子どもたちによる 「世界遺産子どもデジタルアーカイブ」 づくりをしてみよう!

次の世代を担う子どもたちに世界遺産の価値を伝えてもらいませんか?
子どもたちによる
「世界遺産子どもデジタルアーカイブ」
づくりをしてみよう!
平成 20 年 3 月
石見銀山資料館子どもチャレンジ実行委員会
Copyright (C) 2008 石見銀山資料館. All Rights Reserved.
CONTENTS
1
「世界遺産子どもデジタルアーカイブづくり」って? ・・・・・・・
1
2
どうやってつくるの? ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2
1.事前準備 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3
(1)企画づくり
(2)実施体制
(3)経費
(4)参加者の募集
2.取材計画 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8
(1)学習会
(2)取材準備会
3.収録活動 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13
(1)事前準備
(2)取材収録活動
4.編集・制作活動 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16
(1)映像編集
(2)ナレーション取り
(3)肖像権、著作権等への対応
5.普及啓発活動 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19
(1)報告会
(2)DVD の利用
(3)ウェブサイト
3
子どもたちの反応 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21
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「世界遺産子どもデジタルアーカイブづくり」って?
平成 19 年 7 月に当地の石見銀山遺跡が世界遺産に登録されたこと
で、現在国内で世界遺産に登録されているのは 14 箇所となりました。
近年、世界遺産を有する地域の子どもたちが自分たちの地域の世界遺
産の保全活動や学習活動を実施したり、紹介したりする活動が行われ始
めています。しかし、それらの活動は学校の総合学習で実施されたり、
地域内における学習発表会等で終始している例が多いのが現状です。
また、世界遺産を学習するための資料に目を向けると、その多くが一
般に向けたものです。そのため、子どもたちが世界遺産を学ぶための資
料はまだまだ少ないのが現状です。
そこで、世界遺産に登録されたばかりの石見銀山をテーマに、地元の
子どもたちが自分たちで世界遺産の価値を紹介し、他の地域の子どもた
ちが石見銀山遺跡について学ぶための学習資料を作成しました。
この手引きは他の世界遺産を有する地域において、子どもたちに向け
た学習資料づくりの参考となるよう、その取り組みの方法について紹介
したものです。
皆様の参考になることを期待しています。
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どうやってつくるの?
「世界遺産子どもデジタルアーカイブづくり」は、以下のような方法
で進めます。
STEP1
デジタルアーカイブづくりを進めるため
の、体制づくりを行います。
事前準備
STEP2
何をどのように知ってもらうのかを子供
たちに考えてもらいながら、取材を行うた
めの計画づくりを進めます。
取材計画
STEP3
子どもたちに主体となってもらい、世界遺
産の魅力を伝えるものを取材し、ビデオカ
メラを使いながら収録活動を行います。
取材収録活動
STEP4
撮影した映像を編集します。簡単な操作は
子どもたち自身で可能です。編集したデー
タはDVDやホームページに加工します。
編集制作
STEP5
完成した内容を皆さんに見てもらいます。
発表会やDVDの配布などを進めます。
普及啓発活動
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2
STEP1
事前準備
(1)企画づくり
最初のステップで実施するのは、デジタルアーカイブづくりを進める
ための企画づくりです。この企画をつかって、協力していただく方に概
要を説明していきます。
その企画には、以下のような項目をまとめておきましょう。
● 目的
● デジタルアーカイブの概要
(成果品のイメージ:DVD、ウェブサイト)
● 概ねの進め方
● 概算経費
● 概ねのスケジュール
また、このデジタルアーカイブづくりをどのような位置づけで実施す
るのか、その基本的な考え方をこの段階で整理しておきましょう。
その位置づけとしては、
・地域学習の成果発表として実施する
・小中学校の総合学習の一環として実施する
・自治体が世界遺産を紹介する一つの方法として実施する
等が考えられます。
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(2)体制づくり
デジタルアーカイブづくりを進めるための体制づくりを行います。以
下のような組織化が望まれます。
体
制
役
実行委員会
割
世界遺産の専門家や子ども団体関係者、教育機関関係者、自治
体担当者等で構成します。
実行委員会では、デジタルアーカイブづくりの方針や具体的な
進め方を検討します。
事務局
実行委員会や取材活動を実施するための事務作業や連絡等を行
います。
参加者
世界遺産に関連する地域の小学校5、6年生を参加対象としま
す。その際、保護者には子ども達の送迎等の協力が必要です。
取材協力者
子ども達によるインタビューに答えてもらったり、遺跡等の解
説をしてもらいます。
制作協力者
映像編集やホームページの製作等を手伝ってもらいます。
実行委員会
世界遺産に
保護者
自治体
関する専門家
団体関係者
担当者
教育関係者
事務局
参加者
制作協力者
(子どもたち)
保護者
取材協力者
編集作業
翻訳作業
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ホームページ
制作
(3)経費
ある程度の予算を確保できると、デジタルアーカイブづくりがしやす
くなります。しかし、予算が少ない場合は、極力お金をかけずに実施す
る方法を考えましょう。
取材や編集作業はボランティアの協力者によって行うこともできま
すが、ある程度予算を確保することができれば、少しクオリティの高い
学習資料としてとりまとめることが可能です。
やり方にもよりますが、以下のようなものに費用がかかり、予算があ
る場合、無い場合の対処方法を以下に整理しました。
予算がある場合
予算が無い場合
謝 金
・実行委員会員や取材協力者
に対して謝金を支払う
・協力は全てボランティアで携
わってもらう
通信費
・実行委員や参加者に資料や案内を送付する際に必要となるた
め、ある程度の費用確保が必要です。
記録メディア
・記録メディアの miniDV やDVDを購入する必要があります。
・配布用DVDを作成する際は配布枚数分の確保が必要です。
機材
・レンタルで確保する
・地元の方から借りる
(その際は、破損した場合等に
ついて、どうするか事前に取
り決めが必要です)
編集作業
・専門家に委託する
(委託費が 100 万円単位で
必要になる場合があります)
・子どもたち自身で可能な範囲
の編集作業を行う
・ボランティアで編集作業を地
元の方に依頼する
公開
・レンタルサーバ、ストリー
ミングサーバを新しく借り
る(初期費用、月額費用)
・無料のレンタルサーバを借り
る
・無料の動画公開サイトを使う
交通費
・レンタカーを借りる、タク
シーや公共交通機関利用の
費用を負担する
・事務局が保有する自動車や公
共交通を利用する
お菓子やお弁当
・事務局側で用意する
・お菓子や飲み物は持参しても
らう
保険代
・取材活動を実施する際、万
が一事故が発生した場合の
ために掛け捨ての保険をか
けておきます。
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(4)機材の確保
デジタルアーカイブづくりを進めるために必要な機材は以下のよう
なものが必要です。新しく購入すると費用がかかるため、協力者から借
りる等の費用をかけずに確保する方法を考えましょう。
インターネットを使って情報発信していく場合、容量の大きな動画を
再生する場合はストリーミングサーバの契約が必要となります。これは
月額費用が必要となるため、それらの経費負担ができない場合は、既存
のホームページに活動写真等を追加する形で情報発信することが考え
られます。また、
「YouYube」や「eyeVIio」等の無料の動画公開サイ
トを活用することも考えられます。
収録作業に必要な機材等
・ビデオカメラ
: 映像を撮影します。編集作業が簡単なデジタル
ビデオカメラを使いましょう。
・デジタルカメラ
:
静止画を記録します
・マイク
:
インタビューやリポートに使います
・ヘッドフォン
:
音声や音量のチェックを行います
・DVD メディアやDVテープ
編集作業に必要な機材
・パソコン
:
動画編集やホームページづくりを行います
・編集用ソフト
:
動画編集を行います
・ホームページ作成ソフト
:
ホームページづくりを行います
普及啓発活動
・レンタルサーバ
:
容量と価格はさまざまです
・ストリーミングサーバ
:
動画を公開するためのサーバです
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(5)参加者の募集
学校や子供会などを通じて、活動に参加する子どもたちを募集します。
その際、まず取材対象となるエリアの広さに応じて、必要となる子ど
もたちのグループ数を検討します。撮影やワークショップの実施を考え
ると、1グループの人数は4~6名が適当です。
そこで、
募集人数
=
必要グループ
×
グループ内人数(4~6名)
とします。
また、応募があった際に、子どもたちの映像が公開されることについ
て保護者の同意を取り付けておきましょう。事務局が用意する車両等に
乗って子どもたちが移動する際も、事故発生時に事務局側の免責につい
ての同意を取り付けておくことも必要です。
なお、参加者リストは重要な個人情報となります。ファイルにはパス
ワードをかけるなど、取り扱いに十分注意しておきましょう。
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STEP2
取材計画
(1)取材対象の検討
いよいよ子どもたちに集まってもらい、取材をしていくための準備を
始めます。
まず最初に、全国の子どもたちに自分たちの地域にある世界遺産の何
を知ってもらいたいのか考えてみる会を行います。ポストイットを使っ
たKJ法を使ったワークショップ形式でワイワイ、ガヤガヤと話しなが
ら子どもたちの意見を聞きだしてみましょう!
この時、話し合いを助けてあげるために大人の人がテーブルリーダー
として1名入ります。
以下のような方法をとると子どもたちの話し合いがスムーズに行きま
す。
①地元の世界遺産について知っていることを全て書き出す
難しいことは考えずに、まず
は知っていることをどんど
んポストイットに書き出し、
大きな模造紙にはりだして
ポストイット
みましょう!
世界遺産について知って
いることを全部挙げてみよう!
絵やキーワードを
描いてもらう
②書き出してもらったものをグループ化する
書き出した内容を似たもの
同士まとめてみます。グルー
プには 歴史、文化、遺跡、
人、まちなみ、祭り 等が考
えられます。
歴史
銀
経済
人々・生活
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③知ってもらいたいものを各グループから選ぶ
それぞれのグループの中か
ら、まず一つづつ他の地域の
対象
取材方法
子ども達に知ってもらいた
いものを選んでみましょう。
どのような取
材方法をとる
のかを設定す
る
各テーマから他の地域の
子どもたちにしってもらい
たい内容を選びます
※子どもたちが世界遺産についてあまり知識が無い場合は、地元の世界
遺産について勉強する会を設けるのも1つの方法です。
【作業用シート例】
シート1 : 石見銀山について知っているもの
地区名:
シート2 : 紹介したいものを考えよう
紹介したいもの
例
地区名:
紹介したい理由
○石見銀山に関係するものとしておばあちゃんから良く話しをきいていた
○銀の積み出しが行われていた
など
1
2
3
4
5
6
7
8
9
参加者:
10
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紹介の仕方
○詳しい人に話しを聞く
○古い写真で紹介する
○現地で様子を説明する
○文献を調べて紹介する
○道具等を使って実演する など
(2)取材方法の検討
次に、ピックアップした紹介したい内容について、どのように紹介す
るのかを検討してもらいます。
①紹介したい内容と世界遺産の関係について整理する
ピックアップした紹介したい内容が世界遺産とどのような関係があるのかを考えても
らいます。世界遺産のデジタルアーカイブづくりのため、関係が薄い内容をはずす作業
となります。
ただし、世界遺産に直接関係が無いものの、地域の有名なものである場合は、他のもの
と違った紹介方法を考えるようにします。
②紹介したい理由を考える
先にもう一度検討した対象ごとに、なぜ紹介したいのか、その理由を考えます。
具体的な紹介文を考えるための準備となります。
③紹介する方法を考える
取材対象を具体的にどのような方法で紹介するのかを考えます。
グループ名
間歩
紹介したいもの
① 大久保間歩
紹介の方法は、
紹介したい理由
紹介の仕方
間歩の中で一番大きいから
絵にする、その場に行く、入った人に
聞く、写真を撮る
いろんな歴史があるから
登る、景色を紹介する、歴史のある場
所を映す、しゃべって紹介する
鳴龍があるから
録音する、インターネットや本で調べ
る、しゃべって紹介する
間歩の中でどうやって銀をとったのか知りたいため
とうみをする、再現してみる、銀堀、ポ
ンプ
さつま芋がなければみんな亡くなっていたかもしれなかった
から
大森を救ったヒーローだから
漫画、紙芝居、芋を見せる
大田市でも数少ない木造校舎だから
愛護団がある
行く、映す
暮らしの様子がよくわかるから
その場に行く
いろんな人に聞く(インタビュー)
許可を取って撮影する
緑がきれいだから
遊歩道を歩いて映す
ところどころで説明を加える
【その他】
新横相間歩、本間歩、福神山間歩、新切間歩、釜屋間歩、龍源寺間歩
遺跡
●現場に行って、子ども達がリポートする
② 山吹城跡
【その他】
仙ノ山、清水谷精錬所、安原備中の墓、大久保石見守の墓
寺社
③ 城上神社
【その他】
栄泉寺、西本寺、羅漢寺、安如寺、仁王像(かんぜんおんじ)、鳴き龍
●詳しい方からお話を聞く
道具
④ 銀堀の道具
【その他】
銀鉱石、丁銀、銀堀、足半、鉄子、とうみ、要石、水汲みポンプ
(インタビューを行う)
人
⑤ 井戸平左衛門
【その他】
毛利元就、大内良隆、小笠原、北条常光、いしがさん(最後の堀子)
小学校 ⑥ 大森小学校
●当時の作業等を実演する
【その他】
愛護少年団、木造校舎
町並み ⑦ 熊谷家
●参考となる写真やものを見せる
【その他】
川島家、田丸屋、旭屋、広田屋旅館、三軒長屋、阿部家、交流センター、銀山公園、
熊谷家、代官所跡、御前そば、町並みの道、旧裁判所跡、ひなや、有馬光栄堂、渡
部家
自然
⑧ 自然
【その他】
火事で焼け残った木
まつり
といった方法がとれます。
⑨
大森の
⑩
学習
-
【その他】
天領さん、梅祭り
-
巻き上げ節、昔の暮らしや仕事の内容
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④紹介文やインタビュー内容を整理する
取材対象別に具体的な紹介文やイ
ンタビュー内容を書き出します。
【作業用シート例】
取材対象検討シート
紹介したいもの
紹介したい理由
紹介の仕方
紹介文案・インタビュー項目の検討シート
●紹介したいもの
●紹介文案・インタビュー項目
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(3)取材の役割分担
ここまでの作業で何をどのように取材するのかが決まりました。次に
取材・収録活動をする際の役割分担を決めます。デジタルビデオカメラ
を使った映像を収録するためには、子どもたちに以下の役割を分担して
もらいます。
分
担
ディレクター
役
割
・当日の取材活動を進める班長さんです。リポーターの立
ち位置を決めたり、収録テイクのOKを出したりする役
割があります。紹介内容のカンペをホワイトボードに書
き出したりします。
リポーター
・カンペに書き出した内容をもとに、マイクを使って紹介
したり、インタビューを行います。
カメラマン
・ビデオカメラの設置や撮影を行います。
音声マン
・マイク音声のレベルを確認します。
以上が最小構成で4名が必要となります。人数に応
じて、ディレクターを補佐するアシスタントディレク
ター、カメラアシスタントとして役割分担を行います。
実際の収録に行く前に、事前に練習をしておきます。
その際、以下の点を子どもたちに伝えておきましょう。
・ディレクター
:
撮影指示の仕方
手を使って「5、4、3、・・」と指示を出す
・カメラマン
:
ビデオカメラの使い方
・リポーター
:
はっきりと元気良くリポートすること
・音声マン
:
マイクの設定、必要な音量のレベル
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STEP3
取材収録
(1)事前準備
子どもたち側では取材の準備が完了しました。次に、事務局側で取材
収録活動を実施するための詳細な段取りづくりを行います。その際には
以下のような段取りを行うことが必要です。
1.取材活動の日程と詳細スケジュールの検討
1カットを取るために、約1時間が必要です!
それを踏まえて、1日の収録箇所数や合計の撮影日数を決定します。
収録日毎の集合場所、解散場所を決定します。
2.インタビュー協力者の確定とアポイント取り
インタビューや取材に協力いただく方を確定し、さらに日程の調整
を行います。
3.移動手段の確保
取材箇所が複数になり、移動が必要になる場合の移動手段の確保を
行います。
4.お昼等の準備
お昼ごはんをどのようにするのか決めます。事務局側で準備するの
か、それとも保護者に用意してもらうのかを決めます。
5.取材スケジュールの確定
上記の段取りを行い、具体的な取材スケジュールを確定します。
6.保護者、子どもたちへの連絡
スケジュールについて保護者と子ども達に連絡を行います。
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7.天気予報の確認
悪天候の場合は取材活動を延期することが必要です。取材日の前日
に取材当日の天気予報を確認しておきます。延期をする場合は、事
前に保護者に電話連絡をしておくことが必要となります。
【石見銀山での収録時に作成したスケジュール表】
第2回大森地区収録活動
時間
項目
10:00 銀山公園駐車場集合
10:15 車移動、休谷駐車場
10:45 山吹城
12:00 収録終了、下山
12:30 昼食
13:00 移動、車両移動
13:15 熊谷家
紹介文
→車で移動
お弁当手配
○収録開始のレポート
山吹城は、銀山が発見された後、その守備のために大内氏によってこの要害山に作ったお城で
す。
戦国時代になると尼子氏が石見に侵攻を始め、これに対抗するために大内氏は銀山の西に矢滝
城を築いて、矢吹城と連携して銀山防衛に当たり、尼子氏と大内氏との間で銀山の領有をめぐって
争奪戦が繰り広げられました。
休谷休憩所
→代官所前、観光センター前駐車場
○レポート
「ここは代官所跡近くにあり、島根県の重要文化財である熊谷家住宅です。この建物は、1800年
におこった大火後、1801年に建築され、それ以後、土蔵などを増築し、1868年に屋敷が整いまし
た。
○インタビュー
それでは、ここを管理する団体「家の女達」の○○さんからお話を伺いたいと思います。
①最初に熊谷家について教えてください?
②次にこの熊谷家住宅について紹介してください。
ありがとうございました。
14:45 移動
備考
銀山課竹下氏
15:00 井戸神社
○レポート
・ここは井戸平左衛門をまつった井戸神社です。
・1732年の「享保の大飢饉」の時に、 井戸平左衛門は人々を救うため、年貢を免除したり、代官
所の米蔵を開いて飢えた人々に米を与えました。また、サツマイモを石見へ持ち帰り、栽培した お
かげで石見銀山では餓死者がいなかったといわれます。
・井戸平左衛門は1733年に亡くなり、この井戸神社にまつられています。
16:00 町並み
○
・ここは大森地区のまちなみの中で、私達もここにすんでいます。
・このとおりには、武家屋敷や一般の住宅、それにお寺や神社などがあります。
・国の重要伝統的建造物群保存地区となっており、江戸時代後期から明治、大正時代の建物を中
心として、歴史や文化を感じるまちなみです。
17:00 終了
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(2)取材収録活動
取材は以下のような段取りで実施します。
1.機材準備
カメラやマイクの設定を行います。
2.リポーター立ち位置の決定
太陽の向きや背景を考慮しながら、リポーターの立ち
位置を決定します。
3.カンペを用意する
ホワイトボードを使って子どもたちに撮影ポイント
でカンペを書いてもらいます。ワークショップの中で作
った紹介文をもとに、カンペを書き出します。ただし、
現地では柔軟に内容の変更し、適当なリポート内容を組
み立てていきます。
4.練習する
本番テイクを撮る前に何度か練習をしておきます。
5.OKを出す
本番テイクを撮った後、撮影した映像を確認し、ディ
レクターの判断でOKテイクとします。
6.機材の撤収、移動
収録が終わったら機材を撤収し、次の収録場所へ速や
かに移動します。
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STEP4
編集・制作活動
(1)映像編集
【子ども達による作業内容】
子どもたちができる部分については編集作業をしてもらいましょう。
撮影した映像データをパソコンに取り込んだ後は、編集ソフトを使い
ながら、不必要な部分をカットし、必要な部分だけを編集する「仮編集
作業」を行います。
この仮編集した映像に解説するためのテロップやBGMを挿入して
いきます。
想定している最終の映像レベルに応じて最終的な仕上げは専門家や
編集に慣れている地元の方に依頼することも良いでしょう。
【利用する映像等】
編集を行う映像データは基本的に子どもたちが撮影した映像を使い
ます。子どもたちの説明を補足する写真や絵、映像等をインサートとし
て後から追加することも検討します。
【構成とシナリオ】
編集を行う場合は、ストーリー性を持たせた一つの作品として仕上げ
るのか、それともスポット的な紹介をつなげただけのものにするのかで、
最終的な作品として違いがでます。
収録できた映像の内容を見ながら、最終的な構成を再度考え、シナリ
オづくりを進めてみましょう。
【映像の長さ】
DVDの場合は 15 分から 25 分程度の映像作品として取りまとめる
のが適当でしょう。また、子ども達によるリポート映像は1分から3分
程度にまとめると良いでしょう。
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(2)ナレーション取り
ストーリー性を持った映像資料を作成する場合は、子どもたちによるリ
ポートとリポートをつなぐ部分にナレーションを入れるとわかりやすくな
ります。
ナレーション取りも子どもたちの協力を受けて実施することが可能です。
ナレーションを撮る際も、ビデオカメラを使います。
OKテイクが取れたら、OKの合図を取っておきましょう!
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(3)肖像権・著作権等への対応
所有者や版権がある地図や書類、遺跡物等を映像中に紹介する場合は、
所蔵先や版権の所有者から映像利用する際の了解を得ておくことが必
要です。
版権の所有は自治体の担当者等に問い合わせてみましょう。自治体で
は使用承諾書を用意しているところがありますので、それを使って申請
を行いましょう。
決まった申請書が無いところもありますので、その際は以下の要点を
記載し、申請書を提出してみましょう。あわせて承諾書も作成し、返信
用切手を貼り付けた封筒も同封しておくと先方の手間が省けます。
申請書
・使用内容
・使用理由
・掲載する紙、作品名
・連絡先
承諾書
・承諾者名
・資料を使用することについて承諾する旨を記載
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STEP5
普及啓発活動
(1)報告会
映像編集ができあがった時点で、最初の普及啓発活動として取材関係
者や保護者を集めた報告会をしてみましょう。
子どもたちには報告会の準備として、模造紙に以下のような内容を書
いてもらいましょう。
●自分たちがどのような活動をしたのか
活動日時
参加者名、役割分担
収録した場所
●どのようなことが学べたのか
収録活動の目的
感想
●今後どのような取り組みをしたいのか
今後の抱負
スケジュールにも配慮し、午前中に子どもたちに集合してもらい、作
業を実施し、昼から皆さんを招待した報告会を実施するのが良いと思い
ます。
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(2)DVDの利用
作成したDVDは関係者や県内外の学校等に配布してみましょう。
配布する枚数や配布範囲は予算によりますが、実費で配布することも
検討します。
(3)ウェブサイト
ウェブサイトはDVDと比べ、より広範囲に情報発信が可能となりま
す。サイトを開設した後は、積極的に告知をしましょう。
ウェブサイトは
・単独で設置する
・世界遺産の既存サイトのコンテンツの一部とする
という方法があります。どのような方法でウェブサイトを配置するのか
は事前に関係機関と調整しておきましょう。
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3
子どもたちの反応
「自分たちのまちは本当にすごいんだ!ということがわかった。」
「人に伝えていくことがこんなに難しいとは思わなかったけど、続けて
やってみたい。」
これは、石見銀山をテーマにしたデジタルアーカイブづくりに参加し
た子どもたちの感想の一部です。
「世界遺産子どもデジタルアーカイブづくり」を進める上で、自分た
ちの足で遺跡を歩いてまわり、いろいろな方からお話を聞いてきました。
そのようなプロセスの中で自分たちのまちにある世界遺産の価値に触
れた子どもたちは、自分たちが住んでいる地域を再認識し、地域にある
世界遺産を自分たちのまちの宝として認識したようです。
この活動は他の地域の子どもたちに向けた情報発信を目的としてい
ますが、一番学ぶのは世界遺産を有する地域の子どもたち自身です。
次の世代を担う子どもたちが地域 の世界遺産の価値を認識でき
た・・・これがもっとも大きな成果ではないでしょうか?
是非、皆さんの地域でもデジタルアーカイブづくりを進めてみません
か?
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Copyright (C) 2008 石見銀山資料館. All Rights Reserved.
子どもたちによる
「世界遺産子どもデジタルアーカイブ」
づくりをしてみよう!
平成 20 年 3 月
発
行
石見銀山資料館子どもチャレンジ実行委員会
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