PCB問題の経緯

資料2
PCB問題の経緯
PCBは1954年(S29)から1972年(S47)まで国内で生産
トランス・コンデンサ用絶縁油、熱媒体、感圧複写紙等に使用
1968(S43)カネミ油症事件発生
1972(S47)通産省の行政指導により製造中止、
回収等の指示
鐘淵化学工業及び三菱モンサントはそれ
ぞれ約5,600t及び約千tのPCBを回収
1974(S49)化学物質の審査及び製造に関する法
律制定(製造等の原則禁止、使用中
のものは継続使用可)
1976(S51)廃棄物処理法の処理基準として高温
焼却法(1100度での焼却)を規定
1987∼89(S62∼H1)
鐘淵化学工業が兵庫県高砂工場において液
状PCBを高温焼却。
1989(H1)
本州の6電力会社の再生絶縁油を使用した
柱上トランスにPCBが混入していることが
判明
1993∼94(H5∼6)
電気事業連合会が小型燃焼試験炉で低濃度
PCBの燃焼試験を実施
同時期に化学分解法も検討
1996(H8)絶縁油処理評価委員会で焼却試験
の実施は困難と判断
1998(H10)
廃棄物処理法に化学分解法を追加
PCB処理物に係る特別管理廃棄物の基準設定
(PCB濃度が0.5ppm超のものは特別管理廃棄物)
(国際的には2∼50ppm超のものがPCB廃棄物と
して規制される中、長期保管が継続する中、
紛失等による環境汚染の懸念される我が国に
おいて、処理を進めるため、電力会社が処理
をすることとしているPCB混入柱上トランスも
視野に入れ、特別管理廃棄物の基準を設定)
2001(H13)PCB特措法等の制定
2002(H14)低濃度PCB汚染機器の存在が判明
2002(H15)低濃度PCB汚染物対策検討委員会
設置
2004(H16)日本環境安全事業㈱でPCBを使用
したトランス等の処理を開始
2005(H17)低濃度PCB汚染物対策検討委員会
が原因究明報告書を取りまとめ
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PCB廃棄物の処理の推進
平成13年にPCB特措法を制定し、平成28年までにPCB廃棄物を処理
○安定器、汚泥等汚染物等
・日本環境安全事業が全国5カ所
に処理施設を整備し処理を推進
・多様な性状、形状のものを
効率的に処理できる技術
が開発されたことを踏まえ、
処理体制の整備に着手
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○PCBを使用した高圧トランス等
○低濃度PCB汚染物
・PCBを使用していないトランス等に微量のPCBが混入しているもの
のうち、従来からPCB廃棄物として認識されていた本州の6電力会社
が保管等している柱上トランスについては、処理が進展
・平成14年7月にその存在が判明した、再生油使用柱上トランス以外 の低濃度PCB汚染物については、処理体制の整備が課題。
PCB廃棄物の種類毎の比較
低濃度のPCBに汚染された絶縁油を含むPCB廃棄物
従来から認識されていたPCB廃棄物
トランス・
コンデンサ
概要
安定器、汚泥等の
PCB汚染物等
新たに明らかになったPCB廃棄物
再生油使用柱上トランス
PCBを使用した電気機器又はPCBに汚染されたもの
絶縁油の再生処理過程
PCB使用機器は昭和47年に製造を中止(最長33年保管) でPCBが混入したもの
トランス:60%(600,000ppm)
PCB濃度 コンデンサ、安定器:100%(1,000,000ppm)
PCB汚染物:機器から漏洩したPCB等で汚染されたもの
処分量の見
込み
判別方法
処理方法
処理体制
非意図的にPCBが混入した重電機器、新
油使用柱上トランス、OFケーブル
数10ppm(PCB使用トランス等の数万分の1)
-3推定PCB量
低濃度PCB汚染電気機器等
約20000トン
約数百トン
約3.1トン
トランス等:約3トン
新油使用柱上トランス:約0.1トン
OFケーブル:約20㎏
約34万台
安定器:約600万個
低圧コンデンサ:約200万個
汚泥:約20000トン
感圧複写紙:約700トン
ウエス:約200トン
約381万台
(推定汚染台数
約291万台)
トランス等:約124万台
新油使用柱上トランス:約40万台
OFケーブル:約1400km
機器の銘板記載内容や製造年等により判別
脱塩素化処理等
化学分解処理
溶融分解処理
還元熱化学分解 等
JESCOを活用し、全国5カ所に処理施設を整備し、処理
PCBが混入しているか判別するためには、測定が必要
再生油使用柱上トランスについては、機器毎の測定は行わず、すべて
処理する計画
脱塩素化処理等
化学分解処理
電力会社による自社処理
電力会社における柱上トランスの処理体制の整備状況について
○
電力会社における PCB が混入した再生油使用柱上トランスの処理体制の
整備状況は次のとおり。
保管・使用量
処理体制の整備状況
東北電力
66万台
30,000kL
山形県酒田市に施設を整備中。油は平成19年4
月から、容器は平成20年1月から処理開始予定
東京電力
110万台
65,000kL
横浜市、千葉市、川崎市に施設を整備し、それ
ぞれ平成13年10月、平成14年3月、平成14年10
月から処理開始。
中部電力
77万台
60,000kL
名古屋市に施設を整備し、油は平成17年2月か
ら処理開始。容器は平成19年度下期から処理開
始予定
北陸電力
22万台
8,000kL
富山市に施設を整備し、平成15年5月から油の
処理開始。
関西電力
24万台
100,000kL
大阪市此花区に施設を整備し、平成16年4月か
ら本格処理開始。
中国電力
82万台
29,000kL
広島県に施設を整備中。油は平成18年度下期
から、容器は平成19年度上期から処理開始予定。
合 計
381万台
292,000kL
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