プレスリリースを読む - 東レ・ダウコーニング

2007 年 12 月 7 日
東京応化工業およびダウコーニング社の共同開発による
新しいシリコン含有バイレイヤーフォトレジストを
IC メモリの生産に使用
フォトレジストのエッチング選択性を改善することによりハード
マスク層を省くことができ、簡素で低コストのプロセスを実現~
~
東京応化工業株式会社(取締役社長:中村洋一、本社:神奈川県川崎市/以下、東京応化工業)
および東レ・ダウコーニング株式会社(代表取締役会長兼社長:小林愈、本社:東京都千代田
区/以下、東レ・ダウコーニング)は、本日、東京応化工業およびダウコーニングコーポレー
ション(本社:米国ミシガン州ミッドランド/以下、ダウコーニング社)の共同開発による量産
レベルで世界初のバイレイヤーフォトレジストが、大手 DRAM チップメーカーの量産に使用さ
れることになったと発表した。ダウコーニング社のシリコンポリマーをこの新しいバイレイヤ
ーフォトレジストに使用することで、今日市販されている他製品に比べ、エッチング選択性を
改善している。
フォトレジストとは、露光によって現像液に対し可溶性または不溶性のいずれかになる感光性
物質で、これにより、続くエッチング工程において不必要な部分を選択的に除去することがで
きる。ダウコーニング社の革新的なシリコンポリマーに東京応化工業の感光性物質などを加え
たことで、フォトレジスト層をより薄くすることができ、解像度が改善され、パターンコラプ
スの問題を低減したより微細な回路パターンをウエハー上に形成できるようになった。
この新しいバイレイヤーフォトレジストにより、多層プロセスで必要なハードマスク層とそれ
に付随する工程が省かれるため、簡素でコスト効果に優れたリソグラフィー手法が実現する。
ArF ドライリソグラフィーのほか、45nm ノード以降向けの先端イメージング技術として市場に
浸透しつつある ArF 液浸リソグラフィーへの適用へ向けた開発も行っている。東京応化工業は、
二光束干渉露光装置において同フォトレジストを使用し、35nm ライン/スペースのパターニ
ングをすでに実証している。
「東京応化工業とダウコーニング社との共同開発は、この新しいシリコン含有フォトレジスト
の利点が、IC チップメーカーに受け入れられて初めて実を結ぶことになる。この画期的素材
は、193nm リソグラフィーの延命に役立つことになると期待している。」東レ・ダウコーニン
グ、エレクトロニクス&アドバンストテクノロジー・グローバルマーケティングディレクター、
野口具信は述べている。
ダウコーニング社と東京応化工業は、2002 年以降、共同開発契約を結び、シリコンを基礎と
する先端のフォトリソグラフィー素材開発に取り組んできた。この共同開発では、東京応化工
業が持つ高度な微細加工技術とフォトリソグラフィー応用に関する専門知識に、ダウコーニン
グ社の素材革新力/製造力が結合されている。このリソグラフィー開発は、神奈川県にある東
京応化工業の研究開発施設で行われている。
■東京応化工業株式会社について
東京応化工業株式会社(http://www.tok.co.jp/)は、半導体、フラットパネルディスプレイ、
プリント配線版、半導体パッケージの加工に使用されるフォトレジストを主としてさまざまな
工業用素材や、フォトリソグラフィー関連の化学品を提供している。最先端の半導体、液晶デ
ィスプレイパネル、半導体パッケージの加工に不可欠な設備も備えている。また、フォトポリ
マー版や PS(pre-sensitized)版を供給し、印刷分野で広く用いられているほか、化学、電子、
医薬品、食品、繊維産業に使用される高純度の化学品も扱っている。
■ダウコーニングコーポレーションについて
ダウコーニング社(http://www.dowcorning.com)は、素材、応用技術、サービスの世界的な
総合プロバイダーであり、顧客企業による未来の発明に役立つ画期的技術の提供に注力してい
る 。 ダ ウ コ ー ニ ン グ 社 の エ レ ク ト ロ ニ ク ス 事 業 に つ い て 詳 し く は
http://www.dowcorning.com/electronics を参照。ダウコーニング社には、Dow Chemical
Company(NYSE:DOW)と Corning Incorporated(NYSE:GLW)が均等に出資してい
る。ダウコーニング社の売上の半分以上は、米国外におけるものである。現在、ダウコーニン
グ社は世界で 2 万 5 千を超す顧客企業に対応、7 千以上の製品およびサービスを提供する、ケ
イ素関連技術とその革新のグローバル・リーダーである。
■東レ・ダウコーニング株式会社について
東レ・ダウコーニング(http://www.dowcorning.co.jp)は 1966 年、高分子化学のパイオニア
である東レと、世界のシリコーン技術革新をリードするダウコーニング社の合弁により事業を
開始。2005 年4月にはダウコーニングアジア株式会社と事業統合。膨大な研究蓄積を基盤に、
最新かつマーケットニーズに即応したシリコーンを中心とした機能性素材の開発を行い、さら
に顧客企業のグローバル化に呼応して、ダウコーニング社との協力体制のもと世界各所におい
て製品および関連サービスを供給している。
本件に関するお問い合わせ先
●お問い合わせ
東レ・ダウコーニング株式会社 新事業・電子材料営業部門 電子材料営業部
麻生 貴之
TEL:03-3287-8664 FAX:03-3287-1065
東京応化工業株式会社 先端材料開発部一部長 小野寺 純一
TEL:0467-75-9667 FAX:0467-75-3281
先端材料開発一部 技師 原田 尚宣
TEL:0467-75-9841 FAX:0467-75-3281
●報道担当
東レ・ダウコーニング株式会社 広報担当 高杉記子
TEL:03-3287-8439 / FAX:03-3287-1203
東京応化工業株式会社 広報部 赤間 廣
TEL:044-435-3000 FAX:044-435-3020