家庭数 静岡市立足久保小学校 平成27年12月4日 12月号 № 8 企業が求める人材と学校教育 校長 伊東 一洋 今春卒業した大学生の就職率が96.7%の 言葉を含めると、成長意欲を求める企業が本当 高水準になり、同じく高校生は97.5%と 23 に多い。職場で仕事をしていると新たな仕事を 年ぶりの高水準になりました。 する機会がある。その機会を活かすべく、貪欲 企業が求める人材は、ずばり「企業で活躍で に知識を吸収していく姿勢を会社は成長意欲 きる人」すなわち「会社の利益に貢献できる人」 ととらえる。ときには失敗をするかもしれない。 です。全日空は「向上心を持ち挑戦する気概の それでも挑戦する姿勢を期待しているのであ ある人」三井物産は「柔軟で変化に適応できる る。若手社員は、規律性や傾聴力は比較的長け 人」セブンイレブンは「変化に対応できる人」 ている。ただ、創造力や働きかけ力、計画力な 等々、企業は、与えられた仕事を遂行するだけ どが苦手である。若手社員の志向を調査すると ではなく、組織の目標を達成するために何をや 受け身な姿勢が顕著に出てくる。新入社員には るべきかを自ら考え実行できる積極性を第一 組織の一員としての自覚を持たせることが必 に求めていると言えます。さらに第二は、状況 要であり、受け入れ側には、個々の貢献度やパ に応じて柔軟に思考や行動を変化させられる フォーマンスを引き出すマネジメントが必要 力(柔軟性)です。人事担当者は、その人が物 である。 (学校運営NO652 より抜粋) 事をどう考えるか、それに基づいてどう行動す 学校教育の目的は、人格の完成であり、会社 るか、考え方と行動を問題にして、面接で事細 が求める人材育成ではありません。されど、子 かに質問をして、その回答から期待できる人材 どもたちに、変化が大きい社会の中で真に「生 を選びぬくといいます。 きる力」を身に付けさせねばなりません。 コンビニ業界で独り勝ちと賞されるセブン 子どもたちと教職員は日々精進し、みんなで イレブンの高城幸司社長が、雑誌のエッセイに 授業中問題解決的な学習を嬉々として進め、思 以下のように述べています。 考力や判断力、表現力を培っています。そのも 会社の求める重要な要素の一つに「成長意欲」 とになる聴く力、話す力、書く力を毎日鍛錬し がある。仕事における成長意欲とは「仕事の困 て友だちと高め合っているのです。 難を乗り越えること」と言える。困難にあった 子どもは日々成長し続けます。すごい勢いで 時に、術を考え、周囲の支援を受けて乗り越え 成長しています。私たち大人は、その成長意欲 ることをいとわない姿勢。こうした姿勢を積極 を認め、ほめ、引き出しています。友だちと仲 的にすること。会社の求める資質としては、チ 良く学び、進んで考えを発表したり、自分の役 ームワーク、会話力、統率力などに次いで、上 割を自覚して責任を持って行動したりする姿 位に位置する。 は、必ず将来に生きる確かな力なのです。 成長意欲をチャレンジ、前向きなど類似した 自信を持って、 「前に 1 歩進もう」です。
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