駐日ローマ法王庁大使挨拶 ジョセフ・チェノットゥ大司教

Apostolic Nuncio’s words at H.E. Matsuura’s installation as
Bishop of Nagoya (13 June 2015)
司教様、司祭、シスター方
そして信徒の皆さま、こんにちは!
聖ペトロと聖パウロに捧げられた名古屋カテドラル・布池教会で、ミカエル松
浦悟郎司教様が、名古屋の新司教に着座されますが、教皇様の任命書を読み上
げる前に、この喜びの日を神様に感謝いたしましょう。
愛する兄弟、姉妹の皆さま、この佳き日に、あらためて名古屋教区の福音宣教
の先駆者となられた方々を思い起こし、教皇庁の名で、心から感謝したいと思
います。まず、思い出すのは、神言修道会のライネル師、続いて松岡司教様、
相馬司教様、そして今回引退されたアウグスチノ野村純一司教様です。野村司
教様は、心を尽くし、献身的に、名古屋教区を 22 年にわたって治め、キリス
トのブドウ園の疲れ知らずの労働者として働いてくださいました。また、二期
にわたり、日本カトリック司教協議会会長を務められました。キリストの使徒
としての情熱、そして献身的な司牧に対して、野村司教様に心から感謝したい
と思います。野村司教様は、新しい司教様を迎えて、今きっと喜んでおられる
と思います。そして、これからも知恵と祈りのうちに新しい司教様を支え、名
古屋教区のために貢献してくださることと思います。
イエスは、ペトロにお尋ねになりました。「ヨハネの子シモン、この人たち以
上にわたしを愛しているか」と。イエスにとって、愛こそは、教会のいかなる
役職にも先立って優先されるべきものです。キリストの羊の世話をすることに
おいては、いっそうのことです。イエスは、「私の羊の世話をしなさい」とお
っしゃいました。羊は、イエスの羊であって、私たちのものではありません。
それは神の民であって、私たちの民ではありません。愛する松浦司教様、今、
名古屋の方たちは、どのような宗教、どのような出身の人であっても皆、司教
様がイエスの羊として愛し、思いやりと関心をもって世話をするように委ねら
れた人たちです。
教区は、神の民の家族です。そして司教は父親のような存在です。兄弟である
他の司教や教皇との交わりのうちに、松浦司教様が、教区の司祭、修道者、信
徒の方々と歩みを共にし、より活発な福音宣教を繰り広げていかれることを心
から願っています。そして名古屋の教会の善のために、それが教区内の大勢の
学生や移住者たちの間にも広がっていくことを願っています。憐れみ深い教会
の母、おとめマリアのお取次ぎに深い信頼を寄せましょう。兄弟である松浦司
教様、良き牧者であるキリストが、福音の宣教と霊魂の救いのために、教皇を
通してあなたに委ねられた司牧の使命を、あなたが忠実に、情熱をもって果た
していくことができるよう、マリア様にそのお取次ぎを願いましょう。