害復旧
システム障害時のソフトウェアとハードウェア原因切分けを行い、ソフトウェア側
であれば修正プログラム等の適用を行うこと。
(2)ハードウェアの障害復旧
ハードウェアの障害が発生した場合は修理対応を行うこと。
(3)電話サポート
システム運用(操作等)における電話・FAX・メールによる質問・疑問点等の調査、
回答対応を行うこと。
(4)システムバックアップ対応
水道管路管理システムのバックアップを年1回実施すること。
(5)空間基盤データのセットアップ
最新の空間基盤データを水道管路管理システムにセットアップを行い、全庁システ
ム(たつの市空間基盤データ提供システム)に取り込める図形データ(Shape ファイル)
のエクスポートを行うこと。
第70条(作業時間)
運用保守作業時間は原則として下記時間帯に行うものとする。
(1)平日(月~金)午前 9 時から午後 5 時(土日、国民の祝祭日及び年始年末は除く)
(2)運用保守要請が前項の作業時間帯外に行われた場合は、その要請に係る作業は原則
として翌日の作業時間帯に行うものとする。ただし、事故の重要度、緊急度が大き
いと判断した場合は、作業時間帯外であっても速やかに技術要員を派遣し、運用保
守を行うものとする。
(3)上記項目以外が発生した場合は、運用保守作業範囲に含まないものとする。これを
行う必要が生じた場合は、別途協議の上、実施時期、費用等を決定するものとする。
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