3 − 2. 測 定 が 必 要 な物 性 値 ・ 性 能値 と そ の 範 囲 ( 1 )引 っ か き 力 G 評価方法は、日本建築学会の材料施工委員会内外装工事運営委員会傘下の常設委員会 の 一 つと し て 設 置 さ れて い る 床 工事 WG が 策 定 し た、「 床 の 性 能評 価 方 法 の 概 要と 性 能 の 推 奨 値( 案 ) 」 3 − 4 ) に 準 じ る こ とと し ま す 。 測 定 サン プ ル は 各 床 歩行 路 の 中 央 部と 端 部 か ら 300×300 ㎜ 程 度 を 切 り だし た も の と し ます。 図 3 −6 に 、 引 っ か き力 の 測 定 に 用い る す べ り 試 験機 の 概 要 を 示 しま す 。 実 際 に使 用 す る 履物 の 底 を 切 り 取っ た す べ り 片を 測 定 対 象 床 上に 置 き 、 定 速 モー タ ー で ワ イヤ ー を 巻 き 取る こ と に よ り 斜め 上 方 18°の 方 向に 引 っ 張っ た 時 の 荷 重 を、 ワ イ ヤ ー の間 に 取 り 付 け た荷 重 変 換 器 で 測定 し ま す 。 すべ り 片 は 、 重 錘の 下 端 に 取 り 付け ら れ た す べり 片 台 座 に 貼付 し て い ま す。こ の 重 錘 は、当 初 昇 降 器 で 吊り あ げ ら れ た ガイ ド レ ー ル 上に あ り 、 測 定 時に 昇 降 器 を 操 作し て ガ イ ド レー ル を 下 降 さ せ、 ガ イ ド レ ー ルに 支 持 さ れ てい た 重 錘 の 重量 が す べ り 片 を介 し て 床 に 載荷 さ れ た 後 、 ワイ ヤ ー 巻 き 取 りが 開 始 さ れ るし く み に な って い ま す 。 ワ イヤ ー 巻 き 取 りに よ る 引 張 荷 重の 増 加 の 割 合 (引 張 荷 重 速 度) は 、 引 張 荷重 速 度 調 整 器 で制 御 し ま す 。ま た 、 巻 き 取 り前 の ワ イ ヤ ー のた る み 具 合 は、 張 力 が 3kgf とな る よ う 、初 期 荷重 調 整 器 で 調 整 し ま す 。すべ り 片 の 大 きさ は 7 ×8 ㎝ 、重 錘 の 質 量は 40kg、 引張 荷 重 速 度は 80kgf/ sec と し 、す べ り 片 に シ ョア A 硬 度 35、 厚 さ 3 ㎜ の 発泡 ゴ ム を 用 い 、さ ら に 床 表 面に ジ ョ ン ソ ン ・エ ン ド ・ ジ ョ ンソ ン 社 製 ベ ビー パ ウ ダ ー を2 g/ ㎡散 布 し た 状 態 で、 引 張 荷重 の 測 定 を行 い 、 引張 荷 重 の 最 大値 G を 、 引っ か か り を表 示 す る 物 理 量( 引 っ か き 力) と し て 求 め ます ( 写 真 3 − 15 )。 図 3− 6 す べ り 試験 機 の 概 要 写 真 3 −1 5 引 っ か き力 の 測 定 状 況 満 た すべ き 性 能 値 ( 目標 値 ) 目 標 値 引っかき力 G 14.7kgf 以上 食い込み量 D 1.7mm 以上 1.85mm 以下 温度上昇量 サーモΔT 1.75℃ 以上 静止摩擦係数 μ 吸水速度 W 0.1 以下 200g/m2h 以上 17 ( 2 )く い 込 み 量 D 評価方法は、日本建築学会の材料施工委員会内外装工事運営委員会傘下の常設委員会 の 一 つと し て 設 置 さ れて い る 床 工事 WG が 策 定 し た、「 床 の 性 能評 価 方 法 の 概 要と 性 能 の 推 奨 値( 案 ) 」 3 − 4 ) に 準 じ る こ とと し ま す 。 測 定 サン プ ル は 各 床 歩行 路 の 中 央 部と 端 部 か ら 300×300 ㎜ 程 度 を 切 り だし た も の と し ます。 図 3 −7 に く い 込 み 量測 定 装 置 の 概要 を 示 し ま す 。重 錘 底面 に ゴ ム( シ ョア A 硬 度 12、 厚さ 10 ㎜) を 貼 付 し た うえ で 床 に 重 錘 の重 量 5kgf を 載 荷 し た 際 に変 位 変 換 器 で 測定 さ れ る 変 位 量 Dg と 、 ゴ ム の 代 わ り に 同 じ 厚 さ の ア ク リ ル 板 を 貼 付 し て 測 定 さ れ る 変 位 量 Da を 求 め 、 そ の差 D= Dg−Da を く い 込 み 量 を 表 示す る 物 理 量 と して 求 め ま す (写 真 3 − 1 6)。 図 3 −7 く い 込 み 量測 定 装 置 の 概要 写 真 3− 1 6 く い 込み 量 の 測 定 状況 満 た すべ き 性 能 値 ( 目標 値 ) 目 標 値 引っかき力 G 14.7kgf 以上 食い込み量 D 1.7mm 以上 1.85mm 以下 温度上昇量 サーモΔT 1.75℃ 以上 静止摩擦係数 μ 吸水速度 W 0.1 以下 2 200g/m h 以上 18 ( 3 )温 度 上 昇 量 サ ーモ Δ T 温度上昇量サーモΔTを測定する材料は、温度変化測定装置に比べ十分な大きさをも っ た 測定 ス テ ー ジ 上 で行 う も の と しま す 。 測定ステージは、実際の使用環境を考慮して、熱橋となりやすい下地などの構成材を すべて含むものとし、ステージ最下部には熱伝導抵抗の大きい材料(木材など)を挿入 し ま す( 写 真 3 − 1 7)。 こ の とき の 温 度 、 湿 度条 件 は 、21℃、 40% ( 無 風 状態 ) と し ま す 。 ま た、「床 の 性 能 評 価 方法 の 概 要 と 性 能の 推 奨 値( 案)」 3 − 4 ) に 準 じ て 、温 度 低 下 量 Δ t も 同 時 に計 測 し ま す 。 写 真 3− 1 7 温 度 上昇 量 サ ー モ ΔT 測 定 ス テ ー ジ例 ( 左 : 上 から 、 試 験 体 、24mm 構 造 用 合板 、 フ ロ ア ー 材、 50mm 厚 の集 成 材 ) ( 右 : 測 定ス テ ー ジ に 設置 さ れ た 試 験 体の 状 況 ) ステージに設置した試験体に、足裏と近似したやわらかさを持つ発泡ゴム(ショア A 硬度 10,厚 さ 10mm,熱 伝 導率 0.025kcal/mh℃ )を 鋼 製 重 り の裏 面 2 箇 所 に 取り 付 け た 温 度 変 化 測定 装 置 を 35℃ 程 度 に温 め た の ち 、 床 に 載 せ、 発 泡 ゴ ム 裏 面に 付 け た 熱 電対 に よ り 温 度 を測 定 し 、本 装 置 を 床 に載 せ て か ら 5sec 経 過 後 の温 度 低 下 量 Δ tと 、ス テ ー ジ に 設 置したサーモグラフィー装置で、発泡ゴムが接触していた部分の材料の温度上昇量サー モ Δ Tを 求 め ま す 。 温 度変 化 測 定 装 置 の概 要 を 図 3 −8 、 写 真 3 −1 8 に 示 し ま す。 19 図 3 −8 温 度 変 化 測定 装 置 写 真 3− 1 8 温 度 変化 測 定 装 置 測定の結果得られるΔtの温度・時間曲線の例を図3−9に、サーモΔTの温度分布 の 例 を図 3 − 1 0 に 示し ま す 。 35 34 5 秒間 5 秒 tmp 温度 (℃ ) 33 32 31 Δ Δt 30 29 4 5 6 時 図 3 −9 7 time 8 9 間 温 度 ・ 時 間曲 線 10 初 期の 材 料温 度 分 布 図 3 −1 0 T i 秒 後の 温 度 温 度 変 化測 定 装 置 載 荷前 後 の 温 度 分 温 度低 下 量 は 0.1 秒 間隔 で デ ー タ ロ ガー に 記 録し 、 温 度 ・ 時 間曲 線 か ら 5 秒 経 過後 の Δ t を求 め ま す 。 ま た、 ス テ ー ジ に 固定 し た サ ー モグ ラ フ ィ ー 装 置は 、 1 画 素 あた り 0.25mm 2 以 下 となる よ う に測 定 距 離 を 調 整し た 後 、1/60 秒 以 下 の 間 隔で 試 験 体 表 面 の温 度 分 布 を 計測 し 、 温 度 変 化測 定 装 置 が 接 触す る 前 ( 初 期の 温 度 分 布 ) と、 試 験 体 か ら 離れ た 瞬 間 ( T i 秒後 ) の 温 度分 布 か ら、発 泡 ゴ ム の 接触 し て い た 部 分 の 5 秒 経 過 後 の 温度 上 昇 量 サ ー モΔ T を 、 下 式 に従 っ て 算 出 し ます 。 サ ー モ Δ T = ( T i 秒 後 の 平 均 温 度 −初 期 の平 均 温 度 ) ×5/ T i 20 満 た すべ き 性 能 値 ( 目標 値 ) 目 標 値 引っかき力 G 14.7kgf 以上 食い込み量 D 1.7mm 以上 1.85mm 以下 温度上昇量 サーモΔT 静止摩擦係数 μ 給水速度 W 1.75℃ 以上 0.1 以下 200g/m2h 以上 ( 4 )静 止 摩 擦 係 数 μ、 吸 水 量 W 評価方法は、日本建築学会の材料施工委員会内外装工事運営委員会傘下の常設委員会 の 一 つと し て 設 置 さ れて い る 床 工 事 WG が 策 定 し た、「 床 の性 能 評 価 方 法 の概 要 と 性 能 の 推 奨 値( 案 )」 3 − 4 ) に 準 じる こ と と し ます 。 静止摩擦係数μ、吸水量Wは、人工気象室に設置された床歩行路試験体を用い、図3 − 1 1に 示 す 3 箇 所 で測 定 を 行 い ます 。 こ の とき の 温 度 、 湿 度条 件 は 、21℃、 40% ( 無 風 状態 ) と し ま す 。 910 3640 測定箇所1 測定箇所2 図 3 −1 1 図 3 −1 2 に 測定箇所3 測定箇所 最 大 静止 摩 擦 係 数 測定 装 置 の 概 要を 示 し ま す 。 厚さ 2mm の シリ コ ー ン ゴ ム をつ け た 大 き さ 110×110mm、 質量 3kg の 重 りを 床 上 に 設 置 し 、 引張 荷 重 F を 除 々 に 増や し な が ら 、 重 り が 動き 始 め る 時 点 のF を ば ね ば かり に よ っ て 読 み取 り ま す ( 写 真3 − 1 9)。 最 大静 止 摩 擦 係 数 μは 、F か ら 下 式 に従 っ て 算 出し ま す 。 μ = F / ( 3×9.8) 21 図 3 −1 2 写 真 3− 1 9 最 大 静止 摩 擦 係 数 測 定装 置 最 大 静止 摩 擦 係 数 測 定状 況 図 3 −1 3 に 吸 水 速度 測 定 装 置 の 概 要 を 示 し ます 。 水 0.5ml を 均 一 に吸 収 さ せ た 円 形の ろ 紙 (5B: 直 径 110mm)を 床 表 面に 接 触 さ せ 、 床に 吸 水 させ る 床 の 吸 水 速度 は 、本 装 置を 用 い て 測 定 され る 60sec から 180sec ま で の 質 量 増 加 量 ΔM か ら 算 出 し ます ( 写 真 3 −2 0 )。 吸 水 速度 W は 、 質 量 増加 量 Δ M か ら、 下 式 に 従 っ て算 出 し ま す 。 W = Δ M / ( 63.6×10 -4 ×0.05) 図 3 −1 3 吸 水 速 度測 定 装 置 写 真 3− 2 0 22 吸 水 速度 測 定 状 況 満 た すべ き 性 能 値 ( 目標 値 ) 目 標 値 引っかき力 G 14.7kgf 以上 食い込み量 D 1.7mm 以上 1.85mm 以下 温度上昇量 サーモΔT 静止摩擦係数 μ 給水速度 W 1.75℃ 以上 0.1 以下 200g/m2h 以上 ( 5 )床 の 滑 り ① 測 定方 法 測 定方 法 は JIS A 1454: 2005「 高 分子 系 張 り 床材 試 験 方 法 」 3 − 5 ) に お い て「 6.14 滑 り 性 試験 」 , お よ び 日本 建 築 学 会 「床 の 性 能 評 価 方法 の 概 要 と 性 能の 推 奨 値(案 )」 3 − 4 ) に お いて 「 A-6 す べ り り その 1 履 物着 用 の 場 合 のす べ り , その 2 素 足 の 場 合 の す べ 」に規定されています。また今回使用した携帯型床の滑り試験機は,小野により従 来 の 据置 型 滑 り 試 験 機と の デ ー タ の同 一 性 が 検 証 され て い ま す 3 − 6 ) 。測 定 に は図 3 − 1 4 お よび 写 真 3 − 2 1に 示 す 携 帯 型床 の 滑 り 試 験 機を 用 い , 質 量 20kg の 重 錘 の底 部 に , 滑 り 片 を取 り 付 け , 加 力 ハ ンド ル を 回 転 さ せ て ワ イ ヤー で 斜 め 上 方 18°の 方 向 に 引 っ 張 っ た 際に 発 生 す る 引 張荷 重 を ロ ー ドセ ル で 計 測 し ます 。 重 錘が 動 き 出 す 際 に発 生 す る 最 大引 張 荷 重 P'max(N)か ら 下 式 に より C.S.R'( 滑 り 抵 抗 係 数) を 算 出 し ま す。 C.S.R ' = P 'max/196(N) 滑 り片 に は , 実 際 にそ の 床 上 で 使用 が 想 定 さ れ る履 き 物 等 の 接 地面 か ら 90×50mm の 履 き 物 の底 を 切 り 取 り ,床 と の 接 触 面積 が 60×50mm と な る よ う に重 錘 の 底 面 に 取り 付 け て 測 定 しま す 。 素 足の 場 合 に は 素 足用 の 滑 り 片( シ ョ アA 硬度 20,厚 さ 10mm の 独 立 発 泡体 樹 脂 板 )を 用 い て 同 様 の 試 験 を 行 い ま す が , 履 物 着 用 時 と 区 別 す る た め に , 滑 り 抵 抗 係 数 を C .S . R'・ B F と 記述 し ま す 。 但し、すべり感は、表3−5に示した通り靴下履きの条件でのみ応答が大きくなる因 子であったことから、素足や手触りを含む条件の評価として適用することは難しいと考 え ら れる た め 、 す べ り感 に 関 し て は評 価 指 標 か ら 除く こ と と し ま した 。 23 加力ハンドル スプリング 重錘 ロードセ ル 支持スタンド ワイヤー 踏み板 床(試験対象) ガイドレール 図 3 −1 4 滑り 片 携 帯 型 床の 滑 り 試 験 機 写 真 3 −2 1 床 の 滑 りの 測 定 ( 6 )表 面 形 状 の 測 定 1) 目 的 現 在 、木 材 や 木 製 品 の表 面 形 状 の 測定 は 主 に JIS B 0601 に 準 じ て 、触 針 式 の 粗 さ 測 定 器 を用 い て 測 定 さ れて い ま す 。し か し な が ら 、元 々JIS B 0601 金 属 や プ ラ ス チッ ク 製 品の表面品質の管理を念頭に置いて制定された規格であり、微小な表面の凹凸を評価の 対 象 とし て い ま す 。した が っ て 、JIS を 適 用 し て 木材 や 木 製 品 の 表面 形 状 を 評 価し よ う と す る と 、木 材特 有 の 細 胞 組織 が 評 価 に 影 響を 及 ぼ した り 、浮 造 り ※ や ち ょ うな 仕 上 げ な ど、 表面にダイナミックな凹凸を持つ製品の表面形状の測定が不可能であるなど、そのまま 適 用 でき な い 製 品 も 多々 存 在 す る とい っ た 問 題 を 有し て い ま す 。 そこで、本プロジェクトではレーザ変位計を用いた非接触型の表面形状測定装置を製 作し、触針式の粗さ測定器では測定・評価の不可能であった木製品の表面形状の測定シ ス テ ムの 開 発 を 試 み まし た 。 ※浮造りとは、主に針葉樹の表面を、ブラッシングなどをすることにより表面に凹凸を 生 じ させ る 、 木 材 の 伝統 的 な 加 工 方法 で す 。 2) 測 定 シ ス テム の 概 要 ① 測 定 装置 製作した測定装置を写真3−22に、主 要構成物品を表3−7に示しました。測定 装 置 は、 XY ス テ ー ジ 上 に 測定 サ ン プ ル を置 いて、そのサンプル上にサーボモータを用 いてレーザ変位計センサヘッドを移動させ てデータを収集する構造としました。サー ボ モ ータ は X、Y お よ び Z 方向 に そ れ ぞ れ設 置しました。サーボモータの駆動は、ソフ 写 真 3− 2 2 ト ウ ェア SMNC を 用 い て 制 御 しま し た 。 24 表 面 形状 測 定 装 置 表 3 −7 表 面 形 状 測定 装 置 主 要 構成 物 品 類 物品名 規 格・仕 様 セ ン サヘ ッ ド LJ-G200 コ ン トロ ー ラ LJ-G5000 形 状 解析 ソ フ ト KS-Analyzer KS-H1A サ ー ボモ ー タ ( ス マー ト モ ー タ ) SV2315D ソ フ トウ ェ ア SMNC レ ー ザ変 位 計 メーカ キ ー エン ス Animatics Corporation ② 測 定シ ス テ ム 測定システムの概要を図3−15に示しました。上述のように、レーザ変位計のセン サ ヘ ッド ( キ ー エン ス 製 :LJ-G200) を サ ー ボ モ ータ に よ り 駆 動 させ ま す 。 この サ ー ボ モ ー タ は SMNC に よ って 、 X、Y、 Z の 3 方向 そ れ ぞ れ で 0.1mm 単 位 で の 駆動 距 離 の 制 御 が可 能 と なっ て い ま す 。 セ ンサ ヘ ッ ド LJ-G200 は LJ-G5000 と連 結 さ れ てお り 、 LJ-G5000 ある い は 付 属 ソフ ト LJ-Navigator を 用 い て デ ー タ 収 集 条 件 の 設 定 ・ 制 御 が 可 能 で あ り ま す 。 ま た 、 LJ-Navigator に よ り 、 収 集 し た デ ー タ を CSV 形 式 や 後 述 す る 3 次 元 解 析 ソ フ ト KS-Analyzer で の 読 み 込 みが 可 能 な 形 式に 保 存 す るこ と が で き ま す。 LJ-Navigator にて 保 存 さ れ た ファ イ ル は 、KS-Analyzer を 使 用 して JIS に 準 じ た 算 術 平 均 粗さ や 凹 凸 の 平 均間 隔 な ど を 算出 す る こ と が 可能 で す 。 上記の一連の流れにより、サンプルの表面形状が、数値データとして収集されて解析 可 能 な形 式 に 保 存 さ れ、 JIS B 0601 に準 じ た 表 面粗 さ な ど の 値 とし て 算 出 さ れま す 。 図3 − 15 測定 シ ス テム の 概要 25 3) 測 定 方 法 こ こで は 、具 体 的 な 測 定例 と し て 浮 造り 合 板 を 用 い てこ れ 以 降 の 説 明を 行 い ま す 。 ① セ ン サヘ ッ ド の 駆 動 方法 センサヘッドの駆動に は 、SMNC を 用 いて パ ソ コ ン上で数値制御により行 い ま す( 図 3 − 1 6)。 SMNC の Go to new position に 任 意 の 値 を 入力してセンサヘッドを サンプルの測定(開始) 箇所に移動します。さら に同一試験体で複数の測 定箇所がある場合は、再 び Go to new position ま たは G-コ ー ド を入 力 す る ことによりセンサヘッド 図 3 −1 6 を駆動します。この時、 SMNC 操 作 画 面 最初の測定開始位置を測 定 原 点と し て 設 定 す ると そ の 後 の 設定 が 容 易 で す 。SMNC で 用 い る G-コ ー ドを 図 3 − 17 に 示 し ま し た。 26 図 3 −1 7 SMNC で 使 用 す る G− コー ド 27 ② デ ー タの 収 集 センサヘッドの設定∼デ ー タ の収 集・保 存 ま で を付 属 の LJ-Navigator を 用 いて 解 説 し ます 。 LJ-Navigator の 設 定画 面 を 図 3−18に示した。サンプル 上の 2 次 元 の 凹 凸デ ー タ を 1 ライン毎に収集する場合は以 下 の 手順 に よ り 行 い ます 。 ・LJ− Navigator の 任意 の プ ロ グ ラ ムを 選 択 し ま す 。 ・ヘッド設定タブのトリガ設 図 3 −1 8 LJ-Navigator の 設 定画 面 定 を 選択 し ま す 。 ・トリガモードを外部トリガ に、ト リ ガ 同 期 を ON に し ま す。 これにより、コンソールなど の外部トリガ入力時にのみセ ンサヘッドからレーザが放射 さ れ ます 。 ・共通設定タブのデータ出力 タイミングを選択し、データ 出力タイミングをプロファイ ル 更 新時 と し ま す 。 ・上記の設定後に、コントロ ー ラ へ設 定 を 送 信 し ます 。 ・プロファイルストレージ画 図 3 −1 9 プ ロ フ ァイ ル ス ト レ ージ 画 面 面の蓄積開始をクリックしま す。 ・コンソールを用いてトリガを出力すると、センサヘッドより、レーザ光が放射 さ れ て蓄 積 プ ロ フ ァ イル 数 が カ ウ ント さ れ ま す 。 ・ 蓄 積を 停 止 し 、 蓄 積デ ー タ を 読 み出 す と デ ー タ が画 面 に 表 示 さ れま す 。 ・デ ー タを CSV 形 式 お よび KS-Analyzer 形 式( 後 述 の形 状 解 析 ソ フト KS-Analyzer に て 読み 出 し 可 能 な ファ イ ル 形 式 )に て 保 存 し ま す。 ま た 、3 次 元 デ ー タ を 作成 し 、可 視 化 表 示 や 解 析を 行 う の で あ れば 、以 下 の 手 順 に よ り設 定 ・ デ ー タ の収 集 を 行 い ます 。 ・SMNC を 用 い て 測定 し た い 範 囲 にセ ン サ ヘ ッ ド を 駆動 さ せ る G-コ ー ド を 記 載 しま す。 ・LJ-Navigator の 任意 の プ ロ グ ラ ム No.を 選 択 し、 ヘ ッ ド 設 定 タブ の ト リ ガ 設定 28 を 選 択し ま す 。 ・トリ ガ 設 定 は 連 続ト リ ガ を 選 択 しま す 。こ れ に より 、常 時 レ ーザ 光 が 放 射 さ れ、 連 続 的な デ ー タ 収 集 が可 能 と な り ます 。 ・共通設定のプロファイルストレージ設定にて以下のように設定します(図3− 20) 対象 プ ロ フ ァ イ ル ヘッド A プロ フ ァ イ ル 数 任意の数 スト レ ー ジ 条 件 常 時 と な っ てい る こ と を 確 認 ・ 設 定を パ ソ コ ン へ 送信 ・SMNC を 用い て モ ー タ を 起動 さ せ 、セ ン サ ヘ ッ ドを 駆 動 。 ・同 時に プ ロ フ ァ イ ルス ト レ ー ジ 画面 の 蓄 積開始ボタンをクリックして蓄積を開始 し ま す。 ・設 定し た プ ロ フ ァ イル 数 に な る と、蓄 積 は 自 動的 に 終 了 し ま す。 ・プロファイルデータを読み出して KS-Analyzer 形 式 に て 保 存し ま す 。 図 3 −2 0 プ ロフ ァ イ ル ス ト レー ジ 設 定 画 面 ③3 次 元 解析 ソ フ ト に よ る表 面 粗 さ の 計測 形 状 解析 ソ フ ト KS-Analyzer を用 い る こ と で、 収 集 した ラ イ ン デ ー タか ら JIS B 0601 粗 さ形 状 パ ラ メ ー タ の 算出 が 可 能 で す 。 図 3 −2 1 に 浮 造 り 合板 の ラ イン プ ロ フ ァ イ ル計 測 結 果 を示 し ま し た。測 定 し た サ ン プル に 合 わ せ た カッ ト オ フ 値と 計 測 範 囲 を 選択 す る こ とで 、自 動的 に 算 術 平 均 粗 さ Ra な ど が 算 出 さ れま す 。 本 プ ロジ ェ ク ト に 導 入し た KS-Analyzer を 用 い る こ とで 、 図 3 −2 1 KS-Analyzer を 用 い た 浮 造り 合 板 の 表面 形 状 の 算出 複 雑 な演 算 を す る こ とな く 、簡 便に JIS B 0601 粗 さ 形 状 パ ラメ ー タ の 算 出 が 可 能と な り ま し た 。 図 3 −2 2 に KS− Analyzer を 用 い て浮 造 り 合 板 の表 面 形 状 を 3 次 元 可 視化 し た も の を 示 し まし た 。 浮 造 り によ っ て 生 じ る表 面 の 凹 凸 を 可視 化 す る こ と が可 能 で し た 。以 上 よ り 、 本プ ロ ジ ェ ク ト で導 入 し た 表 面形 状 測 定 シ ス テム に よ っ て 測 定例 に 示 し た 浮造 り 合 29 板 の よう に 表 面 に 大 きな 凹 凸 を も つ材 料 の 測 定 が 可能 と な り ま し た。こ の 測 定 結果 よ り 、 本 プ ロジ ェ ク ト で 官 能試 験 に 用 い た床 試 験 体 の 測 定が 可 能 な 測 定 シス テ ム が 構 築さ れ た こ と が確 認 で き ま し た。 ま た、 官 能 試 験 に 用い た 試 験体 の 表 面 形 状 の測 定 結 果を 表 3 − 8 に 示し ま し た。 官 能 試 験 の 結果 上 位 3種 の 表 面 形 状 は赤 色 の 部分 に な り 、 接 触感 の 優 れた 材 料 の 評 価 指標 図 3 −2 2 KS-Analyzer を用 い た 浮 造 り合 板 表 面の 3 値(目 標 値 )は 、以 下 に 示 次 元 可視 化 す も のと な り ま す 。 表 3 −8 表 面 形 状 の測 定 結 果 算術 平 均粗 さ Ra( μ m) カ ット オ フ 0.8 ㎜ 7.7 12.5 14.2 14.8 25.8 20.5 57.1 目標値 算 術 平均 粗 さ Ra 14μ m以 上 26μ m 以下 [参 考 文 献] 3 − 1 )横 山 裕 ,小 野 英 哲 ,稲 垣 太 郎 ,高 橋 宏 樹:高 齢 化 に と も な う 歩 行 メ カ ニ ズ ム の 変 化 か ら み た す べ り の 評 価 の 相 対 的 変 化 の 推 定 :高 齢 者 の 安 全 性 か ら み た 床 の す べ り の 評 価 に 関 す る 基 礎 的 研 究 そ の 1, 日 本 建 築 学 会 構 造 系 論 文 集 ,第 478 号 ,35-44,1995 年 12 月 3 − 2 )横 山 裕 ,馬 場 峰 雄 ,横 井 健:白 杖 に よ る 床 の 変 化 の 認 知 に 関 す る 基 礎 的 検 討 :白 杖 に よ る 床 の 変 化 の 認 知 度 合 の 表 示 方 法 (そ の 1),日 本 建 築 学 会 構 造 系 論 文 集 ,第 617 号 ,23-30,2007 年 7 月 3 − 3 ) 横 山 裕 :床 下 地 の 凹 凸 に 関 す る 指 標 の 提 示 , 日 本 建 築 学 会 大 会 学 術 講 演 梗 概 集 ,A -1, 1063-1066, 2005 年 9 月 3 − 4 )日 本 建 築 学 会 材 料 施 工 委 員 会 内 外 装 工 事 運 営 委 員 会 床 工 事 W G ,「 床 の 性 能 評 価 方 法 の 概 要 と 性 能 の 推 奨 値 ( 案 ) 」 , 日 本 建 築 学 会 , 2008 3 − 5 )日 本 規 格 協 会 , JIS A 1454: 2005「 高 分 子 系 張 り 床 材 試 験 方 法 」, 2005 30 3 − 6 )小 野 英 哲 ,携 帯 型 床 の す べ り 試 験 機 (ONO・PPSM)の 開 発 ,日 本 建 築 学 会 構 造 系 論 文 集 ,第 585 号 ,51-56, 日 本 建 築 学 会 , 2004 31
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