トリパノソーマ・パラシテミアカウント法

Noboru Inoue, D.V.M., Ph.D., E-mail: [email protected]
National Research Center for Protozoan Diseases
Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine, Obihiro, Hokkaido 080-8555, Japan
トリパノソーマ・パラシテミアカウント法
ウエットスメア法
ウエットスメアの作製
1)尾の先端を 1 mm ほど切断し、2〜3 µl の血液を直接清潔なスライドグラ
ス上に採取する。
2)清潔なカバーガラスを血液にかぶせる。
原虫数の算定
1)対物 40 倍、接眼 10 倍のレンズを用いてスメアを観察し、1 視野あたり
の原虫数を求める。
原虫を算定する際に数える視野数の目安
原虫がほとんどいないとき: 40 視野
1 視野あたり 1〜10 匹:
20 視野
1 視野あたり 10〜20 匹:
5 視野
1 視野あたり 20〜50 匹:
1 視野
1 視野あたり 50 匹以上:
血球計算盤法を行う
2)次の計算式で血液中のおよその原虫濃度をもとめる。(前に鳴海君と作
製したコンバージョンテーブルから導き出した計算式です。)
原虫濃度(cells/ml)= 3.27×106×(1視野あたりの原虫数)0.944
例えば 40 視野に原虫が 1 匹見つかった場合
原虫濃度 = 3.27×106×(1÷40)0.944
= 3.27×106×0.0250.944 = 100509 cells/ml
血球計算盤法
感染血液 5 µl を PSG 2.5 ml と混合(500 倍希釈)して血球計算盤で原虫数を算
定し、原虫濃度をもとめる。
(注意)500 倍以下の希釈率では赤血球濃度が高く、原虫を血球計算盤でカウン
トしずらくなります。
Noboru Inoue, D.V.M., Ph.D., E-mail: [email protected]
National Research Center for Protozoan Diseases
Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine, Obihiro, Hokkaido 080-8555, Japan
バフィコート法
1)ヘマトクリット管に 1/4 採血し、遠心する。データの比較検討を可能とする
ため毎回採血量を同じにする。
2)遠心後、バフィコートから約 1 mm 血漿側をアンプルカッターで切断する。
3)バフィコートを清潔なスライドグラス上に押しだす。(ヘマトクリット管底
部の粘土を注射針などで押してやると簡単にバフィコートがでてきます)
4)清潔なカバーグラスをかぶせてバフィコートのウエットスメアを作製する
5)スメアの全領域を 100 倍程度の低倍率で観察し、原虫を検出する。
(注意)バフィコートで検出できる原虫濃度は 1000〜10000 cells/ml ぐらいで
す。