新 製 品 同期整流入り 1チャネルDC/DCコンバータIC MB3885 過電圧保護回路を内蔵した,パルス幅変調方式(PWM方式)の 同期整流入り1チャネルDC/DCコンバータICです。出力ドライブ能力 が高く,家庭用TVゲーム機やノートPCなど,高速CPUをドライブす る内蔵電源に最適です。 概 要 当社では,家庭用TVゲーム機やノートPCなど,大電流を必要 とする高速CPU向けの電源ICの製品開発に力を注いでおり, MB3821/MB3882の開発を行ってきました。そして今回,家庭用 TVゲーム機,ノートPCなどの高速CPU向けの電源ICとして,過 電圧保護回路を内蔵したパルス幅変調方式(PWM方式)の同 期整流入り1チャネルDC/DCコンバータIC「MB3885」を開発しま した。 写真1 近年,家庭用TVゲーム機やノートPCなどのCPUは飛躍的に高 外観 速化が進んでおり,これに伴い,高効率でドライブ能力の高い電 源の要求が高まっています。MB3885は,パルス幅変調方式 回路構成 (PWM方式)の同期整流入り1チャネルDC/DCコンバータICで, 出力ドライブ能力の高い電源です。同期整流方式を採用しており, 高効率を実現します。また,5Vレギュレータと過電圧保護回路を 図1に端子配列図,図2にブロック図を示します。 内蔵しているため,部品点数の削減につながります。さらに電源 本製品は,以下に示す機能ブロックから構成されています。 投入時,出力短絡時の誤動作を防止するため,ソフトスタート回 路とタイマラッチ式ショート検出回路を内蔵しています。本製品は, DC/DCコンバータ機能 家庭用TVゲーム機やノートPCなど,高速CPUをドライブする内蔵 基準電圧部(Ref) 電源に最適です。 基準電圧回路は,電源端子から供給される電圧により温度補償 特 長 された基準電圧(2.5V標準)を発生し,IC内部回路の基準電圧 として使用します。また基準電圧は,VREF端子から外部に負過 同期整流方式を採用し高効率 電流を最大1mAまで取り出せます。 電源電圧範囲:5.5V〜18V 三角波発振器部 基準電圧精度:2.5V±1% CT端子,RT端子にそれぞれタイミング用のコンデンサと抵抗を 誤差増幅器スレッショルド電圧精度:1.25V±1%(0℃〜85℃) 接続することにより,CT(振幅1.3V〜1.9V)の三角波発振波形 発振周波数範囲:10kHz〜500kHz を発生します。三角波発振波形は,IC内部のPWMコンパレータ 誤差増幅器入力制御方式のソフトスタート回路を内蔵 に入力されるとともに,CT端子より外部に取り出せます。 出力はトーテムポール形式でNch MOS FET対応 誤差増幅器部(Error Amp.) パッケージ:SSOP-20P 誤 差 増 幅 器は, D C / D Cコンバータの出 力 電 圧を検 出し, PWM制御信号を出力する増幅器です。誤差増幅器は,同相入 30 FIND Vol.18 No.6 2000 MB3885 力電圧範囲が 0〜Vcc-1.8V と広く,外部電源からの設定が容 易です。また,誤差増幅器の出力端子から反転入力端子への帰 100%に設定します。保護回路が動作したときは,電源を再投入 すればリセットできます。 還抵抗とコンデンサの接続により任意のループゲインが設定できるた 低VCC時誤動作防止回路部(UVLO) め,システムに対して安定した位相補償ができます。さらに,誤差 通常電源投入時の過渡状態や電源電圧の瞬時低下は,本IC 増幅器の非反転入力端子であるCS端子にソフトスタート用コンデン の誤動作を誘起し,システムの破壊や劣化を招きます。このような サを接続することにより,電源起動時の突入電流を防止できます。 誤動作を防止するために,低VCC時誤動作防止回路は電源電圧 ソフトスタート時間は,DC/DCコンバータの出力負荷に依存しない に従って内部基準電圧レベルを検出し,出力FETをオフして休止 一定のソフトスタート時間で動作します。 期間を100%にするとともに,CSCP端子を L レベルに保ちます。 PWMコンパレータ(PWM Comp.) 電源電圧が低VCC時誤動作防止回路のスレッショルド電圧以上に 入力電圧に応じて出力デューティをコントロールする電圧−パル なれば,システムは復帰します。 ス幅変換器です。 過電圧保護回路部(OVP) ・メ イ ン 側:誤差増幅器出力電圧が三角波電圧よりも高い期 過電圧検出比較器は,過電圧検知コンパレータ(OVP Comp.) 間に出力FETをオンさせます。 がDC/DCコンバータの出力電圧レベルを検知し,スレッショルド電圧 ・同期整流側:誤差増幅器出力電圧が三角波電圧よりも低い期 以上になると,ラッチをセットしてメイン側FETのみオフさせます。保 間に出力FETをオンさせます。 護回路が動作したときは,電源を再投入すればリセットできます。■ 出力部 出力回路は,メイン側,同期整流側ともにトーテムポール形式で構 成しており,外付けNch MOS FETを駆動することができます。また, 図2 ブロック図 Vo 出力ドライブ能力(700mA 最大:デューティ≦5%)が高いためゲ A ート−ソース間容量が大きく,低オン抵抗のFETを使用できます。 コントロール機能 18 :VREF CT: 4 17 :SGND RT: 5 16 :PGND CS: 6 15 :OUT2 FB: 7 14 :VS −INE: 8 13 :OUT1 +INC: 9 12 :CB VCC:10 11 :VB Vol.18 No.6 2000 17 18 RT 5 CT 4 Ref Power (2.5 V)ON/OFF OSC 1.3 V bias VCC 1.9 V S R ラッチ 2.1 V CSCP 3 SCP Comp. − + 1μA Latch VCC R SQ +INC 9 OVP Comp. + 1.47 V − bias UVLO + − + + − PWM Comp.2 DTC Vin 19 :N.C. CSCP: 3 出力 ON/ OFF 信号 20 :N.C. N.C.: 2 A N.C.: 1 (FPT-20P-M03) FIND FB (TOP VIEW) 8 CS 6 7 端子配列図 −INE 10μA Error Amp. − + + デンサの電圧が約0.68Vになると出力FETをオフし,休止期間を 1.25 V CSCP端子に外付けされたコンデンサCSCPに充電を始めます。コン 図1 Drive2 5 V Reg. PWM Comp.1 がショート検知電圧以下となる場合にはタイマ回路が動作して, VCC 10 タイマラッチ式短絡保護回路(SCP) ショート検知コンパレータが出力電圧レベルを検知し,出力電圧 Drive1 保護回路機能 VREF SGND PGND 16 OUT2 15 VS 14 13 CB 12 11 VB により,出力のオン/オフ制御が可能です。 OUT1 表1に出力オン/オフ設定条件を示します。CS端子の設定条件 表1 出力オン/オフ設定条件 CS端子の電圧レベル 出力状態 GND OFF H i Z ON 31
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