EPISODE 10 TRANSCRIPT - 日本語 こんにちは。私はソーニャ・ポールです。今週のShizuoka Speaksのエピソードへ ようこそ。いろいろな言語学習の経験や、静岡県静岡市での生活を通して、静岡での言 語学習や生活を見ていきましょう。日本人と外国人の両方の立場からの個人的な見方も 含んでいきます。 先週は、静岡で日本語を勉強している留学生たちが経験していることを取り上げま した。学校へ行きながら、仕事と友達と作ることのどのようにバランスをとっているの か。また、特に日本人と友達になることは必ずしも簡単ではないということが理解して 頂けたと思います。 どうしてでしょうか。今日はそのことについて取り上げてみましょう。日本人が外 国人にどのように接するのかみてみましょう。英語に対する日本人の見方が関係してい るかもしれません。 他のエピソードでは、マンシーは、明らかに人々の意見が分かれるトピックを取り 上げました。では、そのトピックに実際に取り掛かってみましょう。 マンシー:私は、日本がまだ白人に一目置いていると思います。 ソーニャ:日本人はあなたのようなインド人にどのように、反応するのですか。さきほ ど、日本人は白人に一目置いているように見えると言っていましたが。 マンシー:そうです。でも、アジア人やインド人に対して一目置くということはありま せん。日本人は、私をインド人と認識していませんでした。バングラデシュ人、ネパー ル人、ミャンマー人も多いので。わたし達は、外見は同じように見えますから。日本人 は、こんにちは、どこの国の出身ですかと聞く国民ではありません。ただ見て、どの国 の出身の人かなと考えるだけです。見ることはしますが、実際に声をかけるということ はありません。静岡でも今では多くの外国人がいます。もし私が日本語で話しかけれ ば、相手は私が日本語を話せるとわかります。「すごいね、日本語が話せるんです ね」。という反応ではないんです。多くの外国人がいるので、外人が日本語を話すこと に慣れています。 ---- EPISODE 10 TRANSCRIPT - 日本語 マンシー:それでもときどき、人種差別を感じることがあります ソーニャ: どうしてですか マンシー:私は以前スーパーマーケットで働いていました。以前、ここに来る女の子が いて、一緒に遊んだりしていました。とてもフレンドリーな子で、私が商品をふいてい るカウンターにまで入ってくることもありました。女の子は私のことを気に入ってくれ たようでした。そして、ここにやってくる度に、自分の母親にバイバイをしていまし た。しばらくして、たぶん女の子は私の近くで遊ばないように、私のようなインド人に 近づかないようにと母親に叱られたのだろうと思います。それ以降、女の子は怖がっ て、二度と私たちに近づいてきて一緒に遊ぶことはありませんでした。いきなり、この ような大きな変化があったのです。私の肌はそれほど黒くありません。多くの人に「イ ンド人ですか」と聞かれて、はいと答えると「でも、どうして黒くないの?」と聞かれ ました。私は「私をからかっているの? どうしてそんなことが言えるんだろう」と言 いたくなります。日本人は自分たちも黄色人種なのに肌の色を意識しています。変だと 思いますが、このようなことが実際にあるんです。 ---マンシーの見方では、人種差別はある程度存在します。しかし、静岡で外国人への差別 があるのでしょうか。少なくとも日本人が認めるような差別があるのでしょうか。 さて、ここで24歳の日本人の琴美がこのように言っています 琴美:えー…はい、ここ静岡には多くの外国人がいます。静岡県は日本で3番目に外国人 が多い県です。浜松にはヤマハがありますし、たくさんの漁業会社があるので、それ で、40年間または30年間、多くの外国人労働者がいました。でも、未だに、私たちは 外国人を私たちとは違った目でみてしまいます。もちろん、国際的なものに関心を持っ ている日本人もいて、コミュニケーションをとることもします。 でも、多くの日本人は、ブラジル人やフィリピン人を見ると、「彼らは漁業の工場 で働いている。」というイメージがあります。日本人は、日本人同士で一緒にいるのが 好きです。もちろん言葉の問題や文化の違いから、そうなることがあります。それはあ EPISODE 10 TRANSCRIPT - 日本語 る意味差別です。私はフィリピンにいたので差別的な見方はしません。日本人の大半 は、ブラジル人やフィリピン人を見下すことがあります。「彼らは漁業の工場か自動車 工場で働いて、お金を けて、ブラジル、フィリピン、あるいは中国の自分の家族へ仕 送りするんだ」と考えてしまします。 ---ソーニャ:しかし、英語の先生として、ここに来る外国人はどうなんでしょう。 琴美:ご存じのように、日本が第二次世界大戦に負け、その後急速に、アメリカの文化 が日本へ入り、英語は重要な教育になりました。そのため、わたし達は英語を教える ALTや白人に一目置くようになり。彼らにとっては、快適な状況になったのです。 ---ALTはAssistant Language Teacherのことです。ALTは、学校で、日本人教師の英語 をサポートするか、自分自身が英語の授業を進めます。彼らは英語を母国語として話す という点で、日本での他の日本人の英語教師と違います。 ---琴美:私たちは、英語を正しくしゃべるようになりたい、良い発音を習得したいと思っ ています。それで、英語をネイティブに話す人たちは私たちの憧れの存在なんです。白 人の文化への憧れです。それが私たちの英語の先生へのイメージです。 ---もちろん、すべてのALTや他の英語教師が白人というわけではありません。考えてみ てください。マンシー自身は英語教師ですが、彼女はインドから来ています。 しかし、理解するために助けとなるのは、多くの日本人が自分の理想のイメージがあ り、それに当てはまるかどうかで、外人に接するということです。そして、理想的なイ メージとしてはっきりしているのは、英語をネイティブに話すということです。 ---- EPISODE 10 TRANSCRIPT - 日本語 もっと手短に言えば、白人で英語を話すということです。そのイメージを持ってい るのは彼らが悪いというわけではありません。 琴美が以前のエピソードで言ったことを思い出してください。 琴美:テレビの英会話学校のコマーシャルに出ているのは誰だか知っていますか? 白人な んです。 ---メディアは、確実に視聴者に外人は白人というような、型にはまったイメージを持 たせる役割をしています。そして、日本では、肌の色、髪の毛、目の色だけで、白人は 他の外国人とはアジア人と違うので、目立ちます。 もちろん、これらはただ解説しているだけであって、言い訳ではありません。 この点は確かです。最初に外国生まれの英語教師や留学生を受け入れ始めてから、日 本は外国人やさまざまな国々との関係を改善しました。そして、移住は未だデリケート な問題です。入国管理法の改定で外国人の日本滞在が、以前より厳しくなくなりまし た。そのように、外人が日本に滞在できるようになった結果、日本を世界により可能性 を広げる機会となりました。 しかし、外国人への一般的反応を評価するのは難しいのです。必ずしもネガティブで も、ポジティブでもありません。 ソーニャ:多くの日本人がここにいる外国人をどのように考えていると思いますか。 琴美:日本にいる外国人についてですか?そうですね。 ソーニャ:外人といってもいろんな人がいると思いますが。英語教師、ブラジル人、彼 らが外国人によって、考え方がかなり違いますよね? 琴美: もちろん、人によりけりですが、そーだね。しかし、日本人は好きではありませ ん。 EPISODE 10 TRANSCRIPT - 日本語 ソーニャ: 「好きではない。」ではない。 琴美:「好きではない。」ではない。外国人が嫌いではない。でも、そうだね。外国 人、私は普通の日本人ではないので。 ソーニャ:どのように普通でないか知っていると思います。 琴美:私の妹は英語を話さないごく平凡な女の子です。だから、妹が私の外人の友人に 会うとき、彼女は「えーと」と困った表情です。 琴美はちょうど今、うなずいて、額にしわを寄せています。 琴美:日本人は、海外に関心がありますが、外国人とコミュニケーションをとるように 自由に、英語を話せる人は少ないです。でも、多くの日本人はコニュニケーションした いという気持ちはあります。でも、どのようにコミュニケーションをとるかわかりませ ん。それが私たちの難しいところです。 ソーニャ: 日本人がコミュニケーションしたいという気持ちはあると思いますか。 琴美: そう、願望があるかですね。 ソーニャ:もし、コミュニケーションをとりたいなら、学びたい気持ちがあるのではな いでしょうか。 琴美:そうです。コニュニケーションしたいという気持ちは、ただ関心に留まっていま す。ただ、興味があるのです。 ソーニャ:特に静岡市でも、同じですか、違いますか。 琴美:はい、もちろん。知っていると思いますが、大道芸フェスティバルがあります。 大道芸フェスティバルは、静岡市で毎年秋に開催されています。世界中から、スタ ント、妙技やトリックを披露しに、人々が招待されて静岡に集まります。 EPISODE 10 TRANSCRIPT - 日本語 琴美:他の県と比べて、外国人がたくさんいます。だから、街に歩くと、1人2人、 3 4 5 6 7人とたくさんの外国人を見かけます。静岡の人は、外国人と話す機会がたくさん あり、話したいという気持ちがあるかどうかということです。 日本人には、必ずしも外国人と話したいという気持ちがないのかもしれません。し かし、 リアはこのように言っています。 ---- リア:あなたが言葉を知らないということで、評価が下がってしまったり、見下された りすることです。それが辛いことです。できるだけ一生懸命、日本語の勉強すれば、自 分の言いたいことを表現できます。自分の国について、たくさんの良いことを伝えら れ、そうすればお互いに心をひろげることもできます。そして別の点でも。 ---琴美は、日本人の視聴者のため、付け加えたいことがあります。 ---琴美:静岡では外国人とコニュニケーションをする機会が多くあります。しかし、私た ちは自分で壁を作っているのです。多くの人は母国語で話したがります。「国際言葉学 院」の生徒たちの多くのアジア人がレストランで働いたり、アルバイトしたりしていま す。日本語を学ぶ学生と英語を話せない日本人もお互い、日本語でコニュニケーション できます。アジアの人々と、そして語学学校の学生達とだってできます。留学生は現地 の日本の友達を作りたがっています。まさしく「もったいない」と思います。 ---「もったいない」は、無駄にしないことを表す言葉です。 ---日本人の友達: 外人とコニュニケーションする機会があるので、それを無駄にしないで ください。私たちは機会を無駄にすべきではありません。 EPISODE 10 TRANSCRIPT - 日本語 ---琴美が言うように、静岡市で外国人と話す機会を無駄にしないでほしいです。 ---このエピソードのために自分の考えを語ってくれたリア、マンシー、琴美さんに重 ねて感謝します。ありがとうございました。 来週のエピソードは、私たちは日本人が外国人や世界のことをどのように考えてい るか、についてお伝えします。これらに見方において日本の歴史や文化の役割について もっと近づいて見てみることにしましょう。 ソーニャ・ポールがお届け致しました。Shizuoka Speaksの最新のエピソードでし た。 お聞きいただきありがとうございました。
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