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AUDIOMATIC レトロトランスフォーマー
オペレーションマニュアル
日本語マニュアル製作:内藤大輔
本書に記載されている事柄は将来予告なしに変更することがあります。またPropellerhead Software AB
は本書に記載されている事柄について約束するものではありません。
このマニュアルで説明されているソフトウェアは、ソフトウェア使用許諾書によって許可されている
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Audiomatic
レトロトランスフォーマー
はじめに
Audiomatic Retro Transformer エフェクトデバイスは主に、さえないミックスに活力を加えるために開発されました。Audiomatic
Retro Transformer はもちろんオーディオ用エフェクトですが、Hipstamatic 画像処理アプリにインスピレーションを受けています。
16 種類用意されたプリセットを選ぶだけで、サウンドのキャラクターが魔法のように変貌します。
軽くかけた場合は、個別トラックや最終ミックスに磨きをかけ、活気を与えます。より過剰な設定では、エッジーでアグレッシブなサ
ウンドが得られます。さらに Dry/Wet ノブで、未処理信号と処理された信号の比率を簡単に調整できます。
Audiomatic Retro Transformer の使用
Audiomatic Retro Transformer は主に個別トラックやマスターセクションに、インサートエフェクトとして使うようにデザインされて
います。また Audiomatic Retro Transformer を REASON ミキサーのパラレルチャンネルに挿すと効果的です。こうすることでチャン
ネルの EQ やコンプレッサーを使うなど、さらなるエフェクトサウンドの加工が可能になります。パラレルチャンネルの説明と使用方
法は、REASON ヘルプもしくは PDF ファイル REASON Operation Manual の「メインミキサー」の章をご参照ください。
フロントパネルのレイアウトはとてもシンプルで操作も分かりやすくなっています。デバイスには 16 個のプリセットボタ
ン、 Transform"(トランスフォーム)ノブ、入力ゲイン・ノブ、そして Dry/Wet(ドライ / ウェット)ノブが備わっています。
Gain(ゲイン)
D 入力ゲインのレベルを設定します。
設定範囲:- INF から + 12 dB
!
Tape などいくつかのプリセットでは、入力信号が大きいと比較的簡単に音が歪むため、Audiomatic Retro Transformer をミック
ス全体に対して使用する際には気をつけて Gain パラメーターを調整してください。
q 特にコンプレッションが内蔵されたプリセットでは、ためらわずゲインを上げてみてください。高い入力ゲインでは様々な面白い
効果が得られます。音量が大きくなりすぎたらボリュームをさげて調整してください(
「Volume(ボリューム)」参照)。
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プリセット
16 個のプリセットボタンは 4x4 のマトリクスとして配列されています。最上列のプリセットは控えめなエフェクト、2 列目はそれよ
り若干目立つ効果、という具合に効果の度合いが強くなり、4 列目には最も派手なエフェクトがまとまっています。
となりのディスプレイには、選択されているプリセットのイメージ画像が表示されます。
次のプリセットから選べます:
Tape(テープ)
アナログ・テープレコーダーの音色をシミュレートします。
Hi-Fi(ハイファイ)
70 ∼ 80 年代に、多くのコンシューマー向けハイファイ機器に搭載されていたようなラウドネス補正機能をシミュレートします。
Bright(ブライト)
ブライトネス(高域)を上げ、ベースを減らします。
Bottom(ボトム)
ロー(低域)をよりタイトにし、強調します。
Spread(スプレッド)
このプリセットは空間系のエフェクトで、ステレオ音場を広げ、さらに周波数特性も変えます。
Radio(ラジオ)
小型トランジスタラジオをシミュレートします。
VHS
VHS カメラで録音された音声をシミュレートします。
Vinyl(レコード)
若干傷が入ったレコードの背景ノイズをシミュレートします。
MP3
下手にエンコード / デコードされた MP3 ファイルのサウンドをシミュレートします。
Psyche(サイケ)
サイケデリックなサウンド効果。
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Cracked(クラック)
良く歪む、壊れたスピーカーのサウンド。
Gadget(ガジェット)
ロボットをイメージしたホローなサウンド。
Circuit(回路)
サーキット・ベンディングしたようなサウンドにビットクラッシュを加えた効果。
Wash(ウォッシュ)
野外ステージでのサウンドチェックを洗濯機に入れたようなサウンド?
PVC
イカれた SF チックなプリセット。
Eerie(ホラー)
ちょっと不気味な水中マイク効果。
Transform(トランスフォーム)
D 効果を調整します。
このノブは通常、各プリセットの複数の内部パラメーターを調整します。そのため、効果の「量」を調整すると言うより、「モー
フィング」すると言ったほうが正しいでしょう。
Dry/Wet(ドライ / ウェット)
D 未処理の信号と、トランスフォーム(処理)された信号の比率を設定します。
q 控えめな効果が欲しい場合は Dry 寄りに設定します。強い効果を希望する場合は Wet 寄りに設定します。
Volume(ボリューム)
D 出力ボリュームを設定します。
設定範囲:- INF から + 12 dB
q 「Gain(ゲイン)
」ノブで入力ゲインを上げた場合などに、 Volume ノブで出力信号レベルを補正できます。
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接続
CV Modulation In(CV モジュレーション)
Transform(トランスフォーム)
バイポーラー CV 信号を接続することで、 Transform(トランスフォーム) パラメーターをモジュレートできます(「Transform(ト
ランスフォーム)」
)。正値ではパラメーター値が増大し、負値では減少します。
q LFO 信号を接続し、 PVC プリセットを選択すると、面白いスイープサウンドが得られます。
!
注: Transform パラメーターの通常の設定範囲を超過することはできません。
Dry-Wet(ドライ - ウェット)
バイポーラー CV 信号を接続することで、 Dry/Wet(ドライ / ウェット) パラメーターをモジュレートできます(
「Dry/Wet(ドライ
/ ウェット)」
)
。ゼロモジュレーションでは、現在のドライ / ウェット設定値が適用されます。
Input L&R(左右入力)
D 処理したいオーディオ信号を接続します。
信号がモノの場合は L (左)のみに接続します。
Output L&R(左右出力)
これらはステレオオーディオ出力です。
・ 信号ルーティング(ステレオ / モノ / デュアルモノ)はプリセットによって異なります。
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