ミュンヘン国際空港(フランツ・ヨーゼフ・シュトラウス空港) における通関手続きについて 平成22年11月30日 在ミュンヘン日本国総領事館 最近、ミュンヘン国際空港での通関に関し、日本人によるトラブルが複数件確 認されています。税関における通関申告が適切に行われなかった場合には、当該 物品の使用目的や、課税を免れようとする故意の有無にかかわらず、違反として 多額の税・追徴金を課されたり、物品を税関に預け置くよう指示されたりする場 合があります。 税関申告義務のある物品注1をミュンヘン空港などドイツの空港を経由してシェ ンゲン協定域内へ持ち込む場合には、次の手続きによることとされておりますの でご注意の上税関申告を適切に行っていただくようお勧めします。 1 EU 以外の国からドイツに入国する際の課税基準 EU域外から持ち込む物品の価値が合計 430€を超える場合は課税(関税・輸入売上税 または特定消費税)の対象となります。ただし、以下の物品については、旅行者が規定 量の範囲で個人的に手荷物として携帯する場合に限り課税の対象にはなりません。 免税扱いとなる物品の範囲 (ミュンヘン空港ホームページから抜粋 詳しくは下記リンク先(英語)をご参照ください。) http://www.munich-airport.de/en/consumer/fluginfo/ein_ausreise/zoll/ankunft/index.jsp) たばこ類(17歳以上に限る。) a) 紙巻きたばこ b) 小型葉巻 c) 葉巻 d) 刻みたばこ アルコール飲料(17歳以上に限る。) a) 200 本 100 本 50 本 250 グラム 度数 22%以上の蒸留酒又は度数 80% 1 リットル 以上の非変性エチルアルコール 度数 22%未満の蒸留酒、リキュール、 2 リットル 発泡ワイン、甘味果実酒、日本酒等 b) 非発泡ワイン 4 リットル c) ビール 16 リットル 薬 品 旅行客が個人的に服用する量に限る その他(衣類、貴金属、コンピューター、カメラ等) 合計価格 430€相当まで(15 歳以下の旅行者の場合は 175€まで) または または または または または 及び ※ 価格、分量にかかわらず商用品の場合は課税の対象となります。また、衣服や宝石など 分割できない物の金額を他の人に振り分けてカウントすることはできません。 ※ 航空機内で免税扱いで購入した物品も課税対象となりますので注意が必要です。 、トラベラーズ・チェック、有 ※ 物品のほかにも、10,000 ユーロ相当の現金(外貨含む) 価証券類、貴金属などをEU圏に持込む場合、またはEU圏から持出す場合については、 税関への申告が必要です。 2 税関窓口への申告 税関カウンター前等に色分けされた通路がある場合、商用品や許可された免税量を超 える物品を所持していない方は「緑の表示のある通路」を選択して申告なしに通過する ことができます。(この通路を選んだ場合は、課税対象物品を持っていないと宣言した ものと見なされます。)課税対象物品を持っている方は、 「赤の表示のある通路」を選 択し、税関職員に該当する物品を提示して申告を行ってください。 (1)機内持込手荷物 機内持込手荷物で持ち込まれる物品は、最初にシェンゲン協定域内に入る地点で申 告義務があります。(ATAカルネ注2に記載された物品の一部のみが手荷物に入って いる場合も同様に申告義務があります。) ミュンヘン国際空港でシェンゲン域内国に乗り継ぎを行う場合で、手荷物として申 告対象となる物品を持っている場合には、搭乗フロアに移動する通路の途中に税関の 申告窓口がありますので、同所に物品を提示して申告を行う必要があります。 (2)機内預入荷物(スーツケース等) 商用物品(ATAカルネに記載された物品を含む。)が入った機内預入荷物が最終目 的地までスルーチェックインされている場合、それらの物品は最終目的地の税関で申 告することができます。 ただし、トランジットの際に預入荷物を一旦受取り、再度預け入れを行う場合には、 手荷物同様に最初に入域する空港の税関で申告を行う必要があります。 (下記※参照) (3)スムーズな申告のために 窓口に物品を提示すると、税関職員は課税対象品であるかどうかを確認し、物品の 購入価格をもとに課税額を決定します。購入価格の証明となる資料がない場合、税関 に備え付けられたリスト上の類似品を参考に課税額が決められますので、土産用の民 芸品など一見して価値が判断できない物を持ち込む際には購入時のレシート等を持っ ていると役に立ちます。また、税関窓口で税金を納付した場合には、そのレシートを 保管しておくとシェンゲン域内の他国に移動する際に有効です。 なお、EU域内で購入した物品を再度EU内に持ち込む場合には非課税となります ので、購入時に VAT (Value Added Tax:付加価値税)を納付済みであることが証明で きる領収証等を準備しておくと通関がスムーズに進められます。 ※ トランジット通路上の税関窓口 ターミナル2を利用して日本から到着後、シェンゲン域内の他国に向けて乗り継ぎを行う 場合は、レベル5(日本式3階)で入国審査を受けた後、レベル6(日本式4階)を経由し て搭乗階に移動する途中、レベル4(日本式2階)の通路に設置された税関窓口で手荷物の 申告を行う必要があります。窓口は比較的わかりやすい位置にありますが、通路の色分け等 の表示はありませんので見落とさないようご注意ください。(ターミナル1でトランジット を行う場合、またはターミナルの移動を伴う場合は通常の窓口で手続きを行うこととなりま す。詳しくは空港内の税関職員、警察官に質問して案内を受けてください。) トランジット者用申告窓口(ターミナル2) 窓口不在時には、入り口脇の壁に設置された電話を利 用して係員に連絡する必要があります。 3 税関申告違反に関する注意 1万ユーロ相当額を超える現金(外貨を含む)、トラベラーズ・チェック、有価証券類 のほか、申告義務のある物品またはATAカルネ適用物品を申告なしにドイツ国内(ま たはドイツを経由してシェンゲン協定域内)に持ち込んだことが発覚した場合には過失 による場合であっても税関申告違反として制裁金を課されることがあるほか、現場で物 品や現金を没収されたり、高額な保証金の支払いを求められたりする場合があります。 ドイツの税関職員は、違反の有無を確認するために、入国者を停止させて、所持金品に ついて検査を行う権限を有しており、違反の容疑が認められる場合には、身体検査を行 うことも可能とされています。 最近、ミュンヘン空港ではテロや組織犯罪への対策を目的に税関の取締りが強化され ており、制服・私服の税関職員が各フロアで警戒を行っています。税関窓口を通過した 後に職務質問によって不申告を指摘された際に「税関窓口に気がつかなかった。」、「窓 口係員が不在だった。」等の申し立てを行っても聞き入れられませんので、申告すべき 物品を携行している際には税関職員に質問する等して申告を行うようお勧めします。 税関において徹底した事情聴取が行われた結果、旅行者が搭乗する便を変更しなけれ ばならなくなった例も報告されています。急いでいるなどの事情はあっても、税関職員 の制止を振り切ってその場を立ち去ろうとした場合には、その行為が公務執行妨害など の犯罪とみなされて身柄を拘束される場合もありますので十分にご注意ください。 注1 中古品や会社の備品であっても、EU域外から持ち込む物品の価値が合計430ユーロを超 える場合(15歳以下の場合は175ユーロを超える場合)には申告が必要です。短期滞在者 が個人的に使用する物品は原則として非課税となりますが、不申告の場合には違反と判断され る場合がありますのでご注意ください。 特に比較的新しいノートパソコンやデジタルカメラが対象とされる例が多いので、これらを 持ち込む必要がある際には、ホテルの予約票や、帰国便のチケットなど、短期間(おおむね3 ヶ月以下であること)の滞在であることを説明できる資料をあらかじめ準備の上、当該物品に ついて、滞在期間中個人で使用し、帰国時には持ち帰る物品であり、販売や贈与を目的とする ものでないことをご説明ください。 注2 ATA カルネとは、商品見本や展示用出品物、職業用具等職業用具、商品見本、展示会への出 品物などの物品を外国へ一時的に持ち込む場合、外国の税関における通関手続きを簡単に行う ため、世界の主要国の間で結ばれた「物品の一時輸入のための通関手帳に関する通関条約(ATA 条約)」に基づく通関用書類のことです。(ATAカルネの発給は「一般社団法人 日本商事仲裁 協会」が行っております。詳細は同協会のホームページでご確認ください。 http://www.jcaa.or.jp/)
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